JPH1077742A - プラントの建設方法 - Google Patents

プラントの建設方法

Info

Publication number
JPH1077742A
JPH1077742A JP9182062A JP18206297A JPH1077742A JP H1077742 A JPH1077742 A JP H1077742A JP 9182062 A JP9182062 A JP 9182062A JP 18206297 A JP18206297 A JP 18206297A JP H1077742 A JPH1077742 A JP H1077742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
building
construction
roof
plant
structural member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9182062A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Hasegawa
寛 長谷川
Tadaaki Oikawa
忠彰 及川
Koichi Nochida
孝一 後田
Katsuichi Nagase
勝一 長瀬
Atsushi Miura
淳 三浦
Tadashi Matsuura
忠 松浦
Tatsuo Makita
辰雄 牧田
Sumuto Maezawa
澄人 前沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Plant Technologies Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Plant Technologies Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd, Hitachi Plant Technologies Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP9182062A priority Critical patent/JPH1077742A/ja
Publication of JPH1077742A publication Critical patent/JPH1077742A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プラントの建設に際し、自然環境の影響による
遅延を抑制し、且つ建設資材の搬入を効率よく行って、
建設工期を短縮する。 【解決手段】プラント建物の周辺部を成す鉄骨部材ブロ
ック21を途中高さまで組み立て、その鉄骨部材ブロッ
ク21に開閉自在な屋根1を支持させ、前記屋根1を開
いてプラントの原子炉格納容器下部ライナー大ブロック
32等の建設資材を建物内側に搬入し、前記屋根1を閉
じて前記屋根下の作業環境を調整して前記途中の高さま
でのプラントの建設作業を行い、後に途中の高さまで組
み立てた鉄骨部材ブロック21に高層階の鉄骨部材ブロ
ック21を組み付けて前記屋根1を高層階上部に移設
し、前記屋根1を開いて前記高層階の内側にプラントの
原子炉格納容器上部ライナー大ブロック33等の建設資
材を搬入し、前記屋根1を閉じて前記屋根下の作業環境
を調整しながら前記高層階の建設作業を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明に係る技術は、プラン
トの建設に関する方法である。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントを建設する際には、
プラントを包含する建屋の外周囲部分の鉄骨を組み立て
て、その組み立てた鉄骨に開閉自在な屋根を置き、その
組み立てた鉄骨で囲われた内側の建設環境が外側からの
自然環境の影響を受けることを屋根で阻止し、その内側
での建設を促進させる方法が考えられている。
【0003】その屋根の下側にプラントを構成する建設
資材(以下、各種大型機器・製品・部材を資材と称す
る。)を搬入する際には、屋根を開いてその組み立てた
鉄骨で囲われた内側や外側に設置したクレーンで建設資
材を吊り降ろして行われる。
【0004】このような方法は、特開平8−74421号公報
や特開平1−146060 号公報に掲載されている。
【0005】このような方法であると、建屋の外側の敷
地に資材を搬入するために使用するクレーンを置くこと
が出来るので、建屋の内側にクレーンを置くのに比較し
て、大型のクレーンが採用できる。
【0006】その大型のクレーンを利用して一回の搬入
作業当たりの建設資材の搬入量を多くして建設工程を短
縮する良さが得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、屋根が建屋の
最上階近くに設置されているので、上下方向と水平方向
とに大型化された建設資材を搬入する際には、その最上
階近傍の鉄骨に建設資材の下端が接触しないように建設
資材を最上階近傍よりはるかに高く吊り上げなければな
らず、建屋の最上階近くの高所からの搬入であることも
手伝って、搬入作業に時間がかかるばかりか危険でもあ
る。
【0008】また、大型化された建設資材を吊り上げて
搬入するために使用するクレーンは一般的には、俯仰自
在なブームから資材を吊る作業を行うのであるが、高所
に建設資材を吊り上げるには、必然的にブームを水平地
面に対して大きな角度となるように立てなければならな
い。
【0009】このように、ブームを水平地面に対して大
きな角度となるように立てると、ブーム下の懐が浅くな
ってブームから吊った建設資材がブームに接近しすぎて
接触事故の危険性がある。
【0010】このため、建設資材を小型の部品に分割し
て搬入せざる得ず、搬入効率が悪い。
【0011】また、建屋の周囲の鉄骨を先に建設して
も、その鉄骨間は広い開口と成っているから建屋内での
建設作業が建屋外からの自然環境の影響を受けやすい。
【0012】これらのことは、原子力発電プラントの建
設工期を遅延させる要因となり得る。
【0013】従って、本発明の目的は、プラントの建設
工期を短縮することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1発明は、建設途上の
建物の中央部よりも先行して施工された前記建物の周辺
部を構成する構造用部材に開閉自在な屋根を支持させて
前記建物の中央部を覆い、前記建物の中央部内に建設資
材を搬入する際には、前記屋根を開いて前記建設資材を
上方から前記建物の中央部内に吊り降ろすプラントの建
設方法において、前記建物の周辺部外側の自然環境が内
側に波及する事を抑制する手段を前記先行して施工され
た構造用部材に装着して前記建物の中央部の作業環境を
調整して前記建物の中央部の建設を行う事を特徴とした
プラントの建設方法であり、前記手段によって横方向か
らの、前記屋根によって上方向からの建物外の環境の前
記建物の中央部内への影響を緩和し、前記建物の中央部
内の作業環境を屋根によるだけのものに比べて作業しや
すく制御できる作用により、天候などの自然環境による
プラント建設作業の遅延を従来になく抑制してプラント
の建設工期を短縮できる効果が得られる。
【0015】第2発明は、第1発明の前記建物の周辺部
外側の自然環境が内側に波及する事を抑制する手段が前
記建物の垂直な壁又は防水シート又は仮設パネルである
ことを特徴としたプラントの建設方法であり、第1発明
による作用効果に加えて、前記建物の周辺部外側の自然
環境が内側に波及する事を抑制する手段として前記建物
の垂直な壁で有る場合には建物の中央部の建設と建物の
外周部の壁の建設を並進作業として進めることが出来る
作用が得られるので、プラントの建設工期がより短縮で
きる効果が得られ、前記建物の周辺部外側の自然環境が
内側に波及する事を抑制する手段として防水シート又は
仮設パネルを選択した場合には、前記建物の周辺部外側
の自然環境が内側に波及する事を抑制する手段として建
物の壁を構造用部材に建設するよりも早期に構造用部材
に前記建物の周辺部外側の自然環境が内側に波及する事
を抑制する手段として装着できて早期に建物の中央部の
作業環境を制御できる作用が得られ、プラントの工期を
短縮できる効果が得られる。
【0016】第3発明は、建設途上の建物の中央部より
も先行して施工された前記建物の周辺部を構成する構造
用部材に開閉自在な屋根を支持させて前記建物の中央部
を覆い、前記建物の中央部内に建設資材を搬入する際に
は、前記屋根を開いて前記建設資材を上方から前記建物
の中央部内に吊り降ろすプラントの建設方法において、
前記建物の周辺部を構成する構造用部材を途中の高さま
で組み立て、前記途中の高さまで組み立てた構造用部材
に前記屋根を支持させ、前記建物の中央部内に前記屋根
を開いて前記建設資材の内の前記途中の高さよりも低い
位置に据え付けられる前記建設資材の一部を搬入し、前
記屋根を閉じて前記屋根下の作業環境を調整しながら前
記途中の高さまでの建設作業を行い、後に途中の高さま
で組み立てた構造用部材に前記途中の高さより高層階の
構造用部材を組み付ける作業を行い、前記高層階の構造
用部材に前記屋根を支持させ、前記屋根を開いて前記高
層階の構造用部材で囲われた前記建物の中央部内に前記
建設資材の内の前記高層階の高さに据え付けられる前記
建設資材の一部を搬入する作業を行い、前記屋根を閉じ
て前記屋根下の作業環境を調整しながら前記高層階の構
造用部材で囲われた前記建物の中央部内の建設作業を行
うことを特徴としたプラントの建設方法であり、開閉自
在な屋根は建物の構造用部材が支持するので、開閉自在
な屋根を支える新たな構造部材が不要である上、建物の
途中高さまで構造用部材が組み上げられた時点でその組
み上げ高さよりも下方に配備されるプラント建設資材
が、建物の最上階近くを経由することなく低くて短い経
路で搬入されることになるから短時間で搬入作業が成さ
れ作用が得られ、且つその搬入作業の対象となる資材の
吊り上げ高さは、低くて済むので、吊り上げた資材とク
レーンのブームとの接触事故の危険性も回避し易く成る
作用が得られる。建設途中の建物の構造用部材に開閉自
在な屋根を支持させてその屋根下の領域の建設作業環境
をその作業領域外の自然環境とは異なるようにその屋根
を開閉して調整する作用を得る。又、建設資材を屋根下
の領域に搬入する際には屋根を開いて屋根に開口部を作
り出し、その開口部を通過させて屋根下の領域に吊り降
ろす事により屋根の無い状態と同じ搬入しやすい環境を
作り出す作用を得る。これらの各作用の相乗効果によ
り、プラントの建設工程を確実に進めることができると
いう効果が得られる。
【0017】第4発明は、第3発明において、建設資材
は屋根を開いて出来た開口部の大きさを超えない範囲内
で前記建設資材の搬入前に予め組み立てブロックにして
おき、前記大ブロックを前記開口部を通過させて吊り降
ろす事を特徴としたプラントの建設方法であり、このよ
うな第4発明によれば、第3発明による作用効果に加え
て、建設資材が搬入される前に予め大ブロックに組み立
てられているから、建設資材の搬入効率が良くなる上、
搬入後の建設資材の組立作業量も少なくなるから、プラ
ントの建設工程が短縮できるという効果が得られる。
【0018】第5発明は、第3発明又は第4発明におい
て、構造用部材は据え付け位置に搬入する前に予め立体
的に組立てておき、前記組立済みの構造用部材をその構
造用部材の据付位置に吊り降ろして建物の構造用部材を
設定する事を特徴としたプラントの建設方法であり、こ
のような第5発明によれば、第3発明又は第4発明によ
る作用効果に加えて、建物の構造用部材が構造用部材の
据え付け位置に搬入される前に予め大ブロックに組み立
てられているから、建物の構造用部材の搬入効率が良く
なる上、搬入後の建物の構造用部材の組立作業量も少な
くなるから、プラントの建設工程が一層短縮できるとい
う効果が得られる。
【0019】第6発明は、第4発明において、建物は原
子炉建屋であって、前記原子炉建屋内に建設される原子
炉格納容器の範囲の真上の全面を超える広さにまで屋根
を開く事を特徴としたプラントの建設方法であり、第4
発明による作用効果に加えて、建設資材が原子炉格納容
器の直径に近い広がりを有する大ブロックであっても一
回の搬入作業で屋根を開いて出来た開口部を通過して搬
入出来る作用が得られ、大型の建設資材を分割して搬入
するわずらわしさが無く、原子力プラントの建設工期を
短縮できるという効果が得られる。
【0020】第7発明は、第6発明において、ブロック
は原子炉格納容器の内壁に施工される円筒状のライナー
である事を特徴としたプラントの建設方法であり、第6
発明による作用効果に加えて、円周沿いのライナーが一
気に据え付け位置に搬入される作用により、建物の中央
部におけるライナーの円周沿いの組立工時とライナーの
搬入作業が簡略化でき、一層プラントの建設工期が短縮
できる効果が得られる。
【0021】第8発明は、第7発明において、鉄骨部材
が途中の高さ迄組み立てられた後に搬入される建設資材
は、少なくとも、原子炉格納容器マットモジュールと下
部ライナーブロックと原子炉圧力容器ペデスタルと底部
ライナーとダイヤフラムフロアモジュールであり、鉄骨
部材が高階層の高さにまで組み立てられた後に搬入され
る建設資材は、少なくとも、原子炉格納容器内モジュー
ルと上部ライナーブロックと原子炉格納容器トップスラ
ブモジュールと原子炉圧力容器である事を特徴としたプ
ラントの建設方法であり、第7発明による作用効果に加
えて、搬入される主要な建設資材の大半がブロック化乃
至はモジュール化されて搬入されるから、建設資材部品
単位の搬入に比べて効率の良い建設資材の搬入と搬入先
での組立作業の簡略化が達成できる作用が得られ、プラ
ントの建設工期の一層の短縮が成せるという効果が得ら
れる。
【0022】第9発明は、第3発明又は第6発明におい
て、組立済みの構造用部材に建物の壁として垂直な壁を
建設して前記建物の内側の建設作業現場と外側との間を
前記壁で区画して前記建物の内側の建設作業環境の前記
外側からの影響を前記壁で減少させることを特徴とした
プラントの建設方法であり、第3発明又は第6発明の作
用効果に加えて、建物の内側の環境に外側の環境が影響
を及ぼす度合いを建物の壁が緩和して、内側の建設作業
現場の建設作業環境を良好と成して、プラントの建設工
期を一層短縮する効果が得られる。
【0023】第10発明は、第9発明において、建設作
業現場内の建設作業と壁との建設作業とを並進させる事
を特徴としたプラントの建設方法であり、第9発明によ
る作用効果に加えて、建物の内部の建設と建物の壁の建
設とが並行して進められる作用によってプラントの建設
工期が一層短縮できるという効果が得られる。
【0024】第11発明は、第9発明において、壁が建
設されていない組立済みの構造用部材には、その壁に代
えて防水シート乃至は仮設パネルが建物の内側の建設作
業現場と外側との間を区画する手段として設置して建物
の内側の建設作業環境の外側からの影響を前記手段で減
少させることを特徴としたプラントの建設方法であり、
第9発明による作用効果に加えて、建物の壁が出来てい
ない施工済みの構造用部材に防水シート乃至は仮設パネ
ルを装備せしめて建物の外側との環境を水平方向におい
て区画して、建物の外側の環境が内側に影響を及ぼす度
合いを壁が施工済みの構造用部材の全体に施工される以
前に早期に緩和する作用を得て、プラントの建設工期を
一層短縮出来るという効果が得られる。
【0025】第12発明は、第3発明又は第6発明にお
いて、屋根が施工済みの構造用部材の上方に設置されて
いる内に建物の内側のコンクリートを打設することを特
徴としたプラントの建設方法であり、第3発明又は第6
発明による作用効果に加えて、打設したコンクリートが
固化する前に建物の外側の自然環境の影響を受けて凍結
する等の固化不良の原因を屋根を閉じることによって緩
和する作用が得られ、高品質のコンクリート構造物を建
設でき、且つ自然環境がコンクリートを打設するのに好
環境となるのを待たずに済むから、プラントの建設工期
が一層短縮する効果が得られる。
【0026】第13発明は、第12発明において、建物
の内側の建設作業に必要なコンクリートの液は、前記建
物の外側から組立済みの構造用部材の部材間を通して建
物の内側に導いたホース内に流して建物の内側に供給す
る事を特徴としたプラントの建設方法であり、第12の
発明による作用効果に加えて、コンクリート液をコンク
リートの打設位置へ注入するに際して屋根を開く必要が
ないのでコンクリートの打設作業そのものが建屋外の自
然環境の影響を受けることなく計画通りに施工され、コ
ンクリート液も建屋外の自然環境の影響を受けにくいと
いう作用が得られ、プラントの建設工期が短縮する効果
を確実に達成させることが出来るという効果が得られ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を、原子炉建屋の
建設開始から建築工事が完了するまでに複数回の冬が訪
れる図14で示す工程で実施される改良型軽水炉型原子
力発電所原子炉建屋の建設工事を例に建設手順を図を用
いて順を追って解説する。
【0028】本発明を用いて建設する原子力発電プラン
トでは、まずは、図4のように、その原子力発電プラン
トの建物を構成する構造用部材である鉄骨部材のうち、
原子炉格納容器の範囲52の周辺部分を構成する鉄骨部
材ブロック21を揚重機である大型移動式クレーン91
で吊って据え付け位置に搬入して、鉄骨部材を据え付け
位置に組み付ける。
【0029】この大型移動式クレーンはグランドレベル
81の高さの地上に置かれている。鉄骨部材ブロック2
1は、搬入される前に予め建設場所の近傍乃至は組立工
場にて作っておいたものである。
【0030】鉄骨部材ブロック21は、複数の鉄骨部材
を鉄骨部材が据え付けられる状態と同じ関係にて立体的
に組み立てて作られている。
【0031】このようにすることにより、一本ずつ鉄骨
部材を搬入して据え付けるよりも迅速に建物の鉄骨が据
え付け位置に組み立て上げることができる。
【0032】図5,図6の様に、グランドレベル81よ
り少し高く鉄骨部材を組み上げた状態でその組み上げを
一旦止めて、冬季気象条件を緩和する目的で、プラント
建設期間のうち最初の冬が到来する前に最初の鉄骨工事
を終え、その組み上げ済み鉄骨部材の上端にスライドに
より開閉可能な屋根1を設定する。
【0033】この状態の鉄骨施工範囲を図14にPHA
SE−1鉄骨建方41と称して表示してある。
【0034】図5の屋根1の構造とその屋根1を開閉す
るための構成は、図13の42bの範囲を建てた後に、
図1のように、その42bの範囲の鉄骨部材の上部に載
せる屋根1と同じであるので、ここで図1に基づいて、
図5の屋根1の構造とその屋根1を開閉するための構成
を次に説明する。
【0035】先行して建築した施工範囲51の鉄骨部材
の上端には図2のように片側2本の水平なガイドレール
1a,1bが図2の左右方向に向けて平行に設置され
る。
【0036】そのレール1a上には、車輪1cでレール
1a上を移動してスライドする屋根1eが設置される。
【0037】そのレール1b上には、車輪1dでレール
1b上を移動してスライドする屋根1fが設置される。
【0038】その屋根1eは、左右外側の屋根1fの内
側に納め入れられており、その屋根1eは屋根1fから
ガイドレール1a,1b沿いに引き出すことができる。
【0039】屋根1eと屋根1fから成る屋根1は以上
のようにガイドレール1a,1b沿いにスライド自在で
有り、そのスライド作用により、原子炉格納容器の範囲
52真上の全面を閉じたり開いたりできる。
【0040】図2では屋根1を開いた状態を示している
が図1,図2の矢印方向に屋根1eと屋根1fをスライ
ドさせることにより実施例としては異なるものの図5,
図6に示すと同様に原子炉格納容器の範囲52真上の全
面を閉じれる。
【0041】屋根1を閉じたときには、図1のように屋
根1eが屋根1fに収納されてコンパクトな状態で先行
施工の施工範囲51の鉄骨部材上端に寄せられて、広い
開口部を提供した状態で鉄骨部材上端にて支持される。
【0042】このスライドにより開閉可能な屋根1は、
大物製品搬入時及び天候が良好な時は開かれる。
【0043】屋根1がPHASE−1鉄骨建方41の作
業によって組み立てられた鉄骨部材上に設置された後に
は、大型移動式クレーン91で原子炉格納容器マットモ
ジュールを吊って屋根1を開いて得られた天井の開口を
通して原子炉格納容器マットモジュールを搬入する。
【0044】その原子炉格納容器マットモジュールを用
いて原子炉格納容器の底部を建設するためのマット工事
を行う。
【0045】マット工事中に天候が不良な時は屋根1は
閉じた状態として屋根1の下で天候の影響を直接受け無
い状態として、工事が遅延することを抑制する。
【0046】屋根1を開くには、屋根1e,1fをガイ
ドレール1a,1b上でスライドさせて、図5,図6の
状態から図7,図8の状態へと移動させることによって
行う。
【0047】屋根1を開いて屋根1に開口部を生じた状
態とすることで、大物製品の吊り降ろし搬入経路を確保
し、大型移動式クレーン91を用いてその開口部から建
設資材である製品を屋根よりも下方の位置に搬入する。
【0048】マット工事が終えた後には、屋根1を開い
た上で、図7のように原子炉格納容器下部ライナー大ブ
ロック32を屋根1よりも下方に搬入し、図8のように
設定する。
【0049】原子炉格納容器下部ライナー大ブロック3
2は、建設途上の原子炉建屋の近くで、或いは組立工場
にて取り扱いやすく分割された複数のライナー片を据え
付け状態と同じ円筒状に組み立てることによりモジュー
ル化されて作られる。
【0050】原子炉格納容器下部ライナー大ブロック3
2は円筒状にモジュール化されて一気に搬入される。
【0051】このため、原子炉格納容器下部ライナーの
据え付け位置への搬入及びその据え付け位置での組立が
迅速且つ容易に成せ、工期の短縮に貢献できる。
【0052】原子炉格納容器下部ライナー大ブロック3
2を据え付け位置に搬入する際には、グランドレベル8
1から屋根1の上端までの高さが低いので、原子炉格納
容器下部ライナー大ブロック32が屋根に接触する事故
の発生する可能性が低くなる上、原子炉格納容器下部ラ
イナー大ブロック32を原子炉建屋の最上階の高さほど
に高く吊り上げる必要が無いので、大型移動式クレーン
91のブームと原子炉格納容器下部ライナー大ブロック
32との接触事故の発生可能性も低く、原子炉格納容器
下部ライナー大ブロック32の据え付け位置までの搬入
経路の長さも短くて済む。
【0053】このように、接触事故の発生可能性を低く
抑制した状態、即ち安全な状態で短時間に原子炉格納容
器下部ライナー大ブロック32の据え付け位置までの搬
入が成され、建設工期の短縮に寄与することが出来る。
【0054】原子炉格納容器下部ライナー大ブロック3
2の据え付け位置までの搬入に際しては、図7のように
大型移動式クレーン91のフックに引っかけたワイヤー
93で水平環状型の吊り天秤92を懸垂支持させ、その
吊り天秤92から垂直に垂らしたワイヤーで原子炉格納
容器下部ライナー大ブロック32を懸垂支持する。
【0055】このようにして、支持すると、吊り天秤9
2から垂らしたワイヤーは垂直に張られるから、ワイヤ
ー93を原子炉格納容器下部ライナー大ブロック32へ
直接斜めに張って原子炉格納容器下部ライナー大ブロッ
ク32を懸垂支持するのに対して、原子炉格納容器下部
ライナー大ブロック32の変形が抑制できる。
【0056】原子炉格納容器下部ライナー大ブロック3
2の搬入作業が終えた後には、原子炉圧力容器ペデスタ
ル73が屋根1を開いて出来た開口部から大型移動式ク
レーン91で吊り降ろされて設定される。
【0057】この原子炉圧力容器ペデスタル73も原子
炉建屋の近く乃至は組立工場にて組み立てておき、組立
済みの原子炉圧力容器ペデスタル73を搬入する事が好
ましい。
【0058】屋根1の下方に搬入された原子炉圧力容器
ペデスタル73の下端部分はマットに固定される。
【0059】原子炉圧力容器ペデスタル73の屋根1の
下方への搬入が終えた後には、原子炉格納容器の底部を
構成する金属製の底部ライナーが6〜8分割されて屋根
1よりも下方に搬入され、底部ライナーが溶接組立され
る。
【0060】その溶接組立時に必要に応じて屋根1を閉
じて溶接条件が良くなるように環境を調整する。
【0061】次に、原子炉圧力容器ペデスタル73を構
成する鋼板製内筒と鋼板製外筒との間、及び下部ライナ
ーブロックの外周囲にコンクリートを注入する。
【0062】コンクリートの注入のためのホースはまだ
外壁が建設されていない鉄骨部材ブロック21の鉄骨部
材間の隙間を通って注入箇所にとどくように導かれる。
【0063】注入したコンクリートが凍結する等の懸念
が有る場合には、屋根1は閉じられてその凍結を抑制す
る。
【0064】次に、予めダイヤフラムフロア60のモジ
ュールの鉄骨を原子炉建屋の近く乃至は組立工場にて組
み立てておき、組立済みのダイヤフラムフロア60のモ
ジュールの鉄骨を大型移動式クレーン91で吊って、開
けた屋根1にて作られた開口を通してダイヤフラムフロ
ア60のモジュールの据え付け位置に搬入し、ダイヤフ
ラムフロア60のモジュールの鉄骨を原子炉圧力容器ペ
デスタル73で支持できるようにする。
【0065】ダイヤフラムフロアモジュール60は、ダ
イヤフラムフロアモジュールの骨格を形成する鉄骨と、
その鉄骨の周辺に設置された鉄筋と、ダイヤフラムフロ
アに付属する配管等の機器とを一体化して作成される。
【0066】この後に、ダイヤフラムフロアモジュール
60にコンクリートが注入される。図8は、PHASE
−1鉄骨建方41の施工後に据付けられる大物製品の搬
入・据え付けが完了した状況を示したものである。
【0067】このPHASE−1鉄骨建方41の施工後
PHASE−2鉄骨建方42前の期間における大型移動
式クレーンを用いた主要搬入建設資材品は、原子炉格納
容器マットモジュール(図14のマット工事用),原子
炉格納容器下部ライナー大ブロック(図14で下部RC
CVライナーと表示されている。)32,原子炉圧力容
器ペデスタル73,底部ライナー,ダイヤフラムフロア
モジュール60等である。
【0068】この主要搬入建設資材品の搬入作業の合間
を見計らってPHASE−1鉄骨建方41の施工後に
は、鉄骨部材ブロック21に建屋の外壁が建設され続け
られる。
【0069】その外壁が建設されていない鉄骨ブロック
21には、防水シートや仮設パネルが張られて外壁と共
に横からの気象条件の影響を抑制する。
【0070】前述の主要搬入建設資材品を搬入する場合
は、屋根1は開かれており、それ以外の場合には、天候
によって屋根1を閉じるか開くかを選択して屋根1の下
での作業環境を良好に保ちつつ、資材の溶接接続作業や
コンクリートの打設作業等の建設作業を行い、天候の影
響によって建設作業が遅延することを屋根の開閉によっ
て抑制する。
【0071】図14の工程表中で示す2回目の冬季の到
来前までにPHASE−2鉄骨建方42の作業と屋根1
の移設作業とを行う。
【0072】PHASE−2鉄骨建方42の作業は、図
9,図13に示す作業範囲42aに組み付けるべき原子
炉建屋の周囲の鉄骨部材を、PHASE−1鉄骨建方4
1の作業で組み立てた鉄骨部材の上に組み付ける作業で
ある。
【0073】このPHASE−2鉄骨建方42の作業を
終了すると、原子炉建屋天井走行クレーンのクレーンガ
ーダ77の設定レベル近傍までの鉄骨部材ブロック21
を据え付け完了した状態が得られる。
【0074】図8の高さで据え付けた屋根1は、大型移
動式クレーン91を用いて一度原子炉建屋の鉄骨部材上
端から吊り降ろして撤去し、PHASE−2鉄骨建方4
2の作業が完了した後に作業範囲42aの鉄骨部材の上
端に再度大型移動式クレーン91を用いて据え付けし直
して、屋根1を閉じて図9の状態とする。
【0075】その後、屋根1を開いて、原子炉格納容器
内モジュールを大型移動式クレーン91で吊ってダイヤ
フラムフロア60のモジュール上方に搬入する。
【0076】原子炉格納容器内モジュールは、原子炉圧
力容器の周囲に配備される放射線の遮蔽壁と、その周囲
に配備される鉄骨製のパイプホイップレストレントスト
ラクチャーと、パイプホイップレストレントストラクチ
ャーに据え付けられるパイプ等の機器と、空気調和装置
とが一体化されている構成を有している。
【0077】このような原子炉格納容器内モジュール
は、搬入前に原子炉建屋の近くで、或いは組立工場にて
予め作られている。
【0078】原子炉格納容器内モジュールの搬入作業が
終えた後は、図10の様に屋根1を開いて、原子炉格納
容器上部ライナー大ブロック33を大型移動式クレーン
91で吊って原子炉格納容器下部ライナー大ブロック3
2の上方に搬入する。
【0079】原子炉格納容器下部ライナー大ブロック3
2の搬入作業は以下の通りである。原子炉格納容器下部
ライナー大ブロック32の搬入作業に先だって、原子炉
格納容器上部ライナー大ブロック31は、原子炉建屋の
近くで、或いは組立工場にて取り扱いやすく分割された
複数のライナー片を据え付け状態と同じ円筒状に組み立
てることによりモジュール化して作ておく。
【0080】その原子炉格納容器上部ライナー大ブロッ
ク31は、大型移動式クレーン91で吊られ、屋根1を
開いたことで得られる開口部の上方に、移動される。
【0081】その後、図1,図2、或いは図10に示す
ように、その開口部を通過して吊り降ろされ、すでに搬
入されている原子炉格納容器下部ライナー大ブロック3
2の上部に据え付けられる。
【0082】大型移動式クレーン91で原子炉格納容器
上部ライナー大ブロック33を搬入する際には、大型移
動式クレーン91のブームが屋根1や鉄骨部材と接触事
故を起こさないように大型移動式クレーン91を図7の
状態よりも原子炉建屋から遠ざかる方向へ移動させて位
置させる。
【0083】その後に、大型移動式クレーン91のブー
ムの最上端から上下動自在に懸垂したフックにワイヤー
93を掛けて水平環状の形を有する吊り天秤92を吊
り、その吊り天秤92から原子炉格納容器上部ライナー
大ブロック33を垂直なワイヤーで吊る。
【0084】このように、吊り天秤92を介して吊るこ
とにより、円筒状の原子炉格納容器上部ライナー大ブロ
ック31が吊られた際に変形しないように考慮される。
【0085】屋根1は、天候が不良な時は閉じた状態と
し、原子炉建屋内の建設作業環境を良い状態に確保しな
がら各部の接合作業やコンクリート打設作業等の建設作
業を天候に左右されることなく行う。
【0086】原子炉格納容器上部ライナー大ブロック3
3は搬入する際に屋根1に接触することを避けるために
上下方向の寸法は原子炉格納容器下部ライナー大ブロッ
ク32よりも小さい寸法にモジュール化されている。
【0087】原子炉格納容器上部ライナー大ブロック3
3の搬入後には、屋根1を開いて、大型移動式クレーン
91で吊った原子炉格納容器トップスラブモジュールが
原子炉格納容器上部ライナー大ブロック33の上方に搬
入される。
【0088】原子炉格納容器トップスラブモジュール
は、原子炉格納容器トップスラブ61を建設するための
資材であり、搬入前に原子炉建屋の近くで、或いは組立
工場にて予め作られているものである。
【0089】その原子炉格納容器トップスラブモジュー
ルは、鉄骨と、前記鉄骨に支持された鋼板製の天井ライ
ナー62と、天井ライナー62の上方に配備されて前記
鉄骨に支持された鉄筋とを主要構成として一体化したモ
ジュールである。
【0090】このよな原子炉格納容器上部トップスラブ
モジュールが原子炉格納容器上部ライナー大ブロック3
3の上方に搬入された後に、天井ライナー62の上方に
鉄骨と鉄筋とが埋設されるまで液状のコンクリートを輸
送する輸送用ホースで輸送されてきたコンクリートを打
設する。
【0091】その際のコンクリートの輸送用ホースはま
だ外壁が建設されていない鉄骨部材ブロック21の鉄骨
部材間の隙間を通して原子炉格納容器上部トップスラブ
モジュールまで持ってくる。
【0092】この場合も、気象条件によっては屋根1を
閉じてる。
【0093】次に、屋根1を開いて、原子炉圧力容器7
5を大型移動式クレーンを用いて、原子炉圧力容器ペデ
スタル73に搭載されるように、搬入し、原子炉圧力容
器ペデスタル73に原子炉圧力容器75を据え付ける。
【0094】図11は、PHASE−2鉄骨建方42の
施工範囲42aに据え付けられる大物製品の搬入・据え
付けが完了した状況を示したものである。
【0095】この期間における大型移動式クレーンを用
いた主要搬入建設資材品は、原子炉格納容器上部ライナ
ー大ブロック(図14では上部RCCVライナーと表示
してある。)33,原子炉格納容器上部トップスラブモ
ジュール(図14ではトップスラブライナーと有る。)
74,原子炉圧力容器(図14ではRPVと表示してあ
る。)75等である。
【0096】この主要搬入建設資材品の搬入作業の合間
を見計らってPHASE−2鉄骨建方42の施工後に
は、鉄骨部材ブロック21に建屋の外壁が建設され続け
られる。
【0097】その外壁が建設されていない鉄骨部材ブロ
ック21には、防水シートや仮設パネルが張られて外壁
と共に横からの気象条件の影響を抑制する。
【0098】この時期、即ちPHASE−2鉄骨建方4
2からPHASE−3鉄骨建方43の間でも、天候に応
じて屋根1を開閉して屋根下での建設作業環境を良い方
向に調整して、建設作業を行い、オペレーテングフロア
も建設する。
【0099】原子炉建屋内工事が外部気象の影響を受け
る最後の冬を経過した後、屋根1は屋外のクレーンを利
用して撤去する。
【0100】その後PHASE−3鉄骨建方43時期に
て本設の屋根鉄骨トラス63と取り合う高さにまで鉄骨
部材を組み上げて、その組み上げた鉄骨部材にその屋根
鉄骨トラス63を設定して本設の屋根工事を行う。
【0101】図12は、本設の屋根となる屋根鉄骨トラ
ス63を大型移動式クレーン91を用いて設定している
状況を示したものである。
【0102】本実施例に示した鉄骨施工範囲の分類であ
るPHASE−1鉄骨建方41,PHASE−2鉄骨建
方42,PHASE−3鉄骨建方43の各建設は、各々
建物建設工期との兼ね合いを見計らいながら、冬季を回
避して建設する様に工程を組む。
【0103】従って、建設開始時期あるいは建設工程が
異なるプラントでは、各PHASE毎の鉄骨部材の施工
の範囲が異なるし、各PHASE間隔間の時期毎に搬入
される製品の範囲も異なる。
【0104】冬季が建設作業に大きな影響をもたらさな
い天候状況の地域では、各PHASE の鉄骨建方作業につい
て、冬季を回避して工程を組む必要は無い。
【0105】図13は、本実施例で取り上げた改良型軽
水炉型原子力発電所原子炉建物の建設工事を例に鉄骨部
材の建設の範囲分けを示したものであり、PHASE−
1鉄骨建方41時期には41aの範囲迄、PHASE−
2鉄骨建方42時期には42aの範囲迄、PHASE−3
鉄骨建方43時期には43aの範囲迄が組み上げ範囲の
範囲分けとなる。
【0106】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、建設途上の建
物の周辺部外側の自然環境が内側に波及する事を上方向
と横方向から抑制して前記建物の内側の建設作業環境を
調整して、建物内の作業環境を屋根によるだけのものに
比べて作業しやすく制御できる作用により、天候などの
自然環境によるプラント建設作業の遅延を従来になく抑
制してプラントの建設工期を短縮できる効果が得られ
る。
【0107】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
による効果に加えて、建設途上の建物の周辺部外側の自
然環境が内側に波及する事を抑制する手段が前記建物の
垂直な壁で有る場合には建物の中央部の建設と建物の外
周部の壁の建設を並進作業として進めることでプラント
の建設工期がより短縮できる効果が得られ、前記建物の
周辺部外側の自然環境が内側に波及する事を抑制する手
段が防水シート又は仮設パネルを選択した場合には、建
物の壁を選択するよりも早期に建物の中央部の作業環境
を良好に制御できて、プラントの工期を短縮できる効果
が得られる。
【0108】請求項3の発明によれば、プラント建設資
材が、建物の最上階近くを経由することなく低くて短い
経路で搬入されることになるから短時間で搬入作業が成
され、且つ吊り上げた資材とクレーンのブームとの接触
事故の危険性も回避し易く成るうえ、屋根を開閉して建
物内側の作業環境を調整でき、建設資材の搬入作業環境
も、屋根の無い状態と同じ搬入しやすい環境を作り出せ
るから、これらの相乗効果により、プラントの建設工程
を短縮することが出来るという効果が得られる。
【0109】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
による効果に加えて、搬入される建設資材のブロック化
により、建設資材の搬入効率が良くなる上、搬入後の建
設資材の組立作業量も少なくなるから、プラントの建設
工程が一層短縮できるという効果が得られる。
【0110】請求項5の発明によれば、請求項3又は請
求項4の発明による作用効果に加えて、建物の構造用部
材がブロック化されて搬入され組み上げられるから、建
物の構造用部材の搬入効率が良くなる上、搬入後の建物
の構造用部材の組立作業量も少なくなるから、プラント
の建設工程が一層短縮できるという効果が得られる。請
求項6の発明によれば、請求項4の発明による効果に加
えて、屋根を開くことによって得られる搬入対象の建設
資材の通過可能な開口の広さが建設対象の原子炉格納容
器の全域に及ぶから搬入対象の建設資材をその広さに応
じて極めて大きなブロックにして搬入でき、建設資材を
分割して搬入するわずらわしさが無く、原子力プラント
の建設工期を一層短縮できるという効果が得られる。
【0111】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
による効果に加えて、原子炉格納容器の円周沿いのライ
ナーが円筒状に組み立てられて一気に据え付け位置に搬
入され、搬入先でのライナーの円周沿いに円筒状に組み
立てする工事も簡略化でき、プラントの建設工期が一層
短縮できる効果が得られる。
【0112】請求項8の発明によれば、請求項7の発明
による効果に加えて、搬入される主要な建設資材の大半
がブロック化乃至はモジュール化されて搬入されるか
ら、建設資材部品単位の搬入に比べて効率の良い建設資
材の搬入と搬入先での組立作業の簡略化が達成でき、プ
ラントの建設工期の一層の短縮が成せるという効果が得
られる。
【0113】請求項9の発明によれば、請求項3又は請
求項6の発明による効果に加えて、建物の内側の環境に
外側の環境が影響を及ぼす度合いを建物の壁が緩和し
て、内側の建設作業現場の建設作業環境を良好と成し
て、プラントの建設工期を一層短縮する効果が得られ
る。
【0114】請求項10の発明によれば、請求項9の発
明による効果に加えて、建物の内部の建設と建物の壁の
建設とが並行して進められてプラントの建設工期が一層
短縮できるという効果が得られる。
【0115】請求項11の発明によれば、請求項9の発
明による効果に加えて、建物の壁が出来ていない施工済
みの構造用部材に防水シート乃至は仮設パネルを装備せ
しめて建物の外側との環境を水平方向において区画し
て、建物の外側の環境が内側に影響を及ぼす度合いを壁
が施工済みの構造用部材の全体に施工される以前に早期
に緩和するから、緩和された環境での作業が早期から達
成できて、プラントの建設工期を一層短縮出来るという
効果が得られる。
【0116】請求項12の発明によれば、請求項3又は
請求項6の発明による効果に加えて、高品質のコンクリ
ート構造物を建設でき、且つ自然環境がコンクリートを
打設するのに好環境となるのを待たずに建設を進めれる
から、プラントの建設工期が一層短縮する効果が得られ
る。
【0117】請求項13の発明によれば、請求項12の
発明による効果に加えて、コンクリート液をコンクリー
トの打設位置へ注入するに際して屋根を開く必要がない
のでコンクリートの打設作業そのものが建屋外の自然環
境の影響を受けることなく計画通りに施工され、コンク
リート液も建屋外の自然環境の影響を受けにくいので、
プラントの建設工期が短縮する効果を確実に達成させる
ことが出来るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原子力発電プラント原子炉建屋の
建設における原子炉格納容器上部ライナ大ブロックの据
付場所への吊り降ろし状況を示した縦断面図である。
【図2】図1の上平面図である。
【図3】本発明の実施例における建設現場の周辺環境を
示した斜視図である。
【図4】本発明の実施例であり、原子炉建屋建設初期
(PHASE−1鉄骨建方)における大型移動式クレー
ンを用いて原子炉建屋の構造用の鉄骨部材を組み上げて
いる状況を示した立面図である。
【図5】本発明の実施例であり、原子炉建屋建設初期に
おける開閉自在な屋根を設営して閉じている状態を示し
た立面図である。
【図6】図5の上平面図である。
【図7】本発明の実施例であり、図5の屋根を開いて大
型移動式クレーンを用いて原子炉格納容器下部ライナー
大ブロックを搬入している状況を示した縦断面図であ
る。
【図8】図7で示した搬入作業の終了結果を示した建設
途上の原子炉建屋の縦断面図である。
【図9】本発明の実施例であり、原子炉建屋建設中期
(PHASE−2鉄骨建方以降)における原子炉建屋建
設途上の建屋縦断面図である。
【図10】本発明の実施例であり、原子炉格納容器上部
ライナ大ブロックを搬入している状況を示した建屋縦断
面図である。
【図11】本発明の実施例であり、原子炉建屋建設中期
における主な原子炉建屋内大型資材据付状態を示した建
屋縦断面図である。
【図12】本発明の実施例であり、原子炉建屋建設後期
(PHASE−3鉄骨建方以降)における原子炉建屋建
設途上の建屋縦断面図である。
【図13】本発明の実施例であり、PHASE−1,
2,3の各鉄骨建方の作業高さ範囲を示した説明図であ
る。
【図14】本発明の図4以降の実施例における原子炉建
屋建設工程を示した図である。
【符号の説明】
1…屋根、21…鉄骨部材ブロック、32…原子炉格納
容器下部ライナー大ブロック、33…原子炉格納容器上
部ライナー大ブロック、41…PHASE−1鉄骨建
方、42…PHASE−2鉄骨建方、43…PHASE
−3鉄骨建方、52…原子炉格納容器の範囲、60…ダ
イヤフラムフロア、61…原子炉格納容器トップスラ
ブ、73…原子炉圧力容器ペデスタル、75…原子炉圧
力容器、81…グランドレベル、91…大型移動式クレ
ーン。
フロントページの続き (72)発明者 後田 孝一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 長瀬 勝一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 三浦 淳 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 松浦 忠 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 牧田 辰雄 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内 (72)発明者 前沢 澄人 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 日 立プラント建設株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建設途上の建物の中央部よりも先行して施
    工された前記建物の周辺部を構成する構造用部材に開閉
    自在な屋根を支持させて前記建物の中央部を覆い、前記
    建物の中央部内に建設資材を搬入する際には、前記屋根
    を開いて前記建設資材を上方から前記建物の中央部内に
    吊り降ろすプラントの建設方法において、前記建物の周
    辺部外側の自然環境が内側に波及する事を抑制する手段
    を前記先行して施工された構造用部材に装着して前記建
    物の中央部の作業環境を調整して前記建物の中央部の建
    設を行う事を特徴としたプラントの建設方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記建物の周辺部外側
    の自然環境が内側に波及する事を抑制する手段が前記建
    物の垂直な壁又は防水シート又は仮設パネルであること
    を特徴としたプラントの建設方法。
  3. 【請求項3】建設途上の建物の中央部よりも先行して施
    工された前記建物の周辺部を構成する構造用部材に開閉
    自在な屋根を支持させて前記建物の中央部を覆い、前記
    建物の中央部内に建設資材を搬入する際には、前記屋根
    を開いて前記建設資材を上方から前記建物の中央部内に
    吊り降ろすプラントの建設方法において、前記建物の周
    辺部を構成する構造用部材を途中の高さまで組み立て、
    前記途中の高さまで組み立てた構造用部材に前記屋根を
    支持させ、前記建物の中央部内に前記屋根を開いて前記
    建設資材の内の前記途中の高さよりも低い位置に据え付
    けられる前記建設資材の一部を搬入し、前記屋根を閉じ
    て前記屋根下の作業環境を調整しながら前記途中の高さ
    までの建設作業を行い、後に途中の高さまで組み立てた
    構造用部材に前記途中の高さより高層階の構造用部材を
    組付ける作業を行い、前記高層階の構造用部材に前記屋
    根を支持させ、前記屋根を開いて前記高層階の構造用部
    材で囲われた前記建物の中央部内に前記建設資材の内の
    前記高層階の高さに据え付けられる前記建設資材の一部
    を搬入する作業を行い、前記屋根を閉じて前記屋根下の
    作業環境を調整しながら前記高層階の構造用部材で囲わ
    れた前記建物の中央部内の建設作業を行うことを特徴と
    したプラントの建設方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、建設資材は屋根を開い
    て出来た開口部の大きさを超えない範囲内で前記建設資
    材の搬入前に予め組立てブロックにしておき、前記大ブ
    ロックを前記開口部を通過させて吊り降ろす事を特徴と
    したプラントの建設方法。
  5. 【請求項5】請求項3又は請求項4において、構造用部
    材は据え付け位置に搬入する前に予め立体的に組立てて
    おき、前記組立済みの構造用部材をその構造用部材の据
    付位置に吊り降ろして建物の構造用部材を設定する事を
    特徴としたプラントの建設方法。
  6. 【請求項6】請求項4において、建物は原子炉建屋であ
    って、前記原子炉建屋内に建設される原子炉格納容器の
    範囲の真上の全面を超える広さにまで屋根を開く事を特
    徴としたプラントの建設方法。
  7. 【請求項7】請求項6において、ブロックは原子炉格納
    容器の内壁に施工される円筒状のライナーである事を特
    徴としたプラントの建設方法。
  8. 【請求項8】請求項7において、鉄骨部材が途中の高さ
    迄組み立てられた後に搬入される建設資材は、少なくと
    も、原子炉格納容器マットモジュールと下部ライナーブ
    ロックと原子炉圧力容器ペデスタルと底部ライナーとダ
    イヤフラムフロアモジュールであり、鉄骨部材が高階層
    の高さにまで組み立てられた後に搬入される建設資材
    は、少なくとも、原子炉格納容器内モジュールと上部ラ
    イナーブロックと原子炉格納容器トップスラブモジュー
    ルと原子炉圧力容器である事を特徴としたプラントの建
    設方法。
  9. 【請求項9】請求項3又は請求項6において、組立済み
    の構造用部材に建物の壁として垂直な壁を建設して前記
    建物の内側の建設作業現場と外側との間を前記壁で区画
    して前記建物の内側の建設作業環境の前記外側からの影
    響を前記壁で減少させることを特徴としたプラントの建
    設方法。
  10. 【請求項10】請求項9において、建設作業現場内の建
    設作業と壁との建設作業とを並進させる事を特徴とした
    プラントの建設方法。
  11. 【請求項11】請求項9において、壁が建設されていな
    い組立済みの構造用部材には、その壁に代えて防水シー
    ト乃至は仮設パネルが建物の内側の建設作業現場と外側
    との間を区画する手段として設置して建物の内側の建設
    作業環境の外側からの影響を前記手段で減少させること
    を特徴としたプラントの建設方法。
  12. 【請求項12】請求項3又は請求項6において、屋根が
    施工済みの構造用部材の上方に設置されている内に建物
    の内側のコンクリートを打設することを特徴としたプラ
    ントの建設方法。
  13. 【請求項13】請求項12において、建物の内側の建設
    作業に必要なコンクリートの液は、前記建物の外側から
    組立済みの構造用部材の部材間を通して建物の内側に導
    いたホース内に流して建物の内側に供給する事を特徴と
    したプラントの建設方法。
JP9182062A 1996-07-11 1997-07-08 プラントの建設方法 Pending JPH1077742A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9182062A JPH1077742A (ja) 1996-07-11 1997-07-08 プラントの建設方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-181875 1996-07-11
JP18187596 1996-07-11
JP9182062A JPH1077742A (ja) 1996-07-11 1997-07-08 プラントの建設方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1077742A true JPH1077742A (ja) 1998-03-24

Family

ID=26500874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9182062A Pending JPH1077742A (ja) 1996-07-11 1997-07-08 プラントの建設方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1077742A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102182315A (zh) * 2011-03-31 2011-09-14 中广核工程有限公司 一种核电站全天候施工方法及施工装置
JP2013029334A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Taisei Corp 原子炉建屋解体システム
JP2013061160A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd Rccv全天候シールドを用いるrccvライナ建設工法
CN105665952A (zh) * 2014-11-21 2016-06-15 中国核工业第五建设有限公司 核电站的蒸汽发生器隔间和换料通道模块组装工艺
JP2017128907A (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 ライニングプレート据付兼雨養生治具及びこの治具を用いたライニングプレート据付方法
CN107975148A (zh) * 2017-10-24 2018-05-01 宋丰伟 主系统设备预引入方法
CN116537537A (zh) * 2023-05-25 2023-08-04 中国核工业华兴建设有限公司 一种堆坑结构的混凝土模块化施工方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102182315A (zh) * 2011-03-31 2011-09-14 中广核工程有限公司 一种核电站全天候施工方法及施工装置
JP2013029334A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Taisei Corp 原子炉建屋解体システム
JP2013061160A (ja) * 2011-09-12 2013-04-04 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd Rccv全天候シールドを用いるrccvライナ建設工法
CN105665952A (zh) * 2014-11-21 2016-06-15 中国核工业第五建设有限公司 核电站的蒸汽发生器隔间和换料通道模块组装工艺
CN105665952B (zh) * 2014-11-21 2018-06-12 中国核工业第五建设有限公司 核电站的蒸汽发生器隔间和换料通道模块组装工艺
JP2017128907A (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 ライニングプレート据付兼雨養生治具及びこの治具を用いたライニングプレート据付方法
CN107975148A (zh) * 2017-10-24 2018-05-01 宋丰伟 主系统设备预引入方法
CN116537537A (zh) * 2023-05-25 2023-08-04 中国核工业华兴建设有限公司 一种堆坑结构的混凝土模块化施工方法
CN116537537B (zh) * 2023-05-25 2024-04-12 中国核工业华兴建设有限公司 一种堆坑结构的混凝土模块化施工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4651857B2 (ja) 建物の解体工法
JPH1077742A (ja) プラントの建設方法
JP6066164B2 (ja) 重量機器の据付工法
CN209523198U (zh) 一种支撑格构柱的托换结构
CN100424786C (zh) 核反应堆密封外壳及其建设方法
JP2006071323A (ja) 原子炉圧力容器搬出方法および原子炉圧力容器搬入方法
JP6004394B2 (ja) 重量機器の据付工法
JP2006118245A (ja) 重量機器を搭載した移動ステージによる大型高層塔体構造物の建設方法
JP3078805B1 (ja) 原子力発電設備の建設工法
JPH05133016A (ja) 周辺保持自昇式建築工法
WO2012132161A1 (ja) モジュール構造物、モジュール工法
JPH09273311A (ja) 構造物の構築方法
CN111305628A (zh) 一种筒仓屋面悬挑板的施工方法
CN211690342U (zh) 桩基混凝土浇筑平台
JPH10245994A (ja) 仮設養生体
CN109083419A (zh) 改造工程垂直运输集成系统的安装方法
JP7043094B1 (ja) 共同溝蓋開閉運搬装置
JP3419252B2 (ja) 原子炉格納容器内下部構造物の建設方法
JP2945707B2 (ja) 原子炉圧力容器支持ペデスタルの据付方法
JPH08120936A (ja) 高層建築構造物の構築工法とその構築用装置
JP3515847B2 (ja) 原子力発電プラント建設時の機器搬入工法
JPH06136755A (ja) 杭などを立て込む装置
CN1172200A (zh) 厂的建设方法
JP6044947B2 (ja) 重量機器の据付工法
JPH04118438A (ja) 建築物の施工方法およびその装置