JPH107950A - 防汚性サニタリー用樹脂板及びその成形品 - Google Patents

防汚性サニタリー用樹脂板及びその成形品

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JPH107950A
JPH107950A JP16720396A JP16720396A JPH107950A JP H107950 A JPH107950 A JP H107950A JP 16720396 A JP16720396 A JP 16720396A JP 16720396 A JP16720396 A JP 16720396A JP H107950 A JPH107950 A JP H107950A
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JP
Japan
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resin plate
group
fluorine
silane compound
sanitary
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JP16720396A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Ochiai
伸介 落合
Yukio Yasunori
幸雄 康乗
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防汚性能に優れるサニタリー用樹脂板及びそ
の成形品を提供する。 【解決手段】 樹脂板の表面に下記の一般式 化1で示
される数平均分子量が5×102 〜1x105 の含フッ
素シラン化合物からなる層が形成された防汚性サニタリ
ー用樹脂板およびそれを熱成形してなる防汚性サニタリ
ー用樹脂成形品。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防汚性能を有する
サニタリー用樹脂板及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】市場のニーズの多様化にともなって、バ
スタブ、洗面ボウルなどのサニタリー用途に樹脂製の材
料が使われることが多くなっている。これら樹脂材料と
しては、従来、不飽和ポリエステルからなるFRPが用
いられることが多かったが、不飽和ポリエステル系材料
は、経時的な黄変や傷つき易さが有ることから、最近で
は、表面の硬度や外観に優れるメタクリル樹脂系のサニ
タリー材料の提案がなされており、一部は実用化されつ
つある。しかしながら、上記のような特性を有するFR
Pやメタクリル樹脂系サニタリー材料を使用する際に
も、その使用が長期に及ぶ場合や、用途によっては、そ
の表面に汚れが付着し外観等を損なう問題がある。ま
た、特にバスタブ等の用途ではカビ、細菌などが発生す
る問題もあり、これらの影響で悪臭を伴う問題もある。
【0003】これらの汚れ、カビ、悪臭などに対して、
例えば、特開平7−90185号公報には臨界表面張力
が一定以下の樹脂にシリコーン樹脂、無機充填剤、抗菌
剤等を添加、分散することにより、細菌、カビなどの汚
れに対し優れた防汚性を示す、サニタリー用品などに好
適な樹脂組成物が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
7−90185号公報に提案の樹脂組成物では、種々の
添加剤が必要なうえ、実際の複雑な汚れ成分に対する汚
れ防止効果は十分とは言いがたい。そこで本発明者ら
は、防汚性能を有するサニタリー用樹脂板を得るべく鋭
意検討した結果、サニタリー用樹脂板の表面に特定含フ
ッ素シラン化合物の膜を形成させることによって、防汚
性能に優れるサニタリー用樹脂板が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、樹脂
板の表面に下記の一般式 化3で示される数平均分子量
が5×102 〜1x105 の含フッ素シラン化合物から
なる層が形成された防汚性サニタリー用樹脂板及びこれ
を熱成形してなる防汚性サニタリー用成形品である。
【化3】 (式中、Rf は炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パ
ーフルオロアルキル基、Xはヨウ素原子または水素原
子、Yは水素原子または低級アルキル基、Zはフッ素原
子またはトリフルオロメチル基、R1 は加水分解可能な
基、R2 は水素または不活性な一価の有機基、a、b、
c、dは0〜200の整数、eは0または1、mおよび
nは0〜2の整数、及びpは1〜10の整数を表す。)
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂板としては特に限定されるものではない
が、例えば、不飽和ポリエステルからなるFRP材料や
アクリル系樹脂等が挙げられる。なかでも表面硬度や光
沢性からアクリル系樹脂が好ましく用いられる。アクリ
ル系樹脂として、メチルメタクリレート単独あるいはメ
チルメタクリレート50wt%以上と他の共重合可能な
エチレン性不飽和単量体との共重合体からなる樹脂板が
挙げられる。
【0007】メチルメタクリレートと共重合可能なエチ
レン性不飽和単量体としては、例えば、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、などの単官能(メタ)アクリル
酸エステル類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テ
トラプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多官能(メ
タ)アクリル酸エステル類;メタクリル酸、アクリル酸
などの不飽和酸類;ジビニルベンゼン、ジアリルフタレ
ートなどの芳香族多官能化合物類;スチレン、α−メチ
ルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシル
マレイミドなどが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。また、この重合体には、無水グルタル酸単
位、グルタルイミド単位をさらに含んでいても良い。さ
らに前述の重合体、共重合体にジエン系ゴム、アクリル
系ゴムをブレンドしたものでも良い。
【0008】アクリル系樹脂板は公知の乳化重合法、懸
濁重合法、塊状重合法等の方法により製造した重合体
を、公知の押出成形、射出成形等により板状にするか、
または公知の鋳込み重合法により板状にするなどの方法
により製造することができる。
【0009】このアクリル系樹脂板には、該樹脂に一般
に用いられる各種の添加剤を含有させても良い。添加剤
としては紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、
難燃剤、連鎖移動剤、離型剤、顔料、染料、無機充填剤
等が挙げられる。
【0010】またアクリル系樹脂板として、アクリル系
樹脂100重量部、充填剤が30〜300重量部含有し
てなるアクリル人工大理石板でもよい。
【0011】充填剤としては、例えば、水酸化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、
タルク、クレー、ベントナイトなどの粉末が挙げられ
る。アクリル人工大理石の外観、物性などの点から水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカが好まし
く用いられる。これらの充填剤は1種類ではなく、2種
類以上併用して用いることも可能である。
【0012】充填剤の添加量は所望する人工大理石の外
観や物性により適宜選択することが出来るが、通常、ア
クリル系樹脂100重量部に対して、30〜300重量
部の範囲が好ましい。30重量部を下回ると、人工大理
石特有の外観などが発現せず、また300重量部を超え
て添加した場合には成形が困難になるため好ましくな
い。充填剤の粒径は、1〜100μmの範囲で選択する
のが好ましい。
【0013】なお、本発明のアクリル系樹脂板は、積層
板であっても良く、また表面にフィルム貼合させたもの
でもかまわない。本発明のアクリル系樹脂板の厚さは、
0.5〜30mmが好ましく、成形性等を考慮した場合
には、1〜15mmが好ましい。
【0014】樹脂板の表面に、直接含フッ素シラン化合
物層を設けても良いが、あらかじめ該基材表面にハード
コート層を付与しておいても良い。このハードコート層
を設けることにより基材表面の硬度が増し傷が付きにく
くなるのと同時に、含フッ素シラン化合物層との密着性
が向上する。
【0015】ハードコート層としてはこの用途に用いら
れる公知のものでよい。例えば、多官能性モノマーを主
成分として重合硬化させることにより得られる硬化膜を
挙げることができる。具体的には、ウレタン(メタ)ア
クリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリ
エーテル(メタ)アクリレート等のアクリロイル基、メ
タクリロイル基を2個以上含んだ多官能重合性化合物を
紫外線、電子線等の活性化エネルギー線によって重合硬
化させた層;あるいはシリコン系、メラミン系、エポキ
シ系の架橋性樹脂原料を熱によって架橋硬化させた層な
どを挙げることができる。シリコン系のハードコート層
は含フッ素シラン化合物との密着性が高く、また表面硬
度にも優れているのでこの用途に好ましく用いられる。
【0016】また更に含フッ素シラン化合物との密着性
を高めるために、無機化合物微粒子および/または分子
中に加水分解によりシラノール基を生成する基を少なく
とも1個有するシラン化合物が含まれていてもよい。こ
れらの添加物はアクリレート系、メラミン系、エポキシ
系のハードコート剤に添加しても効果的である。
【0017】無機化合物微粒子としては、例えば、二酸
化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チ
タンなどの無機酸化物を挙げることができる。なかでも
主として二酸化珪素からなるシリカ微粒子やコロイダル
シリカ及びその凝集体が、価格、粒径の制御のし易さ、
更に含フッ素シラン化合物層との密着性の点から好まし
い。
【0018】また分子中に加水分解によりシラノール基
を生成する基を少なくとも1個有するシラン化合物とし
ては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グルシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン等が挙げられる。
【0019】ハードコート層を形成させる方法として
は、まず、ハードコート剤を通常のコーティング作業で
用いられる方法で、、例えば、基材を回転させ、その上
にコート剤を滴下することで、コート剤による被膜を均
一に形成させるスピン塗装;基材をコート剤溶液中に浸
漬させ、一定速度で引き上げることで被膜を形成させる
浸漬塗装;ロールにコート剤被膜を形成させ、ロール間
を基材が移動することによりロールのコート剤を基材上
に転写させるロールコート塗装やグラビアコート塗装;
コート剤を滝状に流し落とし、その下を基材が通り抜け
ることによりコート剤の被膜を形成させるカーテンフロ
ー塗装等で塗布し(例えば「コーティング方法」(原崎
勇次著、槇書店 1979年10月30日発行)や「塗
布機と周辺機器」(青山他 著 株式会社ポリマー工業
研究所、加工技術研究会 1979年2月発行)に記載
の方法)、続いて上記したように、用いた原料に応じた
方法により、硬化させる方法を挙げることができる。こ
の際、被覆しやすくするために、あるいは被覆膜の膜厚
を調整するために該ハードコート剤を種々の溶剤により
希釈しても構わない。
【0020】続いて用いたハードコート剤に応じた方法
により硬化させる。ハードコート剤を硬化させるには、
加熱昇温する熱重合、紫外線や電子線などの活性エネル
ギー線の照射による光重合がある。
【0021】ハードコート層の厚さは特に限定されるも
のではないが、1〜20μmが好ましい。1μm以下だ
と十分な硬度が得られない。また20μm以上になると
塗膜にひびが入るなど、膜の強度上好ましくない。
【0022】なお、樹脂板とハードコート層との密着性
を向上させるために、樹脂板とハードコート層の間に接
着層を設けても構わない。その接着層としてはこの用途
に用いられる公知のものでよい。
【0023】含フッ素シラン化合物からなる層は、防汚
層として機能する被覆膜であり、該含フッ素シラン化合
物は前記の一般式 化3で示され、かつその数平均分子
量は5×102 〜1×105 である。なかでも一般式
化3中の、Rf は通常、炭素数1〜16の直鎖状または
分岐状パーフルオロアルキル基であり、好ましくは、C
3 基、C25 基、C3 7 基である。Yにおける低
級アルキル基としては通常、炭素数1〜5のものが挙げ
られる。R1 の加水分解可能な基としては、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、R3 O基、R
3 COO基、(R4 ) 2 C=C(R3 )CO基、
(R32 C=NO基、R5 C=NO基、(R4 ) 2
基、及びR3 CONR4 基が好ましい。(ここで、R3
はアルキル基等の通常は炭素数1〜10の脂肪族炭化水
素基またはフェニル基等の通常は炭素数6〜20の芳香
族炭化水素基、R4 は水素原子またはアルキル基等の通
常は炭素数1〜5の低級脂肪族炭化水素基、R5はアル
キリデン基等の通常は炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化
水素基である。)さらに好ましくは、塩素原子、CH3
O基、C25 O基である。R2 は水素原子または不活
性な一価の有機基であり、好ましくは、アルキル基等の
通常は炭素数1〜4の一価の炭化水素基である。a、
b、c、dは0〜200の整数であり、好ましくは1〜
50である。mおよびnは、0〜2の整数であり、好ま
しくは0である。pは1または2以上の整数であり、好
ましくは1〜10の整数であり、さらに好ましくは1〜
5の整数である。また、数平均分子量は5×102 〜1
×105 であり、好ましくは1×103〜1×104
ある。
【0024】また、上記の一般式 化3で表される含フ
ッ素シラン化合物の好ましい構造のものとして、Rf
3 7 基であり、aが1〜50の整数であり、b、c
及びdが0であり、eが1であり、Zがフッ素原子であ
り、nが0である化合物、即ち下記の一般式 化4で表
される化合物がある。
【0025】
【化4】 (式中、Y、m、R1 及びpは前記と同じ意味を表し、
qは1〜50の整数を表す。)
【0026】これらのシラン化合物は、市販のパーフル
オロポリエーテルをシラン処理することによって得るこ
とができる。例えば、特開平1−294709号公報に
開示のあるごとくである。
【0027】含フッ素シラン化合物層を形成させるに
は、ハードコート剤の塗布と同様な塗布方法によればよ
い。つまり、スピン塗装、浸漬塗装、ロールコート塗
装、グラビアコート塗装、カーテンフロー塗装等が用い
られる。なお、塗布する際には溶剤で希釈して行うこと
が該シラン化合物からなる層の厚みを制御する点で、ま
た作業性の点で好ましい。該溶剤としては、例えばパー
フルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサ
ン、パーフルオロ−1、3−ジメチルシクロヘキサン等
の通常は炭素数5〜12のパーフルオロ脂肪族炭化水
素、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等の多フッ素
化芳香族炭化水素、多フッ素化脂肪族炭化水素等が挙げ
られる。塗布液中の該シラン化合物濃度は浸漬塗装法に
おいては0.05〜0.5wt%が好ましい。
【0028】また、含フッ素シラン化合物層は前述した
方法以外に真空蒸着法により設けることもできる。その
際には含フッ素シラン化合物は高濃度、または希釈溶剤
なしに使用することができる。
【0029】含フッ素シラン化合物層の厚さは特に限定
されるものではないが、0.001〜0.5μmであ
る。0.001μmより薄いと防汚効果が乏しくなり、
0.5μm以上だと表面がベタベタするため好ましくな
い。
【0030】本発明の防汚性サニタリー用樹脂板を、バ
スタブ、洗面ボウルなどのサニタリー製品とするには、
該樹脂板をストレート成形、ドレープ成形などの熱成形
によって行なわれる。樹脂板表面に含フッ素シラン化合
物層を形成させる場合、成形前の樹脂板表面にあらかじ
め該層を形成させた後、成形を行っても良いし、成形後
の状態で表面に該層を形成させても良い。
【0031】
【発明の効果】本発明の防汚性サニタリー用樹脂板及び
その成形品は、汚れが付着しにくく、また汚れが付着し
ても容易に除去することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。な
お、実施例において各種の性能の評価試験方法は以下の
通りである。 (1)全光線透過率、曇価(Haze):JIS K
7105に準拠して測定した。 (2)明度(L* ):JIS K 7105に準拠して
反射により測定した。 (3)水に対する接触角:接触角計(CA−A型:協和
界面科学(株))を使用し、室温下で直径1.0mmの
水滴を針先につくり、これを基材の表面に触れさせて液
滴を作った。このときに生ずる液滴と面との角度を測定
し接触角とした。 (4)汚染促進試験:下記の表1に示した組成の汚染物
質を含む汚染水(汚染物質濃度1.0g/L)を試料に
流下速度0.75L/分で流下させ、30℃で10分間
乾燥させた。この操作を50回繰り返した(JSTM
J 7602に準拠)。この試験の前後での全光線透過
率(Tt)と曇価(Haze)または明度を測定して、下記の
式により汚染度及びΔHazeを計算した。 汚染度=(Tt0-Tt')/Tt0 Tt0:試験前のTt、 Tt' :試験後のTt ΔHaze=Haze' −Haze0 Haze0:試験前のHaze、 Haze' :試験後のHaze
【0033】
【表1】
【0034】実施例1 (1)汚染防止液の調製 特開平1−294709号公報の実施例6の原料の下記
の式 化5で示されるフッ素含有ポリエーテルを使用
し、同公報実施例4に従って、CH2 =CHSiCl3で示される
ビニルトリクロルシランを反応させ、得られたヨウ素含
有シラン化合物を亜鉛粉末とメタノールで処理し、下記
の式 化6で示される数平均分子量が約5000のシラ
ン化合物を得た。
【0035】
【化5】C3F7-(OCF2CF2CF2)24-O(CF2)2I
【0036】
【化6】
【0037】具体的には、攪拌機、滴下ロート、還流冷
却器及び温度計を備えた200mlの4つ口フラスコ中
に、化5で示されるω−フルオロポリパーフルオロオキ
セタンヨウ素化合物40gをヘキサフルオロテトラクロ
ロブタン80gに溶解したもの、及び、ジ−t−ブチル
パーオキシド1.5g(1×10-2モル)を仕込み、充
分に系内を窒素置換したのち、窒素気流下滴下ロートよ
りビニルトリクロロシラン16.1g(0.1モル)を
滴下した。滴下終了後、系内の温度を120℃に昇温さ
せ、4時間反応させた。反応終了後、減圧下で揮発分を
完全に留去することによって末端にヨウ素を有するシラ
ン化合物38.7gを得た。次いで、前記と同様のフラ
スコ中に、前記シラン化合物34.4gをパーフルオロ
ヘキサン50gに溶解したものを仕込み、亜鉛2.1g
(3.2×10-2モル)を強攪拌分散させた。氷水浴で
系を冷却し、窒素気流下無水メタノール10gを滴下し
た。滴下終了後、氷水浴を取り除き、加熱還流下2時間
反応させた。反応終了後、不溶物を濾別し、2層に分離
した液相から分液ロートを用いて下層を分取した。得ら
れた溶液を無水メタノールを用いて3回洗浄したのち、
減圧下揮発分を完全に留去することによって、化6で示
される末端が水素化されたシラン化合物31.6gを得
た。
【0038】1H−NMRより、1.2〜3.0ppm
に下記の式 化7の各水素原子に由来する幅広い吸収体
が現れた。内部標準としてω−フルオロポリパーフルオ
ロオキセタン水素化物5.0モル%を添加し、下記の式
数1から重合度P(化4におけるpの平均値)を計算
すると2.0となった。
【0039】
【化7】
【0040】
【数1】 I/Is =〔0.95(3P+1)〕/0.05 I : 1.2〜3.0ppmの積分吸収強度 Is : 内部標準物質の積分吸収強度 P : 重合度(化4におけるpの平均値)
【0041】次いで、得られた含フッ素シラン化合物
を、テトラデカフルオロヘキサンで希釈し、2.0g/
Lの汚染防止液を調整した。
【0042】(2)防汚性サニタリー用樹脂板の作製 熱硬化型ハードコート剤(日本エーアールシー(株)製
商品名クリスタルコートC−220)中に100×1
00×5mmのサニタリー用アクリル樹脂板(住友化学
工業(株)製 商品名スミペックスSA)を浸漬し、3
0cm/分の速さで引き上げて塗布し、80℃で4時間
加熱硬化し、樹脂板上にハードコート層を形成した。こ
のハードコート層を設けた樹脂板を上記の汚染防止液に
浸漬し、15cm/分の速度で引き上げて塗布した。塗
布後は室温条件下で一昼夜放置して溶剤を揮散させ、含
フッ素シラン化合物の層を形成した防汚性サニタリー用
樹脂板を得た。各種性能を評価した結果を表2に示し
た。
【0043】実施例2 固形分が30%となるようにトルエンで希釈したウレタ
ンアクリレート系ハードコート剤(ユニディック17−
806:大日本インキ製)に、ハードコート固形分10
0部に対しテトラメトキシシランとγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランとの3:1の混合物を15部
添加した。この溶液に100×100×5mmのサニタ
リー用アクリル樹脂板(住友化学工業(株)製 商品名
スミペックスSA)を浸漬し、30cm/分の速さで引
き上げて塗布し、溶剤を揮散させた後に120Wのメタ
ルハライドランプ(UB0451:アイグラフィック社
製)を20cmの距離から10秒間照射することにより
ハードコート層を形成させた。このハードコート層を設
けた樹脂板を実施例1で用いた汚染防止液に浸漬し、1
5cm/分の速度で引き上げて塗布した。塗布後は室温
条件下で一昼夜放置して溶剤を揮散させ、含フッ素シラ
ン化合物の層を形成した防汚性サニタリー用樹脂板を得
た。各種性能を評価した結果を表2に示した。
【0044】実施例3 アクリル樹脂(スミペックスMHF 住友化学工業
(株)製)20重量部、メタクリル酸メチル80重量
部、シリカ微粒子(Nipsil E150K 平均粒
子径4.5μm、日本シリカ工業(株)製)を100重
量部入れ、十分に撹拌を行った。この混合物100重量
部に対し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ル0.05重量部を添加し、撹拌溶解した。混合後のス
ラリーを減圧下で脱泡し、2枚のガラス板(200×2
00mm、厚さ5mm)と軟質塩化ビニル製のチューブ
でガラス板間のクリアランスが3mmとなるように作製
したガラスセル内に注入した。注入後のガラスセルを熱
風乾燥炉内に入れ、60℃で8時間、120℃で1時間
保持した後、室温まで放冷した。放冷後、セルを構成す
るガラス板を除去してアクリル人工大理石板を得た。得
られた人工大理石板を100×100mmのサイズに切
り落とし、実施例1で用いた汚染防止液に浸漬し、15
cm/分の速度で引き上げて塗布した。塗布後は室温条
件下で一昼夜放置して溶剤を揮散させ、含フッ素シラン
化合物の層を形成した防汚性のアクリル人工大理石板を
得た。各種性能を評価した結果を表3に示した。
【0045】比較例1 100×100×5mmのサニタリー用アクリル樹脂板
(住友化学工業(株)製 商品名スミペックスSA)を
そのまま各種性能の評価を行った。結果を表2に示し
た。
【0046】比較例2 含フッ素シラン化合物の層を形成しなかった以外は実施
例1と同様にしてハードコート層を形成した樹脂板を作
製し、各種性能評価を行った。結果を表2に示した。
【0047】比較例3 含フッ素シラン化合物の層を形成しなかった以外は実施
例2と同様にしてハードコート層を形成した樹脂板を作
製し、各種性能評価を行った。結果を表2に示した。
【0048】比較例4 含フッ素シラン化合物の層を形成しなかった以外は実施
例3と同様にしてアクリル人工大理石板を作製し、各種
性能評価を行った。結果を表3に示した。
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/24 302 B05D 7/24 302Y C08G 2/22 C08G 2/22 65/32 65/32 C09D 5/16 PQM C09D 5/16 PQM 143/04 PGL 143/04 PGL 159/04 159/04 171/02 171/02 // C08F 30/08 MNU C08F 30/08 MNU

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂板の表面に下記の一般式 化1で示
    される数平均分子量が5×102 〜1x105 の含フッ
    素シラン化合物からなる層が形成された防汚性サニタリ
    ー用樹脂板。 【化1】 (式中、Rf は炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パ
    ーフルオロアルキル基、Xはヨウ素原子または水素原
    子、Yは水素原子または低級アルキル基、Zはフッ素原
    子またはトリフルオロメチル基、R1 は加水分解可能な
    基、R2 は水素または不活性な一価の有機基、a、b、
    c、dは0〜200の整数、eは0または1、mおよび
    nは0〜2の整数、及びpは1〜10の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 該含フッ素シラン化合物が、下記の一般
    式 化2で示される請求項1記載の防汚性サニタリー用
    樹脂板。 【化2】 (式中、Yは水素原子または低級アルキル基、R1 は加
    水分解可能な基、qは1〜50の整数を、mは0〜2の
    整数、pは1〜10の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 樹脂板と含フッ素シラン化合物層との間
    にハードコート層が介在している請求項1記載の防汚性
    サニタリー用樹脂板。
  4. 【請求項4】 樹脂板がアクリル系樹脂である請求項1
    記載の防汚性サニタリー用樹脂板。
  5. 【請求項5】 樹脂板がアクリル系樹脂100重量部、
    充填剤30〜300重量部を含有してなるアクリル人工
    大理石板である請求項1記載の防汚性サニタリー用樹脂
    板。
  6. 【請求項6】 含フッ素シラン化合物層の厚さが0.0
    01〜0.5μmである請求項1記載の防汚性サニタリ
    ー用樹脂板。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項3記載の防汚性サ
    ニタリー用樹脂板を熱成形してなる防汚性サニタリー用
    樹脂成形品。
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