JPH1077240A - 2−クロロ−4−フルオロフェノールを製造する方法 - Google Patents
2−クロロ−4−フルオロフェノールを製造する方法Info
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- JPH1077240A JPH1077240A JP23433896A JP23433896A JPH1077240A JP H1077240 A JPH1077240 A JP H1077240A JP 23433896 A JP23433896 A JP 23433896A JP 23433896 A JP23433896 A JP 23433896A JP H1077240 A JPH1077240 A JP H1077240A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 2−クロロ−4−フルオロフェノールを選択
性及び収率よく製造できる工業的製造法を提供する。 【解決手段】 4−フルオロフェノールの塩素ガスを用
いた塩素化による2−クロロ−4−フルオロフェノール
の製造において、溶媒としてクロロベンゼン類を用いて
反応を実施することを特徴とする2−クロロ−4−フル
オロフェノールの製造方法。 【効果】 上記の方法によれば、副生成物である2,6
−ジクロロ−4−フルオロフェノールの生成を効率よく
抑制でき、極めて選択性よくかつ高収率で目的とする2
−クロロ−4−フルオロフェノールを得ることができ
る。
性及び収率よく製造できる工業的製造法を提供する。 【解決手段】 4−フルオロフェノールの塩素ガスを用
いた塩素化による2−クロロ−4−フルオロフェノール
の製造において、溶媒としてクロロベンゼン類を用いて
反応を実施することを特徴とする2−クロロ−4−フル
オロフェノールの製造方法。 【効果】 上記の方法によれば、副生成物である2,6
−ジクロロ−4−フルオロフェノールの生成を効率よく
抑制でき、極めて選択性よくかつ高収率で目的とする2
−クロロ−4−フルオロフェノールを得ることができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4−フルオロフェ
ノールを溶媒としてクロロベンゼン類を用いて塩素ガス
と反応させ、2−クロロ−4−フルオロフェノールを製
造する方法に関するものである。
ノールを溶媒としてクロロベンゼン類を用いて塩素ガス
と反応させ、2−クロロ−4−フルオロフェノールを製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2−クロロ−4−フルオロフェノールは
農薬の中間原料として有用な化合物であり、例えばこの
ものから誘導されるオキサゾリジンジオン誘導体(特開
昭62−174065、167713号公報)やテトラ
ヒドロフタルイミド誘導体(特開平4−164067号
公報)は優れた除草活性を有するものである。
農薬の中間原料として有用な化合物であり、例えばこの
ものから誘導されるオキサゾリジンジオン誘導体(特開
昭62−174065、167713号公報)やテトラ
ヒドロフタルイミド誘導体(特開平4−164067号
公報)は優れた除草活性を有するものである。
【0003】フェニル環の塩素化反応は非常に古くから
知られているが、反応性に富むフェノール類の塩素化反
応では、水酸基のオルト及びパラ位塩素化の位置選択性
の欠如が反応をより困難なものにしている。従って、パ
ラ位にフッ素原子を有する4−フルオロフェノール(I)
の塩素化では、如何にして2箇所あるオルト位の一方の
みを選択的に塩素化し、2,6−ジクロロ−4−フルオ
ロフェノール(III)の生成を抑制しつつ、目的とする2
−クロロ−4−フルオロフェノール(II)を選択性及び収
率よく製造するかが最大の課題であった。
知られているが、反応性に富むフェノール類の塩素化反
応では、水酸基のオルト及びパラ位塩素化の位置選択性
の欠如が反応をより困難なものにしている。従って、パ
ラ位にフッ素原子を有する4−フルオロフェノール(I)
の塩素化では、如何にして2箇所あるオルト位の一方の
みを選択的に塩素化し、2,6−ジクロロ−4−フルオ
ロフェノール(III)の生成を抑制しつつ、目的とする2
−クロロ−4−フルオロフェノール(II)を選択性及び収
率よく製造するかが最大の課題であった。
【0004】
【化1】
【0005】2−クロロ−4−フルオロフェノールの製
造方法として、塩素化反応以外の手法を用いる方法も含
め多くの製造方法が従来より知られているが、通常の塩
素化条件下で塩素化され得るクロロベンゼン類を溶媒と
して用いた例はこれまで知られていない。塩化スルフリ
ルあるいは塩素ガス等の塩素化剤を用いた4−フルオロ
フェノールの塩素化方法としては、[A]アミン存在下
に塩化スルフリルを塩素化剤として用いる方法(特開昭
59−25344号公報)、[B]硫酸酸性条件下に塩
酸/過酸化水素水で塩素化する方法(特開昭62−22
3140号公報)、[C]水酸化ナトリウム水溶液中で
次亜塩素酸ナトリウム等を塩素化剤として塩素化する方
法(Zh. Obshch. Khim.,37, 2486
(1967)、USSR−154250号公報、特開昭
62−238226号公報)、[D]無触媒下に塩素ガ
スを用いて塩素化する方法(特公昭63−62497号
公報)、[E]水の存在下に塩素ガスあるいは塩化スル
フリルを用いて塩素化する方法(特開平3−99033
号公報)などが知られている。
造方法として、塩素化反応以外の手法を用いる方法も含
め多くの製造方法が従来より知られているが、通常の塩
素化条件下で塩素化され得るクロロベンゼン類を溶媒と
して用いた例はこれまで知られていない。塩化スルフリ
ルあるいは塩素ガス等の塩素化剤を用いた4−フルオロ
フェノールの塩素化方法としては、[A]アミン存在下
に塩化スルフリルを塩素化剤として用いる方法(特開昭
59−25344号公報)、[B]硫酸酸性条件下に塩
酸/過酸化水素水で塩素化する方法(特開昭62−22
3140号公報)、[C]水酸化ナトリウム水溶液中で
次亜塩素酸ナトリウム等を塩素化剤として塩素化する方
法(Zh. Obshch. Khim.,37, 2486
(1967)、USSR−154250号公報、特開昭
62−238226号公報)、[D]無触媒下に塩素ガ
スを用いて塩素化する方法(特公昭63−62497号
公報)、[E]水の存在下に塩素ガスあるいは塩化スル
フリルを用いて塩素化する方法(特開平3−99033
号公報)などが知られている。
【0006】しかしながら、Aの方法は位置選択性は高
いものの反応で副生する亜硫酸ガスの廃ガス処理の問題
がある。Bの方法は取り扱いにくい過酸化水素を用い、
さらに使用する硫酸の廃液処理の問題がある。Cの方法
では、高濃度の次亜塩素酸アルカリ金属塩水溶液の入手
が困難であり、低濃度での反応を余儀なくされ、反応の
容積効率が低い。また、反応収率も80%前後であり、
必ずしも効率の良い方法とは言えない。以上のA、B、
Cの3つの方法に対して、強力な塩素化剤である塩素ガ
スを用いる方法は、反応の効率はよいものの、反応の位
置選択性に解決すべき問題点を残している。すなわち、
Dの方法は、選択性の低下をもたらす微量不純物(鉄や
コバルト等の金属イオン)が反応系に混入しないように
反応容器や反応溶媒の使用に注意を払う必要があり、0
〜185℃で反応を実施するものとされている。また、
上記公報中には反応温度や溶媒による効果は全く開示さ
れておらず、むしろ、温度を低くし、溶媒を用いた実施
例では選択性、収率ともに低下している。実際にこの方
法を試みたところ、下記比較例に示した通り、必ずしも
選択性はよくなく、ジクロロ体(III)の生成を抑えるこ
とはできず、工業的に有利であるとは言えない(比較例
−1〜3)。また、Eの方法は、Dの方法の様に反応容
器や反応溶媒の使用に注意を払う必要がなく、また、D
の方法で用いた塩化水素分離用の効率のよい還流冷却器
も必要としないものの、ジクロロ体(III)の生成を完全
に抑制することはできない。
いものの反応で副生する亜硫酸ガスの廃ガス処理の問題
がある。Bの方法は取り扱いにくい過酸化水素を用い、
さらに使用する硫酸の廃液処理の問題がある。Cの方法
では、高濃度の次亜塩素酸アルカリ金属塩水溶液の入手
が困難であり、低濃度での反応を余儀なくされ、反応の
容積効率が低い。また、反応収率も80%前後であり、
必ずしも効率の良い方法とは言えない。以上のA、B、
Cの3つの方法に対して、強力な塩素化剤である塩素ガ
スを用いる方法は、反応の効率はよいものの、反応の位
置選択性に解決すべき問題点を残している。すなわち、
Dの方法は、選択性の低下をもたらす微量不純物(鉄や
コバルト等の金属イオン)が反応系に混入しないように
反応容器や反応溶媒の使用に注意を払う必要があり、0
〜185℃で反応を実施するものとされている。また、
上記公報中には反応温度や溶媒による効果は全く開示さ
れておらず、むしろ、温度を低くし、溶媒を用いた実施
例では選択性、収率ともに低下している。実際にこの方
法を試みたところ、下記比較例に示した通り、必ずしも
選択性はよくなく、ジクロロ体(III)の生成を抑えるこ
とはできず、工業的に有利であるとは言えない(比較例
−1〜3)。また、Eの方法は、Dの方法の様に反応容
器や反応溶媒の使用に注意を払う必要がなく、また、D
の方法で用いた塩化水素分離用の効率のよい還流冷却器
も必要としないものの、ジクロロ体(III)の生成を完全
に抑制することはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安価
な塩素ガスを用いて、4−フルオロフェノールのオルト
位の一方のみを選択的に塩素化し、2,6−ジクロロ−
4−フルオロフェノールの生成を抑制しつつ、目的とす
る2−クロロ−4−フルオロフェノールを選択性及び収
率よく製造する方法を提供することにある。
な塩素ガスを用いて、4−フルオロフェノールのオルト
位の一方のみを選択的に塩素化し、2,6−ジクロロ−
4−フルオロフェノールの生成を抑制しつつ、目的とす
る2−クロロ−4−フルオロフェノールを選択性及び収
率よく製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは2−クロロ
−4−フルオロフェノールの工業的製造方法に関して鋭
意検討した結果、強力な塩素化力を示す塩素ガスを用い
た4−フルオロフェノールの塩素化における位置選択性
は、用いる溶媒により大きく影響を受けることを明かと
し、特にクロロベンゼン等の溶媒で反応を行うことによ
り、ジクロロ体の副生が抑制でき、目的とする2−クロ
ロ−4−フルオロフェノールが選択性及び収率よく得ら
れることを見いだし、本発明を完成した。
−4−フルオロフェノールの工業的製造方法に関して鋭
意検討した結果、強力な塩素化力を示す塩素ガスを用い
た4−フルオロフェノールの塩素化における位置選択性
は、用いる溶媒により大きく影響を受けることを明かと
し、特にクロロベンゼン等の溶媒で反応を行うことによ
り、ジクロロ体の副生が抑制でき、目的とする2−クロ
ロ−4−フルオロフェノールが選択性及び収率よく得ら
れることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、4−フルオロフェノー
ルを塩素ガスと反応させ2−クロロ−4−フルオロフェ
ノールを製造する方法において、溶媒としてクロロベン
ゼン類を用いて反応を行うことを特徴とする2−クロロ
−4−フルオロフェノールの製造方法を提供するもので
ある。
ルを塩素ガスと反応させ2−クロロ−4−フルオロフェ
ノールを製造する方法において、溶媒としてクロロベン
ゼン類を用いて反応を行うことを特徴とする2−クロロ
−4−フルオロフェノールの製造方法を提供するもので
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の方法において溶媒として
使用し得るクロロベンゼン類としては、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p
−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、
1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロ
ベンゼン等を例示することができる。中でも凝固点が低
いクロロベンゼンは、適当な沸点を有していることから
回収も容易であり、毒性はベンゼンより低く、さらに反
応の選択性がよい点で特に好ましい。
使用し得るクロロベンゼン類としては、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p
−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、
1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロ
ベンゼン等を例示することができる。中でも凝固点が低
いクロロベンゼンは、適当な沸点を有していることから
回収も容易であり、毒性はベンゼンより低く、さらに反
応の選択性がよい点で特に好ましい。
【0011】溶媒は、原料の4−フルオロフェノールが
常温では固体であることから、その反応温度において反
応系が液状を呈する程度の量を使用することにより、反
応を気液反応として実施することができる点で好まし
い。通常、4−フルオロフェノールに対して10重量%
以上用いることが反応効率の点で好ましい。
常温では固体であることから、その反応温度において反
応系が液状を呈する程度の量を使用することにより、反
応を気液反応として実施することができる点で好まし
い。通常、4−フルオロフェノールに対して10重量%
以上用いることが反応効率の点で好ましい。
【0012】さらに、反応温度に関しては特に制限はな
く、−30〜150℃で実施することができるが、低温
では溶液の粘性が高く、塩素ガスの拡散効率が低下し、
選択性の低下をもたらす傾向があることから、0〜80
℃の範囲で実施することが好ましい。
く、−30〜150℃で実施することができるが、低温
では溶液の粘性が高く、塩素ガスの拡散効率が低下し、
選択性の低下をもたらす傾向があることから、0〜80
℃の範囲で実施することが好ましい。
【0013】なお、塩素ガスの使用量は、4−フルオロ
フェノールに対して等モル供給すればよく、等モル以下
では原料が残存し、当然ながら大過剰の塩素ガスは選択
性の低下をもたらす。
フェノールに対して等モル供給すればよく、等モル以下
では原料が残存し、当然ながら大過剰の塩素ガスは選択
性の低下をもたらす。
【0014】以下、実施例及び比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0015】
実施例−1
【0016】
【化2】
【0017】ドライアイスコンデンサーを装備した三ッ
口フラスコ(50cc)に、4−フルオロフェノール(5.6g,
0.05mol)とクロロベンゼン(1.4g)を加え、十分撹拌しな
がら塩素ガス(1200mL)を室温で導入した。反応液をキャ
ピラリーカラムガスクロマトグラム(CCGC)で分析
し、残存原料に見合う少量の塩素ガスをさらに導入し、
反応を終了させた。反応液をCCGCで分析したとこ
ろ、生成物の組成は2−クロロ−4−フルオロフェノー
ル(98.45%)、2,6−ジクロロ−4−フルオロフェノー
ル(1.45%)および未反応原料の4−フルオロフェノール
(0.10%)であった。他の高次塩素化生成物の生成は認め
られなかった。
口フラスコ(50cc)に、4−フルオロフェノール(5.6g,
0.05mol)とクロロベンゼン(1.4g)を加え、十分撹拌しな
がら塩素ガス(1200mL)を室温で導入した。反応液をキャ
ピラリーカラムガスクロマトグラム(CCGC)で分析
し、残存原料に見合う少量の塩素ガスをさらに導入し、
反応を終了させた。反応液をCCGCで分析したとこ
ろ、生成物の組成は2−クロロ−4−フルオロフェノー
ル(98.45%)、2,6−ジクロロ−4−フルオロフェノー
ル(1.45%)および未反応原料の4−フルオロフェノール
(0.10%)であった。他の高次塩素化生成物の生成は認め
られなかった。
【0018】実施例−2
【0019】
【化3】
【0020】撹拌機とドライアイスコンデンサーを装備
した三ッ口フラスコ(300cc)に、4−フルオロフェノー
ル(112g, 1.0mol)とクロロベンゼン(28g)を加え、十分
撹拌しながら塩素ガスを室温で導入した。塩素ガスの導
入にともなって反応温度は50℃程度まで上昇した。反
応の進行は随時CCGCでモニターしながら、約1モル
量の塩素ガスを導入した後、さらに残存原料に見合う量
の塩素ガスを導入して反応を終了させた。反応液をCC
GCで分析したところ、生成物の組成比は2−クロロ−
4−フルオロフェノール(98.29%)、2,6−ジクロロ−
4−フルオロフェノール(0.98%)および未反応原料の4
−フルオロフェノール(0.32%)であった。他の高次塩素
化生成物の生成は認められなかった。
した三ッ口フラスコ(300cc)に、4−フルオロフェノー
ル(112g, 1.0mol)とクロロベンゼン(28g)を加え、十分
撹拌しながら塩素ガスを室温で導入した。塩素ガスの導
入にともなって反応温度は50℃程度まで上昇した。反
応の進行は随時CCGCでモニターしながら、約1モル
量の塩素ガスを導入した後、さらに残存原料に見合う量
の塩素ガスを導入して反応を終了させた。反応液をCC
GCで分析したところ、生成物の組成比は2−クロロ−
4−フルオロフェノール(98.29%)、2,6−ジクロロ−
4−フルオロフェノール(0.98%)および未反応原料の4
−フルオロフェノール(0.32%)であった。他の高次塩素
化生成物の生成は認められなかった。
【0021】実施例−3
【0022】
【化4】
【0023】撹拌機とドライアイスコンデンサーを装備
した三ッ口フラスコ(1000cc)に、4−フルオロフェノー
ル(280g, 2.5mol) とクロロベンゼン(70mL)を入れ、氷
水浴(約5℃)中で冷却しながら充分撹拌しながら、反
応液に塩素ガスを一定流量で約2時間かけて導入した。
反応の進行は随時キャピラリーカラムガスクロマトグラ
ム(CCGC)でモニターしながら、約等モル量の塩素
ガスを導入した後、さらに残存原料に見合う量の塩素ガ
スを導入して反応を終了させた。反応液のCCGC分析
による生成物の組成比は、2−クロロ−4−フルオロフ
ェノール(97.03%)、2,6−ジクロロ−4−フルオロフ
ェノール(2.04%)および未反応原料の4−フルオロフェ
ノール(0.93%)であった。また他の高次塩素化生成物の
生成は認められなかった。
した三ッ口フラスコ(1000cc)に、4−フルオロフェノー
ル(280g, 2.5mol) とクロロベンゼン(70mL)を入れ、氷
水浴(約5℃)中で冷却しながら充分撹拌しながら、反
応液に塩素ガスを一定流量で約2時間かけて導入した。
反応の進行は随時キャピラリーカラムガスクロマトグラ
ム(CCGC)でモニターしながら、約等モル量の塩素
ガスを導入した後、さらに残存原料に見合う量の塩素ガ
スを導入して反応を終了させた。反応液のCCGC分析
による生成物の組成比は、2−クロロ−4−フルオロフ
ェノール(97.03%)、2,6−ジクロロ−4−フルオロフ
ェノール(2.04%)および未反応原料の4−フルオロフェ
ノール(0.93%)であった。また他の高次塩素化生成物の
生成は認められなかった。
【0024】実施例−4
【0025】
【化5】
【0026】ドライアイスコンデンサーを装備した三ッ
口フラスコ(200cc)に、4−フルオロフェノール(56g,
0.5mol)とクロロベンゼン(14mL)を加え、油浴中で約5
0℃に加熱して反応液を均一溶液とした。加温すること
なくそのままの温度で約等モル量の塩素ガスを十分撹拌
しながら導入した後、反応液をCCGCで分析し、残存
原料に見合う量の塩素ガスをさらに導入して反応を終了
させた。反応液のCCGC分析による生成物の組成比
は、2−クロロ−4−フルオロフェノール(97.34%)、
2,6−ジクロロ−4−フルオロフェノール(1.34%)およ
び未反応原料の4−フルオロフェノール(1.23%)であっ
た。他の高次塩素化生成物の生成は認められなかった。
口フラスコ(200cc)に、4−フルオロフェノール(56g,
0.5mol)とクロロベンゼン(14mL)を加え、油浴中で約5
0℃に加熱して反応液を均一溶液とした。加温すること
なくそのままの温度で約等モル量の塩素ガスを十分撹拌
しながら導入した後、反応液をCCGCで分析し、残存
原料に見合う量の塩素ガスをさらに導入して反応を終了
させた。反応液のCCGC分析による生成物の組成比
は、2−クロロ−4−フルオロフェノール(97.34%)、
2,6−ジクロロ−4−フルオロフェノール(1.34%)およ
び未反応原料の4−フルオロフェノール(1.23%)であっ
た。他の高次塩素化生成物の生成は認められなかった。
【0027】比較例−1
【0028】
【化6】
【0029】ドライアイスコンデンサーを装備した二ッ
口フラスコ(100cc)に、4−フルオロフェノール(6.0g,
0.054mol)及び塩化メチレン(5mL)を加え、反応液を室温
(約25℃)に保ちながら塩素ガス(1200mL)を約30分
かけて導入した。反応液をCCGCで分析し、さらに残
存原料に見合う少量の塩素ガスを導入し、反応を終了さ
せた。生成物の組成比は、2−クロロ−4−フルオロフ
ェノール(98.21%)、2,6−ジクロロ−4−フルオロフ
ェノール(1.66%)および未反応原料の4−フルオロフェ
ノール(0.13%)であった。また他の高次塩素化生成物の
生成は認められなかった。
口フラスコ(100cc)に、4−フルオロフェノール(6.0g,
0.054mol)及び塩化メチレン(5mL)を加え、反応液を室温
(約25℃)に保ちながら塩素ガス(1200mL)を約30分
かけて導入した。反応液をCCGCで分析し、さらに残
存原料に見合う少量の塩素ガスを導入し、反応を終了さ
せた。生成物の組成比は、2−クロロ−4−フルオロフ
ェノール(98.21%)、2,6−ジクロロ−4−フルオロフ
ェノール(1.66%)および未反応原料の4−フルオロフェ
ノール(0.13%)であった。また他の高次塩素化生成物の
生成は認められなかった。
【0030】比較例−2
【0031】
【化7】
【0032】ドライアイスコンデンサーを装備した二ッ
口フラスコ(100cc)に、4−フルオロフェノール(6.0g,
0.054mol)を加え、反応液を50℃に保ちながら塩素ガ
ス(1200mL)を約30分かけて導入した。反応液をCCG
Cで分析し、さらに残存原料に見合う少量の塩素ガスを
導入し、反応を終了させた。反応混合物をCCGCで分
析したところ、生成物の組成比は2−クロロ−4−フル
オロフェノール(91.54%)、2,6−ジクロロ−4−フル
オロフェノール(5.57%)および未反応原料の4−フルオ
ロフェノール(2.89%)であった。
口フラスコ(100cc)に、4−フルオロフェノール(6.0g,
0.054mol)を加え、反応液を50℃に保ちながら塩素ガ
ス(1200mL)を約30分かけて導入した。反応液をCCG
Cで分析し、さらに残存原料に見合う少量の塩素ガスを
導入し、反応を終了させた。反応混合物をCCGCで分
析したところ、生成物の組成比は2−クロロ−4−フル
オロフェノール(91.54%)、2,6−ジクロロ−4−フル
オロフェノール(5.57%)および未反応原料の4−フルオ
ロフェノール(2.89%)であった。
【0033】比較例−3
【0034】
【化8】
【0035】ドライアイスコンデンサーを装備した二ッ
口フラスコ(100cc)に、4−フルオロフェノール(6.0g,
0.054mol)を加え、反応液を90℃に保ちながら塩素ガ
ス(1200mL)を約30分かけて導入した。反応液をCCG
Cで分析し、さらに残存原料に見合う少量の塩素ガスを
導入し、反応を終了させた。反応混合物をCCGCで分
析したところ、生成物の組成比は2−クロロ−4−フル
オロフェノール(91.47%)、2,6−ジクロロ−4−フル
オロフェノール(5.21%)および未反応原料の4−フルオ
ロフェノール(3.32%)であった。
口フラスコ(100cc)に、4−フルオロフェノール(6.0g,
0.054mol)を加え、反応液を90℃に保ちながら塩素ガ
ス(1200mL)を約30分かけて導入した。反応液をCCG
Cで分析し、さらに残存原料に見合う少量の塩素ガスを
導入し、反応を終了させた。反応混合物をCCGCで分
析したところ、生成物の組成比は2−クロロ−4−フル
オロフェノール(91.47%)、2,6−ジクロロ−4−フル
オロフェノール(5.21%)および未反応原料の4−フルオ
ロフェノール(3.32%)であった。
【0036】なお、上記実施例及び比較例におけるCCGC
分析に基づく生成物の組成比を表1にまとめて示す。
分析に基づく生成物の組成比を表1にまとめて示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によれば、選択性よく目的
とする2−クロロ−4−フルオロフェノールを高収率で
製造することができ、さらに得られた2−クロロ−4−
フルオロフェノールは原料及び副生成物の含有量が低い
ため、何ら精製工程を経ることなく次の工程に供するこ
とができ、経済性の点から極めて有利である。
とする2−クロロ−4−フルオロフェノールを高収率で
製造することができ、さらに得られた2−クロロ−4−
フルオロフェノールは原料及び副生成物の含有量が低い
ため、何ら精製工程を経ることなく次の工程に供するこ
とができ、経済性の点から極めて有利である。
Claims (2)
- 【請求項1】 4−フルオロフェノールを塩素ガスと反
応させ2−クロロ−4−フルオロフェノールを製造する
方法において、溶媒としてクロロベンゼン類を用いて反
応を行うことを特徴とする2−クロロ−4−フルオロフ
ェノールの製造方法。 - 【請求項2】 クロロベンゼン類がクロロベンゼンであ
る請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23433896A JPH1077240A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 2−クロロ−4−フルオロフェノールを製造する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23433896A JPH1077240A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 2−クロロ−4−フルオロフェノールを製造する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1077240A true JPH1077240A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16969427
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23433896A Pending JPH1077240A (ja) | 1996-09-04 | 1996-09-04 | 2−クロロ−4−フルオロフェノールを製造する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1077240A (ja) |
-
1996
- 1996-09-04 JP JP23433896A patent/JPH1077240A/ja active Pending
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