JP3261661B2 - 紙パルプの処理・漂白における酵素の使用方法及びそれを用いた装置 - Google Patents

紙パルプの処理・漂白における酵素の使用方法及びそれを用いた装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、紙パルプの処理プロ
セスに関し、特に、紙パルプの酵素処理の方法に関する
ものである。パルプと製紙産業に対する最も大きな挑戦
の一つは、漂白処理における塩素の使用を減らすことで
ある。ブラウンのパルプを白色へ変えるパルプ処理工場
の一部であるパルプ漂白プラントからの廃液には、有害
な塩素化フエノールとダイオキシンを含む多数の塩素化
有機物質が含まれている。パルプ製造ならびに製紙業界
には、これらの排出に対する厳しい規制が世界的に課せ
られている。
【0002】この発明は、紙パルプの処理に酵素を使用
し、漂白処理の効率を高める改良された方法に関するも
のである。この発明のプロセスは、従来のパルプ製造漂
白場における酵素の効果を減殺するクリティカルで、こ
れまで認識されていない問題点を解決するものである。
この発明は、これらの酵素の”明度向上”パワーと塩素
使用を控えた数倍の改善を達成したものである。
【0003】
【従来の技術】製紙プロセスの原点は木材である。木材
は主として、セルロース、ヘミセルロースならびにリグ
ニンからなる。高品質で輝く白さの紙を製紙するには、
セルロース、ヘミセルロースを傷めずに、木材パルプか
らリグニンを除去することが鍵となっている。新聞用紙
などの低品質の紙にはリグニンが残留しているが、上質
の紙を製紙するにはリグニンを完全に除去することが不
可欠である。これは、リグニンがパルプを弱めパルプに
色をつけてしまうからである。色調が明るく、高品質の
紙を作れるストロングのパルプを作る最もよく行われて
いる方法は、クラフトプロセスである。北アメリカにお
いては、例えば32.8ミリオントンのクラフトパルプ
が製紙用に毎年作られている。
【0004】従来のクラフトパルプ製造においては、ア
ルカリ液の処理によって木材から80%から90%のリ
グニンが除去できる。水洗後、処理されたマテリアルに
は、1.5%から5%のリグニン残さが含まれ、これは
ブラウンストックとして知られている。そして残りのリ
グニンは、多段階の漂白処理により除去されて明度の安
定した最終製品が得られる。
【0005】従来の漂白処理の最初の二段階において
は、ブラウンストックは塩素で処理され、ついで水酸化
ナトリウムによりパルプを抽出する。これらの塩素処理
と抽出処理によってパルプのリグニン濃度を1%以下に
減らし、これらの処理段階は「脱リグニン処理」ステー
ジとして知られている。脱リグニン処理の後、パルプに
最終的に残留するリグニンは、過酸化塩素、次亜塩素酸
ナトリウムおよびヒドロ亜硫酸塩ナトリウムのような酸
化化学品により処理される。これらの処理の段階は、最
終製品が所望の輝きをもった白いパルプであるところか
ら、「ブライトニング」ステージとして知られている。
【0006】しかし残念なことに、この塩素ベースの漂
白処理の廃液には、各種の有害な化合物、即ち有機性塩
素が含まれている。これらの化合物は主として、第1の
漂白ステージにおいての塩素とリグニンとの反応作用に
より生成される。クラフトパルプ製造段階における有機
性塩素の生成は、吸収性の有機ハロゲン化物(AOX)
とダイオキシンレベルの二つに分けられる。
【0007】AOXは、パルプ製造工場のトータルの有
機性塩素生成について比率測定できないもので、生産さ
れるパルプのトン(T)当たり概ね1.5kgから8k
gのもの、または通常の一日生産高あたり1トンから1
0トンのものである。AOXと有害性との結び付きは、
明瞭ではないが、最近の報告(Cook他の著作パルプと紙
カナダ91:8,1990年)によれば、鱒に対するL
50が廃液中50ppmAOXである。ダイオキシン
は、AOXの約1/1000による特殊な化合物であ
る。ダイオキシンは、知られている過激な有害物の一つ
であって、パルプ廃水やパルプそれ自体、さらには、コ
ーヒーフィルター、ミルクカートン、紙おむつ、筆記用
紙などの最終パルプ製品にも含まれ、また鱒や蟹などを
売る魚屋などの食料品店などでも発見されるもので、こ
のような状況においてはダイオキシンはバイオ的に見る
とパルプ廃水におけるよりも数千倍の繁殖度を示す。
【0008】パルプ工場から排出された有機性塩素の量
は、そこでの漂白処理プロセスに、特に、漂白のために
使用される塩素の量に比例する。AOX生成と使用の漂
白化学剤との関係は、次式に表される: AOX=0.12(C+H/2+D/5) (1) 上記式中、AOXの排出は、kg/Tパルプで表され、
Cは、塩素仕込み量(kg/Tパルプ);Hは、次亜塩
素酸仕込み量(活性塩素kg/Tパルプ);Dは、過酸
化塩素仕込み量(活性塩素kg/Tパルプ)をそれぞれ
表す(ゲルムガルト他”Paperi ja Puu"4:287−2
90,1983による)。
【0009】塩素使用を控える現在のパルプ漂白技術に
は、以下のものが含まれる:
【0010】1.脱リグニン処理の延長化。 この方法
は、クラフトパルプ製造プロセスを延長し、漂白処理前
のリグニン除去処理に時間をかける。軟質木系のブラウ
ンストックのリグニン含有量はこれによって4%から3
%に減り、塩素レベルとAOX排出を20%減とする。
このような脱リグニン処理の延長化は、既存のパルプ製
造工場にとっては、手が届かない極めて高価な温浸器の
追加の設置が要求される。したがってこの手段は新規建
設の工場に受け入れられるにすぎない。
【0011】2.酸素による脱リグニン処理。 酸素ガ
スを使用してCステージ前でのパルプ処理を行うことに
よって、軟質木系のブラウンストックのリグニン含有量
を4%から2%へ減らすことができ、これによってAO
X排出を50%まで減らすことができる。しかしなが
ら、酸素脱リグニン処理は20から50ミリオンドルの
莫大な投資を必要とする。
【0012】3.高過酸化塩素による代替。 Cステー
ジで塩素代替物として過酸化塩素を使用することによっ
て、AOX排出を50%まで減らすことができる。しか
しながら、過酸化塩素発生機の新規設置には10ミリオ
ンドルの莫大な投資を必要とする。そして、過酸化塩素
を塩素100%に代替させると、パルプ漂白処理のラン
ニングコストはパルプのトン当たり12ドルまたはそれ
以上のコストが付加される。
【0013】以上述べた塩素漂白の問題を回避する手段
は、いずれも莫大な費用を伴うものである。したがっ
て、この発明の主たる目的の一つは、酵素を漂白プロセ
スの一部に使用して、無駄な設備投資を行わずに、AO
Xの排出を抑えるパルプ漂白処理を行う改良されたプロ
セスを提供することにある。
【0014】酵素は、バイオロジカルな触媒であって、
分子量が12,000から200,000タ゛ルトンの蛋白質であり、全体
のプロセスの中で無駄に消費されることなく特定の化学
反応を促進する。酵素は水性媒体中大気圧下20から6
0℃のマイルドな温度で作用する。
【0015】酵素触媒は、酵素とその基質との間の中間
錯体の生成を含み、基質と特別に相互反応する酵素の領
域は、アクティブサイト(活性部位)と称される。この
サイトへの結合に基づいて、基質は酵素における特殊な
グループへ接近し、基質におけるある種の結合を不安定
なものとして、それらの結合をより化学的に反応しやす
くする。
【0016】酵素は、それらの基質の特異性と触媒効率
において通常の化学触媒と大幅に相違する。大部分の酵
素が有する天然の基質は極めて少なく、これらは驚くべ
き高収率で単一の生成物にコンバートされる。酵素のア
クティブサイトのユニークな構造によってこの特異性が
与えられ、特定の基質の好ましい結合を可能とする一
方、基質でない多数の物質の好ましくない結合を排除す
る。アクティブサイトと基質との間には、強力な吸引力
のある電子対を有しない力が存在する。そして、酵素
は、基質をアクティブサイトへ引きつける働きをするも
のと考えられ、そしてアクティブサイトにおいては、基
質の最高にユニークな構造的転換が生ずる。触媒システ
ムに対しては、水溶液中における自発の触媒作用を受け
ない反応よりも106 から1012倍の速さの反応で、高
度の特異性が維持される。
【0017】pHが酵素反応の速度に多大の影響力をも
つ。典型的には、各酵素には反応速度が最適となるpH
値が存在し、この最適値を外れれば反応速度は低下す
る。酵素反応に対するpHの影響は、種々の形の効果と
なって表れる。他の蛋白質のように、酵素は両性電解質
であり多くのイオングループを有する。酵素機能がある
種の特別のグループに依存するとすると、これらグルー
プは、ある場合においてはイオン化されない状態で存在
し、他の場合ではイオンとして存在する。ある場合にお
いては、触媒作用に反応する酵素のアクティブサイトに
あるグループは、酵素の活性度に影響するpHの効果と
蛋白質の滴定グループの既知のpH値とを比較すること
によって確認される。概ね蛋白質のような多くの酵素
が、比較的限定されたpH範囲内のみで安定である限
り、このpHはまた酵素反応に間接的に影響する。
【0018】パルプ漂白においての塩素使用を減らすた
めに、酵素を使用することは、既に知られいて、この方
法はウッドパルプのヘミセルロース部分を加水分解する
ヘミセルラーゼとして知られている酵素で、ブラウンス
トックを処理するものである。ウッドパルプのヘミセル
ロースは、多糖類を軸とする構造の二つのタイプからな
る。それは、キシランとグルコマンナンである。堅材の
ヘミセルロースの90%、軟材のヘミセルロースの50
%を形成するキシランは、アラビノシル、アセチルおよ
び他のサイドグループで置換できる。グルコマンナン
は、主として軟材に存在する。漂白に効果を発揮する酵
素には、キシラナーゼ、アラビナーゼ、マンナーゼが含
まれる(Paise 他の著作,バイオテクノロジーとバイオ
エエンジニアリング、32:235−239,1988
年;Viikari 他の著作,パルプと製紙産業におけるバイ
オテクノロジー,1986年6月16日から19日スト
ックホルムにおいて開催の第3回国際会議にて発表のも
の;1989年版プレリミナリリー・プロダクト・イン
フォーメーション,パルプザイム(商標)(Pulpzym
eTM)ノボ・エンザイム・プロセス・ディビジョン; Kan
telinen他の著作,TAPPI Proceedings pp.1-9,1988 年
6月5日から9日国際パルプ漂白会議などを参照)。即
ち、酵素は、キシラン、アラバンならびにマンナン連結
を加水分解するものである。これら酵素のそれぞれは、
特定のそして知られた化学反応、加水分解に接触作用を
及ぼすものである。それがゆえに酵素は、漂白されてい
ないパルプのヘミセルロース部分を部分的に加水分解す
ることで、リグニンの抽出度を高めるものと信じられて
いる。このことは、パルプを漂白するための塩素の使用
を大幅に減らすことが出来ること意味する。
【0019】この点に関し、ヘミセルロース、特にキシ
ランとリグニン(木材における)との間の連結について
の研究報告が1980年にエリクソン他によってウッド
・サイエンス・テクノロジー、14:267−279に
なされている。ここに示されている連結の二つのタイプ
は、リグニンとキシランのメチルグルコロン酸残渣の間
のエステル結合(Das 他、Carbon Res. 129;197-207,19
84)と、リグニンからキシランのアラビノーシル・サイ
ドグループの水酸基成分へのエーテル結合(Joseleau
他、Svensk Papperstidu,84:R123,1981 )とである。ヘ
ミセルロースの加水分解によって、これらの酵素が漂白
しようとする繊維に対する化学連鎖からリグニンを釈放
するように働くと仮説されている。
【0020】ヘミセルラーゼ酵素を作る微生物が数多く
知られている。キシラナノリティック酵素(キシラナー
ゼとアラニナーゼを含むキシラン攻撃酵素)がTrichode
rmareesei, Aspergillus awamori, Streptomyces olivo
chromgenes, およびFusariumoxysporum (Poutanen
他,J.of Biotechnology,6:49-60,1987 )。マンナナー
ゼ酵素は、とりわけTrichodermaAspergillus sp.
により作られる(Kantelinen,Kemia-Keemi 3:228-231,1
988 )。この発明は、いわゆる「酸」ヘミセルラーゼ酵
素と称されている最高の活性度がpH3から6の範囲で
ある酵素の使用に特に関するものである。
【0021】ヘミセルラーゼを使用してパルプ漂白に効
果を発揮させる点についての研究は、フィンランドのVT
T 、カナダのパルプ・アンド・ペーパー・リサーチ・イ
ンスティチュート、デンマークのノボなどにおいて行わ
れている。これらの研究においては、未漂白のパルプを
漂白剤添加前に酵素で処理する。酵素の漂白促進作用
は、酵素処理されない漂白されたパルプに対する酵素処
理されたパルプ(漂白後のもの)の輝きが増した白さに
よって知ることができる。明度は、スタンダード明度計
で測定され、ISOスケールで表現される。例えば、高
反射性の硫酸バリウムは99ISO明度をもち、上質の
筆記用紙は90ISO明度、新聞用紙は65ISO明度
をもつ。
【0022】VTTの報告によれば、 Aspergillus awa
moriとStreptomyces olivochromgenesからのヘミセルラ
ーゼによるパルプ処理によって、漂白後のパルプの明度
がISOの5ポイント分向上したとされている(Viikar
i 他の著作,パルプと製紙産業におけるバイオテクノロ
ジー,1986年6月16日から19日ストックホルム
において開催の第3回国際会議にて発表のもの; Kante
linen 他の著作,TAPPI Proceedings pp.1-9,1988 年6
月5日から9日国際パルプ漂白会議などを参照)。この
ことは、所定のISO明度に達するに必要な塩素の量を
25%減らすことに相当する。これらのヘミセルラーゼ
の両者は、キシラナーゼとして分類されていたもので、
それは、キシラナーゼが漂白作用を増強させる活性酵素
であると推定されていたからである。VTTは、また、
Aspergillus nigerTrichoderma reeseiからのキシラ
ナーゼおよびBacillus subtilis からのシラナーゼさら
Trichoderma reeseiからのアラビナーゼによる漂白が
効果的であることを示している(Kantelinen他の著作,
TAPPI Proceedings pp.1-9,1988 年6月5日から9日国
際パルプ漂白会議参照)。
【0023】PapricanにおけるPaice 他のバイオテクノ
ロジーとバイオエンジニアリング32:235−23
9,1988年の発表によると、未漂白パルプをSchizo
phyllium communeからのキシラナーゼ酵素で処理するこ
とによって、パルプ(漂白後)の明度をISO・7ポイ
ント分向上させたとされている。
【0024】これらの研究のすべては、pH5の値でパ
ルプ酵素処理を行ったもので、このpH値がこれらの酵
素の活性に最適なものであると認識されている。キシラ
ナーゼ酵素に対する最適なpH値は、この場合、キシラ
ンである、酵素の基質を隔離し、該基質を加水分解する
酵素の能力を測定することによって決定される。Ebring
erova 他の手順(Holzforschung 21:74-77,1967)を使用
して、かば材、ぶな材、からまつ材そのたの源からキシ
ランを隔離し、キシラン構造への変化をなくすように維
持した。それがゆえに、隔離されたキシランは、ウッド
パルプにおける固有のキシランに類似した構造をもつも
のである。Trichoderma reeseiのキシラナーゼがキシラ
ンを加水分解するに最適なpHは4から5である(Dekk
ar バイオテクノロジーとバイオエンジニアリング,1
2巻、1127-1146 1983年;Poutanen 他,ジャーナル・
オブ・バイオテクノロジー,6:49-60,1987)また、Aspe
rgillus awamori のキシラナーゼについては、5.0の
pHであり(Poutanen他,ジャーナル・オブ・バイオテ
クノロジー,6:49-60,1987)、Aspergillus nigerのキ
シラナーゼについては、4から5のpHであり(Conrad,
Biotechnology Lett.3:345-350,1981)、そして、Strept
omyces olivochromgenesのキシラナーゼについては、
6.0のpHである(Poutanen他,ジャーナル・オブ・
バイオテクノロジー,6:49-60,1987)。VTTとPaice
他による酵素処理のすべては、キシラナーゼ酵素が最高
に作用する範囲であるpH5で行われた。
【0025】Novo-Nordiskの記載によると、酵素製剤、
パルプザイム(商標)HAのアクティビティに対するp
H効果が述べられている。パルプザイム(商標)HA
は、該酵素製剤がendo-1,4-ヘ゛-タ-D-キシラナーセ゛ およびexo-
1,4-ヘ゛ータ-D-キシラナーセ゛のアクティビティ及びセルラーゼの
アクティビティのある量を有するTrichoderma reesei
セレクトされた菌株から誘導されたキシラナーゼ製剤で
ある。パルプザイム(商標)HAは、ノボの記載による
と、pH3.8、温度30℃、20分培養の標準的な条
件で、酵素の量として定められた一つのキシラナーゼ・
ユニット(XYU)で500 XYU/g に標定され、からまつ
材キシランを分解して、1μmol キシローゼに相当する
還元力で炭水化物を還元すると記載されている。さらに
パルプザイム(商標)HAは、約300 EGU/g を含むもの
で、そこでは一つのendo-glucanaseunit (EGU) (エン
ド−グルカナーゼ・ユニット)が酵素の量で、この酵素
の量は、pH6.0、40℃、30分培養の標準的な条
件で、カルボキシルメチル・セルロース溶液の粘度を1
EGU を定める酵素スタンダードと同じレベルに低下させ
る。ノボのパルプザイム(商標)HAのパフォーマンス
に最適のpHは、4から5であり、7でのアクティビテ
ィは、最高のアティビティの40%に低下する。クラフ
トのブラウンストックは通常pHが9を越えるので、キ
シラナーゼ処理にはパルプのpHを5から6に調節する
ように製造元のノボは示唆している。
【0026】パルプザイム(商標)HAはキシラナーゼ
アクティビティに加え、セルロースを退化させる多量の
アクティビティを有している。このセルラーゼ酵素は、
パルプ強度のようなパルプ品質に極めて好ましくない影
響力をもつ。しかしながら図1に示すように、パルプザ
イム(商標)HAのこの問題は、pHが5.5から6.
5へ増えるにつれるにつれ、キシラナーゼのポテンシー
がセルラーゼに関連して増加することを認識することに
より、僅かではあるが改善することができる。したがっ
てノボの示唆によると、pH6.5のような選定された
処理条件により、セルラーゼの好ましくない作用を減少
することができる。しかしながら、高められたpHにお
ける操作は、キシラナーゼの輝度増強力を低下させる犠
牲が伴う。ノボの教示によると、この折衷案であるpH
6.5レベルは、越えてはならない上限であり、pHが
7−8を越えると、酵素は、急速に不活性なものとなる
からである(1989年の予備製品情報、パルプザイム
(商標)・ノボ・エンザイム・プロセス・ディビジョ
ン、1989、3頁)。
【0027】この発明においては、高度の明度向上活性
を、ノボによれば酵素を不活性にするとされているpH
値で得ることができる。さらに、この発明の好ましい実
施例においては、この発明はパルプザイム(商標)HA
がセルラーゼを汚染する汚染度よりも遥かに低いセルラ
ーゼ低汚染度の酵素剤を使用するものである。したがっ
て、セルラーゼ汚染に関するノボの教示は、この実施例
と関係がない。
【0028】ノボその他の研究により教示されているp
Hが5.0付近のキシラナーゼによる漂白度を増すため
のpHの最適条件は、よく水洗されたクラフトブラウン
ストックを使用した本出願人の試験により確認されてい
る。図2(実験4からの)は、Trichoderma キシラナー
ゼの明度向上効果を、ノボの教示によるアクティビティ
プロフィールと比較するものである。予測されるように
パルプのpHが増加するにつれ、パルプを白く輝かせる
キシラナーゼのパフォーマンスは著しく低下し、pHが
7.0を越えると最高明度向上力の40%以下に低下す
る。
【0029】漂白時にセルラーゼアクティビティの汚染
が実質的に無い酵素製剤を使用する従来の教示はある重
大なポイントに於いて絶対的に明白である。それらは反
応時のpHは5から6の範囲であるべきであると教示
し、好ましくはできるだけその酵素の加水分解の最適p
Hに近い方がよいとの事である。
【0030】Novo Nordiskによる研究所でテストされま
た図2に示されている様によく水洗されたブラウンスト
ックで行われているのに対し、ほとんどの商業的な製造
工場のブラウンストックはよくは水洗されていないもの
である。実際の操業されているパルプ製造工場はコスト
と水洗の有益性との間のどこかで妥協しなければならな
い。その結果、操業されている製造工場のパルプ漂白場
に送られてくるパルプ中の残さクラフト黒色リカーが重
大なレベルであることに、誰かが気付くことが典型的に
予想される。水洗の度合いはパルプ中の残存ソーダを測
定することによって通常評価されている。我々の研究所
で使用されているよく水洗されたブラウンストックのサ
ンプルは残存ソーダレベルが1kg/トン以下であるの
に対して、通常の操業製造工場この10倍も高い残存ソ
ーダレベルであることがしばしばある。
【0031】驚くべきことではないが、残存黒色リカー
はキシラナーゼ酵素の反応に対して有害である。本発明
者等は例えば、7.5ISOポイントの明度向上ピーク
を得るのに使われる従来の処理条件では、操業されてい
るクラフト製造工場の最後の水洗ステージから直接得ら
れるブラウンストックで、それは不完全な水洗状態であ
り、それを適用した時には、僅かに1から2ISOポイ
ントしか向上しない。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明は紙パルプを処理
する方法に関し、さらにはクラフトパルプの漂白を向上
させるヘミセルラーゼ酵素での紙パルプの処理の改良さ
れた方法に関連する。本発明はクラフトブラウンストッ
クをヘミセルラーゼ酵素で処理しそしてそれから従来の
漂白順序を用いてそのブラウンストックを漂白する手段
を含んでなるものである。
【0033】本発明の第一の目的はパルプ漂白の酵素処
理におけるクラフト黒色リカーの有害な効果を解決する
手段を提供することである。本発明はほとんど完全にこ
れらの有害な効果を取り除く方法とそれに関連する装置
を教示し、それは他の点では明度向上力を80%にしか
減少させない。本発明者等は、不完全にあるいは部分的
にしか水洗されていないブラウンストックの脱リグニン
処理が、最適活性pHが6.0より低いヘミセルラーゼ
酵素で予想されるよりも高いpHで効果的に行えること
を発見し、それにより最適pHを下げるためのブラウン
ストックへの酸の過剰な添加量の必要性を無くした。発
明者等は更に、セルラーゼアクティビティの汚染が実質
的になく加水分解最適pHが6.0より低い酵素製剤が
明度向上において特に有効であることを発見した。
【0034】また本発明者等は、全ての予想に反し、完
全に水洗されておらずまた残存希黒色リカーを含む(そ
れはソーダ>1Kg/トンに連係)クラフトブラウンス
トックにおいて、その希黒色リカーが高pHでのキシラ
ナーゼ酵素のパフォーマンスを向上することを発見し
た。これは通常の酵素処理に対する操作の好ましい条件
でのものとは完全に反対の事である。実際に、ほとんど
完全にまた思いがけなく、酵素のパフォーマンスの最適
レベルより低い従来知られている上昇pHのネガティブ
な効果をキャンセルすることは、強度の反対の衝撃であ
る。
【0035】その結果として、酵素処理に対する好まし
いpH値は、加水分解に対する酵素の最適pHよりも極
めて高いものである。事実、好ましい最適値は、速やか
な酵素の不活性化に導くと通常信じられていた範囲であ
る。本発明者等は、例えばTrichoderma キシラーゼを用
いた漂白結果が、酵素アクティビティに対する推定最適
値でまた従来使われていたpHレベルの5.0よりも、
ノボによって酵素が速やかにまた完全に不活性化される
と言われている範囲のpH7.0で3倍も良いものであ
ることを見出した。
【0036】黒色リカーを含む系において酵素がその最
適pHよりも極めて高いpHでよりよく作用することは
大変驚くべきことである。またさらに、黒色リカーは最
適pHに於いて酵素作用を阻害するのにたいし、より高
いpHに於いてはそれが酵素のパフォーマンスを高める
ことはより驚くべきことである。我々の知識では、この
結果は全く予想されずまた他のどのような酵素システム
でもこれらの特性を示すものはない。我々は単にいくつ
かの複雑な要因がこの効果を引起こすのに一緒に働いて
いるとしか推測することが出来ない。例えば、高pHレ
ベルでは、黒色リカーの組成物は酵素を安定し基質の特
性を修飾し、それによってより攻撃しやすくしているの
かもしれない。更に、pHに於ける変化は、黒色リカー
に於けるいくつかの酸置換基上のあるいはpKaが5か
ら7のキシラン基質上の電荷に影響を及ぼすことによっ
て、この工程を変化させているのかもしれないと推測す
ることも出来る。
【0037】本発明者等はさらに、以前は酵素作用に有
害であると推測されていた希釈あるいは弱黒色リカー
が、バッファー溶液として使用出来、ブラウンストック
に酸や酵素と共に同時に添加混合できることを発見し
た。これによって、最適のヘミセルラーゼアクティビテ
ィを許すと同時に、処理のこのステージ於ける過剰のバ
ッファー溶液の必要がなくなった。
【0038】本発明のさらなる目的は、それゆえ酸ヘミ
セルラーゼを使用する改良された手段を得ることであ
り、それは加水分解最適pHが6.0より低いTrichode
rma キシラナーゼの様な酵素である。これらの酵素は典
型的な商業クラフトパルプ製造工場の不完全水洗のブラ
ウンストックにはうまく作用しないと以前には見出され
ている。もう一つ別の目的は、希釈クラフト黒色リカー
の存在下で観測された酵素アクティビティの阻害を解消
することである。
【0039】本発明は、色度の点で明るい強化パルプを
製造するために酵素の「明度向上」パワーを3から4倍
改良することが可能である。それゆえ、本発明の更にも
う一つの目的は新規な酵素処理工程の漂白パルプを使用
する製紙の改良方法で改良された処理をなす装置を含む
ものを提供することである。
【0040】好ましい実施態様の記載 ここにおいて考慮されているブラウンストックは少なく
とも部分的に水洗されていると同時に、本発明では特に
不完全に水洗されたパルプ、例えば残存ソーダレベルが
1Kg/トンあるいはそれ以上まだ残っているようなパ
ルプを処理するための有効な手段を提供するものであ
る。好ましくは不完全に水洗されたパルプは残存ソーダ
をパルプ1トン当たり1から50Kgの間でパルプ中に
有している。
【0041】効果的な酵素処理に対して、パルプのpH
は酵素を添加する前あるいはだいたいそれと同時に酸あ
るいはバッファー溶液をブラウンストックスラリー中に
添加することによって、少なくとも9.0より下に減ぜ
られる。添加される酸/バッファー溶液はパルプスラリ
ーがおおよそ6.5から8.5に安定させるようなpH
になるよう選ばれる。酵素処理は好ましくは少なくとも
30分間持続される。
【0042】図3によれば、漂白されたクラフトパルプ
を製造する典型的な工程は以下の様に操作される。木材
チップが陸揚げされ、それから水酸化ナトリウムと硫化
ナトリウムの濃縮溶液中でそれらが炊かれる温浸器中に
供給される。クラフトパルピングとして知られているこ
の処理の目的は、木材チップを別個の繊維に分離し、そ
して実質的に木材のリグニン部分を分解することであ
る。炊くことが完結した後、繊維、分解されたリグニン
及びパルピングの化学品のスラリーは温浸器からブロー
タンクへと送られる。節と不完全にたかれたチップはノ
ッターと呼ばれる特別な装置中でパルプスラリーから取
り除かれる。この時点で、繊維は分解されたリグニンと
パルピングの化学品の希釈あるいは弱黒色リカーと呼ば
れる溶液中にある。次の単位の操作に於いて、一連の回
転ドラムフィルターが、繊維から弱黒色リカーのバルク
を洗浄除去するために用いられる。一部洗浄された繊維
あるいはブラウンストックはそれから高密度ブラウンス
トックタンクに貯蔵され、スクリーンされ、再度水洗さ
れ、そしてそれから漂白の前に待機するための貯蔵タン
クにポンプで運ばれる。
【0043】漂白工程は1から13ステージを含んでな
るものである。特異的な工程は塩素処理ステージ(C
D )を含む図3に於いて記述されており、それはリグニ
ンの芳香環上への置換および付加反応をとおして残存リ
グニンのほとんどを溶解可能とする塩素(Cl2 )およ
び過酸化塩素(ClO2 )の組合わせを使用している。
塩素処理されたパルプはアルカリ抽出ステージ(E)に
入る前に水洗される。酸性塩素処理ステージ中では溶解
されずしかしアルカリ媒体中では速やかに分解する残存
反応生成物を除去するために、水酸化ナトリウムがパル
プに添加される。抽出されたパルプはそれから残存腐食
剤を除去するために水で洗浄される。CおよびEの漂白
ステージはパルプ中のリグニン含量を0.5%以下に減
ずる。しかしその脱リグニン処理されたパルプは、まだ
許容され得る「明度」に到達するためにさらなる処理が
必要である、許容されない程度の鈍い黄褐色を有してい
る。
【0044】最終的なパルプのブライトニングのための
図3に概略化されて記載されている処理は、過酸化塩素
(D)処理ステージを含み、水洗及びもう一つの水酸化
ナトリウム処理(E)によって続きそして最終的に最後
の過酸化塩素(D)ステージとなる。全体の漂白工程は
D EDED配列で記述される。
【0045】本発明の工程に於いては酸あるいはバッフ
ァー溶液はブラウンストックの最初の水洗ステージより
後であり、最後のブラウンストックの貯蔵タンクの前に
ブラウンストックに添加される。これはブラウンストッ
クスラリーのpHを9.0以下に減ずるようにするもの
である。ヘミセルロース酵素製剤は酸/バッファーの添
加とおおよそ同時あるいはいくらか後にブラウンストッ
クスラリーに添加される。ブラウンストックスラリーは
例えば混合ポンプの様なもので酵素が均一な分布となる
よう混合され、それから貯蔵タンクにあるいは少なくと
も15分間インラインに保持される。好ましくは少なく
とも1時間である。添加される酸/バッファー溶液は酵
素処理がおおよそ6.5から8.5でなされるようにパ
ルプスラリーが安定化するようなpHレベルになるよう
選ばれる。
【0046】ブラウンストックは軟材あるいは堅材であ
ってもよく、そして残存ソーダレベルが1から50Kg
/トンの間であることが好ましい。パルプカッパナンバ
ーの好ましい範囲は軟材で20から40、堅材で10か
ら20の間であるが、本発明の処理工程はより低いカッ
パナンバーの酸素脱リグニン処理パルプに対して適用す
ることが可能である。
【0047】添加される酵素は、加水分解に最適なpH
が3.0から6.0の間の値を有するヘミセルロース分
解酵素群からのものでよい。それらは以下のものが含ま
れるが、これには限定されない:キシラナーゼ、エンド
−キシラナーゼ、ベータ−キシロシダーセ、マンナー
ゼ、アラビナーゼ。本発明では好ましくは、キシラナー
ゼあるいは加水分解に最適なpHが6.0以下の値を有
し実質的にセルラーゼアクティビティの汚染にフリーで
ある他のヘミセルロース分解酵素の使用が上げられる。
この好ましい実施態様に於いて本発明は、パルプに添加
されるセルラーゼアクティビティの総量が、IEA標準
フィルター紙分析(例2参照)を使用してパルプ1トン
当たりのセルラーゼが10,000フィルター紙単位
(FPU )未満であるような酵素製剤に関するものであ
る。この特色はパルプザイム(商標)HAと対比され、
ここにおいて推奨される0.17%適用量(予備製品情
報、パルプザイム(商標)・ノボ・エンザイム・プロセ
ス・ディビジョン、1989、第1ページに記載されて
いる)は約70,000FPU /トンの添加に帰着してい
る。セルラーゼおよびキシラナーゼアクティビティの測
定は例1及び2に記載されている。
【0048】pH調整に使用される酸は硫酸、亜硫酸、
塩酸、リン酸あるいはたのどの様な適した酸を使用する
ことが出来る。これらの酸は、極度なpH値を除外する
ようにバッファー化されていてもよい。酸/バッファー
溶液がブラウンストックスラリーに添加される時、それ
はpHを9.0より下に減ずるべきである。いくつかの
例に於いて、パルプスラリーが大変濃厚になり、パルプ
中の自由液体のpHを安定化させるのに60分もかかっ
てしまう。酸/バッファー溶液のブラウンストックへの
添加する量は、そのパルプスラリーが安定するpHレベ
ルが6.0から9.0の間、更に好ましくは6.5から
8.5の間になるように選ばれる。pHは、その対象基
質を加水分解する時に酵素に対して最適なpHよりも少
なくとも1ポイント高いものであるべきである。本発明
の一実施態様に於いて、処理は細菌Trichoderma reesei
によって造られるキシラナーゼ酵素製剤を使用して成し
遂げられる。T. reesei はまたセルラーゼおよびヘミセ
ルラーゼ酵素の群を製造する。本発明の実施にあたって
は、考慮されている酵素製剤のセルラーゼ含有量は、セ
ルラーゼアクティビティ約10,000FPU 未満がパル
プ1トン当たりに添加されるよう(例1及び2参照)、
更に好ましくは約2,000FPU あるいはパルプ1トン
当たり500FPU までとなるように、とても低くされる
ことが好ましい。対照的に、ノボ社の製品のパルプザイ
ム(商標)HAはこの実施例には不適なほど高いセルラ
ーゼ含有量である。
【0049】本発明のさらなる実施態様に於いては、図
3に概要が記載されているようなフローシートで製造工
場に適用されているように、硫酸がブラウンストックデ
ッカーから落ちるようにパルプ上に噴霧されてもよい。
酸の量はブラウンストックスラリーがだいたい7.0の
安定化するよう選ばれる。パルプ上に酸が噴霧された
後、T. reesei によって造られたキシラナーゼ酵素が、
ミキシングポンプに入り最後の主たるブラウンストック
貯蔵タンクに輸送されるより前に、ブラウンストックに
添加される。パルプはこのブラウンストックタンク内で
好ましくは1時間以上滞留時間を過ごす。
【0050】本発明のさらなる実施態様は、図3に概要
が記載されているようなフローシートで製造工場に適用
されているように、これまでは酵素に対し有害であると
信じられていた弱黒色リカー溶液のいくらかが再利用さ
れることで、それを硫酸溶液との組合わせでブラウンス
トックデッカーから落ちるようにパルプ上に噴霧するこ
とである。酸の量はブラウンストックスラリーがだいた
い7.0の安定化するよう選ばれる。パルプ上に弱黒色
リカーが噴霧された後、T. reesei によって造られたキ
シラナーゼ酵素が、ミキシングポンプに入り最後の主た
るブラウンストック貯蔵タンクに輸送されるより前に、
ブラウンストックに添加される。その代わりに、酵素は
弱黒色リカーと硫酸とともにパルプ上に噴霧する際に含
まれていてもよい。硫酸の量はブラウンストックスラリ
ーが6.0と9.0の間で安定化するよう調整するため
のフィードバック制御技術を使って選ばれる。パルプは
このブラウンストックタンク内で好ましくは1時間以上
滞留時間を過ごす。
【0051】
【実施例】
・例1:キシラナーゼアクティビティ 2種のキシラナーゼ酵素サンプル、ノボ・パルプザイム
(商標)HAとアイオゲン・コーポレイション製のキシ
ラナーゼ製剤のキシラナーゼアクティビティが以下の様
に測定された。キシラン基質は以下の方法でシグマケミ
カルCO. (カタログX0627 )からのオーツスペルト小麦
キシランを使用して造られた。2gのキシラン水性懸濁
液が脱イオン水100ml中で50℃一時間の攪拌で調整
された。懸濁液は減圧濾過され、フィルター固形物は脱
イオン水100mlで全ての可溶性キシランを除去するた
めに洗浄された。不溶性のものを再度脱イオン水70ml
中で懸濁させ柔和な攪拌で均一にした。懸濁液の固形物
の含有量が1%となるよう、クエン酸バッファーでさら
なる希釈がなされた。
【0052】キシラン懸濁液0.5mlのサンプルがそれ
から50℃に加熱され、クエン酸バッファー0.5mlに
希釈され50℃の様々な量の酵素が混合され、その後3
0分間保持された。
【0053】反応はそれからNa2 HPO2 10g/l と
NaOH7.5g/l を含む溶液0.5mlを添加して停止
された。その後のサンプルは不溶性の基質を除去するた
めに遠心分離され、そしてDNS法を使用する反応で放
出される還元糖(キシロースとして)の総量を試験され
た。酵素のアクティビティは試験に於いてキシラナーゼ
0.50mgを造り出すのに必要な酵素の量を元に計算
された。
【0054】
【表1】
【0055】・例2:セルラーゼアクティビティの測定 2つの酵素サンプル、ノボ・パルプザイム(商標)HA
と、ノボ製剤に対し通常の酵素特性を有しているがせる
らーぜ含有量が減少された出願人によって調整されアイ
オゲン・コーポレイションから入手可能なキシラナーゼ
製剤が、IEA標準フィルター紙分析(Ghose, Pure &
Appl. Chem.,59:257-168,1987)によって測定された。
アクティビティは分析に於いてグルコース2.0mg製
造するのに必要な酵素のμlを決定することによって計
算された。例1及び2に於いて示された結果から、出願
人のアイオゲンキシラナーゼ製剤に対する相対的なセル
ラーゼ及びキシラナーゼアクティビティは15.21I
U/ml :1370XU/ml=1.11%である。パルプ
ザイム(商標)HAに対する相対的なセルラーゼアクテ
ィビティは39.9IU/ml :650XU/ml =6.1
3%である。パルプ1トン当たりの添加されるセルラー
ゼアクティビティは、以下の表2に示されるように、酵
素製剤の相対的セルラーゼアクティビティを元に計算さ
れる。
【0056】
【表2】
【0057】・例3:キシラナーゼ酵素の位置測定 キシラナーゼが等電位フォーカシング(IEF)ゲルに
よって同定された(図4)。アイオゲンキシラナーゼ製
剤とパルプザイム(商標)HAの蛋白質組成がIEFに
よって検査され、それは蛋白質の等電点を決定する(蛋
白質が中性の変化であるpH)。キシラナーゼは等電点
(pI)9.2に対応した帯域に集束した。セルラーゼ
酵素はより低いpIレベルに対応した位置のゲル上に見
出された。
【0058】・例4:パルプのpHの測定及び調整 操作しているクラフト製造工場から直接取ってきた未漂
白のクラフトブラウンストックのpHが硫酸を添加して
調整された。未漂白クラフトブラウンストックは典型的
には8から14%の濃度で固形物を有するスラリーであ
る。これらのスラリーは、通常の方法(例えばpHプロ
ーブを直接挿入する等)によるpH測定をするには大変
濃厚であり、重大な過ちを起こしやすい。これらの問題
を避けるために、リカーがパルプのサンプルから絞り出
され、このリカーのpHが測定される。パルプサンプル
は手動で絞られ、少なくともパルプサンプル中のリカー
ノ1/3がpHの測定の為に分離された。硫酸などの添
加前にpHは10.9であった。
【0059】パルプのpH調整はパルプ繊維中での遅い
物質移動の付け加えられた困難さを有し、それが酸がパ
ルプ中に添加された後の等価pHの到達を遅らせる。酸
がパルプ中によく分散されることも重要である。ブラウ
ンストックのpHは、パルプから液体を絞り出し、それ
から酸(1から10%の濃度)をその液体に添加し、そ
してそれから酸性化されたリカーを1,2分間手動でス
ラリーを絞ることによってパルプと再度混合することに
よって調整された。酸性化されたパルプはそれから平静
な状態でおかれる。酸性化後、ある時間おかれたパルプ
のpHの典型的な測定結果が表3に示されている。繊維
中への酸の拡散に対する限定された時間の為にpHは時
間と共に上昇する。
【0060】
【表3】
【0061】等価pHにはおおよそ90分後に到達す
る。その後のテストに於いては、酸がちょうど添加され
たパルプ同様によく静置されそのpHが平衡に達したパ
ルプが使用された。酵素反応に対する適切なpHはパル
プが平衡に達するpHになるように現れていることがわ
かった。これは本発明に対し適切なpHでそして以下の
例に関するpHである。
【0062】・例5:酵素処理によるよく水洗されたパ
ルプの漂白の向上 未漂白の軟材クラフトブラウンストックが北カナダのパ
ルプ工場から得られた。パルプカッパナンバーは30.
2(それはリグニン4.3%含有)で、そして総ソーダ
レベルは32kg/Tであった。8.4%の濃度で固形
物を有する150gのパルプサンプル(乾燥を基礎に
し)が50℃の脱イオン水10Lで水洗された。スラリ
ーはそれから固形物25%の濃度まで減圧濾過された。
濾液は捨てられ、パルプの固形物が10Lの水に再懸濁
され、全体で4回濾過される。この手順がソーダレベル
0.5kg/Tの「よく水洗された」パルプをうみだ
す。
【0063】よく水洗されたパルプ17g(乾燥を基礎
にし)のアリコットが固形物8%濃度になるよう脱イオ
ン水中に懸濁された。pHは例4に記載された手順で、
硫酸0.3から2mlで5から8.7の間の様々な値に平
衡化され調整された。パルプはプラスチックバッグに置
かれ50℃に加熱された。例1及び2に記載されたアク
ティビティを有するアイオゲンキシラナーゼ酵素はそれ
からパルプに添加された。この場合、酵素12μlがパ
ルプサンプル17g各々に添加された。酵素は2分間手
動でパルプ中に混合されそれからパルプは50℃で16
時間静置された。酵素処理を受けなかったパルプが酵素
の添加を除く同じ手順で処理された。
【0064】酵素処理後、各々のパルプサンプルは3.
6Lの氷冷水で水洗された。パルプはその後通常のCD
ED漂白配列に従い処理され、それはルードラ・ピー・
シンによってパルプの漂白、TAPPIプレス、チャプ
ター3,4,6に詳細に記載されている。塩素化は40
℃1時間2.5%の濃度でなされた。活性塩素の使用は
パルプ上に6%で、その90%が塩素で、10%が過酸
化塩素であった。抽出ステージは80℃1時間10%の
濃度でなされた。苛性値がパルプ上で3.6%であっ
た。過酸化塩素のステージは80℃2時間10%の濃度
でなされた。過酸化塩素の使用はパルプ上で0.8%で
あった。パルプは完全にステージ間で水洗される。漂白
されたパルプはハンドシートに形成され、明度がISO
スケールに調整されたエルレフォ装置によって測定され
た。酵素処理の無い場合には漂白されたパルプは71I
SO明度であった。
【0065】未処理の対照サンプルに対する酵素処理に
よる向上した明度の度合いが図2及び表4に示されてい
る。期待されたように、酵素処理の最も大きな効果はp
H5(8ISOポイント)で生じ、漂白効果はpHが増
加するに従い減少した。図2はpHの関数としてのキシ
ラナーゼ過水分解活性におけるキシラナーゼ漂白能とノ
ボ・パルプザイム(商標)の間の期待された一致を示し
ている。
【0066】
【表4】
【0067】・例6:酵素処理に於ける黒色リカーの有
害な効果 例5に記載された未漂白クラフトブラウンストックが、
工場から受け取られたので、アイオゲンキシラナーゼ製
剤で処理された(例2に記述されている)。手順は最初
の多ステージに渡る水での洗浄が省かれたことを除いて
は例5に記載されている。パルプは1N硫酸6mlでp
H5に平衡になるよう調整された。酵素処理およびCD
ED漂白が例5の様になされた。
【0068】結果は表5に示されている。よく水洗され
たパルプのpH5に酵素処理した8ISOポイントに比
較して、酵素は漂白されたパルプの明度を3ISOポイ
ント向上した。この結果は驚くべきことではない。なぜ
ならば黒色リカーは酵素のアクティビティに対し有害に
作用すると予想される多くの芳香族及び硫黄化合物を含
有しているからである。
【0069】
【表5】
【0070】・例7:パルプの酵素処理における黒色リ
カーの有益な効果 いくつかのブラウンストックのサンプルが酵素処理前に
硫酸でpH5から8.2の平衡値となるよう調整された
以外は例6の手順で処理がなされた。一連の酵素処理と
漂白は例6に記載されたようになされた。
【0071】結果は図5と表6に示された。驚くべきこ
とに、酵素処理の有益さはpHは上昇するに従い増加し
ている。だいたいpH6.4より上で酵素はいくらか黒
色リカーを含むパルプに対しての方がよく水洗されたパ
ルプに対してよりもより効果的である。これは黒色リカ
ーを含むパルプに対する平衡化されたpH値が上昇した
ので漂白向上度が増加し、それに対しよく水洗されたパ
ルプに対してはpHが塩基性に向い上昇する時に対応し
て漂白向上度は減少した。
【0072】
【表6】
【0073】・例8:パルプの酵素処理における黒色リ
カーの有益な効果 硫酸の添加の後に速やかにパルプが酵素で処理された以
外は例7の手順で処理がなされた。添加された硫酸の量
は5.8から7.9の間のpH平衡状態となるのに十分
な量であった。一連の漂白が例5に記載されたようにな
された。
【0074】結果は表7に記載されている。パルプのp
Hは酸の添加後2時間で約1単位増加し、その後安定し
た値を維持する。この平衡値のpHの関数としての漂白
向上度は、パルプが酵素処理前に平衡となった時の例7
で得られたのものと同様である。これは平衡のpHが酵
素の効果を特徴ずけることを示すものである。
【0075】
【表7】
【0076】本発明はその特異な実施態様に関して記載
されていると同時に、さらなる修飾の適用が可能であり
またこの適用はどの様な本発明の変化、使用あるいは適
用をもカバーするものであり、それは一般的に本発明の
原理および本発明に関係する技術における知られている
あるいは習慣上の実施の範囲内で現れる本発明の開示か
らのその様な発展を含み、そしてここに表わされている
本質的な特徴に適用されそしてそれは本発明の観点を外
れないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、pHの関数としてキシラナーゼとセル
ラーゼのパーセント相対アクティビティを示す従来技術
のグラフ図である。
【図2】図2は、例4からのデータを示すグラフ図で、
Trichodermaキシラーゼの漂白向上度合いのノボによっ
て教示される活性の特徴を比較したものである。
【図3】図3は、典型的な漂白処理工程のステップを示
す概略図である。
【図4】図4は、ノボ・パルプザイム(商標)とアイオ
ゲン・コーポレイションのキシラナーゼ製剤を等電位フ
ォーカシングゲル上で比較したグラフ図である。
【図5】図5は例7で得られた結果を示すグラフ図で、
黒色リカーを含むパルプとよく洗浄されたパルプにおけ
るpH5.0から8.0の範囲での漂白向上度アクティ
ビティを比較したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−264087(JP,A) 特開 平2−293486(JP,A) 特開 昭63−145495(JP,A) 特開 平3−88801(JP,A) 特開 平2−221482(JP,A) 特開 昭56−148507(JP,A) 特公 昭43−8964(JP,B1) 特表 平2−500990(JP,A) 国際公開91/2840(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 1/00 - 11/14 D21B 1/00 - 1/38

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプトン当たり1Kgソーダ以上の不
    完全水洗ブラウンストックを製造する標準パルプ工程か
    ら得られる木材パルプの漂白性を改善する方法におい
    て、 ブラウンストックに添加されるセルラーゼの総量がパル
    プトン当たり約10,000FPUより大きくならない
    ように、ヘミセルラーゼ酵素製剤で前記ブラウンストッ
    クを約7.0から9.0のpH範囲内で処理する工程で
    あって、前記ヘミセルラーゼ酵素製剤が、精製キシラン
    基質に対する活性によって測定された6未満のヘミセル
    ラーゼ活性に最適なpH、およびIEA標準濾紙アッセ
    イによって測定された低セルラーゼ活性の双方を有し、
    且つ前記ヘミセルラーゼ酵素製剤が、基本的にトリコデ
    ルマ(Tricoderma)微生物から製造されたキシラナーゼか
    らなり、これにより前記ブラウンストックが、前記最適
    なpHで前記ヘミセルラーゼ酵素により処理される前記
    ブラウンストックと比較して、増加された漂白性を呈す
    る処理工程を備えることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記酵素製剤は、パルプトン当たり約
    2,000FPU以下のセルラーゼが添加された低セル
    ラーゼ含有量を有する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記酵素製剤は、パルプトン当たり約5
    00FPU以下のセルラーゼが添加された低セルラーゼ
    含有量を有する請求項1の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1の方法で製造された木材パルプ
    を選択し、そのパルプを使用して紙を製造することを特
    徴とする製紙方法。
  5. 【請求項5】 木材パルプを処理する方法であって、 (a)パルプトン当たり1Kg以上の残留ソーダ含有量
    を有する不完全水洗パルプの繊維スラリーを造るように
    パルピングリカー中で木材を脱リグニン処理する工程
    と、 (b)pHを約7.0から9.0の間で安定化するため
    に、繊維スラリーパルプに酸あるいは塩基を添加する工
    程と、 (c)ブラウンストックに添加されるセルラーゼの総量
    がパルプトン当たり約10,000FPUより大きくな
    らないように、ヘミセルラーゼ酵素製剤で前記パルプを
    処理する工程であって、前記ヘミセルラーゼ酵素製剤
    が、精製キシラン基質に対する活性によって測定された
    6未満のヘミセルラーゼ活性に最適なpH、およびIE
    A標準濾紙アッセイによって測定された低セルラーゼ活
    性の双方を有し、且つ前記ヘミセルラーゼ酵素製剤が、
    基本的にトリコデルマ(Tricoderma)微生物から製造され
    たキシラナーゼからなり、これにより前記ブラウンスト
    ックが、前記最適なpHで前記ヘミセルラーゼ酵素によ
    り処理される前記ブラウンストックと比較して、増加さ
    れた漂白性を呈する処理工程と、 (d)前記パルプと酵素の混合物を少なくとも15分間
    インキュベートする工程と、 (e)前記パルプを漂白する工程とを備えることを特徴
    とする方法。
  6. 【請求項6】 工程(a)は、繊維スラリーを製造する
    ために、木材チップをパルピングリカー中で炊く工程を
    含む請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 前記炊く工程の後に、酸素脱リグニン処
    理が行われる請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 前記脱リグニン工程は、クラフト処理に
    よるものである請求項5の方法。
  9. 【請求項9】 前記酵素製剤は、パルプトン当たり約
    2,000FPU以下のセルラーゼが添加された低セル
    ラーゼ含有量を有する請求項5の方法。
  10. 【請求項10】 前記酵素製剤は、パルプトン当たり約
    500FPU以下のセルラーゼが添加された低セルラー
    ゼ含有量を有する請求項5の方法。
  11. 【請求項11】 繊維スラリーパルプのpHは、約7.
    0から8.5の間で安定化される請求項5の方法。
  12. 【請求項12】 弱黒色リカーが酸または塩基と混合さ
    れ、脱リグニン処理された木材にステップ(b)で添加
    される請求項5の方法。
  13. 【請求項13】 ステップ(b)は、酵素の添加とほぼ
    同時に行われる請求項12の方法。
  14. 【請求項14】 前記パルプは、塩素、二酸化塩素、次
    亜塩素酸塩、オゾン、酸素、過酸化水素、ハイドロサル
    ファイトおよび亜硫酸ナトリウムからなる群から選択さ
    れた漂白剤で漂白される請求項5の方法。
  15. 【請求項15】 請求項5の方法で製造された木材パル
    プを選択し、そのパルプを使用して紙を製造することを
    特徴とする製紙方法。
  16. 【請求項16】 パルプトン当たり1Kgソーダ以上の
    不完全水洗、脱リグニン化パルプの繊維スラリーのpH
    を紙パルプ処理工程で調整する装置であって、 (i)繊維スラリーのpHを約6.5から9.0の間に
    調整するための酸または塩基;(ii)十分に低いセルラ
    ーゼ含有量を有するヘミセルラーゼ酵素製剤であって、
    混合物に対し添加される量が繊維スラリー中のパルプト
    ン当たり約10,000FPU以下であるヘミセルラー
    ゼ酵素製剤;および(iii)弱黒色リカーを、混合物と
    して混ぜ合わせる手段と、 繊維スラリーを漂白する前に前記混合物で処理する手段
    とを備えることを特徴とする装置。
  17. 【請求項17】 木材パルプを処理するための装置であ
    って、 (a)パルプトン当たり1Kg以上の残留ソーダ含有量
    を有する不完全水洗パルプの繊維スラリーを造るように
    パルピングリカー中で木材を脱リグニン処理する手段
    と、 (b)(i)繊維スラリーのpHを約6.5から9.0
    の間に調整するための酸または塩基;(ii)約6.0未
    満の最適なpHを有するヘミセルラーゼ酵素製剤;およ
    び(iii)弱リカーを、混合物として混ぜ合わせる手段
    と、 (c)前記繊維スラリーを前記混合物で処理する手段
    と、 (d)前記パルプ混合物をインキュベートする手段と、 (e)前記パルプを漂白する手段とを備えることを特徴
    とする装置。
  18. 【請求項18】 混合物として混ぜ合わせる手段は、
    (i)酸または塩基と(ii)弱黒色リカーの開始混合物
    を形成し、続いて前記開始混合物と前記ヘミセルラーゼ
    酵素製剤の混合物を形成する手段を有する請求項16〜
    17のいずれかに規定された装置。
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