JP6815154B2 - テトラハロメタンの製造方法 - Google Patents

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本発明は、トリクロロメタン又はトリブロモメタンから選択されるトリハロメタンを臭素化してテトラハロメタンを製造する方法に関する。
臭素原子を含むテトラハロメタンは反応性が高く、医薬品や農薬の合成中間体などとして有用な化合物である。そのような、臭素原子を含むテトラハロメタンの製造方法としてトリクロロメタンと臭素を反応させてブロモトリクロロメタンを製造する方法が知られていて、例えば以下の方法が挙げられる。
特許文献1には、クロロホルムと10〜30重量%水酸化ナトリウムとの混合物に臭素を添加し、次いで還流条件下で反応を行うことでブロモトリクロロメタンを得る方法が記載されている。特許文献1に記載の反応方法によれば、ブロモトリクロロメタンを高収率で得ることができるとされている。
しかしながら、反応収率は未だ十分ではなく、臭素原子を含むテトラハロメタンをより高収率で製造することのできる方法が求められていた。
特開昭53−53602号公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、臭素原子を含むテトラハロメタンをより高収率で製造することのできる方法を提供するものである。
上記課題は、トリクロロメタン又はトリブロモメタンから選択されるトリハロメタンを臭素化してテトラハロメタンを製造する方法であって;前記トリハロメタン、臭素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水を混合して該トリハロメタンを臭素化することを特徴とするテトラハロメタンの製造方法を提供することによって解決される。
このとき、臭素1molに対して、トリハロメタン0.1〜10mol、次亜塩素酸ナトリウム0.1〜10mol、水酸化ナトリウム0.1〜20mol及び水1〜50molを混合することが好ましい。
また、臭素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水を混合して臭素化剤を得る工程Aと、前記トリハロメタンと前記臭素化剤とを混合して該トリハロメタンを臭素化する工程Bを備えることが好ましい。このとき、工程Bにおいて、前記トリハロメタンに対して前記臭素化剤を添加することが好ましい。
また、45℃以下で臭素化することが好ましい。
本発明により、臭素原子を含むテトラハロメタンをより高収率で製造することができる。
本発明は、トリクロロメタン(CHCl3)又はトリブロモメタン(CHBr3)から選択されるトリハロメタン(CHX3;X=ハロゲノ基)を臭素化してテトラハロメタン(CX4;X=ハロゲノ基)を製造する方法に関する。
ここで、トリクロロメタンを例にして、トリハロメタンの一般的な臭素化反応について、簡単に説明する。下記式(1)は、水酸化ナトリウムの存在下でトリクロロメタンに臭素を反応させたときの化学反応式である。
NaOH + Br2 + CHCl3 → CBrCl3 + NaBr + H2O (1)
上記式(1)に示すように、一般的な臭素化反応では、臭化ナトリウム(NaBr)が副生成物として生成する。この臭化ナトリウムは再利用することができず高価な臭素を無駄に使用していたという問題があった。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、反応系中に次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)を存在させることにより、トリハロメタンを効率的に臭素化することができることを見出した。
以下、トリクロロメタンを例にして、本発明における臭素化反応について説明する。本発明における臭素化反応では、以下の反応式(2)〜(4)で示される反応が進行することによりブロモトリクロロメタンが生成する。
NaOH + Br2 + CHCl3→ CBrCl3 + NaBr + H2O (2)
NaBr + NaOCl → NaOBr + NaCl (3)
NaOBr + CHCl3 → CBrCl3 + NaOH (4)
上記式(2)に示すように、従来の臭素化反応と同様に副生成物として臭化ナトリウムが生成する。このとき、反応系中に次亜塩素酸ナトリウムが存在すると、臭化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムが反応して、次亜臭素酸ナトリウム(NaOBr)と塩化ナトリウム(NaCl)が生成する(上記式(3))。このとき、次亜臭素酸ナトリウムは不安定であるので、次亜臭素酸ナトリウムとトリクロロメタンが反応して、ブロモトリクロロメタン(CBrCl3)と水酸化ナトリウム(NaOH)が生成する(上記式(4))。
上記式(2)〜(4)をまとめると下記式(5)となる。
Br2 + 2CHCl3 + NaOCl → 2CBrCl3 + NaCl + H2O (5)
このように、本発明における臭素化反応は、次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)を用いることにより、副生成物である臭化ナトリウム(NaBr)を次亜臭素酸ナトリウム(NaOBr)として、これを臭素化反応に利用するものである。したがって、従来の臭素化反応に比べて臭素を無駄に使用することがないので、テトラハロメタンをより高収率で製造することができる。しかも、反応系中に次亜塩素酸ナトリウムを存在させるという方法であるので、簡便である。
本発明において、臭素1molに対して、トリハロメタン、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水をそれぞれ所定のmol数反応槽に投入し混合する。
トリハロメタンは、臭素1molに対して0.1〜10mol混合することが好ましい。トリハロメタンの混合量が臭素1molに対して0.1mol未満の場合、反応が少ししか進行しないおそれがある。トリハロメタンの混合量は、0.5mol以上であることがより好ましく、1.0mol以上であることがさらに好ましい。一方、トリハロメタンの混合量が臭素1molに対して10molを超えるとトリハロメタンを無駄に使用することになり、経済的に不利となることがある。トリハロメタンの混合量は、5mol以下であることがより好ましく、3mol以下であることがさらに好ましい。
次亜塩素酸ナトリウムは、臭素1molに対して0.1〜10mol混合することが好ましい。次亜塩素酸ナトリウムの混合量が臭素1molに対して0.1mol未満の場合、トリハロメタンの臭素化反応が効率よく進行しないおそれがある。次亜塩素酸ナトリウムの混合量は、0.2mol以上であることがより好ましく、0.4mol以上であることがさらに好ましい。一方、混合量が多すぎると経済的に不利となることがある。かかる観点から、次亜塩素酸ナトリウムの混合量は5mol以下であることがより好ましく、2mol以下であることがさらに好ましい。
ここで、次亜塩素酸ナトリウムを反応槽へ投入するときの態様としては、固体の次亜塩素酸ナトリウムを投入する方法と、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を投入する方法が挙げられる。
固体の次亜塩素酸ナトリウム及び次亜塩素酸ナトリウム水溶液はいずれも市販品を容易に入手することが可能であるが、固体の次亜塩素酸ナトリウムは、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に比べて非常に高価である。そのため、経済的な観点から、工業的に使用するのが不利な場合がある。製造コストを重視する場合には、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いることが好ましい。一方、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は不安定な物質であり、市販品は塩化ナトリウムを含んでいる。また、保存中に徐々に自己分解して塩化ナトリウムと酸素を生成する。臭素化反応の収率を重視する場合には、固体の次亜塩素酸ナトリウムを用いることが好ましい。
水酸化ナトリウムは、臭素1molに対して0.1〜20mol混合することが好ましい。水酸化ナトリウムの混合量が臭素1molに対して0.1mol未満の場合、反応が少ししか進行しないおそれがある。水酸化ナトリウムの混合量は、0.5mol以上であることがより好ましく、1mol以上であることがさらに好ましい。一方、水酸化ナトリウムの含有量は、10mol以下であることがより好ましく、5mol以下であることがさらに好ましい。
水酸化ナトリウムを反応槽へ投入するときの態様としては、固体の水酸化ナトリウムを投入する方法と、予め水に溶解させ水酸化ナトリウム水溶液を得てから、この水溶液を投入する方法が挙げられるが、作業性の観点から、水溶液を投入する方法が好ましい。水酸化ナトリウム水溶液は様々な濃度のものが市販されており、その濃度は、水酸化ナトリウムの混合量が上記の値になるように適宜選択することができる。
水は、臭素1molに対して1〜50mol混合することが好ましい。水の混合量が臭素1molに対して1mol未満の場合、反応系中にNaOBr3が生成するおそれがある。そして、このNaOBr3は比較的安定な化合物であるため、NaOBr3が生成すると臭素化反応が効率よく進行しなくなるおそれがある。水の混合量は、5mol以上であることがより好ましく、10mol以上であることがさらに好ましい。一方、水の混合量が多すぎると大容量の反応槽が必要となり経済的に不利となる場合がある。水の混合量は、30mol以下であることがより好ましく、20mol以下であることがさらに好ましい。
本発明の製造方法において、トリハロメタン、臭素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水を混合する順序は特に限定されない。しかしながら、テトラハロメタンをより効率的に製造する観点から、本発明の製造方法においては、臭素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水を混合して臭素化剤を得る工程Aと、前記トリハロメタンと前記臭素化剤とを混合して該トリハロメタンを臭素化する工程Bを備える製造方法が好ましい。以下、工程A及びBについて説明する。
工程Aにおいて、臭素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水を混合して臭素化剤を得る。臭素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水を混合させる順序は特に限定されない。臭素酸ナトリウム(NaBrO3)の生成を抑制する観点から、工程Aにおける臭素は、水酸化ナトリウム及び水を投入した後に混合することが好ましい。また、各化合物を混合する際の温度、及び得られた臭素化剤を保存する際の温度が高すぎると生成した次亜臭素酸ナトリウム(NaOBr)が酸化して、安定な臭素酸ナトリウム(NaBrO3)が生成するおそれがある。かかる観点から、上記温度がいずれも20℃以下であることが好ましく、10℃以下であることがより好ましい。
臭素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水は上記したものを用いることができる。臭素化剤におけるこれらの混合量は、続く工程Bにおいて、トリハロメタンと混合したときに、臭素1molに対して、トリハロメタン0.1〜10mol、次亜塩素酸ナトリウム0.1〜10mol、水酸化ナトリウム0.1〜20mol及び水1〜50molとなるように適宜調整する。
次に、工程Bにおいて、トリハロメタンと臭素化剤とを混合して当該トリハロメタンを臭素化する。このときの温度は、45℃以下であることが好ましい。45℃を超える温度で臭素化するとテトラハロメタンの収率が低下するおそれがある。一方、温度は、通常10℃以上であり、好適には20℃以上であり、より好適には30℃以上である。工程Bの反応時間は特に限定されないが、通常1〜24時間である。
工程Bにおいて、トリハロメタンに対して臭素化剤を添加してもよいし、臭素化剤に対してトリハロメタンを添加してもよい。中でも、テトラハロメタンをより効率的に製造する観点から、トリハロメタンに対して臭素化剤を添加することが好ましい。
また工程Bにおいて、反応を促進させるために、トリハロメタンと臭素化剤とが混合された反応溶液に対して、相間移動触媒を添加することが好ましい。相間移動触媒としては、界面活性剤が好適に用いられる。界面活性剤の種類は特に限定されず、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性(ノニオン性)界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも用いることができる。
工程Bの反応終了後は、水層と有機層を分離し、分離された有機層を水で洗浄することが好ましい。そして、有機層を蒸留することによって目的とするテトラハロメタンを得ることができる。このようにして得られたテトラハロメタンは、重合度調節剤、臭素化剤などのハロゲン化剤などに用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
(臭素化物の合成)
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を付けたガラス製の反応容器に、次亜塩素酸ナトリウムの14.5重量%水溶液79.5gを入れた。次いで、滴下ロートに48重量%水酸化ナトリウム水溶液56.8gを入れ、これを30分かけて滴下した後、液を冷却して液温を5℃にした。次いで、滴下ロートに臭素49.6gを入れ、これを60分かけて滴下した後、液を0.5時間撹拌した。この操作で得られた液を臭素化剤Aと称す。
別に用意したガラス製の反応容器にクロロホルム51.6g及びドデシル硫酸ナトリウム(NaDS)0.01gを入れ、液を加熱して液温を40℃にした。次いで、滴下ロートに5℃の臭素化剤A183.7gを入れ、これを60分かけて滴下した後、液温を40℃に保ち6時間撹拌した。次いで、液を20℃に冷却した後、水層及び有機層を分離し、有機層を水で洗浄した。洗浄水のpHが7になるまで洗浄を繰り返し行った。その結果、淡黄色の反応物73.3gを得た。
(評価)
得られた反応物をガスクロマトグラフィー(GC)で分析した。測定機器及び条件は以下の通りである。
・装置:株式会社島津製作所製「GC−2014」
・カラム:キャピラリーカラム:DB−1(Agilent Technologies社製:0.25mmφ×30m、Film:1.0μm)
・カラム温度:45℃に7分間保った後、昇温速度10℃/minで320℃まで加熱した。
・入口温度:250℃、出口温度:320℃
・注入量:1μL
・キャリアガス:窒素ガス、流量:2.2mL/min
・スプリット比:1/55
・検出器:FID
上記のGC装置を用いて反応物に含まれているブロモトリクロロメタンを定量した。その結果、反応物には55.4g(0.280mol)のブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。得られたブロモトリクロロメタン(反応物)のmol数を反応に用いた臭素のmol数で除して反応率(%)を求めたところ、反応率は90.2%であった。なお、臭素1molからブロモトリクロロメタンが2mol生成するので、臭素の全量がブロモトリクロロメタンになったときの反応率は200%である。
実施例2
次亜塩素酸ナトリウムの13重量%水溶液88.7gを用いた以外は実施例1と同様にして臭素化剤Bを調製してブロモトリクロロメタンの合成を行った。その結果、反応物には53.1gのブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。反応率は86.5%であった。
実施例3
次亜塩素酸ナトリウムの10重量%水溶液115.3gを用いた以外は実施例1と同様にして臭素化剤Cを調製してブロモトリクロロメタンの合成を行った。その結果、反応物には38.5gのブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。反応率は62.7%であった。
実施例4
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を付けたガラス製の反応容器に、25重量%水酸化ナトリウム水溶液109.1gを入れ、液を冷却して液温を5℃にした。滴下ロートに臭素49.6gを入れ、これを60分かけて滴下した後、0.5時間撹拌した。次いで、次亜塩素酸ナトリウム五水和物25.5gを入れた後、水33.7gを入れた。この操作で得られた液を臭素化剤Dと称す。
別に用意したガラス製の反応容器に、クロロホルム51.6g及びドデシル硫酸ナトリウム0.01gを入れ、液を加熱して液温を40℃にした。次いで、滴下ロートに5℃の臭素化剤D215.2gを入れ、これを60分かけて滴下した後、液温を40℃に保ち、6時間撹拌した。次いで、液を20℃に冷却した後、水層及び有機層を分離し、有機層を水で洗浄した。洗浄水のpHが7になるまで洗浄を繰り返し行った。その結果、反応物には63.3gのブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。反応率は103.1%であった。
実施例5
反応容器内の液を50℃にして臭素化剤Dを滴下し、この液温を保ち6時間撹拌した以外は実施例4と同様にしてブロモトリクロロメタンの合成を行った。その結果、反応物には58.9gのブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。反応率は96.0%であった。
実施例6
クロロホルムの代わりにブロモホルム99.1gを用い、洗浄水のpHが3になるまで洗浄を繰り返し行った以外は実施例4と同様にしてテトラブロモメタンの合成を行った。その結果、淡黄色の反応物118.7gを得た。
上記のGC装置を用いて反応物に含まれているテトラブロモメタンを定量した。その結果、反応物には94.9g(0.286mol)のテトラブロモメタンが含まれていることがわかった。得られたテトラブロモメタン(反応物)のmol数を反応に用いた臭素のmol数で除して反応率(%)を求めたところ、反応率は102.2%であった。なお、臭素1molからテトラブロモメタンが2mol生成するので、臭素の全量がテトラブロモメタンになったときの反応率は200%である。
実施例7
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を付けたガラス製の反応容器に、クロロホルム35.0g、25重量%水酸化ナトリウム水溶液73.9gを入れ、液を加熱して液温を35℃にした。次いで、滴下ロートに臭素33.6gを入れ、これを60分かけて滴下し、液温を35℃に保ち、5時間撹拌した。次いで、固体の次亜塩素酸ナトリウム五水和物17.3g及び水22.8gを入れ、液温を35℃に保ち8時間撹拌した。次いで、液を20℃に冷却した後、水層及び有機層を分離し、有機層を水で洗浄した。洗浄水のpHが7になるまで洗浄を繰り返し行った。その結果、反応物には39.6gのブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。反応率は95.2%であった。
実施例8
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を付けたガラス製の反応容器に、25重量%水酸化ナトリウム水溶液98.6gを入れ、液を冷却して液温を5℃にした。滴下ロートに臭素44.8gを入れ、これを60分かけて滴下し、次亜塩素酸ナトリウム五水和物23.0gを入れた後、水30.3gを入れ、液温を5℃に保ち、0.5時間撹拌した。この操作で得られた液を臭素化剤Fと称す。臭素化剤Fにドデシル硫酸ナトリウム0.01gを入れ、液温を5℃に保ち、次いで、滴下ロートにクロロホルム46.6gを入れ、これを60分かけて滴下した後、液を加熱して液温を40℃に保ち、8時間撹拌した。次いで、液を20℃に冷却した後、水層及び有機層を分離し、有機層を水で洗浄した。洗浄水のpHが7になるまで洗浄を繰り返し行った。その結果、反応物には54.7gのブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。反応率は98.7%であった。
実施例9
40℃に加熱した臭素化剤Fにクロロホルムを滴下した以外は、実施例8と同様にしてテトラブロモメタンの合成を行った。その結果、反応物には51.2gのブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。反応率は92.3%であった。
比較例1
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を付けたガラス製の反応容器に、クロロホルム35.0g、25重量%水酸化ナトリウム水溶液73.9gを入れ、液を加熱して液温を35℃にした。次いで、滴下ロートに臭素33.6gを入れ、これを60分かけて滴下し、液温を35℃に保ち、10時間撹拌した。次いで、液を20℃に冷却した後、水層及び有機層を分離し、有機層を水で洗浄した。洗浄水のpHが7になるまで洗浄を繰り返し行った。その結果、反応物には21.7gのブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。反応率は52.3%であった。
比較例2
クロロホルムの代わりにブロモホルム99.1gを用い、洗浄水のpHが3になるまで洗浄を繰り返し行った以外は比較例1と同様にしてテトラブロモメタンの合成を行った。その結果、反応物には55.7gのテトラブロモメタンが含まれていることがわかった。反応率は60.0%であった。
比較例3
撹拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を付けたガラス製の反応容器に、25重量%水酸化ナトリウム水溶液109.1gを入れ、液を冷却して液温を5℃に保った。滴下ロートに臭素49.6gを入れ、これを60分かけて滴下した後、0.5時間撹拌した。この操作で得られた液を臭素化剤Gと称す。
別に用意したガラス製の反応容器に、クロロホルム51.6g及びドデシル硫酸ナトリウム0.01gを入れ、液を加熱して液温を40℃にした。次いで、滴下ロートに5℃の臭素化剤G156.7gを入れ、これを60分かけて滴下した後、液温を40℃に保ち、6時間撹拌した。次いで、液を20℃に冷却した後、水層及び有機層を分離し、有機層を水で洗浄した。洗浄水のpHが7になるまで洗浄を繰り返し行った。その結果、反応物には19.3gのブロモトリクロロメタンが含まれていることがわかった。反応率は31.5%であった。
Figure 0006815154

Claims (5)

  1. トリクロロメタン又はトリブロモメタンから選択されるトリハロメタンを臭素化してテトラハロメタンを製造する方法であって;
    前記トリハロメタン、臭素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水を混合して該トリハロメタンを臭素化することを特徴とするテトラハロメタンの製造方法。
  2. 臭素1molに対して、トリハロメタン0.1〜10mol、次亜塩素酸ナトリウム0.1〜10mol、水酸化ナトリウム0.1〜20mol及び水1〜50molを混合する請求項1に記載のテトラハロメタンの製造方法。
  3. 臭素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水を混合して臭素化剤を得る工程Aと、
    前記トリハロメタンと前記臭素化剤とを混合して該トリハロメタンを臭素化する工程Bを備える請求項1又は2に記載のテトラハロメタンの製造方法。
  4. 工程Bにおいて、前記トリハロメタンに対して前記臭素化剤を添加する請求項3に記載の製造方法。
  5. 45℃以下で臭素化する請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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