JPH06145662A - 地盤注入剤及びその注入工法 - Google Patents

地盤注入剤及びその注入工法

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JPH06145662A
JPH06145662A JP29598292A JP29598292A JPH06145662A JP H06145662 A JPH06145662 A JP H06145662A JP 29598292 A JP29598292 A JP 29598292A JP 29598292 A JP29598292 A JP 29598292A JP H06145662 A JPH06145662 A JP H06145662A
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blast furnace
furnace slag
powder
agent
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JP29598292A
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Hideaki Baba
英明 馬場
Hiromitsu Takegami
広光 岳上
Akira Sekine
彰 関根
Seiichi Shimobayashi
清一 下林
Eiji Miyoshi
栄治 三好
Keiichi Karatsu
啓一 唐津
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Nippon Steel Cement Co Ltd
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Nittetsu Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、砂層や軟弱地盤に対し優れ
た硬化能を有する無公害耐久性の地盤注入剤及びその注
入工法を提供することにある。 【構成】 本発明に係る地盤注入剤は、 高炉スラグ粉
末75〜90重量部及びポルトランドセメントクリンカ
ー粉末10〜25重量部からなり、ブレーン比表面積が
7000〜8500cm2/gの範囲内にある超微細な
混合粉末である混合高炉スラグ粉末のスラリーと、シリ
カゾルを基本成分とすることを特徴とし、更に、その注
入工法を提供するにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性コロイダルシリカ
(以下、「シリカゾル」という)と、超微粒子の高炉スラ
グ及びポルトランドセメントクリンカーからなる超微細
な混合粉末である混合高炉スラグ粉末とを主剤に用いる
地盤注入用薬液であって、浸透性に非常に優れ、砂地盤
の強化、軟弱地盤の強化などに用いられる地盤注入剤及
びその注入工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の地盤注入剤としては水ガラスを主
剤としたものが多用され、その硬化剤(ゲル化剤)にはポ
ルトランドセメント、消石灰、鉄鋼スラグ等のカルシウ
ム塩類や、硫酸水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、リ
ン酸等の各種酸類、グリオキザール、エチレンカーボネ
ートなどの有機酸、エステル類が使用されてきた。ま
た、水ガラスのアルカリを嫌ってシリカゾルを主剤とし
た地盤注入剤も幾つか提案されている。
【0003】例えば、シリカゾルに、消石灰やセメント
(特開昭57−164186号公報、特開昭59−66482号公報)、
スルファミン酸マグネシウム等のアルカリ土類金属塩
(特開昭63−168485号公報)、塩化ナトリウムや硫酸水素
ナトリウム等のアルカリ金属塩(特開昭59−152985号公
報)、アルミニウム塩等の3価の金属塩(特開昭59−1529
84号公報)、等の電解質を加えて硬化させる方法が提案
されている。
【0004】また、セメントにゼオライトを添加するセ
メントの硬化促進法が特開平2−8981号公報に記載され
ている。
【0005】また、セメントのゲルタイム調節剤につい
ては既に多くの文献に紹介されており、アルカリ金属炭
酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属カルボン酸
塩が実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】水ガラスを使用する方
法は、既に多数の文献で紹介されているように、注入し
た材料に含まれる多量のナトリウム塩の存在のため耐久
性に問題があり、仮設材としての価値しか認められてい
ない。
【0007】更に、溶出してくる塩類のために地下水の
汚染や地下埋設物の腐食が問題になる。酸性水ガラスを
使用した場合にもこれらの欠点は全く同じである。
【0008】そこで、アルカリ金属塩を実質的に含まな
いか、全く含まないシリカゾルの利用が注目されてきて
いるが、電解質としての金属塩類はシリカゾルをゲル化
させ、流動性のない固体に変えることはできるが、ゲル
強度は通常1kg/cm2以下であって、このゲルには
経時的な強度の増加はないため流水や地盤の変動に対す
る耐久性は期待できない。
【0009】また、耐久性に実績のあるセメント物質
と、セメントに対して有害物質を実質的に含まないシリ
カゾルの2成分よりなる地盤注入剤は、耐久性注入剤と
して期待されている。
【0010】通常、セメントとシリカゾルよりなる地盤
注入剤は空洞充填を行うことによる地盤強化に有効であ
る。しかし、地震による砂地盤の液状化現象を防止する
ための砂層注入剤としては有効ではない。
【0011】この理由は通常のセメント粒子が30〜4
0μmもあるため、砂層の細かい間隙への浸透性が悪い
ためであると思われる。従って、微粉化したセメントス
ラリーを1ショットで砂層に浸透注入する試みも行われ
ているが、セメントが強度を発現するまでの固化時間が
数10時間を要するため、地下水の流れがあるときは有
効でなかった。
【0012】従って、本発明の目的は、砂層や軟弱地盤
に対し優れた硬化能を有する無公害耐久性の地盤注入剤
及びその注入工法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、以上の事
実に注目してシリカゾルを用いる無公害の耐久性地盤注
入剤につき鋭意研究した結果、シリカゾルに対し、高炉
スラグ粉末とこれに少量のセメントクリンカー粉末を配
合した混合高炉スラグ粉末のブレーン比表面積を高める
ことにより、砂層や軟弱地盤に対し浸透性が優れ、かつ
スラグ配合率を一定の範囲で高めることにより実用強度
を示す地盤注入性能を発揮することを知見し、本発明を
完成した。
【0014】即ち、本発明により提供される地盤注入剤
は、高炉スラグ粉末75〜90重量部及びポルトランド
セメントクリンカー粉末10〜25重量部からなり、ブ
レーン比表面積が7000〜8500cm2/gである
超微細な混合粉末である混合高炉スラグ粉末のスラリー
と、シリカゾルを基本成分とすることを構成上の特徴と
するものである。
【0015】以下、本発明を詳述する。本発明に使用す
るシリカゾルは、水ガラスを原料としてイオン交換法、
解膠法、酸中和法、電気透析法等で製造され、製造法の
例としては米国特許第2,577,484号明細書、米国特許第
3,711,419号明細書、米国特許第2,572,578号明細書、特
開昭52−33899号公報、米国特許第3,668,088号明細書、
特開平1−317115号公報等の方法がある。
【0016】他にも、例えば米国特許第3,650,977号明
細書や特公昭46−7367号公報記載の金属シリコンの酸化
による製法や、米国特許第2,951,044号明細書や特開昭6
2−127216号公報記載の微細シリカ粉末の水分散による
製法に係るシリカゾルも使用できる。
【0017】シリカゾルは、粒子径の大きいものはゲル
強度が弱く、多くの場合、実用的には3〜100nmの
平均粒子径を有するものが使用できるが、平均径50n
m以下、通常10〜20nmのものが実用上好ましい。
特に、3〜10nmの小粒子グレードのシリカゾルはゾ
ル強度が高く特に好ましい。なお、3nm未満の平均粒
子径を有するグレードのシリカゾルは水ガラスのように
アルカリ安定化剤の含有量が多く、本発明の目的には適
合し難い。
【0018】なお、シリカゾルは通常コロイドの安定化
のため微量のアルカリイオン(または水素イオン)を含有
するが、本発明に使用するシリカゾルのアルカリ含有量
は、SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表す)のモル比
で5〜500のものが好ましい。
【0019】本発明は、上記シリカゾルに対して、高炉
スラグ粉末に比較的少量のポルトランドセメントクリン
カー粉末を配合した超微細な混合粉末である混合高炉ス
ラグ粉末のスラリーを用いることが重要なところであ
る。
【0020】ここで、高炉スラグ粉末とは、急冷高炉ス
ラグであり、地盤注入剤の強度面からみてガラス化率9
0%以上、塩基度1.6以上が好ましい。また、ポルト
ランドセメントクリンカーとは、普通ポルトランドセメ
ント前駆体として得られるクリンカーをいい、これに石
膏を混合して得られるポルトランドセメントを意味しな
い。尤も、必要に応じ、JISに定める石膏量を許容す
ることを妨げない。
【0021】このような混合高炉スラグ粉末は、その原
料選択と下記の混合比率の許容し得る範囲との設定によ
って、地盤の性状に応じ、注入剤の浸透性、ゲルタイム
の安定性及び強度発現性からみて、使用条件の自由度が
あって、実用性の点で極めて信頼性が高い。
【0022】この混合高炉スラグ粉末の配合割合は、地
盤の性状によって変化し得るが、高炉スラグ粉末75〜
90重量部で、残部すなわち10〜25重量部がポルト
ランドセメントクリンカーである。
【0023】高炉スラグ粉末の配合量を増やすことによ
り、ポルトランドセメントクリンカーの影響が少なくな
るため、ミルクの撹拌条件によるゲルタイムの安定性、
ミルクの分散性、地盤注入剤の浸透性が向上する。
【0024】更に、所要ゲルタイムに必要なゲルタイム
調節剤の使用量が低減できるため、より一層耐久性も改
善される。しかし、高炉スラグ粉末の配合量が90重量
部を超えると、ゲルの初期強度が急激に低下するため実
用的ではない。
【0025】また、この混合高炉スラグ粉末は、ブレー
ン比表面積による粉末度が7000〜8500cm2
gの範囲にある超微粉末でなければならない。
【0026】混合高炉スラグ粉末のブレーン比表面積を
大きくすると、相対的に粒子径が小さくなり、砂層への
浸透性、地盤注入剤強度が向上する。なお、ブレーン比
表面積7000cm2/g未満では粒子径が大きいた
め、物理的に良好な浸透性が得られないばかりか、ゲル
タイムを延ばすと地盤注入剤の材料分離も大きくなる。
【0027】逆に、ブレーン比表面積が8500cm2
/gを越えると、ミルクの粘性も高く、ポルトランドセ
メントクリンカー粉末の活性が強くなり、粒子間の凝集
を助長するため、浸透性の改善効果が得られないばかり
でなく、ゲルタイムの安定性にも欠ける。また、粉砕能
力も工業的にみて難しくなる。
【0028】このような混合高炉スラグ粉末は、ポルト
ランドセメントと高炉スラグの混合物である高炉セメン
トとも異なり、通常のセメントJIS規格にない組成の
ものであるが、上記の諸特性のゆえに、これをスラリー
としてシリカゾルに対して用いると、通常のセメントス
ラリー系のものに比べて優れた地盤注入剤が得られる。
特に、海岸に近い砂状地盤の液状化防止に良好な耐海水
性、長期強度増進が期待できる。
【0029】本発明に係る地盤注入剤は、以上の成分で
構成されるが、必要に応じて、公知のセメント分散剤
や、平均粒子径が1μm以下の合成シリカや合成ゼオラ
イトの如き無機微粉末を配合したものであってもよい。
特に、無機微粉末を配合した場合には、地盤注入剤のゲ
ル強度をより改善させるために適用範囲が拡大するので
好ましい。
【0030】また、地盤の性状や作業条件に対応して必
要に応じ硬化反応を調整するために、ゲルタイム調節剤
と呼ばれる薬剤を使用することが多い。ゲルタイム調節
剤は特に限定するものではないが、例えばアルカリ金属
炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩、アルカリ金属セスキ炭
酸塩、アルカリ金属リン酸塩などの無機塩またはクエン
酸、酒石酸、グルコン酸などのカルボン酸またはそのア
ルカリ金属塩が使用できる。また、界面活性剤も使用で
きる。
【0031】シリカゾルと混合高炉スラグ粉末等の使用
割合は、地盤の性状に応じて適宜設定すべきであるが、
多くの場合、シリカゾル(SiO2換算):混合高炉スラ
グ粉末:ゲルタイム調節剤の重量比は1:1〜10:0
〜0.5が実用的範囲であり、特に1:2〜5:0.05
〜0.3の範囲が好ましい。ただし、ゲルタイム調節剤
の量は混合高炉スラグ粉末1重量部に対して多くとも
0.2重量部である。
【0032】上記の地盤注入剤を用いる本発明の注入工
法は、シリカゾルと、混合高炉スラグ粉末及び必要に応
じて用いる無機微粉末やゲルタイム調節剤の混合物とか
らなるスラリーの両液を混合して一液一系統式で加圧注
入する1ショット方式、二液一系統式で注入する1.5
ショット方式、二液二系統式で注入する2ショット方式
のいずれかで行われ、好ましくは1.5ショット方式が
よい。なお、注入圧は地盤の性状により異なるけれど
も、多くの場合、0.1〜1.0kg/cm2の範囲にあ
る。
【0033】本発明に係る地盤注入剤の硬化反応に関す
る作用機構の詳細は明確ではないが、恐らく次のような
ことが推定される。即ち、シリカゾルは混合高炉スラグ
粉末から遊離してくるCa2+またはMg2+がシリカゾル
のゲル化反応に基づく硬化により初期強度を発現し、次
いで、混合高炉スラグ粉末の水和反応によりその強度を
漸次増大させ、長期強度を維持するものと思われる。
【0034】また、これらの反応は、混合高炉スラグ粉
末のブレーン比表面積を大きくすることにより、一層効
果的に行われるが、一方、ゲルタイムの長短とは無関係
に高炉スラグの配合量を増加して十分な実用強度を得る
ことを可能にする。更に、ゲルタイム調節剤のアルカリ
金属炭酸塩は、高炉スラグの水和促進剤としての作用も
あって、ゲル強度を増進させ、他方、水和物がアルカリ
を固定するためセメントクリカー量が著しく少ないにも
拘わらず、強度のある硬化物、耐久性を維持することが
できる。
【0035】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。 実施例1〜6、比較例1〜18 高炉スラグ(ガラス化率=98%、塩基度=1.88:新
日本製鐡室蘭製鐡所製)と普通ポルトランドセメントク
リンカー(日鐡セメント製)を用いて、高炉スラグの配合
割合を65、70、75、80、90、92重量部と
し、ブレーン比表面積6600、7050、8400、
8800cm2/gを目標にタワーミルKD−250(久
保田鉄工所製)で粉砕し、計24種類の混合高炉スラグ
粉末を試製した。各試製粉末とシリカゾル(シリカドー
ル30:日本化学製)を用いて下記の条件の地盤注入剤
を調製し、下記注入条件と注入方法にて砂層への浸透
性、サンドゲルの強度、耐久性試験を行った。
【0036】(1)地盤注入剤条件 水混合高炉スラグ粉末比 :467% シリカゾル濃度(SiO2) : 6% 分散剤 :マイティ150R(花王
製)粉末に対し1重量% ゲルタイム調節剤 :炭酸水素ナトリウム 容積比 :1:1(各200cc) ミルクの撹拌時間 :3、30分
【0037】(2)注入方法 浸透性は予めφ5.4×40cmのアクリル管下部に間
隙率n=43.8%、透水係数2.3×10-2cm/秒を
有する長さ10cmの豊浦標準砂(0.3〜0.1mm)層
を作り、所要時間ミルクを撹拌後、シリカゾル溶液を同
量入れて10秒撹拌し、アクリル管上部より地盤注入剤
を流し、自然浸透させた。
【0038】(3)評価方法 (3.1)ゲルタイム 成分混合した地盤注入剤をビーカーに入れ、マグネチッ
クスターラーで撹拌を続けると粘度が次第に増大する。
この際、地盤注入剤をビーカーに入れた時点から、粘度
が増大し、やがてゲル化してビーカーを90度傾けても
流動性が消失して流下しなくなるまでの時間をゲルタイ
ムとして測定する。
【0039】(3.2)浸透性 浸透性の評価は以下の基準で行った。 評価 10cm層を浸透し、かつ1分以上浸透が継続する ◎ 10cm層を浸透するが、1分未満で浸透が停止する ○ 5〜10cmの部分浸透しかできない △ 5cm未満の浸透しか得られない ×
【0040】(3.3)圧縮強度 サンドゲルの圧縮強度は3分の撹拌時間で10cmの浸
透長が得られた条件について、24時間後に脱型し、水
中養生(20℃)を行い、上下1cmカットしたφ5.4
×8cmの供試体について、アームスラー型強度試験機
を用い、材令3、7日で一軸圧縮強度を測定した。
【0041】(3.4)耐久性試験 10cmの浸透長が得られたサンドゲルの供試体につい
て、材令7日で10%の硫酸マグネシウム溶液(20℃)
に浸漬し、浸漬期間30日以前に膨張性ひび割れが発生
した場合は不良、異常のない場合を良として耐久性を評
価した。
【0042】
【表1】
【0043】本実施例及び比較例の結果を表1に示し
た。上の結果から判るように、高炉スラグ粉末の配合量
を増やすと浸透性は向上し、かつその安定性も改善され
る。また、良好な浸透性を得るには適正なブレーン比表
面積の範囲が存在する。しかし、高炉スラグ粉末の配合
量が90重量%を超えると極端に強度が低下し、材令7
日で目標とした強度5kgf/cm2が確保できない。
ポルトランドセメントクリンカーの配合量が多い場合は
ゲルタイム調節剤の量も多くなるため、耐久性が低下す
る。本実施例から、本発明の地盤注入剤を用いれば、砂
層への安定した浸透性、所要強度及び耐久性が良好であ
ることが明らかとなった。
【0044】実施例7〜9、比較例19〜21 シリカゾル(SiO2:30重量%、pH9.8、平均粒
子径:13nm)の液(A液)と混合高炉スラグ粉末(試料
1−16)及びゲルタイム調節剤(炭酸水素ナトリウム)
との混合物からなるB液を表2の組成割合で配合して各
種地盤注入剤を調製した。得られた各種地盤注入剤につ
いてA液とB液とを混合して標準砂(豊浦産)に0.25
kg/cm2の注入圧で注入して硬化供試体を作成し、
そのときのゲルタイム及び圧縮強度を測定した地盤注入
剤の性能を評価したところ表2の結果が得られた。
【0045】
【表2】
【0046】表2の結果から、本発明の地盤注入剤は粒
子が超微粒子であるため砂層へ均一に浸透し、硬化する
ため供試体の圧縮強度が大きい。一方、ポルトランドセ
メントは粒子が大きく、また、反応が速いために砂層に
浸透せず、砂層の外側にたまった状態を呈していた。そ
のため硬化体が生成せず、圧縮強度が測定できない状態
であった。
【0047】実施例10〜11 実施例7で用いたと同じシリカゾル、混合高炉スラグ粉
末及びゲルタイム調節剤を配合して得られる地盤注入剤
について、A液とB液とに分けて同様に標準砂(豊浦産)
に注入して硬化体を作成し、そのときのゲルタイム及び
圧縮強度を測定して地盤注入剤の性能を評価したとこ
ろ、表3の結果が得られた。
【0048】
【表3】
【0049】実施例12〜19 実施例7で用いたと同じシリカゾル、混合高炉スラグ粉
末、ゲルタイム調節剤及び実施例11で用いたと同じ分
散剤の各薬剤に微粉ゼオライトA(平均粒子径0.8μ
m)を用いて調節して得られた地盤注入剤につき、A液
及びB液に分けて、これを混合した。そのときの地盤注
入剤のゲルタイム及び水中養生のホモゲル圧縮強度を測
定したところ表4の結果が得られた。
【0050】
【表4】
【0051】実施例20〜22 海水で浸水した豊浦標準砂に表5に示す薬剤で調製され
た地盤注入剤を注入圧0.4kg/cm2で注入した。そ
のときの評価結果を同じく表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】上記の結果から判るように、本発明に係る
地盤注入剤は、海水に浸水している砂層であっても十分
対応できるものであることが明らかとなった。
【0054】実施例23 実施例7の地盤注入剤を次の1.5ショット工法により
砂層に注入した。透水係数8.35×10-3cm/秒、
間隙率42.5%の砂層に地盤注入剤をプランジャー型
ポンプ(商品名ダブコンポンプ、DPO4型、島崎製作
所)を用いて注入圧0.5kg/cm2にて24リットル
注入した。注入段階では何ら問題もなく、砂層に浸透注
入できた。注入3日後の改質砂層は透水係数3.5×1
-7cm/秒であり、圧縮強度(サンドゲル)は8.2k
g/cm2であった。この結果から本発明の地盤注入剤
が実用においても充分性能を満足するものであることが
確認できた。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る地盤注入剤は、ポルトラン
ドセメント系のものに比べて、低粘性で地盤への浸透性
が改善できると共に初期強度において実用強度が確保で
き、また、長期強度も得られる。ゲルタイムが安定し、
そのゲルタイム調節剤は少なくてすむ。従って、このよ
うな地盤注入剤を砂状地盤に適用すると、地盤による砂
地盤の液状化現象の防止は勿論のこと、軟弱地盤を強化
改良することができる。また、本発明の都市土木の大深
度土木工事において公害問題の少ない実用性の高いもの
として期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 彰 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 下林 清一 北海道室蘭市仲町64番地 日鐵セメント株 式会社研究開発部内 (72)発明者 三好 栄治 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 唐津 啓一 北海道室蘭市仲町64番地 日鐵セメント株 式会社研究開発部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉スラグ粉末75〜90重量部及びポ
    ルトランドセメントクリンカー粉末10〜25重量部か
    らなり、ブレーン比表面積が7000〜8500cm2
    /gの範囲内にある超微細な混合粉末である混合高炉ス
    ラグ粉末のスラリーと、シリカゾルを基本成分とするこ
    とを特徴とする地盤注入剤。
  2. 【請求項2】 ゲルタイム調節剤を配合してなる請求項
    1記載の地盤注入剤。
  3. 【請求項3】 シリカゾル(SiO2換算):混合高炉ス
    ラグ粉末:ゲルタイム調節剤が重量比で1:1〜10:
    0〜0.5の割合の組成を有する請求項1または2記載
    の地盤注入剤。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の地盤注入剤の注入工法において、シリカゾルと混合高
    炉スラグ粉末のスラリーとを1ショット方式または1.
    5ショット方式で地盤に加圧注入することを特徴とする
    地盤注入剤の注入工法。
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