JPH1077244A - アリール安息香酸の製造法 - Google Patents

アリール安息香酸の製造法

Info

Publication number
JPH1077244A
JPH1077244A JP27128196A JP27128196A JPH1077244A JP H1077244 A JPH1077244 A JP H1077244A JP 27128196 A JP27128196 A JP 27128196A JP 27128196 A JP27128196 A JP 27128196A JP H1077244 A JPH1077244 A JP H1077244A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbonitrile
methylbiphenyl
mol
acid
biphenyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27128196A
Other languages
English (en)
Inventor
Junya Takahashi
淳也 高橋
Masaaki Tsurushima
正明 鶴島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MIKUNI SEIYAKU KOGYO KK
Original Assignee
MIKUNI SEIYAKU KOGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MIKUNI SEIYAKU KOGYO KK filed Critical MIKUNI SEIYAKU KOGYO KK
Priority to JP27128196A priority Critical patent/JPH1077244A/ja
Publication of JPH1077244A publication Critical patent/JPH1077244A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】アリールベンゾニトリルを加水分解することに
よる、アリール安息香酸の工業的製造法。 【構成】M(OH) 〔式中、Mはアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属
原子を示し、nはMがアルカリ金属原子にときに1であ
り、Mがアルカリ土類金属原子のときに2である〕で表
される金属水酸化物の存在下に、溶媒中、アリールベン
ゾニトリルを加水分解することによる、アリール安息香
酸の工業的製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、農薬、液晶など
ファインケミカルズの中間原料として有用なアリール安
息香酸の工業的に好適な製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アリール安息香酸の製造法として、対応
するエステルまたはオキサゾリン誘導体を加水分解する
方法〔J.Med.Chem.,第36巻,(1993
年),2172頁、J.Med.Chem.,第34
巻,(1991年),2525頁〕が報告されている
が、これらの方法は、対応するエステルまたはオキサゾ
リン誘導体を合成するのに工程数が多く、またそれらの
合成に際して、廃棄処分に多くの経費を要する金属ハロ
ゲン化物や金属水酸化物を多量に排出するため、工業的
実施に有利な方法ではない。また、アリールベンゾニト
リルを酸加水分解してアリール安息香酸を合成する方法
〔欧州特許出願公開(EPA)324377号〕が報告
されているが、反応に際してアリール安息香酸以外に多
量の副生物を生じ、やはり工業的実施に有利な方法では
ない(参考例1参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑み、本発明は
アリール安息香酸の好適な工業的製造方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意改良研
究を重ねた結果、金属水酸化物の存在下に、溶媒中、ア
リールベンゾニトリルを加水分解することにより、高純
度の目的物アリール安息香酸を高収率で得られることを
見出して、本発明を完成した。本反応の出発物であるア
リールベンゾニトリルは、工業的に入手容易なアリール
アミンとベンゾニトリルとを原料とし、工程中間体のア
リールジアゾニウム化合物の製造にジアゾ化剤として亜
硝酸エステルを用いることで、高収率で得られる(参考
例2,3及び特願平7−354917参照)。
【0005】すなわち本発明は、アリール安息香酸を製
造する方法の改良法を提供するものであり、詳しくは、
一般式(I)
【0006】
【化6】
【0007】〔式中、Mはアルカリ金属原子またはアル
カリ土類金属原子を示し、nはMがアルカリ金属原子の
ときに1であり、Mがアルカリ土類金属原子のときに2
である〕で表される金属水酸化物のうちの少なくとも一
つの存在下に、溶媒中、一般式(II)
【0008】
【化7】 〔式中、A環は、フッ素原子、置換基を有していてもよ
いアルキル、置換基を有していてもよいアルコキシ、ニ
トロ、カルボキシまたは水酸基を有していてもよいベン
ゼン環を示す〕で表わされるアリールベンゾニトリルを
加水分解することを特徴とする、一般式(III)
【0009】
【化8】 〔式中、A環は前記と同意義を示す〕で表わされるアリ
ール安息香酸の好適な工業的製造法を提供するものであ
る。
【0010】本発明方法の原料として使用するアリール
ベンゾニトリル(II)及びアリール安息香酸(II
I)における
【0011】
【化9】 基としては、たとえば2−フルオロフェニル、3−フル
オロフェニル、4−フルオロフェニル、2,4−ジフル
オロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,3,
4−トリフルオロフェニル、2−メチルフェニル、3−
メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,3−ジメチ
ルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,6−ジメ
チルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−エチル
フェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、
2,4,6−トリメチルフェニル、2−プロピルフェニ
ル、4−プロピルフェニル、2−イソプロピルフェニ
ル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、
4−sec−ブチルフェニル、4−tert−ブチルフ
ェニル、2,6−ジエチルフェニル、4−ペンチルフェ
ニル、4−ヘキシルフェニル、2,6−ジイソプロピル
フェニル、4−ヘプチルフェニル、4−オクチルフェニ
ル、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル、2−トリ
フルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフエ
ニル、4−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシ
フェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニ
ル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシ
フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、2−エ
トキシフェニル、3−エトキシフェニル、4−エトキシ
フェニル、4−プロポキシフェニル、4−イソプロポキ
シフェニル、2−(トリフルオロメトキシ)フェニル、
3−(トリフルオロメトキシ)フェニル、4−(トリフ
ルオロメトキシ)フェニル、2−ニトロフェニル、3−
ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニト
ロフェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、3−
フルオロ−2−メトキシフェニル、2−メトキシ−5−
メチルフェニル、2−フルオロ−4−ニトロフェニル基
などがある。
【0012】当加水分解反応の過程でアリールベンゾニ
トリル(II)、一般式(IV)
【0013】
【化10】 〔式中、A環は前記と同意義を示す〕で表わされる中間
体アリールベンズアミドとなり、更に加水分解されてア
リール安息香酸(III)となる。本発明方法では通常
アリールベンズアミド(IV)は単離しないが、一旦ア
リールベンズアミド(IV)を単離・精製した上でこれ
を加水分解し、アリール安息香酸(III)を得ること
もできる。
【0014】一般式(I)で表される金属水酸化物とし
ては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムが挙げられ
る。水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはそれらの
混合物を用いるときに加水分解反応が迅速に進行し、高
純度のアリール安息香酸(III)を高収率で得られる
など、本発明方法が最も有効に適用される。
【0015】アリールベンゾニトリル(II)に対する
金属水酸化物(I)の仕込み比率は、通常1倍モル以
上、好ましくは1.05−20倍モルの範囲である。A
環にカルボキシまたは水酸基が存在する場合は、前記の
量に適宜追加すると好結果が得られる。
【0016】使用される溶媒として、水、低級脂肪族ア
ルコール(たとえばメタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノールなど)、エーテル類(テト
ラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなど)及びそれら
の混合物など、当加水分解反応に不活性なものを挙げる
ことができる。溶媒の使用量は、通常アリールベンゾニ
トリル(II)の2〜50倍重量、好ましくは4〜20
倍重量である。
【0017】本発明方法は、通常、溶媒の常圧における
沸点以下の温度から300℃の間で、常圧下又は必要に
応じて加圧下に実施することができる。当加水分解反応
で反応液中に生成する中間体アリールベンズアミド(I
V)及び目的物アリール安息香酸(III)の金属塩の
溶媒に対する溶解度は一般に小さく、反応液中で不溶物
となる。このため固液の接触が不良となり、反応速度が
遅くなって反応の完結に長時間を要することとなる。そ
こで特に工業的規模の反応では、不溶物が減少して攪拌
状態が良好な120℃以上で反応を行うのが好ましい。
更には、反応速度と生成物の純度の点から、120−2
00℃の範囲で反応を行うのがより好ましい。
【0018】反応が完結するのに要する時間は、置換基
の位置、種類によって異なるが、通常反応温度が80℃
未満の場合は20時間以上、80℃以上120℃未満の
場合は8時間以上であり、120℃以上の場合は4時間
以上である。
【0019】反応は、通常は回分式攪拌槽型反応器を用
いて行われるが、多段連続式攪拌槽型反応器を用いるこ
ともできる。
【0020】当加水分解反応では、反応が完結するとア
リール安息香酸(III)の金属塩が反応液中に生成す
る。後処理として、十分な量の鉱酸(塩酸、硫酸など)
を用いて反応液を酸性とすることで、アリール安息香酸
(III)を得ることができる。アリール安息香酸(I
II)の金属塩を単離し、同様に鉱酸を用いてこれを酸
性とすることで、アリール安息香酸(III)を得るこ
ともできる。得られたアリール安息香酸(III)は十
分な純度を有しているが、使用目的に応じ、再結晶その
他通常行われる方法で精製することにより、更に高純度
とすることもできる。
【0021】
【発明の効果】本発明方法により、金属水酸化物の存在
下に、溶媒中、アリールベンゾニトリルを加水分解する
ことで、高純度のアリール安息香酸を高収率で得ること
ができる。よって本発明方法は、アリール安息香酸の工
業的製造法として好適である。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】以下の実施例及び参考例においてサンプリ
ングとは、反応液0.5mlをとって10%塩酸で酸性
としてエーテルで抽出し、分液した後有機層を濃縮し、
得られた残渣を高速液体クロマトグラフィーで分析する
操作を示す。化合物の純度は高速液体クロマトグラフィ
ーで測定した。
【0024】(実施例1)パイレックスガラス製四つ口
フラスコ中、メタノール124g、水15gの混合物に
水酸化ナトリウム84g(2.1モル)を溶解し、ここ
にビフェニル−2−カルボニトリル32g(0.18モ
ル)を投入し、還流下25時間加熱攪拌した。5時間ご
とにサンプリングしたところ、原料ビフェニル−2−カ
ルボニトリル、中間体ビフェニル−2−カルボキサミド
及び目的物ビフェニル−2−カルボン酸の反応液中の含
量は表1の通りであった。後処理として、冷却後、反応
生成物にメタノール124gを加え、ここに濃塩酸23
7gを、内温を66−73℃に保って、攪拌下30分を
かけて加えた。冷却後、析出した結晶を濾取、水洗、乾
燥し、純度97.53%のビフェニル−2−カルボン酸
28gを得た(収率79%)。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例2−4)所定の量の溶媒に金属水
酸化物(I)2.1モルを溶解し、ここにビフェニル−
2−カルボニトリル32g(0.18モル)を投入し、
還流下50時間加熱攪拌した。実施例1と同様に後処理
を行い、表2のとおりにビフェニル−2−カルボン酸を
得た。
【0027】
【表2】
【0028】(実施例5)オートクレーブ中で、メタノ
ール124g、水15gの混合物に水酸化ナトリウム8
4g(2.1モル)を溶解し、ここにビフェニル−2−
カルボニトリル32g(0.18モル)を投入し、内温
135−145℃、内圧4−7Kg/cmで、6時間
加熱攪拌した。サンプリングしたところ、原料ビフェニ
ル−2−カルボニトリル及び中間体ビフェニル−2−カ
ルボキサミドの残存量は0.01%未満であった。後処
理として、冷却後、反応生成物をパイレックスガラス製
四つ口フラスコに移し、メタノール124gを加え、こ
こに濃塩酸237gを、内温を66−73℃に保って、
攪拌下30分をかけて加えた。冷却後、析出した結晶を
濾取、水洗、乾燥し、純度99.61%のビフェニル−
2−カルボン酸33gを得た(収率93%)。融点 1
12−114℃。
【0029】(実施例6−10)オートクレーブ中で、
メタノール124g、水15gの混合物に所定の量の金
属水酸化物(I)を溶解し、ここにビフェニル−2−カ
ルボニトリル32g(0.18モル)を投入し、6時間
加熱攪拌した。サンプリングしたところ、原料ビフェニ
ル−2−カルボニトリル及び中間体ビフェニル−2−カ
ルボキサミドの残存量は0.01%未満であった。後処
理として、冷却後、反応生成物をパイレックスガラス製
四つ口フラスコに移し、メタノール124gを加え、反
応液が酸性となるまで、濃塩酸を内温を66−73℃に
保って、攪拌下30分をかけて加えた。冷却後、析出し
た結晶を濾取、水洗、乾燥し、表3の通りにビフェニル
−2−カルボン酸を得た。
【0030】
【表3】
【0031】(実施例11−14)オートクレーブ中
で、所定の量の溶媒に水酸化ナトリウム84g(2.1
モル)を溶解し、ここにビフェニル−2−カルボニトリ
ル32g(0.18モル)を投入し、6時間加熱攪拌し
た。サンプリングしたところ、原料ビフェニル−2−カ
ルボニトリル及び中間体ビフェニル−2−カルボキサミ
ドの残存量は0.01%未満であった。実施例5と同様
に後処理を行ったところ、表4のとおりにビフェニル−
2−カルボン酸を得た。
【0032】
【表4】
【0033】(実施例15−22)実施例5におけるビ
フェニル−2−カルボニトリルの代わりに他のアリール
ベンゾニトリル(II)0.18モルを用いた以外は、
実施例5と同様に反応を行ってサンプリングしたとこ
ろ、原料アリールベンゾニトリル及び中間体アリールベ
ンズアミド(IV)の残存量は0.01%未満であっ
た。実施例5と同様に後処理を行ったところ、表5のと
おりにアリール安息香酸(III)を得た。
【0034】
【表5】
【0035】(実施例23)パイレックスガラス製四つ
口フラスコ中、メタノール124g、水15gの混合物
に水酸化ナトリウム84g(2.1モル)を溶解し、こ
こに4’−メチルビフェニル−2−カルボニトリル34
g(0.18モル)を投入し、還流下25時間加熱攪拌
した。5時間ごとにサンプリングしたところ、原料4’
−メチルビフェニル−2−カルボニトリル、中間体4’
−メチルビフェニル−2−カルボキサミド及び目的物
4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸の含量は、表
6の通りであった。後処理として、冷却後、反応生成物
にメタノール124gを加え、ここに濃塩酸237g
を、内温を65−70℃に保って、攪拌下30分をかけ
て加えた。冷却後、析出した結晶を濾取、水洗、乾燥
し、純度97.09%の4’−メチルビフェニル−2−
カルボン酸29gを得た(収率76%)。
【0036】
【表6】 ●:原料4’−メチルビフェニル−2−カルボニトリル ▲:中間体4’−メチルビフェニル−2−カルボキサミ
ド ▲黒四角▼:目的物4’−メチルビフェニル−2−カル
ボン酸
【0037】(実施例24−26)所定の量の溶媒に金
属水酸化物(I)2.1モルを溶解し、ここに4’−メ
チルビフェニル−2−カルボニトリル34g(0.18
モル)を投入し、還流下50時間加熱攪拌した。実施例
23と同様に後処理を行い、表7のとおりに4’−メチ
ルビフェニル−2−カルボン酸を得た。
【0038】
【表7】
【0039】(実施例27)オートクレーブ中で、メタ
ノール124g、水15gの混合物に水酸化ナトリウム
84g(2.1モル)を溶解し、ここに4’−メチルビ
フェニル−2−カルボニトリル34g(0.18モル)
を投入し、内温135−145℃、内圧4−7Kg/c
で、6時間加熱攪拌した。サンプリングしたとこ
ろ、原料4’−メチルビフェニル−2−カルボニトリル
及び中間体4’−メチルビフェニル−2−カルボキサミ
ドの残存量は0.01%未満であった。後処理として、
冷却後、反応生成物をパイレックスガラス製四つ口フラ
スコに移し、メタノール124gを加え、ここに濃塩酸
237gを、内温を65−70℃に保って、攪拌下30
分をかけて加えた。冷却後、析出した結晶を濾取、水
洗、乾燥し、純度99.79%の4’−メチルビフェニ
ル−2−カルボン酸36gを得た(収率94%)。融点
149−149.8℃。IR νCOOH(KBr)1
678.3cm−1H−NMR(DMSO−d
δppm 2.339(3H,S),7.217(4
H,S),7.3−7.8(4H,m)、12.718
(1H,s)。
【0040】(実施例28−32)オートクレーブ中
で、メタノール124g、水15gの混合物に所定の量
の金属水酸化物(I)を溶解し、ここに4’−メチルビ
フェニル−2−カルボニトリル34g(0.18モル)
を投入し、内温135−145℃、内圧4−7Kg/c
で、6時間加熱攪拌した。サンプリングしたとこ
ろ、原料4’−メチルビフェニル−2−カルボニトリル
及び中間体4’−メチルビフェニル−2−カルボキサミ
ドの残存量は0.01%未満であった。後処理として、
冷却後、反応生成物をパイレックスガラス製四つ口フラ
スコに移し、メタノール124gを加え、反応液が酸性
となるまで、濃塩酸を内温を65−70℃に保って、攪
拌下30分をかけて加えた。冷却後、析出した結晶を濾
取、水洗、乾燥し、表8の通りに4’−メチルビフェニ
ル−2−カルボン酸を得た。
【0041】
【表8】
【0042】(実施例33−36)オートクレーブ中
で、所定の量の溶媒に水酸化ナトリウム84g(2.1
モル)を溶解し、ここに4’−メチルビフェニル−2−
カルボニトリル34g(0.18モル)を投入し、6時
間加熱攪拌した。サンプリングしたところ、原料4’−
メチルビフェニル−2−カルボニトリル及び中間体4’
−メチルビフェニル−2−カルボキサミドの残存量は
0.01%未満であった。実施例27と同様に後処理を
行い、表9の通りに4’−メチルビフェニル−2−カル
ボン酸を得た。
【0043】
【表9】
【0044】(参考例1)4’−メチルビフェニル−2
−カルボニトリル9.7gを58%硫酸142gに溶解
し、140℃に保ちながら、5時間攪拌した。氷水18
1gを反応液に投入してエーテルで抽出し、エーテル層
を水で洗浄して粗生成物8.0gを得た。これを高速液
体クロマトグラフィーで分析したところ、原料4’−メ
チルビフェニル−2−カルボニトリルの含量は25.7
%、目的物4’−メチルビフェニル−2−カルボン酸の
含量は28.0%であり、残りは構造不明の副生物であ
った。
【0045】(参考例2)アニリン93g(1.0モ
ル)をベンゾニトリル722g(7モル)に溶解し、3
0℃以下の温度に保ちながら攪拌下、これに亜硝酸メチ
ルガス79g(1.3モル)を2時間を要して吹き込ん
だ。次にこの反応液を、65−70℃に保ったベンゾニ
トリル309g(3モル)中に攪拌下、1時間をかけて
加えた。続いて減圧下に蒸留し、ベンゾニトリルの留去
後、沸点140−160℃/5mmHgの留分135g
を得た。当留分をガスクロマトグラフィーで分析したと
ころ、ビフェニル−2−カルボニトリル、ビフェニル−
3−カルボニトリル、ビフェニル−4−カルボニトリル
の含量はそれぞれ49%、12%、24%であった(収
率:37%、9%、18%)。当留分をさらに精密分留
装置で分留し、沸点165−170℃/10mmHgの
主留分として純度99%のビフェニル−2−カルボニト
リル59gを得た(収率33%)。融点38−39℃
(メタノールより再結晶)。
【0046】(参考例3)イソペンチルアルコール(3
−メチル−1−ブタノール)97g(1.1モル)と亜
硝酸ナトリウム83g(1.2モル)の混合液に、攪拌
下、温度を0−5℃に保ちながら、濃塩酸120mlを
60分間を要して滴下した。10分間攪拌を続けた後に
分液し、油層を飽和重曹水で洗浄して亜硝酸イソペンチ
ルの粗製物を得た。次にこれをペンゾニトリル722g
(7モル)に溶解し、65−70℃の温度に保ちなが
ら、攪拌下この溶液に、p−トルイジン107g(1.
0モル)とベンゾニトリル309g(3モル)の混合液
を2時間をかけて加えた。続いて減圧下に蒸留し、ベン
ゾニトリルの留去後、沸点155−170℃/5mmH
gの留分145gを得た。当留分をガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、その成分は4’−メチルビフェ
ニル−2−カルボニトリル、4’−メチルビフェニル−
3−カルボニトリル及び4’−メチルビフェニル−4−
カルボニトリルであり、含量はそれぞれ48%、12
%、24%であった(収率:36%、9%、18%)。
当留分をさらに精密分留装置で分留し、上記異性体を分
離した。得られた各異性体留分(純度97%以上)をメ
タノールより再結晶して、表10の4’−メチルビフェ
ニル−2−カルボニトリル(A)、4’−メチルビフェ
ニル−3−カルボニトリル(B)及び4’−メチルビフ
ェニル−4−カルボニトリル(C)を得た。
【0047】
【表10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 255/50 9357−4H C07C 255/50

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 【化1】 〔式中、Mはアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属
    原子を示し、nはMがアルカリ金属原子にときに1であ
    り、Mがアルカリ土類金属原子のときに2である〕で表
    される金属水酸化物のうちの少なくとも一つの存在下
    に、溶媒中、一般式(II) 【化2】 〔式中、A環は、フッ素原子、置換基を有していてもよ
    いアルキル、置換基を有していてもよいアルコキシ、ニ
    トロ、カルボキシまたは水酸基を有していてもよいベン
    ゼン環を示す〕で表わされるアリールベンゾニトリルを
    加水分解することを特徴とする、一般式(III) 【化3】 〔式中、A環は前記と同意義を示す〕で表わされるアリ
    ール安息香酸の製造法。
  2. 【請求項2】 【化4】 が 【化5】 〔式中、XはC1−8アルキル基を示す〕である請求項
    1記載の製造法。
  3. 【請求項3】反応温度が120−200℃である請求項
    1又は請求項2記載の製造法。
JP27128196A 1996-09-04 1996-09-04 アリール安息香酸の製造法 Pending JPH1077244A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27128196A JPH1077244A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 アリール安息香酸の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27128196A JPH1077244A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 アリール安息香酸の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1077244A true JPH1077244A (ja) 1998-03-24

Family

ID=17497890

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27128196A Pending JPH1077244A (ja) 1996-09-04 1996-09-04 アリール安息香酸の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1077244A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025679A1 (fr) * 1997-11-14 1999-05-27 Sumika Fine Chemicals Co., Ltd. PROCEDE DE PRODUCTION DE tert-BUTYL 4'-METHYL-2-BIPHENYLCARBOXYLATE

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025679A1 (fr) * 1997-11-14 1999-05-27 Sumika Fine Chemicals Co., Ltd. PROCEDE DE PRODUCTION DE tert-BUTYL 4'-METHYL-2-BIPHENYLCARBOXYLATE
US6369266B1 (en) 1997-11-14 2002-04-09 Sumika Fine Chemicals, Co.,Ltd. Process for producing tert-butyl 4′-methyl-2-biphenylcarboxlate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4127604A (en) Process for the preparation of acetic acid derivatives
JPH1077244A (ja) アリール安息香酸の製造法
RU2326862C2 (ru) Способ получения о-замещенных гидроксиламиновых соединений
RU2788908C1 (ru) Способ получения карбоксилсодержащих азоксибензолов
CA1128952A (en) Process for the preparation of a carbazole derivative
US4154757A (en) Process for the manufacture of p-hydroxybenzyl cyanide
JPH0662488B2 (ja) バルプロ酸の製造方法
US11976082B2 (en) Continuous process for manufacturing alkyl 7-amino-5-methyl-[1,2,5]oxadiazolo[3,4-b]pyridine-carboxylate
JPS5896037A (ja) マロンジアルデヒドテトラアルキルアセタ−ルの製法
JP3903213B2 (ja) 4−ビフェニリル酢酸の製造方法
JP2752877B2 (ja) ヒドロキシナフトエ酸類のエーテルエステル体の製法
JP3009860B2 (ja) (±)2−[ 4−(2−オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸およびその塩の製造方法
JP3539153B2 (ja) シトシンの製造法
JPH06340630A (ja) 2−クロロ−ピリジンメタノールの製造方法
JPS6350340B2 (ja)
US20240182496A1 (en) Novel process for the preparation tavaborole and its intermediates
JP2004143056A (ja) 2−メルカプトイミダゾール類の製造方法
JPH1025275A (ja) 硫酸水素エステルの製造方法
JP2004026676A (ja) ハロゲノ−4−ジヒドロキシメチルピリジン、その製造法及びそれを用いたハロゲノ−4−ピリジンカルバルデヒドの製造法
JPS6332778B2 (ja)
JP2004026718A (ja) 新規なヒドロキシアルキル基置換架橋環式炭化水素モノ(メタ)アクリレートとその製造方法
JPH1149715A (ja) ジフルオロフェノール類の製造法
JP2003342258A (ja) 1,2,3,4,4a,9a−ヘキサヒドロカルバゾール類の製造方法
JPS6252737B2 (ja)
JPH07188140A (ja) フェノキシベンゾイルギ酸アミドの製造法