JPH1079145A - 光学的情報記録媒体の製造方法及びこれに用いる成膜装置 - Google Patents

光学的情報記録媒体の製造方法及びこれに用いる成膜装置

Info

Publication number
JPH1079145A
JPH1079145A JP18204197A JP18204197A JPH1079145A JP H1079145 A JPH1079145 A JP H1079145A JP 18204197 A JP18204197 A JP 18204197A JP 18204197 A JP18204197 A JP 18204197A JP H1079145 A JPH1079145 A JP H1079145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
introduction pipe
film forming
tank
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18204197A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Ota
啓之 大田
Kazumi Yoshioka
一己 吉岡
Eiji Ono
鋭二 大野
Hidemi Isomura
秀己 磯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP18204197A priority Critical patent/JPH1079145A/ja
Publication of JPH1079145A publication Critical patent/JPH1079145A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プラズマをエネルギー源にして成膜を行う方法
を用い、かつ水分を含有させた混合ガスを前記成膜室内
に供給することにより、環境条件に左右されることなく
常に安定したオーバライトサイクル特性が得られる光学
的情報記録媒体の製造方法とこれに用いる成膜装置を提
供する。 【解決手段】水分を含まないArガスと水分を含むArガス
18を供給する第1及び第2の保護層成膜室10,12を有する
インラインスパッタ成膜装置を用いて光ディスクを作製
する。光ディスクにおける各層の膜厚は第1の保護層約
150nm、記録薄膜約20nm、第2の保護層約40nm、反射層約
100nmにし、第1及び第2の保護層(ZnS−SiO2,1mTorr,
RFマグネトロンスパッタ,Arガス 10sccm,水分を含むA
rガス 0.01〜1.0sccm)にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学的情報記録媒体
の製造方法及びこれに用いる成膜装置に関し、特に、製
造時の環境に左右されることなく常に安定したオーバラ
イトサイクル特性が得られる光学情報記録媒体を製造す
ることができる光学的情報記録媒体の製造方法及びこれ
に用いる成膜装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から使用されている薄膜形成方法の
一つにスパッタリング法がある。かかるスパッタリング
法に使用される基本的なスパッタリング装置の構成が
「薄膜の基本技術 金原あきら著 発行者:田中秀夫
発行所:財団法人 東京大学出版会 1985.5.2
0 第8刷」の53〜56頁に紹介されている。
【0003】この装置は、図5に示すように、真空の成
膜室1内に陰極2と陽極3を設け、陰極2にターゲット
部材4を取り付け、陽極3に基板5を取り付け、放電ガ
スをボンベ6、マスフローコントローラ7、及びストッ
プバルブ8を介して所定量真空容器1の中に導入し、こ
の状態で前記陰極2と陽極3との間に電圧をかけてグロ
ー放電を行い、かかるグロー放電によって発生したプラ
ズマをエネルギー源にして前記ターゲット部材4からス
パッタされた成膜すべき物質を前記基板5に堆積させて
薄膜を形成するものである。このようなスパッタリング
装置は電源に直流電源を使うか高周波電源を使うかによ
って直流形(DC形)と高周波形(RF形)とに分けら
れる。また、密度の高いプラズマを得るために磁場収束
形(マグネトロン放電形)の装置が用いられる。この磁
場収束形の装置では陰極から放出された電子が陽極に直
行せず、互いに直交する電場と磁場を有する空間にトラ
ップされることによって密度の高いプラズマが得られ、
これによって成膜効率が高められる。
【0004】近年においては直流形または高周波形にマ
グネトロン放電形を組み合わせたスパッタリング装置が
使用されている。直流形の装置は導電体材料のスパッタ
リングが可能であり、高周波形の装置は絶縁体材料及び
導電体材料の両方のスパッタリングが可能であり、これ
らはスパッタするターゲット部材に応じて使い分けられ
ている。
【0005】前記スパッタリング法は光ディスクの各層
の成膜に使用されており、一般に光ディスクの記録薄
膜、反射層の成膜には直流(DC)マグネトロン放電形
装置が使用され、絶縁材料からなる保護層の成膜には高
周波(RF)マグネトロン放電形装置が使用されてい
る。現在、光磁気ディスク、相変化型光ディスクなどの
書き換え可能な光ディスクが開発され実用化されてい
る。このうような光ディスクの基本的な構成はレーザー
光の案内溝が形成された透明基板の上に第1の保護層、
記録薄膜、第2の保護層、反射層を順次成膜したもので
あり、一般に反射層の上には膜の損傷を防止するために
紫外線硬化樹脂から成るオーバーコート層が設けられて
いる。前記相変化型光ディスク等における相変化方式の
記録は記録膜を融点以上に加熱した後急冷して非晶質化
することにより行われ、消去は記録膜を結晶化温度以上
融点以下に加熱した後徐冷して結晶化することにより行
われる。信号は非晶質状態にある時と結晶状態にある時
の反射率差によって得られる。
【0006】ところで、相変化型光ディスクにおいて例
えば記録膜にGe−Sb−Te系のカルコゲン化合物を
用いた場合その融点は600℃以上であり、これによっ
て記録膜の両側に設けた保護膜は記録・消去のたびに熱
ストレスを受ける。このため一般に保護層には熱的に安
定で記録薄膜との密着性が良く、しかも機械的強度の強
い膜が要求される。このような条件を満足する保護層と
しては、ZnSとSiO2 の混合体からなる保護層が実
用化されている。しかしながら、このZnS及びSiO
2 を用いて保護層を成膜しても成膜時の基板の保管環
境、排気時間等の成膜条件によって形成される保護層の
特性が変動し、かかる保護層の成膜工程を経て作製され
た光ディスクの記録・消去のオーバライト(重ね書き)
サイクル特性が大きく異なってしまうことがあった。特
に、湿度の高い時期に作製したディスクと湿度の低い時
期に作製したディスクとではオーバライトサイクル回数
に大きな差を生じ、湿度の低い時期に作製したディスク
ではオーバライトサイクル特性が安定しないという問題
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
課題に鑑みてなされたものであり、環境条件、特に、湿
度条件に左右されることなく常に安定したオーバライト
サイクル特性が得られる光学的情報記録媒体を製造する
ことができる光学的情報記録媒体の製造方法及びこれに
用いる成膜装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意研究を重ねたところ、優れたオーバ
ライトサイクル特性を有する光学的情報記録媒体ではそ
の保護層中に水酸基(−OH)が含有されているのに対
し、劣悪なオーバライトサイクル特性を有する光学的情
報記録媒体の保護層中には水酸基(−OH)が含まれて
いないことを突き止め(二次イオン質量分析法によ
る)、以下に記す構成からなる本発明の光学的情報記録
媒体の製造方法を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明の光学的情報記録媒体の
製造方法は、真空の成膜室内にて基板と成膜すべき物質
からなる部材を対向させて配置し、前記成膜室内に供給
される放電ガスを前記基板と成膜すべき物質からなる部
材間にてグロー放電することによりプラズマを形成し、
このプラズマをエネルギー源にして前記成膜すべき物質
からなる部材から遊離した前記成膜すべき物質を前記基
板上に付着または堆積させて成膜を行う成膜方法を用い
て、前記基板上に少なくとも記録薄膜と前記記録薄膜の
片側の表面または両側の表面に配置される保護層を成膜
して光学的情報記録媒体を製造する光学的情報記録媒体
の製造方法において、前記保護層の成膜工程における前
記成膜室内に供給される放電ガス中に水分を含有させた
ことを特徴とする。ここで、「成膜すべき物質からなる
部材」とは、成膜方法がスパッタリング法やレーザスパ
ッタリング法である場合に一般にターゲット(部材)と
呼ばれ、成膜方法がイオンプレーティング法や電子ビー
ム蒸着法である場合に一般に蒸発源と呼ばれている成膜
すべき物質からなる板状体である。前記の構成にしたこ
とにより、製造環境、すなわち、保護層の成膜時の環境
条件に左右されることなく、常に保護層に所定量の水酸
基(−OH)を導入することができ、その結果、優れた
オーバライトサイクル特性を有する光学的情報記録媒体
を再現性良く製造することができる。なお、保護層への
水酸基(−OH)の導入によってオーバライトサイクル
特性が向上することの理由は明らかではないが、例え
ば、保護層の構成材料が一般的なZnSとSiO2 であ
る場合、水酸基(−OH)の酸素原子(O)が層中のZ
nSの亜鉛原子(Zn)やSiO2 の酸素原子(O)と
結合し、かつ、水酸基(−OH)の水素原子(H)がS
iO2 のケイ素原子(Si)のダングリングボンド中に
結合して、保護層の熱的及び化学的安定性、機械的強
度、並びに記録薄膜への密着性が向上するためであると
考えている。
【0010】前記本発明の光学的情報記録媒体の製造方
法においては、水分を含む放電ガスが、Ne、Ar、K
r、及びXeから選ばれる少なくとも一つのガスに水の
気化成分を混合させたものであるのが好ましい。このよ
うな構成により、グロー放電によるプラズマの形成がよ
り安定に行われ、より確実に化学的及び熱的安定性、機
械的強度並びに記録薄膜への密着性に優れた保護層を形
成することができる。
【0011】前記において、混合ガス中の水分(H2O)
の濃度は、0.1〜10vol.%の範囲が好ましい。これ
によりオーバーライトサイクル寿命がさらに長期化でき
る。また、本発明の成膜装置は、基板が取り付けられる
陽極と成膜すべき物質からなる部材が取り付けられる陰
極とがその真空の内部空間内に対向して配置された成膜
室と、前記成膜室の内部空間に放電ガスを供給するため
のガス供給手段とを備え、前記陽極と陰極間に印加され
た電圧によって前記放電ガスのグロー放電が成される成
膜装置において、前記ガス供給手段が、水分を含まない
放電ガスを成膜室内に供給する第1のガス供給経路と水
分を含有した放電ガスを成膜室内に供給する第2のガス
供経路とを有し、前記第1及び第2のガス供給経路にそ
れぞれガス流量の制御を行うガス流量制御手段が設けら
れたものであることを特徴とする。このような構成によ
り、成膜室内へ供給される放電ガス中の水分濃度の制御
を精度良くかつ容易に行うことができ、前記した本発明
の光学的情報記録媒体の製造方法を合理的かつ安定に実
行することができる。
【0012】また前記本発明の成膜装置においては、ガ
ス供給手段が、放電ガスが充填されたガスボンベと、水
が収容されたタンクと、前記ガスボンベからの放電ガス
を前記タンク内に導入する第1導入管部と前記ガスボン
ベからの放電ガスを直接成膜室内に導入する第2導入管
部とを有する第1のガス導入管と、前記タンク内にて前
記水の気化成分と前記放電ガスとが混合された混合ガス
を前記タンクから成膜室内に導入する第2のガス導入管
と、前記第1のガス導入管の前記第2導入管部及び前記
第2のガス導入管にそれぞれ取り付けられたガス流量制
御手段とを備えたものであるのが好ましい。このような
構成により、成膜室内へ供給される放電ガス中の水分濃
度の制御を精度良くかつ容易に行える成膜装置を簡単な
構成にて実現することができる。
【0013】また前記本発明の成膜装置においては、第
1のガス導入管における第1の導入管部の末端の開口部
がタンク内の水中に浸漬され、前記開口部から放出され
た放電ガスが前記タンク内の水をバブリングすることに
より前記水の気化が行われるのが好ましい。このような
構成により、放電ガス中への水分の混入を合理的かつ確
実に行うことができる。
【0014】また前記本発明の成膜装置においては、第
1のガス導入管における第1の導入管部の末端の開口部
がタンク内の空間内に配置され、前記開口部から放出さ
れた放電ガスが前記タンク内の水に吹き付けられること
により前記水の気化が行われるのが好ましい。このよう
な構成により、放電ガス中への水分の混入を合理的かつ
確実に行うことができる。
【0015】また前記本発明の成膜装置においては、タ
ンクの周辺にヒータが配置され、前記ヒータが前記タン
クを加熱することにより前記タンク内の水の気化が行わ
れるのが好ましい。このような構成により、放電ガス中
への水分の混入を合理的かつ確実に行うことができる。
【0016】また前記本発明の成膜装置においては、第
2のガス導入管及びこの第2のガス導入管に取り付けら
れたガス流量制御手段を加熱するヒータが設けられてい
るのが好ましい。このような構成により、第2のガス導
入管内において放電ガス中の水分が結露してしまうこと
を防止でき、より安定に水分を含有した放電ガスを成膜
室内に供給することができる。
【0017】また前記本発明の成膜装置においては、ガ
ス流量及び圧力制御手段を第2のガス導入管ではなく第
1の導入管の第1導入管部に設けられているのが好まし
い。このような構成により、結露を防止するヒーターを
ガス流量及び圧力制御手段に組み込まずにすむため、成
膜装置の構成が簡単になるとともにより安定にガスを成
膜室内に供給することができる。
【0018】また前記本発明の成膜装置においては、成
膜室で成膜される層が、Al23、SiOx 、Ta25
、MoO3 、WO3 、ZnS、ZrO2 、AlNx
BN、SiNx 、TiN、ZrN、PbF2 、MgF2
から選ばれる少なくとも一つの誘電体物質からなること
が好ましい。
【0019】上記構成により、真空の成膜室内にて基板
と成膜すべき物質からなる部材を対向させて配置し、前
記成膜室内に供給されるガスを前記基板と成膜すべき物
質からなる部材間にてグロー放電することによりプラズ
マを形成し、このプラズマをエネルギー源にして前記成
膜すべき物質からなる部材から遊離した前記成膜すべき
物質を前記基板上に付着または堆積させて成膜を行う成
膜方法を用いて、前記基板上に少なくとも記録薄膜と前
記記録薄膜の片側の表面または両側の表面に配置される
保護層を成膜して光学的情報記録媒体を製造する光学的
情報記録媒体の製造方法において、前記保護層の成膜工
程における前記成膜室内に供給されるガス中に水分を含
有させるようにしたことにより、成膜時の環境条件に関
係なく保護層に水酸基(−OH)が導入されることとな
り、その結果、常にオーバライトサイクル特性に優れた
光学的情報記録媒体を製造することができる。
【0020】また、本発明の成膜装置によれば、基板が
取り付けられる陽極と成膜すべき物質からなる部材が取
り付けられる陰極とがその真空の内部空間内に対向して
配置された成膜室と、前記成膜室の内部空間にガスを供
給するためのガス供給手段とを備え、前記陽極と陰極間
に印加された電圧によって前記ガスのグロー放電が成さ
れる成膜装置において、前記ガス供給手段が、水分を含
まないガスを成膜室内に供給する第1のガス供給経路と
水分を含有したガスを成膜室内に供給する第2のガス供
経路とを有し、前記第1及び第2のガス供給経路にそれ
ぞれガス流量の制御を行うガス流量及び圧力制御手段が
設けられたものにしたことにより、前記本発明の光学的
情報記録媒体の製造方法を合理的かつ安定に実行するこ
とができる。
【0021】以上説明したように、本発明の光学的情報
記録媒体の製造方法によれば、成膜時の環境条件に関係
なく保護層に水酸基(−OH)が導入されることとな
り、その結果、常にオーバライトサイクル特性に優れた
光学的情報記録媒体を製造することができる。
【0022】また、本発明の成膜装置によれば、前記本
発明の光学的情報記録媒体の製造方法を合理的かつ安定
に実行することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の光学的情報記録媒体の製
造方法に使用される成膜方法としては、真空の成膜室内
に基板と成膜すべき物質からなる部材を対向して配置
し、成膜室内に導入された放電ガスをこれら基板と成膜
すべき物質からなる部材間にてグロー放電してプラズマ
を形成し、このプラズマをエネルギー源にして成膜すべ
き物質を基板に付着または堆積させて成膜を行う成膜方
法であり、例えば、スパッタリング法、レーザスパッタ
リング法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法
等を挙げることができる。このうち、膜組成制御の精度
が高い点でスパッタリング法を用いるのが好ましい。ま
た、スパッタリング法による成膜を行うための成膜装
置、すなわち、スパッタリング装置としては、マグネト
ロン放電形スパッタリング装置が好ましい。
【0024】前記成膜室内に導入される放電ガスは一般
にNe、Ar、Kr、及びXeから選ばれる少なくとも
一つのガスである。保護層の成膜工程での成膜室内にお
ける放電ガス中の水分(水の気化成分)の濃度は、成膜
すべき保護層の構成材料や記録薄膜の構成材料等に応じ
て適宜決定される。また、保護層の成膜工程において使
用される成膜すべき物質からなる部材としては、一般に
Al23、SiOx 、Ta25、MoO3 、WO3 、Z
nS、ZrO2 、AlNx 、BN、SiNx 、TiN、
ZrN、PbF2 、MgF2等の各種誘電体物質から選
ばれる1種または2種以上の物質からなる部材が使用さ
れる。このうち、ZnSとSiO2 からなる保護層が熱
的に安定で記録薄膜に対しての密着性が高く、しかも機
械的強度の高いものになることから、ZnSとSiO2
からなる部材を使用するのが好ましい。
【0025】記録薄膜の成膜工程において使用される成
膜すべき物質からなる部材としては、一般にTe,Se
等のカルコゲン(酸素族元素)を主成分として含むカル
コゲン化合物やInを主成分として含む化合物からなる
部材が使用される。かかるカルコゲン化合物及びInを
含む化合物の具体例としてはTe−Sb−Ge、Te−
Ge、Te−Ge−Sn、Te−Ge−Sn−Au、S
b−Te、Sb−Se−Te、In−Te、In−S
e、In−Se−Tl、In−Sb、In−Sb−S
e、In−Se−Te等を挙げることができる。
【0026】反射層の成膜工程において使用される成膜
すべき物質からなる部材としては、Au、Al、Ag、
Ni、Fe、Cr等の金属元素やこれらの合金からなる
部材が使用される。
【0027】図4は本発明の光学的情報記録媒体の製造
方法に使用されるインラインスパッタ成膜装置の一実施
形態の概略構成を示した図であり、図において、4はタ
ーゲット部材(成膜すべき物質からなる部材)、5は基
板、9はロードロック室(以下、LL室と称す。)、1
0は第1の保護層成膜室、11は記録薄膜成膜室、12
は第2の保護層成膜室、13は反射層成膜室、14はア
ンロードロック室(以下、ULL室と称す。)である。
LL室9、成膜室10〜13、ULL室14はゲートバ
ルブ15を介して連結されている。この図では各成膜室
10〜13における実際の成膜作業に必要な成膜室10
〜13内に放電ガスを供給する放電ガス供給装置の構成
は省略されている。
【0028】以下かかるインラインスパッタ成膜装置用
いた相変化型光ディスクの製造工程を説明する。先ず、
製造工程全体の概略を説明する。インジェクション法に
より成形された基板5は、基板搬送手段(図示せず)に
より、まずLL室9に搬送され一定時間排気される。そ
の後第1の保護層成膜室10から記録薄膜成膜室11、
第2の保護層成膜室12、反射層成膜室13の順に搬送
され、各成膜室内で成膜作業がなされる。各成膜室では
基板5がターゲット部材4と対向する位置にセットさ
れ、放電用のArガスがグロー放電し、ターゲット部材
4からスパッタされた成膜すべき物質が基板5に堆積し
た成膜が行われる。ここで、第1の保護層は約150n
m、記録薄膜は約20nm、第2の保護層は約40n
m、反射層は約100nmに成膜される。このとき、各
成膜室に隣接するゲートバルブ15は閉の状態とされ、
各成膜室での成膜は独立した部屋で行われる。かかる4
つの層の成膜が完了した後、基板5はULL室14に搬
送され、ULL室14を大気圧にしてその上面に前記4
層が成膜された基板5を取り出す。この後、反射層の上
に紫外線硬化樹脂を塗布し硬化させて硬化樹脂層を形成
し、光学的情報記録媒体が完成する。
【0029】次に、第1の保護層成膜室10及び第2の
保護層成膜室12で行われる保護層(第1の保護層、第
2の保護層)の成膜工程について詳しく説明する。かか
る保護層の成膜工程では成膜室10,12に導入する放
電ガスとして水分を含有させたArガスを用いる。図1
は図4のインラインスパッタ成膜装置における第1の保
護層成膜室10(第2の保護層成膜室12)とこの第1
の保護層成膜室10(第2の保護層成膜室12)に放電
ガスを供給する放電ガス供給装置とを含む保護層成膜装
置部の一実施形態の概略構成を示した図である。
【0030】図において、図4,5と同一符号は同一ま
たは相当する部分を示し、16は水19の入ったタン
ク、17は加熱用のヒータ、18は水分を含んだArガ
ス、30はガスボンベ6からのArガスをタンク16内
に導入する第1導入管部30aとガスボンベ6からのA
rガスを直接成膜室10,12内に導入する第2導入管
部30bとを有するガス導入管で、第1導入管部30a
の末端の開口部が水19内に浸漬されている。31はタ
ンク16内の水分を含んだArガス18を成膜室10,
12内に導入するガス導入管である。7,7aはガス導
入管30の第2導入管部30bとガス導入管31にそれ
ぞれ取り付けられたガスの流量を制御するマスフローコ
ントローラ、8,8aはストップバルブである。ここ
で、ボンベ6のArガスはガス導入管30の第1導入管
部30a中を通ってタンク16の中の水19中に導かれ
バブリングされ、このバブリングによって水19は気化
し、この気化した水分がArガスと混合されて水分を含
んだArガス18を生成する。そして水分を含んだAr
ガス18がタンク16の上部に蓄積され、この蓄積され
た水分を含んだArガス18がガス導入管31を通って
成膜室10,12内へ供給される。ガス導入管30の第
2導入管部30bによる第1のガス供給経路ではガスボ
ンベ6からのArガスの成膜室10,12内へのガス供
給量がマスフローコントローラ7とストップバルブ8に
よって制御される。ガス導入管31による第2のガス供
給経路では水分を含んだArガス18の成膜室10,1
2内へのガス供給量がマスフローコントローラ7aとス
トップバルブ8aによって制御される。加熱用のヒータ
17は水分を含んだArガス18が成膜室までの配管内
で結露しないように、一点鎖線で囲ったガス導入管3
1、マスフローコントローラ7a及びストップバルブ8
aからなるガス供給部20全体を予熱するものである。
なお、結露を防止する方法としてはこれに限定されるも
のでなく、他の手段でもかまわない。
【0031】このような成膜装置を用いた保護層(第1
の保護層、第2の保護層)の成膜工程では、成膜室1
0,12にガス導入管30の第2導入管部30bからA
rガスが定量供給され、ガス導入管31から水分を含ん
だArガス18が定量供給されるので、成膜室10,1
2内は所望濃度の水分を含んだArガスで満たされるこ
ととなり、基板5上に成膜される保護層(第1の保護
層、第2の保護層)には確実に水酸基(−OH)が導入
されることとなる。従って、全工程を経て得られる光学
的情報記録媒体はその保護層(第1の保護層、第2の保
護層)が水酸基(−OH)を含有して、熱的及び化学的
安定性、機械的強度、並びに記録薄膜への密着性の優れ
たものとなり、オーバライトサイクル特性に優れた光学
的情報記録媒体となる。
【0032】図2,3は前記図4のインラインスパッタ
成膜装置における保護成膜装置部の他の実施形態の概略
構成を示した図である。これら図2,3において、図1
と同一符号は同一または相当する部分を示している。図
2の装置の前記図1の装置との相違点は、ガス導入管3
0の第1導入管部30aの末端の開口部がタンク16内
の空間に配置されており、この第1導入管部30aの末
端の開口部から水19にArガスが吹き付けられること
によって水19が気化し、水分を含んだArガス18が
生成されるようになっている点である。また、図3の装
置の前記図1の装置との相違点は、ガス導入管30の第
1導入管部30aの末端の開口部がタンク16内の空間
に配置されており、水19の入ったタンク16がタンク
16の周囲に配置されたヒータ17aによって直接加熱
されることにより、タンク16内の水19が気化され、
水分を含んだArガス18が生成されるようになってい
る点である。
【0033】なお、前記図1〜3の成膜装置とは異な
り、タンク16内の水19の代わりに氷を入れ、タンク
16へ暖めたArガスを導入して、これを氷に吹き付け
ることによって水を気化させるようにしてもよい。但
し、この場合はガス導入管30の第1導入管部30aに
周辺にヒータを配置する必要がある。
【0034】図6、7、8は前記図4のインラインスパ
ッタ成膜装置における保護成膜装置部の他の実施形態の
概略構成を示した図である。これら図6、7、8におい
て、図1と同一符号は同一または相当する部分を示して
いる。図6の装置の前記図1の装置との相違点は、ガス
導入管30の第1導入管部30aにマスフローコントロ
ーラー7aが配置されており、ガス導入管20には圧力
調整バルブ8のみ配置されている点である。また、図7
の装置の前記図2の装置との相違点は、ガス導入管30
の第1導入管部30aにマスフローコントローラー7a
が配置されており、ガス導入管20には圧力調整バルブ
8のみ配置されている点である。また、図8の装置の前
記図3の装置との相違点は、ガス導入管30の第1導入
管部30aにマスフローコントローラー7aが配置され
ており、ガス導入管20には圧力調整バルブ8のみ配置
されている点である。
【0035】
【実施例】以下実施例を用いて本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)第1の保護層成膜室10を含む成膜装置及
び第2の保護層成膜室12を含む成膜装置が前記図1の
成膜装置からなる前記図4のインラインスパッタ成膜装
置を使用して以下の実験を行った。
【0036】保護層の膜質(特性)が異なる種々の光デ
ィスクを得るため、各光ディスクの製造工程における第
1及び第2の保護層の成膜工程における水分を含まない
Arガス(ノーマルなArガス)の成膜室内への流量
と、水分を含有させたArガスの成膜室内への流量を種
々変更して種々の光ディスクを作製した。光ディスクに
おける各層の膜厚は第1の保護層を約150nm、記録
薄膜を約20nm、第2の保護層を約40nm、反射層
を約100nmにした。各層の成膜条件は、記録膜(成
膜すべき物質としてGe−Te−Sb合金を用い,真空
度:2mTorrの条件下で,DCマグネトロンスパッタ法
により,ノーマルなArガス10sccmを導入して行
った。)、反射層(成膜すべき物質としてAl合金,真
空度:2mTorrの条件下で、DCマグネトロンスパッタ
法により、ノーマルなArガス10sccmを導入して
行った。)、第1及び第2の保護層(成膜すべき物質と
してZnS−SiO2を用い、真空度:1mTorrの条件
下で、RFマグネトロンスパッタ法により、ノーマルな
Arガス 10sccmと,水分を含有させたArガス
0〜1.0sccmを導入して行った。)にした。得
られたディスクを回転数が2026rpmで、半導体レ
ーザー波長:780nm、対物レンズ開口数(NA):
0.5の光学ピックアップを組み込んだ光ディスクドラ
イブを用いて記録・消去特性を測定した。最外周の線速
度12m/sのところで記録周波数8.87MHzの信
号をパルス幅32nsの発光時間で記録して、スペクト
ラムアナライザーでC/N比を測定した結果、C/N比
は50dB以上であった。また消去比の測定は8.87
MHzの信号を記録した後、3.32MHzの信号をオ
ーバライトして、スペクトラムアナライザーで8.87
MHz記録時のスペクトルから3.32MHzの信号を
オーバライトしたときのスペクトルを引いた値とした。
この消去比は25dBであた。
【0037】次にそれぞれ光ディスクについてオーバラ
イトのサイクル特性の実験を行った。オーバライトの実
験はPPM(ピット ポジション モジュレーション)
記録で「2−7」変調されたランダム信号を用いた。最
短マークピッチは1.35μmとした。その結果を表1
に示す。サイクル寿命は以下で定義した。すなわち、上
記ランダム信号を同一トラック上に多サイクル連続的に
オーバライトする。そして信号を再生しBER(ビット
・エラー・レート)を測定する。BERはサイクルと共
に徐々に劣化するが、BERが1×10-5を越えるサイ
クル回数をもってその光ディスクのサイクル寿命とし
た。表1が実験結果である。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、本実験により水
分を含ませたArガスを成膜室内に供給し、このArガ
スをグロー放電することによりプラズマを発生させた成
膜雰囲気中で保護層を成膜して得られる光ディスクのオ
ーバライトサイクル寿命(サイクル回数:50〜100
万回)が、水分を含まないArガスをグロー放電するこ
とによりプラズマを発生させた成膜雰囲気中にて成膜さ
れた保護層を有する光ディスクのオーバライトサイクル
寿命(サイクル回数:40万回)比べて大幅に増大する
ことが分かった。
【0040】特に、成膜室内のガス中のH2O濃度を
0.1〜10vol.%の範囲にすると、オーバーライトサ
イクル寿命は安定して100万回となるため好ましい。
なお、放電ガスとしてNe、Ar、Kr、及びXe等を
用いた場合も前記実験と同様の結果が得られることを確
認した。
【0041】また、第1の保護層成膜室10を含む成膜
装置及び第2の保護層成膜室12を含む成膜装置として
前記図2、図3に示した成膜装置を用いた場合も前記実
験と同様の結果が得られることを確認した。
【0042】(実施例2)第1の保護層成膜室10を含
む成膜装置及び第2の保護層成膜室12を含む成膜装置
が前記図1の成膜装置からなる前記図4のインラインス
パッタ成膜装置を使用して以下の実験を行った。
【0043】保護層の膜質(特性)が異なる種々の光デ
ィスクを得るため、各光ディスクの製造工程における第
1及び第2の保護層の成膜前における水分を含まないA
rガス(ノーマルなArガス)の成膜室内への流量と、
水分を含有させたArガスの成膜室内への流量を種々変
更することにより、成膜室内のガス中のH2O濃度の異
なる条件で種々の光ディスクを作製した。ここで、第1
の保護層及び第2の保護層の成膜中はノーマルなArガ
スのみを成膜室内へ供給する。光ディスクにおける各層
の膜厚は第1の保護層を約150nm、記録薄膜を約2
0nm、第2の保護層を約40nm、反射層を約100
nmにした。各層の成膜条件は、記録膜(Ge−Te−
Sb合金,2mtorr,DCマグネトロンスパッタ,
ノーマルなArガス 10sccm)、反射層(Al合
金,2mTorr、DCマグネトロンスパッタ、ノーマ
ルなArガス 10sccm)、第1及び第2の保護層
(ZnS−SiO2 ,1mTorr,RFマグネトロン
スパッタ,ノーマルなArガス 10sccm,水分を
含有させたArガス 0〜1.0sccm)にした。得
られたディスクは第1の実施の形態と同じ方法で記録・
消去特性を測定したところ、消去比は25dBであた。
【0044】次にオーバライトのサイクル特性も第1の
実施の形態と同じ方法で評価した。
【0045】
【表2】
【0046】表2から明らかなように、本実験により水
分を添加したArガスを成膜室内に供給し、このArガ
スをグロー放電することによりプラズマを発生させた成
膜雰囲気中で保護層を成膜して得られる光ディスクのオ
ーバライトサイクル寿命(サイクル回数:50〜100
万回)が、水分を含まないArガスをグロー放電するこ
とによりプラズマを発生させた成膜雰囲気中にて成膜さ
れた保護層を有する光ディスクのオーバライトサイクル
寿命(サイクル回数:40万回)比べて大幅に増大する
ことが分かった。
【0047】特に、成膜室内のガス中のH2O濃度を
0.1〜10%の範囲にすると、オーバーライトサイク
ル寿命は安定して100万回となるため好ましい。な
お、ガスとしてNe、Ar、Kr、及びXe等を用いた
場合も前記実験と同様の結果が得られることを確認し
た。
【0048】また、第1の保護層成膜室10を含む成膜
装置及び第2の保護層成膜室12を含む成膜装置として
前記図2、図3に示した成膜装置を用いた場合も前記実
験と同様の結果が得られることを確認した。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光学的情
報記録媒体の製造方法によれば、真空の成膜室内にて基
板と成膜すべき物質からなる部材を対向させて配置し、
前記成膜室内に供給される放電ガスを前記基板と成膜す
べき物質からなる部材間にてグロー放電することにより
プラズマを形成し、このプラズマをエネルギー源にして
前記成膜すべき物質からなる部材から遊離した前記成膜
すべき物質を前記基板上に付着または堆積させて成膜を
行う成膜方法を用いて、前記基板上に少なくとも記録薄
膜と前記記録薄膜の片側の表面または両側の表面に配置
される保護層を成膜して光学的情報記録媒体を製造する
光学的情報記録媒体の製造方法において、前記保護層の
成膜工程における前記成膜室内に供給される放電ガス中
に水分を含有させるようにしたことにより、成膜時の環
境条件に関係なく保護層に水酸基(−OH)が導入され
ることとなり、その結果、常にオーバライトサイクル特
性に優れた光学的情報記録媒体を製造することができ
る。また、本発明の成膜装置によれば、基板が取り付け
られる陽極と成膜すべき物質からなる部材が取り付けら
れる陰極とがその真空の内部空間内に対向して配置され
た成膜室と、前記成膜室の内部空間に放電ガスを供給す
るためのガス供給手段とを備え、前記陽極と陰極間に印
加された電圧によって前記放電ガスのグロー放電が成さ
れる成膜装置において、前記ガス供給手段が、水分を含
まない放電ガスを成膜室内に供給する第1のガス供給経
路と水分を含有した放電ガスを成膜室内に供給する第2
のガス供経路とを有し、前記第1及び第2のガス供給経
路にそれぞれガス流量の制御を行うガス流量制御手段が
設けられたものにしたことにより、前記本発明の光学的
情報記録媒体の製造方法を合理的かつ安定に実行するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光学的情報記録媒体の製造方法に使
用されるインラインスパッタ成膜装置における保護層成
膜室と、この保護層成膜室へ放電ガスを供給する放電ガ
ス供給装置とを含む保護層成膜装置部の一実施形態の概
略構成を示した図である。
【図2】 本発明の光学的情報記録媒体の製造方法に使
用されるインラインスパッタ成膜装置における保護成膜
室と、この保護層成膜室へ放電ガスを供給する放電ガス
供給装置とを含む保護層成膜装置部の別の実施形態の概
略構成を示した図である。
【図3】 本発明の光学的情報記録媒体の製造方法に使
用されるインラインスパッタ成膜装置における保護成膜
室と、この保護層成膜室へ放電ガスを供給する放電ガス
供給装置とを含む保護層成膜装置部のさらに別の実施形
態の概略構成を示した図である。
【図4】 本発明の光学的情報記録媒体の製造方法に使
用されるインラインスパッタ成膜装置の一実施形態の概
略構成を示した図である。
【図5】 従来のスパッタ成膜装置の概略構成を示した
図である。
【図6】 本発明の光学的情報記録媒体の製造方法に使
用されるインラインスパッタ成膜装置における保護層成
膜室と、この保護層成膜室へ放電ガスを供給するガス供
給装置とを含む保護層成膜装置部のさらに別の実施形態
の概略構成を示した図である。
【図7】 本発明の光学的情報記録媒体の製造方法に使
用されるインラインスパッタ成膜装置における保護層成
膜室と、この保護層成膜室へ放電ガスを供給するガス供
給装置とを含む保護層成膜装置部のさらに別の実施形態
の概略構成を示した図である。
【図8】 本発明の光学的情報記録媒体の製造方法に使
用されるインラインスパッタ成膜装置における保護層成
膜室と、この保護層成膜室へ放電ガスを供給するガス供
給装置とを含む保護層成膜装置部のさらに別の実施形態
の概略構成を示した図である。
【符号の説明】 1 真空の成膜室 2 陰極 3 陽極 4 ターゲット部材 5 基板 6 ガスボンベ 7,7a マスフローコントローラー 8,8a 圧力調整バルブ 9 ロードロック室 10 第1の保護層成膜室 11 記録薄膜成膜室 12 第2の保護層成膜室 13 反射層成膜室 14 アンロードロック室 15 ゲートバルブ 16 タンク 17,17a ヒーター 18 水分を含んだArガス 19 水 20 ガス供給部 30,31 ガス導入管 30a 第1導入管部 30b 第2導入管部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯村 秀己 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光線の照射によって光学的に識別
    可能な状態間で可逆的な変化を生じる材料を含む記録層
    を基板上に含み、保護層を少なくとも一方の前記記録層
    の主面に備えた光学的情報記録媒体の製造方法におい
    て、真空の成膜室内にて基板と成膜すべき物質からなる
    部材を対向させて配置し、前記成膜室内に供給されるガ
    スを前記基板と成膜すべき物質からなる部材間にてグロ
    ー放電することによりプラズマを形成し、このプラズマ
    をエネルギー源にして前記成膜すべき物質を前記基板上
    に付着または堆積させて成膜を行う成膜方法を用い、か
    つ、成膜前及び前記保護層の成膜中のいずれかの工程中
    に水分を含有させた混合ガスを前記成膜室内に供給する
    ことを特徴とする光学的情報記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 混合ガス中の水分(H2 O)の濃度が
    0.1vol.%以上10vol.%以下の範囲である請求項1に
    記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 水分を含む混合ガスが、Ne、Ar、K
    r、及びXeから選ばれる少なくとも一つのガス含む請
    求項1に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 成膜方法が、成膜すべき物質からなる部
    材をスパッタターゲットとして用いたスパッタリング法
    である請求項1に記載の光学的情報記録媒体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 ガス供給手段が、ガスが充填されたガス
    ボンベと、水が収容されたタンクと、前記ガスボンベか
    らのガスを前記タンク内に導入する第1導入管部と前記
    ガスボンベからのガスを直接成膜室内に導入する第2導
    入管部とを有する第1のガス導入管と、前記タンク内に
    て前記水の気化成分と前記ガスとが混合された混合ガス
    を前記タンクから成膜室内に導入する第2のガス導入管
    と、前記第1のガス導入管の前記第2導入管部、並びに
    前記第1のガス導入管の前記第1の導入管部及び前記第
    2のガス導入管から選ばれる少なくとも一つの部分にそ
    れぞれ取り付けられたガス流量制御手段とを備えた請求
    項1に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 第1のガス導入管における第1の導入管
    部の開口部がタンク内の水中に浸漬され、前記開口部か
    ら放出されたガスが前記タンク内の水をバブリングする
    ことにより前記水の気化を行う請求項5に記載の光学的
    情報記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 第1のガス導入管における第1の導入管
    部の開口部がタンク内の空間内に配置され、前記開口部
    から放出されたガスが前記タンク内の水に吹き付けられ
    ることにより前記水の気化を行う請求項5に記載の光学
    的情報記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 タンクの周辺にヒータが配置され、前記
    ヒータが前記タンクを加熱することにより前記タンク内
    の水の気化を行う請求項5に記載の光学的情報記録媒体
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 第2のガス導入管及びこの第2のガス導
    入管に取り付けられたガス流量制御手段を加熱するヒー
    タが設けられている請求項5に記載の光学的情報記録媒
    体の製造方法。
  10. 【請求項10】 保護層が、Al23 、SiOx 、T
    25 、MoO3 、WO3 、ZnS、ZrO2 、Al
    x 、BN、SiNx 、TiN、ZrN、PbF 2 、M
    gF2 から選ばれる少なくとも一つの誘電体物質からな
    る請求項1に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 基板が取り付けられる陽極と成膜すべ
    き物質からなる部材が取り付けられる陰極とがその真空
    の内部空間内に対向して配置された成膜室と、前記成膜
    室の内部空間にガスを供給するためのガス供給手段とを
    備え、前記陽極と陰極間に印加された電圧によって前記
    ガスのグロー放電がなされる成膜装置において、前記ガ
    ス供給手段が、水分を含まない放電ガスを成膜室内に供
    給する第1のガス供給経路と、水分を含有したガスを成
    膜室内に供給する第2のガス供給経路とを有し、前記第
    1及び第2のガス供給経路にそれぞれガス流量の制御を
    行うためのガス流量制御手段及び圧力制御手段から選ば
    れる少なくとも一つの制御手段を備えた成膜装置。
  12. 【請求項12】 ガス供給手段が、ガスが充填されたガ
    スボンベと、水が収容されたタンクと、前記ガスボンベ
    からのガスを前記タンク内に導入する第1導入管部と前
    記ガスボンベからのガスを直接成膜室内に導入する第2
    導入管部とを有する第1のガス導入管と、前記タンク内
    にて前記水の気化成分と前記ガスとが混合された混合ガ
    スを前記タンクから成膜室内に導入する第2のガス導入
    管と、前記第1のガス導入管の前記第2導入管部、並び
    に前記第一のガス導入管の前記第1の導入管部及び前記
    第2のガス導入管から選ばれる少なくとも一つの部分に
    それぞれ取り付けられたガス流量制御手段とを備えた請
    求項12に記載の成膜装置。
  13. 【請求項13】 第1のガス導入管における第1の導入
    管部の開口部がタンク内の水中に浸漬され、前記開口部
    から放出されたガスが前記タンク内の水をバブリングす
    ることにより前記水の気化が行われる請求項12に記載
    の成膜装置。
  14. 【請求項14】 第1のガス導入管における第1の導入
    管部の開口部がタンク内の空間内に配置され、前記開口
    部から放出されたガスが前記タンク内の水に吹き付けら
    れることにより前記水の気化が行われる請求項12に記
    載の成膜装置。
  15. 【請求項15】 タンクの周辺にヒータが配置され、前
    記ヒータが前記タンクを加熱することにより前記タンク
    内の水の気化が行われる請求項12に記載の成膜装置。
  16. 【請求項16】 第2のガス導入管及びこの第2のガス
    導入管に取り付けられたガス流量制御手段を加熱するヒ
    ータが設けられている請求項11に記載の成膜装置。
  17. 【請求項17】 混合ガス中の水分(H2 O)の濃度が
    0.1vol.%以上10vol.%以下の範囲である請求項11
    に記載の成膜装置。
  18. 【請求項18】 水分を含む混合ガスが、Ne、Ar、
    Kr、及びXeから選ばれる少なくとも一つのガス含む
    請求項11に記載の成膜装置。
  19. 【請求項19】 成膜方法が、成膜すべき物質からなる
    部材をスパッタターゲットとして用いたスパッタリング
    法である請求項11に記載の成膜装置。
  20. 【請求項20】 成膜室で成膜される層が、Al2
    3 、SiOx 、Ta25、MoO3 、WO3 、ZnS、
    ZrO2 、AlNx 、BN、SiNx 、TiN、Zr
    N、PbF2 、MgF2 から選ばれる少なくとも一つの
    誘電体物質からなる請求項12に記載の成膜装置。
JP18204197A 1996-07-08 1997-07-08 光学的情報記録媒体の製造方法及びこれに用いる成膜装置 Pending JPH1079145A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18204197A JPH1079145A (ja) 1996-07-08 1997-07-08 光学的情報記録媒体の製造方法及びこれに用いる成膜装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17766896 1996-07-08
JP8-177668 1996-07-08
JP18204197A JPH1079145A (ja) 1996-07-08 1997-07-08 光学的情報記録媒体の製造方法及びこれに用いる成膜装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1079145A true JPH1079145A (ja) 1998-03-24

Family

ID=26498145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18204197A Pending JPH1079145A (ja) 1996-07-08 1997-07-08 光学的情報記録媒体の製造方法及びこれに用いる成膜装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1079145A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10183332A (ja) * 1996-12-24 1998-07-14 Olympus Optical Co Ltd 光学薄膜の製造方法及び製造装置
US6114001A (en) * 1997-06-06 2000-09-05 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Optical information recording medium, and method for fabricating it
JP2013241677A (ja) * 2012-05-04 2013-12-05 Jds Uniphase Corp 誘電体膜の反応性スパッタ堆積
JP2013241652A (ja) * 2012-05-21 2013-12-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd 成膜装置
JP2014043600A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Ulvac Japan Ltd 成膜方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10183332A (ja) * 1996-12-24 1998-07-14 Olympus Optical Co Ltd 光学薄膜の製造方法及び製造装置
US6114001A (en) * 1997-06-06 2000-09-05 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Optical information recording medium, and method for fabricating it
JP2013241677A (ja) * 2012-05-04 2013-12-05 Jds Uniphase Corp 誘電体膜の反応性スパッタ堆積
US10920310B2 (en) 2012-05-04 2021-02-16 Viavi Solutions Inc. Reactive sputter deposition of dielectric films
US11584982B2 (en) 2012-05-04 2023-02-21 Viavi Solutions Inc. Reactive sputter deposition of dielectric films
JP2013241652A (ja) * 2012-05-21 2013-12-05 Sumitomo Heavy Ind Ltd 成膜装置
JP2014043600A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Ulvac Japan Ltd 成膜方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6153063A (en) Optical information recording medium, producing method thereof and method of recording/erasing/reproducing information
US7037413B1 (en) Optical information recording medium, producing method thereof and method of recording/erasing/reproducing information
KR20000035308A (ko) 광 기록 매체
JPH1079145A (ja) 光学的情報記録媒体の製造方法及びこれに用いる成膜装置
KR920007293B1 (ko) 광기록매체 및 그 제조방법
US5989654A (en) Method for manufacturing an optical information recording medium
JPWO2007063672A1 (ja) 情報記録媒体とその製造方法
JPH08216522A (ja) 光情報記録媒体及びその製造方法
JP2001126308A (ja) 光記録媒体およびその製造方法
EP1145234A1 (en) Phase change-type optical recording medium and process for manufacturing the same
JP3608934B2 (ja) 光記録媒体及び光記録媒体用保護膜
JP2001344834A (ja) 光学的情報記録媒体の製造方法および光学的情報記録媒体
JPH02171290A (ja) 情報記録媒体
JPS62222445A (ja) 光ディスク
JPH0562259A (ja) 光学的情報記録媒体およびその製造方法
JPH08267925A (ja) 光記録媒体およびその製造方法
JP2778621B2 (ja) 光学的情報記録媒体の製造方法
JP2825059B2 (ja) 光ディスク及びその製造方法
JPH10208296A (ja) 光記録媒体
EP1059634A1 (en) Optical recording medium and protective film therefor
JP2002157786A (ja) 光記録媒体
JP2000057640A (ja) 光学的情報記録媒体の製造方法および製造装置
JPH03286438A (ja) 光磁気記録媒体の製造方法
JPH02171287A (ja) 情報記録媒体
JPH01286128A (ja) 情報記録媒体