JPH05140557A - 地盤注入剤および注入工法 - Google Patents
地盤注入剤および注入工法Info
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- JPH05140557A JPH05140557A JP32711591A JP32711591A JPH05140557A JP H05140557 A JPH05140557 A JP H05140557A JP 32711591 A JP32711591 A JP 32711591A JP 32711591 A JP32711591 A JP 32711591A JP H05140557 A JPH05140557 A JP H05140557A
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- cement
- ground
- silica sol
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- slag powder
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- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 軟弱地盤の強化や湧き水の止水などに使用さ
れ、優れた初期強度を発揮するシリカゾル−セメント系
の地盤注入剤とその注入工法を提供する。 【構成】 セメントスラリーとシリカゾルを基本成分と
する組成に、金属精錬スラグ粉末と必要に応じて凝結調
節剤を配合した地盤注入剤。スラグとしては、高炉スラ
グ粉末が好適に用いられ、シリカゾルに対して 0.1〜10
重量部の割合で添加される。注入工法は、前記の地盤注
入剤を1ショット方式、1.5 ショット方式、2ショト方
式のいずれかの方式で地盤へ注入する。
れ、優れた初期強度を発揮するシリカゾル−セメント系
の地盤注入剤とその注入工法を提供する。 【構成】 セメントスラリーとシリカゾルを基本成分と
する組成に、金属精錬スラグ粉末と必要に応じて凝結調
節剤を配合した地盤注入剤。スラグとしては、高炉スラ
グ粉末が好適に用いられ、シリカゾルに対して 0.1〜10
重量部の割合で添加される。注入工法は、前記の地盤注
入剤を1ショット方式、1.5 ショット方式、2ショト方
式のいずれかの方式で地盤へ注入する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性コロイダルシリカ
を主剤とした軟弱地盤の強化や湧き出し地下水の止水な
どに使用される地盤注入剤およびその注入工法に関す
る。
を主剤とした軟弱地盤の強化や湧き出し地下水の止水な
どに使用される地盤注入剤およびその注入工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、地盤注入剤としては水ガラスを主
剤としたものが多用されており、その硬化剤(ゲル化
剤)には例えばポルトランドセメント、消石灰、鉄鋼ス
ラグ等のカルシウム塩類や硫酸水素ナトリウム、硫酸マ
グネシウム、リン酸等の各種酸類、グリオキザール、エ
チレンカーボネートなどの有機酸、エステル類が使用さ
れてきた。
剤としたものが多用されており、その硬化剤(ゲル化
剤)には例えばポルトランドセメント、消石灰、鉄鋼ス
ラグ等のカルシウム塩類や硫酸水素ナトリウム、硫酸マ
グネシウム、リン酸等の各種酸類、グリオキザール、エ
チレンカーボネートなどの有機酸、エステル類が使用さ
れてきた。
【0003】ところが、水ガラス系の地盤注入剤は、注
入した材料に含まれる多量のナトリウム塩が注入後にお
ける地盤の耐久性を損ね、さらには溶出してくるアルカ
リ性塩類のために地下水の汚染や地下埋設物の腐食を進
行させる等の問題があって、仮設材としての価値しか認
められていない。酸性水ガラスを使用した場合には前記
のアルカリ問題は直接的には回避できるが、本質的な欠
点は全く同様である。
入した材料に含まれる多量のナトリウム塩が注入後にお
ける地盤の耐久性を損ね、さらには溶出してくるアルカ
リ性塩類のために地下水の汚染や地下埋設物の腐食を進
行させる等の問題があって、仮設材としての価値しか認
められていない。酸性水ガラスを使用した場合には前記
のアルカリ問題は直接的には回避できるが、本質的な欠
点は全く同様である。
【0004】このため、水ガラスのアルカリ性を嫌って
水性コロイダルシリカを主剤とした地盤注入剤が提案さ
れている。この種の地盤注入剤は、例えば水性コロイダ
ルシリカに対して、消石灰やセメント(特開昭57−1641
86号公報、特開昭59−66482号公報) 、スルファミン酸
マグネシウム等のアルカリ土類金属塩(特開昭63−1684
85号公報) 、塩化ナトリウムや硫酸水素ナトリウムなど
のアルカリ金属塩(特開昭59−152985号公報) 、アルミ
ニウム塩のような3価の金属塩(特開昭59−152984号公
報) 等の各種電解質物質を加えて硬化させたものであ
る。
水性コロイダルシリカを主剤とした地盤注入剤が提案さ
れている。この種の地盤注入剤は、例えば水性コロイダ
ルシリカに対して、消石灰やセメント(特開昭57−1641
86号公報、特開昭59−66482号公報) 、スルファミン酸
マグネシウム等のアルカリ土類金属塩(特開昭63−1684
85号公報) 、塩化ナトリウムや硫酸水素ナトリウムなど
のアルカリ金属塩(特開昭59−152985号公報) 、アルミ
ニウム塩のような3価の金属塩(特開昭59−152984号公
報) 等の各種電解質物質を加えて硬化させたものであ
る。
【0005】コロイダルシリカは、前記のような電解質
としての金属塩類を加えてゲル化させることにより流動
性のない固体に転化するが、このホモゲル強度は通常1
kg/cm2以下であるうえ、経時的な強度の増加はないため
流水や地盤の変動に対する耐久性は期待できない。
としての金属塩類を加えてゲル化させることにより流動
性のない固体に転化するが、このホモゲル強度は通常1
kg/cm2以下であるうえ、経時的な強度の増加はないため
流水や地盤の変動に対する耐久性は期待できない。
【0006】近時、耐久性に実績のあるセメント物質と
コロイダルシリカからなる2成分系組成の地盤注入剤
が、耐久性のある注入剤として期待されている。しかし
ながら、コロイダルシリカは早強性という点で水ガラス
に劣るため、なんらかの改良を施さない限り実用化する
ことができない。
コロイダルシリカからなる2成分系組成の地盤注入剤
が、耐久性のある注入剤として期待されている。しかし
ながら、コロイダルシリカは早強性という点で水ガラス
に劣るため、なんらかの改良を施さない限り実用化する
ことができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、湧水や流水
を阻止するための地盤注入剤としては注入部の初期強度
が極めて高い性能が要請され、高強度の強化地盤を形成
するには地盤の性状に応じた任意のゲルタイムで硬化す
るものでなければならない。しかしながら、従来知られ
ているコロイダルシリカ−セメント系の注入剤は、これ
らの地盤注入性能の点で未だ水ガラス系の材料に劣り、
その改善が強く望まれている。
を阻止するための地盤注入剤としては注入部の初期強度
が極めて高い性能が要請され、高強度の強化地盤を形成
するには地盤の性状に応じた任意のゲルタイムで硬化す
るものでなければならない。しかしながら、従来知られ
ているコロイダルシリカ−セメント系の注入剤は、これ
らの地盤注入性能の点で未だ水ガラス系の材料に劣り、
その改善が強く望まれている。
【0008】本発明者らは、以上の事実に着目して鋭意
研究したところ、水性コロイダルシリカとセメント系の
成分に金属製錬スラグ粉末を配合した組成、またはこれ
に凝結調節剤を配合した組成とすると、優れた地盤注入
性能を発揮することを解明した。
研究したところ、水性コロイダルシリカとセメント系の
成分に金属製錬スラグ粉末を配合した組成、またはこれ
に凝結調節剤を配合した組成とすると、優れた地盤注入
性能を発揮することを解明した。
【0009】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は特に優れた初期強度を発揮するシリ
カゾル−セメント系の地盤注入剤とその地盤注入剤を地
盤に注入するための注入工法を提供することにある。
もので、その目的は特に優れた初期強度を発揮するシリ
カゾル−セメント系の地盤注入剤とその地盤注入剤を地
盤に注入するための注入工法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による地盤注入剤は、セメントスラリーとシ
リカゾルを基本成分とする組成に、金属製錬スラグ粉末
を配合してなることを構成上の特徴とするものである。
めの本発明による地盤注入剤は、セメントスラリーとシ
リカゾルを基本成分とする組成に、金属製錬スラグ粉末
を配合してなることを構成上の特徴とするものである。
【0011】本発明に使用される代表的なセメントはポ
ルトランドセメントであるが、特にセメントの種類を限
定する必要はない。例えば早強性を必要とする場合には
早強ポルトランドセメント、超早強セメント、アルミナ
セメント、ジェットセメントなどを使用することができ
る。また、発熱膨張を嫌う場合には低熱セメントや中庸
熱セメントを、長期耐水性が要求される際には高炉セメ
ント、シリカセメント、フライアッシュセメントなどが
選択的に適用される。
ルトランドセメントであるが、特にセメントの種類を限
定する必要はない。例えば早強性を必要とする場合には
早強ポルトランドセメント、超早強セメント、アルミナ
セメント、ジェットセメントなどを使用することができ
る。また、発熱膨張を嫌う場合には低熱セメントや中庸
熱セメントを、長期耐水性が要求される際には高炉セメ
ント、シリカセメント、フライアッシュセメントなどが
選択的に適用される。
【0012】これらのセメントは通常市販品をそのまま
適用できるが、粉末度はできるだけ小さいものが好まし
く、必要に応じて粒度調整したものを用いてもよい。と
くに好ましいセメントは、粒子の90%以上が粒径 0.1μ
以上10μ以下の粒度分布を備えるもので、このような性
状のセメントは地盤中の空隙に良く浸透する。
適用できるが、粉末度はできるだけ小さいものが好まし
く、必要に応じて粒度調整したものを用いてもよい。と
くに好ましいセメントは、粒子の90%以上が粒径 0.1μ
以上10μ以下の粒度分布を備えるもので、このような性
状のセメントは地盤中の空隙に良く浸透する。
【0013】水性コロイダルシリカ(以下「シリカゾ
ル」という)としては、水ガラスを原料にイオン交換
法、解膠法、酸中和法、電気透析法などによって製造さ
れてものが用いられる。製造法の例には、米国特許第 2
577484号明細書、米国特許第 3711419号明細書、米国特
許第 2572578号明細書、米国特許第 3668088号明細書、
特開昭52-33899号、特開平1-317115号公報などの方法が
ある。この他、例えば米国特許第 3650977号明細書や特
公昭46-7367 号公報に記載のある金属シリコンの酸化に
よる製法や、米国特許第 2951044号明細書や特開昭62-1
27216 号公報に記載されている微細シリカ粉末の水分散
による製法で得られるシリカゾルを用いることもでき
る。
ル」という)としては、水ガラスを原料にイオン交換
法、解膠法、酸中和法、電気透析法などによって製造さ
れてものが用いられる。製造法の例には、米国特許第 2
577484号明細書、米国特許第 3711419号明細書、米国特
許第 2572578号明細書、米国特許第 3668088号明細書、
特開昭52-33899号、特開平1-317115号公報などの方法が
ある。この他、例えば米国特許第 3650977号明細書や特
公昭46-7367 号公報に記載のある金属シリコンの酸化に
よる製法や、米国特許第 2951044号明細書や特開昭62-1
27216 号公報に記載されている微細シリカ粉末の水分散
による製法で得られるシリカゾルを用いることもでき
る。
【0014】シリカゾルは3〜100nm の平均粒子径を有
するものが使用できるが、粒子径の大きいものはゲル強
度が弱いため、平均粒子径50nm以下、好ましくは10〜20
nmのものが実用的である。3〜10nm範囲の平均粒子径を
有する小粒子グレードはゲル強度が高く、本発明の目的
に特に好ましく適用される。また、シリカゾルには通常
コロイドの安定化剤として微量のアルカリイオン(また
は水素イオン)を含有するが、本発明で使用するシリカ
ゾルのアルカリ含有量はSiO2 /M2 Oのモル比で5
〜500 のものが好ましい。この意味で、アルカリ安定化
剤の含有量が多い平均粒子径3nm未満のシリカゾルは使
用し難い。
するものが使用できるが、粒子径の大きいものはゲル強
度が弱いため、平均粒子径50nm以下、好ましくは10〜20
nmのものが実用的である。3〜10nm範囲の平均粒子径を
有する小粒子グレードはゲル強度が高く、本発明の目的
に特に好ましく適用される。また、シリカゾルには通常
コロイドの安定化剤として微量のアルカリイオン(また
は水素イオン)を含有するが、本発明で使用するシリカ
ゾルのアルカリ含有量はSiO2 /M2 Oのモル比で5
〜500 のものが好ましい。この意味で、アルカリ安定化
剤の含有量が多い平均粒子径3nm未満のシリカゾルは使
用し難い。
【0015】本発明は、かかるセメント−シリカゾル系
懸濁型グラウト剤からなる組成の基本成分に、鉄鋼また
は非鉄製錬のスラグ粉末を助剤として配合して地盤注入
剤が構成される。鉄鋼スラグは、例えば高炉スラグ、転
炉スラグ、ステンレススラグなどであり、非鉄製錬スラ
グとしては、フェロシリコンスラグ、フェロマンガンス
ラグ、フェロボロンスラグなどのフェロアロイスラグが
挙げられ、これらは1種または2種以上であっても差し
支えない。スラグの鉱物組成は結晶質、非晶質のいずれ
であってもよい。これらスラグは使用する際に、できる
だけ微粉末であることがグラウトの強度向上のために望
ましく、特にセメントの粉末度よりも小さい方が好まし
い。
懸濁型グラウト剤からなる組成の基本成分に、鉄鋼また
は非鉄製錬のスラグ粉末を助剤として配合して地盤注入
剤が構成される。鉄鋼スラグは、例えば高炉スラグ、転
炉スラグ、ステンレススラグなどであり、非鉄製錬スラ
グとしては、フェロシリコンスラグ、フェロマンガンス
ラグ、フェロボロンスラグなどのフェロアロイスラグが
挙げられ、これらは1種または2種以上であっても差し
支えない。スラグの鉱物組成は結晶質、非晶質のいずれ
であってもよい。これらスラグは使用する際に、できる
だけ微粉末であることがグラウトの強度向上のために望
ましく、特にセメントの粉末度よりも小さい方が好まし
い。
【0016】本発明に係る地盤注入剤は上記の3成分で
構成されるが、地盤の性状や作業条件に対応して、必要
に応じ硬化反応の速度を調整するために凝結調節剤と呼
ばれる薬剤を配合することができる。凝結調節剤として
は、例えばアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸
塩、アルカリ金属セスキ炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩
などの無機塩またはクエン酸、酒石酸、グルコン酸など
のカルボン酸またはアルカリ金属塩が使用できる。その
他、各種の界面活性剤を用いることができる。
構成されるが、地盤の性状や作業条件に対応して、必要
に応じ硬化反応の速度を調整するために凝結調節剤と呼
ばれる薬剤を配合することができる。凝結調節剤として
は、例えばアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属重炭酸
塩、アルカリ金属セスキ炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩
などの無機塩またはクエン酸、酒石酸、グルコン酸など
のカルボン酸またはアルカリ金属塩が使用できる。その
他、各種の界面活性剤を用いることができる。
【0017】セメント、シリカゾルおよびスラグ粉末の
成分組成は、用いる各薬剤の種類や地盤の性状に応じて
適宜設定されるが、多くの場合、重量比としてシリカゾ
ル(SiO2 換算):セメント:スラグ粉末=1 : 0.5〜
50 : 0.1〜10の割合が実用的であり、特に1 :1〜10 :
0.2〜1の範囲に設定することが好ましい。また、凝結
調節剤を配合する場合の量比は、シリカゾル1重量部に
対して多くとも0.2重量部とする。
成分組成は、用いる各薬剤の種類や地盤の性状に応じて
適宜設定されるが、多くの場合、重量比としてシリカゾ
ル(SiO2 換算):セメント:スラグ粉末=1 : 0.5〜
50 : 0.1〜10の割合が実用的であり、特に1 :1〜10 :
0.2〜1の範囲に設定することが好ましい。また、凝結
調節剤を配合する場合の量比は、シリカゾル1重量部に
対して多くとも0.2重量部とする。
【0018】上記の地盤注入剤を用いる本発明の注入工
法は、セメント、シリカゾル、スラグ粉末および必要に
応じて配合する凝結調節剤の混合物からなるスラリーを
混合し、一液一系統式で注入する1ショット方式、二液
一系統式で注入する 1.5ショット方式、二液二系統式で
注入する2ショット方式のいずれかで地盤に圧入するこ
とを特徴とするが、好ましくは1ショットまたは 1.5シ
ョット方式を適用することが好適である。
法は、セメント、シリカゾル、スラグ粉末および必要に
応じて配合する凝結調節剤の混合物からなるスラリーを
混合し、一液一系統式で注入する1ショット方式、二液
一系統式で注入する 1.5ショット方式、二液二系統式で
注入する2ショット方式のいずれかで地盤に圧入するこ
とを特徴とするが、好ましくは1ショットまたは 1.5シ
ョット方式を適用することが好適である。
【0019】
【作用】本発明に係る地盤注入剤の硬化反応についての
作用機構は詳細に解明されていないが、次のような機能
に基づくものと推測される。すなわち、シリカゾルはセ
メントおよびスラグから遊離してくるCa2+またはMg
2+による凝固反応で硬化が促進されて初期強度を発現
し、ついでセメントおよびスラグの水硬反応によりその
強度を増大させ長期強度を維持するものと考えられる。
作用機構は詳細に解明されていないが、次のような機能
に基づくものと推測される。すなわち、シリカゾルはセ
メントおよびスラグから遊離してくるCa2+またはMg
2+による凝固反応で硬化が促進されて初期強度を発現
し、ついでセメントおよびスラグの水硬反応によりその
強度を増大させ長期強度を維持するものと考えられる。
【0020】また、微細なスラグ粉末はシリカゾルに対
し上記硬化反応を助成すると共に、ゲルに均一に分散し
て充填効果を高め、この作用でゲルの強度をより改善さ
せるものと推測される。
し上記硬化反応を助成すると共に、ゲルに均一に分散し
て充填効果を高め、この作用でゲルの強度をより改善さ
せるものと推測される。
【0021】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明をさら
に具体的に説明するが、各例における地盤注入剤の評価
は、次の測定方法でおこなった。
に具体的に説明するが、各例における地盤注入剤の評価
は、次の測定方法でおこなった。
【0022】(1) ゲルタイム:成分混合した地盤注入剤
をビーカーに入れ、マグネチックスターラーで撹拌を続
けると粘度が次第に増大する。この際、地盤注入剤をビ
ーカーに入れた時点から、粘度が増大しやがてゲル化し
てビーカーを90度傾けても流動性が消失して流下しなく
なるまでの時間をゲルタイムとして測定する。
をビーカーに入れ、マグネチックスターラーで撹拌を続
けると粘度が次第に増大する。この際、地盤注入剤をビ
ーカーに入れた時点から、粘度が増大しやがてゲル化し
てビーカーを90度傾けても流動性が消失して流下しなく
なるまでの時間をゲルタイムとして測定する。
【0023】(2) 圧縮強度:成分を均一に混合したゲル
化前の地盤注入剤を50mmφ×100mm Hの型枠に流入充填
してゲル化させ、供試体を作成する。この供試体を水中
に養生して所定時間後に脱型し、アームスラー型強度試
験機を用いてホモゲルの一軸圧縮強度を測定する。
化前の地盤注入剤を50mmφ×100mm Hの型枠に流入充填
してゲル化させ、供試体を作成する。この供試体を水中
に養生して所定時間後に脱型し、アームスラー型強度試
験機を用いてホモゲルの一軸圧縮強度を測定する。
【0024】実施例1〜3、比較例1〜3 SiO2:30.0wt%、pH 9.8、平均粒子径:14nm のシリ
カゾル(A液)とセメント、スラグおよび凝結調節剤の
混合スラリー(B液)を表1の組成割合で配合し、各種
の地盤注入剤を調製した。なお、セメントにはポルトラ
ンドセメント〔秩父セメント(株)製〕を、スラグには
代表的な高炉スラグ(平均粒子径3.5 μm)を、そして凝
結調節剤としてセスキ炭酸ソーダを用いた。
カゾル(A液)とセメント、スラグおよび凝結調節剤の
混合スラリー(B液)を表1の組成割合で配合し、各種
の地盤注入剤を調製した。なお、セメントにはポルトラ
ンドセメント〔秩父セメント(株)製〕を、スラグには
代表的な高炉スラグ(平均粒子径3.5 μm)を、そして凝
結調節剤としてセスキ炭酸ソーダを用いた。
【0025】
【表1】
【0026】各地盤注入剤について、A液とB液を混合
した際のゲルタイムおよび圧縮強度を測定し、その結果
を表2に示した。表1の配合組成および表2の結果を対
比して明らかなとおり、スラグを配合した実施例では初
期強度が高まり、その配合量が増加するに伴って無添加
の比較例に比べて強度が向上するとともにゲルタイムの
調節自由度が拡大することが認められた。
した際のゲルタイムおよび圧縮強度を測定し、その結果
を表2に示した。表1の配合組成および表2の結果を対
比して明らかなとおり、スラグを配合した実施例では初
期強度が高まり、その配合量が増加するに伴って無添加
の比較例に比べて強度が向上するとともにゲルタイムの
調節自由度が拡大することが認められた。
【0027】
【表2】
【0028】実施例4〜13、比較例4〜9 実施例1におけるポルトランドセメントの代わりに各種
のセメントを用い、表3の配合組成で地盤注入剤を調製
した。用いたセメントの種類は、次のようなものであ
る。 (1) 実施例4〜6、比較例4〜5:高炉セメント〔日鉄
鉱業セメント社製“スーパーファイン”〕 (2) 実施例7〜9、比較例6〜7:高炉セメントB種
〔日鉄鉱業セメント社製〕 (3) 実施例10〜13、比較例8〜9:高炉セメント〔日鉄
鉱業セメント社製“日鉄コタイド”〕
のセメントを用い、表3の配合組成で地盤注入剤を調製
した。用いたセメントの種類は、次のようなものであ
る。 (1) 実施例4〜6、比較例4〜5:高炉セメント〔日鉄
鉱業セメント社製“スーパーファイン”〕 (2) 実施例7〜9、比較例6〜7:高炉セメントB種
〔日鉄鉱業セメント社製〕 (3) 実施例10〜13、比較例8〜9:高炉セメント〔日鉄
鉱業セメント社製“日鉄コタイド”〕
【0029】各地盤注入剤の評価結果を表4に示した。
表4の結果からセメントの種類に係わりなくスラグを配
合した各実施例は無添加の比較例に比べて優れた地盤硬
化性能を有することが認められた。
表4の結果からセメントの種類に係わりなくスラグを配
合した各実施例は無添加の比較例に比べて優れた地盤硬
化性能を有することが認められた。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】実施例14 実施例2の地盤注入剤を次の1ショット工法により土壌
に注入した。
に注入した。
【0033】透水係数8.35×10-3cm/sec、空隙率42.5%
の砂質土壌に地盤注入剤をプランジャー型ポンプ(商品
名ケミードポンプ 1AN-P32S6-37S、IWAKI CO.,LTD 製)
を用いて注入圧 2.5kg/cm2にて50l注入した。注入段階
で何らの問題も生じなかった。注入後の材令1日の改質
土壌は透水係数8.25×10-7cm/secであり、圧縮強度(サ
ンドゲル) は 109.5kg/cm2であった。この結果から、本
地盤注入剤は実用においても十分に性能を満足するもの
であることが確認できた。
の砂質土壌に地盤注入剤をプランジャー型ポンプ(商品
名ケミードポンプ 1AN-P32S6-37S、IWAKI CO.,LTD 製)
を用いて注入圧 2.5kg/cm2にて50l注入した。注入段階
で何らの問題も生じなかった。注入後の材令1日の改質
土壌は透水係数8.25×10-7cm/secであり、圧縮強度(サ
ンドゲル) は 109.5kg/cm2であった。この結果から、本
地盤注入剤は実用においても十分に性能を満足するもの
であることが確認できた。
【0034】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればセメント
−シルカゾル系グラウト剤にスラグを配合することによ
り、特に初期強度の高い地盤硬化能を有する高性能の地
盤注入剤および強固な地盤を形成できる注入工法が提供
される。したがって、軟弱地盤に対する注入施行の信頼
性を向上させると共に公害問題の少ない注入剤として高
い実用性が期待できる。
−シルカゾル系グラウト剤にスラグを配合することによ
り、特に初期強度の高い地盤硬化能を有する高性能の地
盤注入剤および強固な地盤を形成できる注入工法が提供
される。したがって、軟弱地盤に対する注入施行の信頼
性を向上させると共に公害問題の少ない注入剤として高
い実用性が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三好 栄治 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内
Claims (5)
- 【請求項1】 セメントスラリーとシリカゾルを基本成
分とする組成に、金属精錬スラグ粉末を配合してなるこ
とを特徴とする地盤注入剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の地盤注入剤に凝結調節剤
を配合してなる地盤注入剤。 - 【請求項3】 金属製錬スラグ粉末が高炉スラグ粉末で
ある請求項1又は2記載の地盤注入剤。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の地盤注入剤の
成分組成が、重量比でシリカゾル(SiO2 換算):セ
メント:スラグ粉末:凝結調節剤=1: 0.5〜50 :
0.1〜10 : 0〜0.2 の割合を有する地盤注入剤。 - 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の地盤注入
剤を、混合スラリー状態で1ショット、 1.5ショットも
しくは2ショット方式で地盤に加圧注入することを特徴
とする地盤注入剤の注入工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32711591A JPH05140557A (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 地盤注入剤および注入工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32711591A JPH05140557A (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 地盤注入剤および注入工法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05140557A true JPH05140557A (ja) | 1993-06-08 |
Family
ID=18195470
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32711591A Pending JPH05140557A (ja) | 1991-11-14 | 1991-11-14 | 地盤注入剤および注入工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05140557A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006117887A (ja) * | 2004-10-25 | 2006-05-11 | Raito Kogyo Co Ltd | 地盤改良注入材 |
CN108164221A (zh) * | 2018-01-29 | 2018-06-15 | 云南森博混凝土外加剂有限公司 | 一种压浆剂及其制备方法 |
KR102413054B1 (ko) * | 2021-03-23 | 2022-06-23 | 정덕교 | 토양 침투성이 높은 콜로이달 실리카를 함유하는 그라우팅 조성물을 이용한 그라우팅 시공방법 |
-
1991
- 1991-11-14 JP JP32711591A patent/JPH05140557A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006117887A (ja) * | 2004-10-25 | 2006-05-11 | Raito Kogyo Co Ltd | 地盤改良注入材 |
CN108164221A (zh) * | 2018-01-29 | 2018-06-15 | 云南森博混凝土外加剂有限公司 | 一种压浆剂及其制备方法 |
KR102413054B1 (ko) * | 2021-03-23 | 2022-06-23 | 정덕교 | 토양 침투성이 높은 콜로이달 실리카를 함유하는 그라우팅 조성물을 이용한 그라우팅 시공방법 |
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