JP3266996B2 - 金属蒸着多層フィルム - Google Patents

金属蒸着多層フィルム

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JP3266996B2
JP3266996B2 JP19216093A JP19216093A JP3266996B2 JP 3266996 B2 JP3266996 B2 JP 3266996B2 JP 19216093 A JP19216093 A JP 19216093A JP 19216093 A JP19216093 A JP 19216093A JP 3266996 B2 JP3266996 B2 JP 3266996B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低温ヒートシール性、蒸
着膜の接着強度、蒸着面への印刷性・ラミネート適性に
優れ、かつフィルム成形時や蒸着加工時のフィルム巻取
りに際し「しわ」や「巻きこぶ」等の巻き姿不良がなく
蒸着外観の良い金属蒸着多層フィルム関する。
【0002】
【従来の技術】金属蒸着を施したプラスチックフィルム
が食品包装、衣料包装等の包装材料、金銀糸、ラベル、
ステッカー、コンデンサー等の電気材料に広く利用され
ている。特にアルミニウム蒸着フィルムが包装材料に大
量に利用されている。その理由は光や酸素を遮断して内
容物を保護できること、美麗な金属光沢が容易に得ら
れ、金属箔に比較し低コストで軽量な点にある。かかる
金属蒸着フィルムでは、フィルムと蒸着層間の良好な接
着強度が要求され、また金属蒸着面に印刷を施したり、
蒸着面保護のため蒸着面にトップコートを施したり、ア
ンカーコート剤を塗布した後ポリオレフィン、ナイロ
ン、ポリエステル、エバール等の樹脂を押出しラミネー
トまたはドライラミネートすることが広く行われるた
め、蒸着面は良好な印刷性・ラミネート適性を有する必
要がある。また被蒸着基材は通常包装材料の最内層とし
て使用され、包装材料の高速生産性の点から良好な低温
ヒートシール性を保有している必要がある。更に蒸着む
らがなく美麗な光沢を保有する等の蒸着外観に優れる必
要があることはいうまでもない。
【0003】しかしポリオレフィン系フィルムはフィル
ムと蒸着層間の接着強度(以下「蒸着強度」という場合
がある。)が劣っており接着性改良のための種々の提案
がなされている。例えば特開昭56−167732号公
報では、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し酸化防
止剤、滑剤、塩酸捕捉剤および静電防止剤を総量0.2
重量部以下添加した樹脂組成物が提案されており、その
実施例として高密度ポリエチレンに各種酸化防止剤、滑
剤としてエルカ酸アミド、塩酸捕捉剤としてステアリン
酸カルシウム、静電防止剤としてアルキルアミンを添加
した組成物が記載されている。また上記公報において、
ポリオレフィンフィルムが金属蒸着強度に劣るのはポリ
オレフィン用添加剤の表面移行(ブリードアウト)に起
因し、また金属蒸着面の印刷性、ラミネート適性の低下
は蒸着フィルムの巻き状態での保存時のポリオレフィン
フィルム中の添加剤の金属蒸着面への転写に起因すると
記載されている。しかしながら上記の添加剤の制限では
蒸着強度や蒸着面の印刷性の低下を防止することが困難
であり、高密度ポリエチレンはフィルム加工性にやや欠
けるためフィルム表面の微細な平滑性に劣り、このため
蒸着面の光沢に欠け蒸着基材として必ずしも適当ではな
い。また特開昭59−11249号公報では、ポリプロ
ピレン系樹脂100重量部に対し融点が80℃以上の酸
化防止剤を0.01〜0.2重量部、抗ブロッキング剤
を0.01〜0.5重量部添加した樹脂組成物が提案さ
れている。また特開昭59−25829号公報には、特
定のメルトフローレート比を有するプロピレン/α−オ
レフィン共重合体80〜96重量%と高密度ポリエチレ
ン4〜20重量%との組成物が、更に添加剤として分子
量500以上のフェノール系または燐系酸化防止剤を
0.01〜0.3重量%、金属置換型ゼオライトを0.
01〜0.4重量%添加した組成物が提案されており、
高級脂肪酸塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、脂肪酸
アミン誘導体等の脂肪酸誘導体が蒸着層の接着性および
蒸着面の印刷性に最も悪影響を及ぼすことが記載されて
いる。
【0004】しかしながら以上の記載は高密度ポリエチ
レンまたはポリプロピレンを主成分とする金属蒸着用ポ
リオレフィンフィルムに関するものであり、ポリオレフ
ィンフィルムのうち引裂き強度、引張強度、伸び、耐衝
撃性等の機械的強度、ヒートシール強度およびホットタ
ック性等に優れる結晶性エチレン/α−オレフィン共重
合体(線状低密度ポリエチレン)を基材とした金属蒸着
フィルムの製造方法については今まで提案されていなか
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は低温ヒ
ートシール性、蒸着膜の接着強度、蒸着面への印刷性・
ラミネート適性に優れ、フィルム成形時や蒸着加工時の
フィルム巻取りに際し「しわ」や「巻きこぶ」等の巻き
姿不良がなく、かつ光沢等の蒸着外観に優れた金属蒸着
多層エチレン/α−オレフィン共重合体フィルムを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らはポリオレフ
ィンフィルムのうち機械的強度、ヒートシール強度およ
びホットタック性に優れるエチレン/α−オレフィン共
重合体を基材とした金属蒸着フィルムについて鋭意検討
した結果、単層フィルムを蒸着基材として課題の全てを
解決することは困難であり、添加剤の種類および量を制
限した密度の異なるエチレン/α−オレフィン共重合体
をベース樹脂とする2層フィルムを蒸着基材とすること
により上記課題の全てが解決できることを見いだし本発
明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、(A)/(B)/(C)3
層構成の積層体であり、(A)層が密度0.910〜
0.929g/cm3のエチレンとα−オレフィンとの
共重合体60〜95重量%及び密度0.910〜0.9
40g/cm3の低密度ポリエチレン5〜40重量%と
からなる組成物(1)100重量部に対し、分子量が5
00以上のフェノール系酸化防止剤を0.01〜0.2
重量部、分子量が500以上の燐系酸化防止剤を0.0
1〜0.1重量部、ハイドロタルサイト0.01〜0.
1重量部およびブロッキング防止剤を0.05〜0.5
重量部を添加した樹脂組成物(3)からなり、(B)層
が密度0.930〜0.940g/cm3のエチレンと
α−オレフィンとの共重合体60〜95重量%及び密度
0.910〜0.940g/cm3の低密度ポリエチレ
ン5〜40重量%からなる組成物(2)100重量部に
対し、分子量が500以上のフェノール系酸化防止剤を
0.01〜0.2重量部、分子量が500以上の燐系酸
化防止剤を0.01〜0.1重量部およびハイドロタル
サイト0.01〜0.1重量部を添加した樹脂組成物
(4)からなり、(A)/(B)2層フィルムの機械方
向の5%伸び時の荷重が400gf/cm以上であり、
(C)層が金属蒸着層である金属蒸着多層フィルムであ
る。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明の金属蒸着多層フィルムにおいて組
成物(1)および組成物(2)の成分として用いられる
低密度ポリエチレンはエチレン/α−オレフィン共重合
体の加工性改良等の目的で配合されるものであり、その
密度が0.910〜0.940g/cm3、好ましくは
0.915〜0.930g/cm3の高圧法により製造
されるエチレンの単独重合体である。この密度が範囲外
のものを高圧法で工業的に製造することは困難である。
低密度ポリエチレンの代りに密度が0.940g/cm
3を超える高密度ポリエチレンを用いると、フィルム加
工性が悪くなり、組成物(1)においてはフィルム表面
の凹凸が激しくなる結果蒸着面の光沢が低下し、また低
温ヒートシール性が悪くなり包装材料の高速生産性に欠
けるため好ましくない。
【0010】本発明の金属蒸着多層フィルムにおいて組
成物(1)および組成物(2)の成分として用いられる
エチレン/α−オレフィン共重合体のコモノマーである
α−オレフィンとは、一般式R−CH=CH2(式中R
は炭素数1〜14のアルキル基を示す。)で表されるも
ので、その具体例を示せばプロピレン、1−ブテン、1
−ヘキセン、1−デセン、1−オクテン、4−メチル−
1−ペンテン、1−ノネン、4−メチル−1−ヘキセン
等が挙げられる。かかるコモノマー含量は特に限定する
ものではないが0.1〜10モル%が好ましい。
【0011】本発明の蒸着多層フィルムにおいて組成物
(1)の成分として用いられるエチレン/α−オレフィ
ン共重合体は、その密度(JIS K6760)が0.
910〜0.929g/cm3、好ましくは0.915
〜0.927g/cm3である。該共重合体の密度が
0.910g/cm3未満では共重合体中の低分子量成
分が増大する結果、耐ブロッキング性に欠け(A)/
(B)2層フィルムの巻き状態での低分子量成分の
(B)層表面への転写により蒸着強度が低下し、蒸着フ
ィルムの巻き状態での低分子量成分の蒸着面への転写に
より蒸着面への印刷性やラミネート適性が低下する。更
にフィルムの剛性が低下する結果、フィルム加工や蒸着
加工時の巻取り張力によりフィルムが伸びやすくなりし
わや巻きこぶが発生しやすくなる。特に蒸着法として広
く採用されている連続真空蒸着法においては、図1で示
される蒸着用冷却ロール2にフィルム基材をぴったり沿
わせないとフィルムの横断方向に未蒸着の線(レール)
が発生するため、フィルム加工時より更に高い張力をか
ける必要があり、したがってフィルム剛性が低下すると
張力の維持ができないため未蒸着の線が発生しやすいと
同時に、張力によるフィルムの変形のためフィルムにし
わや巻きこぶが発生しやすくなる。このようなフィルム
剛性の低下による巻取り時のしわ、巻きこぶおよび蒸着
時の蒸着むらを防止しようとして、フィルムにスリップ
性を付与するため滑剤として最も効果のある脂肪酸アミ
ドを添加し低張力で巻き取ると、脂肪酸アミド添加によ
り蒸着強度や蒸着面の印刷性・ラミネート適性が悪くな
り、また蒸着むらは改良されない。また該共重合体の密
度が0.929g/cm3を超えると低温ヒートシール
性が悪くなり包装材料の高速生産性に欠けるため好まし
くない。
【0012】本発明の金属蒸着多層フィルムにおいて組
成物(2)の成分として用いられるエチレン/α−オレ
フィン共重合体は、その密度(JIS K6760)が
0.930〜0.940g/cm3、好ましくは0.9
32〜0.937g/cm3である。該共重合体の密度
が0.930g/cm3未満では耐熱性に欠ける結果、
溶融金属の輻射熱により比較的高温となる蒸着用冷却ロ
ールと接触するフィルムにしわが発生し蒸着むらの原因
となったり蒸着強度が低下する。該共重合体の密度が
0.940g/cm3を超えるとその工業的製造が困難
となる。
【0013】上記組成物(1)および組成物(2)中の
エチレン/α−オレフィン共重合体の配合割合は共に6
0〜95重量%、好ましくは70〜90重量%である。
この範囲未満ではエチレン/α−オレフィン共重合体フ
ィルムの特徴である引裂き強度、引張強度、伸び、耐衝
撃強度等の機械的強度が低下し、組成物(1)において
はヒートシール強度が低下し、またこの範囲を超えると
加工性が悪くなる。
【0014】本発明の金属蒸着多層フィルムにおいて組
成物(1)および組成物(2)に添加される添加剤の種
類を制限しないか、または種類を制限しても添加量が多
すぎると蒸着強度が低下すると共に蒸着面の印刷性・ラ
ミネート適性を阻害する。しかしながら添加剤の種類や
添加量を制限しすぎると、フィルム成形時にゲルが発生
し、フィルムにブロッキングが発生し、押出し機やダイ
が腐食されたり蒸着層が酸による腐食のため美麗さが損
なわれたりする。このため添加剤の種類および添加量の
選択は重要である。
【0015】本発明の金属蒸着多層フィルムにおいて組
成物(1)および組成物(2)に添加される分子量が5
00以上のフェノール系酸化防止剤としては、モノフェ
ノール系、ビスフェノール系、チオビスフェノール系、
トリスフェノール系等の酸化防止剤が挙げられ、更に具
体的に例示すると2,4−ビス−(n−オクチルチオ)
−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニ
リノ)−1,3,5−トリアジン(例えば日本チバガイ
ギー(株)より商品名イルガノックス565として市販
されている。)、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート](例えば日本チバガイギー(株)より
商品名イルガノックス1035として市販されてい
る。)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(例えば日
本チバガイギー(株)より商品名イルガノックス107
6として市販されている。)、1,3,5−トリメチル
−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えば日本チバガイギ
ー(株)より商品名イルガノックス1330として市販
されている。)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート(例えば
日本チバガイギー(株)より商品名イルガノックス31
14として市販されている。)、1,1,3−トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニ
ル)ブタン(例えばアデカアーガス化学(株)より商品
名MARKAO−30として市販されている。)、トリ
ス−(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒド
ロキシベンジル)イソシアヌレート(例えばAm. C
yanamid(株)より商品名Cyanox1790
として市販されている。)、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)ベンゼン(例えば白石カルシウム
(株)より商品名SEENOX 326Mとして市販さ
れている。)、2−t−ブチル−6−(3′−t−ブチ
ル−5′−メチル−2′−ヒドロキシベンジル)−4−
メチルフェニルアクリレート(例えば住友化学(株)よ
り商品名Sumilizer GMとして市販されてい
る。)、3,9−bis[2−〔3−(3−t−but
yl−4−hydroxy−5−methyl phe
nyl)propionyloxy〕−1,1−dim
ethyl ethyl]−2,4,8,10−tet
raoxaspiro〔5,5〕undecane(例
えば住友化学(株)より商品名Sumilizer G
A−80として市販されている。)等が挙げられ、これ
らは単独でまたは2種以上の混合物として用いられる。
上記フェノール系酸化防止剤の中ではオクタデシル−3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート(例えば日本チバガイギー(株)よ
り商品名イルガノックス1076として市販されてい
る。)が最も好ましい。
【0016】本発明の金属蒸着多層フィルムにおいて組
成物(1)および組成物(2)に添加される分子量が5
00以上の燐系酸化防止剤を具体的に例示すると、トリ
ス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト
(例えば日本チバガイギー(株)より商品名IRGAF
OS168として市販されている。)、テトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフ
ェニレンフォスフォナイト(例えば日本チバガイギー
(株)より商品名IRGAFOS P−EPQ FFし
て市販されている。)、トリス(ノニルフェニル)フォ
スファイト(例えばアデカアーガス化学(株)より商品
名MARK 1178として市販されている。)、ジス
テアリルペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト
(例えばアデカアーガス化学(株)より商品名MARK
PEP−8として市販されている。)、ジ(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリトール−ジ
−フォスファイト(例えばアデカアーガス化学(株)よ
り商品名MARK PEP−24として市販されてい
る。)、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトール−
ジ−フォスファイト(例えばアデカアーガス化学(株)
より商品名MARK PEP−4Cとして市販されてい
る。)、フェニル−ビスフェノールAペンタエリスリト
ール−ジ−フォスファイト(例えばアデカアーガス化学
(株)より商品名MARK PEP−2として市販され
ている。)、ソデイウムビス(4−t−ブチルフェニ
ル)フォスフェイト(例えばアデカアーガス化学(株)
より商品名MARKNA−10として市販されてい
る。)、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト
(例えばアデカアーガス化学(株)より商品名アデカス
タブ PEP−36として市販されている。)等が挙げ
られ、単独またはこれらの混合物として用いられる。上
記燐系酸化防止剤中、トリス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)フォスファイト(例えば日本チバガイギー
(株)より商品名IRGAFOS168として市販され
ている。)、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−4,4′−ビフェニレンフォスフォナイト(例
えば日本チバガイギー(株)より商品名IRGAFOS
P−EPQ FFして市販されている。)が最も好まし
い。
【0017】上記酸化防止剤の添加量は組成物(1)ま
たは(2)100重量部に対しフェノール系酸化防止剤
が0.01〜0.2重量部、好ましくは0.05〜0.
1重量部、燐系酸化防止剤が0.01〜0.1、好まし
くは0.05〜0.09重量部である。この添加量が範
囲未満では酸化防止能力が不足しフィルム成形時にゲル
が多発するなど成形安定性が悪く、この範囲を超えると
蒸着強度や蒸着面の印刷性、ラミネート適性が低下す
る。また分子量が500未満の酸化防止剤はフィルム成
形時および蒸着時の熱により揮散しやすく酸化防止能力
の発現に劣り、またブリードアウトにより蒸着外観が悪
くなり、蒸着強度および蒸着面の印刷性・ラミネート適
性が低下する。上記酸化防止剤はフェノール系と燐系と
の併用が必須であり、併用することにより酸化防止能力
が向上すると共に、酸化防止剤の全添加量を抑制し蒸着
強度や蒸着面の印刷性・ラミネート適性の低下を防止す
ることができる。なお燐系酸化防止剤としてトリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトを
用いる場合は、その添加量は特に制限され0.01〜
0.05重量部が好ましい。該添加量が0.05重量部
を超えるとフィルム加工条件等によってはブリードアウ
トが激しくなり蒸着むら、蒸着強度の低下の原因となり
好ましくない。
【0018】本発明の金属蒸着多層フィルムにおいて組
成物(1)および組成物(2)に添加されるハイドロタ
ルサイトとは、一般式M1-xx(OH)2x/n・mH2
O(但し式中MはMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、N
2+、Cu2+、Zn2+等の2価の金属を、LはAl3+
Fe3+、Cr3+、Co3+、In3+等の3価の金属を、A
はOH-、F-、Cl-、Br-、NO3 -、CO3 2-、SO4
2-、Fe(CN)6 3-、CH3COO-、シュウ酸イオ
ン、サリチン酸イオン等のn価のアニオンを、xは0<
x≦0.33の範囲の数を示す。)で表され、組成物
(1)、(2)中のエチレン/α−オレフィン共重合体
中の触媒残渣の酸性物質の中和剤として用いられるもの
であり、具体的に例示するとMg6Al2(OH)16CO
3・4H2Oの組成を有する天然鉱物、Mg4.5Al2(O
H)13CO3・3.5H2Oの組成を有する合成ハイドロ
タルサイト(例えば協和化学工業(株)より商品名DH
T−4Aとして市販されている。)等を挙げることがで
きる。
【0019】上記ハイドロタルサイトの添加量は組成物
(1)または(2)100重量部に対し0.01〜0.
1重量部、好ましくは0.02〜0.06重量部であ
る。この添加量が範囲未満では中和能力が不足する結
果、触媒残渣の酸性物質により押出し機やダイスが腐食
したり、蒸着層が酸により侵されて美麗な外観を損なう
恐れがある。該添加量がこの範囲を超えても添加量増加
の効果はなくコストアップとなり、また多量に添加すれ
ばフィルムの肌荒れのため蒸着層の光沢が低下する。
【0020】本発明の金属蒸着多層フィルムにおいて組
成物(1)に添加されるブロッキング防止剤を具体的に
例示すれば、カオリナイト、デイッカライト、ナクライ
ト、ハロイサイト、加水ハロイサイト、アロフェン等の
カオリン、アルミノシリケート等の天然および合成ゼオ
ライトおよびその誘導体、酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を挙げることがで
きる。
【0021】上記ブロッキング防止剤の添加量は組成物
(1)100重量部に対し0.05〜0.5重量部、好
ましくは0.1〜0.4重量部である。添加量がこの範
囲未満ではフィルムのブロッキングが大きくなり、添加
量がこの範囲を超えても添加量増加による効果はなくコ
ストアップとなり、多量に添加すればブロッキング防止
剤が含有する水分のためフィルム加工時に発泡する恐れ
がある。
【0022】以上の添加剤を添加した樹脂組成物(3)
および(4)のメルトフローレート(以下「MFR」と
略すことがある。JIS K6760,190℃,荷重
2160gの条件)は特に限定するものではないが、フ
ィルム加工性の点から0.1〜10g/10分が好まし
い。
【0023】上記樹脂組成物(3)または(4)を得る
方法は、特に限定するものではなく各成分および各添加
剤をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレン
ダー等で機械的に混合する方法、機械的混合後押出し
機、バンバリミキサー、ニーダ、熱ロール等により溶融
状態で混練後ペレット化する方法等が採用されるが、単
軸または二軸押出し機により溶融混練する方法が生産性
の点から最も好適である。
【0024】本発明の金属蒸着多層フィルムにおいて樹
脂組成物(3)および樹脂組成物(4)には、本発明の
効果を阻害しない範囲で光安定剤、紫外線吸収剤、有機
・無機充填剤、帯電防止剤、着色剤、有機過酸化物、滑
剤およびポリマー添加剤等を添加することができる。該
ポリマー添加剤としては蒸着強度を増大させるためにマ
レイン酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物でグラ
フト反応させたポリオレフィン、フィルムの耐衝撃性向
上のための密度0.905g/cm3以下、差動走査熱
量測定で示される最大ピーク温度(Tm)が100℃未
満のエチレン/α−オレフィン共重合体等を挙げること
ができる。添加剤のうち滑剤、帯電防止剤として広く用
いられている脂肪酸およびその誘導体や可塑剤等の液状
添加剤は蒸着強度や蒸着面の印刷性を著しく低下させる
ので添加しない方が好ましい。本発明の金属蒸着多層フ
ィルムにおいて(A)/(B)2層フィルムの製造方法
については、特に限定するものではなく、共押出しイン
フレーション法、共押出しキャスト法、(A)または
(B)を基材とし樹脂組成物(4)または(3)を押出
しラミネートする方法、(A)と(B)のフィルムをド
ライラミネートする方法等従来公知の方法が採用され
る。以上の方法のうち、生産性の点から共押出し法が好
ましく、フィルムの機械方向と横方向の機械的強度のバ
ランスが良いこと、低温で成形できるため酸化防止剤の
添加量を抑制できること等から共押出しインフレーショ
ン成形法が更に好適である。
【0025】上記の成形法によって得られた2層フィル
ムの(B)層側にアルミニウム蒸着を施す前に蒸着強度
を増大させるための公知の方法が採用できる。これら公
知の方法を具体的に例示すれば、(B)層にコロナ放電
処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処
理を施す方法、金属との親和性の良い物質たとえばポリ
エステル系、ポリウレタン系、エポキシ系樹脂等を
(B)層に塗布する方法等が挙げられる。上記表面処理
の場合は放電後のJIS K6768で測定したぬれ指
数が37dyn/cm以上となるように処理するのが望
ましく、39dyn/cm以上が特に好ましい。
【0026】本発明の蒸着多層フィルムにおいて金属を
蒸着する方法は、特に限定するものではなくバッチ式ま
たは連続式真空蒸着法で電熱加熱、スパッタリング、イ
オンプレーテイング、イオンビーム等の公知の手段を用
いることができるが、フィルムの繰り出し部、蒸着部、
巻取り部を備えた連続真空蒸着装置内(フィルムの繰り
出し部と巻取り部が蒸着装置外にあっても良い。)でオ
イルポンプ、拡散ポンプを併用して装置内の気圧を10
-4Torr以下に減圧し、金属を入れた容器または金属
を付着させたフィラメントを加熱し金属を溶解蒸発さ
せ、蒸発分子をフィルム表面に連続的に蒸着し巻き取る
方法が一般的である。このようにして得られる蒸着フィ
ルムの蒸着層の厚みは接着性、耐久性、経済性の点から
一般的には数十〜数百オングストロ−ムである。
【0027】なお、蒸着させる金属は例えばアルミニウ
ム、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、チタン、セ
レン、ゲルマニウム、スズ等が挙げられるが、作業性、
経済性、光沢、安全性等からアルミニウムが好ましい。
【0028】本発明の蒸着多層フィルムにおける
(A)、(B)各層の厚みは特に限定するものではな
く、(A)/(B)2層フィルムを機械方向に10mm
幅でサンプリングし、オートグラフでフィルムの機械方
向に50mm/分の速度で引張ったときの5%伸び時の
荷重が400gf/cm以上を有するように適宜選択さ
れるが、通常(A)/(B)層の厚みが30〜100μ
m、(A)、(B)各層の厚みが5〜95μmが好まし
い。この5%伸び時の荷重が400gf/cm未満では
共押出し加工時または蒸着加工時のフィルム巻取り張力
により多層フィルムが伸びやすく、巻取りフィルムにし
わや巻きこぶが発生しやすくなる。特に蒸着法として広
く採用されている連続真空蒸着法においては、前述のよ
うに蒸着用冷却ロールにフィルム基材をぴったり沿わせ
ないとフィルムの横断方向に未蒸着の線が発生するた
め、フィルム加工時より更に高い張力をかける必要があ
り、したがって5%伸び時の荷重が小さいと張力の維持
ができないため未蒸着の線が発生しやすいと同時に、張
力によるフィルムの変形のためフィルムにしわや巻きこ
ぶが発生しやすくなる。このような5%伸び時の荷重の
低下による巻取り時のしわや巻きこぶ、蒸着時の蒸着む
らを防止しようとして、フィルムにスリップ性を付与す
るため滑剤として最も効果のある脂肪酸アミドを添加し
低張力で巻き取ると、脂肪酸アミド添加により蒸着強度
や蒸着面の印刷性・ラミネート適性が悪くなり、また蒸
着むらは改良されない。
【0029】
【実施例】次に実施例により本発明を更に具体的に説明
するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。なお実施例および比較例における性能の測定は下記
の方法によった。また実施例および比較例における%は
重量%、部は重量部である。 ヒートシール強度 金属蒸着フィルムの(B)層同志を圧力2kgf/cm
2、時間1秒の条件でヒートシールし、オートグラフを
用い剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離強度
を測定した。120℃で0.3kgf/15mm以上の
ヒートシール強度を有すれば低温ヒートシール性に優れ
ていると評価した。
【0030】蒸着強度 金属蒸着表面にポリウレタン系接着剤を2g/m2の厚
みで塗布し、その上に15μm厚みのナイロンフィルム
を貼り合わせた後、40℃で48時間エージングした。
オートグラフを用い速度300mm/分でナイロンフィ
ルムと多層蒸着フィルム間の剥離強度(単位;gf/1
5mm)を測定した。通常(B)層と蒸着層間で剥離す
る。100gf/15mm以上の蒸着強度を有すれば蒸
着強度に優れていると評価した。
【0031】蒸着面の印刷性・ラミネート適性 金属蒸着多層フィルムの蒸着面と(A)層面とを重ね合
わせ、5kgf/25cm2の荷重をかけ40℃のオー
ブン中に24時間放置後、ASTM D523に準拠し
蒸着面のぬれ指数(単位;dyn/cm)を測定した。
良好な印刷性・ラミネート適性を有するためには、この
ぬれ指数が37dyn/cm以上必要であり、ぬれ指数
が37以上を〇、37未満をxと評価した。
【0032】フィルムの巻き姿 一定長の蒸着フィルムを連続して巻取って得られたフィ
ルムロールを目視で観察し、表面が平坦でしわや巻きこ
ぶのないものを○、しわや巻きこぶのあるものをxと評
価した。
【0033】蒸着外観 蒸着フィルムを目視で観察し、蒸着膜が平滑で均一に光
沢がありJIS K7105に準拠し測定した光沢度が
55%以上のものを○、次のいずれかが見られるものを
xと評価した。
【0034】(イ)蒸着面に細かい凹凸がある (ロ)斑点状に蒸着層のない部分や蒸着ムラが見られた
り蒸着面が黒ずんでいる (ハ)JIS K7105に準拠し測定した光沢度が5
5%未満である xと評価したものは実用上問題がある。
【0035】引裂強度 JIS K7128のエレメンドルフ引裂法に準拠し測
定した。
【0036】引張強度および伸び JIS Z1702に準拠し測定した。
【0037】実施例1〜3,比較例1〜3 (A)層用の樹脂組成物(3)としてエチレン/1−ヘ
キセン共重合体(密度;0.925g/cm3,MF
R;2g/10分)および低密度ポリエチレン(密度;
0.924g/cm3,MFR;1g/10分)を表1
に示す割合で配合した組成物100部に対し、フェノー
ル系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト(分子量;530.9,商品名;イルガノックス10
76,日本チバガイギー(株)製)を、燐系酸化防止剤
としてテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
−4,4′−ビフェニレンフォスフォナイト(商品名;
分子量;1035.4,IRGAFOS P−EPQ
FF,日本チバガイギー(株)製)を、触媒中和剤とし
てハイドロタルサイト(商品名;DHT−4A,協和化
学工業(株)製)を、ブロッキング防止剤としてシリカ
(商品名;シルトンPF−6,水沢化学工業(株)製)
を表1に示す量添加し、タンブラーブレンダーで混合
後、単軸押出し機で溶融混練し冷却しペレット化した。
また(B)層用の樹脂組成物(4)としてエチレン/1
−ヘキセン共重合体(密度;0.935g/cm3,M
FR;2g/10分)および低密度ポリエチレン(密
度;0.924g/cm3,MFR;1g/10分)を
表1に示す割合で配合した組成物100部に対し、フェ
ノール系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート(商品名;イルガノックス1076,日本チバガ
イギー(株)製)を、燐系酸化防止剤としてテトラキス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフ
ェニレンフォスフォナイト(商品名;IRGAFOS
P−EPQ FF,日本チバガイギー(株)製)を、触
媒中和剤としてハイドロタルサイト(商品名;DHT−
4A,協和化学工業(株)製)を表1に示す量添加し、
タンブラーブレンダーで混合後、単軸押出し機で溶融混
練し冷却しペレット化した。
【0038】次に二台の押出し機およびこれに連結した
2.8mmのスリットを有する直径450mmの環状二
層ダイからなる共押出しインフレーション成形機を用い
て、一方の75mm径の押出し機に樹脂組成物(3)
を、もう一方の75mm径の押出し機に樹脂組成物
(4)を供給し、(3)、(4)共に樹脂温度170℃
で連結した二層ダイ内で溶融状態で積層後、ブロー比
2.3の条件で空冷インフレーション成形し、(B)層
表面にコロナ放電処理を施した後、速度15m/分で巻
取り表1に示す各層厚みの筒状の二層フィルムを得た。
二層フィルムの機械方向の5%伸びの荷重を測定した結
果を表1に示す。
【0039】次に得られたフィルムを連続真空蒸着装置
にセットし、10-4Torr以下の真空下で二層フィル
ムの(B)層面にアルミニウム蒸着を施して巻取り、蒸
着膜の厚みが450オングストロ−ムの幅1500m
m、長さ6000mのロール状の蒸着フィルムを得た。
【0040】得られた蒸着フィルムの性状を表1に示
す。
【0041】本発明によって得られた実施例1〜3の多
層蒸着フィルムは蒸着強度、蒸着外観、蒸着面の印刷性
等蒸着フィルムが具備すべき性質に優れていた。(A)
/(B)二層フィルムの機械方向の5%伸び時の荷重が
400gf/cm未満の比較例1の蒸着フィルムはしわ
が発生し巻き姿が不良で蒸着むらがあり蒸着外観も悪か
った。樹脂組成物(3)中のフェノール系酸化防止剤の
添加量が0.2部を超え、隣系酸化防止剤の添加量が
0.1部を超える比較例2の蒸着フィルムおよび樹脂組
成物(4)中のフェノール系酸化防止剤の添加量が0.
2部を超え、隣系酸化防止剤の添加量が0.1部を超え
る比較例3の蒸着フィルムは蒸着強度、蒸着面の印刷性
・ラミネート適性に劣る。
【0042】比較例4〜6 組成物(1)および組成物(2)中のエチレン/1−ヘ
キセン共重合体および低密度ポリエチレンとして表2に
示すMFR、密度のものを用いた以外は、実施例1と同
様の配合割合で実施例1と同様の添加剤を添加し組成物
ペレットを作製し、実施例1と同様に共押出しインフレ
ーション成形し、実施例1と同様にアルミニウム蒸着を
施した。
【0043】(A)/(B)二層フィルムの機械方向の
5%伸び時の荷重および蒸着フィルムの性状を表1に示
す。
【0044】組成物(1)中のエチレン/α−オレフィ
ン共重合体として密度が0.910g/cm3未満のも
のを用いた比較例4の蒸着フィルムは、しわが発生し巻
き姿が不良で蒸着むらがあり蒸着外観が悪く蒸着強度に
劣り、また蒸着面の印刷性・ラミネート適性に劣る。組
成物(1)中のエチレン/α−オレフィン共重合体とし
て密度が0.929g/cm3を超えるものを用いた比
較例5の蒸着フィルムは、低温ヒートシール性が悪い。
組成物(2)中のエチレン/α−オレフィン共重合体に
密度が0.930g/cm3未満のものを用いた比較例
6の蒸着フィルムは、蒸着むらがあり蒸着強度に劣る。
【0045】比較例7 実施例1の樹脂組成物(3)および樹脂組成物(4)に
配合された低密度ポリエチレンの代りに高密度ポリエチ
レン(密度;0.953g/cm3,MFR;1g/1
0分)を用いた以外は、実施例1と同様の配合割合で実
施例1と同様の添加剤を添加し組成物ペレットを作製
し、実施例1と同様に共押出しインフレーション成形
し、実施例1と同様にアルミニウム蒸着を施した。
【0046】(A)/(B)二層フィルムの機械方向の
5%伸び時の荷重および蒸着フィルムの性状を表1に示
す。
【0047】高密度ポリエチレンを用いたこの樹脂組成
物(3)、(4)共に加工安定性が悪く(A)/(B)
二層フィルムは表面肌荒れが激しく、得られた蒸着フィ
ルムは蒸着面の光沢が悪くまた低温ヒートシール性に欠
ける。
【0048】比較例8 実施例1の樹脂組成物(3)および樹脂組成物(4)に
配合されたフェノール系および隣系酸化防止剤の代り
に、フェノール系酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール(分子量;220,商品
名;BHTスワノックス,吉富製薬(株)製)を、隣系
酸化防止剤としてトリフェニルフォスファイト(分子
量;310,商品名;JP−360,城北化学(株)
製)を用いた以外は、実施例1と同様の配合割合で実施
例1と同様の添加剤を添加し組成物ペレットを作製し、
実施例1と同様に共押出しインフレーション成形し、実
施例1と同様にアルミニウム蒸着を施した。
【0049】(A)/(B)二層フィルムの機械方向の
5%伸び時の荷重および蒸着フィルムの性状を表1に示
す。
【0050】分子量が500未満の酸化防止剤を用いた
本蒸着フィルムは蒸着強度が弱く蒸着面の印刷性・ラミ
ネート適性に劣り蒸着外観が悪い。
【0051】比較例9 比較例1の樹脂組成物(3)および(4)にそれぞれ更
にエルカ酸アミドを0.2部添加した以外は、比較例5
と同様に組成物ペレットを作製し、比較例5と同様に共
押出しインフレーション成形し、比較例5と同様にアル
ミニウム蒸着を施した。
【0052】(A)/(B)二層フィルムの機械方向の
5%伸び時の荷重および蒸着フィルムの性状を表1に示
す。
【0053】エルカ酸アミドを添加した本蒸着フィルム
は巻き姿は改良されたが、蒸着強度、蒸着面の印刷性・
ラミネート適性および蒸着外観に劣る。
【0054】実施例4〜6,比較例10 組成物(1)、(2)の成分として表2の密度、MFR
を有するエチレン/1−ブテン共重合体および低密度ポ
リエチレンを表1に示す割合で配合した組成物100部
に対し、フェノール系酸化防止剤として3,9−bis
[2−〔3−(3−t−butyl−4−hydrox
y−5−methyl phenyl)propion
yloxy〕−1,1−dimethyl ethy
l]−2,4,8,10−tetraoxaspiro
〔5,5〕undecane(分子量;741,商品
名;Sumilizer GA−80,住友化学(株)
製)、燐系酸化防止剤としてトリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)フォスファイト(分子量;646.
9,商品名;IRGAFOS168,日本チバガイギー
(株)製)を、触媒中和剤としてハイドロタルサイト
(商品名;DHT−4A,協和化学工業(株)製)を、
ブロッキング防止剤としてアルミノシリケート(商品
名;シルトンJC−30,水沢化学工業(株)製)を表
1に示す量添加し、実施例1と同様に組成物ペレットを
作製し、実施例1と同様に共押出しインフレーション成
形し、実施例1と同様にアルミニウム蒸着を施した。
【0055】(A)/(B)二層フィルムの機械方向の
5%伸び時の荷重および蒸着フィルムの性状を表1に示
す。
【0056】本発明によって得られた実施例4〜6の蒸
着フィルムは蒸着強度、蒸着外観、蒸着面の印刷性等蒸
着フィルムが具備すべき性質に優れていた。トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトの
添加量が0.05部を超える比較例10の蒸着フィルム
は蒸着むらが発生し蒸着外観に劣る。
【0057】比較例11 実施例1と同様の成分および添加剤を用いて、組成物
(1)および(2)中の低密度ポリエチレンの割合を5
0%とした以外は、実施例1と同様に組成物ペレットを
作製し、実施例1と同様に共押出しインフレーション成
形した。このフィルムおよび実施例1のインフレーショ
ン成形フィルムの引裂強度、引張強度および伸びを測定
した結果を表3に示す。組成物(1)および(2)中の
低密度ポリエチレンの割合が40%を超える比較例11
のフィルムは引裂強度、引張強度および伸びに劣る。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られた金属
蒸着多層フィルムは、(A)層が低温ヒートシール性を
有しているので蒸着加工後に(A)層上にトップコート
またはラミネート加工を施すことなくそれ自体で包装材
料として好適に用いられるが、蒸着面の印刷性、ラミネ
ート適性が優れている点を活かし、蒸着面に印刷やトッ
プコートを施したり、蒸着面にアンカーコート後ポリオ
レフィン、ポリエステル、ナイロン、エバール等の樹脂
をラミネートし、(A)層同志を内面としヒートシール
することにより、高機能包装体とし好適に用いることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続真空蒸着装置の概観図である。
【符号の説明】
1;巻き出し軸、2;冷却ロール、3;蒸発源、4;巻
き取り軸

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)/(B)/(C)3層構成の積層体
    であり、(A)層が密度0.910〜0.929g/c
    3のエチレンとα−オレフィンとの共重合体60〜9
    5重量%及び密度0.910〜0.940g/cm3
    低密度ポリエチレン5〜40重量%からなる組成物
    (1)100重量部に対し、分子量が500以上のフェ
    ノール系酸化防止剤を0.01〜0.2重量部、分子量
    が500以上の燐系酸化防止剤を0.01〜0.1重量
    部、ハイドロタルサイト0.01〜0.1重量部および
    ブロッキング防止剤を0.05〜0.5重量部を添加し
    た樹脂組成物(3)からなり、(B)層が密度0.93
    0〜0.940g/cm3のエチレンとα−オレフィン
    との共重合体60〜95重量%及び密度0.910〜
    0.940g/cm3の低密度ポリエチレン5〜40重
    量%からなる組成物(2)100重量部に対し、分子量
    が500以上のフェノール系酸化防止剤を0.01〜
    0.2重量部、分子量が500以上の燐系酸化防止剤を
    0.01〜0.1重量部およびハイドロタルサイト0.
    01〜0.1重量部を添加した樹脂組成物(4)からな
    り、(A)/(B)2層フィルムの機械方向の5%伸び
    時の荷重が400gf/cm以上であり、(C)層が金
    属蒸着層である金属蒸着多層フィルム。
  2. 【請求項2】組成物(1)100重量部および組成物
    (2)100重量部に対し、それぞれ分子量が500以
    上のフェノール系酸化防止剤を0.01〜0.2重量
    部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
    ファイトを0.01〜0.05重量部とハイドロタルサ
    イト0.01〜0.1重量部を、更に組成物(1)10
    0重量部に対しブロッキング防止剤を0.05〜0.5
    重量部を添加した請求項1に記載の金属蒸着多層フィル
    ム。
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