JPH0586370A - 地盤注入剤とその注入工法 - Google Patents
地盤注入剤とその注入工法Info
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- JPH0586370A JPH0586370A JP27331091A JP27331091A JPH0586370A JP H0586370 A JPH0586370 A JP H0586370A JP 27331091 A JP27331091 A JP 27331091A JP 27331091 A JP27331091 A JP 27331091A JP H0586370 A JPH0586370 A JP H0586370A
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Abstract
れるコロイダルシリカ系の地盤注入剤とその注入工法を
提供する。 【構成】 水性コロイダルシリカと高モル比珪酸カリウ
ム水溶液の混合液であって、混合液のSiO2 /(Na
2 O+K2 O)で表されるモル比が5〜20であり、Si
O2 濃度が15〜35重量%で自硬性を有する地盤注入剤。
該地盤注入剤を1ショット方式、1.5 ショット方式、2
ショト方式のいずれかの方式で地盤へ注入する注入工
法。
Description
と高モル比珪酸カリウム水溶液の混合液を主剤に用いた
地盤注入剤およびその注入工法に関する。
いて軟弱地盤の強度や湧き水の止水に多種多様なグラウ
ト剤が地盤の性状に応じて使い分けされている。この種
のグラウト剤としては、コストおよび機能の面から、水
ガラス(珪酸アルカリ水溶液)系グラウト剤が多用され
ており、これには懸濁型(LW)と溶液型がある。この
うち前者のグラウト剤は、硬化剤(ゲル化剤)がポルト
ランドセメント、消石灰、鉄鋼スラグ等の難溶性カルシ
ウム塩類を用いる薬剤であり、後者の溶液型グラウト剤
は例えば、硫酸水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、リ
ン酸等の各種酸類、酢酸、グリオキザール、エチレンカ
ーボネートなどの有機酸類、アルデヒド類、エステル類
等の可溶性酸性化合物を硬化剤とするものである。
ガラスや水性コロイダルシリカを主剤とした注入剤が開
発されている。例えば、水性コロイダルシリカ系グラウ
ト剤にあっては、硬化剤として消石灰やポルトランドセ
メント等のセメント(特願昭59−66482 号公報)、スル
ファミン酸マグネシウム等のアルカリ土類金属塩(特開
昭63−168485号公報) 、塩化ナトリウムや硫酸水素ナト
リウム等のアルカリ金属塩( 特開昭59−152985号公
報)、グリオキザール等の有機薬剤(特公平2−36156
号公報) 、またはアルミニウム塩等の3価の金属塩(特
開昭59−152984号公報)等、水ガラス系と同じく懸濁ま
たは溶液性の電解質を加えて硬化させる方法が提案され
ている。
文献で紹介されているように、注入した材料中に含まれ
る多量のナトリウム塩が薬剤注入後の地盤の耐久性を損
ね、さらには溶出してくるアルカリ性塩類のために地下
水の汚染や地下埋設物の腐食を進行させる環境上の汚染
現象が問題となっている。酸性水ガラスを使用した場合
には、前記のアルカリ問題は直接的には回避できるけれ
ども、これらの本質的欠点はまったく同様である。
に含まないコロイダルシリカ系グラウト剤の利用が注目
されてきているが、ポルトランドセメントの如き懸濁型
のグラウト剤にあっては経時的な強度の増加が期待でき
る反面、地盤の地質によってはセメント粒子が地盤の中
へ深く注入浸透できない場合が多く、そのような地盤に
対してはやはり液状硬化剤を必要とする。
オンや酸性物質を硬化剤として使用すると流動性を失っ
てゲル状固体に変化するが、そのホモゲルの強度は、通
常、水ガラス系に比べて非常に弱い。そのうえ、このゲ
ルには経時的な強度の増加がないため流水や地盤の変動
に対する耐久性は期待できない。通常、地盤の一時的な
止水を目的とする場合には少なくとも0.3kg/cm2 、好ま
しくは0.4kg/cm2 以上のホモゲル強度が必要であるとさ
れている。従って、コロイダルシリカ系溶液型グラウト
剤の実用化とは、コスト低減の努力と共に強度的な改良
が重要な課題となる。この点、特公平2−36156 号公報
ではNa2 O濃度が 0.6〜5重量%と高いコロイダルシ
リカを使用しており、とくに実施例等によれば、SiO
2 /Na2 Oのモル比が 4.7〜5.4 のコロイダルシリカ
を用いて1kg/cm2以上のホモゲル強度を得ている。
ロイダルシリカは、該当モル比が50〜100 の範囲にある
通常品とは異なり、むしろ水ガラスに近い性状であるた
め、モル比4以上の高モル比水ガラス系注入剤と比較し
て機能的な相違は見い出せない。
したところ、通常のコロイダルシリカと珪酸カリウムと
の混合液が特定組成領域にあると、地盤注入剤として好
適な自硬性を発揮することを知見した。
ので、その目的は軟弱地盤の強化や湧き出し地下水の止
水に対して顕著な効果を発揮するコロイダルシリカ系の
地盤注入剤と該地盤注入剤を地盤に注入するための注入
方法を提供することにある。
めの本発明による地盤注入剤は、水性コロイダルシリカ
と珪酸カリウム水溶液の混合液であって、混合液のSi
O2 /(Na2 O+K2 O)で表されるモル比が5〜20
であり、SiO2 濃度が13〜35重量%で自硬性を有する
ことを構成上の特徴とする。
合液と有機系硬化剤または/および無機系硬化剤を配合
してなる組成を構成上の特徴とするものである。さら
に、本発明は、前記の地盤注入剤を用いた被処理地盤へ
注入する薬液注入工法である。
使用する水性コロイダルシリカは、通常シリカゾルと称
される公知のものであり、例えば、水ガラスを原料とし
てイオン交換法、酸中和法、電気透析法等あるいはシリ
カゲルの解膠法で製造される。この製法の詳細は、例え
ば米国特許第2577484 号明細書、米国特許第3711419 号
明細書、米国特許第2572578 号明細書、特願昭52−3389
9 号公報、米国特許第3668088 号明細書、特開平1−31
7115号公報等に記載されている。他にも、例えば米国特
許第3650977 号明細書や特公昭46−7367号公報記載の金
属シリコンの酸化による製法や、米国特許第2951044 号
明細書や特開昭62−127216号公報記載の微細シリカ粉末
の水分散による製造方法で得られるコロイダルシリカを
使用することができる。
子径3〜100nm の粒径範囲のものが使用し得るが、粒子
径の大きいものはホモゲル強度が弱くなるため、多くの
場合平均粒子径50nm以下が実用的である。かかるコロイ
ダルシリカの市販品標準グレードは平均径10〜20nmであ
るが、本発明の目的には3〜10nmの小粒子グレードのも
のがゲル強度が高く特に好ましい。しかし、平均粒子径
が3nm以下のものは、安定性を図るためにアルカリ成分
が量に含有されているため本発明の目的には適合し難
い。
コロイドの安定化剤として微量のアルカリイオンまたは
水素イオンを含有するが、本発明においてはアルカリ含
有量がSiO2 /Na2 Oのモル比(以下「モル比」と
いう)として20以上、好ましくは30〜500 の水性コロイ
ダルシリカが選択的に使用される。成分組成としては、
SiO2 の含有率が15〜50重量%、好ましくは20〜35重
量%のものがよく、例えば表1に記載したものが代表的
に挙げられる。
酸カリウムとしては、アルカリ分が少なく固形分(Si
O2 +K2 O)の多い珪酸カリウム水溶液を使用するこ
とが有利である。かかる珪酸カリウムとしては、例えば
表2に挙げた市販品がある。
ロイダルシリカと珪酸カリウム水溶液の混合液であっ
て、混合液の組成は処理する地盤の性状や注入工法によ
り異なるが、混合液のSiO2 /(Na2 O+K2 O)
で表されるモル比が5〜20、好ましくは6〜18であり、
かつSiO2 濃度として13〜35重量%、好ましくは20〜
30重量%の範囲にあることが要件となる。このような組
成を持つような割合で両成分を混合すると、他の硬化剤
を必ずしも要すことなくこの溶液自体で実用性のあるホ
モゲル強度をもつゲル化が生じることは驚きである。
合には混合時にゲルの発生が生じてゲルタイムが短くな
り、実用性のある強度を得ることができなくなる。さら
に、モル比が小さくなると水ガラスと同様な機能となっ
て、コロイダルシリカを使用する特性が生かされない。
また、モル比が20を上回ると、コロイダルシリカの特性
しか得られず期待する効果を得ることができなくなる。
ム水溶液の混合物には、硬化剤等を配合して別組成の地
盤注入剤とすることができる。
リオキザール、γ−ブチロラクトン、エチレングリコー
ルジアセテートおよび炭酸エチレンより選ばれた1種以
上が好ましく使用される。また、無機系硬化剤として
は、例えば、炭酸、酢酸、硫酸、燐酸、亜硫酸、塩酸、
硝酸などの酸類およびその可溶性塩類から選ばれた1種
以上が好ましく使用される。
的、経済性、施工条件などに合わせて選定すればよく、
特に限定されるものではない。例えばグリオキザールの
場合、単独で使用すればゲルタイムの長い強度の高い注
入剤となるが、経済的には不利になる。また、例えば、
燐酸とマグネシウム塩とポリ燐酸塩の組み合わせや燐酸
やアルミニウム塩とポリ燐酸塩の組み合わせなどを使用
した場合、より強度の改良された地盤注入剤が得られ
る。これらの硬化剤は混合して使用してすることも可能
で、この場合はゲルタイムや強度をより適時に調製する
ことができる。
法は、ゲルタイムに応じて両液を混合し、一液一系統式
で注入する1ショット方式、二液一系統式で注入する1.
5 ショット方式、二液二系統式で注入する2ショット方
式でおこなわれる。硬化剤の特徴を生かした注入工法と
しては、1ショット方式が適当である。
リカと珪酸カリウムとを特定範囲のモル比とSiO2 濃
度になるように配合するのみで優れた自硬性が発現し、
幅広いゲルタイムの中で実用性のある圧縮強度で硬化す
る。さらにこれに硬化剤を配合すると一軸圧縮強度の高
いホモゲルに転化する。したがって、地盤に注入した場
合に極めて強固な強化作用と止水機能が発揮される。
に具体的に説明するが、各例における地盤注入剤の評価
は、次の測定方法でおこなった。
ーカーに入れ、マグネチックスターラーで撹拌を続ける
と粘度が次第に増大する。この際、地盤注入剤をビーカ
ーに入れた時点から、粘度が増大しやがてゲル化してビ
ーカーを90度傾けても流動性が消失して流下しなくなる
までの時間をゲルタイムとして測定する。
の地盤注入剤を50mmφ×100mm Hの型枠に流入れてゲル
化させ、供試体を水中に養成して所定時間後に脱型し、
アームスラー型強度試験機を用いてホモゲルの一軸圧縮
強度を測定する。
ウムを表3に示す配合割合により各種の地盤注入剤を調
製した。各地盤注入剤につきゲルタイムと圧縮強度を測
定し、その結果を混合液の組成と対比させて表4に示し
た。表4の結果から、特定の水性のコロイダルシリカと
珪酸カリウム溶液のみで構成されたもので優れた自硬性
を示し、幅広いゲルタイムの中で実用性のある圧縮強度
が認められた。
%、Na2 O=6.0 %、モル比3.95のものを使用。
示す 3.1モルA珪酸カリウムの混合液(A液)および有
機硬化剤と無機硬化剤を水に希釈した硬化剤(B液)を
それぞれ調製した。A液とB液の混合液による地盤注入
剤のホモゲルを作成し、その特性を評価した。その組成
を表5に示し、結果をA液の組成と対比して表6に示し
た。
2はγ−ブチロラクトン、B−3はエチレングリコール
ジアセテート、B−4は炭酸エチレン(30%水溶液) 、以
下同じ。 (*2)比較例2は珪酸カリの代わりに3号珪酸ソーダを使
用
の混合液(A液)に硬化剤(B液)を表7の割合で配合
した地盤注入剤につき、ホモゲルを作成した。得られた
評価特性をA液の組成と対比させて表8に示した。
の混合液(A液)に硬化剤(B液)を表9の割合で配合
した地盤注入剤につき、ホモゲルを作成した。得られた
評価特性をA液の組成と対比させて表10に示した。
の混合液(A液)に硬化剤(B液)を表11の割合で配合
した地盤注入剤につき、ホモゲルを作成した。得られた
評価特性をA液の組成と対比させて表12に示す。
リ量の多い市販品〔SiO2 :20.1wt%、Na2 O:4.
0 wt%、触媒化成(株)製“カタロイドSI−500"〕
(A−4)、3号珪酸ナトリウムをそれぞれ使用し、表
13の配合によるA液とB液からなる地盤注入剤を作製し
た。このもののホモゲルについて測定した評価特性をA
液の組成と対比して表14に示した。表14の結果は、本発
明に係わる地盤注入剤が経時的に安定した耐久性を有す
ることを示すものである。
り土壌に注入した。A液は7.5 l のコロイダルシリカ
(A−1)を撹拌しつつ、3.5 モルA珪酸カリウムを7.
5 l 加える混合手順で作成した。B液は水12.6 lにB−
1(グリオキザール40%水溶液)2.3 l および75%燐酸
180gを加え充分撹拌して均一液とした。注入作業の1分
前にA液を撹拌しつつB液を加え地盤注入剤を調製し
た。
盤注入剤をダブコンポンプ〔(株)島津製作所製〕を用
いて10 l/ 分で100 l 注入した。土壌注入は5kg/cm2の
注入圧でおこなったが、注入段階で何等の問題もなかっ
た。注入後の材令1日の改質土壌は透水係数5.6 ×10-7
cm/secであり、圧縮強度は15kg/cm2(サンドゲル)であ
った。この結果から本注入剤が実用においても充分性能
を満足するものであることが確認できた。
イダルシリカと珪酸カリウム水溶液の混合液を主剤と
し、軟弱地盤の強化、湧き出し地下水の止水等に有効な
実用性の高い地盤注入剤とその注入工法を提供すること
が可能となる。
Claims (5)
- 【請求項1】 水性コロイダルシリカと珪酸カリウム水
溶液の混合液であって、混合液のSiO2 /(Na2 O
+K2 O)で表されるモル比が5〜20であり、SiO2
濃度が13〜35重量%で自硬性を有することを特徴とする
地盤注入剤。 - 【請求項2】 請求項1記載の混合液にグリオキザー
ル、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールジアセテ
ートおよび炭酸エチレンより選ばれた1種以上の硬化剤
を配合するものである地盤注入剤。 - 【請求項3】 請求項1記載の混合液に炭酸、酢酸、硫
酸、燐酸、亜硫酸、塩酸、硝酸などの酸類またはその塩
類より選ばれた1種以上の硬化剤を配合するものである
地盤注入剤。 - 【請求項4】 請求項1記載の混合液に請求項2および
3記載の地盤注入剤を併用して配合してなるものである
地盤注入剤。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4いずれか記載
の地盤注入剤を、1ショット方式、1.5 ショット方式ま
たは2ショット方式のいずれかの方式により、被処理地
盤へ注入することを特徴とする薬液注入工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27331091A JP3150380B2 (ja) | 1991-09-25 | 1991-09-25 | 地盤注入剤とその注入工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27331091A JP3150380B2 (ja) | 1991-09-25 | 1991-09-25 | 地盤注入剤とその注入工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0586370A true JPH0586370A (ja) | 1993-04-06 |
JP3150380B2 JP3150380B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=17526094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27331091A Expired - Lifetime JP3150380B2 (ja) | 1991-09-25 | 1991-09-25 | 地盤注入剤とその注入工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3150380B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0641748A1 (de) * | 1993-09-04 | 1995-03-08 | Rudolf Schanze | Masse für die Befestigung von Dübeln u.dgl. in Hohlräumen von Beton, Stein und Ziegelmauerwerk, auf Basis Wasserglas, und Verfahren zur Herstellung der Masse |
JPH10102059A (ja) * | 1996-09-26 | 1998-04-21 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 土壌安定化方法 |
JP2009173924A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-08-06 | Kyokado Eng Co Ltd | 地盤注入剤および地盤注入工法 |
JP2013159775A (ja) * | 2012-02-09 | 2013-08-19 | Nippon Chem Ind Co Ltd | ゲル化時間の調整の可能な地盤細孔部への注入止水材 |
-
1991
- 1991-09-25 JP JP27331091A patent/JP3150380B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0641748A1 (de) * | 1993-09-04 | 1995-03-08 | Rudolf Schanze | Masse für die Befestigung von Dübeln u.dgl. in Hohlräumen von Beton, Stein und Ziegelmauerwerk, auf Basis Wasserglas, und Verfahren zur Herstellung der Masse |
JPH10102059A (ja) * | 1996-09-26 | 1998-04-21 | Mitsui Petrochem Ind Ltd | 土壌安定化方法 |
JP2009173924A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-08-06 | Kyokado Eng Co Ltd | 地盤注入剤および地盤注入工法 |
JP2013159775A (ja) * | 2012-02-09 | 2013-08-19 | Nippon Chem Ind Co Ltd | ゲル化時間の調整の可能な地盤細孔部への注入止水材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3150380B2 (ja) | 2001-03-26 |
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