JPH108053A - 土質安定化剤とそれを用いた土質安定化方法 - Google Patents

土質安定化剤とそれを用いた土質安定化方法

Info

Publication number
JPH108053A
JPH108053A JP18150996A JP18150996A JPH108053A JP H108053 A JPH108053 A JP H108053A JP 18150996 A JP18150996 A JP 18150996A JP 18150996 A JP18150996 A JP 18150996A JP H108053 A JPH108053 A JP H108053A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sio
soil
aqueous solution
phytic acid
coordinate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18150996A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Kitamura
正 北村
Hideki Kuroki
英樹 黒木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Petrochemical Industries Ltd filed Critical Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority to JP18150996A priority Critical patent/JPH108053A/ja
Publication of JPH108053A publication Critical patent/JPH108053A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の地盤に対して浸透性に優れ、ゲルタイ
ムが数秒から1時間前後まで任意に調整可能あり、硬化
剤が液状で現場供給でき、低毒性と金属防蝕・防錆性を
併せ持つ硬化剤からなる水ガラスを主剤とする土質安定
化剤組成物を提供すること。 【解決手段】 主剤が特定の珪酸ソーダまたは珪酸ソー
ダとコロイダルシリカとを含有し、硬化剤がフィチン酸
またはその特定のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類
金属塩を含有してなる水溶液である土質安定化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土質を強化安定化
する方法に際して使用される、人体に対する安全性が高
く、天然物由来の有機酸を硬化剤成分とし、ゲルタイム
が数秒〜1時間前後の任意に調整が可能な土質安定化剤
とその土質安定化方法に関する。より詳しくは、珪酸ソ
ーダ水溶液または珪酸ソーダとコロイダルシリカ混合水
溶液を主剤とし、硬化剤として天然物から得られるフィ
チン酸やその塩の水溶液を使用する、いわゆる溶液型の
土質安定化剤、およびその土質安定化剤をグラウト注入
管を介して不安定土質中に注入し、浸透固結させて該土
質を強化安定化する工法(グラウト工法)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネル工事、都市土木工事に於
いて軟弱地盤の安定化や止水を目的としたグラウト工法
においては、種々の土質安定化剤がその地盤の性状に応
じて使い分けされている。そのグラウト工法に於いて使
用される土質安定化剤は、地盤注入薬液やグラウト薬剤
とも言われる。これまでには種々の土質安定化剤とその
工法が提案され実用化されているが、いずれに於いても
グラウト剤に対する要求性能は、硬化後の強度、ゲルタ
イム調整の容易さ、地盤への浸透性、環境への影響等様
々であり、コストと機能の両面から種々選択使用されて
いる。現在最も多く用いられているのは珪酸ソーダ(水
ガラス)水溶液を主剤とする土質安定化剤である。
【0003】その水ガラス系土質安定化剤には懸濁型と
溶液型の2つがある。このうち、前者の懸濁型には水ガ
ラスの硬化剤成分として、セメント、石灰、スラグ等の
水に懸濁する物質が知られる。例えば特開平7−166
163号にはモル比が1.5〜2.8の範囲にある水ガ
ラスと微粒子スラグを有効成分とする土質安定化剤が、
また特開平1−133965号にはポルトランドセメン
トを有効成分とする土質安定化剤が提案されている。一
般に懸濁型の土質安定化剤では総じてその1次粒子径が
比較的大きいため地盤への浸透性が不足する事が知られ
ている。また後者の溶液型では、水ガラスの硬化剤とし
て硫酸、塩酸、燐酸等の無機酸やその塩類及びまたはグ
リオキザール、エチレンカーボネート等で代表される強
アルカリ中で有機酸に徐々に変化する該物質が公知であ
る。例えば特開昭51−4815号には水ガラスの硬化
剤として燐酸とグリオキザールとを使用する技術が開示
されている。
【0004】最近水ガラスの強アルカリ性を嫌らって酸
性水ガラスやコロイダルシリカを主成分とする土質安定
化剤の提案がなされている。例えば水性コロイダルシリ
カ系土質安定化剤にあっては、硬化剤として消石灰やポ
ルトランドセメントを使用する技術が特開昭59−66
482号に、硬化剤としてスルファミン酸マグネシウム
塩等のアルカリ土類金属塩を使用する技術が特開昭63
−168485号に、硬化剤として塩化ナトリウムや硫
酸水素ナトリウム等を使用する技術が特開昭59−15
2985号に、更に硬化剤としてグリオキザール等を使
用する技術が特開平2−36156号にそれぞれ開示さ
れており、水ガラス系と同様な懸濁ないし溶液性の電解
質を加えて硬化される方法が提案されている。
【0005】しかしこれまで提案された浸透性の比較的
良好な溶液型電解質を硬化剤とした水性コロイダルシリ
カ系土質安定化剤では、ゲル強度が比較的低いという問
題がある。一方懸濁型電解質成分系ではまだ高速浸透固
結性が欠けるという問題がある。従って近年においても
その中心的な土質安定剤としては溶液型の水ガラス系が
多く使用されているのが実体である。
【0006】特に比較的安価に入手できる硫酸を硬化剤
成分とする土質安定化剤がグラウト剤が市場の中心とな
っているが、濃硫酸は劇物であり、取扱いや保管方法に
特に留意が必要であると共に、硫酸酸性で得られる酸性
シリカゾル系土質安定化剤組成物に於いては、遊離成分
が硫酸根を多く含む結果、土質中に埋設されている金属
配管や金属複合構造物を腐食する等の弊害が社会問題と
して特に大きな問題となっている。燐酸水素ナトリウム
や重炭酸ナトリウムに代表されるそれ自体が固体粉末で
あって事前に高濃度溶液とする事が困難な硬化剤は、主
として現場で水に添加溶解して硬化剤溶液を調製する必
要性があり、配合調製の繁雑さや正確な連続計量配合が
困難で、省力化が難しい。
【0007】近年ではかかる課題に対し埋設金属に対し
て防食性の性質を持ち人体に対する毒性が低く省力化が
可能な液状硬化剤の提供が強く求められている。すなわ
ち、天然物であってかつ液状または高濃度溶液として事
前に現場供給でき、浸透固結性に優れ、金属への防蝕防
錆効果の高い水ガラス系硬化剤が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、種々
の地盤に対して浸透性に優れ、ゲルタイムが数秒から1
時間前後まで任意に調整可能な土質安定化剤であって、
水ガラスを主成分とする主剤を固結させる為の硬化剤が
液状または高濃度水溶液として現場供給でき、それ自体
が天然に産する物質であって、人体に対する毒性が著し
く軽減された、いわゆる低毒性と金属防蝕・防錆性を併
せ持つ硬化剤からなる土質安定化剤組成物を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、その土質安定化剤を用
いた地下トンネルや都市土木工事の際の不安定土質の強
化を確実に行なう土質安定化工法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意検討した結果、珪酸ソーダ水溶液また
は珪酸ソーダとコロイダルシリカの混合水溶液のいずれ
かを主剤とし、天然物であるフィチン酸やその塩類を含
有させた水溶液を硬化剤とし、該主剤と硬化剤を混合
し、低粘度完全溶液型の土質安定化剤とする事で前記課
題を解決できる事を見出し本発明を達成した。
【0010】すなわち、本発明は、主剤が下記(a)ま
たは(b)であり、(a)SiO2/Na2Oモル比が
2.45〜4.5の珪酸ソーダを、そのSiO2とNa2
Oの総量で10〜50重量%含有してなる水溶液、
(b)SiO2/Na2Oモル比が4.5を超えない珪酸
ソーダと、SiO2/Na2Oモル比が20〜250のコ
ロイダルシリカとを含有し、その混合水溶液がSiO2
/Na2Oモル比で5〜50、SiO2とNa2Oの総量
で10〜50重量%である混合水溶液、硬化剤が、該硬
化剤と主剤とを下記の割合で混合したときに、主剤液中
のNa2Oの30〜120モル%相当分を中和すること
が出来る量のフィチン酸またはその1〜6配位アルカリ
金属塩もしくはその1〜3配位アルカリ土類金属塩を含
有してなる水溶液であって、上記主剤と硬化剤を容積比
で(1:0.9)〜(0.9:1)の割合で混合してな
る土質安定化剤である。さらに、他の本発明は、軟弱地
盤中に予めセットされたグラウト注入管を介して、前記
土質安定化剤を、1ショット方式、1.5ショット方
式、2ショット方式から選ばれたいずれかの方式で注入
し、浸透・流動・固結させ、土質を強化安定させる方法
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の土質安定化剤(以下単に
グラウト剤と呼ぶことがある)は、基本的には珪酸ソー
ダ水溶液または珪酸ソーダとコロイダルシリカの混合水
溶液のいずれかを主剤とし、一方、フィチン酸またはそ
の1〜6配位アルカリ金属塩もしくはその1〜3配位ア
ルカリ土類金属塩の水溶液を硬化剤とし、その主剤と硬
化剤の各液を混合して軟弱地盤中に注入して固結させる
ことで、該地盤を強化安定化することが出来るグラウト
剤である。
【0012】(a)液における珪酸ソーダは、SiO2
/Na2Oモル比が2.45〜4.5であり、好ましく
は2.45〜4.0、より好ましくは3.0〜3.5で
ある。またその珪酸ソーダは、通常、JIS K 14
08に規定されている3号珪酸ソーダが好ましく挙げら
れ、その他、2号珪酸ソーダや4号珪酸ソーダ等JIS
で規定されていない珪酸ソーダであっても、またそれら
の混合珪酸ソーダであっても、何等問題なく使用でき
る。(a)液中の該珪酸ソーダの含有濃度はSiO2
Na2Oの総量濃度であらわした場合、10〜50重量
%であり、好ましくは15〜45重量%、特に好ましく
は18〜40重量%である。含有量が10重量%未満で
は、固結した後の土質の強度が低くて安定強化が図りに
くく、含有量が50重量%を越えると、液自体の粘度が
高すぎて土質浸透性に欠ける傾向にある。
【0013】(b)液における珪酸ソーダは、SiO2
/Na2Oモル比が4.5を超えないものであり、好ま
しくは3.0〜3.5である。通常、JIS K 14
08に規定されている3号珪酸ソーダが好ましく挙げら
れ、その他、1号珪酸ソーダ、2号珪酸ソーダや4号珪
酸ソーダ等JISで規定されていない珪酸ソーダであっ
ても何等問題なく使用できる。(b)液におけるコロイ
ダルシリカとは、通称シリカゾルと呼ばれているもの
で、例えば前記した珪酸ソーダ水溶液を原料にして、イ
オン交換法、酸中和法、電気透析法、微細シリカ粉末の
水分散法等で製造されるものが代表的である。その分散
粒子径としては3〜100nmのものがよく、より実用
的には3〜30nmのものが良い。コロイダルシリカは
SiO2/Na2Oモル比が20〜250であり、好まし
くは20〜130、より好ましくは20〜80である。
モル比が20未満では密度と分子量の大きい独立分散シ
ロキサンゾル粒子が得られにくく、250を越えると一
次分散粒子径が100nmを超えるため、それ自体の液
安定性に欠けると同時に、得られる土質安定化剤組成物
が懸濁溶液型に近似した挙動を示す結果となり、軟弱土
質への均一浸透性に欠ける。
【0014】前記(b)液の珪酸ソーダとコロイダルシ
リカとを含有する混合水溶液のSiO2/Na2Oモル比
は5〜50であり、好ましくは6〜35、より好ましく
は6〜30である。また、有効成分であるSiO2とN
2Oの総量は混合水溶液中で10〜50重量%であ
り、好ましくは15〜45重量%、最も好ましくは18
〜40重量%がホモゲル強度が高くて経済的でありかつ
作業性が良い。両成分の総含有量が10重量%未満であ
る時は、固結した後の土質の強度が極端に低く安定強化
が図りにくく、含有量が50重量%を越えると液自体の
粘度が高すぎて土質浸透性に欠けるかまたは溶液自体の
安定性が欠ける傾向にある。主剤を前記(b)とする事
により、固結後の土質強度を一層向上させる事やゲルタ
イムを安定かつ任意に調整する事ができる。
【0015】また主剤液中には、事前に重炭酸アルカリ
有機化合物またはアルカリ性金属塩類を加えてその水溶
液pHを11以上とすることは好ましい。その理由は、
主剤液のpHを11未満とした場合、液は不安定とな
り、数十分以内にはゲル化して使用出来ない状態となる
からである。pHが11以上である場合は少なくとも調
整後数時間は溶液状態を確保できると共に、硬化剤液と
の混合時には気温によるゲルタイムの変動が低い土質安
定化剤となる。重炭酸アルカリ有機化合物としては炭酸
グアニジンや炭酸コリン等が挙げられる。アルカリ金属
塩類としては例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、燐酸水素二カリウム、燐酸水素二ナトリウム、硫
酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム等が挙げられる。
【0016】次に、本発明の硬化剤液について述べる。
硬化剤液に含まれる必須成分は、天然物である米糠から
抽出分離精製してなる、フィチン酸、フィチン酸の1〜
6配位アルカリ金属塩類、フィチン酸の1〜3配位アル
カリ土類金属塩類等から選ばれた1種または2種以上の
混合物である。フィチン酸は前記した様に天然の有機燐
酸化合物であり、別名イノシットヘキサリン酸と呼ば
れ、優れたキレート生成能力と抗酸化剤能力を併せ持つ
事が知られている。またフィチン酸は金属表面に結合し
た場合には優れた防蝕防錆性を発揮する為、工業的に缶
詰等の食品保存用添加剤の1種として、または飲料水の
褪色防止剤としても多用されており、極めて人体に対し
て安全な物質である事が良く知られている。本発明のフ
ィチン酸は一般的に水溶液の状態で米糠より取り出さ
れ、通常50重量%程度の水溶液として市場で容易に入
手できる。
【0017】またフィチン酸の1〜6配位アルカリ金属
塩とは、例えばイノシットヘキサリン酸の1〜6配位ナ
トリウム塩、イノシットヘキサリン酸1〜6配位カリウ
ム塩のいずれかまたはその混合物が代表的である。フィ
チン酸の7〜12配位アルカリ金属塩、すなわち、例え
ばイノシットヘキサリン酸の7〜12配位ナトリウム
塩、イノシットヘキサリン酸7〜12配位カリウム塩
は、それ自身珪酸ソーダの中和能力が欠如する結果、極
端に大量に配合する必要性がある等の理由で好ましくな
い。
【0018】また、フィチン酸の1〜3配位アルカリ土
類金属塩とは、例えばイノシットヘキサリン酸1〜3配
位カルシウム塩、イノシットヘキサリン酸1〜3配位マ
グネシウム塩に代表され、その他イノシットヘキサリン
酸1〜3配位鉄塩、イノシットヘキサリン酸1〜3配位
亜鉛塩、イノシットヘキサリン酸1〜3配位マンガン
塩、イノシットヘキサリン酸1〜3配位錫塩が例示でき
る。イノシットヘキサリン酸1〜3配位マグネシウム塩
が人体に対する生理活性上特に安全性が高い事から好ま
しい。フィチン酸の4〜6配位アルカリ土類金属塩では
水に対する溶解度が低く好ましくない。
【0019】フィチン酸と同様、前記フィチン酸のアル
カリ金属塩や同アルカリ土類金属塩等は天然物であり、
自然界ではむしろフィチン酸としてよりもアルカリ金属
塩や同アルカリ土類金属塩として米糠中等に広く存在し
ている事から、より一層人体への安全性は高い物であ
る。
【0020】硬化剤水溶液中のフィチン酸またはそのア
ルカリ金属塩もしくはそのアルカリ土類金属塩の濃度
は、前記した主剤液のアルカリ度を決定しているソーダ
成分、すなわちNa2Oの含有量と相関して決定され、
そのNa2Oの30〜120モル%相当分を中和出来る
量であり、この範囲で瞬結〜長結の任意の各種土質安定
化剤を調製できる。30モル%相当分未満の中和相当量
の場合にはしばしば数時間以上ゲル化しないかまたはホ
モゲル強度が低く安定な土質が形成できにくく、120
モル%相当分を越える中和相当量では、特に問題はない
もののホモゲル強度に於いて顕著な効果を特にそれ以上
引出せない。特にNa2Oの40〜79モル%相当分を
中和する事が出来る量とすると、得られる土質安定化剤
のゲルタイムがおおよそ3分〜60分で任意に調整可能
であり、緩結〜長結型の各種土質安定化剤を得ることが
できる点で好ましい。また、Na2Oの80〜120モ
ル%相当分を中和する事が出来る量とすると、得られる
土質安定化剤のゲルタイムがおおよそ3分以下で任意に
調整可能であり、瞬結〜短緩結型の各種土質安定化剤を
得ることができる点で好ましい。
【0021】本発明の土質安定化剤は、主剤と硬化剤と
を容積比で(1:0.9)〜(0.9:1)、好ましく
は1:1により近似させて混合する。その結果、他の硬
化剤を必ずしも必要とせずに、実用性のあるホモゲル強
度を有するゲル化挙動を示す。
【0022】本発明の土質安定化剤には、対象とする土
質の種類に応じて他の公知の硬化剤成分を硬化剤液中に
予め少量併用使用することが出来る。配合出来る硬化剤
成分としては、無機物硬化剤では例えば塩酸、硫酸、リ
ン酸、硝酸、ホウ酸、亜硫酸、亜リン酸、炭酸及びその
可溶性塩類等が、また水溶性有機物硬化剤では例えばグ
リオキザールで代表される脂肪族アルデヒド類、エチレ
ングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジア
セテートで代表されるグリコールの2酢酸エステル類、
γ−ブチロラクトンで代表される環状ラクタム類、ジメ
チルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートで代表されるアルキレンカーボネート類等
が挙げられる。その他グリオキシル酸、乳酸、琥珀酸、
リンゴ酸等で代表される水溶性有機酸類も併用して良
い。特により一層のホモゲルの高強度化や使用環境の変
動に対してゲルタイムのより一層の安定化を図る目的
で、前記した他の硬化剤を併用することは好ましい。
【0023】中でも本発明の硬化剤液として、該硬化剤
と主剤とを混合したときに、主剤中のNa2Oの30〜
80モル%相当分を中和する事が出来る量のフィチン酸
またはその1〜6配位アルカリ金属塩もしくは1〜3配
位アルカリ土類金属塩と、アルカリ中で徐々に有機酸に
変る水溶性有機化合物としてグリオキザール、エチレン
グリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン、ジメチ
ルカーボネート、、エチレンカーボネート、プロピレン
カーボネートから選ばれた1種または2種以上を有機酸
に換算して主剤中のNa2Oの 100〜10モル%相当
分を中和するに相当する量とを含有してなる水溶液は本
発明の好ましい態様である。
【0024】また硬化剤に於いて、前記した範囲のフィ
チン酸またはその1〜6配位アルカリ金属塩もしくは1
〜3配位アルカリ土類金属塩の希釈水として海水を含む
水を使用する事は、ホモゲルのいっそうの圧縮強度の向
上が図れ、現場配合適性にすぐれ、経済性の点でも優位
である事などから好ましい。
【0025】上記の土質安定化剤を用いる本発明の土質
安定化方法は、ゲルタイムに応じて両者を混合し、1液
1系統式で地盤注入固結させるいわゆる1ショット方
式、2液1系統式で地盤注入固結させるいわゆる1.5
ショット方式、2液2系統式で地盤注入固結させるいわ
ゆる2ショット方式で行ないうる。特に本発明の土質安
定化剤の特徴を生かした経済的な方法としては、1.5
ショット方式が適当な例としてあげられる。
【0026】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す
が、本発明は実施例によって限定されない。また、例中
の%、部とはそれぞれ重量%、重量部を意味する。また
各例に於ける土質安定化剤の評価は次の方法で行なっ
た。
【0027】[ゲルタイム測定方法]主剤液と硬化剤液
とを混合均一化した時間を基点とし、調製された混合液
の静置状態から90度傾斜させた時に流動性が失われて
流出しなくなるまでの時点までの経過時間で計測して表
示した。
【0028】[浸透性の測定方法]攪拌を終了した直後
の液500mLを用いて、透明アクリル製円筒容器(5
0mm直径、長さ1m)に予め充填高さ50cmとなる
ように充填した豊浦標準砂層の上部から、穴の直径が1
mm程度の多孔質遮蔽案内板を介して、浸透圧力1Kg
/cm2下の一定加圧状態で浸透させた。下部からの流
出する液のpH値変化を測定して水単独での透過時間と
比較して浸透性の良否を判定した。
【0029】[圧縮強度]成分を均一に混合してなる土
質安定化剤をゲル化前に50mmφ×100mmHの型
枠に注ぎ込み、ゲル化させて、そのまま水中にて一定期
間養生させて後、脱型し、アームスラー型強度試験機を
用いてホモゲルの一軸圧縮強度を測定した。また各例に
於ける土質安定化剤の主剤液、硬化剤液は、次の様に調
整した。以下の記載・表中のLの記号は容積単位でリッ
トルの意味で使用する。
【0030】調製例1 [主剤a−1液]JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2
分濃度29.8重量%、Na2O分濃度9.15重量
%、SiO2/Na2Oモル比が3.16)1Lと市水1
Lとを混合してSiO2/Na2Oモル比が3.16、S
iO2とNa2O分の総量が22.77%(5.35%の
Na2O含有量、17.42%のSiO2含有量)の番号
(a−1)の珪酸ソーダ水溶液2Lとした。
【0031】調製例2 [主剤a−2液]JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2
分濃度29.8重量%、Na2O分濃度9.15重量
%、SiO2/Na2Oモル比が3.16)0.5Lと市
水1.5Lとを混合してSiO2/Na2Oモル比が3.
16、SiO2とNa2O分の総量が12.44%(2.
91%のNa2O含有量、9.53%のSiO2含有量)
の番号(a−2)の珪酸ソーダ水溶液2Lとした。
【0032】調製例3 [主剤a−3液]市販2号珪酸ソーダ原液(SiO2
濃度35.90重量%、Na2O分濃度14.05重量
%、SiO2/Na2Oモル比が2.50)1.5Lと市
水0.5Lとを混合してSiO2/Na2Oモル比が2.
50、SiO2とNa2O分の総量が41.38%(1
1.64%のNa2O含有量、29.74%のSiO2
有量)の番号(a−3)の珪酸ソーダ水溶液2Lとし
た。
【0033】調製例4 [主剤b−1液]JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2
分濃度29.8重量%、Na2O分濃度9.15 重量
%、SiO2/Na2Oモル比が3.16)0.4Lと表
1の番号(S−1)で示されたS−1コロイダルシリカ
溶液(SiO2分濃度29.8重量%、Na2O分濃度
0.55重量%、SiO2/Na2Oモル比が52.5、
粒子径が12nm、比重1.23)0.2Lと市水1.
4Lとを混合して、混合液中のSiO2/Na2Oモル比
が29.15、SiO2とNa2O分の総量が13.3%
(2.4%のNa2O含有量)の番号(b−1)の珪酸
ソーダ水溶液2Lとした。
【0034】調製例5 [主剤b−2液]市販4号珪酸ソーダ原液(SiO2
濃度24.55重量%、Na2O分濃度6.67重量
%、SiO2/Na2Oモル比が3.57)1Lと表1の
番号(S−1)で示されたS−1コロイダルシリカ溶液
(SiO2分濃度29.8重量%、Na2O分濃度0.5
5重量%、SiO2/Na2Oモル比が52.5、粒子径
が12nm、比重1.23)0.2Lと市水0.8Lと
を混合して、混合液中のSiO2/Na2Oモル比が1
1.5、SiO2とNa2O分の総量が20.4%(3.
7%のNa2O含有量)の番号(b−2)の珪酸ソーダ
水溶液2Lとした。
【0035】調製例6 [主剤a−4液]JIS3号珪酸ソーダ原液(SiO2
分濃度29.8重量%、Na2O分濃度9.15重量
%、SiO2/Na2Oモル比が3.16)1.4Lと市
水0.6Lとを混合してSiO2/Na2Oモル比が3.
16、SiO2とNa2O分の総量が30.53%(7.
02%のNa2O含有量)の番号(a−4)の珪酸ソー
ダ水溶液2Lとした。
【0036】調製例7 [主剤b−3液]市販1号珪酸ソーダ原液(SiO2
濃度37.27重量%、Na2O分濃度17.65重量
%、SiO2/Na2Oモル比が2.11)1.4Lと表
1の番号(S−2)で示されたS−2コロイダルシリカ
溶液(SiO2分濃度49.9重量%、Na2O分濃度
0.71重量%、SiO2/Na2Oモル比が70.3、
粒子径が15nm、比重1.34)0.3Lと市水0.
3Lとを混合してSiO2/Na2Oモル比が12.2、
SiO2とNa2O分の総量が48.8%(13.6%の
Na2O含有量)の番号(b−3)の珪酸ソーダ 水溶液
2Lとした。
【0037】調製例8 [主剤b−4液]市販4号珪酸ソーダ原液(SiO2
濃度24.55重量%、Na2O分濃度6.67重量
%、SiO2/Na2Oモル比が3.57)0.5Lと表
1の番号(S−2)で示されたS−2コロイダルシリカ
溶液(SiO2分濃度49.9重量%、Na2O分濃度
0.71重量%、SiO2/Na2Oモル比が70.3、
粒子径が15nm、比重1.34)1Lと市水0.5L
とを混合してSiO2/Na2Oモル比が48.8、Si
2とNa2O分の総量が35.4%(2.1%のNa2
O含有量)の番号(b−4)の珪酸ソーダ水溶液2 L
とした。表1に前記実施例の主剤液(a−1)〜(a−
4)、(b−1)〜(b−4)の各組成を纏めて表示し
た。
【0038】比較調製例1 [主剤液a1]JIS3号珪酸ソーダ溶液(SiO2
濃度29.8重量%、Na2O分濃度9.15重量%、
SiO2/Na2Oモル比が3.16)0.2Lと市水
1.8Lとを混合してSiO2/Na2Oモル比が3.1
6、SiO2とNa2O分の総量が5.27%(1.24
%のNa2O含有量、4.03%のSiO2含有量)の番
号(a1)の珪酸ソーダ水溶液2Lとした。
【0039】比較調製例2 [主剤液a2]調製例7で用いたものとは別ロットの市
販1号珪酸ソーダ原液そのものとした。
【0040】比較調製例3 [主剤液b1]S−2コロイダルシリカ溶液(SiO2
分濃度49.9重量%、Na2O分濃度0.71重量
%、SiO2/Na2Oモル比が70.3、粒子径が15
nm、比重1.34)そのものとした。表2に前記比較
例の主剤液(a1)〜(a2)、(b1)の各組成を纏
めて表示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】実施例1〜3 主剤として表1記載の(a−1)溶液を選択しその10
0mlと、表3記載のとおり50%フィチン酸を適宜希
釈して調整した各硬化剤液100mlとを、それぞれ室
温下で混合均一化してゲル化時間とゲル化後さらに市水
浸漬下で3日養生後のホモゲル強度とを測定し、表3に
併せて記載した。
【0044】実施例4〜8 表4記載の様に、主剤として表1記載の(a−2)、
(a−3)、(b−1)、(b−2)の各溶液をそれぞ
れ選択し、その100mlと、表3記載のとおり50%
フィチン酸を表4の様に配合して調整した各硬化剤液1
00mlとを、それぞれ室温下で混合均一化してゲル化
時間とゲル化後さらに市水浸漬下で3日養生後のホモゲ
ル強度とを測定し、表4に併せて記載した。
【0045】実施例9〜13 表5記載の様に、主剤として表1記載の(a−4)、
(b−4)の各溶液をそれぞれ選択し、その100ml
と、表5記載のとおり50%フィチン酸水溶液、40%
フィチン酸6ナトリウム塩水溶液、40%フィチン酸3
マグネシウム塩水溶液を配合して調整した各硬化剤液1
00mlとを、それぞれ室温下で混合均一化してゲル化
時間とゲル化後さらに市水浸漬下で3日養生後のホモゲ
ル強度とを測定し、表5に併せて記載した。
【0046】実施例14〜19 表6記載の様に、主剤として表1記載の(a−4)、
(b−3)の各溶液をそれぞれ選択し、その100ml
と、表6記載のとおり50%フィチン酸水溶液(表6中
では記号Ph酸とした。)、40%グリオキザール水溶
液(表6中では記号GXとした。)、100%エチレン
グリコールジアセテート(表6中では記号EDとし
た。)、100%ジメチルカーボネート(表6中では記
号DCとした。)、100%エチレンカーボネート(表
6中では記号ECとした。)、100%プロピレンカー
ボネート(表6中では記号PCとした。)、100%γ
プチロラクトン(表6中では記号BRとした。)を配合
して調整した各硬化剤液100mlとを、それぞれ室温
下で混合均一化してゲル化時間とゲル化後さらに市水浸
漬下で3日養生後のホモゲル強度とを測定し、表6に併
せて記載した。
【0047】実施例20〜23 表7記載の様に、主剤として表1記載の(a−1)、
(a−4)を選択し、その100mlと、表7記載のと
おり50%フィチン酸水溶液(表7中では記号Ph酸と
した。)、40%グリオキザール水溶液(表7中では記
号GXとした。)を配合して調整した各硬化剤液とを、
それぞれ室温下で主剤:硬化剤の容積比を振って混合
し、均一化し、ゲル化時間とゲル化後さらに市水浸漬下
で3日養生後のホモゲル強度とを測定し、表7に併せて
記載した。
【0048】比較例1〜10 表8記載の様に、主剤として表1記載の(a−1)、
(b−2)、表2記載の(a1)、(a2)、(b1)
の各溶液をそれぞれ選択し、その100mlを採取して
主剤液とし、一方、表8記載のとおり、50%フィチン
酸水溶液(表8中では記号Ph酸とした。)、40%グ
リオキザール水溶液(表8中では記号GXとした。)を
適宜水で希釈して、各硬化剤液の100mlを調整し
た。それぞれを室温下で混合均一化して、ゲル化時間と
ゲル化後さらに市水浸漬下で3日養生後のホモゲル強度
とを測定し、表8に併せて記載した。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】実施例24 表3の実施例1に記載の主剤と硬化剤の各液2リットル
を別々のタンクに用意し、注入1分前に主剤液に対し硬
化剤液を全量添加配合して土質安定化剤を得た。その土
質安定化剤を定量送液ポンプを介して、1ショット方式
にて、注入浸透性試験を行なった。合流液は豊浦標準砂
を充填させた前記浸透性試験用の充填搭の上部に、充填
搭トップ部の圧力がゲージ圧1kg/cm2の一定圧力
下となる様に土質安定化剤を定量吐出させた 。その結
果、吐出注入量が210ml/分で安定し、市水のみを
用いた同試験の吐出注入量の95%の定量吐出量を確保
できる事が判明し、この土質安定化剤はスムーズなグラ
ウト浸透性を有することが確認された。
【0056】実施例25 水ガラス専用コンテナと市水の貯水タンクにそれぞれ連
結たギャーポンプ式定量ポンプを作動させる事で表1記
載のa−1の主剤液を連続供給できる装置を用意した。
一方、50%フィチン酸専用タンクと前記市水の貯水タ
ンクにそれぞれ連結されたギャーポンプ式定量ポンプを
作動させる事で表3記載の実施例1に示した硬化剤液を
連続製造可能な装置を用意した。1つのスイッチで両者
が同時に稼働するようにし、各装置で連続調整された液
をさらにY字管で容積比で1:1で混合して吐出する、
いわゆる1.5ショット方式にて、以下の注入浸透性試
験を行なった。
【0057】予め関東地区の平均200μm粒子径を持
つ河砂が敷き詰められた大きさ2m角の水及び空気が出
入り可能なプールを、深さ3mとなる高さで、少なくと
も試験の数日前に屋外に用意し、土質を十分締め固め
た。そのセンター部分に太さ1インチのグラウト単管
(先端は密封されており、先端の上1cm部位の周囲に
直径0.5mmの穴を二列に多数配したグラウト用単
管)を深さ2mの位置に差込み、このグラウト管を介し
て、ゲージ圧力0.35kgf/cm2の低圧吐出を数
分間行なった。その後わづかづつ単管を引上げて同操作
を繰返し土質安定化処理を施した。
【0058】翌日、同プールを注意深く上部より取崩し
て、注入固結土壌を取り出して観察した所、グラウト管
のあった位置を中心とするほぼ直径1mの円柱の固結体
である事が観察された。同固結体の低部と中心部と上部
の3ケ所からコアを引抜いて、それぞれサンドゲルの1
軸圧縮強度を測定した結果、注入初期硬化体(底辺部固
結体)と注入後期硬化体は、ほとんど差が見られず、一
定の配合で注入されそれぞれ浸透固結した物と容易に推
定された。また、ほぼその中心部分のコアのサンドゲル
の1軸圧縮強度は平均3.1kgf/cm2で、また同
附近の固結体の透水係数がほぼ4×10-5と判明し、止
水性と非崩壊安定性に優れた土質に変化している事を確
認した。
【0059】実施例26 表4の実施例7に記載の土質安定化剤を、その主剤と硬
化剤の各液50リットルを別々のタンクに用意した。そ
の各タンク下部から定量ポンプにて、二重注入管(先端
で2液混合吐出でき、吐出方向が埋設管の真横360度
方向に噴射吐出出来る構造を有する。)を介して吐出す
る、いわゆる2ショット方式にて、以下の注入浸透性試
験を行なった。
【0060】予め関東地区の平均200μm粒子径を持
つ河砂が敷き詰められた大きさ2m角の水及び空気が出
入り可能なプールを、深さ3mとなる高さで、少なくと
も試験の数日前に屋外に用意し、土質を十分締め固め
た。そのセンター部分に太さ1インチのグラウト二重管
を深さ2mの位置に差込み、このグラウト管を介して、
ゲージ圧力1.5kgf/cm2の定圧吐出を数分間行
なった。その後わづかづつ単管を引上げては同操作を繰
返して土質安定化処理を施した。
【0061】翌日、同プールを注意深く上部より取崩し
て、注入固結土壌を取り出して観察した所、グラウト管
のあった位置を中心とするほぼ直径1mの円柱の固結体
である事が観察された。同固結体からコアを引抜いてサ
ンドゲル強度を測定した結果、ほぼその中心部分のコア
の強度は平均2.7kgf/cm2で、また同附近の固
結体の透水係数がほぼ5×10-5と判明し、止水性と非
崩壊安定性に優れた土質に変化している事を確認した。
【0062】実施例27〜31 実施例27は実施例9で得たと同様のホモゲル体に、実
施例28は実施例13で得たと同様のホモゲル体に、実
施例30は実施例14で得たと同様なホモゲル体に、実
施例31は実施例3と同様にして得たやや酸過剰配合ホ
モゲル硬化体に、それぞれ厚さ0.5mm、幅1cm、
長さ3cmの鉄板を差込んで金属腐食の有無を観察し
た。その結果、数日から1週間後に於いて、特に顕著な
赤錆の発生はこれらの全てに於いて観察されなかった。
【0063】比較例11 75%濃硫酸の4.6容量%と市水95.4容量%から
なる硬化剤液1Lと、JIS3号水ガラスの40容量%
と市水60容量%からなる主剤1Lとを混合均一化して
なる土質安定化剤のホモゲル中に、実施例27と同様
に、鉄板を差込んで金属腐食の有無を観察した結果、翌
日には赤錆が観察され、1週後には金属形状の著しい肉
痩せと変形脱落等が観察され、鉄金属をひどく腐食する
事が観察された。
【0064】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の土質安定化剤
は、土質安定化工法の省力化はもとより、埋設されてい
る金属配管の防蝕・防錆性が発揮され、都市土木用また
はトンネル工事の安全性確保の為の安全かつ安定した数
秒から60分の任意の所望するゲル化時間でゲルする優
れた土質安定化剤である。また、幅広いゲルタイムと高
いホモゲル強度の固結が可能であり、実用性のある圧縮
強度で硬化する土質安定注入固結剤である。その注入地
盤は極めて顕著な止水性能、強固な非崩壊実用強度が発
揮される。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主剤が下記(a)または(b)であり、
    (a)SiO2/Na2Oモル比が2.45〜4.5の珪
    酸ソーダを、そのSiO2とNa2Oの総量で10〜50
    重量%含有してなる水溶液、(b)SiO2/Na2Oモ
    ル比が4.5を超えない珪酸ソーダと、SiO2/Na2
    Oモル比が20〜250のコロイダルシリカとを含有
    し、その混合水溶液がSiO2/Na2Oモル比で5〜5
    0、SiO2とNa2Oの総量で10〜50重量%である
    混合水溶液、 硬化剤が、該硬化剤と主剤とを下記の割合で混合したと
    きに、主剤液中のNa2Oの30〜120モル%相当分
    を中和することが出来る量のフィチン酸またはその1〜
    6配位アルカリ金属塩もしくはその1〜3配位アルカリ
    土類金属塩を含有してなる水溶液であって、上記主剤と
    硬化剤を容積比で(1:0.9)〜(0.9:1)の割
    合で混合してなる土質安定化剤。
  2. 【請求項2】 (a)または(b)の珪酸ソーダのSi
    2/Na2Oモル比が3.0〜3.5であることを特徴
    とする請求項1記載の土質安定化剤。
  3. 【請求項3】 硬化剤が、該硬化剤と主剤とを前記の割
    合で混合したときに、主剤中のNa2Oの30〜80モ
    ル%相当分を中和する事が出来る量のフィチン酸または
    その1〜6配位アルカリ金属塩もしくは1〜3配位アル
    カリ土類金属塩と、更にアルカリ中で徐々に有機酸に変
    る水溶性有機化合物であるグリオキザール、エチレング
    リコールジアセテート、γ−ブチロラクトン、ジメチル
    カーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカー
    ボネートから選ばれた1種または2種以上を、有機酸に
    換算して主剤液中のNa2Oの100〜10モル%相当
    分を中和するに相当する量を含有してなる水溶液である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の土質安定化
    剤。
  4. 【請求項4】 硬化剤が、海水を含む水溶液である事を
    特徴とする請求項1または2記載の土質安定化剤。
  5. 【請求項5】 主剤は、予め水溶性の重炭酸アルカリ有
    機化合物またはアルカリ性金属塩類を加えることにより
    そのpHを11以上としたことを特徴とする請求項1〜
    4記載のいずれか1項の土質安定化剤。
  6. 【請求項6】 フィチン酸の1〜6配位アルカリ金属塩
    がフィチン酸の1〜6配位ナトリウム塩、フィチン酸の
    1〜6配位カリウム塩のいずれかまたは混合物である事
    を特徴とする請求項1〜5記載のいずれか1項の土質安
    定化剤。
  7. 【請求項7】 フィチン酸の1〜3配位アルカリ土類金
    属塩がフィチン酸1〜3配位マグネシウム塩のいずれか
    または混合物である事を特徴とする請求項1〜5記載の
    いずれか1項の土質安定化剤。
  8. 【請求項8】 硬化剤の有効成分がフィチン酸単独であ
    ることを特徴とする請求項1〜5記載のいずれか1項の
    土質安定化剤。
  9. 【請求項9】 軟弱地盤中に予めセットされたグラウト
    注入管を介して、請求項1〜8記載のいずれか1項の土
    質安定化剤を、1ショット方式、1.5ショット方式、
    2ショット方式から選ばれたいずれかの方式で注入し、
    浸透・流動・固結させ、土質を強化安定させる方法。
JP18150996A 1996-06-21 1996-06-21 土質安定化剤とそれを用いた土質安定化方法 Pending JPH108053A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18150996A JPH108053A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 土質安定化剤とそれを用いた土質安定化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18150996A JPH108053A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 土質安定化剤とそれを用いた土質安定化方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH108053A true JPH108053A (ja) 1998-01-13

Family

ID=16102012

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18150996A Pending JPH108053A (ja) 1996-06-21 1996-06-21 土質安定化剤とそれを用いた土質安定化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH108053A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013089445A1 (ko) * 2011-12-15 2013-06-20 Kim Jung Ick 아쿠아겔형 토양강화제와 이의 제조방법, 그리고 그 토양강화제를 이용한 수평배수층 포설공법
CN111718723A (zh) * 2020-07-17 2020-09-29 浙江大学 植酸修饰复合生物炭土壤调理剂及其制备方法和应用

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013089445A1 (ko) * 2011-12-15 2013-06-20 Kim Jung Ick 아쿠아겔형 토양강화제와 이의 제조방법, 그리고 그 토양강화제를 이용한 수평배수층 포설공법
CN111718723A (zh) * 2020-07-17 2020-09-29 浙江大学 植酸修饰复合生物炭土壤调理剂及其制备方法和应用
CN111718723B (zh) * 2020-07-17 2021-11-30 浙江大学 植酸修饰复合生物炭土壤调理剂及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0273445B1 (en) Chemical grout for ground injection and method for accretion
JPH108053A (ja) 土質安定化剤とそれを用いた土質安定化方法
JPH09157646A (ja) 固化材・ベントナイト注入液の製造方法および同注入液製造用粉体
JP3345680B2 (ja) 裏込め注入材
JP3382330B2 (ja) 地盤注入剤
JP3150380B2 (ja) 地盤注入剤とその注入工法
JP3142325B2 (ja) 地盤注入剤とその注入工法
JP3226510B2 (ja) 地盤硬化法
JP3166960B2 (ja) 地盤注入工法
KR100402456B1 (ko) 지반 고결재
JP2001098271A (ja) 地盤固結材
JP3336058B2 (ja) 地盤注入剤及びその注入工法
JP2549949B2 (ja) 地盤改良剤
JP2000239661A (ja) 地盤注入用グラウト材およびこれを用いた地盤注入工法
JPH07206495A (ja) グラウト工法用セメント混和材及びそのグラウト工法
JP4341884B2 (ja) 基礎杭形成用組成物、その製造方法及び基礎杭形成方法
JP2853772B2 (ja) 地盤注入剤
JP3437084B2 (ja) 地盤固結用注入材およびこの注入材を用いた地盤注入工法
JPH0525272B2 (ja)
JPH05140557A (ja) 地盤注入剤および注入工法
JPH09165576A (ja) スラグ系高強度グラウト剤
JPH1036840A (ja) 低温下での溶液安定性に優れる土質安定化剤と土質安定化工法
JPH1036841A (ja) 低温下での溶液硬化安定性に優れる土質安定化剤
JP2000109835A (ja) 地盤注入用薬液
JPH09165574A (ja) スラグを主成分とする高強度グラウト剤