JPH1077469A - 希土類酸化物蛍光体の製造方法 - Google Patents
希土類酸化物蛍光体の製造方法Info
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- JPH1077469A JPH1077469A JP8230780A JP23078096A JPH1077469A JP H1077469 A JPH1077469 A JP H1077469A JP 8230780 A JP8230780 A JP 8230780A JP 23078096 A JP23078096 A JP 23078096A JP H1077469 A JPH1077469 A JP H1077469A
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Abstract
特性が更に良好である希土類酸化物蛍光体を提供する。 【構成】 希土類酸化物原料にフラックスを加えて混合
した混合原料を焼成する一般式Ln2O3:Rで表される
希土類酸化物蛍光体の製造方法において、前記希土類酸
化物原料は次の条件を満たし、粒子形状が球状で粒のそ
ろった粒度分布をもち、前記混合原料を800〜170
0°Cの温度範囲で焼成することを特徴とする希土類酸
化物蛍光体の製造方法。 Dl/Ds≦1.5 2.0≦Da≦6.0 2.0≦Dm≦12.0 1.0≦Dm/Da≦2.0 0≦σlog≦0.30(ただし、LnはGd、Y、L
a、Luのうちの少なくとも1種であり、RはEu、T
b、Pr、Dy、Tm、Ce、Ybのうちの少なくとも
1種であり、Dlは粒子の長径(μm)、Dsは短径(μ
m)、Daは平均粒径(μm)、Dmは中央粒径(μ
m)、σlogは粒度分布の広がりを示す指標である)
Description
製造方法に係り、特に、投写管用赤色発光蛍光体として
使用される、γ特性及び温度特性が良好で、かつ長寿命
な希土類酸化物蛍光体の製造方法に関する。
赤のモノクロームCRT3個を用いてスクリーン上に拡
大投写し、カラー映像を写し出す投写型ディスプレイが
使用されている。大画面であって、しかも高輝度の映像
を実現するには、モノクロームCRT(投写管)の蛍光
面には高電圧、高電流が印加して使用される。その為に
蛍光面を構成する蛍光体には次のような特性が要求され
る。
は、高電流を流しても輝度が飽和しない輝度−電流特性
(γ特性)の良好な蛍光体が望まれる。これは、大画面
上にしかも高輝度に拡大投写する必要からの条件であ
る。
る蛍光体である。(温度特性)投写管用蛍光体には上述
したように極めて大きな電力が投入される。これは通常
のCRTに比べ、およそ100倍程度にも達する。その
為に、発光に使用されなかったエネルギーは全て熱を発
生する。その結果、投写管内部の蛍光体は100℃以上
にも加熱されることとなり、高温でも輝度低下の起こり
にくい蛍光体であることが要求される。
寿命である。さらに、このような大電流が流されて使用
される為に、結晶の破壊の起こり難くい安定した結晶構
造の蛍光体であることが要求される。
成される希土類蛍光体は、一般的にこれらの(a)〜
(c)の特性に優れているため投写管用に適しており、
投写管用赤色発光蛍光体としてLn2O3:Eu蛍光体
(但し、LnはGd、Y、La、Luのうちの少なくと
も1種である)が用いられる。
蛍光体は上記(a)〜(c)の特性を満たし、現在投写
管用赤色発光蛍光体として最も実用的な蛍光体の一つで
あるが、本発明の課題は、これらの特性を更に向上でき
る希土類酸化物蛍光体を提供することにある。すなわ
ち、輝度−電流特性(γ特性)、温度特性、寿命特性が
更に良好である希土類酸化物蛍光体を提供することを目
的とする。
解決するには蛍光体そのものの結晶安定性を改善するこ
とがポイントであると考えた。そして、特に、希土類酸
化物原料の粒子的性質に着目して、これが最終の蛍光体
の発光性能に大きく影響すると考え、多くの希土類酸化
物の粒子について鋭意検討した結果、蛍光体原料として
最適な粒子形状、粒径、粒度分布が存在することを見い
だし本発明を完成させるに至った。
製造方法は、希土類酸化物原料にフラックスを加えて混
合した混合原料を焼成する一般式Ln2O3:Rで表され
る希土類酸化物蛍光体の製造方法において、前記希土類
酸化物原料は次の条件を満たし、粒子形状が球状で粒の
そろった粒度分布をもち、前記混合原料を800〜17
00°Cの温度範囲で焼成することを特徴とする希土類
酸化物蛍光体の製造方法。
とも1種であり、RはEu、Tb、Pr、Dy、Tm、
Ce、Ybのうちの少なくとも1種であり、Dlは粒子
の長径(μm)、Dsは短径(μm)、Daは平均粒径
(μm)、Dmは中央粒径(μm)、σlogは粒度分布の
広がりを示す指標である)
d、Y、La、Luのうちの少なくとも1種の元素と、
付活剤を構成するEu、Tb、Pr、Dy、Tm、C
e、Ybのうちの少なくとも1種の元素を酸に溶解し、
蓚酸塩として共沈した共沈酸化物が希土類酸化物原料粒
子中の母体元素と付活剤元素との混合レベルが高くなり
好ましい。
は、Ba化合物、硼素化合物、塩素化物からなる混合フ
ラックスであることが好ましい。これらの混合フラック
スを上述した粒子形状が球状で粒度分布がシャープな希
土類酸化物粒子に使用することで、輝度、γ特性が改善
される。
3、BaO、硼酸バリウム、が使用できる。
酸、次硼酸、硼砂、硼酸バリウム、が使用できる。
SrCl2、CaCl2、MgCl2が使用でき、中でも
NH4Clが最も好ましい。
化物の粒子の特徴は、粒子形状が球形であり、粒子の大
きさが2.0〜6.0μm程度であり、粒のそろった粒
度分布を持つことが特徴である。このような粒子の特徴
を持つ希土類酸化物は、特開平3−271117号、特
開平3−271118号、及び特開平8−59233号
公報に開示される方法により得ることができる。
は、希土類イオンと蓚酸イオンとの反応において、反応
開始から濾別、水洗までの間、−5℃以上20℃以下に
保つとともに有機塩基の共存下に希土類蓚酸塩を沈殿さ
せ、濾別水洗後−5℃以上20℃以下の水蒸気未飽和の
空気流中におくこと、または、−20℃以上20℃以下
での真空乾燥あるいは凍結真空乾燥によって付着水を除
去した後、焼成する方法が開示されている。本発明にお
いて、これらの方法により得られる球状希土類酸化物を
そのまま利用することはできるが、この方法に限るもの
ではない。また、この酸化物を分級することによりさら
に粒度分布のシャープな希土類酸化物粒子を得ることが
できる。
形状が球状であることにより、焼成時のフラックスとの
反応が均一となり、希土類酸化物蛍光体の異常成長が起
こり難く、高温度であるに関わらず均質な製品を焼成す
ることができる。また、球状であるために、フラックス
との反応が一様に行われ、焼成品の組成のばらつきが小
さくなる。球状であることは、粒子を顕微鏡でみると分
かるが、形状を客観的な指標で評価するには、希土類酸
化物粒子の顕微鏡写真の代表的な複数個の粒子の長径D
lと、短径Dsを測定して、Dl/Dsの値を計算し、Dl
/Ds≦1.5の関係を満たす範囲であることが球状の
範囲であり、焼成反応に良好に作用する。
γ特性)の関係をプロットする。ここで、相対γ特性と
は次のように定義する。測定サンプル蛍光面をデマンタ
ブル装置に装着し、0.05μA/cm2の電流密度の
電子線で蛍光面を走査したときの基準蛍光体に対する相
対発光輝度L0.05を測定し、50μA/cm2の電流密
度の電子線で蛍光面を走査したときの基準蛍光体に対す
る相対発光輝度L50を測定した場合、γ=L50/L0.05
×100%を相対γ特性として定義する。図1より、D
l/Dsの値が1に近づくに従い、すなわち真球に近づく
ほどγ特性が向上していることが分かる。Dl/Dsの値
は1.5以下で相対γ特性は数%を越えて効果が確認で
きるようになる。
物の粒子径は、蛍光体の目標粒径に依存する。蛍光体を
大きくする場合は希土類酸化物の粒径を大きくすること
で可能となる。希土類酸化物の粒径は下式の範囲が適当
である。
ieve Sizerを用いて測定される平均径であ
り、Daは酸化物の比表面積から測定され、顕微鏡写真
でみる大小関係に近い粒子径に相当し、基本粒径という
ことができる。これに対しDmは電気抵抗法の粒度分布
測定装置であるELZONE80xyを用いて測定され
る中央粒径である。これは測定原理から分散状態にある
か凝集状態にあるかの知見を含んだ粒径ということがで
きる。
はDaより大きくなり、このことは凝集傾向にあること
を示している。それで、Dm/Daの値は1に近いほど高
い分散状態にあることを意味する。希土類酸化物は、フ
ラックスと理想的に混合される為には分散性が高い方が
望ましい。凝集すれば、原料の均一な混合は行われな
い。Dm/Daの値はγ特性にも影響を与えるが、特に温
度特性を改善するのに効果がある。
ットする。ここで、温度特性は常温での発光輝度に対す
る、110℃の温度下の相対発光輝度であり、測定セル
を加熱しながら輝度を測定する。図2はこれを各Dm/
Daの値に対し測定した。図2より、Dm/Daの値が1
に近づくに従い、すなわち分散性が良いほど温度特性が
向上していることが分かる。Dm/Daの値は温度特性が
93%以上となる範囲、すなわち、1.0≦Dm/Da≦
1.3の範囲であることが好ましい。
の粒子の重要な要件の一つに粒度分布がシャープである
ことがある。すなわち、希土類酸化物の粒子の粒がそろ
っていることが重要である。そのことで原料の均一な混
合が成され、焼成される希土類アルミネートの発光性能
を向上することができる。粒度分布がシャープであるこ
とを示す指標としてσlogを用いて表現することができ
る。ここで、σlogは次式で定義された値である。
値、Piは相対頻度、logはeを底とする自然対数で
ある。
濁液として、電気抵抗式の粒度分布測定装置であるEL
ZONE80xyを用いて希土類酸化物の重量基準分布
を測定して、コンピューターにより上記式を計算して求
める。
値の標準偏差値であり、この値が小さいほど粒度分布は
シャープである。本発明において、希土類酸化物粒子の
σlogの値は上述した発光性能の全てにおいて向上する
ことができるが、特に温度特性の向上に効果がある。
トする。Dm/Daの値が1に近づくに従い、すなわち粒
度分布がシャープなほど分散性が良いほど温度特性が向
上している。σlogの値は温度特性が90%以上の値を
示す範囲、すなわち、0≦σlog≦0.3の範囲である
ことが好ましい。
800〜1700°Cの高温度で焼成する。それで、特
に蛍光体原料混合物が高度に均一に混合されたものでな
ければ異常反応が起こりやすくなる。この異常反応を防
ぐには、希土類酸化物はより均一に混合され易いことが
好ましい。その結果、発光性能の優れた希土類酸化物蛍
光体を得ることができる。
するフラックスは、Ba化合物、硼素化合物、塩素化物
からなる混合フラックスであることが好ましい。それ
は、これらの混合フラックスを使用することにより、特
に粒子形状、輝度、バーニング、γ特性の改善に効果が
あるからである。
装着し、30kvの電圧、8.6μA/cm2の電流密
度の電子線で250時間走査した場合の輝度維持率
(%)で定義する。
1000℃で分解した(Y0.965Eu0.035)2O3の組成
である、次の粒子特性を持つ希土類酸化物を100gに
対し、 下記のフラックスをよく混合する。
雰囲気下1425°Cで5時間焼成した。得られた蛍光
体を通常行う分散、水洗、乾燥し、篩を通して、希土類
酸化物蛍光体を得た。
を1000℃で分解した(Y0.965Eu0.035)2O3 とすること以外、実施例1と同様にして希土類酸化物蛍
光体を得た。電流特性、温度特性、寿命特性を測定し結
果を表1にまとめる。
を1000℃で分解した(Y0.965Eu0.035)2O3の組
成である、次の粒子特性を持つ希土類酸化物を100g
に対し、 とすること以外、実施例1と同様にして希土類酸化物蛍
光体を得た。電流特性、温度特性、寿命特性を測定し結
果を表1にまとめる。
を1000℃で分解した(Y0.965Eu0.035)2O3の組
成である、次の粒子特性を持つ希土類酸化物を100g
に対し、 とすること以外、実施例1と同様にして希土類酸化物蛍
光体を得た。電流特性、温度特性、寿命特性を測定し結
果を表1にまとめる。
を1000℃で分解した(Y0.965Eu0.035)2O3の組
成である、次の粒子特性を持つ希土類酸化物を100g
に対し、 とすること以外、実施例1と同様にして希土類酸化物蛍
光体を得た。電流特性、温度特性、寿命特性を測定し結
果を表1にまとめる。
光体の結晶の結晶性を向上することで、高電流を流して
も輝度飽和の少ないγ特性の良好な、高温でも輝度低下
の起こりにくい、温度特性が良好で高付加の条件で励起
発光されても長寿命である希土類酸化物蛍光体が得られ
る。
いはそれ以外の高電流密度で使用される用途の蛍光膜に
用いられた場合、高性能な陰極線管を提供することがで
きる。
酸化物である場合、投写管用に適した希土類酸化物蛍光
体を得ることができる。
図。
Claims (2)
- 【請求項1】 希土類酸化物原料にフラックスを加えて
混合した混合原料を焼成する一般式Ln2O3:Rで表さ
れる希土類酸化物蛍光体の製造方法において、前記希土
類酸化物原料は次の条件を満たし、粒子形状が球状で粒
のそろった粒度分布をもち、前記混合原料を800〜1
700°Cの温度範囲で焼成することを特徴とする希土
類酸化物蛍光体の製造方法。 Dl/Ds≦1.5 2.0≦Da≦6.0 2.0≦Dm≦12.0 1.0≦Dm/Da≦2.0 0≦σlog≦0.30 (ただし、LnはGd、Y、La、Luのうちの少なく
とも1種であり、RはEu、Tb、Pr、Dy、Tm、
Ce、Ybのうちの少なくとも1種であり、Dlは粒子
の長径(μm)、Dsは短径(μm)、Daは平均粒径
(μm)、Dmは中央粒径(μm)、σlogは粒度分布の
広がりを示す指標である) - 【請求項2】 前記フラックスがBa化合物、硼素化合
物、塩素化物からなることを特徴とする請求項1に記載
の希土類酸化物蛍光体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23078096A JP3399245B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 希土類酸化物蛍光体の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1077469A true JPH1077469A (ja) | 1998-03-24 |
JP3399245B2 JP3399245B2 (ja) | 2003-04-21 |
Family
ID=16913155
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---|---|---|---|
JP23078096A Expired - Fee Related JP3399245B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | 希土類酸化物蛍光体の製造方法 |
Country Status (1)
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000345148A (ja) * | 1999-06-08 | 2000-12-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネル、蛍光体および蛍光体膜ならびに蛍光体の製造方法 |
JP2001311075A (ja) * | 2000-04-20 | 2001-11-09 | Osram Sylvania Inc | 離散粒子モルホロジーを有する硼酸塩蛍光物質の製造法 |
KR100364494B1 (ko) * | 2000-06-01 | 2002-12-12 | 한국화학연구원 | 가돌륨옥사이드계 적색 형광체 및 그 제조방법 |
KR20030089020A (ko) * | 2002-05-15 | 2003-11-21 | 대한민국(순천대학교 총장) | 전계방출디스플레이 양극판용 산화가돌리움계 적색 형광막및 그의 제조방법 |
JP2009167345A (ja) * | 2008-01-18 | 2009-07-30 | Noritake Co Ltd | 蛍光体および蛍光表示装置 |
JP2015124305A (ja) * | 2013-12-26 | 2015-07-06 | 住友金属鉱山株式会社 | シリケート蛍光体粒子の製造方法およびシリケート蛍光体粒子 |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP23078096A patent/JP3399245B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR20030089020A (ko) * | 2002-05-15 | 2003-11-21 | 대한민국(순천대학교 총장) | 전계방출디스플레이 양극판용 산화가돌리움계 적색 형광막및 그의 제조방법 |
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