JPH1077589A - リグニン、リグニン含有材料又は類似物質を変性、分解又は漂白するための多成分系並びにその使用法 - Google Patents

リグニン、リグニン含有材料又は類似物質を変性、分解又は漂白するための多成分系並びにその使用法

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JPH1077589A
JPH1077589A JP9216040A JP21604097A JPH1077589A JP H1077589 A JPH1077589 A JP H1077589A JP 9216040 A JP9216040 A JP 9216040A JP 21604097 A JP21604097 A JP 21604097A JP H1077589 A JPH1077589 A JP H1077589A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リグニン、リグニン含有材料又は類似物質を
変性、分解又は漂白するための多成分系並びにその使用
法。 【解決の手段】 本発明は、 a.場合により少なくとも1種類の酸化触媒及び b.少なくとも1種類の好適な酸化剤及び c.少なくとも1種類の調整剤を含有する、リグニン、
リグニン含有材料又は類似物質を変性、分解又は漂白す
るための多成分系に関し、これは調整剤がN−アリール
−N−ヒドロキシ−アミドの群から選択されたものであ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リグニン、リグニ
ン含有材料又は類似物質を変性、分解又は漂白する方法
並びにその使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、主としてパルプ(Zellsto
ff)製造のために使用される方法として、硫酸塩又は
亜硫酸塩法が挙げられる。両方の方法を用いて蒸解及び
圧力下でパルプが生成される。硫酸塩法はNaOH及び
Na2Sの添加下で操作するが、亜硫酸塩法ではCa
(HSO32+SO2を使用する。
【0003】全ての方法は、使用される植物材料、木材
又は一年草植物からリグニンを除去することを主目的と
している。
【0004】セルロース及びヘミセルロースと一緒に植
物材料(茎又は幹)の主成分であるリグニンを除去する
必要がある。そうでない場合には、黄変しない、機械的
に高耐負荷性の紙を製造することができないからであ
る。
【0005】木材パルプ製造法は、砕木機(砕木パル
プ)又は、木材を相応する前処理(化学的、熱的又は化
学熱的)後に粉砕により線維素を除くリファイナー(T
MP)を用いて操作する。
【0006】これらの木材パルプはなお大部分のリグニ
ンを有する。これらは特に新聞、絵入り新聞などを製造
するために使用される。
【0007】数年前からリグニン分解のために酵素を使
用する可能性が研究されてきた。このようなリグニン溶
解系の作用機序は、好適な栽培条件及び誘導添加物によ
り白腐敗菌ファネロケート クリソスポリウム(Pha
nerochaete chrysosporium)
で十分な酵素量を得ることができた時に、数年前によう
やく解明された。その際、それまで知られていなかった
リグニンペルオキシダーゼ及びマンガンペルオキシダー
ゼが発見された。フェネロケート クリソスポリウムは
非常に有効なリグニン分解物であるので、その酵素を単
離し、精製した形でリグニン分解に使用する試みがなさ
れた。しかしこれは成功しなかった。それは、酵素が特
にリグニンの再重合をもたらし、その分解は起こさない
と判明したからである。
【0008】同じことがその他の種類のリグニン溶解酵
素、例えばリグニンを過酸化水素の代わりに酸素により
酸化分解するラッカーゼにも当てはまる。全ての場合に
同様の工程が起こることが確認された。即ち、再び自体
相互に反応して、それによって重合を起こすラジカルが
生成される。
【0009】従って現在は、生体内系で操作する方法
(菌系)のみが存在する。最適化試験の主重要点はいわ
ゆるバイオパルピング及びバイオブリーチングである。
【0010】バイオパルピングとは、木材チップ細片を
生きている菌系で処理することである。
【0011】2種類の適用形がある: 1.木材パルプ製造時にエネルギー節約のために、リフ
ァイニング又は粉砕する前にチップ細片の前処理(例え
ばTMP又は砕木パルプ)。
【0012】利点は物質の機械的特性の改善が大抵の場
合になされることであり、欠点は最終的な白さの悪化で
ある。
【0013】2.パルプ蒸解前のチップ片(軟材/硬
材)の前処理(クラフト法、亜硫酸法)。
【0014】その際、目的は、蒸解薬品の減少、蒸解力
の改善及び“蒸解延長”である。
【0015】利点として、前処理なしの蒸解に比べて蒸
解後の改良されたカッパー減少も達成される。
【0016】この方法の欠点は、明らかに処理時間が長
い(数週間)ことであり、特にチップ片の不経済な殺菌
を省略しようとする場合には処理の間の汚染危険性が解
決されないことである。
【0017】バイオブリーチングも生体内系を用いて操
作される。蒸解されたセルロース(軟材/硬材)に漂白
前に菌を接種し、数日から数週間処理する。この長い処
理時間後にのみ有意なカッパー数低下及び白色度上昇が
達成され、これによって慣用の漂白連続法で実施するた
めに方法が不経済となる。
【0018】その他の大抵は不働化された菌を用いて実
施される方法は、セルロース排水の処理、特に脱色し、
AOXを還元するための漂白剤排水の処理(塩素−又は
二酸化塩素−漂白工程により生じた排水中の塩素化化合
物の還元)である。
【0019】更に、ヘミセルロース、特にキシラナー
ゼ、マンナナーゼを“漂白増強剤”として使用すること
が公知である。
【0020】これらの酵素は、主として蒸解工程後に残
リグニンを部分的に覆い再沈殿したキシランに対して作
用し、その分解により後続の漂白で使用される漂白薬品
(特に二酸化塩素)のリグニンの供給性を高める。実験
室で実証された漂白薬品の節約は大規模には限定的にし
か確認されておらず、この種類の酵素をせいぜい漂白添
加物として等級付けることができるにすぎない。
【0021】リグニン溶解酵素の他の補助要因として、
キレート物質(シデロホレン、例えば蓚酸アンモニウ
ム)及びバイオ界面活性剤が挙げられる。
【0022】PCT/欧州特許第87/00635号明
細書には、同時漂白下でリグニンセルロース含有材料か
らリグニンを除去するための系が記載されており、これ
は白腐敗菌からのリグニン溶解酵素を用いて還元剤及び
酸化剤及び調整剤としてのフェノール化合物の添加下で
操作している。
【0023】西ドイツ特許第4008893C2号明細
書では、レドックス系に付加的に、リグニン溶解酵素の
活性中心(補欠分子族)と同じに挙動する“ミミック
(mimic)物質”を添加する。こうして、著しい性
能改善を達成することができた。
【0024】PCT/欧州特許第92/01086号出
願明細書では、更に改善するために酸化力で“調和させ
た”フェノール性又は非フェノール性芳香族を用いるレ
ドックスカスケードを使用する。
【0025】3つの全ての方法で、大規模工業で使用す
るための限界は、僅かな紙料濃度(最高4%まで)にお
ける使用可能性であり、後者2つの出願ではキレート化
合物使用の際の特に過酸化物分解するための後続の過酸
化物漂白工程で起こりうる金属の“浸出”(Ausle
achen)の危険性である。
【0026】WO/12619、WO/94/1262
0及びWO94/12621号明細書から、ペルオキシ
ダーゼの活性をいわゆる増強剤物質を用いて促進する方
法が公知である。
【0027】この増強剤物質はWO94/12619号
明細書ではその半減期を用いて特性付けしている。
【0028】WO94/12620号明細書によれば、
増強剤物質は式A=N−N=B(A及びBは各々定義せれ
た環状基である)により特性付けられている。
【0029】WO94/12620号明細書によれば、
増強剤物質は少なくとも2個の芳香族基を含有する有機
薬品であり、その中各々定義された基の少なくとも1個
は置換されている。
【0030】3つの出願全てが“移染防止”及び洗剤分
野で界面活性剤添加物又は洗剤組成物としてのペルオキ
シダーゼと一緒の各々の増強剤物質の使用に関する。確
かに出願の明細書中ではリグニンの処理用の使用可能性
を挙げているが、その出願で具体的に明白な物質を用い
る二三の実験により、リグニン含有物質の処理でペルオ
キシダーゼの漂白作用を高めるための調整剤として全く
作用を示さなかったことが示された。
【0031】WO94/29510号明細書には、酵素
を調整剤と一緒に使用する酵素脱リグニン法が記載され
ている。調整剤として一般に構造NO−、NOH−又は
HRNOHを有する化合物が開示されている。
【0032】WO94/29510号明細書に記載の調
整剤の内、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール
(HBT)が脱リグリン化で最良の結果をもたらした。
しかしHBTは異なる欠点を有する:高すぎる価格でし
か入手可能ではなく、十分な量では得られない。
【0033】これは脱リグニン化条件下で反応して、1
H−ベンゾトリアゾールになる。この化合物は分解性が
比較的悪く、比較的多量の著しい環境汚染物を生じる恐
れがある。特定範囲で酵素の阻害を生じる。その脱リグ
ニン化速度は極端に高くはない。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】従って、前記欠点を全
くか又は僅かな程度でしか有さない、リグニン、リグニ
ン含有材料又は類似物質を変性、分解又は漂白するため
の系を提供することが求められていた。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、 a.場合により少なくとも1種類の酸化触媒及び b.少なくとも1種類の好適な酸化剤及び c.少なくとも1種類の調整剤を含有する、リグニン、
リグニン含有材料又は類似物質を変性、分解又は漂白す
るための多成分系に関し、これは調整剤がN−アリール
−N−ヒドロキシ−アミドの群から選択されたものであ
ることを特徴とする。
【0036】意外にも、N−アリール−N−ヒドロキシ
−アミドの化合物から選択した調整剤を有する本発明に
よる多成分系は、公知技術から公知の多成分系の欠点を
有さないことが判明した。
【0037】本発明による多成分系中で調整剤として
は、一般式(I)、(II)又は(III)
【0038】
【化2】
【0039】[式中、Aは、単結合のホモ−又はヘテロ
芳香族の単環又は二環基を表わし、Dは、2結合のホモ
−又はヘテロ芳香族の単環又は二環基を表わし、その
際、この芳香族は、ハロゲン−、ヒドロキシ−、ホルミ
ル−、シアノ−、カルバモイル−、カルボキシ基、カル
ボキシ基のエステル又は塩、スルホン基、スルホン基の
エステル又は塩、スルファモイル−、ニトロ−、ニトロ
ソ−、アミノ−、フェニル−、アリール−C1〜C5−ア
ルキル−、C1〜C12−アルキル−、C1〜C5−アルコ
キシ−、C1〜C10−カルボニル−、カルボニル−C1
6−アルキル−、ホスホ−、ホスホノ−、ホスホノ−
オキシ基、ホスホノオキシ基のエステル又は塩の群から
選択した同一又は異なる基R11個又は数個により置換
されていてよく、その際カルバモイル−、スルファモイ
ル−、アミノ−及びフェニル基は、非置換であるか又は
基R2により1個又は数個置換されていてよく、アリー
ル−C1〜C5−アルキル−、C1〜C12−アルキル−、
1〜C5−アルコキシ−、C1〜C10−カルボニル−、
カルボニル−C1〜C6−アルキル基は飽和又は不飽和
の、分枝鎖状又は非分枝鎖状であってよく、基R2で1
個又は数個置換されていてよく、その際、R2は、同一
又は異なるもので、ヒドロキシ−、ホルミル−、シアノ
−、カルボキシ基、カルボキシ基のエステル又は塩、カ
ルバモイル−、スルホン−、スルファモイル−、ニトロ
−、ニトロソ−、アミノ−、フェニル−、C1〜C5−ア
ルキル−、C1〜C5−アルコキシ、C1〜C5−アルキル
カルボニル基を表わし、及び2個の基R1及びR2は、一
緒にmが0、1、2、3又は4であるブリッジ[−CR
34−]mを介して結合していてよく、R3及びR4は、
同一又は異なるもので、カルボキシ基、カルボキシ基の
エステル又は塩、フェニル−、C1〜C5−アルキル−、
1〜C5−アルコキシ、C1〜C5−アルキルカルボニル
基を表わし、隣接してない基[−CR34−]の1個以
上は酸素、硫黄又は場合によりC1〜C5アルキル基で置
換されているイミノ基により、かつ2個の隣接基[−C
34−]は基[−CR3=CR4−]により置換されて
いてよく、Bは、C原子20個までを有するカルボン
酸、炭酸、炭酸又はカルバミン酸の半エステル、スルホ
ン酸、ホスホン酸、燐酸、燐酸のモノエステル、燐酸の
ジエステルの群から選択した酸のアミド形で存在する単
結合の酸基を表わし、Cは、C原子20個までを有する
モノ−及びジカルボン酸、炭酸、スルホン酸、ホスホン
酸、燐酸、燐酸のモノエステルの群から選択した酸のア
ミド形で存在する2結合の酸基を表わす]の化合物が有
利である。
【0040】本発明による多成分系中で調整剤として、
一般式(IV)、(V)、(VI)、(VII)又は
(VIII)
【0041】
【化3】
【0042】[式中、Ar1は、単結合のホモ−又はヘ
テロ芳香族の単環アリール基を表わし、Ar2は、2結
合のホモ−又はヘテロ芳香族の単環アリール基を表わす
が、これは、ヒドロキシ−、シアノ−、カルボキシ基、
カルボキシ基のエステル又は塩、スルホン基、スルホン
基のエステル又は塩、ニトロ−、ニトロソ−、アミノ
−、C1〜C12−アルキル−、C1〜C5−アルコキシ
−、C1〜C10−カルボニル−、カルボニル−C1〜C6
−アルキル基の群から選択した同一又は異なる基R7
個又は数個により置換されていてよく、その際、アミノ
基は、非置換であるか又は基R8により1個又は数個置
換されていてよく、C1〜C12−アルキル−、C1〜C5
−アルコキシ−、C1〜C10−カルボニル−、カルボニ
ル−C1〜C6−アルキル基は飽和又は不飽和の、分枝鎖
状又は非分枝鎖状であってよく、基R8で1個又は数個
置換されていてよく、その際、R8は、同一又は異なる
もので、ヒドロキシ−、カルボキシ基、カルボキシ基の
エステル又は塩、スルホン−、ニトロ−、アミノ−、C
1〜C5−アルキル−、C1〜C5−アルコキシ−、C1
5−アルキルカルボニル基を表わし、及び2個の基R7
は各々、対でmが0、1、2、3又は4であるブリッジ
[−CR34−]mを介して結合していてよく、R3及び
4は、前記したものを表わし、隣接してない基[−C
34−]の1個又は数個は酸素、硫黄又は場合により
1〜C5アルキル基で置換されているイミノ基により、
かつ2個の隣接基[−CR34−]は基[−CR3=CR
4−]により置換されていてよく、R5は、水素−、フェ
ニル−、アリール−C1〜C5−アルキル−、C1〜C12
−アルキル−、C1〜C5−アルコキシ−、C1〜C10
カルボニル基の群から選択した同一又は異なる単結合の
基を表わし、その際、フェニル基は置換されていないか
又は1個又は数個基R9で置換されていてよく、アリー
ル−C1〜C5−アルキル−、C1〜C12−アルキル−、
1〜C5−アルコキシ−、C1〜C10−カルボニル基は
飽和又は不飽和の、分枝鎖状又は非分枝鎖状であってよ
く、基R9で1個又は数個置換されていてよく、その
際、R9は、同一又は異なるもので、ヒドロキシ−、ホ
ルミル−、シアノ−、カルボキシ基、カルボキシ基のエ
ステル又は塩、カルバモイル−、スルホン−、スルファ
モイル−、ニトロ−、ニトロソ−、アミノ−、フェニル
−、C1〜C5−アルキル−、C1〜C5−アルコキシ基を
表わし、R6は、オルト−、メタ−、パラ−フェニレン
−、アリーレノ−C1〜C5−アルキル−、C1〜C12
アルキレン−、C1〜C5−アルキレンジオキシ基の群か
ら選択した2結合の基を表わし、その際、フェニレン基
は置換されていないか又は1個又は数個基R9で置換さ
れていてよく、アリーレノ−C1〜C5−アルキル−、C
1〜C12−アルキレン−、C1〜C5−アルキレンジオキ
シ−基は飽和又は不飽和の、分枝鎖状又は非分枝鎖状で
あってよく、基R9で1個又は数個置換されていてよ
く、その際、pは0又は1を表わし、qは1〜3の整数
を表わす]の化合物並びにその塩、エーテル又はエステ
ルが特に有利である。
【0043】有利にはAr1は、フェニル基を表わし、
Ar2は、オルト−フェニレン基を表わし、その際、A
1は5個まで、Ar2は4個まで、C1〜C3−アルキル
−、C1〜C3−アルキルカルボニル−、カルボキシ基、
カルボキシ基のエステル又は塩、スルホン基、スルホン
基のエステル又は塩、ヒドロキシ−、シアノ−、ニトロ
−、ニトロソ−及びアミノ基の群から選択した同一又は
異なる基により置換されていてよく、その際、アミノ基
はヒドロキシ−及びC1〜C3−アルキルカルボニルの群
から選択した2個の異なる基で置換されていてよい。
【0044】有利にはR5は、水素−、フェニル−、C1
〜C12−アルキル−、C1〜C5−アルコキシ基から選択
した単結合の基を表わし、その際、C1〜C12−アルキ
ル基及びC1〜C5−アルコキシ基は飽和又は不飽和の、
分枝鎖状又は非分枝鎖状であってよい。
【0045】有利にはR6はオルト−又はパラ−フェニ
レン−、C1〜C12−アルキレン−、C1〜C5−アルキ
レンジオキシ基から選択した2結合の基を表わし、その
際、フェニレン−、C1〜C5−アルキレン−、C1〜C
12−アルキレンジオキシ基は飽和又は不飽和の、分枝鎖
状又は非分枝鎖状であってよく、基R9で1個又は数個
置換されていてよい。
【0046】有利にはR9は、カルボキシ基、カルボキ
シ基のエステル又は塩、カルバモイル−、フェニル−、
1〜C3−アルコキシ基を表わす。
【0047】本発明による多成分系中で調整剤(成分
c)として使用することのできる化合物の例は、N−ヒ
ドロキシアセトアニリド、N−ヒドロキシピバロイルア
ニリド、N−ヒドロキシアクリルアニリド、N−ヒドロ
キシベンゾイルアニリド、N−ヒドロキシ−メチルスル
ホニルアニリド、N−ヒドロキシ−N−フェニル−メチ
ルカルバメート、N−ヒドロキシ−3−オキソ−ブチル
アニリド、N−ヒドロキシ−4−シアノアセトアニリ
ド、N−ヒドロキシ−4−メトキシアセトアニリド、N
−ヒドロキシフェナセチン、N−ヒドロキシ−2,3−
ジメチルアセトアニリド、N−ヒドロキシ−2−メチル
アセトアニリド、N−ヒドロキシ−4−メチルアセトア
ニリド、1−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−
(1H)−2−オン、N,N’−ジヒドロキシ−N,N’
−ジアセチル−1,3−フェニレンジアミン、N,N’
−ジヒドロキシ−琥珀酸ジアニリド、N,N’−ジヒド
ロキシ−マレイン酸ジアニリド、N,N’−ジヒドロキ
シ−蓚酸ジアニリド、N,N’−ジヒドロキシ燐酸ジア
ニリド、N−アセトキシアセトアニリド、N−ヒドロキ
シメチルオキザリルアニリド、N−ヒドロキシマレイン
酸モノアニリドである。
【0048】調整剤としては、N−ヒドロキシアセトア
ニリド、N−ヒドロキシホルムアニリド、N−ヒドロキ
シ−N−フェニル−メチルカルバメート、N−ヒドロキ
シ−2−メチルアセトアニリド、N−ヒドロキシ−4−
メチルアセトアニリド、1−ヒドロキシ−3,4−ジヒ
ドロキノリン−(1H)−2−オン並びにN−アセトキ
シアセトアニリドが有利である。
【0049】本発明による多成分系は、従来の技術から
公知の調整剤、特にHBTよりも安価である調整剤を含
有する。
【0050】更に本発明による調整剤の使用に際して、
脱リグニン化速度の上昇が達成される。
【0051】有利には本発明による多成分系は、少なく
とも1種類の酸化触媒を包含する。
【0052】酸化触媒としては、本発明による多成分系
中では有利には酵素を使用する。本発明では酵素なる概
念は、酵素活性蛋白質又はペプチド又は酵素の補欠分子
族を包含する。
【0053】酵素として本発明による多成分系中で、国
際酵素命名法、コミティー オブジ インターナショナ
ル ユニオン オブ バイオケミストリー アンド モ
レキュラー バイオロジー(Committee of
the International Union
of Biochemistry and Molec
ular Biology(Enzyme Nomen
clature、Academic Press,In
c.,1992年、24〜154頁)によるクラス1.
1.1〜1.97のオキシドレダクターゼを使用するこ
とができる。
【0054】有利には下記のクラスの酵素を使用する:
第一、第二アルコール及びセミアセタールに対して作用
を有する全て脱水素酵素を包含し、受容体としてNAD
+又はNADP+(サブクラス、1.1.1)、チトクロ
ーム(1.1.2)、酸素(O2)(1.1.3)、亜
硫酸塩(1.1.4)、キノン(1.1.5)又はその
他の受容体を有する(1.1.99)クラス1.1の酵
素。
【0055】このクラスの中で、受容体としてキノンを
有するクラス1.1.5の酵素及び受容体として酸素を
有するクラス1.1.3の酵素が特に有利である。
【0056】このクラス中、セロビオーゼ:キノン−1
−オキシドレクターゼ(1.1.5.1)が特に有利で
ある。
【0057】その他、クラス1.2の酵素が有利であ
る。この酵素クラスは、アルデヒドを相応する酸又はオ
キソ−基に酸化するような酵素を包含する。受容体はN
AD+、NADP+(1.2.1)、チトクローム(1.
2.2)、酸素(1.2.3)、亜硫酸塩(1.2.
4)、鉄−硫黄−蛋白質(1.2.5)又はその他の受
容体(1.2.99)であってよい。
【0058】その際、受容体として酸素を有する群
(1.2.3)の酵素が特に有利である。 その他、ク
ラス1.3の酵素が有利である。
【0059】このクラスに供与体のCH−CH−基に対
して作用する酵素が包含される。
【0060】相応する受容体は、NAD+、NADP
+(1.3.1)、チトクローム(1.3.2)、酸素
(1.3.3)、キノン又は類似化合物(1.3.
5)、鉄−硫黄−蛋白質(1.3.7)又はその他の受
容体(1.3.99)である。
【0061】特にビリルビンオキシダーゼ(1.3.
3.5)が有利である。
【0062】同じく、受容体として酸素を有するクラス
(1.3.3)の酵素及び受容体としてキノン等を有す
るクラス(1.3.5)の酵素が特に有利である。
【0063】更に供与体のCH−NH2−基に対して作
用を有するクラス1.4の酵素が有利である。
【0064】相応する受容体は、NAD+、NADP
+(1.4.1)、チトクローム(1.4.2)、酸素
(1.4.3)、亜硫酸塩(1.4.4)、鉄−硫黄−
蛋白質(1.4.7)又はその他の受容体(1.4.9
9)である。
【0065】その際、受容体として酸素を有するクラス
(1.4.3)の酵素も特に有利である。
【0066】その他、供与体のCH−CH−基に対して
作用を有するクラス1.5の酵素が有利である。相応す
る受容体は、NAD+、NADP+(1.5.1)、酸素
(1.5.3)、亜硫酸塩(1.5.4)、キノン
(1.5.5)又はその他の受容体(1.5.99)で
ある。
【0067】その際、受容体として酸素(O2)を有す
る(1.5.3)及びキノンを有する(1.5.5)の
酵素も特に有利である。
【0068】その他、NADH又はNADPHに対して
作用を有するクラス1.6の酵素が有利である。
【0069】その際、受容体は、NADP+(1.6.
1)、ヘムプロテイン(1.6.2)、亜硫酸塩(1.
6.4)、キノン(1.6.5)、NO2−基(1.
6.6)及びフラビン(1.6.8)又はその他の受容
体(1.6.99)である。
【0070】その際、受容体としてキノンを有するクラ
ス1.6.5の酵素が有利である。
【0071】更に、供与体としてその他のNO2−化合
物に対して作用を有し、受容体としてチトクローム
(1.7.2)、酸素(O2)(1.7.3)、鉄−硫
黄−蛋白質(1.7.7)又はその他(1.7.99)
を有するクラス1.7の酵素が有利である。
【0072】その際受容体として酸素を有するクラス
1.7.3が特に有利である。
【0073】更に、供与体として硫黄基に対して作用を
有し、受容体としてNAD+、NADP+(1.8.
1)、チトクローム(1.8.2)、酸素(O2
(1.8.3)、亜硫酸塩(1.8.4)、キノン
(1.8.5)、鉄−硫黄−蛋白質(1.8.7)又は
その他の受容体(1.8.99)を有するクラス1.8
の酵素が有利である。
【0074】受容体として酸素(O2)を有する(1.
8.3)及びキノンを有する(1.8.5)のクラスが
特に有利である。
【0075】更に、供与体としてヘム基に対して作用を
有し、受容体として酸素(O2)(1.9.3)、NO2
−化合物(1.9.6)及びその他の受容体(1.9.
99)を有するクラス1.9の酵素が有利である。
【0076】その際、受容体として酸素(O2)を有す
る(1.9.3)群(チトクロームオキシダーゼ)が特
に有利である。
【0077】更に供与体として水素に対して作用を有す
るクラス1.12の酵素が有利である。
【0078】受容体は、NAD+又はNADP+(1.1
2.1)又はその他の受容体(1.12.99)であ
る。
【0079】更にクラス1.13及びクラス1.14の
酵素が有利である(オキシゲナーゼ)。
【0080】更に、受容体として過酸化物ラジカルに対
して作用を有するクラス1.15の酵素が有利である。
【0081】その際、過酸化物−ジムターゼが特に有利
である(1.15.1.1)。
【0082】更にクラス1.16の酵素が有利である。
【0083】受容体として、NAD+又はNADP
+(1.16.1)又は酸素(O2)(1.16.3)が
作用する。
【0084】その際、特にクラス1.16.3.1の酵
素が有利である(フェロオキシダーゼ、例えばセルロプ
ラスミン)。
【0085】更に有利な酵素は、群1.17(−CHO
H−に酸化されるCH2−基に対して作用)、1.18
(供与体として還元されたフェレドキシンに対して作
用)、1.19(供与体として還元されたフラボドキシ
ンに対して作用)及び1.19(その他のオキシドレダ
クターゼ)に属するようなものが有利である。
【0086】更に受容体として過酸化物に対して作用す
る群1.11の酵素が特に有利である。この唯一のサブ
クラス(1.11.1)はペルオキシダーゼを含有す
る。
【0087】その際、チトクローム−C−ペルオキシダ
ーゼ(1.11.1.5)、カタラーゼ(1.11.
1.6)、ペルオキシダーゼ(1.11.1.6)、ヨ
−ジド−ペルオキシダーゼ(1.11.1.8)、グル
タチオン−ペルオキシダーゼ(1.11.1.9)、ク
ロリド−ペルオキシダーゼ(1.11.1.10)、L
−アスコルベート−ペルオキシダーゼ(1.11.1.
11)、ホスホリピド−ヒドロペルオキシド−グルタチ
オン−ペルオキシダーゼ(1.11.1.12)、マン
ガン−ペルオキシダーゼ(1.12.1.13)、ジア
リールプロパン−ペルオキシダーゼ(リグニナーゼ、リ
グニン−ペルオキシダーゼ)(1.11.1.14)が
特に有利である。
【0088】極めて有利に、ビフェノール及び類似化合
物に対して作用を有するクラス1.10の酵素が有利で
ある。この酵素はビフェノール及びアスコルビン酸塩の
酸化を接触する。受容体としてはNAD+、NADP
+(1.10.1)、チトクローム(1.10.2)、
酸素(1.10.3)又はその他の受容体(1.10.
99)が作用する。
【0089】これらの内、ここでも受容体として酸素
(O2)を有するクラス1.10.3の酵素が特に有利
である。
【0090】このクラスの酵素の内、酵素カテコール
オキシダーゼ(チロシナーゼ)(1.10.3.1)、
L−アスコルベートオキシダーゼ(1.10.3.
3)、o−アミノフェノール オキシダーゼ(1.1
0.3.4)及びラッカーゼ(ベンゾールジオール:オ
キシゲン オキシドレダクターゼ)(1.10.3.
2)が有利であり、その際ラッカーゼ(ベンゾールジオ
ール:オキシゲン オキシドレダクターゼ)(1.1
0.3.2)が特に有利である。
【0091】前記酵素は市販されているか又は公知方法
により得ることができる。酵素製造用の生体としては、
例えば植物、動物細胞、細菌及び真菌類が挙げられる。
原則的には天然起源のものであってもよいし、遺伝子工
学により変性された微生物酵素生産源であってもよい。
同じく酵素製造源として単細胞又は多細胞生体の一部、
特に細胞培養も考えられる。
【0092】特に有利な酵素、例えば1.11.1の群
から、特に1.10.3の群からの酵素及び特にラッカ
ーゼを製造するためには、例えば白腐敗菌、例えばヒラ
タケ(Pleurotus)、フレビア(Phlebi
a)及びホウロクタケ(Trametes)を使用す
る。
【0093】本発明による多成分系は少なくとも1種類
の酸化剤を含有する。酸化剤としては、例えば空気、酸
素、オゾン、H22、有機過酸化物、過酸、例えば過酢
酸、過蟻酸、過硫酸、過硝酸、メタクロルペルオキシ安
息香酸、過塩素酸、過硼酸塩、過酢酸塩、過硫酸塩、過
酸化物又は酸素種及びそのラジカル、例えばOH、OO
H、一重項酸素(Singulettsauersto
ff)、超酸化物(O2 -)、オゾン化物、ジオキシゲニ
ル−陽イオン(O2 +)、ジオキシラン、ジオキセタン又
はフレミーラジカルを使用することができる。
【0094】有利には相応するオキシドレダクターゼに
よって発生させることができるような酸化剤、例えばラ
ッカーゼからのジオキシラン+カルボニレン又は化学的
に調整剤を再生することができるか又はこれと直接反応
することができるような酸化剤を使用する。
【0095】本発明は、本発明により調整剤としてリグ
ニン、リグニン含有の材料又は類似物質を変性し、分解
し又は漂白するために好適である物質の使用にも関す
る。
【0096】リグニン、リグニン含有の材料又は類似物
質を変性し、分解し又は漂白する際の多成分系の作用
は、前記した成分の他になおMg2+イオンが存在する場
合に更に高められることが多い。Mg2+イオンは例えば
塩、例えばMgSO4として使用することができる。そ
の濃度はリグニン含有材料1g当たり0.1〜2mgの
範囲、有利には0.2〜0.6mgである。
【0097】多成分系が、Mg2+イオンの他に錯化剤、
例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレ
ントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチレン
ジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン
五メチレン燐酸(DTMPA)、ニトリロ三酢酸(NT
A)、ポリ燐酸(PPA)等を含有することによって、
多くの場合に本発明による多成分系の作用を更に上昇さ
せることができる。その濃度はリグニン含有材料1g当
たり0.2〜5mgの範囲、有利には1〜3mgであ
る。
【0098】リグニン処理法における本発明による多成
分系の使用は、例えば特許請求の範囲1による各々選択
した成分a)〜c)を同時にか又は任意の順序でリグニ
ン含有材料の水性懸濁液と混合することによって行われ
る。
【0099】方法を本発明による多成分系の使用下で、
酸素又は空気の存在で、常圧から10バールまで、pH
範囲2〜11、温度20〜95℃、有利には40〜95
℃で、紙料濃度(Stoffdicht)0.5〜40
%で実施するのが有利である。
【0100】パルプ漂白の際の酵素の使用に関する意外
で、驚くべき発見は、本発明による多成分系の使用に際
して、紙料濃度の上昇によってカッパー低下を著しく促
進させることができることである。
【0101】環境学的理由から、本発明による方法は紙
料濃度8〜35%、特に有利には9〜15%で実施す
る。
【0102】更に意外にも、多くのパルプにおいて酵素
−調整剤工程前の酸性洗浄(pH2〜6、有利には4〜
5)又はQ−工程(pH値2〜6、有利には4〜5)に
よって、これら特別な前処置なしの処置に比べて著しい
カッパー数低下をもたらすことが実証された。Q−工程
では、キレート形成剤としてこの目的に常用の物質(例
えばEDTA、DTPA)を使用する。これは有意には
濃度0.1%〜1%(乾燥パルプに対してw/w)、特
に有利には0.1%〜0.5%(乾燥パルプに対してw
/w)で使用する。
【0103】本発明による方法で有利にはリグニン含有
材料1g当たり酵素0.01〜100000IUを使用
する。特に有利にはリグニン含有材料1g当たり酵素
0.1〜100、特に有利には1〜40IUを使用する
(1Uは2,2’−アジノ−ビス(3−エチル−ベンゾ
チアゾリン−6−スルホン酸−ジアンモニウム塩)(A
BTS)1μモル/分/酵素mlの変換率に相応す
る)。
【0104】本発明による方法で、有利にはリグニン含
有材料1g当たり酸化剤0.01〜100mg使用す
る。特に有利にはリグニン含有材料1g当たり酸化剤
0.01〜50mg使用する。
【0105】本発明による方法で有利にはリグニン含有
材料1g当たり調整剤0.5〜80mgを使用する。特
に有利にはリグニン含有材料1g当たり調整剤0.5〜
40mgを使用する。
【0106】同時に、存在する酸化剤と一緒に一定のレ
ッドクス力(Redoxpotential)を調整す
るために役立つ還元剤を添加することができる。
【0107】還元剤としては重亜硫酸ナトリウム、亜二
チオン酸ナトリウム、アスコルビン酸、チオ化合物、メ
ルカプト化合物又はグルタチオン等を使用することがで
きる。
【0108】反応は、例えばラッカーゼの場合には空気
−又は酸素供給又は酸素−又は空気過圧下で行われ、ペ
ルオキシダーゼ(例えばリグニンペルオキシダーゼ、マ
ンガンペルオキシダーゼ)の場合には過酸化水素を用い
て行われる。その際、例えば酸素を過酸化水素+カタラ
ーゼにより、かつ過酸化水素をグルコーズ+GOD又は
その他の系によりその場で発生させることができる。
【0109】更にこの系にラジカル形成剤又はラジカル
捕集剤(例えばOH又はOOHラジカルの捕集)を添加
することができる。これらは還元/酸化−及びラジカル
調整剤内の共同作用を改善することができる。反応溶液
にその他の金属塩を添加することもできる。
【0110】これらはラジカル形成剤又は還元/酸化−
中心としてキレート化剤との共同作用で重要である。塩
は反応溶液中で陽イオンを生成する。このようなイオン
は特にFe2+、Fe3+、Mn2+、Mn3+、Mn4+、Ca
2+、Cu2+、Ti3+、Cer4+、Al3+である。
【0111】溶液中に存在するキレートは更に酵素、例
えばラッカーゼ(銅錯体)又はリグニン−又はマンガン
ペルオキシダーゼ(ヘム錯体)のミミック物質(Mim
icsubstanz)として作用する。ミミック物質
とは、(この場合)オキシドレダクターゼの補欠分子団
と同じ挙動をし、例えば酸化反応を接触することができ
る様な物質である。
【0112】更に反応混合物にNaOClを添加するこ
とができる。この化合物は過酸化水素と一緒に一重項酸
素を生成することができる。
【0113】最後に界面活性剤の使用下で操作すること
も可能である。このようなものとしては、非イオン性、
陰イオン性、陽イオン性及び両性界面活性剤が挙げられ
る。これら界面活性剤は繊維中への酵素及び調整剤の浸
透を改善することができる。
【0114】多糖類及び/又は蛋白質を添加することも
反応に有利でありうる。その際、多糖類としては、グル
カン、マンナン、デキストラン、レバン、ペクチン、ア
ルギンサン塩又は植物ゴム及び/又は菌から生成したか
又は酵母を用いる混合培養で製造された多糖類が挙げら
れ、蛋白質としては、ゲランチン及びアルブミンが挙げ
られる。
【0115】これらの物質は主として酵素の保護コロイ
ドとして役立つ。
【0116】添加することのできるその他の蛋白質は、
プロテアーゼ、例えばペプシン、ブロメリン、パパイン
等である。これらは特に、木材中に存在するエクステン
シンC、ヒドロキシプロリンに富む蛋白質の分解により
リグニンへの到達を改善することに役立つ。
【0117】その他の保護コロイドとしては、アミノ
酸、単糖、オリゴマー糖、種々の分子量のPEGタイ
プ、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンイミン及びポ
リジメチルシロキサンが挙げられる。
【0118】本発明による方法は、硫酸−、亜硫酸−、
オルガノゾル−、パルプ及び木材パルプの脱リグニン化
(漂白)においてだけでなく、常用の蒸解法(場合によ
り機械的方法又は圧力と組み合わせて)による脱線維
化、即ちカッパー約50〜120の範囲にあるカッパー
数までの非常に慎重な蒸解が保証される場合には、木材
−又は一年草植物からのものであるにしろ、パルプ一般
の製造の際にも使用することができる。
【0119】パルプの漂白ではパルプの製造の場合と同
じく、処理した物質をNaOHを用いて洗浄及び抽出し
た後か又はこの中間工程なしに、処置を数回繰り返すこ
とができる。これにより更にカッパー値の減少及び著し
い白色度上昇が惹起される。酵素/調整剤処理の前に、
2−工程(キレート工程)を実施することもできる。
【0120】次に本発明を実施例につき詳説する:
【0121】
【実施例】例1 N−ヒドロキシ−アセトアニリド及び軟材硫酸塩パルプ
を用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlにN−ヒドロキシ−アセトアニリド
56.5mgを攪拌下で添加し、pH値をH2SO4溶液
0.5モル/lでパルプ及び酵素添加後pH4.5とな
るように調整する。
【0122】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラー(Tr
ametes versicolor)のラッカーゼを
加える。
【0123】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0124】パルプ添加後、ドウニーダー(Teigk
neter)を用いて2分間混合する。
【0125】その後、紙料(Stoff)を45℃に前
加熱された反応ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バー
ル下で1〜4時間恒温保持する。
【0126】その後、紙料をナイロン篩(30μm)を
通して洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%
及びNaOH8%で1時間抽出する。
【0127】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0128】例2 N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン及び
軟材硫酸塩パルプを用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlにN−ベンゾイル−N−フェニルヒ
ドロキシルアミン80mgを攪拌下で添加し、pH値を
2SO4溶液0.5モル/lでパルプ及び酵素添加後p
H4.5となるように調整する。
【0129】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラーのラッ
カーゼを加える。
【0130】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0131】パルプ添加後、ドウニーダーで2分間混合
する。
【0132】その後、紙料を45℃に前加熱された反応
ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バール下で1〜4時
間恒温保持する。
【0133】その後、紙料をナイロン篩(30μm)を
通して洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%
及びNaOH8%で1時間抽出する。
【0134】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0135】例3 N−ヒドロキシ−3−オキソ酪酸アニリド及び軟材硫酸
塩パルプを用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlにN−ヒドロキシ−3−オキソ酪酸
アニリド72.5mgを攪拌下で添加し、pH値をH2
SO4溶液0.5モル/lで、パルプ及び酵素添加後p
H4.5となるように調整する。
【0136】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラーのラッ
カーゼを加える。
【0137】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0138】パルプ添加後、ドウニーダーで2分間混合
する。
【0139】その後、紙料を45℃に前加熱された反応
ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バール下で1〜4時
間恒温保持する。
【0140】その後、紙料をナイロン篩(30μm)を
通して洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%
及びNaOH8%で1時間抽出する。
【0141】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0142】例4 N−ヒドロキシ−4−シアノアセトアニリド及び軟材硫
酸塩パルプを用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlにN−ヒドロキシ−4−シアノアセ
トアニリド66mgを攪拌下で添加し、pH値をH2
4溶液0.5モル/lでパルプ及び酵素添加後pH
4.5となるように調整する。
【0143】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラーのラッ
カーゼを加える。
【0144】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0145】パルプ添加後、ドウニーダーで2分間混合
する。
【0146】その後、紙料を45℃に前加熱された反応
ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バール下で1〜4時
間恒温保持する。
【0147】その後、紙料をナイロン篩(30μm)を
通して洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%
及びNaOH8%で1時間抽出する。
【0148】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0149】例5 N−ヒドロキシ−N−フェニルカルバミド酸フェニルエ
ステル及び軟材硫酸塩パルプを用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlにN−ヒドロキシ−N−フェニルカ
ルバミド酸フェニルエステル86mgを攪拌下で添加
し、pH値をH2SO4溶液0.5モル/lでパルプ及び
酵素添加後pH4.5となるように調整する。
【0150】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラーのラッ
カーゼを加える。
【0151】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0152】パルプ添加後、ドウニーダーで2分間混合
する。
【0153】その後、紙料を45℃に前加熱された反応
ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バール下で1〜4時
間恒温保持養する。
【0154】その後、紙料をナイロン篩(30μm)で
洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%及びN
aOH8%で1時間抽出する。
【0155】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0156】例6 N−ヒドロキシ−N−フェニルホルムアミド及び軟材硫
酸塩パルプを用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlにN−ヒドロキシ−N−フェニルホ
ルムアミド51.5mgを攪拌下で添加し、pH値をH
2SO4溶液0.5モル/lでパルプ及び酵素添加後pH
4.5となるように調整する。
【0157】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラーのラッ
カーゼを加える。
【0158】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0159】パルプ添加後、ドウニーダーで2分間混合
する。
【0160】その後、紙料を45℃に前加熱された反応
ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バール下で1〜4時
間恒温保持する。
【0161】その後、紙料をナイロン篩(30μm)を
通して洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%
及びNaOH8%で1時間抽出する。
【0162】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0163】例7 N−ヒドロキシ−N−フェニル−ピバリン酸アミド及び
軟材硫酸塩パルプを用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlにN−ヒドロキシ−N−フェニルピ
バリン酸アミド72.5mgを攪拌下で添加し、pH値
をH2SO4溶液0.5モル/lでパルプ及び酵素添加後
pH4.5となるように調整する。
【0164】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラーのラッ
カーゼを加える。
【0165】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0166】パルプ添加後、ドウニーダーで2分間混合
する。
【0167】その後、紙料を45℃に前加熱された反応
ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バール下で1〜4時
間恒温保持する。
【0168】その後、紙料をナイロン篩(30μm)で
洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%及びN
aOH8%で1時間抽出する。
【0169】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0170】例8 1−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1
H)−オン及び軟材硫酸塩パルプを用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlに1−ヒドロキシ−3,4−ジヒド
ロキノリン−2(1H)−オン61.2mgを攪拌下で
添加し、pH値をH2SO4溶液0.5モル/lでパルプ
及び酵素添加後pH4.5となるように調整する。
【0171】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラーのラッ
カーゼを加える。
【0172】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0173】パルプ添加後、ドウニーダーで2分間混合
する。
【0174】その後、紙料を45℃に前加熱された反応
ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バール下で1〜4時
間恒温保持する。
【0175】その後、紙料をナイロン篩(30μm)を
通して洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%
及びNaOH8%で1時間抽出する。
【0176】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0177】例9 N−ヒドロキシ−(2−メチル)−アセトアニリド及び
軟材硫酸塩パルプを用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlにN−ヒドロキシ−(2−メチル)
−アセトアニリド60.1mgを攪拌下で添加し、pH
値をH2SO4溶液0.5モル/lでパルプ及び酵素添加
後pH4.5となるように調整する。
【0178】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラーのラッ
カーゼを加える。
【0179】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0180】パルプ添加後、ドウニーダーで2分間混合
する。
【0181】その後、紙料を45℃に前加熱された反応
ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バール下で1〜4時
間恒温保持する。
【0182】その後、紙料をナイロン篩(30μm)で
洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%及びN
aOH8%で1時間抽出する。
【0183】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0184】例10 4−(N−アセチル−ヒドロキシルアミノ)−安息香酸
エチルエステル及び軟材硫酸塩パルプを用いる酵素漂白 絶対乾燥パルプ(軟材O2脱リグニン化した)5g、紙
料濃度30%(水分約17g)を下記溶液に添加する: A)水道水20mlに4−(N−アセチル−ヒドロキシ
ルアミノ)−安息香酸エチルエステル83.7mgを攪
拌下で添加し、pH値をH2SO4溶液0.5モル/lで
パルプ及び酵素添加後pH4.5となるように調整す
る。
【0185】B)水道水5mlに、パルプ1g当たり1
5U(1U=ABTS1μモル/分/酵素ml)の活性
が生じるような量のトラメテス ヴェルシカラーのラッ
カーゼを加える。
【0186】溶液A及びBを一緒にし、33mlにす
る。
【0187】パルプ添加後、ドウニーダーで2分間混合
する。
【0188】その後、紙料を45℃に前加熱された反応
ボンベ中に入れ、酸素過圧1〜10バール下で1〜4時
間恒温保持する。
【0189】その後、紙料をナイロン篩(30μm)で
洗浄し、60℃、パルプ1g当たり紙料濃度2%及びN
aOH8%で1時間抽出する。
【0190】この紙料を新たに洗浄した後、カッパー数
を測定する。結果を第1表に記載する。
【0191】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 ハンス−ペーター カル ドイツ連邦共和国 ユーバッハ−パレンベ ルク ハインスベルガー シュトラーセ 14アー (72)発明者 ヨハネス フロイデンライヒ ドイツ連邦共和国 ミュンヘン ハッケン シュトラーセ 10 (72)発明者 マンフレート アマン ドイツ連邦共和国 オーデルツハウゼン レルヒェンシュトラーセ 3 (72)発明者 ローベルト ミュラー ドイツ連邦共和国 ミュンヘン ボシェツ リーダーシュトラーセ 85ベー

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.場合により少なくとも1種類の酸化触
    媒及び b.少なくとも1種類の好適な酸化剤及び c.少なくとも1種類の調整剤を含有する、リグニン、
    リグニン含有材料又は類似物質を変性、分解又は漂白す
    るための多成分系において、調整剤がN−アリール−N
    −ヒドロキシ−アミドの群から選択されたものであるこ
    とを特徴とする、リグニン、リグニン含有材料又は類似
    物質を変性、分解又は漂白するための多成分系。
  2. 【請求項2】 調整剤が一般式(I)、(II)又は
    (III) 【化1】 [式中、Aは、単結合のホモ−又はヘテロ芳香族の単環
    又は二環基を表わし、Dは、2結合のホモ−又はヘテロ
    芳香族の単環又は二環基を表わし、その際、この芳香族
    は、ハロゲン−、ヒドロキシ−、ホルミル−、シアノ
    −、カルバモイル−、カルボキシ基、カルボキシ基のエ
    ステル又は塩、スルホン基、スルホン基のエステル又は
    塩、スルファモイル−、ニトロ−、ニトロソ−、アミノ
    −、フェニル−、アリール−C1〜C5−アルキル−、C
    1〜C12−アルキル−、C1〜C5−アルコキシ−、C1
    10−カルボニル−、カルボニル−C1〜C6−アルキル
    −、ホスホ−、ホスホノ−、ホスホノ−オキシ基、ホス
    ホノオキシ基のエステル又は塩の群から選択した同一又
    は異なる基R11個又は数個により置換されていてよ
    く、その際、カルバモイル−、スルファモイル−、アミ
    ノ−及びフェニル基は、非置換であるか又は基R2によ
    り1個又は数個置換されていてよく、アリール−C1
    5−アルキル−、C1〜C12−アルキル−、C1〜C5
    アルコキシ−、C1〜C10−カルボニル−、カルボニル
    −C1〜C6−アルキル基は飽和又は不飽和の、分枝鎖状
    又は非分枝鎖状であってよく、基R2で1個又は数個置
    換されていてよく、その際、R2は同一又は異なるもの
    で、ヒドロキシ−、ホルミル−、シアノ−、カルボキシ
    基、カルボキシ基のエステル又は塩、カルバモイル−、
    スルホン−、スルファモイル−、ニトロ−、ニトロソ
    −、アミノ−、フェニル−、C1〜C5−アルキル−、C
    1〜C5−アルコキシ、C1〜C5−アルキルカルボニル基
    を表わし、及び2個の基R1及びR2は、対でmが0、
    1、2、3又は4であるブリッジ[−CR34−]m
    介して結合していてよく、R3及びR4は、同一又は異な
    るもので、カルボキシ基、カルボキシ基のエステル又は
    塩、フェニル−、C1〜C5−アルキル−、C1〜C5−ア
    ルコキシ、C1〜C5−アルキルカルボニル基を表わし、
    隣接してない基[−CR34−]の1個以上は酸素、硫
    黄又は場合によりC1〜C5アルキル基で置換されている
    イミノ基により、かつ2個の隣接基[−CR34−]は
    基[−CR3=CR4−]により置換されていてよく、B
    は、C原子20個までを有するカルボン酸、炭酸、炭酸
    又はカルバミン酸の半エステル、スルホン酸、ホスホン
    酸、燐酸、燐酸のモノエステル、燐酸のジエステルの群
    から選択された酸のアミド形で存在する単結合の酸基を
    表わし、Cは、C原子20個までを有するモノ−及びジ
    カルボン酸、炭酸、スルホン酸、ホスホン酸、燐酸、燐
    酸のモノエステルの群から選択した酸のアミド形で存在
    する2結合の酸基を表わす]のN−アリール−N−ヒド
    ロキシ−アミドの群から選択されたものであることを特
    徴とする、請求項1に記載の多成分系。
  3. 【請求項3】 少なくとも1種類の酸化触媒を包含する
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の多成分系。
  4. 【請求項4】 酸化触媒として酵素を使用することを特
    徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の
    多成分系。
  5. 【請求項5】 酵素としてラッカーゼを使用することを
    特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載
    の多成分系。
  6. 【請求項6】 酸化剤として空気、酸素、オゾン、H2
    2、有機過酸化物、過酸、例えば過酢酸、過蟻酸、過
    硫酸、過硝酸、メタクロルペルオイキシ安息香酸、過塩
    素酸、過硼酸塩、過酢酸塩、過硫酸塩、過酸化物又は酸
    素種及びそのラジカル、例えばOH、OOH、一重
    項酸素、超酸化物(O2-)、オゾニド、ジオキシゲニ
    ル−陽イオン(O2 +)、ジオキシラン、ジオキセタン又
    はフレミーラジカルを使用することを特徴とする、請求
    項1から5までのいずれか1項に記載の多成分系。
  7. 【請求項7】 調整剤(成分c)は化合物N−ヒドロキ
    シアセトアニリド、N−ヒドロキシピバロイルアニリ
    ド、N−ヒドロキシアクリルアニリド、N−ヒドロキシ
    ベンゾイルアニリド、N−ヒドロキシ−メチルスルホニ
    ルアニリド、N−ヒドロキシ−N−フェニル−メチルカ
    ルバメート、N−ヒドロキシ−3−オキソ−ブチリルア
    ニリド、N−ヒドロキシ−4−シアノアセトアニリド、
    N−ヒドロキシ−4−メトキシアセトアニリド、N−ヒ
    ドロキシフェナセチン、N−ヒドロキシ−2,3−ジメ
    チルアセトアニリド、N−ヒドロキシ−2−メチルアセ
    トアニリド、N−ヒドロキシ−4−メチルアセトアニリ
    ド、1−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−(1
    H)−2−オン、N,N’−ジヒドロキシ−N,N’−ジ
    アセチル−1,3−フェニレンジアミン、N,N’−ジ
    ヒドロキシ−琥珀酸ジアニリド、N,N’−ジヒドロキ
    シ−マレイン酸ジアニリド、N,N’−ジヒドロキシ−
    蓚酸ジアニリド、N,N’−ジヒドロキシ燐酸ジアニリ
    ド、N−アセトキシアセトアニリド、N−ヒドロキシメ
    チルオキザリルアニリド、N−ヒドロキシマレイン酸モ
    ノアニリドの群から選択したものであることを特徴とす
    る、請求項1から6までのいずれか1項に記載の多成分
    系。
  8. 【請求項8】 調整剤としてN−ヒドロキシアセトアニ
    リドを使用することを特徴とする、請求項1か6までの
    いずれか1項に記載の多成分系。
  9. 【請求項9】 各々選択した請求項1による成分a)か
    らc)を同時にか又は任意の順序でリグニン含有の材料
    の水性懸濁液と混合することを特徴とする、リグニンの
    処理法。
  10. 【請求項10】 請求項1で成分c)として記載した調
    整剤を使用することを特徴とする、リグニン、リグニン
    含有材料又は類似物質の変性、分解又は漂白法。
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