JPH107671A - 抗血栓性ジアミド - Google Patents

抗血栓性ジアミド

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JPH107671A
JPH107671A JP9069543A JP6954397A JPH107671A JP H107671 A JPH107671 A JP H107671A JP 9069543 A JP9069543 A JP 9069543A JP 6954397 A JP6954397 A JP 6954397A JP H107671 A JPH107671 A JP H107671A
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cha
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mmol
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JP9069543A
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Valentine Joseph Klimkowski
バレンタイン・ジョゼフ・クリンコウスキー
Michael Robert Wiley
マイケル・ロバート・ウィリー
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Eli Lilly and Co
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Eli Lilly and Co
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K5/00Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K5/04Peptides containing up to four amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof containing only normal peptide links
    • C07K5/06Dipeptides
    • C07K5/06008Dipeptides with the first amino acid being neutral
    • C07K5/06078Dipeptides with the first amino acid being neutral and aromatic or cycloaliphatic
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
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    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トロンビンに対して選択的に作用し、抗トロ
ンビンIIIとは無関係に、投与後(好ましくは経口投
与)短時間で阻害作用をおよぼし、止血を維持するため
に要求される血餅の溶解を妨害しないような、抗凝固薬
を提供すること。 【解決手段】 式(I): X−C(O)−Y−C(O)−NH−CH2−G−Im I で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、こ
のような化合物または塩の製造方法および中間体、この
ような化合物または塩を含む医薬組成物、ならびにこの
ような化合物または塩のトロンビンインヒビター、凝固
インヒビターおよび血栓塞栓性疾患の治療剤としての使
用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、哺乳類における抗
凝固薬として有用なトロンビンインヒビターに関する。
更に詳しくは、本発明は、高い抗凝固活性および抗血栓
活性を有するジアミドに関する。したがって、本発明
は、トロンビンの新規インヒビター、有効成分として該
化合物を含む医薬組成物、および静脈血栓症、肺動脈塞
栓症、動脈血栓症(特に心筋虚血、心不全および大脳血
栓症)などの血栓塞栓性疾患、血管形成術および冠動脈
バイパス形成術および総合的組織外傷などの炎症プロセ
スに関連する一般的高凝固性状態および局部的高凝固性
状態の予防および治療のための該化合物の抗凝固薬とし
ての使用に関する。さらに、該ジアミドは、インビトロ
アプリケーションにおいて抗凝固薬として有用である。
【0002】
【従来の技術】血液凝固、すなわち血栓形成のプロセス
は、トロンビンの形成に至る複合的タンパク質分解カス
ケードによって誘発される。トロンビンは、血漿に可溶
性のフィブリノーゲンのAα鎖およびBβ鎖から活性化
ペプチドをタンパク質分解的に除去し、不溶性フィブリ
ン形成を開始する。現在、抗凝固を達成するには、ヘパ
リンおよびクマリンの投与が行われている。凝固および
血栓症の非経口による薬理学的コントロールは、ヘパリ
ンの使用によるトロンビンの阻害に基づいている。ヘパ
リンは、内在性抗トロンビンIII(主要な生理学的イ
ンヒビター)の阻害効果を促進することによってトロン
ビンに間接的に作用する。抗トロンビンIII濃度が血
漿中で変化することや表面結合トロンビンがこの間接メ
カニズムに対して耐性があるようにみえることから、ヘ
パリンは効果的な治療法になりえない。効能および安全
性には凝固アッセイが関連すると考えられるため、ヘパ
リン濃度は凝固アッセイによって監視しなければならな
い(得に、活性化部分的トロンボプラスチン時間(AP
TT)アッセイ)。クマリンは、プロトロンビンおよび
他のこのタイプのタンパク質の合成における翻訳後のγ
カルボキシル化を遮断することによってトロンビンの生
成を妨げる。作用のメカニズムゆえに、クマリンの効果
は投与後6〜24時間という遅い時間にしか発現しな
い。さらに、それらは選択的な抗凝固薬ではない。クマ
リンもまた凝固アッセイによる監視を必要とする(得
に、プロトロンビン時間(PT)アッセイ)。近来、ト
ロンビンに対して強力な直接阻害を示す小さい合成分子
に興味がもたれている。たとえば、ロバート・エム・ス
カボローのAnnual Report in Medicinal Chemistry(199
5),30,71-80を参照せよ。ヘパリンおよびクマリンは有
効抗凝固薬であるけれども、小さい合成分子からの市販
医薬はまだ現れていない;そしてこのクラスの化合物に
対する有望性が継続しているにもかかわらず、トロンビ
ンに対して選択的に作用し、抗トロンビンIIIとは無
関係に、投与後(好ましくは経口投与)短時間で阻害作
用をおよぼし、止血を維持するために要求される血餅の
溶解を妨害しないような、抗凝固薬の必要性がいまだ存
在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】トロンビンに対して選
択的に作用し、抗トロンビンIIIとは無関係に、投与
後(好ましくは経口投与)短時間で阻害作用をおよぼ
し、止血を維持するために要求される血餅の溶解を妨害
しないような、抗凝固薬を提供すること。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下に定義す
る本発明化合物が、経口投与を通じて高いバイオアベイ
ラビリティを有する強力なトロンビンインヒビターであ
るという発見に基づいている。本発明は、式(I): X−C(O)−Y−C(O)−NH−CH2−G−Im I [式中、X−C(O)−は、D−プロリニル、D−ホモ
プロリニル、Rm−(CH2g−NH−CH2−C(O)
−、
【化4】 [ここで、Rdはカルボキシまたはメチルスルホニル;
eはNHRc、NHCORcまたはNHCOORc(ここ
で、Rcは(C1−C10)アルキル、(C3−C8)シクロ
アルキルまたは炭素数4〜10の(C3−C8)シクロア
ルキル−(C1−C6)アルキル);Tは(C3−C8)シ
クロアルキル、(C1−C8)アルキル、
【化5】 aは0、1または2;およびQは−OH、(C1−C4
アルコキシまたは−NH−A;Aは水素、(C1−C4
アルキル、R"SO2−、R"OC(O)−、R"C(O)
−、RnC(O)−または−(CH2g−Rmgは1、
2または3;Bは水素または(C1−C4)アルキル;
R'は水素または(C1−C4)アルキル;R"は(C1
4)アルキル、1〜5個のフッ素原子を有する(C1
4)フルオロアルキル、−(CH2d−Rmまたは非置
換もしくは置換アリール(ここでアリールはフェニル、
ナフチル、同一もしくは異なってイオウ、酸素および窒
素から選ばれる1または2個のヘテロ原子を有する5員
または6員の非置換もしくは置換芳香族複素環、または
同一もしくは異なってイオウ、酸素および窒素から選ば
れる1または2個のヘテロ原子を有する9員または10
員の非置換もしくは置換縮合二環式芳香族複素環);R
mは−COORb、−SO2(C1−C4)アルキル、−S
3H、−P(O)(ORb2またはテトラゾール−5
−イル;Rnは−COORbまたはテトラゾール−5−イ
ル;各Rbは独立して水素または(C1−C4)アルキ
ル;dは1、2または3;mは0、1または2;およびZ
は水素、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキ
シ、ヒドロキシ、ハロまたは(C1−C4)アルキルスル
ホニルアミノ];−Y−C(O)−は、
【化6】 [ここで、Rgは(C1−C6)アルキル、(C3−C8
シクロアルキルまたは−(CH2p−L−(CH2)q
−T';Rpは(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シク
ロアルキルまたは−(CH2p−L−(CH2)q−T'
(ここで、pは0、1、2、3または4;Lは単結合、
−O−、−S−または−NH−;qは0、1、2または
3;およびT'は(C1−C 4)アルキル、(C3−C8)シ
クロアルキル、−COOH、−CONH2またはAr
(ここで、Arは非置換または置換アリール(ここで、
アリールはフェニル、ナフチル、同一もしくは異なって
イオウ、酸素および窒素から選ばれる1または2個のヘ
テロ原子を有する5員または6員の非置換もしくは置換
芳香族複素環、または同一もしくは異なってイオウ、酸
素および窒素から選ばれる1または2個のヘテロ原子を
有する9員または10員の非置換もしくは置換縮合二環
式芳香族複素環));Ryは−CH2−、−O−、−S−
または−NH−;およびRzは単結合、もしくはRyと3
個の隣接する炭素原子が一緒になって5〜8原子の飽和
炭素環を形成する場合、それらの原子のひとつは−O
−、−S−または−NH−であってよい;およびr
0、1または2] Gは−(CH2s−(ここで、sは0、1、2、3また
は4)、またはGは−(CH2t−CH=CH−(ここ
で、tは0、1または2であり、二重結合はトランスで
あってImに結合する);およびImは5位にRを有す
るイミダゾール−4−イル(ここで、Rは水素、ヒドロ
キシ置換基で置換されていることもある(C1−C4)ア
ルキルまたは炭素数2〜4の(C1−C3)アルコキシ−
(C1−C3)アルキル)である]で示される化合物また
はその医薬的に許容しうる塩を提供する。
【0005】さらに本発明は、化合物Iまたはその医薬
的に許容しうる塩および医薬的に許容しうる担体、希釈
剤もしくは賦形剤を含む医薬組成物を提供する。また本
発明は、抗トロンビン量の化合物Iを、治療を必要とす
る哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物にお
ける血栓症の抑制方法を提供する。さらに本発明は、ト
ロンビン阻害量の化合物Iを、治療を必要とする哺乳動
物に投与することを特徴とする、トロンビンの阻害方法
を提供する。本発明は、トロンビンの新規インヒビタ
ー、有効成分として該化合物を含む医薬組成物、および
静脈血栓症、肺動脈塞栓症、動脈血栓症(特に心筋虚
血、心不全および大脳血栓症)などの血栓塞栓性疾患、
血管形成術および冠動脈バイパス形成術および総合的組
織外傷などの炎症プロセスに関連する一般的高凝固性状
態および局部的高凝固性状態の予防および治療のための
該化合物の抗凝固薬としての使用に関する。
【0006】本明細書における語句の定義は、他に特記
されない限りは、以下のとおりである。「ハロ」とは、
フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。「アル
キル」、「アルコキシ」などは、直鎖および分枝鎖基の
両方を意味する;ただし、“プロピル”などの特定の基
は直鎖基のみを意味し、分枝鎖は“イソプロピル”など
として別に表現する。「5員または6員の芳香族複素
環」とは、1または2個の窒素原子;1個の硫黄原子;
1個の酸素原子;1個の窒素原子と1個の硫黄原子;ま
たは1個の窒素原子と1個の酸素原子を含んで安定な構
造をとる5員または6員環のいずれをも意味する。5員
環は2個の二重結合をもち、6員環は3個の二重結合を
もつ。「9員または10員の縮合二環式芳香族複素環」
とは、上記5員または6員環のいずれかが、ベンゼン環
または上記6員の複素環式芳香環に、安定な構造をとる
ような仕方でオルソ縮合して形成される縮合環のいずれ
をも意味する。上記複素環ならびにイミダゾール部分I
mの多くは、互変異性体形状で存在することができる。
このような異性体すべてが本発明の範囲に含まれる。
【0007】上記ArまたはR"の定義において記載し
た各芳香族またはヘテロ芳香族基は独立して、非置換で
あるかまたは、ハロ、ヒドロキシ、(C1−C4)アルキ
ル、(C1−C4)アルコキシ、アミノ、モノ(C1−C4
アルキル)アミノ、ジ(C1−C4アルキル)アミノ、−
(CH2jCOOH、メルカプト、−S(O)h(C1
4アルキル)、−NHS(O)h(C1−C4アルキ
ル)、−NHC(O)(C1−C4アルキル)、−S
(O)hNH2、−S(O)hNH(C1−C4アルキル)
または−S(O)hN(C1−C4アルキル)2(ここで、
hは0、1または2であり、jは0、1、2、3または4
である)から選ばれる1または2個の置換基で安定な構
造をとるように独立して置換されている。
【0008】式Iで示される化合物においては、まずX
−(CO)−基のカルボニル官能基が−Y−(CO)−
のアミン官能基に結合する。次いで、−Y−(CO)−
のカルボニル官能基が式Iに示されるアミノ基に結合す
る。本明細書において、ZおよびAの両方が水素である
基:
【化7】 をフェニルグリシルということもあり、Phgと略記す
る。たとえば、Aがメチルである化合物はNα−メチル
−フェニルグリシルであり、MePhgと略記する。Z
が水素以外である置換化合物は、置換基の種類および位
置に応じて、たとえば3'−クロロフェニルグリシルま
たはPhg(3Cl)という。本明細書において、Zお
よびAの両方が水素である基:
【化8】 をフェニルアラニルということもあり、Pheと略記す
る。たとえば、Aがメチルである化合物はNα−メチル
−フェニルアラニルであり、MePheと略記する。Z
が水素以外である置換化合物は、置換基の種類および位
置に応じて、たとえば3'−クロロフェニルアラニルま
たはPhe(3Cl)という。
【0009】R'が水素である基:
【化9】 を、それぞれ1−および3−テトラヒドロ−イソキノリ
ンカルボニルということもあり、1−Tigおよび3−
Tigと略記する。R'が水素である基:
【化10】 を、それぞれ1−および3−ペルヒドロ−イソキノリン
カルボニルということもあり、1−Pigおよび3−P
igと略記する。波線で示されるように、これらの置換
基の各種縮合異性体が存在するが、本発明はどのような
個々の異性体およびそれらの組み合わせ物をも企図する
ものである。rが0、1または2である基:
【化11】 を、アセチジン−2−カルボニル、プロリニルまたはホ
モプロリニルといい、Azt、ProまたはhProと
略記する。
【0010】基:
【化12】 は、4,5;5,5;6,5;7,5;または8,5型
の飽和二環系を表す。3aの立体化学はカルボニルに対
してシスである;4,5および5,5系が橋頭において
シスでなければならない以外は、他の橋頭結合はシスま
たはトランスのいずれであってもよい。RyおよびRz
定義によって、変化しうる環が、示されている3個の炭
素原子を含めた炭素原子数4〜8の飽和炭素環系である
ことが提供される。すべての環原子が炭素であってもよ
いし、あるいは1個の環原子が−O−、−S−および−
NH−から選ばれるヘテロ原子であってもよい。この定
義には、
【化13】 で示されるオクタヒドロインドール−2−カルボン酸か
ら誘導される基が含まれる。この基の種々のシスおよび
トランス体は本発明によって企図されるものである。
[2S(2α,3aβ,7aβ)]−オクタヒドロイン
ドール−2−カルボン酸から誘導される好ましい異性体
をOhiと略記し、式:
【化14】 で示す。Y基における星印は、(L)である不斉中心を
意味する。X基における星印は、(D)または(DL)
である不斉中心を意味する;X基における#は、(L)
である不斉中心を意味する。
【0011】化合物Iは、互変異性体、またはシスある
いはトランス異性体、光学活性ラセミ体もしくはジアス
テレオマー体の形体で存在し、単離しうることが認めら
れるであろう。本発明は、互変異性体またはその混合物
のいずれをも包含する。本発明が、ジアステレオマーの
混合物ならびに個々のジアステレオマーとしての化合物
Iを包含すること、本発明が、エナンチオマーの混合物
ならびに個々のエナンチオマーのいずれをも包含するこ
と、および該混合物あるいは各形体のいずれもがトロン
ビンに対する阻害特性を有し、特定の形体の製造および
単離方法ならびにトロンビンに対する阻害特性を後記標
準的試験による測定方法は当業界において公知であるこ
とが理解されよう。さらに、化合物Iは多形性を呈する
かまたは水あるいは有機溶媒との溶媒和物であってよ
い。本発明はまた、このような多形体、溶媒和物あるい
はその混合物のいずれをも包含する。
【0012】基、置換基に対する下記の特定の例および
範囲は、説明の目的のみで挙げられたものであり、基お
よび置換基に対する他の値または定義された範囲内の他
の値を排除するものではない。(C1−C4)アルキル、
(C1−C6)アルキル、(C1−C8)アルキルまたは
(C1−C10)アルキルの特定の例としては、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル
またはt−ブチルが挙げられる。(C1−C4)アルコキ
シの特定の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシまた
はイソプロポキシである。(C3−C8)シクロアルキル
の特定の例は、シクロプロピル、シクロペンチルまたは
シクロヘキシルである。(C1−C4)フルオロアルキル
基の特定の例は、トリフルオロメチルまたは2,2,2
−トリフルオロエチルである。アリールの特定の例は、
フェニル、ナフチル、フリル、チエニル、ピリジル、イ
ンドリル、キノリニルまたはイソキノリニルである。
(C1−C3)アルコキシ−(C1−C3)アルキルの特定
の例は、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエ
チルまたはエトキシエチルである。
【0013】特に挙げる化合物Iは、 Xa−C(O)−Ya−C(O)−NH−CH2−Ga−Ima Ia [式中、Xa−C(O)−は、D−ホモプロリニル、
【化15】 [ここで、Taはシクロヘキシルまたはフェニル;a
0、1または2;およびAaは水素、(C1−C4)アル
キル、(C1−C4)スルホニル、(C1−C4アルキル)
オキシ−カルボニル、(C1−C4アルキル)カルボニル
またはカルボメトキシ];−Ya−C(O)−は、
【化16】 [ここで、rは0、1または2];Gaはメチレン、エチ
レン、トリメチレンまたはトランスビリニデン;および
Imaは5位にメチルまたはヒドロキシメチル置換基を
有するイミダゾール−4−イルである]で示される化合
物またはその医薬的に許容しうる塩である。
【0014】好ましい化合物Iaは、
【化17】 [式中、Taはシクロヘキシルまたはフェニル;aは1;
および Aaは水素、エチルスルホニルまたはカルボキ
シメチル;−Ya−C(O)−は、
【化18】 [ここで、rは0、1または2];Gaはメチレン、エチ
レンまたはトランスビリニデン;およびImaは4−イ
ミダゾリルまたは5−メチルイミダゾール−4−イルで
ある]で示される化合物またはその医薬的に許容しうる
塩である。
【0015】さらに特に好ましい化合物Iaは、
【化19】 [式中、Taはシクロヘキシル;aは1;および Aa
水素、エチルスルホニルまたはカルボキシメチル;−Y
a−C(O)−は、
【化20】 [ここで、rは1];Gaはエチレンまたはトランスビリ
ニデン;およびImaは4−イミダゾリルである]で示
される化合物またはその医薬的に許容しうる塩である。
【0016】特に好ましい本発明化合物は実施例1,
2,7,8,10または15に記載した化合物;さらに
特に好ましい化合物は実施例7または8に記載した化合
物;あるいはその医薬的に許容しうる塩である。化合物
Iは、化学の分野において公知の構造的類縁体の製造方
法を含む方法あるいは本明細書に述べる新規方法によっ
て製造することができる。化合物Iの新規製造方法およ
び中間体は、さらに本発明の特徴を提供し、下記の手順
(総括的な基の定義は、他に特記されない限りは前記の
通り)によって説明される。慣例の保護基を用いて官能
基を保護して化合物Iを製造し、次いで保護基を除去し
て化合物Iを得るのが好ましいかあるいは必要であるこ
とが認識されよう。
【0017】(A)Gが−(CH2s−であり、s
2、3または4である化合物Iを製造するには、Gが−
(CH2t−CH=CH−であり、tが0、1または2
である対応する化合物Iの二重結合に水素添加を行う。
たとえば実施例2に記載したように、水性エタノールに
溶かした化合物Iの酸付加塩にパラジウム/炭素触媒の
もと常温常圧にて水素添加する。 (B)酸II: X−C(O)−Y−C(O)−OH II またはその活性化誘導体をアミンIII: H2N−CH2−G−Im III とカップリングさせる。カップリングは、実施例1に記
載したような混合無水物法、または実施例10に記載し
たようなビス(2−オキソ−オキサゾリジニル)ホスフ
ィンサ酸塩化物(BOP−Cl)などの試薬を用いる方
法、あるいは実施例16に記載したような1−(3−ジ
メチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドな
どの試薬を用いる方法など慣例の手順を用いて行う。 (C)酸IV: X−C(O)−OH IV またはその活性化誘導体をアミンV: H−Y−C(O)−NH−CH2−G−Im V とカップリングさせる。カップリングは、上記(B)で
記載した方法のひとつを用いるなどの慣例の手順を用い
て行う。その後、上記手順のいずれの場合でも、保護基
を用いて官能基を保護しているならば、保護基を除去す
る。その後、上記手順のいずれの場合でも、化合物Iの
医薬的に許容しうる塩が必要ならば、化合物Iの酸ある
いは塩基体を生理学的に許容しうるカウンターイオンが
得られる塩基あるいは酸と反応させるか、あるいは塩の
カウンターイオンと交換するなどの他の慣例の手順によ
って得られる。
【0018】1個またはそれ以上の官能基が保護されて
いる化合物Iに対応する化合物は、本発明の別の態様を
提供する。このような化合物は、式Ip: (PX)X−C(O)−(PY)Y−C(O)−NH−CH2−G−Im(PI) Ip として表すことができ、1個またはそれ以上の保護基,
X、PYおよびPIと結合している。ここでPXは官能
基:X−C(O)−に対する任意の保護基;PYは官能
基:Y−C(O)−に対する任意の保護基;およびPI
は官能基:Imに対する任意の保護基である。PXおよ
びPYの代表的な例は、保護される官能基がカルボキシ
ル基である場合にt−ブチルエステルまたはベンジルエ
ステルを形成する基、保護される官能基がアミノ基であ
る場合にt−ブチルウレタンまたはベンジルウレタンを
形成する基、および保護される官能基がヒドロキシ基で
ある場合にメチルエーテル、t−ブチルエーテルまたは
ベンジルエーテルを形成する基である。PIの代表的な
例は、イミダゾールのN−H基を保護するN−トシル基
である。ある化合物Iが、他の化合物Iの保護された等
価物であることが認識されよう。たとえば、実施例1に
記載するように、AがR"OC(O)−[ここで、R"は
t−ブチル]である化合物Iは、Aが水素である化合物
Iの保護された等価物である。同様に、Rmが−COO
b[ここで、Rbはt−ブチル]である化合物Iは、R
mが−COORbであってRbが水素である化合物Iの保
護された等価物である。
【0019】上述したように、本発明は、式Iで定義さ
れるトロンビン阻害化合物の医薬的に許容しうる塩を包
含する。本発明の特定のジアミド化合物は、無毒性アニ
オンを提供する多数の無機および有機酸のうちのいずれ
かと反応して医薬的に許容しうる塩を形成するための1
個またはそれ以上の充分に塩基性の官能基を有する。。
酸付加塩を形成するために通例用いられる酸としては、
塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などの
無機酸、およびp−トルエンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、カル
ボン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などの有
機酸である。従って、そのような医薬的に許容しうる塩
には、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜
硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、
メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化
物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸
塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸
塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロ
ン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フ
マル酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,4−
二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香
酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メ
トキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレ
ンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン
酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒド
ロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスル
ホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−ス
ルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル
酸塩などである。好ましい医薬的に許容しうる酸付加塩
は、塩酸、臭化水素酸および硫酸などの鉱酸と形成され
る塩である。XまたはYがカルボキシ基などの酸基を有
する化合物Iでは、医薬的に許容しうるカチオンを提供
する塩基との医薬的に許容しうる塩を形成し、たとえ
ば、アルカリ金属塩(特に、ナトリウムおよびカリウ
ム)、アルカリ土類金属塩(特に、カルシウムおよびマ
グネシウム)、アルミニウム塩およびアンモニウム塩な
らびにトリエチルアミン、モルホリン、ピペリジンおよ
びトリエタノールアミンなどの生理学的に許容しうる有
機塩基から製造される塩などが挙げられる。
【0020】本発明化合物Iの製造に必要な出発物質
は、もし市販のものが入手できないならば、芳香核およ
びヘテロ芳香核置換ならびに変換などの有機化学におけ
る標準的技術から選ばれる手順、公知の構造的に類似の
化合物、特にペプチド化合物の合成と同様な技術から選
ばれる手順、および上記手順あるいは実施例に記載の手
順と同様な技術から選ばれる手順によって製造すること
ができる。種々の方法を出発物質の製造に適用しうるこ
とは当業者には明白であろう。新規物質である出発物質
は、本発明の別の態様を提供する。
【0021】出発物質である式IIで示される酸は、式
IIp: (PX)X−C(O)−(PY)Y−C(O)−OH IIp として表すこともでき、ここでPXは前記と同意義の任
意の保護基である。酸IIpは、式VI: (PX)X−C(O)−OH VI で示される必要に応じて保護された酸を、式VII: H−(PY)Y−C(O)−OPC VII [ここでPCは水素またはメチル、エチル、t−ブチル
またはベンジルなどのカルボキシ保護基である]で示さ
れるアミノ酸誘導体とカップリングさせ、次いで保護基
Cが存在する場合、保護基を除去することによって製
造することができる。アミンVは、式VIII: (PN)−Y−C(O)−OH VIII [ここでPNはアミノ保護基である]で示されるN保護
アミノ酸を、式IIIのアミン(Imに保護基を有して
いてもよい)とカップリングさせ、次いで、保護基PN
を除去することによって製造することができる;たとえ
ば実施例16に記載の方法による。
【0022】必要に応じて保護されたアミンIIIは、
数多くの経路によって製造することができるが、たとえ
ば反応工程式Iが挙げられる[ここで、IIIpは、必
要に応じて保護されたアミンIIIを表す。反応工程式I
【化21】 このように、アルコールX[ここで、イミダゾールのN
−Hは、PIで示されるN−トシル基で都合よく保護さ
れている]のヒドロキシ基を脱離可能基に変換し、化合
物XI[ここで、Lgは、たとえばブロモ、ヨード、メ
シレートまたはトシレートなどの脱離可能基である]を
得る。次いで、化合物XIを用いて、メタル化保護アミ
ンXII[ここで、Mはリチウム、ナトリウムまたはカ
リウムなどの金属イオンであり、N=NPはフタルイミ
ド基またはジ−t−ブチルイミノジカルボキシレート基
などの保護および活性化基を有するアミノを表す]の窒
素をアルキル化して、保護アミンXIIIを得る。次い
で保護基PPを除去してアミンIIIp[ここで、N−
トシル基PIは残しておいてもアミンをカップリングす
る前に除去してもよい]を得る。別の経路として、ニト
リルXIVを還元してアミンIIIpを得てもよい。二
重結合およびニトリルXIVのシアノ基[ここで、Gは
−(CH2t−CH=CH−であり、tは0、1または
2である]を同時に還元して対応するアミンIII[こ
こで、sは2、3または4である]を得る。また、実施
例18に記載したように、脱離可能基をシアニドイオン
と置換することによって、化合物XIを同族体化合物X
IVに変換することもできる。
【0023】本発明化合物は、酸付加塩の形体で最も効
率よく単離される。上述したような酸とで形成された化
合物Iの塩は、抗トロンビン薬の投与用および該薬剤の
製剤用の医薬的に許容しうる塩として有用である。他の
酸付加塩を製造し、単離し、精製してもよい。上述した
ように、本発明化合物Iの光学的活性異性体およびジア
ステレオマーもまた本発明の一部であるとみなされる。
このような光学的活性異性体は、前述のような操作によ
ってそれぞれの光学的活性前駆体から、あるいはラセミ
混合物を分割することによって製造することができる。
この分割は、キラル試薬で誘導体化し、次いでクロマト
グラフィーに付すかあるいは結晶化を繰り返すことによ
って達成することができる。キラル補助剤を標準的方法
によって除去し、本発明化合物の実質的に光学的に純粋
な異性体あるいはその前駆体を得る。光学分割について
のさらに詳しい説明は、ジャックスらのEnantiomers,Ra
cemates,and Resolutions,ジョン・ウイリー・アンド
・サンズ(1981)に記載されている。
【0024】本発明化合物は、身体のもつ自然な血餅溶
解能力を妨害することなく、凝固血液中に含まれる他の
プロテアーゼおよび非酵素化合物と区別して選択的にト
ロンビンを阻害する(該化合物は繊維素溶解に対する阻
害効果が低い)。さらに、このような選択性ゆえに、本
発明化合物は、血栓崩壊および繊維素溶解を実質的に妨
害することのない血栓崩壊剤としても使用しうる。本発
明の態様のひとつは、治療を必要とする哺乳動物に、ト
ロンビン阻害における有効量の本発明化合物Iを投与す
ることを特徴とする哺乳動物におけるトロンビンの阻害
方法である。本発明の別の態様において、本発明は、治
療を必要とする哺乳動物に、血栓塞栓性疾患の治療およ
び/または予防における有効量の本発明化合物Iを投与
することを特徴とする血栓塞栓性疾患の治療方法を提供
する。本発明の別の態様において、本発明は、治療を必
要とする哺乳動物に、血液凝固の阻害における有効量の
本発明化合物Iを投与することを特徴とする血液凝固の
阻害方法を提供する。本発明方法によって企図されるト
ロンビン阻害、血液凝固阻害および血栓塞栓性疾患の治
療には、医学的治療および/または予防の両方が適宜含
まれる。
【0025】さらなる本発明の具体例では、本発明は、
ヒトまたは動物においてトロンビンの阻害が必要な身体
状況の治療に関する。本発明化合物は、ヒトを含む動物
の血栓症ならびに血液および組織における高凝固性の治
療または予防において有用である。該化合物は、血栓症
ならびに血液および組織における高凝固性の予防におい
て高い有効性がある。該化合物は、静脈血栓症および肺
動脈塞栓症、心筋虚血な、心不全、不安定アンギナ、血
栓症に起因する発作および末梢動脈血栓症などの治療お
よび/または予防において高い有効性がある。さらに、
該化合物は、冠動脈疾患、大脳動脈疾患および末梢動脈
疾患などのアテローム性動脈硬化性疾患の治療または予
防において有用である。さらに、該化合物は、心不全に
おいて血栓崩壊剤とともに用いることができる。さら
に、該化合物は、血栓症、経皮貫管腔血管形成術(PT
CA)および冠動脈バイパス形成術後の再閉塞の予防に
有用である。さらに、該化合物は、顕微術後の再血栓症
の予防に有用である。さらに、該化合物は、人工の臓器
および心臓弁に付随する抗凝固的治療に有用である。さ
らに、該化合物は、血液透析および散在性脈管内凝固に
おける抗凝固的治療に有用である。さらに、該化合物
は、患者に使用したカテーテルおよび医療器具の洗浄に
おける使用および血液、血漿および他の血液産物の保存
における抗凝固薬としての使用において有用である。さ
らに、該化合物は、癌の転移、関節炎などの炎症性疾患
および糖尿病などの、血液凝固が根本的原因プロセスあ
るいは二次的病原である他の疾患において有用である。
本発明の抗凝固化合物は、静脈内注入(iv)、筋肉内
注射(im)又は皮下注射(sc)などにより、経口、
非経口で投与される。
【0026】有効な治療および/または予防効果を得る
ための本発明化合物の特定の投与量は、もちろん、投与
する化合物、投与回数および間隔、投与経路および治療
される対象など、それぞれの事例を取り囲む環境に応じ
て決定される。上記用途それぞれにおける代表的な一日
用量は、約0.01mg/kg〜約1000mg/kg
である。投与の処方は、たとえば予防的使用において、
一日1回投与にて投与するか、あるいは一日3回または
5回の複数回投与にて投与するかなどに応じて変化しう
る。重篤な症状の治療という状況においては、本発明化
合物は、静脈内注入により、約0.01mg/kg/時
〜約20mg/kg/時、好ましくは約0.1mg/k
g/時〜約5mg/kg/時の速度で投与する。本発明
方法は、組織プラスミノーゲンアクチベーター(t−P
A)、修飾t−PA、ストレプトキナーゼまたはウロキ
ナーゼなどの血餅溶解剤と組み合わせて行ってもよい。
血餅形成が発生し、動脈または静脈が部分的あるいは完
全に遮断された場合には、通例、血餅溶解剤を用いる。
本発明化合物は、該溶解剤を投与する前または同時に投
与するか、または溶解剤の使用後に投与することがで
き、血餅形成の再発生を防止するにはアスピリンと同時
に投与するのが好ましい。本発明方法は、血小板の凝集
を阻害する血小板グリコタンパク質レセプター(IIb
/IIIa)アンタゴニストと組み合わせて行ってもよ
い。本発明化合物は、血餅形成の再発生を防止するため
に、IIb/IIIaを投与する前または同時に投与す
るか、またはその使用後に投与することができる。本発
明方法は、アスピリンと組み合わせて行ってもよい。本
発明化合物は、血餅形成の再発生を防止するために、ア
スピリンを投与する前または同時に投与するか、または
その使用後に投与することができる。上述したように、
本発明化合物を血餅溶解剤およびアスピリンと組み合わ
せて投与するのが好ましい。
【0027】また本発明は、上記治療方法に用いる医薬
組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、トロンビン
阻害有効量の化合物Iおよび医薬的に許容しうる担体、
賦形剤または希釈剤を含む。経口投与用としては、結合
剤、滑沢剤、崩壊剤などの賦形剤を含むゼラチンカプセ
ル剤または錠剤の剤形で、本発明抗トロンビン化合物を
製剤する。非経口投与用としては、生理的食塩水(0.
9%)、5%デキストロース、リンガー液(0.9%)
などの医薬的に許容しうる希釈剤で希釈した剤形で、該
抗トロンビン剤を製剤する。本発明化合物は、単位用量
当たり約0.1mg〜約1000mgの該化合物を含む
製剤として製剤することができる。硫酸塩、酢酸塩また
はリン酸塩などの医薬的に許容しうる塩の形状の本発明
化合物が好ましい。たとえば、10mlの滅菌ガラスア
ンプル中に、医薬的に許容しうる塩として本発明化合物
5mgを含有する単位投与剤形が挙げられる。他の単位
投与剤形としては、20mlの等張生理的食塩水の入っ
た滅菌ガラスアンプル中に、医薬的に許容しうる塩とし
て本発明化合物を約10mg含有するものがある。
【0028】本発明化合物は、経口、経腸、経皮、皮
下、静脈内、筋肉内および経鼻などの種々の経路で投与
することができる。本発明化合物は、投与直前に製剤す
るのが好ましい。本発明の他の具体例は、有効量の化合
物Iまたはその医薬的に許容しうる塩もしくは溶媒和
物、ならびに医薬的に許容しうる担体、希釈剤または賦
形剤を含む医薬組成物である。このような製剤中に有効
成分は、製剤の0.1〜99.9重量%含まれる。“医
薬的に許容しうる”とは、担体、希釈剤または賦形剤
が、他の製剤成分との適合性をもっていなければなら
ず、かつその被投与者にとって有害であってはならない
ことを意味する。本発明の医薬組成物は、公知の操作お
よび容易に入手しうる成分を用いて製造される。本発明
化合物は公知の操作を用い、有効成分について、速放
性、徐放性または遅放性製剤として製剤することができ
る。本発明の組成物の製造において、有効成分は、通
常、担体と混合するか、担体で希釈するか、カプセル、
サシエ、紙、または他の容器の形であってよい担体内に
封入される。担体が希釈剤として作用するときは、それ
はビヒクル、賦形剤または有効成分の媒体として作用す
る固形、半−固形、または液状物質であってよい。した
がって、該組成物は、錠剤、ピル、粉剤、ロゼンジ、サ
シェ、カシェ、エリキシル、懸濁剤、エマルジョン、溶
液、シロップ、エアゾル(固形または液状媒体とし
て)、または軟および硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、滅
菌注射液、滅菌封入粉剤の剤形であってよい。
【0029】次の製剤例は詳しい説明を意図するのみの
ものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
“有効成分”とは、勿論本発明化合物Iまたはその医薬
的に許容しうる塩もしくは溶媒和物である。製剤例1 以下の成分を用いてゼラチン硬カプセルを調製する。 量 mg/カプセル 有効成分 250 スターチ、乾燥 200 ステアリン酸マグネシウム 10 合計 460mg
【0030】製剤例2 以下の成分を用いて錠剤を調製する。 量 mg/錠 有効成分 250 セルロース、微結晶 400 二酸化ケイ素(熔融) 10 ステアリン酸 5 合計 665mg 構成成分を混合し各々、重量665mgの錠剤に打錠する。
【0031】製剤例3 以下の成分を用いてエアゾル溶液を調製する。 重量 有効成分 0.25 エタノール 25.75 プロペラント22 (クロロジフルオロメタン) 74.00 合計 100.00mg 有効成分をエタノールと混合し、混合物をプロペラント
22の一部に加え、-30℃に冷却し、充填装置に移す。次
いで必要量をステンレス鋼製容器に入れ、プロペラント
22の残部で希釈する。容器にバルブ一式を装着する。
【0032】製剤例4 以下のようにして、有効成分60mgを含有する錠剤を調製
する。 有効成分 60 mg スターチ 45 mg 微結晶セルロース 35 mg ポリビニルピロリドン(水中10%溶液として) 4 mg ソディウム カルボキシメチル スターチ 4.5 mg ステアリン酸マグネシウム 0.5 mg タルク 1 mg 合計 150 mg 有効成分、スターチ及びセルロースをNo.45メッシュの
U.S.シーヴに通し、完全に混合する。ポリビニルピロリ
ドンを含有する水溶液を残りの粉末と混合し、混合物を
No.14メッシュの U.S.シーヴに通す。このようにして製
造した顆粒を50℃で乾燥しNo.18メッシュの U.S.シーヴ
に通す。先にNo.60メッシュの U.S.シーヴに通しておい
たソディウム カルボキシメチル スターチ、ステアリン
酸マグネシウム及びタルクをこの顆粒に加え、それを混
合後、各々、打錠機により、重量150mgの錠剤に打錠す
る。
【0033】製剤例5 以下のようにして、各々有効成分80mgを含有するカプセ
ル剤を調製する。 有効成分 80 mg スターチ
59 mg 微結晶セルロース
59 mg ステアリン酸マグネシウム 2 mg 合計 200 mg 有効成分、セルロース、スターチ及びステアリン酸マグ
ネシウムを混合し、No.45メッシュの U.S.シーヴに通
し、200mg量のゼラチン硬カプセルに充填する。
【0034】製剤例6 以下のようにして、有効成分225mgを含有する坐剤を調
製する。 有効成分 225 mg 飽和脂肪酸グリセリド 2,000 mg 合計 2,225 mg 有効成分をNo.60メッシュの U.S.シーヴに通し、予め、
必要最小限度の熱を用いて融解しておいた飽和脂肪酸グ
リセリドに懸濁する。次いで、混合物を公称2g容量の
坐剤型に注ぎ、放冷する。
【0035】製剤例7 以下のようにして、5ml用量あたり有効成分50mgを含有
する坐剤を調製する。 有効成分 50 mg カルボキシメチルセルロースナトリウム 50 mg シロップ 1.25 ml 安息香酸溶液 0.10 ml 着香料 q.v. 着色料 q.v. 蒸留水を加えて、合計5mlとする。有効成分をNo.45メッ
シュの U.S.シーヴに通し、カルボキシメチルセルロー
スナトリウム及びシロップと混合して滑らかなペースト
を調製する。安息香酸溶液、着香料及び着色料を水の一
部で希釈し、撹拌しながら加える。十分料の水を加え、
必要な容量とする。
【0036】製剤例8 静脈投与製剤を以下のようにして調製する。 有効成分 100 mg 等張液 1,000 ml 一般に、上記成分の溶液を1分あたり1mlの速度で対象に
静脈内投与する。
【0037】有効な経口活性トロンビンインヒビターで
ある本発明化合物の能力を評価する。本発明によって提
供される化合物Iは、哺乳動物においてトロンビンを選
択的に阻害する。トロンビンの阻害は、トロンビンが色
素形成基質、N−ベンゾイル−L−フェニルアラニル−
L−バリル−L−アルギニル−p−ニトロアニリド(別
の表現では、N−ベンゾイル−L−Phe−L−Val
−L−Arg−p−ニトロアニリド)を加水分解するア
ッセイで測定される、インビトロにおけるトロンビンの
アミダーゼ活性の阻害によって表される。該アッセイ
は、緩衝液(0.03Mトリス、0.15M NaC
l、pH7.4)50μlとヒトトロンビン溶液(精製
ヒトトロンビン,エンザイム・リサーチ・ラボラトリー
ズ,サウス・ベンド,インディアナ、8NIHユニット
ml)25μlおよび溶媒(50%水性メタノール、
v:v)中の試験化合物の溶液25μlを混合して行
う。次いで、色素形成基質の水性溶液(0.25mg/
ml)150μlを加え、p−ニトロアニリドの放出に
対する405nmの反応をモニターすることによって基
質の加水分解速度を測定する。遊離のトロンビン濃度
を、加水分解速度に対してプロットすることによって標
準曲線を構築する。次いで、試験化合物で得られる加水
分解速度を、標準曲線を用いて各アッセイにおける“遊
離トロンビン”値に変換する。該アッセイに用いた既知
の初期量から各アッセイにおいて観察された遊離トロン
ビンの量を減ずることによって、結合(試験化合物に結
合した)トロンビンを算出する。加えたインヒビター
(試験化合物)のモル数から結合トロンビンのモル数を
減ずることによって、各アッセイにおける遊離インヒビ
ターの量を算出する。
【0038】Kass値はトロンビンと試験化合物I間
の反応における仮の平衡定数である。 トロンビン + I ⇔ トロンビン−I Kass=[トロンビン−I]/[(トロンビン)×
(I)] 試験化合物の濃度範囲でKassを算出し、平均値をリ
ットル/モルの単位で報告する。一般に、本発明のトロ
ンビン阻害化合物IのKass値は0.1×106リッ
トル/モルあるいはそれ以上の値である。たとえば、前
述の特に好ましい本発明化合物のそれぞれのKass値
は少なくとも5×106L/モルであった。たとえば、
実施例7および8の化合物のKass値はそれぞれ57
×106L/モルおよび80×106L/モルであった。
【0039】実質的に上記ヒトトロンビンで述べた操作
にしたがって、他のヒト血液凝固系セリンプロテアーゼ
および繊維素溶解系セリンプロテアーゼを用い、後記の
適当な色素形成基質において、凝固因子セリンプロテア
ーゼおよび繊維素溶解セリンプロテアーゼに関する本発
明化合物の選択性ならびに本発明化合物がヒト凝固血漿
繊維素溶解に対して実質的に干渉しないことの評価をす
る。ヒトの因子X,Xa,IXa,XIaおよびXII
aはエンザイム・リサーチ・ラボラトリーズ,サウス・
ベンド,インディアナから;ヒトウロキナーゼはレオ・
ファーマシューティカルズ,デンマークから購入し、組
換え活性化タンパク質C(aPC)は実質的に米国特許
第4981952号にしたがってイーライ・リリー・ア
ンド・カンパニーで調製する。色素形成基質:N−ベン
ゾイル−Ile−Glu−Gly−Arg−p−ニトロ
アニリド(Xa因子用);N−Cbz−D−Arg−G
ly−Arg−p−ニトロアニリド(Xa因子基質とし
てIXa因子アッセイ用);ピログルタミル−Pro−
Arg−p−ニトロアニリド(XIa因子およびaPC
用);H−D−Pro−Phe−Arg−p−ニトロア
ニリド(XIIa因子用);およびピログルタミル−G
ly−Arg−p−ニトロアニリド(ウロキナーゼ用)
はカビ・ヴィツラム,ストックホルム,スウェーデンあ
るいはミッドウエスト・バイオテック,フィッシャー
ズ,インディアナから購入する。ウシトリプシンはワー
シングトン・バイオケミカルズ,フリーホールド,ニュ
ージャージーから購入し、ヒト血漿カリクレインはカビ
・ヴィツラム,ストックホルム,スウェーデンから購入
する。血漿カリクレイン用の色素形成基質H−Pro−
Phe−Arg−p−ニトロアニリドはカビ・ヴィツラ
ム,ストックホルム,スウェーデンから購入する。ヒト
トロンビンおよびトリプシン用基質N−ベンゾイル−P
he−Val−Arg−p−ニトロアニリドは、前述の
本発明化合物の製造用操作にしたがって、公知のペプチ
ドカップリング方法を用い、市販の反応物から合成する
か、あるいはミッドウエスト・バイオテック,フィッシ
ャーズ,インディアナから購入する。
【0040】ヒト血漿はベーリンガー・マンハイム,イ
ンディアナポリス,インディアナから購入する;nt−
PAは一本鎖活性対照としてアメリカン・ダイアグノス
チカ,グリーンウィッチ,コネチカットから購入する;
修飾−t−PA6(mt−PA6)は、公知の操作(バ
ークらのJ.Biol,Chem.,265,5120-5177(1990)を参照)に
よってイーライ・リリー・アンド・カンパニーで調製す
る。プラスミン色素形成基質H−D−Val−Leu−
Lys−p−ニトロアニリドおよび組織プラスミノーゲ
ンアクチベーター(t−PA)基質H−D−Ile−P
ro−Arg−p−ニトロアニリドはカビ・ヴィツラ
ム,ストックホルム,スウェーデンから購入する。上記
色素形成基質群で用いた3文字の記号Ile,Glu,
Pro,Arg,Phe,Val,LeuおよびLys
は、それぞれ対応するアミノ酸、すなわちイソロイシ
ン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、アルギニン、
フェニルアラニン、バリン、ロイシンおよびリシンを表
す。トロンビンインヒビターは、ウロキナーゼ、組織プ
ラスミノーゲンアクチベーター(t−PA)およびスト
レプトキナーゼによって誘発される繊維素溶解を妨害し
ない方が好ましい。このことは、ストレプトキナーゼ、
t−PAまたはウロキナーゼを用いる血栓崩壊治療に付
随して該インヒビターを治療に用いる場合や内在性繊維
素溶解容認性(t−PAやウロキナーゼに関して)抗ト
ロンビン剤として該インヒビターを用いる場合に重要で
ある。繊維素溶解プロテアーゼのアミダーゼ活性に対し
て不干渉であることに加えて、このような繊維素溶解系
容認性について、ヒト凝固血漿およびそれぞれの繊維素
溶解プラスミノーゲンアクチベーターによるその崩壊を
利用して、実験することができる。
【0041】材料 無麻酔の混合繁殖ハウンド(両性のヘイゼルトン−LR
E、カラマズー、ミシガン、USA)から、3.8%ク
エン酸塩への静脈穿刺によってイヌ血漿を入手する。前
述の方法にしたがって、新鮮なイヌ血漿からフィブリノ
ーゲンを調製し、当日採血したACDヒト血液のフラク
ションI−2からヒトフィブリノーゲンを調製する。ス
ミスのBiochem.J.,185,1-11(1980);およびスミスらのBi
ochemistry,11,2958-2967(1972)。ヒトフィブリノーゲ
ン(純度98%/プラスミンなし)をアメリカン・ダイ
アグノスチカ,グリーヌイッチ,コネチカットから入手
する。フィブリノーゲンI−2調製品の放射標識を前述
のように行う。スミスらのBiochemistry,11,2958-2967
(1972)。レオ・ファーマシューティカルズ,デンマー
ク,ウロキナーゼを2200プルーグユニット/バイア
ルで購入する。ストレプトキナーゼをヘキスト−ルセル
・ファーマシューティカルズ,ソマービル,ニュー・ジ
ャージーから購入する。
【0042】方法−ヒト凝固血漿のt−PAによる溶解
の効果 0.0229μCiの125−I標識フィブリノーゲン
を含むヒト血漿100μlにトロンビン50μlを加
え、ヒト凝固血漿をマイクロ試験管中で形成させる。該
凝固血漿にウロキナーゼまたはストレプトキナーゼ(5
0、100または1000ユニット/ml)50μlを
加え、室温で20時間インキュベートすることことによ
って、凝固血漿溶解についての実験を行う。インキュベ
ーション後、試験管をベックマン遠心分離機にかける。
上清25μlを0.03Mトリス/0.15M NaC
l緩衝液1.0mlに加えてガンマカウントを行う。カ
ウント対照である100%溶解は、トロンビンを除く
(緩衝液と交換する)ことによって得られる。濃度1、
5および10μl/mlで加える上記添加溶液中に、該
インヒビター化合物を含めることによって、起こり得る
繊維素溶解の妨害に関してトロンビンインヒビターを評
価する。データ点から50%の溶解を表す値への直線外
挿によって、上記特定の濃度の繊維素溶解剤における、
およそのIC50値を算出する。
【0043】抗凝固活性 材料 無麻酔の混合繁殖ハウンド(両性のヘイゼルトン−LR
E、カラマズー、ミシガン、USA)または麻酔した雄
性スプラーグ−ダウリーラット(ハーラン・スプラーグ
−ダウリー・インコーポレイテッド,インディアナポリ
ス,インディアナ,U.S.A.)から、3.8%クエン
酸塩への静脈穿刺によって、イヌおよびラットの血漿を
購入する。前述の方法にしたがって、当日採血したAC
Dヒト血液のフラクションI−2からヒトフィブリノー
ゲンを調製する。スミスのBiochem.J.,185,1-11(1980);
およびスミスらのBiochemistry,11,2958-2967(1972)。
ヒトフィブリノーゲン(純度98%/プラスミンなし)
をアメリカン・ダイアグノスチカ,グリーヌイッチ,コ
ネチカットからも購入する。凝固試薬ACTIN、トロ
ンボプラスチンおよびヒト血漿をバクスター・ヘルスケ
ア・コーポレイション,デイド・ディビジョン,マイア
ミ,フロリダから購入する。パルケ−デイビス(デトロ
イト,ミシガン)から購入したウシトロンビンを用いて
血漿における抗凝固アッセイを行う。
【0044】方法 抗凝固の測定 抗凝固アッセイ操作は前述のとおりである。スミスらの
Thrombosis Research,50,163-174(1988)。CoAスクリ
ーナー凝固装置(アメリカン・レイバー・インコーポレ
イテッド)を用いてすべての凝固アッセイの測定を行
う。試験血漿0.05mlに、生理的食塩水0.05m
lおよびトロンビン0.05ml(10NIH/ml)
を加えることによって、トロンビン時間(TT)を測定
する。試験血漿0.05mlをアクチン試薬0.05m
lとともに120秒間、次いでCaCl2(0.02
M)とともにインキュベートすることによって活性化部
分トロンボプラスチン時間(APTT)を測定する。試
験血漿0.05mlに生理的食塩水0.05mlおよび
トロンボプラスチン−C試薬0.05mlを加えること
によってプロトロンビン時間(PT)を測定する。ヒト
または動物血漿に、広範囲の濃度で化合物Iを加えてT
T、APTTおよびPTアッセイにおける時間延長効果
を測定する。各アッセイにおいて、凝固時間を倍にする
のに必要な濃度を評価するために、直線外挿を行う。前
記列挙した本発明の特に好ましい例の各々が100ng
/ml以下のTT値を有することが測定された。たとえ
ば、実施例7の化合物のTT、APTTおよびPTの各
値は、30、280および430であり、実施例8の化
合物では、20、170および380であった。
【0045】実験動物 雄性スプラーグ−ダウリーラット(350〜425g、
ハーラン・スプラーグ−ダウリー・インコーポレイテッ
ド,インディアナポリス,インディアナ,U.S.A.)
をキシラジン(20mg/kg,s.c.)およびケタミ
ン(120mg/kg,s.c.)で麻酔し、加熱したウ
ォーターブランケット上に維持しておく。頸静脈輸液の
ためのカニューレを挿入する。動静脈シャントモデル 左頸静脈および右頸動脈に長さ20cmのポリエチレン
PE60の管をカニューレ挿入する。、管腔内に綿糸
(5cm)を具備した、より大きい管(PE190)の
中心部6cmを、より長い部分の間で摩擦フィットさ
せ、動静脈シャントサーキットを完成する。該シャント
に15分間血液を循環させた後、綿糸を注意深く除去
し、秤量する。湿った糸の重量を糸および血管の合計重
量から差し引く[J.R.スミスのBr J Pharmacol,77:2
9,1982を参照]。
【0046】動脈損傷のFeCl3モデル 正中腹側頸部切開にて頸動脈を単離する。各動脈の下に
熱電対を設置し、容器の温度をストリップチャートリコ
ーダーにて継続的に記録する。縦に切断した管(0.0
58ID×0.077OD×4mm,バクスター医療グ
レードシリコン)の袖口を各動脈の回りに熱電対の上に
直接置く。FeCl3・6水和物を水に溶かし、濃度
(20%)をFeCl3のみの実重量に換算して表す。
該動脈に損傷を与えて血栓を誘発するために、該袖口に
2.85μlをピペットで加え、熱電対探針の上で動脈
を浸す。動脈の閉塞は、急速に温度が低下することによ
って指示される。閉塞までの時間は分単位で報告され、
FeCl3の適用と容器温度の急速低下の間の経過時間
が表示される[K.D.クルツのThromb.Res.,60:269,199
0を参照]。
【0047】自発的血栓崩壊モデル インビトロのデータから、ペプチドトロンビンインヒビ
ターがトロンビンを阻害し、また高濃度において、プラ
スミンおよび組織プラスミノーゲンアクチベーターなど
の他のセリンプロテアーゼを阻害することが示唆され
る。本発明化合物が繊維素溶解をインビボにおいて阻害
するかどうかを審査するために、標識した凝固全血を肺
循環に注入することによって、自発的血栓崩壊速度を測
定する。ラットの血液(1ml)をウシトロンビン(4I
U,パルケ・デイビス)および125Iヒトフィブロゲン
(5μCi,ICN)と急速に混合し、迅速にシリコン
チューブに移し、37℃で1時間インキュベートする。
成長した血栓をチューブから剥がし、切断して1cmの
セグメントにし、正常生理的食塩水で3回洗浄し、各セ
グメントをガンマカウンターでカウントする。カウント
のわかっているセグメントをカテーテルに吸引し、次い
で頸静脈に注入する。カテーテルチップを右の血管の近
隣に導入し、血餅を追い出して肺循環中に浮遊させる。
注入の1時間後、心臓および肺を採集し、別々にカウン
トする。血栓を下記式から算出されるパーセントで表
す: 血栓%=[(注入されたcpm−肺のcpm)/注入され
たcpm]×100 注入された血餅の繊維素溶解は、時間従属的に起こ
(J.P.クローゼルのCardiovas.Pharmacol.,12:520,
1988を参照)。
【0048】凝固パラメーター 血漿トロンビン時間(TT)および活性化された部分ト
ロンボプラスチン時間(APTT)をフィブロメータで
測定する。血液サンプルを頸静脈カテーテルか採取し、
クエン酸ナトリウムを入れたシリンジ(3.8%、血液
の1〜9部)に吸引する。TTを測定するために、ラッ
ト血漿(0.1ml)を生理的食塩水(0.1ml)およびウシ
トロンビン(0.1ml、トリス緩衝液中、30U/m
l;パルケ・デイビス)とともに37℃にて混合する。
APTTを測定するために、血漿(0.1ml)およびAP
TT溶液(0.1ml、オルガノン・テクニカ)を5分間イ
ンキュベートし、出発凝固物にCaCl2(0.1ml、
0.025M)を加える。アッセイは2回行い、その平
均値を求める。
【0049】バイオアベイラビリティの指標 生体活性、すなわち血漿トロンビン時間(TT)を測定
することは、親化合物のみによるトロンビン阻害からT
Tが増加されるという仮定に基づいて、親化合物のアッ
セイの代替アッセイとなる。麻酔ラットに静脈内(i
v)ボーラス投与した後および無麻酔の絶食ラットに経
口(po)投与した後に、TTにおけるトロンビンイン
ヒビターの効果の時間経過を測定する。血液量に限りが
あることや処置時から応答が処置前の値に戻る時までの
時間経過を測定するのに必要なデータポイントの数か
ら、2つの集団のラットを用いる。各サンプル集団で
は、別の連続時間ポイントを表示する。時間経過におけ
る平均のTTを用いて血中濃度−時間曲線下面積(AU
C)を計算する。バイオアベイラビリティの指標は下記
式から算出され、相対活性パーセントとして表される。
血漿TT時間経過のAUCを決定し、投与量に対して適
合させる。このバイオアベイラビリティの指標を“相対
活性パーセント”と称し、下記式から算出する: 相対活性%=AUCpo/AUCiv × 投与量iv/投与量
po × 100
【0050】化合物 化合物の溶液は生理的食塩水の溶液として毎日新たに調
製し、ボーラス注射するかまたは15分前に灌流を開始
し、実験中(動静脈シャントモデルでは15分間、動脈
損傷のFeCl3モデルおよび自発的血栓崩壊モデルで
は60分間である)継続する。ボーラス注射量はivでは
1mg/kg、poでは5mg/kgであり、灌流量は
3ml/時である。
【0051】統計的考察 結果は平均値±SEMで表す。分散の一方向性解析を用
いて統計的に有意な差異を検出し、ダネット検定を適用
して平均が異なることを決定する。等しい平均の帰無仮
説の棄却の有意水準はP<0.05である。
【0052】実験動物 雄性イヌ(ビーグル;年齢:18カ月〜2歳;体重12
〜13kg;マーシャル・ファーム,ノース・ローズ,
ニューヨーク14516)を一夜絶食させ、投与240
分前にピュリナ保証プレスクリプション・ダイエット
(ピュリナ・ミルズ,セント・ルイス,ミズーリ)を与
える。水は随時飲用させる。室温66〜74°F、相対
湿度45〜50パーセントに維持し、6時から18時ま
で照明する。薬物動態モデル 試験化合物は、投与直前に滅菌0.9%生理的食塩水に
5mg/mlの濃度で溶かして配合する。イヌに試験化
合物を2mg/kgの用量で一回投与にて経口投与す
る。投与後0.25、0.5、0.75、1、2、3、
4および6時間の時点で、頭部静脈から血液サンプル
(4.5ml)を採取する。クエン酸の入ったヴァキュ
テイナー管にサンプルを入れ、遠心分離によって血漿を
取り出すまで氷上に保存する。HPLC MSによって
血漿サンプルを分析する。試験化合物の血漿濃度を記録
し、それを用いて薬物動態パラメーター:消失速度定
数,Ke;総クリアランス,Clt;分散の体積,
D;血漿中試験化合物最大濃度の時間,Tmax;T
maxの試験化合物の最大濃度,Cmax;血漿半減
期;t0.5;および血中濃度−時間曲線下面積,AU
C;吸収された試験化合物の画分,Fを計算する。
【0053】冠動脈血栓症のイヌモデル イヌの外科処置プレパレーションおよびインスツルメン
テーションがジャクソンらのCirculation,82,830-940(1
990)に記載されている。混合繁殖ハウンド(6〜7カ月
齢、両性、ヘイゼルトン−LRE,カラマズー,MI,
USA)にペントバルビタールナトリウムで麻酔(30
mg/kg,静脈内投与)し、保温し、室内空気を通気
する。呼吸量と呼吸速度を調節して血中PO2、PCO2
およびpHが正常範囲内に維持する。皮下針電極を挿入
して鉛II ECGを記録する。左頸静脈および頸動脈
を左中外側首切開によって単離する。動脈血圧(AB
P)を予め調整したミラー変換器(モデルMPC−50
0,ミラー・インスツルメンツ,ヒューストン,TX,
USA)で継続的に測定する。頸静脈にカニューレを通
して実験中の血液をサンプリングする。さらに、両後足
の大腿静脈にカニューレを通し、試験化合物を投与す
る。5番目の肋間間隙において左開胸術を行い、心臓を
心嚢架台に懸垂する。左回旋冠動脈(LCX)の1〜2
cmのセグメントを第1主斜心室ブランチに近い方で単
離する。長さ3〜4mmの先端に26ゲージの針のつい
たワイヤー陽極(テフロンコート、30ゲージの銀メッ
キ銅ワイヤー)をLCXに挿入し、動脈の内膜表面に接
触させて設置する(実験の最後に確認)。陰極を皮下部
位に設置することによって刺激サーキットを完成する。
LCXの回りに電極領域を覆って、調整可能なプラスチ
ック閉塞器を設置する。冠動脈血流(CBF)を測定す
るために、予め調整した電磁フロー探針(カロリナ・メ
ディカル・エレクトロニクス,キング,NC,USA)
を陽極に近いLCXの回りに設置する。LCXの10秒
間の機械的閉塞後に観察される充血性血流応答の阻害が
40〜50%になるように閉塞器を調整する。すべての
血液動力学およびECG測定を記録し、データ獲得シス
テム(モデル3000,モジュラー・インスツルメン
ツ,マルバーン,PA,USA)で分析する。
【0054】血栓の形成および化合物投与処方 陽極に100μAの直流電流(DC)を与えることによ
ってLCXの内膜の電気分解的外傷を創製する。電流を
60分間流し、次いで血管が閉塞したかどうかにかかわ
らず通電を停止する。血栓形成はLCXが完全に閉塞す
るまで(ゼロCBFおよびS−Tセグメントにおける増
加として測定される)自発的に進行する。化合物の投与
は、塞栓性血栓が形成されてから1時間後に開始する。
本発明化合物の注入を、血栓崩壊剤(組織プラスミノー
ゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼ、APSAC
など)の注入と同時に開始し、0.5および1mg/k
g/時間の用量で2時間行う。試験化合物の投与の3時
間後に再灌流を行う。血栓崩壊成功後の冠動脈の再閉塞
を、30分以上持続するゼロCBFとして定義する。
【0055】血液学的考察およびテンプレート出血時間
の測定 ヘマトロジーアナライザー(Cell−Dyn900,
セコイア−ターナー,マウント・ビュー,CA,US
A)を用い、クエン酸(3.8%)処理した血液(クエ
ン酸塩1部:血液9部)のサンプル40μlから、全血
液細胞数、ヘモグロビンおよびヘマトクリット値を測定
する。Simplate II出血時間デバイス(オル
ガノン・テクニカ・ダーラム,N.C.,USA)にて、
歯肉テンプレート出血時間を測定する。該デバイスを用
い、イヌの左顎の上下それぞれの歯肉に水平の切傷を作
る。各切傷は、幅3mm、深さ2mmである。該切傷を
作成し、ストップウォッチを用いて出血が始まる時間を
測定する。木綿のワタを用いて切傷からしみ出る血液を
吸い取る。テンプレート出血時間は、切開から出血の停
止までの時間である。試験化合物の投与直前(0分)、
注入後60分、試験化合物の投与終了時(120分)お
よび実験の終了時に出血時間を測定する。すべてのデー
タを分散の一方向性解析(ANOVA)、次いでスチュ
ーデント−ノイマン−クールスのpost hot t検定で解
析し、有意水準を決定する。繰り返し測定ANOVAを
用い、実験中の時点間の有意差を決定する。値は、少な
くともp<0.05の水準において統計的差異があるこ
とが決定される。すべての値は平均±SEMである。す
べての実験は、アメリカ合衆国生理学会の指導方針にし
たがって行う。操作に関するさらなる詳細は、ジャクソ
ンらのJ.Cardiovsc.Pharmacl.,21,587-599(1993)に記載
されている。
【0056】次に記載の実施例は本発明をさらに説明す
るためのものであり、本発明に制限を加えるものではな
い。実施例中で用いた略語の意味は以下のとおりであ
る。 アミノ酸:Azt=アセチジン−2−カルボン酸、Ph
e=フェニルアラニン、hPro=ホモ−プロリン、P
ro=プロリン、Cha=β−シクロヘキシルアラニ
ン、Ohi=[2S−(2α,3aβ,7aβ)]−オ
クタヒドロ−インドール−2−カルボン酸、3−Pig
=D−シス[4aR,8aR]−3−ペルヒドロイソキ
ノリンカルボキシレート Boc=t−ブチルオキシカルボニル Bn=ベンジル BOP−Cl=ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニ
ル)ホスフィン酸塩化物 t−Bu=t−ブチル n−BuLi=ブチルリチウム 18−クラウン−6=1,4,7,10,13,16−
ヘキサオキサシクロオクタデカン DIBAL=水素化ジイソブチルアルミニウム DMF=ジメチルホルムアミド DMSO=ジメチルスルホキシド Et=エチル EtOAc=酢酸エチル Et2O=ジエチルエーテル EtOH=エタノール FAB−MS=速原子衝撃マススペクトル FD−MS=フィールドディソープションマススペクト
ル HPLC=高性能液体クロマトグラフィー HRMS=高分解マススペクトル HOBT=1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水素化物 i−PrOH=イソプロパノール IR=赤外線スペクトル Me=メチル MeOH=メタノール NMR=核磁気共鳴 RPHPLC=逆相高性能液体クロマトグラフィー SiO2=シリカゲル TEA=トリエチルアミン THF=テトラヒドロフラン TLC=薄層クロマトグラフィー Ts=トシル(p−トルエンスルホニル) プレパラティブRPHLCでは次のパラメーターを用い
た:溶媒A:0.05%塩酸水溶液(3Lの水に濃塩酸
1.5mlを溶かしたもの);溶媒B:アセトニトリ
ル;勾配:各実施例で定義する;カラム:ヴィダックC
18−5cm×25cm;流速:10ml/分。他に特記
しない限り、pHの調整および設定は酸または塩基溶液
で行った。1H−NMRは、記載された化合物に対して
十分なNMRスペクトルが獲得されたことを示す。IR
は、記載された化合物に対して十分な赤外線スペクトル
が獲得されたことを示す。
【0057】実施例1 D−Cha−Pro−4−(NHCH2−トランス−CHC
H)イミダゾール・2HCl(D−シクロヘキシルアラ
ニル−N−[(E)−3−(イミダゾール−4−イル)
プロプ−2−エニル]−L−プロリンアミド・二塩酸
塩)の製造
【化22】 D−Cha−Pro−4−(NHCH2−トランス−CHC
H)C332・2HCl A)Boc−D−Cha−Pro−OH ジクロロメタン(360mL)中のBoc−D−Cha−O
H(50.4g、185ミリモル)の溶液を0℃に冷却
し、ついでN−ヒドロキシスクシンイミド(22.3
g、194ミリモル)を添加した。ついで1,3−ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(39.0g、189ミリ
モル)をジクロロメタン(90mL)の溶液として2回
で添加した。0℃で3時間撹拌した後、L−Pro−OH
(27.6g、240ミリモル)およびN,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン(30.9g、239ミリモル)を
添加した。0℃〜10℃の間でさらに3時間撹拌した
後、該混合物をケイソウ土で濾過した。該フィルターケ
ーキをジクロロメタン(100mL)ですすいだ;つい
で濾液を合わせ、減圧濃縮した。残留油状物を酢酸エチ
ル(100mL)および0.625モル 炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(320mL)の間に分配した。その層を分
離し、ついで有機相を0.625モル NaHCO3水溶
液(80mL)で洗浄した。ついで重炭酸塩抽出物を合
わせ、酢酸エチル(100mL)で洗浄した。ついで水
相を酢酸エチル(300mL)とともに撹拌し、ついで
12N HCl(約37mL)で酸性化した。その層を分
離しついで酸性水相を酢酸エチル(100mL)で抽出
した。酢酸エチル抽出物を合わせ、減圧濃縮した。残渣
を最少量の酢酸エチルでスラリー化し、濾過し、酢酸エ
チルで再び洗浄し、ついで乾燥させて50.1g(73
%)の白色粉末を得た。1 H−NMR、FAB−MS m/e 369.2(M
+) 元素分析(C193225として): 計算値:C、61.93;H、8.75;N、7.60 実測値:C、62.01;H、8.96;N、7.75
【0058】B)メチルウロカネート・HCl 無水塩酸を該溶液が飽和するまでメタノール(1L)中
のウロカニン酸(69g、500ミリモル)の懸濁液に
泡立たせた。ついでその溶液を撹拌しながら、加熱還流
し、翌朝、その溶液を冷却し、溶媒を減圧除去した。そ
の残渣を2回ジエチルエーテルで洗浄し、濾過し、つい
で減圧乾燥させ、93g(98%)の白色固体を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 152.0(M+) 元素分析(C7822・HClとして): 計算値:C、44.58;H、4.81;N、14.85 実測値:C、44.46;H、4.82;N、14.78
【0059】C)メチルN−Ts−ウロカネート ジクロロメタン(300mL)中のメチルウロカネート
・HCl(20g、106ミリモル)の撹拌懸濁液にp
−トルエンスルホニルクロリド(21.2g、111ミ
リモル)、ついでトリエチルアミン(24.4mL、1
80ミリモル)を添加した。16時間後、その溶媒を減
圧除去し、ついでその残渣を酢酸エチルおよび水の間に
分配した。その有機相を飽和NH4Clで2度、ついで飽
和NaHCO3で2度洗浄し、ついでNa2SO4で乾燥さ
せ、濾過し減圧濃縮した。その残渣をシリカゲル上でク
ロマトグラフィーにかけ、5% 酢酸エチル/クロロホ
ルムで溶出した;ついでその生成物含有分画を合わせ、
減圧濃縮して、20.4g(63%)の白色固体を得
た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 306(M+) 元素分析(C141424S・HClとして): 計算値:C、54.89;H、4.61;N、9.14 実測値:C、55.17;H、4.64;N、9.02
【0060】D)4−(HOCH2−トランス−CHC
H)−1−Ts−イミダゾール 0℃にて、THF(250mL)中のメチルN−Ts−ウ
ロカネート(10g、33ミリモル)の撹拌溶液にDI
BAL(1M トルエン溶液、65mL、65ミリモル)
の溶液を添加した。2時間後、その溶液を酢酸エチル
(500mL)で希釈しついで酒石酸カリウムナトリウ
ム水溶液と激しく撹拌した。30分後、その層を分離
し、その有機層を食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥さ
せ、濾過し、減圧濃縮して、8.6g(95%)の白色
固体を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 278(M+) 元素分析(C131423Sとして): 計算値:C、56.10;H、5.07;N、10.06 実測値:C、56.40;H、5.21;N、9.86
【0061】E)4−(BrCH2−トランス−CHC
H)−1−Ts−イミダゾール THF(250mL)中の4−(HOCH2−トランス−
CHCH)−1−Ts−イミダゾ−ル(7.0g、25ミ
リモル)の撹拌溶液に四臭化炭素(12.5g、38ミ
リモル)ついでトリフェニルホスフィン(9.9g、3
8ミリモル)を添加した。2時間撹拌後、その溶媒を減
圧除去し、ついでその残渣をクロロホルムに溶解させ、
シリカゲルを乾燥充填したカラムにて、0〜50%酢酸
エチル/ヘキサンの段階勾配を用いて溶離するクロマト
グラフィーにかけた。その生成物含有分画を合わせ、減
圧濃縮して、7.8g(61%)の白色固体を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 342(M+) 元素分析(C1313BrN22Sとして): 計算値:C、45.76;H、3.84;N、8.21 実測値:C、46.03;H、3.97;N、8.25
【0062】F)4−(Boc2NCH2−トランス−C
HCH)−1−Ts−イミダゾール THF(150mL)中のNaH(60%分散油状物、
0.7g、17.6ミリモル)の撹拌懸濁液に、THF
(25mL)中のジ−t−ブチル・イミノジカルボキシ
レート(3.82g、17.6ミリモル)の溶液をゆっく
りと添加し、ついでTHF(25mL)中の4−(BrC
2−トランス−CHCH)−1−Ts−イミダゾール
(4.0g、11.7ミリモル)の溶液を添加した。20
時間撹拌後、その溶媒を減圧除去し、ついでその残渣を
酢酸エチルと水の間に分配した。その酢酸エチル相を飽
和NH4Cl水溶液、飽和NaHCO3水溶液および食塩水
で洗浄し、ついでMgSO4で乾燥させ、濾過し、ついで
減圧濃縮した。その残渣を10〜50%酢酸エチル/ヘ
キサンの段階的勾配を用いて溶離するシリカゲルクロマ
トグラフィーにかけ、その生成物含有分画を合わせ、減
圧濃縮して、3.3g(59%)の白色固体を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 477(M+) 元素分析(C233136Sとして): 計算値:C、57.85;H、6.54;N、8.80 実測値:C、58.08;H、6.55;N、8.84
【0063】G)4−(H2NCH2−トランス−CHC
H)−1−Ts−イミダゾール・HCl 0℃にて、ジクロロメタン(25mL)中のメチル4−
(Boc2NCH2−トランス−CHCH)−1−Ts−イ
ミダゾ−ル(4.74g、9.9ミリモル)の撹拌溶液に
トリフルオロ酢酸(25mL)を添加した。1.5時間の
撹拌後、その溶媒を減圧除去し、ついでその残渣をジエ
チルエーテル中に激しく撹拌しながら懸濁させた。その
固体を濾過し、再度ジエチルエーテルで洗浄し、濾過
し、ついで減圧乾燥させて、3.7g(95%)の白色
固体としてTFA塩を得た。TFA塩の一部(500m
g)を水(50mL)および1N HCl(5mL)中に溶
解させ、酢酸エチルで洗浄し、減圧下で20mLにまで
濃縮し、ついで標記塩酸塩を凍結乾燥して得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 278.1(MH+
【0064】H)Boc−D−Cha−Pro−NH−4−
(CH2−トランス−CHCH)−1−Ts−イミダゾー
ル フラスコ1において、0℃にて、DMF中の4−(H2
NCH2−トランス−CHCH)−1−Ts−イミダゾ−
ル・HCl(1.3g、3.7ミリモル)の撹拌懸濁液に
4−メチルモルホリン(1.13mL、ミリモル)を添加
した。フラスコ2において、−15℃にて、THF(2
5mL)中のBoc−D−Cha−Pro−OH(1.24g、
3.4ミリモル)および4−メチルモルホリン(0.38
mL、3.4ミリモル)をクロロギ酸イソブチル(0.4
4mL、3.4ミリモル)に添加した。5分間の撹拌後、
フラスコ1の内容物をフラスコ2に添加し、その冷却浴
を除去した。その翌朝、その溶媒を減圧除去し、ついで
その残渣を酢酸エチルおよび飽和NH4Clの間に分配し
た。その有機相を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgS
4)、濾過し、ついで減圧濃縮してカップリング生成
物を得た。
【0065】I)D−Cha−Pro−NH−4−(CH2
−トランス−CHCH)イミダゾール・2HCl 上記工程からの残渣をTHF(25mL)中に溶解さ
せ、ついでHOBT(0.92g、6.8ミリモル)を添
加した。6時間撹拌後、その溶媒を減圧除去し、ついで
その残渣をジクロロメタン(50mL)中に溶解させ
た。この撹拌溶液にTFA(50mL)を添加した。1
2時間の撹拌後、その溶媒を減圧除去しついでその残渣
を1N HClおよび酢酸エチルの間に分配した。その水
相を再度ジエチルエーテル、続いて酢酸エチルで洗浄し
ついで減圧濃縮した。ついでその残渣を水(30mL)
中に溶解させ、ついでプレパラティブRPHPLC(6
0/40〜98/2(A/B)、150分)によって精
製した。その生成物含有分画を合わせ、部分的に濃縮し
て、ついで凍結乾燥させて0.29g(38%)の白色
固体を得た。1 H−NMR FAB−MS、m/e 374.3(MH+) 元素分析(C203152・2HClとして): 計算値:C、53.81;H、7.45;N、15.69 実測値:C、53.58;H、7.52;N、15.45
【0066】実施例2 D−Cha−Pro−NH−4−(CH2CH2CH2)イミ
ダゾール・2HCl(D−シクロヘキシルアラニル−N
−[3−(イミダゾール−4−イル)プロピル]−L−
プロリンアミド・二塩酸塩)の製造
【化23】 D−Cha−Pro−NH−4−(CH2CH2CH2)C3
32・2HCl エタノール(70mL)および水(30mL)中のD−C
ha−Pro−NH−4−(CH2−トランス−CHCH)
イミダゾール・2HCl(150mg、0.34ミリモル)
の撹拌溶液に5% Pd/C(0.5g)を添加した。そ
のフラスコを脱気し、水素雰囲気下に置いた。2時間
後、その溶液をケイソウ土のパッドを通して濾過し、つ
いでその溶媒を減圧除去した。その残渣を水(10m
L)中に溶解させ、1μフィルターを通して濾過し、つ
いでプレパラティブRPHPLC(60/40〜98/
2(A/B)、150分)によって精製した。その生成
物含有分画を合わせ、部分的に濃縮して、ついで凍結乾
燥させて140mg(92%)の白色固体を得た。1 H−NMR FAB−MS、m/e 376.3(MH+) 元素分析(C203352・2HClとして): 計算値:C、53.57;H、7.87;N、15.62 実測値:C、53.30;H、7.89;N、15.41
【0067】実施例3 EtSO2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2−トラン
ス−CHCH)−イミダゾール・HClの製造
【化24】 EtSO2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2−トラン
ス−CHCH)C332・2HCl A)EtSO2−D−Phe−OH THF(400mL)中のD−フェニルアラニン(50
g、300ミリモル)の撹拌懸濁液にN,O−ビス(トリ
メチルシリル)−アセトアミド(92g、450ミリモ
ル)を添加した。12時間の撹拌後、その溶液を−78
℃に冷却し、ついでN,N−ジイソプロピルエチルアミ
ン(58mL、330ミリモル)を添加した。この溶液
にゆっくりと塩化スルホニルエタン(31mL、330
ミリモル)を添加し、ついで冷却浴を除去した。20時
間の撹拌後、その溶媒を減圧除去し、ついでその残渣を
飽和NaHCO3水溶液および酢酸エチルの間に分配し
た。その水相をジエチルエーテルで洗浄し、固体クエン
酸で酸性にし、酢酸エチルで2度抽出した。酢酸エチル
抽出物と合わせ、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥さ
せ、濾過し、ついで減圧濃縮して、61g(79%)の
濃厚な無色透明油状物を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 257(M+) B)EtSO2−D−Phe−Pro−OBn 0℃にて、THF(1L)中のEtSO2−D−Phe−O
H(25.7g、100ミリモル)、Pro−OBn・HC
l(26.6g、110ミリモル)、HOBT(13.5
g、100ミリモル)およびN,N−ジイソプロピルエ
チルアミン(43.5mL、250mL)の撹拌懸濁液に
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカル
ボジイミド塩酸塩(23g、120mL)を添加した。
20時間撹拌後、その溶媒を減圧除去しついでその残渣
を酢酸エチルおよび1N クエン酸の間に分配した。そ
の有機相を1N KHCO3で2回洗浄し、食塩水で2回
洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧濾過および濃縮し
た。その残渣を0〜50%酢酸エチル/ヘキサンの段階
勾配を用いて溶離するシリカゲルクロマトグラフィーに
かけた。その生成物含有分画を化合させ、減圧濃縮し、
29g(65%)の無色透明の濃厚な油状物を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 444.2(M+
【0068】C)EtSO2−D−Phe−Pro−OH 酢酸エチル(500mL)中のEtSO2−D−Phe−Pr
o−OBn(28.5g、64ミリモル)の溶液に10%
Pd/C(5g)を添加した。その容器を脱気し、水素
雰囲気下に置いた。16時間撹拌後、その溶液をケイソ
ウ土で濾過し、ついでそのフィルターパッドをメタノー
ルで2回洗浄し、ついで濾過した。濾液を合わせ、減圧
濃縮し22g(97%)のオフホワイトの固体を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 355.3(MH+) 元素分析(C162225Sとして): 計算値:C、54.22;H、6.26;N、7.90 実測値:C、53.98;H、6.12;N、7.63
【0069】D)EtSO2−D−Cha−Pro−OH エタノール(300mL)中のEtSO2−D−Phe−Pr
o−OH(10g、28ミリモル)の溶液にPtO2(5
g)を添加した。その混合物を高圧装置を4.1バール
で使用して20℃で20時間水素添加した。ついでその
溶液をケイソウ土で濾過し、濃縮して8.1g(80
%)の濃厚な油状物を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 361.2(MH+
【0070】E)EtSO2−D−Cha−Pro−4−(N
HCH2−トランス−CHCH)イミダゾール・HCl 実施例16−Dに記載するものと実質的に同等の方法に
よって、EtSO2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2
−トランス−CHCH)イミダゾール・HClをEtSO
2−D−Cha−Pro−OHおよび4−(NH2CH2−ト
ランス−CHCH)−1−Ts−イミダゾール・HClか
ら調製した。その生成物をプレパラティブRPHPLC
(40/60〜90/10(A/B)、150分)によ
って精製した。1 H−NMR FD−MS、m/e 465.1(M+) 元素分析(C223554S・1.1HCl・1.0H2
として): 計算値:C、50.45;H、7.33;N、13.3
7;Cl、7.45; 実測値:C、50.22;H、6.97;N、13.2
9;Cl、7.36。
【0071】実施例4 EtSO2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2CH2CH
2)イミダゾール・HClの製造
【化25】 EtSO2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2CH2CH
2)C332・HCl 実施例2に記載したものと実質的に同等の方法によっ
て、80mg(80%)のEtSO2−D−Cha−Pro−4
−(NHCH2CH2CH2)イミダゾール・HClをEt
SO2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2−トランス−
CHCH)イミダゾール・HClから調製した。1 H−NMR FAB−MS、m/e 468.4(MH+) 元素分析(C223754S・1.1HCl・1.0H2
として): 計算値:C、50.26;H、7.69;N、13.3
2; 実測値:C、50.42;H、7.31;N、13.1
5;
【0072】実施例5 EtSO2−D−Cha−Ohi−4−(NHCH2−トラン
ス−CHCH)−イミダゾール・HClの製造
【化26】 EtSO2−D−Cha−Ohi−4−(NHCH2−トラン
ス−CHCH)−C332・HCl A)[2S−(2α,3aβ,7aβ)]−オクタヒドロ
インドール−2−カルボン酸エチルエステル・HCl
(Ohi−OEt・HCl)の製造 HClガスをエタノール(400mL)中の(S)−イン
ドリン−2−カルボン酸(20g、110ミリモル)の
撹拌懸濁液に通して泡だてた。その酸を完全に溶解させ
た時、その溶液を還流させた。16時間後、その溶液を
冷却し、ついでその溶媒を減圧除去した。その残渣をジ
エチルテーテルで粉砕し、ついで濾過によりオフホワイ
トの固体を収集し、ヘキサンで洗浄し、ついで30℃で
真空オーブンで一夜乾燥させた(25.5g、100
%)。この固体、(S)−インドリン−2−カルボン酸
エチルエステル塩酸塩をエタノール(455mL)中に
溶解させた。これに5% Pd/C(25.5g)を添加
しついで得られた懸濁液を振盪機で8時間4.1バール
で水素添加した。その溶液を濾過して触媒を除去し、そ
の濾液を減圧濃縮した。その残渣をジエチルエーテルで
粉砕し、得られた固体を濾過して単離し、18.8g
(73%)の白色粉末を得た。1 H−NMR FD−MS、m/e 197(M+) 元素分析(C1119NO2・HClとして): 計算値:C、56.53;H、8.63;N、5.99; 実測値:C、56.24;H、8.44;N、6.00;
【0073】B)EtSO2−D−Phe−Ohi−OEt 実施例3−Bに記載したものと実質的に同等の方法によ
って、12.3g(57%)のEtSO2−D−Phe−Oh
i−OEtをEtSO2−D−Phe−OHおよびHCl・Oh
i−OEtから調製した。 IR1 H NMR FD−MS、m/e 436.1(M+) 元素分析(C223225Sとして): 計算値:C、60.53;H、7.39;N、6.42; 実測値:C、60.62;H、7.31;N、6.22;
【0074】C)EtSO2−D−Phe−Ohi−OH p−ジオキサン(300mL)中のEtSO2−D−Phe
−Ohi−OEtに、水(150mL)中のLiOH・H2
(2.3g、55ミリモル)の溶液を添加した。16時間
撹拌後、その溶媒を減圧除去し、ついでその残渣を水に
再溶解させ、ジエチルエーテルで2回洗浄した。その水
相を5N HClで酸性にし、その沈澱物を濾過し、水で
洗浄しついで減圧乾燥させて10.1g(90%)の淡
黄色の固体を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 409.1(M+) 元素分析(C202825Sとして): 計算値:C、58.80;H、6.91;N、6.86; 実測値:C、58.57;H、7.00;N、6.63。
【0075】D)EtSO2−D−Cha−Ohi−OH 実施例3−Dに記載したものと実質的に同等の方法によ
って、8.9g(95%)のEtSO2−D−Cha−Ohi
−OHをEtSO2−D−Phe−Ohi−OHから調製し
た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 415.3(MH+
【0076】E)EtSO2−D−Cha−Ohi−4−(N
HCH2−トランス−CHCH)イミダゾール・HCl 実施例3−Eに記載したものと実質的に同等の方法によ
って、160mg(49%)のEtSO2−D−Cha−Ohi
−4−(NHCH2−トランス−CHCH)イミダゾー
ル・HClをEtSO2−D−Cha−Ohi−OHおよび4
−(NHCH2−トランス−CHCH)−1−Ts−イミ
ダゾール・HClから調製した。その生成物をプレパラ
ティブRPHPLC(40/60〜90/10(A/
B)、150分)によって精製した。1 H−NMR FAB−MS、m/e 520.4(MH+) 元素分析(C264154S・HClとして): 計算値:C、56.15;H、7.61;N、12.5
9; 実測値:C、56.06;H、7.69;N、12.4
4。
【0077】実施例6 EtSO2−D−Cha−Ohi−4−(NHCH2CH2CH
2)イミダゾール・HClの製造
【化27】 EtSO2−D−Cha−Ohi−4−(NHCH2CH2CH
2)C332・HCl 実施例2に記載したものと実質的に同等の方法によっ
て、75mg(92%)のEtSO2−D−Cha−Ohi−4
−(NHCH2CH2CH2)−イミダゾール・HClをE
tSO2−D−Cha−Ohi−4−(NHCH2−トランス
−CHCH)イミダゾール・HClから調製した。1 H−NMR FAB−MS、m/e 522.4(MH+) 元素分析(C264354S・2.5HCl・1.0H2
として): 計算値:C、49.50;H、7.59;N、11.1
0; 実測値:C、49.89;H、7.23;N、11.0
7。
【0078】実施例7 HO2CCH2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2−ト
ランス−CHCH)イミダゾール・HCl(N−(カル
ボキシメチル)−D−シクロヘキシルアラニル−N−
[(E)−3−(イミダゾール−4−イル)プロプ−2
−エニル]−L−プロリンアミド 塩酸塩)の製造
【化28】 HO2CCH2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2−ト
ランス−CHCH)C332・HCl A)Boc−D−Phe−Pro−OBn 0℃にて、ジクロロメタン(600mL)中のBoc−D
−Phe−OH(89.1g、336ミリモル)、Pro−
OBn・HCl(81.2g、336ミリモル)、HOB
T(50g、370ミリモル)およびN,N−ジイソプ
ロピルエチルアミン(176mL、1,008ミリモル)
の溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−
エチルカルボジイミド・HCl(71g、370ミリモ
ル)を添加した。18時間撹拌後、その混合物をジエチ
ルエーテル(1L)で希釈し、ついで1N クエン酸で
3回、水(250mL)で1回、飽和NaHCO3水溶液
(250mL)で3回ついで飽和NaCl(250mL)で
1回洗浄した。その有機相を乾燥させ(Na2SO4)、
濾過し、ついで減圧濃縮して140g(92.5%)の
淡黄色の泡状物を得た。 FD−MS、m/e 452(M+1 H NMR
【0079】B)D−Phe−Pro−OBn・HCl 0℃の槽で冷却しながら、p−ジオキサン(400m
L)中のBoc−D−Phe−Pro−OBn(74g、 ミ
リモル)の撹拌溶液にHClガスを通して泡立てた。1
5分後、HCl通気を停止し、冷却槽を除去した。さら
に3時間後、その溶媒を減圧除去した。残渣をジエチル
エーテルで数回洗浄し、ついで減圧乾燥させ61g(9
8%)の黄色泡状物を得た。1 H−NMR FD−MS、m/e 353(MH+) 元素分析(C212423・HClとして): 計算値:C、64.86;H、6.48;N、7.20; 実測値:C、65.48;H、6.75;N、7.94。
【0080】C)N−(t−BuO2CCH2)−N−Boc
−D−Phe−Pro−OBn DMF(100mL)中のD−Phe−Pro−OBn・HC
l(20g、51ミリモル)の溶液に、t−ブチルブロ
モアセテート(9.9g、56ミリモル)を一度に加
え、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(17.4m
L、101ミリモル)を30分かけて滴下した。この混
合物を室温で18時間撹拌した。ついでジ−t−ブチル
ジカーボネート(16.6g、76ミリモル)およびN,
N−ジイソプロピルエチルアミン(13.2mL、76ミ
リモル)を一度に添加し、ついでその反応物をさらに2
4時間撹拌した。その溶媒を減圧除去し、ついでその残
渣を酢酸エチル(1L)および1M クエン酸水溶液
(500mL)の間に分配した。その層を分離し、つい
でその有機相を1M クエン酸水溶液で1回、飽和重炭
酸ナトリウム水溶液で2回および食塩水で1回(各50
0mL)で洗浄した。その有機相を乾燥させ(Na2
4)、濾過し、ついで減圧濃縮した。琥珀色の油状物
を、酢酸エチル/ヘキサン勾配(0〜30% 酢酸エチ
ル/ヘキサン)で溶離するシリカゲルクロマトグラフィ
ーによって精製した。生成物を含む分画を合わせ、つい
で濃縮して19.0g(66%)の無色の油状物を得、
該油状物を静置してゆっくりと結晶化させた。1 H−NMR FD−MS、m/e 566(M+) 元素分析(C324227として): 計算値:C、67.82;H、7.47;N、4.94; 実測値:C、68.06;H、7.33;N、5.17。
【0081】D)N−(t−BuO2CCH2)−N−Boc
−D−Cha−Pro−OH 実施例3−Cおよび3−Dに記載したものと実質的に同
等の方法によって、22g(63%)のN−(t−BuO
2CCH2)−N−Boc−D−Cha−Pro−OHをN−
(t−BuO2CCH2)−N−Boc−Phe−Pro−OBn
から調製した。1 H−NMR FD−MS、m/e 483(M+) 元素分析(C254227として): 計算値:C、62.22;H、8.77;N、5.80; 実測値:C、62.99;H、8.96;N、5.48。
【0082】E)HO2CCH2−D−Cha−Pro−4−
(NHCH2−トランス−CHCH)イミダゾール・H
Cl 実施例1−Hおよび1−Iに記載したものと実質的に同
等の方法によって、0.31g(36%)のHO2CCH
2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2−トランス−CH
CH)イミダゾール・HClをN−(t−BuO2CC
2)−N−Boc−D−Cha−Pro−OHおよび4−
(NHCH2−トランス−CHCH)−1−Ts−イミダ
ゾール・HClから調製した。その生成物をプレパラテ
ィブRPHPLC(60/40〜98/2(A/B)、
150分)により精製した。1 H−NMR FAB−MS、m/e 432.3(MH+) 元素分析(C223354・1.5HClとして): 計算値:C、54.35;H、7.15;N、14.4
0; 実測値:C、53.98;H、7.21;N、14.0
3。
【0083】実施例8 HO2CCH2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2CH2
CH2)イミダゾール・HCl(N−(カルボキシメチ
ル)−D−シクロヘキシルアラニル−N−[3−(イミ
ダゾール−4−イル)プロピル]−L−プロリンアミド
・塩酸塩)の製造
【化29】 HO2CCH2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2CH2
CH2)C332・HCl 実施例2に記載したものと実質的に同等の方法によっ
て、0.29g(99%)のHO2CCH2−D−Cha−
Pro−4−(NHCH2CH2CH2)C332・HCl
をHO2CCH2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2
トランス−CHCH)イミダゾ−ル・HClから調製し
た。1 H−NMR FAB−MS、m/e 434.4(MH+) 元素分析(C223554・2.5HCl・1.0H2Oと
して): 計算値:C、48.69;H、7.34;N、12.9
0; 実測値:C、48.83;H、6.99;N、12.8
6。
【0084】実施例9 D−Cha−Ohi−4−(NHCH2−トランス−CHC
H)イミダゾール・2HClの製造
【化30】 D−Cha−Ohi−4−(NHCH2−トランス−CHC
H)C332・2HCl A)4−(NH2CH2−トランス−CHCH)イミダゾ
ール・2HCl TNF(200mL)中の4−(Boc2NCH2−トラン
ス−CHCH)−1−Ts−イミダゾ−ル(4.9g、1
0ミリモル)の撹拌溶液にHOBT(2.8g、20ミ
リモル)を添加した。16時間後、その溶媒の一部を減
圧濃縮し、1NHClを添加した。さらに24時間撹拌
した後、その溶媒を減圧除去し、ついで残渣を1N H
Clに再溶解させた。その水相をn−ブタノールで数度
洗浄し、酢酸エチルで1回洗浄した。ついでその水相を
濃縮し、2g(100%)の黄褐色の固体を得た。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 123.0(M+
【0085】B)D−Cha−Ohi−4−(NHCH2
トランス−CHCH)イミダゾール・2HCl 実施例5−B、5−C、1−Hおよび1−I(HOBT
での処理は除く)に記載したものと実質的に同様の方法
により、112mgのD−Cha−Ohi−4−(NHCH2
−トランス−CHCH)イミダゾール・2HClをBoc
−D−Cha−OH、HCl・Ohi−OEtおよび4−(N
2CH2−トランス−CHCH)イミダゾール・2HC
lから調製した。その生成物をプレパラティブRPHP
LC(60/40〜98/2(A/B)、150分)に
より精製した。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 428(M+) 元素分析(C243752・3HCl・0.5H2Oとし
て) 計算値:C、52.80;H、7.57;N、12.82 実測値:C、53.30;H、6.90;N、12.52
【0086】実施例10 D−Cha−Ohi−4−(NHCH2CH2CH2)イミダ
ゾール・2HCl(1−(D−シクロヘキシルアラニ
ル)−N−[3−(イミダゾール−4−イル)プロピ
ル]−[2S−(2α,3aβ,7aβ)]−オクタヒド
ロインドール−2−カルボキシアミド・二塩酸塩)の製
【化31】 D−Cha−Ohi−4−(NHCH2CH2CH2)C33
2・2HCl A)4−HOCH2−1−Ts−イミダゾール 水(100mL)中の4−HOCH2−イミダゾール・H
Cl(18g、134ミリモル)およびK2CO3(55.
4g、400ミリモル)の溶液にTHF(300mL)
中のp−トルエンスルホニルクロリド(25.4g、1
34ミリモル)の溶液を激しく撹拌しながら添加した。
一夜撹拌した後、その溶液を部分的に減圧濃縮し、つい
で酢酸エチルで3回抽出した。ついで、その酢酸エチル
相を合わせ、食塩水で2回洗浄し、MgSO4で乾燥さ
せ、濾過し、ついで減圧濃縮して32g(95%)の白
色固体を得た。1 H−NMR
【0087】B)4−OHC−1−Ts−イミダゾール −78℃でジクロロメタン(250mL)中の塩化オキ
サリル(8.3mL、95ミリモル)の撹拌溶液に、DM
SO(22mL、280ミリモル)を滴下した。5分
後、ジクロロメタン(50mL)中の4−HOCH2−1
−Ts−イミダゾール(20g、79ミリモル)の溶液
を滴下ロートを通して2分かけて添加した。20分後、
トリエチルアミン(66mL、470ミリモル)を添加
し、ついで冷却浴を除去した。その溶液を室温まで温め
た後、水(300mL)を添加し、ついでその層を分離
した。その水相を3回ジクロロメタンで抽出し、有機相
を合わせ、食塩水で2回洗浄し、ついでMgSO4で乾燥
させ、濾過し、ついで減圧蒸発させて19.8g(10
0%)の黄褐色の固体を得た。
【0088】C)4−NCCHCH−1−Ts−イミダ
ゾール THF(200mL)中のNaH(3.5g、87ミリモ
ル、60%分散油状物)に、THF(100mL)中の
4−OHC−1−Ts−イミダゾール(19.8g、79
ミリモル)およびジエチルシアノメチルホスホネート
(14g、79ミリモル)の溶液を滴下ロートを通して
添加した。2時間後その反応を1N クエン酸を添加し
て停止させた。その溶媒を減圧蒸発させ、ついで残渣を
酢酸エチルおよび1N クエン酸の間に分配した。その
有機相を1N クエン酸で2回、水で1回、飽和NaHC
3で2回および食塩水で1回洗浄した。ついでその有
機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、ついで減圧濃縮し
て体積を減じた。ジエチルエーテルを添加し、ついで得
られた沈澱物を濾過し、減圧乾燥させて13.1g(6
1%)の白色固体を得た。1 H−NMR IR FD−MS、m/e 273(M+
【0089】D)4−NH2CH2CH2CH2−イミダゾ
ール・2HCl THF(50mL)中の4−NCCHCH−1−Ts−イ
ミダゾール(2.5g、9.1ミリモル)の溶液に、HO
BT(3.6g、2.7ミリモル)を添加した。一夜撹拌
した後、さらに別のHOBT(1.2g、9.1ミリモ
ル)を添加し、ついで溶液を2時間撹拌した。溶媒を減
圧蒸発させ、残渣を1N HClおよび酢酸エチルの間に
分配した。ついでその層を分離し、水相をブタノールで
洗浄し、酢酸エチルで2回洗浄し、ついで減圧濃縮し
た。その残渣をエタノール(50mL)に溶解させ、つ
いでPtO2(0.11g)を添加した。ついでその溶液
を水素雰囲気下(5.2バール)に4時間おき、ついで
ケイソウ土を通して濾過し、続いてアクロディスク(ac
rodisk)を通し、ついで減圧濃縮し、1.1g(75%)
の白色固体を得た。1 H−NMR
【0090】E)Boc−D−Cha−Ohi−OH 実施例3−Bおよび5−Cに記載したものと実質的に同
様の方法により、EtSO2−D−Phe−OHの代わりに
Boc−D−Cha−OHを用い、Boc−D−Cha−Ohi−
OHを調製した。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 423(M+) 元素分析(C233825として) 計算値:C、65.38;H、9.06;N、6.63 実測値:C、65.62;H、9.01;N、6.55
【0091】F)D−Cha−Ohi−4−(NHCH2
2CH2)−イミダゾール・2HCl DMF(15mL)中のBoc−D−Cha−Ohi−OH
(1.27g、3ミリモル)、4−NH2CH2CH2CH
2−イミダゾール・2HCl(0.53g、3ミリモル)
およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2mL、
3.3ミリモル)の撹拌溶液にBOP−Cl(1.71
g、3.3ミリモル)を添加した。一夜撹拌した後、そ
の溶媒を減圧除去し、ついで残渣を酢酸エチルおよび飽
和NH4Clの間に分配した。その有機相を再び飽和NH
4Clで洗浄し、水で1回、飽和NaHCO3で2回および
食塩水で1回洗浄した。その溶液をMgSO4で乾燥さ
せ、減圧濾過し、ついで濃縮した。その残渣をTFA
(25mL)中に溶解させ、2時間撹拌した後、その溶
媒を減圧除去した。ついでその残渣を1N HClで溶解
させ、酢酸エチルで数回抽出し、一部を濃縮し、ついで
プレパラティブRPHPLC(60/40〜98/2
(A/B)、150分)により精製した。生成物含有分
画の凍結乾燥により、430mg(29%)のD−Cha−
Ohi−4−(NHCH2CH2CH2)−イミダゾール・
2HClを得た。 IR FD−MS、m/e 430(MH+) 元素分析(C243952・2.8HClとして) 計算値:C、54.22;H、7.92;N、13.17 実測値:C、54.63;H、7.40;N、12.83
【0092】実施例11 D−Cha−Azt−4−(NHCH2−トランス−CHC
H)イミダゾール・2HCl
【化32】 D−Cha−Azt−4−(NHCH2−トランス−CHC
H)C332・2HCl
【0093】A)Boc−D−Cha−Azt−OH 実施例1−B、3−Bおよび5−Cに記載したものと実
質的に同様の方法により、4gのBoc−D−Cha−Azt
−OHをAzt−OHおよびBoc−D−Cha−OHから調
製した。 IR1 H−NMR FD−MS、m/e 355.2(MH+
【0094】B)D−Cha−Azt−4−(NHCH2
トランス−CHCH)イミダゾール・2HCl 実施例9−Bに記載したものと実質的に同様の方法によ
り、95mgのD−Cha−Azt−4−(NHCH2−トラ
ンス−CHCH)イミダゾール・2HClをBoc-D-Cha
−Azt−OHおよび4−(NH2CH2−トランス−CH
CH)イミダゾール・2HClから調製した。その生成
物をプレパラティブRPHPLC(60/40〜98/
2(A/B)、150分)によって精製した。1 H−NMR FD−MS、m/e 360.2(MH+) 元素分析(C192952・3.0HCl0.5H2Oとし
て) 計算値:C、47.76;H、6.96;N、14.65 実測値:C、74.36;H、6.69;N、14.42
【0095】実施例12 D−Cha−Azt−4−NHCH2CH2CH2−イミダゾ
ール・2HCl
【化33】 D−Cha−Azt−4−NHCH2CH2CH2−C332
・2HCl D−Cha−Azt−4−NHCH2CH2CH2−イミダゾ
ール・2HCl 実施例10−Eに記載したものと実質的に同様の方法に
より、Boc−D−Cha−Ohi−OHをBoc−D−Cha−
Azt−OHに置換し、30mgのD-Cha−Azt−4−N
HCH2CH2CH2−イミダゾール・2HClを調製し
た。その生成物をプレパラティブRPHPLC(60/
40〜98/2(A/B)、150分)により精製し
た。1 H−NMR ES−MS、m/e 362.2(MH+) 元素分析(C193152・3.5HCl・3.0H2Oと
して) 計算値:C、42.02;H、7.52;N、12.89 実測値:C、42.24;H、7.04;N、12.74
【0096】実施例13 D−Cha−hPro−4−(NHCH2−トランス−CHC
H)イミダゾール・2HCl
【化34】 D−Cha−hPro−4−(NHCH2−トランス−CHC
H)C332・2HCl 実施例9に記載したものと実質的に同様の方法により、
0.18gのD−Cha−hPro−4−(NHCH2−トラ
ンス−CHCH)イミダゾール・2HClをhPro−OH
から調製した。その生成物をプレパラティブRPHPL
C(60/40〜98/2(A/B)、150分)によ
り精製した。1 H−NMR FD−MS、m/e 388.2(MH+) 元素分析(C213352・2.0HCl・2.5H2Oと
して) 計算値:C、49.90;H、7.98;N、13.85 実測値:C、49.67;H、7.62;N、13.77
【0097】実施例14 D−Cha−hPro−4−NHCH2CH2CH2−イミダゾ
ール・2HCl
【化35】 D−Cha−hPro−4−NHCH2CH2CH2−C33
2・2HCl 実施例10に記載したものと実質的に同様の方法によ
り、118mgのD−Cha−hPro−4−NHCH2CH2
CH2−C332・2HClをhPro−OHから調製し
た。その生成物をプレパラティブRPHPLC(60/
40〜98/2(A/B)、150分)により精製し
た。1 H−NMR FD−MS、m/e 390.5(MH+) C213552・2.5HClの分析 計算値:C、52.47;H、7.86;N、14.57 実測値:C、51.92;H、7.71;N、14.34 実測値:C、53.42;H、7.68;N、14.79
【0098】実施例15 HO2CCH2−D−Cha−Pro−4−NHCH2CH2
イミダゾール・2HCl(N−(カルボキシメチル)−
D−シクロヘキシルアラニル−N−[2−(イミダゾー
ル−4−イル)エチル]−L−プロリンアミド・二塩酸
塩)の製造
【化36】 HO2CCH2−D−Cha−Pro−4−NHCH2CH2
イミダゾール・2HCl 実施例1−Hおよび1−Iに記載したものと実質的に同
様の方法により(Boc−D−Cha−Pro−OHの代わり
にN−(t−BuO2CCH2)−N−Boc−D−Cha−
Pro−OHおよびTHFの代わりにDMFを使用し、H
OBT処理を省略し)、0.8gのHO2CCH2−D−
Cha−Pro−4−NHCH2CH2−イミダゾール・HC
lをヒスタミン塩酸塩から調製した。最終生成物をRP
HPLC(70/30〜98/2(A/B)、2時間)
により精製した。 IR1 H NMR FAB−MS、m/e 420.2(MH+) 元素分析(C213354・2.1HCl・0.8H2Oと
して) 計算値:C、49.41;H、7.25;N、13.7
2;Cl、14.58; 実測値:C、49.49;H、6.89;N、13.6
4;Cl、14.72。
【0099】実施例16 EtSO2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2CH2)イ
ミダゾール・HClの製造
【化37】 EtSO2−D−Cha−Pro−4−(NHCH2CH2)C
332・HCl A)Boc−Pro−4−(NHCH2CH2)イミダゾール 実施例3−Bに記載したものと実質的に同様の方法によ
り(THFのかわりにDMFを使用し)、Boc−Pro−
4−(NHCH2CH2)イミダゾールをBoc−Pro−O
Hおよびヒスタミン・2HClから調製した。1 H NMR FD−MS、m/e 309(MH+
【0100】B)Boc−Pro−4−(NHCH2CH2
−1−Ts−イミダゾール ジクロロメタン(100mL)中のBoc−Pro−4−
(NHCH2CH2)イミダゾール(7.7g、25ミリ
モル)の撹拌溶液にp−トルエンスルホニルクロリド
(4.3mg、25ミリモル)、ついでトリエチルアミン
(6.3mL、50ミリモル)を添加した。16時間撹拌
した後、その溶媒を減圧除去し、ついで残渣を酢酸エチ
ルおよび飽和NH4Cl水溶液との間に分配した。その有
機相を再び飽和NH4Cl水溶液で洗浄し、飽和NaHC
3水溶液で2回洗浄し、濾過し、ついで減圧濃縮し
た。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、
0〜20%メタノール/クロロホルムの段階勾配で溶離
した。その生成物含有分画を合わせ、ついで減圧濃縮
し、7.65g(66%)のオフホワイトの固体を得
た。1 H NMR FAB−MS、m/e 460(M+
【0101】C)Pro−4−(NHCH2CH2)−1−
Ts−イミダゾール・TFA 0℃にて、ジクロロメタン(20mL)中のBoc−Pro
−4−(NHCH2CH2)−1−Ts−イミダゾール
(4.0g、8.6ミリモル)の撹拌溶液にTFA(20
mL)を添加した。1時間撹拌した後、その溶媒を減圧
除去し、濃厚な油状残渣を数回ジエチルエーテルで洗浄
し、ついで減圧乾燥させて濃厚な油状物を得た。1 H−NMR
【0102】D)EtSO2−D−Cha−Pro−4−(N
HCH2CH2)イミダゾール・HCl Pro−4−(NHCH2CH2)−1−Ts−イミダゾー
ル・TFA(1.43g、3.0ミリモル)をジクロロメ
タン(100mL)および飽和NaHCO3(100mL)
の間に分配した。その有機相を分離し、MgSO4で乾燥
させ、濾過した。この溶液にEtSO2−D−Cha−Pro
−OH(実施例3−Dに記載したものと実質的に同様の
方法により、EtSO2−D−Phe−OHから調製した)
(0.79g、3.0ミリモル)、続いて1−(3−ジメ
チルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒド
ロクロリド(0.58g、3.0ミリモル)を添加した。
16時間の撹拌後、その溶媒を除去し、その残渣を酢酸
エチルおよび飽和NH4Cl水溶液の間に分配した。その
有機相を食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧濾
過および濃縮した。その残渣をTHFに溶解させ、この
溶液にHOBTを添加した。16時間の撹拌後、その溶
媒を減圧除去し、ついで残渣を酢酸エチルおよび水の間
に分配した。その水相を1N HClでpH2に酸性化
し、酢酸エチルで4回洗浄した。その水相を部分的に濃
縮し、アクロディスクを通して濾過し、ついでプレパラ
ティブRPHPLC(40/60〜90/10(A/
B)、150分)により精製した。その生成物含有分画
を合わせ、部分的に濃縮し、ついで凍結乾燥させて18
0mg(12%)のEtSO2−D−Cha−Pro−4−(N
HCH2CH2)イミダゾール・HClを得た。1 H NMR FD−MS、m/e 454.1(MH+) 元素分析(C213554S・1.3HCl・1.0H2
として) 計算値:C、48.60;H、7.44;N、13.4
9;Cl、8.88; 実測値:C、48.50;H、7.40;N、13.5
0;Cl、9.20。
【0103】実施例17 D−Cha−Pro−4−NHCH2CH2CH2−5−CH3
−イミダゾール・2HClの製造
【化38】 D−Cha−Pro−4−NHCH2CH2CH2−5−CH3
−C332・2HCl 実施例10に記載したものと実質的に同様の方法によ
り、4−HOCH2−イミダゾール・HClを5−Me−
4−HOCH2−イミダゾール・HClで、およびBoc−
D−Cha−Ohi−OHをBoc−D−Cha−Pro−OHで
置換して、118mgのD−Cha−Pro−4−NHCH2
CH2CH2−5−Me−C332・2HClを調製し
た。その生成物をプレパラティブRPHPLC(60/
40〜98/2(A/B)、150分)により精製し
た。1 H NMR FD−MS、m/e 390(M+) 元素分析(C213552・3.0HCl・1.7H2Oと
して) 計算値:C、47.63;H、7.88;N、13.22 実測値:C、47.98;H、7.62;N、12.9
4。
【0104】実施例18 D−Cha−Pro−4−NHCH2CH2CH2CH2−イミ
ダゾール・2HClの製造
【化39】 D−Cha−Pro−4−NHCH2CH2CH2CH2−C3
32・2HCl A)4−NCCH2CHCH−1−Ts−イミダゾール DMF(50mL)中の4−(BrCH2−トランス−C
HCH)−1−Ts−イミダゾール(4.5g、13.2
ミリモル)の撹拌溶液にKCN(1.0g、15.8ミリ
モル)続いて18−クラウン−6(0.7g、2.64ミ
リモル)を添加した。一夜撹拌した後、その溶媒を減圧
除去し、ついで残渣を酢酸エチルに溶解させ、食塩水で
洗浄した。ついでその有機相を乾燥させ(MgSO4)、
濾過し、ついで減圧濃縮した。その残渣を酢酸エチル/
ヘキサン勾配で溶離するシリカゲルクロマトグラフィー
により精製した。その生成物含有分画を合わせ、ついで
減圧濃縮して1.8g(47%)の白色固体を得た。1 H−NMR
【0105】B)D−Cha−Pro−4−NHCH2CH2
CH2CH2−イミダゾール・2HCl 実施例10−D、10−Eおよび10−Fに記載したも
のと実質的に同様の方法により、4−NCCHCH−1
−Ts−イミダゾールを4−NCCH2CHCH−1−
Ts−イミダゾールで置換して、130mgのD−Cha−
Pro−4−NHCH2CH2CH2CH2−C332・2
HClを調製した。その生成物をプレパラティブRPH
PLC(60/40〜98/2(A/B)、150分)
により精製した。1 H NMR FD−MS、m/e 390(M+) 元素分析(C213552・2.0HCl・0.8H2Oと
して) 計算値:C、52.89;H、8.16;N、14.68 実測値:C、52.73;H、7.86;N、14.8
1。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 403/12 205 C07D 403/12 205 209 209 (72)発明者 マイケル・ロバート・ウィリー アメリカ合衆国46268インディアナ州イン ディアナポリス、ラングウッド・ドライブ 7725番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): X−C(O)−Y−C(O)−NH−CH2−G−Im I [式中、X−C(O)−は、D−プロリニル、D−ホモ
    プロリニル、Rm−(CH2g−NH−CH2−C(O)
    −、 【化1】 [ここで、Rdはカルボキシまたはメチルスルホニル;
    eはNHRc、NHCORcまたはNHCOORc(ここ
    で、Rcは(C1−C10)アルキル、(C3−C8)シクロ
    アルキルまたは炭素数4〜10の(C3−C8)シクロア
    ルキル−(C1−C6)アルキル);Tは(C3−C8)シ
    クロアルキル、(C1−C8)アルキル、 【化2】 aは0、1または2;およびQは−OH、(C1−C4
    アルコキシまたは−NH−A;Aは水素、(C1−C4
    アルキル、R"SO2−、R"OC(O)−、R"C(O)
    −、RnC(O)−または−(CH2g−Rmgは1、
    2または3;Bは水素または(C1−C4)アルキル;
    R'は水素または(C1−C4)アルキル;R"は(C1
    4)アルキル、1〜5個のフッ素原子を有する(C1
    4)フルオロアルキル、−(CH2d−Rmまたは非置
    換もしくは置換アリール(ここでアリールはフェニル、
    ナフチル、同一もしくは異なってイオウ、酸素および窒
    素から選ばれる1または2個のヘテロ原子を有する5員
    または6員の非置換もしくは置換芳香族複素環、または
    同一もしくは異なってイオウ、酸素および窒素から選ば
    れる1または2個のヘテロ原子を有する9員または10
    員の非置換もしくは置換縮合二環式芳香族複素環);R
    mは−COORb、−SO2(C1−C4)アルキル、−S
    3H、−P(O)(ORb2またはテトラゾール−5
    −イル;Rnは−COORbまたはテトラゾール−5−イ
    ル;各Rbは独立して水素または(C1−C4)アルキ
    ル;dは1、2または3;mは0、1または2;およびZ
    は水素、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキ
    シ、ヒドロキシ、ハロまたは(C1−C4)アルキルスル
    ホニルアミノ];−Y−C(O)−は、 【化3】 [ここで、Rgは(C1−C6)アルキル、(C3−C8
    シクロアルキルまたは−(CH2p−L−(CH2)q
    −T';Rpは(C1−C6)アルキル、(C3−C8)シク
    ロアルキルまたは−(CH2p−L−(CH2)q−T'
    (ここで、pは0、1、2、3または4;Lは単結合、
    −O−、−S−または−NH−;qは0、1、2または
    3;およびT'は(C1−C4)アルキル、(C3−C8)シ
    クロアルキル、−COOH、−CONH2またはAr
    (ここで、Arは非置換または置換アリール(ここで、
    アリールはフェニル、ナフチル、同一もしくは異なって
    イオウ、酸素および窒素から選ばれる1または2個のヘ
    テロ原子を有する5員または6員の非置換もしくは置換
    芳香族複素環、または同一もしくは異なってイオウ、酸
    素および窒素から選ばれる1または2個のヘテロ原子を
    有する9員または10員の非置換もしくは置換縮合二環
    式芳香族複素環));Ryは−CH2−、−O−、−S−
    または−NH−;およびRzは単結合、もしくはRyと3
    個の隣接する炭素原子が一緒になって5〜8原子の飽和
    炭素環を形成する場合、それらの原子のひとつは−O
    −、−S−または−NH−であってよい;およびr
    0、1または2] Gは−(CH2s−(ここで、sは0、1、2、3また
    は4)、またはGは−(CH2t−CH=CH−(ここ
    で、tは0、1または2であり、二重結合はトランスで
    あってImに結合する);およびImは5位にRを有す
    るイミダゾール−4−イル(ここで、Rは水素、ヒドロ
    キシ置換基で置換されていることもある(C1−C4)ア
    ルキルまたは炭素数2〜4の(C1−C3)アルコキシ−
    (C1−C3)アルキル);さらに、上記ArまたはR"
    の定義において記載した各芳香族またはヘテロ芳香族基
    は独立して、非置換であるかまたは、ハロ、ヒドロキ
    シ、(C1−C4)アルキル、(C1−C4)アルコキシ、
    アミノ、モノ(C1−C4アルキル)アミノ、ジ(C1
    4アルキル)アミノ、−(CH2jCOOH、メルカ
    プト、−S(O)h(C1−C4アルキル)、−NHS
    (O)h(C1−C4アルキル)、−NHC(O)(C1
    4アルキル)、−S(O)hNH2、−S(O)hNH
    (C1−C4アルキル)または−S(O)hN(C1−C4
    アルキル)2(ここで、hは0、1または2であり、j
    0、1、2、3または4である)から選ばれる1または
    2個の置換基で安定な構造をとるように独立して置換さ
    れている]で示される化合物またはその医薬的に許容し
    うる塩。
  2. 【請求項2】 a.D−シクロヘキシルアラニル−N−
    [(E)−3−(イミダゾール−4−イル)プロプ−2
    −エニル]−L−プロリンアミド; b.D−シクロヘキシルアラニル−N−[3−(イミダ
    ゾール−4−イル)プロピル]−L−プロリンアミド; c.N−(カルボキシメチル)−D−シクロヘキシルア
    ラニル−N−[(E)−3−(イミダゾール−4−イ
    ル)プロプ−2−エニル]−L−プロリンアミド; d.N−(カルボキシメチル)−D−シクロヘキシルア
    ラニル−N−[3−(イミダゾール−4−イル)プロピ
    ル]−L−プロリンアミド; e.1−(D−シクロヘキシルアラニル)−N−[3−
    (イミダゾール−4−イル)プロピル]−[2S−(2
    α,3aβ,7aβ)−オクタヒドロインフォール−2
    −カルボキシアミド;および f.N−(カルボキシメチル)−D−シクロヘキシルア
    ラニル−N−[2−(イミダゾール−4−イル)エチ
    ル]−L−プロリンアミド;から選ばれる請求項1に記
    載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の化合物または
    その医薬的に許容しうる塩および医薬的に許容しうる担
    体、希釈剤もしくは賦形剤を含む医薬組成物。
JP9069543A 1996-03-22 1997-03-24 抗血栓性ジアミド Withdrawn JPH107671A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

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