JPH1078158A - アクチュエータ制御装置 - Google Patents

アクチュエータ制御装置

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JPH1078158A
JPH1078158A JP23089796A JP23089796A JPH1078158A JP H1078158 A JPH1078158 A JP H1078158A JP 23089796 A JP23089796 A JP 23089796A JP 23089796 A JP23089796 A JP 23089796A JP H1078158 A JPH1078158 A JP H1078158A
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雄治 栗本
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幸彦 佐野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実電流値をより精度よく検出できるようにす
ることで、常にアクチュエータを目標位置に精度良く位
置決めできるようにすること。 【解決手段】 通電電流に応じてアクチュエータの位置
決めを行うソレノイドコイル11と、このソレノイドコ
イル11の通電電流を制御信号のデューティー比に応じ
て変化させる電流調整手段15と、ソレノイドコイル1
1の通電電流を検出する電流検出手段16と、この電流
検出手段16の出力に基づいてソレノイドコイル11の
実電流(IDi)を算出し,当該実電流が予め設定された
目標電流値(Ioi)に近づくように制御信号のデューテ
ィー比(Φi)を設定する制御部18とを備えている。
制御部18は、制御信号のデューティー比(Φi-1
と、当該デューティー比の下で電流検出手段16の出力
から得られるソレノイドコイル11を流れる電流の最小
値(In1)及び最大値(In2)と、に基づいてソレノイ
ドコイル11の実電流を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクチュエータ制
御装置に係り、特に、デューティ制御によりソレノイド
コイルに流す電流を制御することによって、車載用アク
チュエータ(空気の循環量を調整するための調整弁の開
閉を行うもの等)の駆動位置決めを行うアクチュエータ
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載されているアクチュエータの
制御装置の中で、デューティ制御によりソレノイドコイ
ルに流れる電流を制御して、アクチュエータの駆動位置
の位置決めを行うものがある。例えば、ソレノイドコイ
ルにスイッチング・トランジスタを直列に接続し、この
スイッチング・トランジスタをオン・オフするデューテ
ィ比(操作量)を変化させてソレノイドコイルに流すコ
イル電流値を制御するものである。この場合、被制御対
象であるソレノイドコイルには、車載用バッテリから電
源が供給される。
【0003】一般に、ソレノイドコイルをデューティ駆
動した場合、ソレノイドコイルに流れる電流は図3に示
すような波形となる。このときの一制御周期分を拡大し
た波形を図4に示す。ここで、曲線AB、曲線BCは実
際の電流値の軌跡を示す。
【0004】そして、従来手法では、ソレノイドコイル
に流れる電流の最小値(In1)と最大値(In2)との平
均値をもってソレノイドコイルに流れる実電流値として
いた。これは図4に示すように、実際の電流値の軌跡を
示す曲線AB、曲線BCと電流の最小値(In1)、最大
値(In2)を結んだ線分AB、線分BCとで囲まれた面
積a、面積bが等しいものとし、電流値の軌跡として線
分AB、線分BCで代用したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この面
積a、面積bは実際には等しくないため、面積a、面積
bとの差が実電流値の誤差となっていた。また、この差
は、操作量(Фi)の大小、バッテリ電圧及びコイル抵
抗の変動によっても変化する。ここで、操作量(Фi
とは、一制御周期時間(T)に対するスイッチング・ト
ランジスタのオン時間(τ)の比(デューティ比)をい
う。
【0006】このように従来の制御装置では、被制御対
象(車載用アクチュエータ)に供給される電源電圧の変
動や、ソレノイドコイルのコイル抵抗値の温度による変
化や操作量(Фi)の大小によって実電流値の検出に誤
差が生じるので、実際のソレノイドコイルに流れる電流
値を目標電流値に一致させることが出来ず、アクチュエ
ータを目標駆動位置に精度良く制御することが出来ない
不都合あった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、かかる従来例の有する不都合
を改善し、特に、バッテリ電圧が変動したり、ソレノイ
ドコイルの抵抗値が変化したり、また操作量(Фi)を
変化させても、実電流値をより精度よく検出できるよう
にすることで、常にアクチュエータを目標位置に精度良
く位置決めできる車載用アクチュエータ制御装置を提供
することを、その目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、通電電流に応じてアクチ
ュエータの位置決めを行うソレノイドコイルと、このソ
レノイドコイルの通電電流を制御信号のデューティー比
に応じて変化させる電流調整手段と、ソレノイドコイル
の通電電流を検出する電流検出手段と、この電流検出手
段の出力に基づいてソレノイドコイルの実電流(IDi
を算出し,当該実電流が予め設定された目標電流値(I
oi)に近づくように制御信号のデューティー比(Φi
を設定する制御部とを備えている。そして、制御部は、
制御信号のデューティー比(Φi-1)と、当該デューテ
ィー比の下で電流検出手段の出力から得られるソレノイ
ドコイルを流れる電流の最小値(In1)及び最大値(I
n2)と、に基づいてソレノイドコイルの実電流を算出す
る、という構成を採っている。
【0009】本発明では、装置を稼働状態に設定する
と、制御部が、制御信号のデューティー比(Φi-1
と、当該デューティー比の下で電流検出手段の出力から
得られるソレノイドコイルを流れる電流の最小値
(In1)及び最大値(In2)と、に基づいてソレノイド
コイルの実電流を算出する。そして、算出した実電流と
目標電流値とを比較し、これらが一致するような制御信
号のデューティー比を設定する。
【0010】ここで、制御部は、K1,K2を所定の定数
としてソレノイドコイルの実電流(IDi)を次式に基づ
いて算出するようにすると良い。
【数3】
【0011】この式は、発明者が試行錯誤の上導き出し
た実験式である。制御信号のデューティー比とソレノイ
ドコイルを流れる電流との関係を実測し、この実測値に
基づいてソレノイドコイルの実電流を算出してみたとこ
ろ、従来例のように単に電流の最大値と最小値の平均値
をとった場合とは結果が一致せず、任意のデューティー
比の下においてある程度規則性のある誤差が認められ
た。そこで、その誤差とデューティー比,電流の最大
値,最小値との関係を分析した結果、上式によると比較
的実測値に近い実電流を求められることが分かった。
【0012】更に、制御部は、K3を所定の定数として
制御信号のデューティー比(Φi)を次式に基づいて設
定するようにすると良い。
【数4】
【0013】本発明は、これらにより前述した目的を達
成しようとするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
乃至図2に基づいて説明する。
【0015】図1は、本実施形態による車載用アクチュ
エータ制御装置の構成を示すブロック回路図である。本
実施形態における制御装置が適用される車載用アクチュ
エータは、空気の循環量を調整するための調整弁(図示
せず)の開閉を行うためのもの等であり、ソレノイドコ
イル11を有し、このソレノイドコイル11に流すコイ
ル電流値IDiによって調整弁の開閉を制御し、空気の循
環量を調整できるようになっている。
【0016】ソレノイドコイル11には、ダイオード1
2と抵抗13の直列回路が並列に接続されている。ま
た、ソレノイドコイル11の一端には、電源14の電圧
(バッテリ電圧)が印加されている。ソレノイドコイル
11の他端とアース間には、電解効果トランジスタ(F
ET)15と電流検出用抵抗16の直列回路が接続され
ている。FET15のゲートには、制御回路18からデ
ューティー比を規定する操作量Фi(i=0,1,2,
・・・)が供給される。電流検出用抵抗16の両端電圧
は、増幅器17で増幅され、これらはソレノイドコイル
11に流れるコイル電流値IDiを検出する電流検出手段
として働く。増幅器17の出力は、制御回路18に供給
される。
【0017】制御回路18は、A/D変換器19を備
え、増幅回路17の出力であるアナログ電圧をデジタル
値に変換する。図示はしないが、制御回路18は、デー
タを格納するためのメモリと、後述するФiを求めるた
めのプログラムを格納しているROMと、そのプログラ
ムに従って演算処理を行うCPUとを有する。
【0018】制御回路18には、複数の入力情報S1
2,…,Snが供給される。例えば、入力情報S1,S
2およびSnは、スロットル開度,エンジン回転数,お
よびエンジン冷却水温等である。制御回路18は、これ
ら入力情報S1〜Snとコイル電流値IDiとに基づいて、
後述するように操作量Фiを求め、それをFET15の
ゲートへ供給する。
【0019】次に、図2を参照して、制御回路18の動
作について説明する。
【0020】まず、制御回路18は初期設定を行う(ス
テップS1)。このとき、制御回路18はメモリに操作
量の初期値Ф0として予め決められた値を初期設定し格
納する。次に、制御回路18は、入力情報S1〜Snを読
込み(ステップS2)、これらをメモリに一時的に格納
する。その後、制御回路18は、A/D変換器19か
ら、ソレノイドコイル11をオンした直後の電流値(I
n1:最小値)と、オフ直前の電流値(In2:最大値)と
を読み込み(ステップS3)、それらをメモリに一時的
に格納する。
【0021】引き続いて、制御回路18は、前回の操作
量Фi-1(この場合、初期操作量Ф0)と電流の最小値I
n1、最大値In2とに基づいて、下記の式(1)に従って実
電流値IDiを算出する(ステップS4、K1,K2は定
数)。
【0022】
【数5】
【0023】つぎに、制御回路18は、下記の式(2)の
ような所定の演算式に従って、入力情報S1〜Snから目
標電流値Ioiを求める(ステップS5)。
【0024】
【数6】
【0025】次に、制御回路18は、上記の方法で求め
た実電流値IDi、目標電流値Ioiと前回の操作量Фi-1
から、定数(K3)を使用して、下記の式(3)に従って、
今回のデューティー比Фiを求める(ステップS6)。
ここで、K3=Φi-1/IDiとしても良い。
【0026】
【数7】
【0027】制御回路18は、上記の方法で求めた今回
の操作量ФiをFET15のゲートへ出力し(ステップ
S7)、ステップ2に戻る。
【0028】ここで、本実施形態では、アクチュエータ
制御装置の適用分野として車載用アクチュエータを例示
したが、本発明は、これに限らずデューティー制御が行
われるあらゆる分野のアクチュエータに適用できるもの
である。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成され機能す
るので、これによると、制御部が、制御信号のデューテ
ィー比(Φi-1)と、当該デューティー比の下で電流検
出手段の出力から得られるソレノイドコイルを流れる電
流の最小値(In1)及び最大値(In2)と、に基づいて
ソレノイドコイルの実電流を算出するので、従来例のよ
うにソレノイドコイルを流れる電流の最小値(In1)及
び最大値(In2)のみに基づいて実電流を算出する場合
に比べ、実測値に近い実電流を算出することが可能とな
り、アクチュエータを目標位置に精度良く位置決めする
ことが可能となる。この効果は、バッテリ電圧の変動,
ソレノイドコイルの抵抗値変化,デューティー比Ф
i(操作量)の変化等が影響する場合に特に著しく表れ
る。
【0030】また、制御部が、ソレノイドコイルの実電
流(IDi)を式(1)に基づいて算出する場合は、特に実
測値に近い実電流を算出することができ、更に、制御部
が、制御信号のデューティー比(Φi)を式(3)に基づい
て設定する場合は、ソレノイドコイルに目標電流値によ
り近い実電流を流すことができ、アクチュエータを目標
位置に精度良く位置決めすることができる、という従来
にない優れたアクチュエータ制御装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロック回路図であ
る。
【図2】図1に示す実施形態の動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図3】ソレノイドコイルのデューティ駆動信号に対す
るソレノイドコイル電圧波形及び電流波形を示す信号図
である。
【図4】ソレノイドコイルのデューティ駆動時に流れる
電流波形の1制御周期分を拡大した説明図である。
【符号の説明】
11 ソレノイドコイル 12 ダイオード 13 抵抗 14 電源(バッテリ) 15 電解効果トランジスタ(電流調整手段) 16 電流検出用抵抗(電流検出手段) 17 増幅器 18 制御回路(制御部) 19 A/D変換器 A ソレノイドコイルのスイッチング・トランジスタを
オンした直後の電流値を示す点(コイル電流の最小値を
示す) B ソレノイドコイルのスイッチング・トランジスタを
オフする直前の電流値を示す点(コイル電流の最大値を
示す) C ソレノイドコイルのスイッチング・トランジスタの
オンした直後の電流値を示す点(コイル電流の最小値を
示す) a 曲線ABと線分ABとで囲まれた領域の面積 b 曲線BCと線分BCとで囲まれた領域の面積

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通電電流に応じてアクチュエータの位置
    決めを行うソレノイドコイルと、このソレノイドコイル
    の通電電流を制御信号のデューティー比に応じて変化さ
    せる電流調整手段と、前記ソレノイドコイルの通電電流
    を検出する電流検出手段と、この電流検出手段の出力に
    基づいて前記ソレノイドコイルの実電流(IDi)を算出
    し,当該実電流が予め設定された目標電流値(Ioi)に
    近づくように前記制御信号のデューティー比(Φi)を
    設定する制御部とを備えたアクチュエータ制御装置にお
    いて、 前記制御部は、前記制御信号のデューティー比
    (Φi-1)と、当該デューティー比の下で前記電流検出
    手段の出力から得られる前記ソレノイドコイルを流れる
    電流の最小値(In1)及び最大値(In2)と、に基づい
    て前記ソレノイドコイルの実電流を算出することを特徴
    としたアクチュエータ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、K1,K2を所定の定数と
    して前記ソレノイドコイルの実電流(IDi)を次式に基
    づいて算出する、 【数1】 ことを特徴とした請求項1記載のアクチュエータ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、K3を所定の定数として
    前記制御信号のデューティー比(Φi)を次式に基づい
    て設定する、 【数2】 ことを特徴とした請求項1記載のアクチュエータ制御装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010268206A (ja) * 2009-05-14 2010-11-25 Mitsubishi Electric Corp 電子制御装置
JP2014096409A (ja) * 2012-11-07 2014-05-22 Denso Corp 誘導性負荷制御装置
JP2014197622A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 株式会社デンソー 誘導性負荷制御装置
JP2016219569A (ja) * 2015-05-19 2016-12-22 三菱電機株式会社 リニアソレノイド電流計測装置

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