JPH1076819A - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りラジアルタイヤ

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JPH1076819A
JPH1076819A JP9170056A JP17005697A JPH1076819A JP H1076819 A JPH1076819 A JP H1076819A JP 9170056 A JP9170056 A JP 9170056A JP 17005697 A JP17005697 A JP 17005697A JP H1076819 A JPH1076819 A JP H1076819A
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靖彦 小林
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    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C15/00Tyre beads, e.g. ply turn-up or overlap
    • B60C15/06Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead
    • B60C2015/0614Flipper strips, fillers, or chafing strips and reinforcing layers for the construction of the bead characterised by features of the chafer or clinch portion, i.e. the part of the bead contacting the rim

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量増加を伴わず、補強部材を追加配置せず
にビード部耐久性を十分向上させた重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 タイヤとリムとの組立体に対する最高空
気圧充てん時から最大負荷能力対応荷重の負荷時までの
間に増加するビード部表面のリムのフランジとの接触面
増加部分にその法線方向で対応するビード部領域のう
ち、カーカスプライ折返し部のコードからビード部外側
表面までの領域に3層以上の異なる硬度のゴム部材を配
置し、1層はカーカスプライコードの被覆ゴムとし、残
余層のゴム部材のうち最軟質のゴム部材を被覆ゴムの外
側面に隣接配置し、最硬質のゴム部材を最軟質ゴム部材
の外側面に隣接配置し、最軟質ゴム部材の100%モジュラ
スが20kgf/cm2 以下で、最硬質ゴム部材の最軟質ゴム部
材に対する100%モジュラス比の値が3倍以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トラック、バ
ス、産業車両や建設車両などの重車両の使途に供する重
荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、特にタイヤビー
ド部の重量増加を伴うことなくビード部耐久性を向上さ
せた重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】上記したような重車両に用いる重荷重用
空気入りラジアルタイヤは負荷転動中ビード部に作用す
る力が大きいため、ビード部故障、主としてセパレーシ
ョン故障が発生し勝ちであり、そのためこれまで耐セパ
レーション性を主とする各種のビード部耐久性向上手段
が提案されていて、それらのうちナイロンチェーファや
ワイヤーチェーファなどの補強部材の追加配置によるビ
ード部剛性の一層の向上や、カーカスラインの適正化に
よる剛性分布の修正などが良く知られている。
【0003】これら改善手段はタイヤに対する所定空気
圧充てん時及びその後の所定荷重負荷時の状態にて、い
わゆるビード部倒れ込み変形の抑制に有効である一方、
タイヤの荷重負荷転動時では、トレッド部の踏み込み
部、蹴り出し部に対応するビード部位置に発生する円周
方向剪断変形の抑制に有効であり、この種の変形抑制手
段はビード部耐久性向上に寄与するため広く採用されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記補強部材の
追加配置は当然重量増加をもたらす上、材料費用及び製
造工数の増加によるコストアップを招き、現状の厳しい
価格競争時代にそぐわない。またカーカスラインの修正
など重量増加によらない他の手段の適用は、確かに比較
的マイルドな使用条件下で所期の効果を発揮する反面、
使用条件が益々酷しくなる現状に適応することはでき
ず、所期のビード部耐久性発揮に不十分であることが分
かった。
【0005】さらに重車両用タイヤのうち、特に大型建
設車両用空気入りラジアルタイヤではサイドウォール部
の耐カット性向上のためカーカス折返し部の高さを他の
種類のタイヤ対比大幅に高く設定し、時にタイヤ最大幅
位置前後の高さに設定するいわゆるハイターンアップ構
造を採用するのが一般であり、そのため折返し端部のセ
パレーション故障改善を対象とする従来手段は何れも有
効な改善手段とはなり難い。なぜならタイヤの荷重負荷
転動中最も大きな歪が作用するのはリムのフランジ高さ
近傍位置であり、しかも上記大型タイヤは荷重負荷時の
撓み率が他の種のタイヤ対比著しく大きいからである。
【0006】上記大型タイヤの場合は特に、上述したよ
うに大きな撓み率により荷重負荷転動時にリムのフラン
ジと接触する領域に存在する、折返し端から程遠い折返
し途中部分のプライに沿いセパレーション故障(ビード
部故障)が発生するのが特異な点である。よってこの大
型タイヤの特異な故障に対し先に述べた従来の改善手段
も含めた従来手段は何れも市場要求を満たすビード部耐
久性発揮の決め手とならないのも止むを得ない。
【0007】従ってこの発明の請求項1〜5に記載した
発明は、タイヤ重量の増加やコスト上昇を伴うことな
く、カーカスラインの適正化などでは対応できない程の
過酷な使用条件の下でも十分優れたビード部耐久性を発
揮し得る重荷重用空気入りラジアルタイヤの提供を目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の請求項1に記載した発明は、一対のビー
ド部及び一対のサイドウォール部と、トレッド部とから
なり、これら各部をビード部内に埋設したビードコア相
互間にわたり補強するラジアル配列コードのゴム被覆に
なるカーカスプライと、該カーカスプライの外周に配置
したベルトとを備え、カーカスプライはビードコア周り
を巻上げた折返し部を有する重荷重用空気入りラジアル
タイヤにおいて、上記タイヤとその標準リムとの組立体
にそのタイヤの最高空気圧を充てんしたビード部外側表
面のリムのフランジとの接触離反位置と、最高空気圧を
充てんした組立体にそのタイヤの最大負荷能力に相当す
る荷重を負荷したビード部外側表面のリムのフランジと
の接触離反位置との間に挟まれるビード部の接触面増加
部分にその法線方向で対応するビード部領域のうち、カ
ーカスプライ折返し部におけるコードからビード部外側
表面までの領域に少なくとも3層の互いに異なる硬度の
ゴム部材を配置し、該ゴム部材のうち1層はカーカスプ
ライコードの被覆ゴムとして、残余層のゴム部材のうち
最軟質のゴム部材を上記被覆ゴムの外側面に沿って隣接
配置すると共に最も硬質のゴム部材を上記最軟質ゴム部
材の外側面に沿って隣接配置して成り、最軟質ゴム部材
の100%モジュラスが20kgf/cm2 以下であり、かつ
最硬質ゴム部材の最軟質ゴム部材に対する100%モジ
ュラス比の値が3倍以上であることを特徴とする重荷重
用空気入りラジアルタイヤである。
【0009】ここに、上記標準リム、最高空気圧及び最
大負荷能力とは、TRA YEARBOOK(1996
年版)が記載する用語の定義に従い、標準リム(Design
Rim)とは、所定のタイヤ種類、サイズ、プライレーティ
ングなどにつき、このYEAR BOOKが定めるもの
であり、最大負荷能力とは、同じくYEARBOOKが
記載する「ラジアルプライタイヤの空気圧−負荷能力対
応表」(TIRELOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION
PRESSURES) に記載された太字の負荷能力値(lbs)を指
し、だだし単輪(SINGLE)と複輪(DUAL)とが併記されてい
るときは単輪(SINGLE)の値を採用するものとし、そして
最高空気圧はこの最大負荷能力に対応する空気圧であ
る。
【0010】また、請求項1に記載した発明を実施する
に当り、この発明に係る「接触面増加部分にその法線方
向で対応するビード部領域」とは、接触面増加部分の曲
面上の任意の点を通り、この点における接平面に垂直な
直線方向で接触面増加部分と相対するビード部領域を指
す。実際上は、請求項2に記載した発明のように、上記
接触面増加部分にその法線方向で対応するビード部領域
が、タイヤに最高空気圧を充てんしたビード部外側表面
のフランジとの接触離反位置からカーカスプライに下ろ
した法線と、上記荷重負荷の下におけるタイヤのビード
部外側表面のフランジとの接触離反位置から、荷重を取
り除いた最高空気圧充てんタイヤにおけるカーカスプラ
イに下ろした法線との間に挟まれる領域であることが適
合する。
【0011】さらに好適実施形態においては、請求項3
に記載した発明のように、上記最軟質ゴム部材がサイド
ウォールゴムであること、そして請求項4に記載した発
明のように、上記最硬質ゴム部材がインサートゴムであ
るか、又は請求項5に記載した発明のように、上記最硬
質ゴム部材がゴムチェーファゴムであることが有用であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態の例
を図1〜図3に基づき詳細に説明する。図1〜図3は、
この発明による重荷重用空気入りラジアルタイヤ(以下
タイヤ又はラジアルタイヤという)100を、先に触れ
たTRA YEAR BOOKに記載した標準リム10
に組込んだ組立体の線図的要部断面図であり、各図にお
けるいずれのタイヤ100もやはり先に触れた上記YE
AR BOOKに記載した最高空気圧を充てんしたとき
の、ビード部〜サイドウォール部のタイヤ半径方向(以
下半径方向という)内側部分の左側断面図である。
【0013】図1〜図3において、タイヤ100は一対
のビード部1及び一対のサイドウォール部2(いずれも
片側のみ示す)とトレッド部(図示省略)からなり、ビ
ード部1内に埋設したビードコア3相互間にわたりこれ
らビード部1、サイドウォール部2及びトレッド部を補
強するラジアル配列コード、特にスチールコードのゴム
被覆になる1プライのカーカスプライ4と、このカーカ
スプライ4の外周でトレッド部を強化する複数層のコー
ド交差層、特にスチールコード交差層を有するベルト
(図示省略)とを備えるのは慣例に従う。
【0014】カーカスプライ4は、一対のビードコア3
相互間にわたる本体としてのプライの他に、ビードコア
3の回りをタイヤ内側からタイヤ外側(以下単に内側、
外側という)に向けて巻上げた折返し部4tを有し、図
に示す折返し部4tの例はタイヤ最大幅近傍まで延びる
ハイターンアップ構造である。各図でカーカスプライ4
は、その両面を2本の曲線により簡略図解しているが、
厚み中央にコード、望ましくはスチールコード(図示省
略)を有し、その場合、各コードの周囲は隙間なく被覆
ゴムが取り囲む。
【0015】サイドウォール部2のゴム5は図示を省略
したトレッド部両側端からビード部1領域まで延び、ビ
ード部1にてゴムチェーファ8とオーバーラップさせて
連結する。そのときゴムチェーファ8の外側表面の半径
方向外側端は配設目的からしてリム10のフランジ10
fの外側縁を越える。
【0016】以上述べた各種構成部材とそれらの配置関
係の下で、上記最高空気圧を充てんしたタイヤ100と
リム10との組立体に、そのタイヤの最大負荷能力に相
当する荷重(以下最大荷重という)を負荷すると、トレ
ッド接地域に連なるビード部1及びサイドウォール部2
はタイヤ幅方向外側及び半径方向内側それぞれに向けた
撓曲変形、いわゆる倒れ込み変形を生じ、この倒れ込み
変形により、ビード部1の外側表面のリム10のフラン
ジ10fとの接触離反位置は、最高空気圧充てんのみの
位置Bから位置Aまで移動し、ビード部1の外側表面と
フランジ10fとの接触面は増加する。ここにいう接触
離反位置とは、ビード部1がフランジ10fと接触する
半径方向最外側位置をいう。
【0017】ここに、接触離反位置Aと接触離反位置B
との間に挟まれるビード部1の外側表面を接触面増加部
分と呼ぶものとし、この増加部分は接地域のトレッド周
線に沿う向きに同一ではないので、接触離反位置Aは倒
れ込み変形が最大となる荷重直下乃至その近傍での位置
とし、接触面増加部分は荷重を除いた時の無負荷状態で
定める。なおビード部1の倒れ込み変形のありさまは接
触離反位置Aからの矢印で示すことで代表して図示を省
略し、倒れ込み変形時に矢印の先端はリム10のフラン
ジ10f上の位置Afと合致する。
【0018】上記の倒れ込み変形に伴うビード部1の、
リム10のフランジ10fとの接触面増加部分上の任意
の点Pからの法線VL 方向(矢印方向)で接触面増加部
分に対応するビード部1の領域Rのうち、カーカスプラ
イ4の折返し部4tにおけるコード(図示省略)、望ま
しくはスチールコードからビード部外側表面までの領域
O に少なくとも3層の互いに異なる硬度をもつゴム部
材を配置するものとする。ここに法線VL とは接触面増
加部分の曲面(図1〜3では曲線)上の任意の一点Pを
通り、この点Pにおける接平面(図1〜3では接線)に
垂直な直線を指す。
【0019】上述したビード部1の領域Rは、先に述べ
たビード部1の外側表面の接触離反位置(半径方向最外
側位置)Aからカーカスプライ4に下ろす法線L1 と、
ビード部1の外側表面の接触離反位置(半径方向最外側
位置)Bからカーカスプライ4に下ろす法線L2 との間
に挟まれる領域に特定すること、従ってカーカスプライ
4の折返し部4tのコードからビード部外側表面までの
領域RO もこの領域R内とすることが実用上好都合であ
る。領域RO はタイヤ全周にわたるのは勿論であり、こ
の領域RO に少なくとも3層の互いに異なる硬度のゴム
部材を配置するものとし、このとき折返し部4tの被覆
ゴムを1層のゴム部材と数える。
【0020】コードの被覆ゴムを除く残余の2層以上の
ゴム部材のうち折返し部4tの外側表面に沿って隣接配
置するゴム部材は、図1、図2の例はクッションゴム
6、図3の例ではサイドウォールゴム5であり、これら
のゴムは何れも領域RO にて最軟質ゴム部材であること
を要する。さらに残りの1層以上のゴム部材のうち最軟
質ゴム部材の外側表面に沿って隣接配置する最硬質ゴム
部材は、図1に示す例ではインサートゴム7であり、図
2及び図3に示す例はゴムチェーファ8である。
【0021】上記最軟質ゴムはその100%モジュラス
が20kgf/cm2 以下であること、そして上記最硬質ゴム
の100%モジュラスは最軟質ゴムの100%モジュラ
スの3倍以上であることが必要である。これらのことか
らカーカスプライ4のコード被覆ゴムの硬度乃至100
%モジュラスは両ゴム部材の間の値とするのは勿論であ
る。なお上記クッションゴム6は一般にベルト端部に使
用するクッションゴムと同様な応力緩和機能をもたせる
ため名付けたゴム部材であり、インサートゴム7は文字
通り複数部材間に挿入するゴム部材である。
【0022】ここで、先に述べたサイドウォール部2か
らビード部1に至る間の倒れ込み変形が生じるとき、ビ
ード部1はあたかもビードコア3を支点とする回転形態
を採る。その結果領域RO に存在するゴムは、折返し部
4t、より正確には折返し部4tのコード、特にスチー
ルコードとリム10のフランジ10fとの間で著しく圧
縮される。この大きな圧縮歪はフランジ10fに沿って
半径方向外側に向けゴムに大きな流動変位を生じさせる
ので、ゴムは大きな剪断変形を受けることになる。この
剪断変形はカーカスプライ4の折返し部4tの外側表面
に伝達される結果、従来タイヤは走行距離が進むにつれ
折返し部4tのコード、特にスチールコードとその被覆
ゴムとの界面に、乃至はコード近傍のゴムにセパレーシ
ョンを発生させることになる。
【0023】これに対し前記構成になるビード部1は、
領域RO において、折返し部4tの外側表面に沿って最
軟質のゴム部材、すなわち図1、2に示す例ではクッシ
ョンゴム6を、図3に示す例はサイドウォールゴム5を
隣接配置することにより、倒れ込み変形時にリム10の
フランジ10f側から伝達される剪断変形を最軟質ゴム
部材が吸収し、折返し部4t外側表面に作用する剪断応
力を大幅に緩和することができる。この緩和効果を実際
上セパレーション発生阻止にまで高めるには最軟質ゴム
部材の100%モジュラスが20kgf/cm2 以下でなけれ
ばならない。
【0024】さらに領域RO において、最軟質ゴム部材
の外側表面に沿って最硬質ゴム部材、すなわち図1に示
す例ではインサートゴム7を、図2、3に示す例はゴム
チェーファ8を隣接配置することにより、倒れ込み変形
時に領域RO に存在するゴムの流動変位を少なくし、こ
れにより折返し部4t外側表面に作用する剪断応力を緩
和することができる。しかも仮に最軟質ゴム部材のみの
配置とすればビード部1の剛性不足を来して倒れ込み変
形量が増大する結果、折角の最軟質ゴム部材を設けた効
果が減殺される他、フランジ10fとこれに倒れ込み接
触するビード部ゴムとの間の相対的動きが増してゴムの
摩耗が促進されるところ、最軟質ゴム部材と最硬質ゴム
部材とを組合わせ配置することにより、これらの不具合
を排除することができる。上記効果を有効に発揮させる
ためには、最硬質ゴム部材の100%モジュラスの最軟
質ゴム部材の100%モジュラスに対する比の値が3倍
以上であることを要する。
【0025】その一方、最硬質ゴム部材乃至これに近い
高硬度のゴム部材のみを領域RO に適用すれば折返し部
4tのセパレーション発生は必至であり、よって上に述
べたように最軟質ゴム部材と最硬質ゴム部材との組合せ
配置の構成とすることにより、十分な剛性を付与させた
上で折返し部4tの外側表面に作用する剪断歪を有利に
低減させることができ、ビード部1の耐セパレーション
性を顕著に向上させることができる。
【0026】また最軟質ゴム部材の100%モジュラス
が20kgf/cm2 を超えると剪断応力を十分に緩和するこ
とができず、この点でモジュラスは成るべく小さい値で
あるのが望ましく、また最硬質ゴム部材の最軟質ゴム部
材に対する100%モジュラス比の値が3倍未満では先
に述べた不具合を十分に払拭することができず、この点
で倍率の値は成るべく大なるほど良い結果が得られる。
【0027】なお領域RO における3層以上の互いに異
なる硬度のゴム部材は、図1〜図3に示すように、領域
O から半径方向外側に向けて延びる断面形状を有する
ことを可とする。また図1〜図3に示す符号9はスティ
フナであり、そのうち9aは硬スティフナ、9bは軟ス
ティフナであり、符号11はインナーライナである点は
従来構造に従うが、特に最硬質ゴム部材と最軟質ゴム部
材との関連で最適な硬度及び配置を考慮するのが良い。
【0028】
【実施例】建設車両用ラジアルタイヤ100でサイズが
37.00R57であり、カーカスプライ4は1プライ
でラジアル配列スチールコードのゴム被覆になる。ビー
ド部1〜サイドウォール部2に至る構成は図1〜図3に
従う。実施例1は図1に従い、実施例2、3は図2に従
い、そして実施例4は図3に従う構成になる。なお実施
例4の最軟質ゴム部材はサイドウォールゴム5が兼ねる
例である。各実施例の効果を検証するため図4に同様断
面を示す従来例のタイヤ100Aを準備した。これら例
のタイヤにおけるゴム部材の100%モジュラスM100
(単位はkgf/cm2 )の値を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】上記5種類のタイヤを供試タイヤとして、
ドラムによるビード部耐久性試験を実施して比較評価し
た。試験方法及び試験条件は下記の通り。 (1)ベルト故障を先行させず、確実にビード部故障が
発生するように、トレッド部のトレッドゴムを削り取っ
た。 (2)最高空気圧7kgf/cm2 を充てんし、表面速度10
km/hで回転するドラムに当初荷重は51.5トン(ほぼ
最大荷重に相当する100%ロード)を負荷し、所定時
間走行後は段階的に荷重を増加させ、5種類のタイヤの
何れか1種類のタイヤにビード部故障が生じたところで
試験は全数打ち切りとする。
【0031】予測通り従来例のタイヤに外観から明確に
確認できるビード部故障(ビード部外側の故障)が発生
したので、全タイヤの試験を打ち切り、試験機から取り
外してビード部故障の有無及び故障の程度を解剖により
確かめた。
【0032】その結果、従来例は解剖に付すまでもな
く、著しいセパレーション故障が領域RO 周りに発生し
ていたのに対し、実施例1、2は折返し部4tの外側に
外観からそれと認めることができない微小なセパレーシ
ョンが見出される程度に止まり、実施例3、4にはセパ
レーションの兆候すら認めることができなかった。なお
試みに新品タイヤ重量を測定しところいずれのタイヤも
重量がほぼ同じであった。
【0033】
【発明の効果】この発明の請求項1〜5に記載した発明
によれば、補強部材などの追加部材の配置を必要とせ
ず、よってタイヤ重量増加を伴うことなく高生産性を保
持した上で、ビード部耐久性を有利に向上させることが
できる重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による一実施形態例タイヤの要部断面
図である。
【図2】この発明による別の実施形態例タイヤの要部断
面図である。
【図3】この発明による他の実施形態例タイヤの要部断
面図である。
【図4】従来タイヤの要部断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部 2 サイドウォール部 3 ビードコア 4 カーカスプライ 4t 折返し部 5 サイドウォールゴム 6 クッションゴム 7 インサートゴム 8 ゴムチェーファ 9 スティフナ 9a 硬スティフナ 9b 軟スティフナ 10 リム 10f フランジ 100、100A 重荷重用空気入りラジアルタイヤ A 最大荷重負荷時ビード部のリムフランジとの接触離
反位置 B 最高空気圧充てん時ビード部のリムフランジとの接
触離反位置 L1 、L2 位置A、位置Bからカーカスプライへの法
線 R 法線L1 、L2 が区画するビード部領域 RO ビード部領域のうち折返し部コードより外側領域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のビード部及び一対のサイドウォー
    ル部と、トレッド部とからなり、これら各部をビード部
    内に埋設したビードコア相互間にわたり補強するラジア
    ル配列コードのゴム被覆になるカーカスプライと、該カ
    ーカスプライの外周に配置したベルトとを備え、カーカ
    スプライはビードコア周りを巻上げた折返し部を有する
    重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、 上記タイヤとその標準リムとの組立体にそのタイヤの最
    高空気圧を充てんしたビード部外側表面のリムのフラン
    ジとの接触離反位置と、最高空気圧を充てんした組立体
    にそのタイヤの最大負荷能力に相当する荷重を負荷した
    ビード部外側表面のリムのフランジとの接触離反位置と
    の間に挟まれるビード部の接触面増加部分にその法線方
    向で対応するビード部領域のうち、カーカスプライ折返
    し部におけるコードからビード部外側表面までの領域に
    少なくとも3層の互いに異なる硬度のゴム部材を配置
    し、 該ゴム部材のうち1層はカーカスプライコードの被覆ゴ
    ムとして、残余層のゴム部材のうち最軟質のゴム部材を
    上記被覆ゴムの外側面に沿って隣接配置すると共に最も
    硬質のゴム部材を上記最軟質ゴム部材の外側面に沿って
    隣接配置して成り、 最軟質ゴム部材の100%モジュラスが20kgf/cm2
    下であり、かつ最硬質ゴム部材の最軟質ゴム部材に対す
    る100%モジュラス比の値が3倍以上であることを特
    徴とする重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
  2. 【請求項2】 上記接触面増加部分にその法線方向で対
    応するビード部領域が、タイヤに最高空気圧を充てんし
    たビード部外側表面のフランジとの接触離反位置からカ
    ーカスプライに下ろした法線と、上記荷重負荷の下にお
    けるタイヤのビード部外側表面のフランジとの接触離反
    位置から、荷重を取り除いた最高空気圧充てんタイヤに
    おけるカーカスプライに下ろした法線との間に挟まれる
    領域である請求項1に記載したタイヤ。
  3. 【請求項3】 上記最軟質ゴム部材がサイドウォールゴ
    ムである請求項1又62に記載したタイヤ。
  4. 【請求項4】 上記最硬質ゴム部材がインサートゴムで
    ある請求項1〜3に記載したタイヤ。
  5. 【請求項5】 上記最硬質ゴム部材がゴムチェーファゴ
    ムである請求項1〜3に記載したタイヤ。
JP17005697A 1996-07-08 1997-06-26 重荷重用空気入りラジアルタイヤ Expired - Fee Related JP4021521B2 (ja)

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