JPH1076759A - 可逆性感熱記録体 - Google Patents

可逆性感熱記録体

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JPH1076759A
JPH1076759A JP8236055A JP23605596A JPH1076759A JP H1076759 A JPH1076759 A JP H1076759A JP 8236055 A JP8236055 A JP 8236055A JP 23605596 A JP23605596 A JP 23605596A JP H1076759 A JPH1076759 A JP H1076759A
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JP
Japan
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thermosensitive recording
reversible thermosensitive
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acrylate
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JP8236055A
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English (en)
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Makoto Nishioka
誠 西岡
Norio Yamane
教郎 山根
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発色部と消色部のコントラストが高く、画像
の保存性に優れ、かつ繰り返し発色、消色を行った際に
も、画質の劣化が生じない可逆性感熱記録体を提供す
る。 【構成】 可逆性感熱記録体の感熱記録層中に、染料前
駆体と共に、その顕色剤として、炭素原子数が11以上
の長鎖アルキル基とスルホニル(チオ)尿素基とを有す
る芳香族化合物を含有させ、さらに感熱記録層の上に、
電子線硬化型または紫外線硬化型のオーバーコート層を
設置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱条件を制御す
ることにより、発色および消色を行ない、かつその発色
状態と消色状態を常温において保持できる、可逆性感熱
記録体に関するものである。更に詳しく述べるならば、
本発明は、白地に発色画像を形成し、高いコントラスト
を有し、画像の保存性に優れ、さらに繰り返し発色・消
色を行った際にも、画質の劣化が生じない可逆性感熱記
録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、感熱記録体は、記録装置がコンパ
クトで、安価で、かつ保守が容易であることから、コン
ピューター、計測機器、レジスター、CD・ATM、フ
ァクシミリ、自動券売機、ハンディーターミナル等の出
力用紙として使用されてきたが、最近では磁気記録との
複合化により、プリペイドカードやポイントカード等の
磁気感熱カードとしても使用されている。これらの磁気
感熱カードでは、磁気情報が使用の都度書き換えられる
のに対し、感熱記録画像は書き換えられないため、残度
数等の新しい情報は、画像が記録されていない部分に追
記される。しかし、記録可能な部分の面積は限られてい
るため、やむなく感熱記録する情報量を減らしたり、記
録エリアが無くなった時点でカードを作り直したりして
いるのが実状である。このような問題を解決する手段と
して、何度でも書き換え可能な可逆性感熱記録体の開発
が強く望まれている。
【0003】また、近年盛んに論じられているゴミ問題
や森林破壊問題を背景に、感熱記録紙についてもその再
生利用が望まれている。感熱記録紙の再生方法には様々
な方法が考えられるが、中でも脱墨装置等の大型な装置
を必要としない汎用性のある方法として、何度でも書き
換え可能な可逆性感熱記録体の開発が望まれている。さ
らに、可逆性感熱記録体は、特開平3−233490号
公報および特開平5−42762号公報等に開示されて
いるような簡易ディスプレー用の記録材料としても注目
されており、これらの装置に適した可逆性感熱記録体の
開発も強く望まれている。
【0004】これらの要求を背景に、様々な可逆性感熱
記録体が提案されてきた。例えば、特開平63−107
584号公報、特開平4−78573号公報および特開
平4−358878号公報等には、加熱条件による透明
度の変化を利用した高分子タイプの可逆性感熱記録体が
開示されている。しかし、高分子の相変化による透明−
白濁を利用した記録方式であるため、十分な透明度、あ
るいは十分な不透明度が簡単には得られず、発色部と消
色部のコントラストが低くなり、暗い場所での視認性が
悪いという問題を有している。また一般に、発色地に白
の画像記録となってしまい、白地に発色画像を記録す
る、所謂ペーパーライクな記録体を得るのが困難である
という欠点も有している。
【0005】従来の可逆性感熱記録体の上記問題を解決
する方法として、従来の感熱記録体に用いられている染
料を使用しながら可逆記録を可能にした、染料タイプの
可逆性感熱記録体が提案されている。染料タイプの可逆
性感熱記録体は、白地に発色画像を記録することが容易
であり、また加熱条件による吸収波長の変化を利用した
記録方式であるため、比較的高いコントラストが得られ
る。染料タイプの可逆性感熱記録体としては、例えば下
記の方式が知られている。
【0006】特開昭58−191190号公報および特
開昭60−193691号公報には、顕色剤として没食
子酸、フロログルシノールを用いる方法が開示されてい
る。しかし、消去に水または水蒸気を必要とするため、
消色装置が大型化するという欠点を有している。特開昭
60−264285号公報および特開昭62−1408
81号公報には、ヒステリシスを有するサーモクロミッ
ク材料が開示されている。しかし、画像保持温度域が、
その上限および下限の両方において制限されるため、装
置が複雑になり、かつ使用温度環境に制限があるという
欠点を有している。特開昭63−173684号公報に
は、顕色剤としてアスコルビン酸誘導体を用いる方法が
開示されている。しかし、消去の際、十分に消色しない
という欠点を有している。
【0007】特開平2−188293号公報および特開
平2−188294号公報には、没食子酸等の特定の有
機酸と、高級脂肪族アミンとの塩を顕色剤として用いる
方法が開示されている。しかし、発色反応と消色反応が
競争反応であるため、どちらかの反応が選択的に進行す
るように制御することが困難であり、高コントラストを
得にくいという欠点を有している。特開平5−1243
60号公報および特開平6−210954号公報には、
長鎖アルキル基を有する有機リン酸化合物、あるいはフ
ェノール性化合物を顕色剤として用いる方法が開示され
ている。しかし、消去の際、十分に消色しないことがあ
り、また発色画像の保存性が不十分となることがあると
いう欠点を有している。上記以外の問題として、繰り返
し発色・消色を行った場合に、記録層が支持体から剥が
れたり、亀裂が生じたりして、画質が劣化する場合があ
った。画質の劣化が生じない発色・消色繰り返し回数
(以後、「繰り返し耐久性」と表現する)は、用途によ
っても異なるが、少なくとも30回程度は必要である。
【0008】特開平6−344672号公報および特開
平6−344673号公報には、前述の長鎖アルキル基
を有するフェノール性化合物を顕色剤に用いた可逆性感
熱記録層上に電子線照射で硬化したオーバーコート層を
付与する方法が開示されている。画質の劣化防止に効果
が認められるものの、依然として発色画像の保存性に問
題が残る。上記のように、可逆性感熱記録体について数
多くの技術が開示されてきたが、それぞれ種々の欠点を
有しており、実用上十分に満足な性能を有するものは未
だ得られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、小型の装置
を用い、白地に発色画像を形成し、加熱条件の違いのみ
で発色および消色を実施することができ、高いコントラ
ストを有し、画像の保存性に優れ、かつ繰り返し発色・
消色を行っても画質の劣化が生じない可逆性感熱記録体
を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは先に、顕色
剤として長鎖アルキル基とスルホニル(チオ)尿素基を
有する化合物を用いる可逆性感熱記録体を提案した(特
願平8−82633号公報)。この可逆性感熱記録体
は、小型の装置を用い、白地に発色画像を形成し、加熱
条件の違いのみにより発色および消色が可能であり、高
いコントラストを有し、かつ画像の保存性に優れた記録
体である。本発明者らは、この可逆性感熱記録体に、オ
ーバーコート層を設置することにより、繰り返し耐久性
を改善する方法について鋭意研究を重ねた結果、オーバ
ーコート層に電子線硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂
を使用することにより、所望の可逆性感熱記録体が得ら
れることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0011】本発明の可逆性感熱記録体は、シート状支
持体と、このシート状支持体上に形成され、かつ無色ま
たは淡色の染料前駆体、およびこれを可逆的に発色およ
び消色させる顕色剤とを含む感熱記録層とを有し、さら
に前記顕色剤として、一分子中に下記一般式(I):
【化3】 (ただし、R1はナフチル基または低級アルコキシ基に
より置換されたフェニル基から選ばれた一員を表し、Y
は下記化学式:
【化4】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、nは
11〜30の整数を表す。)で表わされる少なくとも1
種類の芳香族化合物を含む可逆性感熱記録体において、
前記感熱記録層上に、オーバーコート層として、電子線
照射または紫外線照射により硬化し得る不飽和有機化合
物(電子線硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂)を主成
分として含む表面樹脂塗布硬化層を有することを特徴と
するものである。さらに、本発明の可逆性感熱記録体に
おいては、感熱記録層とオーバーコート層の間に、水溶
性高分子または水分散性高分子を主成分として含む中間
層を有していることが好ましい。
【0012】
【作用】本発明は、オーバーコート層として、電子線ま
たは紫外線により硬化し得る不飽和有機化合物(電子線
硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂)を主成分として含
む表面樹脂塗布硬化層を使用することを、大きな特徴と
するものである。このオーバーコート層は、樹脂が電子
線照射または紫外線照射により、重合または3次元的に
架橋しているので、ポリビニルアルコール等の高分子を
塗布したオーバーコート層に比べ、物理的強度が非常に
高い。そのため、発色に用いるサーマルヘッドや消色に
用いるヒートプレートから、加熱や加圧、剪断応力を受
けても剥がれや亀裂を生じることなく、画質の劣化を防
止することが可能となる。
【0013】本発明の可逆性感熱記録体のオーバーコー
ト層に用いられる電子線または紫外線により硬化する樹
脂は、例えば以下に挙げる化合物から選ぶことができ
る。 (1)脂肪族、脂環族、および芳香脂肪族の、アルコー
ル及びポリアルキレングリコールのアクリレート(また
はメタクリレート)化合物類。 (2)脂肪族、脂環族、芳香脂肪族の、アルコールにア
ルキレンオキサイドを付加させたもののアクリレート
(またはメタクリレート)化合物類。 (3)ポリアクリロイル(またはポリメタクリロイル)
アルキルリン酸エステル類。 (4)多塩基酸と、ポリオールと、アクリル(またはメ
タクリル)酸との反応生成物。 (5)イソシアネートと、ポリオールと、アクリル(ま
たはメタクリル)酸との反応生成物。 (6)エポキシ化合物とアクリル(またはメタクリル)
酸との反応生成物。 (7)エポキシ化合物と、ポリオールと、アクリル(ま
たはメタクリル)酸との反応生成物。
【0014】さらにこれらを具体的に述べるならば、ポ
リブタジエン骨格を有するポリウレタンアクリレート、
水添ポリブタジエン骨格を有するポリウレタンアクリレ
ート、ポリオレフィン骨格を有するポリウレタンアクリ
レート、水添リシノール酸(硬化ヒマシ油)骨格を有す
るポリウレタンアクリレート、メチルアクリレート、エ
チルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリル
アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイ
ルモルホリン、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、2−
ヒドロキシエチルアクリレ−ト、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタ
クリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テ
トラヒドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン
変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジ
シクロヘキシルアクリレート、イソボロニルアクリレー
ト、イソボロニルメタクリレート、ベンジルアクリレー
ト、ベンジルメタクリレート、エトキシジエチレングリ
コールアクリレート、メトキシトリエチレングリコール
アクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレ
ート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレー
ト、フェノキシポリプロピレングリコールアクリレー
ト、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレ
ート、エチレンオキシド変性フェノキシアクリレート、
ノニルフェノキシポリプロピレングリコールアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルカルビトールアクリレート、ω−カルボキシポ
リカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒド
ロキシエチルアクリレート、アクリル酸ダイマー、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ジ
シクロペンテニルアクリレートである。
【0015】更には、アクリル酸−9,10−エポキシ
化オレイル、メタクリル酸−9,10−エポキシ化オレ
イル、マレイン酸エチレングリコールモノアクリレー
ト、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテ
ニルオキシエチレンアクリレート、4,4−ジメチル−
1,3−ジオキソランのカプロラクトン付加物のアクリ
レート、3−メチル−5,5−ジメチル−1,3−ジオ
キソランのカプロラクトン付加物のアクリレート、ポリ
ブタジエンアクリレート、エチレンオキシド変性フェノ
キシ化リン酸アクリレート、エタンジオールジアクリレ
ート、エタンジオールジメタクリレート、1,3−プロ
パンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオー
ルジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリ
レート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオ
ールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタク
リレート、1,14−テトラデカンジオールジアクリレ
ート、1,15−ペンタデカンジオールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール
ジメタクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリ
レート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポ
リプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレートである。
【0016】また2−ブチル−2−エチルプロパンジオ
ールジアクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノ
ールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変性ビス
フェノールAジアクリレート、ポリエチレンオキシド変
性水添ビスフェノールAジアクリレート、プロピレンオ
キシド変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリプロ
ピレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート、
ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコール
のカプロラクトン付加物ジアクリレート、エチレンオキ
シド変性イソシアヌル酸ジアクリレート、ペンタエリス
リトールジアクリレートモノステアレート、1,6−ヘ
キサンジオ−ルジグリシジルエーテルアクリル酸付加物
である。
【0017】また更には、ポリオキシエチレンエピクロ
ロヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、トリ
シクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド変性
トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレ
ンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパント
リアクリレート、ポリプロピレンオキシド変性トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌ
ル酸トリアクリレート、エチレンオキシド変性グリセロ
ールトリアクリレート、ポリエチレンオキシド変性グリ
セロールトリアクリレート、プロピレンオキシド変性グ
リセロールトリアクリレート、ポリプロピレンオキシド
変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプ
ロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、ポリカプロラクトン変性ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート等があり、これらの化合物を単独
で、あるいはその2種以上を組み合わせて使用すること
が出来る。
【0018】また、紫外線硬化型樹脂を使用する際に必
要とされる光開始剤の例として、アセトフェノン、ベン
ゾフェノン、ベンゾインエーテル、クロロアセトフェノ
ン、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェ
ノン、α−アミノアセトフェノン、ベンジルメチルケタ
ール、チオキサントン、α−アシルオキシムエステル、
アシルホスフィンオキサイド、グリオキシエステル、3
−ケトクマリン、2−エチルアンスラキノン、カンファ
ーキノン、ベンジル、ミヒラーケトンなどが挙げられる
が、本発明においても使用することができる。
【0019】本発明のオーバーコート層は、印字時のス
ティッキングの防止等を目的として、顔料を含んでいて
も良く、例えば、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化
アルミニウム、二酸化硅素、水酸化アルミニウム、硫酸
バリウム、タルク、カオリン、クレー、焼成クレー、コ
ロイダルシリカ、スチレンマイクロボール、ナイロンパ
ウダー、ポリエチレンパウダー、生澱粉粒等、およびこ
れらの顔料をフッ素、シリコン、ワックス、高級脂肪
酸、有機チタネート、シランカップリング剤、高分子樹
脂化合物、有機酸および無機酸等で、表面コーティング
または表面処理した顔料等を用いることができる。
【0020】また本発明のオーバーコート層は、スティ
ッキングやヘッド磨耗の防止を目的として、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸バリウム等の高級脂肪酸金属塩、
パラフィン、アミド系ワックス、ビスイミド系ワックス
等のワックス類を含んでいても良い。顔料の含有量は5
〜80重量%が好ましく、ワックス類の含有量は1〜2
0重量%が好ましい。
【0021】顔料を樹脂中に分散するには、3本ロール
ミル(スリーロールミル)、2本ロールミル(ツーロー
ルミル)、カウレスディゾルバー、ホモミキサー、サン
ドグラインダー、プラネタリーミキサー、および超音波
分散機などを使用することができる。電子線または紫外
線により硬化する樹脂の塗布方法としては、例えばバー
コート法、ブレードコート法、スクイズコート法、エア
ーナイフコート法、ロールコート法、グラビアコート法
およびトランスファーコート法等のいずれを用いても良
い。さらにこのために、ファウンテンコーターあるいは
スリットダイコーター方式を用いることもできる。
【0022】樹脂の塗布量は、1〜30g/m2が好ま
しい。電子線照射に用いられる電子線加速器としては、
特にその方式を限定するものではなく、例えばバンデグ
ラーフ型スキャニング方式、ダブルスキャニング方式、
カーテンビーム方式などの電子線照射装置を使用するこ
とができるが、この中でも比較的安価で大出力の得られ
るカーテンビーム方式のものが有効に用いられる。電子
線照射の際の加速電圧は100〜300kVであること
が好ましく、吸収線量は、0.1〜6Mradであるこ
とが好ましい。電子線照射時における雰囲気中の酸素濃
度は500ppm以下であることが好ましい。酸素濃度が
500ppm を超えると、酸素が重合反応の遅延剤として
働き、電子線硬化型樹脂の硬化が不十分になることがあ
る。
【0023】紫外線により硬化させる場合、光源として
高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプを
有する紫外線照射装置が使用され、光量、光源の配置
は、必要に応じて決定される。
【0024】本発明の可逆性感熱記録体は、感熱記録層
とオーバーコート層の間に、水溶性高分子または水分散
性高分子を主成分として含む中間層を有していることが
好ましい。本発明のオーバーコート層に用いられる電子
線または紫外線硬化性樹脂は、塗布する際に感熱記録層
中に染み込む場合があるが、用いる樹脂によっては、染
み込んだ成分が画像の保存性や消色性を悪化させる。こ
のような影響は、感熱記録層とオーバーコート層の間
に、水溶性高分子または水分散性高分子を主成分として
含む中間層を設置することによって防止することができ
る。
【0025】本発明の中間層に用いられる水溶性高分子
としては、種々の分子量のポリビニルアルコール、デン
プン及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロー
ス等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリ
ビニルピロリドン、アクリル酸アミド/アクリル酸エス
テル共重合体、アクリル酸アミド/アクリル酸エステル
/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン
酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン
酸ソーダ、ゼラチン、およびカゼインなどが挙げられ、
また水分散性高分子としては、ポリ酢酸ビニル、ポリウ
レタン、スチレン/ブタジエン共重合体、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル/酢酸ビニル
共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン/酢酸
ビニル共重合体、およびスチレン/ブタジエン/アクリ
ル系共重合体等のラテックスを挙げることができる。
【0026】本発明の中間層は顔料を含んでいても良
く、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、水
酸化アルミニウム、硫酸バリウム、クレー、焼成クレ
ー、タルク、および表面処理された炭酸カルシウムやシ
リカ等の無機系微粉末、並びに尿素−ホルマリン樹脂、
スチレン/メタクリル酸共重合体、およびポリスチレン
樹脂等の有機系の微粉末を用いることができる。顔料の
含有率は、中間層の乾燥重量に対して5〜80重量%が
好ましい。顔料の含有率が、5重量%未満では、中間層
の塗液の濃度が低下し、塗工性が悪くなる。またそれを
80重量%を超えて多量に用いた場合、中間層に用いら
れる水溶性高分子の含有率が少なくなり、感熱記録層お
よびオーバーコート層との密着性が低下する。また中間
層の塗布量は、1〜30g/m2が好ましい。
【0027】本発明の可逆性感熱記録体において、染料
前駆体、および顕色剤を含む感熱記録層は加熱により速
やかに発色し、その発色状態は急冷することにより常温
においても保持される。一方、常温において保持された
発色画像部は、発色温度以下に加熱することにより消去
することができ、その消色状態は常温に冷却しても保持
される。この発色・消色の作用機構は明確ではないが、
顕色剤中の式(I)で表わされるスルホニル尿素基中の
尿素基が、それに隣接するスルホニル基により活性化さ
れるため、塩基性のロイコ染料に対し強い顕色能力を示
して発色が起こり、一方、発色体が発色温度以下に加熱
された時、顕色剤中の長鎖アルキル基が配向して顕色剤
の結晶化を誘発し、染料と顕色剤が分離して消色するも
のと考えられる。一般に発色のための加熱温度は80〜
180℃であり、消色が起きる温度域は50〜120℃
であり、かつ前記発色加熱温度より低い。一般に発色
は、加熱した後の急速な冷却が容易な、サーマルヘッド
などにより行なわれるが、消色は、発色加熱温度以下の
温度域に保持されることにより行なわれ、加熱・冷却速
度を制御する必要はない。消色時の温度保持時間は、
0.1秒以上であることが好ましい。 この発色画像の
記録、消去の過程を図1により説明する。
【0028】図1において、状態Aにある未記録の記録
体を加熱すると、状態Bを経由して温度T2以上におい
て急激に発色濃度が増大し、さらに状態Cを経由して、
発色反応が完了すると状態Dに達し、最も高い発色濃度
を示す。状態Dを室温まで急冷すると、状態Eを経由し
て状態Fに達する。状態Fは室温で発色が保持されてい
る状態であり、これで画像の記録が終了する。この記録
画像を、温度域T1に加熱、保持すると、発色濃度が次
第に低下し、状態Gを経由して状態A’となり完全に消
色する。これを室温まで冷却すると、状態Aに達する。
状態Aは室温で消色状態が保持されている状態であり、
これで画像の消去が終了する。上記の発色−消色可逆サ
イクルは、繰り返し行うことができる。
【0029】本発明の可逆性感熱記録体において顕色剤
として用いられる芳香族化合物の具体例は、特願平8−
82633号明細書に詳細に記されているが、下記化学
式により表わされる化合物が好ましく、これらの化合物
は単独で用いても良く、あるいはその2種以上を混合し
て用いてもよい。
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】また、本発明に関わる顕色剤の長鎖アルキ
ル基の長さは、炭素原子数が、11以上であることが必
要であり、30以下であることが好ましい。その領域で
も、14〜21であることがさらに好ましい。炭素原子
数が11未満では消色能力が実用レベルに達せず、30
を超過すると顕色能力が低下することがある。
【0035】本発明の可逆性感熱記録体の感熱記録層に
おいて、染料前駆体として使用される化合物としては、
トリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェニルメタ
ン系化合物等が挙げられ、従来公知のものから選ぶこと
ができる。例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エ
トキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルイン
ドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバ
イオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペン
チルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p
−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−
N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6
−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−シクロヘ
キシル)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フ
ルオラン、および3−ジブチルアミノ−7−(o−クロ
ロアニリノ)フルオラン等から選ばれた1種以上を用い
ることができる。
【0036】また、本発明においては、所望の効果を阻
害しない範囲でフェノール類又は、有機酸類、および長
鎖アルキル基を有しないスルホニル(チオ)尿素系芳香
族化合物からなる従来公知の顕色剤を、本発明に関わる
長鎖アルキル基を有するスルホニル(チオ)尿素系顕色
剤と併用することができる。これら従来の顕色剤は、例
えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス(1
−メチル−1−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル)
ベンゼン、1,3ービス(1−メチル−1−(4’−ヒ
ドロキシフェニル)エチル)ベンゼン、ジヒドロキシジ
フェニルエーテル(特開平1−180382号公報)、
p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル(特開昭52−140
483号公報)、ビスフェノールS、4−ヒドロキシ―
4’−イソプロピルオキシジフェニルスルホン(特開昭
60−13852号公報)、1,1−ジ(4−ヒドロキ
シフェニル)シクロヘキサン、1,7−ジ(4−ヒドロ
キシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン(特開
昭59−52694号公報)、3,3’−ジアリル−
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(特開昭6
0−208286号公報)である。
【0037】さらに併用し得る従来の顕色剤をN−(p
−トルエンスルホニル)−N’−フェニル尿素、N−
(p−トルエンスルホニル)−N’−(p−メトキシフ
ェニル)尿素、N−(p−トルエンスルホニル)−N’
−(o−トリル)尿素、N−(p−トルエンスルホニ
ル)−N’−(m−トリル)尿素、N−(p−トルエン
スルホニル)−N’−(pートリル)尿素、N−(p−
トルエンスルホニル)−N’−ベンジル尿素(以上、特
開平5−32061号公報)、4,4’−ビス(p−ト
ルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)−ジフェニ
ルメタン、4,4’−ビス(o−トルエンスルホニルア
ミノカルボニルアミノ)−ジフェニルメタン、4,4’
−ビス(ベンゼンスルホニルアミノカルボニルアミノ)
−ジフェニルメタン、1,2−ビス[4’−(pートル
エンスルホニルアミノカルボニルアミノ)フェニルオキ
シ]エタン、4,4’−ビス(pートルエンスルホニル
アミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテルおよび
3,3’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボ
ニルアミノ)ジフェニルスルホン(以上、特開平5−1
47357号公報)などから選んでもよい。
【0038】本発明の可逆性感熱記録体は、一般に増感
剤として知られる熱可融性物質を感熱記録層に含有する
ことができる。それらは例えば、シュウ酸ジエステル類
(特開昭64−1583号公報)、シュウ酸ジ(4−メ
チルベンジル)(特公平5−62597号公報)、1、
2−ビス(m−トリルオキシ)エタン(特開昭60−5
6588号公報)、ジフェニルスルホン(特開昭60−
15667号公報)、p−ベンジルビフェニル(特開昭
60−82382号公報)であるが、これらの化合物
は、比較的低印加エネルギーにより可逆性感熱記録体の
高濃度発色を可能にする能力に加え、消色反応を促進
し、可逆性を向上させるという能力も有する。
【0039】また本発明の感熱記録層には、ワックス
類、顔料を含むことができ、また通常バインダーが含ま
れる。ワックス類としては、例えば、パラフィン、アミ
ド系ワックス、ビスイミド系ワックスなど公知のものを
用いることができる。ただし、亜鉛塩の添加は、繰り返
し発色、消色を行うにつれて消色濃度が増大し、発色画
像の消去が不完全になる恐れがあるため、亜鉛塩の含有
量は、感熱記録層の乾燥重量の1重量%以下であること
が好ましい。
【0040】前記顔料としては、例えば炭酸カルシウ
ム、シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バ
リウム、クレー、焼成クレー、タルク、および表面処理
された炭酸カルシウムやシリカ等の無機系微粉末、並び
に尿素−ホルマリン樹脂、スチレン/メタクリル酸共重
合体、およびポリスチレン樹脂等の有機系の微粉末など
をあげることができる。
【0041】前記バインダーとしては、種々の分子量の
ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メト
キシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、
ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリ
ル酸アミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸
アミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合
体、スチレン/無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポ
リアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、およ
びカゼインなどの水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸
ビニル、ポリウレタン、スチレン/ブタジエン共重合
体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビ
ニル/酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレー
ト、エチレン/酢酸ビニル共重合体、およびスチレン/
ブタジエン/アクリル系共重合体等のラテックスを用い
ることができる。
【0042】本発明の可逆性感熱記録体の感熱記録層に
おいて、染料前駆体の含有率は、一般に感熱記録層の全
乾燥重量の5〜40重量%であることが好ましく、顕色
剤の含有率は、一般に感熱記録層の全乾燥重量の5〜5
0重量%であることが好ましい。顕色剤の含有率が5重
量%未満では、顕色能力に不足をきたし、またそれを5
0重量%を越えて多量に用いても、顕色能力が飽和し
て、発色濃度と消色濃度のコントラストに格別の改善は
見られず、経済的に不利になることがある。また、増感
剤の含有率は、一般に感熱記録層の全乾燥重量の5〜5
0重量%であることが好ましい。増感剤の含有率が5重
量%未満では、消色促進効果に不足をきたし、また50
重量%を越えて多量に使用すると、発色濃度が不足する
可能性がある。
【0043】さらに感熱記録層が、フェノール類、有機
酸、又は長鎖アルキル基を有しないスルホニル(チオ)
尿素系芳香族化合物からなる従来公知の顕色剤を含有す
る場合、その含有率は、感熱記録層の重量の10重量%
以下であることが好ましい。フェノール類、有機酸、ま
たは長鎖アルキル基を有しないスルホニル(チオ)尿素
系芳香族化合物からなる従来公知の顕色剤の含有率が、
10重量%より多くなると、消色反応を阻害し、発色部
と消色部のコントラストの低下が生じる場合がある。ワ
ックス類、および顔料が感熱記録層に含まれる場合、そ
の含有率はそれぞれ5〜20重量%、10〜50重量%
であることが好ましく、またバインダーの含有率は一般
に5〜20重量%である。
【0044】本発明の可逆性感熱記録体に用いられる支
持体は、従来の感熱記録体に用いられてきた紙(酸性
紙、中性紙を含む)、表面に顔料、ラテックスなどを塗
工したコーテッド紙、ラミネート紙、ポリオレフィン系
樹脂から作られた合成紙、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリイミド等のプラスチックフィルムの他にガラス
プレート、導電性ゴムシートなどから選ぶことができ
る。このような支持体の少なくとも1面上に、上記所要
成分の混合物を含む塗布液を塗布し、乾燥して可逆性感
熱記録体を製造する。塗布量は、塗布液層が乾燥した状
態で1〜15g/m 2が好ましく、2〜10g/m2が特
に好ましい。
【0045】本発明の可逆性感熱記録体においては、可
逆性感熱発色層の下に下塗層を設けることもできる。ま
た可逆性感熱記録体の裏面には、その表面と表面の接触
時のブロッキングを防止したり、裏面からの水や油の浸
透を抑えたり、カールコントロールのためにバック層を
設けることもできる。
【0046】本発明においては、可逆性感熱記録体の付
加価値を高めるために、さらにこれに加工を施してより
高い機能を付与することができる。例えば、裏面に粘着
剤、再湿接着剤、ディレードタッグ型接着剤による加工
を施すことで粘着紙、再湿接着紙、ディレードタッグ紙
としたり、又は磁気加工を施すことにより、磁気記録可
能な可逆性感熱記録体とすることができる。また裏面を
利用してこれに熱転写用紙、インクジェット用紙、ノー
カーボン用紙、静電記録用紙、ゼログラフィ用紙として
の機能を付与し、両面への記録が可能な記録紙とするこ
ともできる。もちろん両面可逆性感熱記録体とすること
もできる。
【0047】画像の記録(発色)、消去(消色)を行う
装置は、使用目的によりサーマルヘッド、恒温槽、加熱
ローラー、熱ペン、面状発熱体、レーザー光、赤外線な
どから選択することができるが、特にこれらに限定され
るものではない。
【0048】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。特に断らない限り、「部」および「%」は、それ
ぞれ「重量部」および「重量%」をあらわす。実施例1 下記操作により可逆性感熱記録体を作成した。 (1)分散液Aの調製 成 分 量(部) 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7− 20 アニリノフルオラン ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。
【0049】 (2)分散液Bの調製 成 分 量(部) N−(2−ナフチルスルホニル)−N'−[4− (n−オクタデカノイルアミノ)フェニル]ウレア (化合物No.16 但し、n=17) 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。 (3)分散液Cの調製 成 分 量(部) シュウ酸−ジ−p−メチルベンジルエステル 20 ポリビニルアルコール 10%液 10 水 70 上記組成物をサンドグラインダーを用い、平均粒径が1
μm以下になるまで粉砕した。(4)可逆性感熱記録層の形成 上記A液75部、B液150部、C液75部、焼成クレ
ー(エンゲルハート社製、アンシレックス93)30
部、25%パラフィンワックスエマルジョン2部、およ
び10%ポリビニールアルコール水溶液(日本合成社
製、NM−11Q)100部を混合、撹拌し、塗布液と
した。この塗布液を、厚さ75μmのポリエステルフィ
ルム(東レ社製、ルミラ−E)に、乾燥後の塗布量が
5.0g/m2となるように塗布し、乾燥することにより
可逆性感熱記録層を形成した。
【0050】(5)中間層の形成 カオリナイトクレー分散液(固形分濃度60%、ヒュー
バー社製、HGクレー)5部、カルボキシ変性ポリビニ
ルアルコール水溶液(固形分10%、クラレ社製、KL
−318)200部を混合を混合、撹拌し中間層用塗布
液を調製した。この塗布液を、上記(4)項に記載の感
熱記録層の上に、乾燥後の塗布量が1.5g/m2となる
様に塗布し、乾燥して中間層を形成した。(6)スーパーカレンダー処理 上記(5)項に記載の中間層をスーパーカレンダーによ
って処理し、表面ベックの平滑度を3000〜5000
秒に調整した。(7)オーバーコート層の形成 ポリエステルアクリレート(東亜合成社製、アーロニク
スM−8030)40部、ポリエステルアクリレート
(東亜合成社製、アーロニクスM−6200)40部、
軽質炭酸カルシウム(備北粉化工業製、ライトンA)2
0部を混合、撹拌し、上記(6)項でカレンダー処理し
た中間層の上に、塗布量が2.5g/m2となる様に塗布
した。得られた塗工層に、電子線照射室の酸素濃度30
0ppm以下、加速電圧175kV、吸収線量3Mra
dの条件で電子線を照射して、オーバーコート層を形成
し、可逆感熱記録体を得た。
【0051】(8)発色性、消色性試験 このようにして得られた可逆性感熱記録体に、大倉電機
製感熱発色試験機THPMDを用いて、印字電圧21.
7v、印字パルス1.0msの条件で印字した。この印
字発色濃度をマクベス反射濃度計RD−914で測定し
た。さらに、この発色試料を東洋精機製熱傾斜試験機を
用いて、加熱温度100℃、圧力1kg/cm2、加熱
時間1秒の条件で加熱した後、消色濃度をマクベス反射
濃度計RD−914で測定した。テスト結果を表1に示
す。(9)保存性試験 上記(8)項の発色試験と同様にして印字発色濃度を測
定した後、得られた発色試料を40℃条件下に14日間
放置した後の発色濃度を同様にして測定した。この時の
画像保存率:(40℃で14日間放置後の発色濃度)/
(印字直後の発色濃度)×100(%)により画像部の保存性
を評価した。テスト結果を表1に示す。(10)繰り返し耐久性試験 上記(8)項の発色性、消色性試験を50回繰り返した
後の印字発色濃度および消色濃度をマクベス反射濃度計
RD−914で測定した。さらに、50回繰り返した後
の塗膜の剥がれや亀裂を目視で評価した。テスト結果を
表1に示す。表中、○は、途膜の剥がれや亀裂が生じて
いないことを示し、×は、途膜の剥がれや亀裂が生じて
いることを示す。
【0052】実施例2 実施例1と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、オーバーコート層の形成にあたり、ポリ
エステルアクリレート(東亜合成社製、アーロニクス
M−8030)の代わりに、ウレタンアクリレート(荒
川化学製、BS551)を加え、ポリエステルアクリレ
ート(東亜合成社製、アーロニクスM−6200)の代
わりに、トリプロピレングリコールジアクリレート(日
本化薬社製、カヤッドTPGDA)を加えた。テスト結
果を表1に示す。
【0053】実施例3 実施例2と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、オーバーコート層の形成にあたり、ポリ
エステルアクリレート(東亜合成社製、アーロニクスM
−8030)の代わりに、ウレタンアクリレート(ダイ
ヤUCB製、EB294)を加え、ポリエステルアクリレ
ート(東亜合成社製、アーロニクス M−6200)の
代わりに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート
(日本化薬社製、カヤラッドD−310)を加えた。テ
スト結果を表1に示す。
【0054】実施例4 実施例1と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、オーバーコート層の形成を以下の様に行
った。ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(大日
本印刷化学社製、ユニディック17−824−9)をオ
フセット印刷機により、2g/m2の乾燥塗布量で塗布
した後、この塗布層に、1.2KW水銀ランプ1灯を有
する紫外線硬化装置を用い、ランプからの距離10c
m、搬送速度15m/分の条件で紫外線を照射すること
によりオーバーコート層を形成した。テスト結果を表1
に示す。
【0055】実施例5 実施例4と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、オーバーコート層の形成にあたり、ウレ
タンアクリレート系紫外線硬化型樹脂(大日本印刷化学
社製、ユニディック17−824−9)のかわりに、エ
ポキシアクリレート系紫外線硬化型樹脂(大日本印刷化
学社製、ユニディック7−127)を用いた。テスト結
果を表1に示す。
【0056】実施例6 実施例1と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、分散液Bの調製にあたり、N−(2−ナ
フチルスルホニル)−N'−[4− (n−オクタデカノ
イルアミノ)フェニル]ウレア(化合物No.16 但
し、n=17) のかわりに、N−(p−メトキシベンゼ
ンスルホニル)−N'−[4− (n−オクタデカノイル
アミノ)フェニル]ウレア(化合物No.1 但し、n
=17) を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0057】実施例7 実施例1と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、オーバーコート層の形成を以下の様に行
った。重質炭酸カルシウム(日東粉化工業製、NS−1
000)70部、ウレタンアクリレートエマルジョン
(固形分40%、荒川化学製、FM90)100部、水
40部を混合、撹拌しオーバーコート層用塗布液を調製
した。この塗布液を、実施例1の(5)項に記載の中間
層の上に、乾燥後の塗布量が2.5g/m2となる様に塗
布し、乾燥した。得られた塗工層に上記(7)項に記載
の条件で電子線を照射し、オーバーコート層を形成し
た。結果を表1に示す。
【0058】比較例1 実施例1と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、中間層を設置せず、オーバーコート層の
形成を以下の様に行った。ポリビニルアルコール水溶液
(固形分10%、日本合成社製、GL−05)250
部、クレー分散液(固形分50%、エンゲルハート社
製、HTクレー)50部を混合、撹拌しオーバーコート
層用塗布液を調製した。この塗布液を、実施例1(4)
項に記載の感熱記録層の上に、乾燥後の塗布量が4g/
2となる様に塗布し、乾燥してオーバーコート層を形
成した。テスト結果を表1に示す。
【0059】比較例2 比較例1と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、オーバーコート層の形成にあたり、ポリ
ビニルアルコール水溶液(固形分10%、日本合成社
製、GL−05)の代わりにカルボキシ変性ポリビニル
アルコール水溶液(固形分10%、クラレ社製、KL−
318)を用い、クレー分散液(固形分50%、エンゲ
ルハート社製、HTクレー)の代わりに、重質炭酸カル
シウム分散液(固形分50%、備北粉化工業製、ソフト
ン1000)を用いた。テスト結果を表1に示す。
【0060】比較例3 実施例1と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、分散液Bの調製にあたり、N−(p−メ
トキシベンゼンスルホニル)−N'−[4− (n−オクタ
デカノイルアミノ)フェニル]ウレア(化合物No.1
但し、n=17)のかわりに、N−(4−ヒドロキシフ
ェニル)−N'−n−オクタデシルウレアを用いた。テ
スト結果を表1に示す。
【0061】比較例4 比較例1と同様にして可逆性感熱記録体を作成し、テス
トした。但し、分散液Bの調製にあたり、N−(p−メ
トキシベンゼンスルホニル)−N'−[4− (n−オク
タデカノイルアミノ)フェニル]ウレア(化合物No.
1 但し、n=17)のかわりに、N−(p−トルエンス
ルホニル)−N'−[4− (n−オクタデカノイルアミ
ノ)フェニル]ウレアを用いた。テスト結果を表1に示
す。
【0062】
【表1】
【0063】比較例1、2および4の、オーバーコート
層に電子線または紫外線硬化樹脂を用いていない可逆性
感熱記録体は発色、消色の繰り返しにより塗膜の剥がれ
や亀裂が生じ、画質が劣化している。これらの比較例の
可逆性感熱記録体に対し、実施例1〜7のオーバーコー
ト層に電子線硬化樹脂または紫外線硬化樹脂を用いた可
逆性感熱記録体は、繰り返し耐久性に極めて優れてい
る。また、実施例1〜7と比較例3、4とを対比すれば
明らかなように、本発明の可逆性感熱記録体は、従来の
可逆性顕色剤を用いた場合よりも、得られた発色画像
は、高い保存性を有し、かつ繰り返し試験後の消色濃度
の増大が生じない。
【0064】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録体は、白地に発
色画像を形成し、高いコントラストを有し、画像の保存
性に優れ、かつ繰り返し発色、消色画像を行なった際に
も、画質の劣化および消色濃度の増大が生じない。従っ
て、本発明の可逆性感熱記録体は、実用上の価値の極め
て高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録体の発色および消色サ
イクルにおける温度と発色濃度との関係を示すグラフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状支持体と、このシート状支持体
    上に形成され、かつ無色または淡色の染料前駆体、およ
    びこれを可逆的に発色および消色させる顕色剤とを含む
    感熱記録層とを有し、さらに前記顕色剤として、一分子
    中に下記一般式(I): 【化1】 (ただし、R1はナフチル基または低級アルコキシ基に
    より置換されたフェニル基から選ばれた一員を表し、Y
    は下記化学式: 【化2】 により表される2価の基から選ばれた1員を表し、nは
    11〜30の整数を表す。)で表わされる少なくとも1
    種類の芳香族化合物を含む可逆性感熱記録体において、
    前記感熱記録層上に、オーバーコート層として、電子線
    照射または紫外線照射により硬化し得る不飽和有機化合
    物を主成分として含む表面樹脂塗布硬化層を有すること
    を特徴とする可逆性感熱記録体。
  2. 【請求項2】 前記感熱記録層とオーバーコート層の間
    に、水溶性高分子または水分散性高分子を主成分として
    含む中間層を有することを特徴とする請求項1に記載の
    可逆性感熱記録体。
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JP (1) JPH1076759A (ja)

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