JPH083887A - 植物体原料からリグニンを除去する方法、パルプを漂白する方法、パルプ及び紙 - Google Patents

植物体原料からリグニンを除去する方法、パルプを漂白する方法、パルプ及び紙

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JPH083887A
JPH083887A JP13228494A JP13228494A JPH083887A JP H083887 A JPH083887 A JP H083887A JP 13228494 A JP13228494 A JP 13228494A JP 13228494 A JP13228494 A JP 13228494A JP H083887 A JPH083887 A JP H083887A
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pulp
lignin
enzyme
bleaching
whiteness
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JP13228494A
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Yoshinori Kashino
由憲 樫野
Sadako Yamada
貞子 山田
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リグニンを短時間に効率よく除去することが
できる、植物体原料からリグニンを除去する方法を提供
する。 【構成】 本発明のリグニンの除去方法は、リグニンに
作用する酵素を用いた処理ステップとアルカリによる洗
浄ステップの組合わせを単位工程とし、この単位工程を
1回以上繰り返して行うことによって植物体原料からリ
グニンを除去する方法であって、該リグニンに作用する
酵素を用いた処理ステップを、下式(1)で求められる
原料の白色度の上昇を、5ポイント以下に抑えて実施す
る方法である。 [白色度の上昇(ポイント)] =[リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ実施後の白色度(%)] −[リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ実施前の白色度(%)] (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物体原料からリグニ
ンを除去する方法、特にその方法を利用することによる
パルプの漂白方法、並びにその方法によって製造された
パルプ、及び該パルプから製造された紙に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】パルプの主な原料である木材あるいはそ
の他の植物体原料には、セルロース(繊維素)やヘミセ
ルロースの他に、リグニン(木質素)と呼ばれる無定形
高分子化合物が約25〜30重量%含まれている。この
リグニンは、セルロースやその他の炭水化物と結合して
存在し、組織を強固にする結合剤としての作用を有する
と共に、パルプや紙の白さ(白色度)を損なう原因物質
でもある。
【0003】パルプは製造方法によって、メカニカルパ
ルプ(木材等を機械的に解繊して得られるパルプであ
り、その成分組成はパルプ原料とほとんど変わらず、多
量のリグニンを含む)、ケミカルパルプ(木材等を蒸解
液等で蒸煮して得られるパルプであり、主成分としてセ
ルロースを含む)、セミケミカルパルプ(上記機械的処
理及び化学的処理法を併用して得られるパルプ)に分類
され、その使用目的(用途)に応じてリグニンの残存含
有率を適宜制御しながら製造されている。
【0004】リグニンを除去する方法としては、従来上
述したケミカルパルプの製造に用いられる脱リグニン反
応が最も一般的に使用されている。この脱リグニン反応
は、具体的には、蒸解液として亜硫酸、亜硫酸水素カル
シウム、硫酸ナトリウム等の硫黄系化合物を用いて、木
材等の植物体を蒸煮する方法である。その際、多量のエ
ネルギーを要し、且つ硫黄系化合物による悪臭の発生及
び廃液処理の問題が生じるので、エネルギー節減及び環
境保護の観点から、これに変わる代替法の開発が望まれ
ている。
【0005】また、筆記用紙や印刷用紙等の様に高白色
度のパルプを製造する場合には、パルプ製造工程の最終
段階において、残留リグニンを更に高度に分解除去する
ことによってパルプの漂白を行う工程が実施されてい
る。この様なパルプの漂白方法としては、従来は採算性
と反応性のみを考慮して、塩素、二酸化塩素、次亜塩素
酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、サラシ粉等の塩素
系漂白剤が用いられてきた。これらの塩素系漂白剤は優
れた漂白作用を発揮するものの、リグニンと塩素系漂白
剤が反応する結果、ダイオキシンに代表される有機塩素
化合物等の環境汚染物質を産生し、廃液汚染等の環境破
壊を生じる、等の問題があった。そのため製紙業界で
は、酸素アルカリ漂白法による酸化漂白工程を組込み、
塩素系漂白剤の使用量を制限する等の対策をとっている
が、この様な方法では、ダイオキシン等の発生を完全に
防止することはできない。
【0006】そこで、上記硫黄系化合物による脱リグニ
ン反応や、塩素系漂白剤による漂白方法(これらの方法
を一括して、単に化学処理法と称する場合がある)に代
わるものとして、リグニンを分解する微生物やリグニン
に作用する酵素を利用する方法(単に生化学的処理法と
略記する場合がある)が幅広く検討されている。しかし
ながら、これらの生化学的処理法は、従来の化学処理法
に比べて、下記の及びに示す様な問題がある。 リグニンを分解する微生物は一般にリグニン分解選択
性が低く、リグニンのみならずセルロースも分解するた
め、紙質や収率が低下する。 リグニンに作用する酵素を用いた場合におけるリグニ
ン分解反応は非常に遅く、漂白速度(後述する)がかな
り遅いために従来の化学処理法に比べて処理時間が長
い。
【0007】そこでこの様な問題を解決するために、新
規リグニン分解菌の探索や酵素反応系の改善を図る等、
様々な検討がなされている。例えば、特開平2−259
180号公報には、リグニンを高選択的に分解する新規
なリグニン分解菌(NK−1148株,FERM BP
−1859)を用い、予め単繊維化した木材チップを原
料として、該リグニン分解菌によるリグニン分解率を規
定したパルプの製造方法が開示されている。また、坂井
等はマンガンパーオキシダーゼを用い、該酵素による処
理を行うことによって、広葉樹未晒クラフトパルプ(パ
ルプ濃度:1重量%)を漂白する方法を開示している
(第44回日本木材学会大会研究発表要旨集,P43 ,19
94)。更にオルセン等は、リグニン分解酵素による反応
を実施するに当たり、定常状態濃度の過酸化水素の存在
下でインキュベートする工程を包含する脱リグニン方法
を開示しており、この脱リグニン方法に、アルカリ抽
出、水洗及び/または酸抽出処理を組合せて、これらの
組合わせ工程を多段階で行えば更に有効であることを教
示している(特開平2−80687号公報)。
【0008】上記の方法を用いれば、前記及びの問
題はある程度改善されるものの、化学処理法に比べれば
その処理能力は依然として劣るものであり、化学処理法
と対比しても一長一短の感は免れない。また、これらの
方法を実用化するに当たっては、上記問題に関連して、
更に以下の及びに示す様な不都合を生じることが考
えられる。 酵素処理工程におけるパルプ濃度は非常に低く設定さ
れている(0.6〜1重量%;これは、主に処理のしや
すさに基づくものと考えられる)ため、多量のパルプを
処理する場合には多量の反応液成分(特に酵素)が必要
になってくる。 漂白速度が遅く且つパルプ濃度も低いため、パルプ処
理槽の容積は、従来の化学処理法に比べて約1000倍
もの大きさが必要になってくる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に鑑みてなされたものであって、本発明の第1の目的
は、リグニンに作用する酵素によって、植物体原料から
リグニンの一部または全部を短時間に効率良く除去する
方法を提供することにある。本発明の第2の目的は、上
記リグニン除去方法を用いてパルプを漂白する方法を提
供することにある。更に本発明の第3の目的は、上記リ
グニン除去方法を用いて、高強度・高品質・高白色度の
パルプ及び紙を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
ができた本発明のリグニン除去方法は、リグニンに作用
する酵素を用いた処理ステップとアルカリによる洗浄ス
テップの組合わせを単位工程とし、この単位工程を1回
以上繰り返して行うことによって植物体原料からリグニ
ンを除去する方法において、該リグニンに作用する酵素
を用いた処理ステップを、下式(1)で求められる植物
体原料の白色度の上昇を、5ポイント以下に抑えて実施
することに要旨を有するものである。 [白色度の上昇(ポイント)] =[リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ実施後の白色度(%)] −[リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ実施前の白色度(%)] (1)
【0011】上記リグニンに作用する酵素を用いた処理
ステップにおいて、植物体原料の濃度として好ましいの
は5〜40重量%である。また上記リグニンの除去方法
に先だって、酸化剤及び/またはアルカリ金属性水酸化
物によるリグニンの予備的除去を予め行っておくことが
好ましい。上記リグニンの除去方法は、パルプの漂白に
好適に用いられるものである。これらの方法によって製
造されたパルプ、及び該パルプを用いて製造された紙も
本発明の範囲内である。
【0012】
【作用】本発明のリグニン除去方法は、リグニンへの酵
素の作用の程度を、植物体原料(以下、単に原料と略記
する場合がある)の白色度の上昇を指標として特定範囲
内に抑制して次のステップに移る様にした点に特徴を有
するものである。すなわち本発明の方法は、リグニンに
作用する酵素を用いた処理ステップとアルカリによる洗
浄ステップの組合わせを単位工程とし、この単位工程を
1回以上繰り返して行うことによって原料からリグニン
を除去する方法において、リグニンに作用する酵素を用
いた処理ステップを、下式(1)で求められる原料の白
色度の上昇を、5ポイント以下(好ましくは4ポイント
以下)に抑えて実施する点に特徴を有するものである。 [白色度の上昇(ポイント)] =[リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ実施後の白色度(%)] −[リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ実施前の白色度(%)] (1)
【0013】ここで、本明細書に記載の「白色度」と
は、TAPPI(米国紙パルプ協会)で規定された規格
(TAPPI T 452)に基づいて算出されるもので
あり、具体的には、パルプ等の材料に光を照射した際、
反射する光の強度を測定することによって算出される。
例えば反射する光の強度が50%の場合、白色度は50
%になる。
【0014】この様に酵素処理ステップにおける原料の
白色度の上昇を5ポイント以下に抑えることによって、
総合的にはリグニンの分解を短時間に効率よく行うこと
ができる様になった理由としては、以下のことが考えら
れる。
【0015】本発明では、酵素処理ステップにおいて酵
素による原料の「脱リグニン」を完全に行わせるのでは
なく、白色度の上昇が5ポイントを超えない程度に制御
する。すなわちこの段階では、リグニンは完全に分解除
去されている訳ではなく、リグニンに作用する酵素によ
って、アルカリ溶液に対して易溶性である様に変性され
ている。この様に酵素処理ステップにおいて白色度の上
昇をある特定の範囲内に制御した時点で、次の「アルカ
リ洗浄ステップ」を行ってリグニンの溶解・除去を行う
ので、酵素処理ステップでの酵素の負荷が軽減され、結
果的に原料からリグニンを効率よく除去することが可能
になったものと考えられる。これに対して従来の酵素処
理方法を包含するパルプの漂白方法では、酵素処理反応
にウェイトを置いたものであり、この酵素処理工程で脱
リグニンを十分に行わせようとしたため、反応時間が長
くなってしまい、また酵素に過大な負荷が与えられ、結
果的に漂白能力が低下したと考えられる。
【0016】以下、本発明のリグニン除去方法をその工
程順序に従って詳細に説明する。上述した様に、本発明
の方法は、基本的には (i )リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ
(以下、酵素処理ステップと略記する)と、(ii)アル
カリによる洗浄ステップ(以下、アルカリ洗浄ステップ
と略記する)の組合わせを単位工程とし、(iii )この
単位工程を1回以上繰り返して行う方法である。
【0017】まず、(i )酵素処理ステップについて説
明する。本発明に用いられる酵素としては、要するにリ
グニンに作用することができる酵素であれば特に限定さ
れず、その様な例としては例えば、リグニンパーオキシ
ダーゼ、マンガンパーオキシダーゼ、パーオキシダー
ゼ、ラッカーゼ、フェノールオキシダーゼ、チロシナー
ゼ、オキシゲナーゼ等が挙げられ、その中でもリグニン
の部分的分解や易溶化の能力に優れた酵素としてマンガ
ンパーオキシダーゼを用いることが推奨される。この工
程で用いられる酵素量として好ましいのは、パルプ1g
に対して1000nkat以下であり、より好ましいの
は0.1〜500nkatである。
【0018】この様な酵素を含有するものとしては、
(a)該酵素を産生する菌自体、(b)その培養物、
(c)その処理物等が挙げられ、これらを単独で、ある
いは2種以上併用して用いることができる。このうち、
(a)リグニンに作用する酵素を産生する菌としては、
白色腐朽菌、褐色腐朽菌等の木材腐朽菌;軟腐朽菌が挙
げられ、その様な例としては例えば、ファネロケーテ・
クリソスポリウムに属する菌株、カワラタケ、NK−1
148株、オオウズラタケ等のマンガンパーオキシダー
ゼ生産菌;アスペルギルス属、フザリウム属、ペニシリ
ウム属に属する菌株等が挙げられる。これらの菌株のう
ち、リグニン分解性能を有するものであればその変異株
を用いることも可能である。また、これら菌株の遺伝子
を用いてリグニンに作用する酵素を生産することもでき
る。このうち、特にリグニンに対する分解能が高いとい
う理由から、NK−1148株及び/またはその変異
株、その遺伝子を有する生物等を用いることが推奨され
る。また、(b)その培養物とは、上記菌体を培養して
得られた菌体と培養液の混合物を指すが、菌体培養物か
ら分離したウエットケーキ等の菌体、その残渣、更には
固形物をすべて除去した後の培養液も全て包含する。更
に、(c)その処理物とは、上記(b)を濃縮、乾燥、
もしくは希釈したものや、酵素タンパクを化学的修飾等
により改質したものを全て包含するものである。
【0019】上記酵素処理ステップでは、上述したリグ
ニンに作用する酵素含有物(a)〜(c)を植物体原料
に作用させる。この工程に用いられる植物体原料として
は特に限定されず、木材や他の植物体が挙げられ、処理
しやすい様な形状に加工しておくことが好ましい(例え
ば粉砕等)。好ましくはパルプが用いられ、例えば木材
パルプ{広葉樹パルプ(クラフトパルプ、セミケミカル
パルプ等)及び針葉樹パルプ(メカニカルパルプ、亜硫
酸パルプ、クラフトパルプ等)}の他、非木材原料から
製造されたパルプ(リンターパルプ、わらパルプ等)、
古紙を用いることが可能である。また、上記植物体原料
の好ましい濃度は、反応混合物総重量に対して5〜40
重量%であり、より好ましくは10〜20重量%であ
る。これらの反応混合物(リグニンに作用する酵素含有
物及びパルプ)を反応させるに当っては、更に下記の成
分を含んでいても良い。
【0020】Mn(II) これは、リグニンに作用する酵素としてマンガンパーオ
キシダーゼを利用する場合には必須の成分である。Mn
(II)の供給源としては、例えば硫酸マンガンまたは酢
酸マンガン等の様な塩が好ましく、その好ましい濃度は
0.01〜50mMであり、より好ましい濃度は0.0
5〜5mMである。
【0021】有機酸 上記Mn(II)を加える場合には、少なくとも1種類の
有機酸を加えることが好ましい。有機酸としては例え
ば、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マロン酸、乳酸、フ
ェニル−乳酸、グリコール乳酸、酢酸、トランスアコニ
ット酸、グルコン酸、没食子酸、グリコール酸等が挙げ
られ、これらの有機酸の好ましい酸濃度は0〜1Mであ
り、より好ましくは0.01〜0.1Mである。
【0022】過酸化水素 リグニンに作用する酵素としてマンガンパーオキシダー
ゼやリグニンパーオキシダーゼ等を利用する場合には、
これらの酵素の活性発現にとって過酸化水素が必須とな
る。好ましい過酸化水素の濃度は1〜1000μMであ
る。あるいは、グルコースにグルコースオキシダーゼを
酵素存在下で作用させることによって、好ましい過酸化
水素レベルを維持することも可能である。ここで、好ま
しいグルコース濃度はパルプ100重量部に対して50
重量部以下である。
【0023】界面活性剤 用いられる界面活性剤としては、非イオン系及び両性系
のいずれもが用いられ、例えばオクチルグルコシド、ポ
リオキシエチレングリコール、Triton系及びTw
een系界面活性剤が挙げられ、好ましくはTween
80である。Tween 80の好ましい濃度は0.0
1〜1w/v%である。
【0024】この様に必要に応じて上記〜の成分を
反応混合物中に加えた後、処理温度:好ましくは25℃
以上(より好ましくは30〜70℃)、処理pH:好ま
しくは3以上(より好ましくは3〜6)、1回当たりの
反応時間:好ましくは2時間以下(より好ましくは1.
5〜0.5時間)の条件下で反応させる。その際、上式
(1)で求められるパルプの白色度の上昇を、5ポイン
ト以下(好ましくは4ポイント以下)に抑える。ここ
で、白色度の上昇を5ポイント以下に抑える方法として
は、具体的には、経時的にパルプの一部を取り出して白
色度を測定することによって、白色度の上昇を本発明の
範囲内に制御することができる。上記酵素処理に要する
反応時間は、用いられる酵素の種類やその培養環境によ
っても若干異なるが、通常2時間以下であり、より好ま
しくは1.5〜0.5時間である。
【0025】なお、上記(i )の酵素処理を行う前に後
記する(ii)のアルカリ洗浄ステップを行い、アルカリ
可溶性のリグニンを予備的に除去しておくことが推奨さ
れる。この様に酵素処理前に予めアルカリ洗浄ステップ
を行っておけば、酵素処理時にはアルカリ溶液に対して
不溶なリグニンだけに酵素を作用させることになるた
め、酵素の負荷を更に軽減することができる。
【0026】(ii)次に、アルカリ洗浄ステップについ
て説明する。この工程は、上記酵素の作用により、アル
カリ溶液に対して易溶性に変性したリグニンをアルカリ
で抽出して洗浄する工程である。上記アルカリによる洗
浄処理方法は特に限定されず、通常の処理方法が適用さ
れる。具体的には、上記酵素処理ステップを経たパルプ
にアルカリ剤を加えて、ミキサー等で混合した後、水洗
を行う。その後、更に酸洗浄を行うことが推奨される。
ここで、上記アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等のアルカリ金属性水酸化物等が挙げら
れ、好ましい塩基濃度は0.001〜5Nであり、より
好ましいのは0.1〜1Nである。また、本工程で用い
られるパルプ濃度として好ましいのは0.1〜40重量
%であり、より好ましいのは1〜20重量%である。更
に、酸洗浄の際に用いられる酸としては、例えば硫酸等
の無機酸や、酢酸等の有機酸が挙げられる。 (iii )上記(i )と(ii)の組合わせからなる単位工
程を1回以上行う。パルプの白色度を更に高めるには、
これらの単位工程を2回以上行うことが特に推奨され
る。
【0027】本発明のリグニンの除去方法は、以上の工
程を基本工程とするものであるが、本発明の工程に入る
前に、原料を予め従来のパルプ漂白に用いられる漂白剤
により、リグニンの予備的除去を行っておけば、更にそ
のリグニン除去率を高めることができる。用いられる漂
白剤としては特に限定されず、周知の酸化剤及び/また
はアルカリ金属性水酸化物等を含む漂白剤が適用され、
その様な例としては、例えば塩素系漂白剤以外の漂白剤
(例えば過酸化水素、酸素、過酸化ナトリウム、過酢
酸、過マンガン酸カリウム、オゾン、ヘミセルラーゼ
等);廃液規制値を超えない量の塩素系漂白剤(例えば
二酸化塩素、塩素、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩等)、及
び/または水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属性水酸化物が挙げられる。
【0028】また、本発明のリグニン除去方法は、パル
プ製造工程に好適に用いられるのは勿論のこと、パルプ
製造工程以外にも用いられ、具体的には例えば以下の様
な工程に適用することができる。 (a )ケミカルパルプ及びセミケミカルパルプの製造に
おける「脱リグニン工程」、(b )メカニカルパルプの
製造工程、(c )パルプの漂白工程、(d )木材等を原
料とするグルコースやアルコールの製造における「脱リ
グニン工程」。
【0029】具体的に(b )の工程を詳述すると、例え
ば新聞紙は木材等の原料を機械的に解繊して得られるメ
カニカルパルプから製造されるが、その際、原料中に含
まれる「接着剤」であるリグニンを予めある程度分解除
去ないしは変性させておけば、繊維同士の結合がゆる
み、解繊時のエネルギーを節減することができると共
に、繊維時に無理な力をかけずに解繊できるため、繊維
の損傷を少なくすることができる結果、物理的強度の高
いパルプが得られるという利点が生まれるのである。
【0030】上記工程において本発明のリグニン除去方
法を用いれば、パルプや紙等の他、上述したグルコース
の様に、植物体原料から様々な有用物質を製造するに当
たって、セルロース等の有用成分を損なうことなく、リ
グニンを短時間に効率良く分解除去することができるの
で、省エネルギーや低公害を実現しつつ、高強度・高品
質な物質が得られるのである。
【0031】これらのうち、本発明のリグニン除去方法
の最も好ましい適用例としては、ケミカルパルプの漂白
が挙げられる。すなわち、パルプを漂白するに当たって
上記した本発明のリグニン除去方法を用いれば、環境汚
染源でありまた取扱い上危険な塩素系漂白剤の使用量を
節減ないしは全く使用しないようにすることができる。
その結果、塩素化合物が含まれる場合は不可能であった
漂白廃液中の水酸化ナトリウムのリサイクルも可能とな
り、廃液処理コストの削減もできる。また、本発明によ
り漂白速度とパルプ濃度を現行の化学処理法と同程度に
高めることができることから、漂白容器の容積も同程度
に小さくすることができる。
【0032】上記した本発明のリグニン除去方法によっ
て製造されたパルプは、リグニン含有量が少なく、その
結果白色度が高く色戻りが少なく、強度も高いものであ
る。また、漂白工程において塩素系漂白剤の代わりに本
発明法を適用した場合は、パルプ中に有機塩素化合物が
残留していないので、安全性の高いパルプが得られる。
さらに、この様なパルプを用いて製造された紙はパルプ
と同様、品質面及び性能の両方において非常に優れたも
のである。
【0033】以下実施例に基づいて本発明を詳述する。
ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、
前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは
全て本発明の技術範囲に包含される。
【0034】
【実施例】以下の実施例には、本発明のリグニン除去方
法を用いてパルプの漂白を行った結果を示す。実施例1:未晒パルプの漂白 広葉樹未晒クラフトパルプを用い、以下に示す様なステ
ップ(i )〜(v )を行うことによってパルプの漂白を
行った。 (i )アルカリ洗浄ステップ パルプ2g(乾燥重量)に、パルプ濃度が所定の濃度
(0.1〜3重量%)になる様に0.001〜5規定の
水酸化ナトリウム水溶液を60℃で加え、ミキサーで1
0秒間攪拌した後、60℃で1分間静置した。これをブ
フナー漏斗で濾過した後水洗し、更に酢酸緩衝液で洗浄
した後再び水洗した。
【0035】(ii)酵素処理ステップ 上記の様にして処理したパルプに、下記の組成からな
る反応液(pH3〜6)を加え、パルプ濃度が所定の濃
度(10〜20重量%)になる様に調製し、37℃で3
0分間、酸素下で静置した。 NK−1148株培養濾液(500nkat) グルコースオキシダーゼ 0〜1Mマロン酸ナトリウム緩衝液 0.05〜100mM硫酸マンガン グルコース
【0036】なお、上記の培養濾液の活性量は、基質
として2,6−ジメトキシフェノールを用い、過酸化水
素の存在下で基質に培養濾液を作用させ、5分間の吸光
度変化から活性を測定した値である(Journal of Biolo
gical Chemistry, vol. 267,No33. p23688-23695 を参
照)。
【0037】(iii )アルカリ洗浄ステップ 静置時間を30秒間としたこと以外は、上記(i )と同
様にしてアルカリ洗浄処理を行った。 (iv)酵素処理ステップ 反応時間を、(A)0.5時間または(B)1時間の2
通りの方法で行ったこと以外は、上記(ii)と同様にし
て酵素処理を行った。 (v )アルカリ洗浄ステップ 上記(i )と同様にしてアルカリ洗浄処理を行った。
【0038】これら(i )〜(v)の処理を行った後、
パルプ懸濁液を濾紙で濾過することにより手抄きシート
を調製した。上記の処理を行う前・後で、TAPPI
T452の方法に準じて白色度を測定した。漂白処理後
の白色度をVt 、漂白処理前の白色度をV0 、合計漂白
時間をt(時間)とし、白色度の上昇(ポイント)及び
漂白速度を下式に従って算出した。 白色度の上昇(ポイント)=Vt −V0 漂白速度(ポイント/時間)=(Vt −V0 )/t
【0039】その結果を表1に示す。なお、表1及び後
記する表2において、これらの数値はそれぞれ{[平均
値]±[偏差の最大値]}(n=3)で表している。ま
た、表中の方法Aとは、上記(iv)の酵素処理を0.5
時間行う方法(すなわち合計漂白時間が1.03時間に
なる)であり、また表中の方法Bとは、上記(iv)の酵
素処理を1時間行う方法(すなわち合計漂白時間が1.
53時間になる)である。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかな様に、漂白前のパルプの
白色度は37.9%であったのに対し、本発明の漂白方
法A及びBを行うと、漂白後の白色度はそれぞれ約56
%及び約57%となり、白色度の上昇(ポイント)はそ
れぞれ約18及び約19になった。また、漂白速度(ポ
イント/時間)はそれぞれ約17及び約13と良好なも
のであった。
【0042】その結果、本実施例で得られた漂白速度及
び酵素処理ステップにおけるパルプ濃度は、いずれも従
来の塩素系漂白剤を用いた場合と同程度の数値となった
ことから、従来の酵素処理法を用いた場合に比べて漂白
容器の容積を概ね1000分の1近くにまで小さくする
ことが可能になった。また、パルプ濃度を高めることが
できた結果、反応混合物の量も従来の酵素処理法に比べ
て概ね20〜270分の1にまで節減することが可能で
あることも明らかになった。
【0043】また、酵素処理ステップ(iv)の反応時間
を1時間から0.5時間に短縮した場合であっても白色
度の上昇についてはほとんど差が見られなかったことか
ら、酵素処理時間(ひいては漂白時間)を更に短縮する
ことが可能であると共に、培養物量を更に少なくするこ
とも可能であることが期待される。
【0044】以上の結果、本実施例の方法によって、塩
素系漂白剤を用いることなく、パルプを効率よく部分漂
白することができた。また、この様にして得られたパル
プ及び紙は、塩素系漂白剤を用いずに製造されているの
で、安全性の高いものである。
【0045】実施例2:酸素アルカリ漂白法による部分
漂白パルプの漂白(1) 広葉樹未晒クラフトパルプを用い、予め酸素アルカリ漂
白法(水酸化ナトリウム:対パルプ2重量%,酸素圧:
5kg/cm2 、反応温度:100℃、反応時間:40
分)による漂白を行った後、更に実施例1と同様にして
パルプの漂白を行った。その結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】この様に予め酸素アルカリ漂白法で漂白し
ておいたパルプ(白色度:49.9%)についても、更
に本発明の漂白方法を行うことによって、その白色度を
更に高めることができることが分かった。また、その漂
白速度は実施例1の未晒パルプの場合とほぼ同程度であ
った。すなわち、酸素アルカリ漂白法の様な従来の化学
的漂白法を併用した場合であっても、実施例1と同様の
効果が得られることが明らかになった。
【0048】このことから、酸素アルカリ漂白法以外の
従来の漂白方法、例えば過酸化水素、過酸化ナトリウ
ム、オゾン、ヘミセルラーゼ、次亜塩素酸塩、二酸化塩
素、亜塩素酸塩、塩素等を用いた漂白法との併用も可能
なことは容易に類推できる。
【0049】実施例3:酸素アルカリ漂白法による部分
漂白パルプの漂白(2) 実施例2と同じ酸素アルカリ漂白パルプを用い、まず、
実施例1における(ii)の酵素処理ステップを1時間行
い、その後(i )のアルカリ洗浄ステップを約1分間行
った。これらの組合わせ工程(単位工程)を更に3回、
合計4回繰り返した。比較例として、酵素処理ステップ
のみ(1回の処理時間:4時間)を4回繰り返して行っ
た。各単位工程による処理が終了する毎に、手抄きシー
トを調製し、実施例1と同様にしてその白色度を測定し
た。その結果を図1に示す。
【0050】まず、上記単位工程による処理を1回行っ
た場合の白色度を比較する。図1から明らかな様に、比
較例の場合には1回の酵素処理ステップだけでは4時間
後でもほとんど白色度が上昇しなかったのに対して、本
発明法の様に酵素処理を1時間行った後、アルカリ洗浄
処理を行えば、白色度が約7ポイント上昇することが分
かった。
【0051】また、この時のアルカリ洗浄液中の470
nmにおける吸光度を、酵素処理を行わずにアルカリ洗
浄のみを行った場合の吸光度と比較した。その結果を表
3に示す。なお、470nmにおける吸光度を測定する
ことにより、溶出したリグニンの量が分かる。
【0052】
【表3】
【0053】表3から明らかな様に、本発明法の様に酵
素処理とアルカリ洗浄処理とを併用した場合の吸光度
は、酵素処理を行わない場合に比べて非常に高かったこ
とから、本発明法によってリグニンが除去され、その結
果白色度が上昇したものと考えることができる。
【0054】図1及び表3の結果から以下の様に考える
ことができる。すなわち、本発明法の場合、酵素処理を
行っただけでは白色度が上昇する程リグニンの分解が進
まなかったものの、アルカリに対する溶解性が高まった
結果、アルカリ洗浄によってリグニンが溶出され、白色
度が上昇したと考えられる。
【0055】更に酵素処理とアルカリ洗浄処理の組合わ
せからなる単位工程を繰り返す毎に、白色度は飛躍的に
上昇し、この単位工程を4回繰り返すことにより、パル
プの白色度を最終的に約80%にまで高めることができ
た。従って、本発明の方法を用いれば、塩素系漂白剤を
用いることなく、未漂白パルプをほぼ完全に漂白するこ
とができることが分かった。また、この様にして得られ
たパルプ及び紙は塩素系漂白剤を全く用いていないの
で、安全性の高いものである。
【0056】実施例1及び2によって、未晒パルプ及び
酸素アルカリ漂白法による部分漂白パルプのいずれも同
様に部分漂白できることが分かり、実施例3によって、
酸素アルカリ漂白法による部分漂白パルプを完全に漂白
できることが分かったことから、本発明の方法のみによ
っても未漂白パルプを完全に漂白できることは容易に類
推できる。また、表3に示す様に、本発明の方法を用い
たパルプの漂白は、リグニンの除去によるものであるこ
とが確認されたので、本発明の方法を、パルプの漂白以
外の脱リグニン工程や、他の植物原料からリグニンを除
去する工程にも適用できることは明らかである。
【0057】
【発明の効果】本発明のリグニンの除去方法は上記の様
に構成されているので、以下の様な効果が得られる。 塩素系漂白剤を用いていないので、無公害で作業上の
取扱いも安全である。 リグニンを短時間に効率よく除去することができる。
本発明の方法において、単位工程を繰り返して行えば、
更にその作用を高めることができ、未晒パルプを全晒パ
ルプまで漂白することが可能になった。 リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ時のパ
ルプ濃度を高めることができること、及び上記によ
り、漂白容器の容積を現行の化学処理法と同程度に小さ
くすることができる。 リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ時のパ
ルプ濃度を高めることができるので、反応混合物(特に
酵素)の量を従来の酵素処理法の場合よりも節減するこ
とが可能になる。
【0058】従来の酸化剤及び/またはアルカリ金属
性水酸化物等を用いたリグニン除去方法と併用すること
によって、その白色度を更に高めることができる。 本発明の方法を用いれば、エネルギーや薬品を節減し
つつ、パルプ及び紙を高収率で得ることができる。この
様にして得られたパルプ及び紙等には、有機塩素系化合
物が含まれていないので安全であり、また、強度が高く
色戻りが少ないといった品質及び性能においても非常に
優れたものである。 処理廃液中に残存する水酸化ナトリウムをリサイクル
して有効利用することが可能であり、廃液処理コストの
削減、ひいては生産コストを大きく低減できる。 硫黄系化合物を用いないので、悪臭が発生する恐れが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3の白色度を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リグニンに作用する酵素を用いた処理ス
    テップとアルカリによる洗浄ステップの組合わせを単位
    工程とし、この単位工程を1回以上繰り返して行うこと
    によって植物体原料からリグニンの一部または全部を除
    去する方法であって、 各単位工程における前記リグニンに作用する酵素を用い
    た処理ステップを、下式(1)で求められる植物体原料
    の白色度の上昇を、5ポイント以下に抑えて実施するこ
    とを特徴とするリグニンの除去方法。 [白色度の上昇(ポイント)] =[リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ実施後の白色度(%)] −[リグニンに作用する酵素を用いた処理ステップ実施前の白色度(%)] (1)
  2. 【請求項2】 前記リグニンに作用する酵素を用いた処
    理ステップは、植物体原料濃度:5〜40重量%の範囲
    で行うものである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 酸化剤及び/またはアルカリ金属性水酸
    化物により、リグニンの予備的除去を予め行っておく請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
    より、パルプを漂白する方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の方法に
    より製造されたパルプ。
  6. 【請求項6】 請求項5のパルプを用いて製造された
    紙。
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