JPH1076601A - 多重被覆金属管 - Google Patents

多重被覆金属管

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JPH1076601A
JPH1076601A JP23617996A JP23617996A JPH1076601A JP H1076601 A JPH1076601 A JP H1076601A JP 23617996 A JP23617996 A JP 23617996A JP 23617996 A JP23617996 A JP 23617996A JP H1076601 A JPH1076601 A JP H1076601A
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JP
Japan
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layer
polyethylene
polypropylene
protective layer
resin
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Application number
JP23617996A
Other languages
English (en)
Inventor
Junichi Kitagawa
淳一 北川
Shinichiro Mori
慎一郎 森
Keiji Sugawara
啓司 菅原
Katsumi Omori
克己 大森
Katsuhiko Sasada
克彦 笹田
Hideyuki Wada
英之 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防食層であるポリエチレン樹脂層からの
保護層であるポリプロピレン樹脂層の剥離性を著しく改
良し、ポリエチレン、ポリプロピレンの樹脂組成に制約
されることなく該樹脂を多重被覆鋼管に使用でき、低温
衝撃性に優れ、さらに押出特性、機械的強度、ウェルド
強度に優れた多重被覆鋼管を提供する。 【解決手段】 金属管の外側にポリエチレン樹脂層が防
食層として被覆され、その外面にはポリプロピレン樹脂
層が保護層として被覆されている多重被覆金属管におい
て、該ポリエチレン樹脂層及びポリプロピレン樹脂層の
うち少なくとも1層に少なくとも0.0001〜20重
量%の酸化防止剤又は0.0001〜40重量%の造核
剤が含まれていることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防食層および保護
層を被覆層として有する多重被覆金属管に関する。
【0002】
【従来の技術】水道用、ガス用あるいはケーブル保護用
などに、ポリエチレン被覆鋼管などが用いられており、
その一種として防食用のポリエチレン被覆層と輸送取扱
時の機械的外力に対する保護用のポリプロピレン被覆層
との二重被覆層を設けたものがある。かかる二重被覆鋼
管は、配管施工時に鋼管を溶接などにより接続する場
合、その保護層のみを剥離する必要がある。
【0003】そこで、これらの多重被覆鋼管には、防食
層のポリエチレンと保護層のポリプロピレンは互いに剥
離性の良い樹脂が使用されており、そのためポリエチレ
ンおよびポリプロピレンの樹脂組成が制約されていた。
【0004】例えば、防食層樹脂と保護層樹脂の剥離性
を改良したものに、防食層と保護層のいずれか一層をポ
リエチレン樹脂単独とし、他の一層をポリエチレン20
〜40重量%およびポリプロピレン60〜80重量%の
配合よりなる共重合体またはブレンド樹脂としたプラス
チック被覆鋼管が提案されている(特開昭54−158
720号公報)。しかし、ここで用いられているポリエ
チレン−ポリプロピレン樹脂組成物は、ポリプロピレン
単体に比較して耐傷付性に不足し、またポリエチレン単
体と比較して耐寒性およびウェルド強度の点で不十分で
あった。
【0005】また、前記樹脂組成物またはポリプロピレ
ン樹脂にエチレン・α−オレフィンランダム共重合体を
ブレンドして用いた提案があるが(特公昭60−226
22号公報)、押出特性、機械的強度、低温衝撃性、ウ
ェルド強度等の点でかならずしも十分ではなかった。
【0006】また防食層と梱包層の剥離性を全く考慮し
ない任意のポリエチレン、ポリプロピレンをそれぞれ防
食層、梱包層として用いると該樹脂の溶着等が発生し、
剥離性が著しく悪化し、実用にならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記問題点
を解決するためになされたもので、防食層であるポリエ
チレン樹脂層からの保護層であるポリプロピレン樹脂層
の剥離性を著しく改良し、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンの樹脂組成に制約されることなく該樹脂を多重被覆鋼
管に使用でき、低温衝撃性に優れ、さらに押出特性、機
械的強度、ウェルド強度に優れた多重被覆鋼管を提供す
ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らの検討の結
果、樹脂の酸化劣化、または樹脂の冷結晶化温度が防食
層と保護層の剥離性に大きく影響を与えることを見いだ
した。そこで、防食層ポリエチレン及び/又は保護層ポ
リプロピレンに、酸化防止剤及び/又は造核剤を添加す
ることによって、樹脂の酸化劣化を防ぎ、または樹脂の
冷結晶化温度を上げることによって、防食層と保護層の
剥離性を向上させ、それによって、上記問題点を解決し
た。
【0009】すなわち、本発明は、金属管の外側にポリ
エチレン樹脂層が防食層として被覆され、その外面には
ポリプロピレン樹脂層が保護層として被覆されている多
重被覆金属管において、該ポリエチレン樹脂層及びポリ
プロピレン樹脂層のうち少なくとも1層に少なくとも
0.0001〜20重量%の酸化防止剤又は0.0001
〜40重量%の造核剤が含まれていることを特徴とする
多重被覆鋼管に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】金属管の種類は特に限定されるも
のではなく、鋼管のほか銅管、鉛管などでもよい。金属
管には公知のクロメート処理、プライマー被覆等の表面
処理を施すことができる。
【0011】防食層に用いられるポリエチレン樹脂は、
エチレンの単独重合体あるいはエチレンとα−オレフィ
ン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、1−デセンなどとの共重合体であってエチレンを主
体とする重合体である。α−オレフィンの炭素数が4以
上のものは一般的に直鎖状低密度ポリエチレンと称され
ているものであるが、密度は0.97g/cm3に達す
るものである。本発明に好ましいポリエチレン樹脂は、
MI 0.05〜10g/10min、密度0.9〜2
g/cm3、特に好ましくはMI 0.2〜0.5g/1
0min、密度0.92〜1g/cm3である。防食層
の厚みは0.01〜50mm程度、好ましくは0.1〜
10mm程度が適当である。このポリエチレン樹脂層は
単一層のほか2層以上を共押出したあるいは逐次積層し
た複合層であってもよい。また、ポリエチレン樹脂層は
破断点応力が100kg/cm2以上、好ましくは15
0〜500kg/cm2、特に好ましくは200〜40
0kg/cm2、そして衝撃強度が2kg・cm以上、
好ましくは2.5〜20kg・cm、特に好ましくは5
〜10kg・cmのものが適当である。
【0012】保護層に用いられるポリプロピレン樹脂
は、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンとエチ
レンあるいは1−ブテンなどとのランダム共重合体ある
いはプロピレン単独重合体とプロピレン−エチレン共重
合体とのブロック共重合体であって、プロピレンを主体
とする重合体である。特に剛性と低温での衝撃強度の点
からブロック共重合体が好ましい。本発明に好ましいポ
リプロピレン樹脂はMI0.05〜10g/10mi
n、密度0.8〜2g/cm3、特に好ましくはMI0.
2〜2g/10min、密度0.9〜1.5g/cm3
である。保護層の厚みは0.01〜50mm程度、好ま
しくは0.1〜10mm程度が適当である。ポリプロピ
レン樹脂層とポリエチレン樹脂層との間の剥離強度は5
kg/10cm幅以下が適当であり、0〜3kg/10
cm幅程度、特に0〜1.5kg/10cm幅程度が好
ましい。また、ポリプロピレン樹脂層は破断点応力が1
00kg/cm2以上、好ましくは150〜600kg
/cm2、特に好ましくは200〜400kg/cm2
そして衝撃強度が5kg・cm以上、好ましくは10〜
40kg・cm、特に好ましくは10〜30kg・cm
のものが適当である。
【0013】樹脂の酸化劣化を防ぐために、本発明の被
覆層として用いられるポリエチレン樹脂あるいはポリプ
ロピレン樹脂に添加する酸化防止剤としては、モノフェ
ノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、高
分子型フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リ
ン系酸化防止剤などがある。モノフェノール系酸化防止
剤は、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチ
ル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−
4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
トなどである。ビスフェノール系酸化防止剤は、2,
2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−
t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリ
デンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)な
どである。高分子型フェノール系酸化防止剤はヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤を含み、例えば、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、テトラキス−〔メチレン−3
−(3',5'−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン、ビス〔3,3'−ビス
−(4'−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブ
チリックアシッド〕グリコールエステル、1,3,5−
トリス(3’,5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシ
ベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3
H,5H)トリオン、トコフェノールなどである。硫黄
系酸化防止剤は、ジラウリル3,3’−チオジプロピオ
ネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネー
ト、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネートなど
である。リン系酸化防止剤は、トリフェニルホスファイ
ト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイ
ソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス−
(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジトリデシル)
ホスファイトなどのリン酸系酸化防止剤などである。
【0014】酸化防止剤の添加量としては、0.000
1〜20重量%が適当である。酸化防止剤が0.000
1重量%未満であると剥離性の改善が不十分であり、2
0重量破を越えることであると低温衝撃性が著しく損な
われる。酸化防止剤の効果を十分に発揮し、さらに着色
などの悪影響を防ぐために、添加量は、好ましくは、
0.1〜5重量%が適当である。
【0015】また、樹脂の冷結晶化温度を上げるため
に、本発明の被覆層として用いられるポリエチレン樹脂
あるいはポリプロピレン樹脂に添加する造核剤として
は、芳香族カルボン酸塩、芳香族リン酸塩、ジベンジリ
デンソルビトール化合物、カルボン酸塩、無機造核剤な
どがある。芳香族カルボン酸塩は、p−t−ブチル安息
香酸アルミニウム、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香
酸)アルミニウム、安息香酸ナトリウムなどであり、芳
香族リン酸塩はリン酸2,2’−メチレンビス(4,6
−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸ビス
(4−t−ブチルフェニル)ナトリウムなどである。ジ
ベンジリデンソルビトール化合物は、1,3,2,4−ジ
ベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ−(p
−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4
−ジ−(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4−ジ−(2’,4’−ジメチルベンジリデ
ン)ソルビトールなどであり、カルボン酸塩はモンタン
酸ナトリウム等である。無機造核剤の例としてはタルク
(含水ケイ酸マグネシウム)を挙げることができる。
【0016】造核剤の添加量としては、0.0001〜
40重量%である。造核剤が0.0001重量%未満で
あると、剥離性の改良が不十分であり、40重量%を越
えると低温衝撃性が著しく損なわれる。造核剤の効果を
十分に発揮し、さらに樹脂の機械的物性などを損なわな
いために、好ましくは0.01〜5重量%が適当であ
る。
【0017】さらに、本発明の被覆層として用いられる
ポリエチレン樹脂あるいはポリプロピレン樹脂中には、
紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染
料、有機の充填剤などの各種添加剤を、本発明の目的を
損なわない範囲内で配合してもよい。
【0018】多重被覆金属管の形成は、金属管上に被覆
材料をチューブ状に押出して被覆する方法あるいは金属
管上に被覆材料のフラットなシートを押出し、これらを
らせん状に巻き付けて被覆する方法などによって行われ
る。
【0019】金属管上に被覆材料をチューブ状に押出し
て被覆する方法では、金属管を機械的または化学的に前
処理した後、管の外周全面にわたり加熱溶融した粘着剤
または接着剤を塗布し、ついで押出機により溶融混練し
たポリエチレン樹脂をクロスヘッドダイあるいはオフセ
ットダイからチューブ状に押出して前記外周全面に被覆
し、冷却後あるいは冷却せずに、形成された防食層上
に、直接これと同様の方法でポリプロピレン樹脂をチュ
ーブ状に押出して保護層を形成させる方法、または多層
ダイを用いてポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂と
を同時に被覆する方法などが用いられる。
【0020】金属管上に被覆材料のフラットなシートを
押出し、これをらせん状に巻き付けて被覆する方法では
押出機により溶融混練したポリエチレン樹脂をT−ダイ
からフラットなシートとして押出し、これをあらかじめ
粘着剤などを塗布してある金属管の外周全面状にらせん
状に被覆し、冷却後あるいは冷却せずに、形成された防
食層上に、直接これと同様の方法でポリプロピレン樹脂
のフラットなシートをらせん状に巻き付けて被覆する方
法、または多層T−ダイを用いてポリエチレン樹脂とポ
リプロピレン樹脂とのフラットなシートを同時にらせん
状に巻き付けて被覆する方法などが用いられる。
【0021】〔測定方法〕 剥離強度:100A鋼管に被覆された保護層ポリプロピ
レンに、管長方向に10cm幅でスリットを入れ、円周
方向の90度角ピール強度を測定し、そのときのピール
強度が5kg/10cm以下のものを剥離性良好とし
た。
【0022】破断点応力:JIS K−7113の2号
ダンベルを使用し、−20℃において、引張速度50m
m/分で測定し、そのときの破断点応力が200kg/
cm 2以上のものを合格とした。
【0023】衝撃強度:−20℃において、直径50m
mの円板状試験片上に、荷重3040gの先端径5/8
インチの錘を落下させ、錘の落下距離を変えることによ
り、一定枚数の試験片の50%が破壊するに要するエネ
ルギーより衝撃強度(kg・cm)を求めた。−20度
における衝撃強度が防食層ポリエチレンについては、5
0kg・cm以上を合格とし、保護層ポリプロピレンに
ついては、60kg・cm以上を合格とした。
【0024】
【実施例】
実施例1:100A鋼管表面にプライマーを塗布した
後、変性ポリエチレンを接着層として被覆した。その直
後に防食層として、モノフェノール系酸化防止剤「アイ
オノール」(シェルジャパン(株))を0.1重量%添加
した多価密度ポリエチレン(MI 0.2g/10mi
n、密度0.93g/cm3)を230℃に溶融してク
ロスヘッドダイから1.5mmの厚さに押出被覆し、水
冷した。次いで、他のクロスヘットダイから保護層とし
てポリプロピレン(MI 0.4g/10min、密度
0.9g/cm3)を200℃に溶融して1.5mmの厚
さに押出被覆した。
【0025】得られた被覆鋼管の防食層ポリエチレンと
保護層ポリプロピレンの剥離強度は2.2kg/10c
m、防食層のポリエチレンの破断点応力は350kg/
cm2、衝撃強度は80kg・cmであった。また、保
護層ポリプロピレンの破断点応力は500kg・c
2、衝撃強度は120kg・cmであった。よって、
防食層と保護層の剥離性が良好で、両樹脂の破断点応
力、衝撃強度とも問題なかった。
【0026】実施例2:100A鋼管表面にプライマー
を塗布した後、変性ポリエチレンを接着層として被覆し
た。その直後に防食層として、シェルジャパン株式会社
製の造核剤ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミ
ニウム(PTBBA−A1)を0.2重量%添加した高密
度ポリエチレン(MI 0.4g/10min、密度0.
94g/cm3)を240℃に溶融してクロスヘッドダ
イから1.5mmの厚さに押出被覆し、水冷した。次い
で、他のクロスヘッドダイから保護層としてポリプロピ
レン(MI 0.6g/10min、密度0.91g/
cm3)を210℃に溶融して1.5mmの厚さに押出
被覆した。被覆後、直ちに水冷を行なった。
【0027】得られた被覆鋼管の防食層ポリエチレンと
保護層ポリプロピレンの剥離強度は2.1kg/10c
m、防食層のポリエチレンの破断点応力は350kg/
cm2、衝撃強度は75kg・cmであった。また、保
護層ポリプロピレンの破断点応力は500kg・c
2、衝撃強度は120kg・cmであった。よって、
防食層と保護層の剥離性が良好で、両樹脂の破断点応
力、衝撃強度とも問題なかった。
【0028】実施例3:100A鋼管表面にプライマー
を塗布した後、変性ポリエチレンを接着層として被覆し
た。その直後に防食層として、高密度ポリエチレン(M
I 0.2g/10min、密度0.93g/cm3)を
240℃に溶融してクロスヘッドダイから1.5mmの
厚さに押出被覆し、水冷した。次いで、他のクロスヘッ
ドダイから保護層として、シェルジャパン株式会社製の
モノフェノール系の酸化防止剤アイオノールを0.5重
量%添加したポリプロピレン(MI 1.0g/10mi
n、密度0.915g/cm3)を200℃に溶融して
1.5mmの厚さに押出被覆した。被覆後、直ちに水冷
を行なった。
【0029】得られた被覆鋼管の防食層ポリエチレンと
保護層ポリプロピレンの剥離強度は2.1kg/10c
m、防食層のポリエチレンの破断点応力は360kg/
cm2、衝撃強度は80kg・cmであった。また、保
護層ポリプロピレンの破断点応力は500kg・c
2、衝撃強度は120kg・cmであった。よって、
防食層と保護層の剥離性が良好で、両樹脂の破断点応
力、衝撃強度とも問題なかった。
【0030】実施例4:100A鋼管表面にプライマー
を塗布した後、変性ポリエチレンを接着層として被覆し
た。その直後に防食層として、高密度ポリエチレン(M
I 0.2g/10min、密度0.93g/cm3)を
240℃に溶融してクロスヘッドダイから1.5mmの
厚さに押出被覆し、水冷した。次いで、他のクロスヘッ
ドダイから保護層として、シェルジャパン株式会社製の
造核剤ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニ
ウム(PTBBA−A1)を0.2重量%添加したポリ
プロピレン(MI 0.9g/10min、密度0.9
2g/cm3)を220℃に溶融して1.5mmの厚さ
に押出被覆した。被覆後、直ちに水冷を行なった。
【0031】得られた被覆鋼管の防食層ポリエチレンと
保護層ポリプロピレンの剥離強度は2.0kg/10c
m、防食層のポリエチレンの破断点応力は360kg/
cm2、衝撃強度は80kg・cmであった。また、保
護層ポリプロピレンの破断点応力は510kg・c
2、衝撃強度は116kg・cmであった。よって、
防食層と保護層の剥離性が良好で、両樹脂の破断点応
力、衝撃強度とも問題なかった。
【0032】実施例5〜22:表1に示す酸化防止剤、
造核剤を添加した樹脂を使用し、管径100A鋼管に実
施例1と同様に被覆し、得られた被覆鋼管の防食層ポリ
エチレンと保護層ポリプロピレンの剥離強度、破断点応
力、衝撃強度を評価し、結果を表2に示す。
【0033】参考例1:防食層として、酸化防止剤及び
造核剤を添加していない高密度ポリエチレンを用い、保
護層として、酸化防止剤及び造核剤を添加していないポ
リプロピレンを用いて、実施例1と同様に押出被覆し
た。
【0034】得られた被覆鋼管の防食層ポリエチレンと
保護層ポリプロピレンの剥離強度は12.0kg/10
cm、防食層のポリエチレンの破断点応力は360kg
/cm2、衝撃強度は80kg・cmであった。また、
保護層ポリプロピレンの破断点応力は500kg・cm
2、衝撃強度は120kg・cmであった。防食層と保
護層が溶着し、両樹脂の剥離性が悪化した。
【0035】参考例2:防食層として、シェルジャパン
株式会社製のモノフェノール系酸化防止剤アイオノール
を30重量%添加した高密度ポリエチレンを用い、保護
層としてポリプロピレンを用いて、実施例1と同様に押
出被覆した。
【0036】得られた被覆鋼管の防食層ポリエチレンと
保護層ポリプロピレンの剥離強度は1.6kg/10c
mであったが、防食層のポリエチレンの破断点応力は1
80kg/cm2、衝撃強度は45kg・cmとなり、
剥離性は問題なかったが、防食層のポリエチレンの機械
的強度が悪化した。
【0037】参考例3:防食層として、シェルジャパン
株式会社製の造核剤ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香
酸)アルミニウム(PTBBA−A1)を50重量%添
加した高密度ポリエチレンを用い、保護層としてポリプ
ロピレンを用いて、実施例1と同様に押出被覆した。
【0038】得られた被覆鋼管の防食層ポリエチレンと
保護層ポリプロピレンの剥離強度は1.5kg/10c
mであったが、防食層のポリエチレンの破断点応力は1
40kg/cm2、衝撃強度は40kg・cmとなり、
剥離性は問題なかったが、防食層のポリエチレンの機械
的強度が悪化した。
【0039】参考例4:防食層として、高密度ポリエチ
レンを用い、保護層として、シェルジャパン株式会社製
のモノフェノール系酸化防止剤アイオノールを30重量
%添加したポリプロピレンを用いて、実施例1と同様に
押出被覆した。
【0040】得られた被覆鋼管の防食層ポリエチレンと
保護層ポリプロピレンの剥離強度は1.5kg/10c
mであったが、保護層のポリプロピレンの破断点応力は
280kg/cm2、衝撃強度は60kg・cmとな
り、剥離性は問題なかったが、保護層のポリプロピレン
の機械的強度が悪化した。
【0041】参考例5:防食層として、高密度ポリエチ
レンを用い、保護層として、シェルジャパン株式会社製
の造核剤ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミ
ニウム(PTBBA−A1)を50重量%添加したポリ
プロピレンを用いて、実施例1と同様に押出被覆した。
【0042】得られた被覆鋼管の防食層ポリエチレンと
保護層ポリプロピレンの剥離強度は0.8kg/10c
mであったが、保護層のポリプロピレンの破断点応力は
250kg/cm2、衝撃強度は50kg・cmとな
り、剥離性は問題なかったが、保護層のポリプロピレン
の機械的強度が悪化した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】〔添加剤〕 アイオノール:シェルジャパン株式会社製モノフェノー
ル系酸化防止剤 2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール Irganox1010:日本チバガイギー株式会社製
高分子型酸化防止剤テトラキス−〔メチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタン PTBBA−A1:シェルジャパン株式会社製造核剤
ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸)アルミニウム Gelall D:新日本理化株式会社製造核剤 1,
3,2,4−ジベンジリデンソルビトール
【0046】
【発明の効果】本発明の多重被覆鋼管は、防食層のポリ
エチレン、保護層のポリプロピレンの剥離性を著しく改
良し、ポリエチレン、ポリプロピレンの樹脂組成に制約
されることなく該樹脂を多重被覆鋼管に使用でき、機械
的強度、低温衝撃性に優れ、さらに押出特性、ウェルド
強度に優れた多重被覆鋼管を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 23/06 C08L 23/06 23/12 23/12 (72)発明者 大森 克己 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 笹田 克彦 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 和田 英之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の外側にポリエチレン樹脂層が防
    食層として被覆され、その外面にはポリプロピレン樹脂
    層が保護層として被覆されている多重被覆金属管におい
    て、該ポリエチレン樹脂層及びポリプロピレン樹脂層の
    うち少なくとも1層に少なくとも0.0001〜20重
    量%の酸化防止剤又は0.0001〜40重量%の造核
    剤が含まれていることを特徴とする多重被覆鋼管
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002094922A1 (en) * 2001-05-21 2002-11-28 Borealis Technology Oy Polyolefin coated steel pipes
US8389089B2 (en) 2001-05-21 2013-03-05 Borealis Technology Oy Propylene polymer pipes for pipelines
US8461267B2 (en) 2001-05-21 2013-06-11 James McGoldrick Propylene polymers with improved properties

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