JP4051133B2 - 金属蒸着用ポリエチレン系フィルムおよび金属蒸着フィルム - Google Patents
金属蒸着用ポリエチレン系フィルムおよび金属蒸着フィルム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は金属蒸着用ポリエチレン系フィルムおよび金属蒸着フィルムに関する。さらに詳しくは蒸着膜の接着強度、蒸着面への印刷性・ラミネート適性、金属光沢を損なわず、低温シール性、抗ブロッキング性、スリップ性が改良された金属蒸着用ポリエチレン系フィルムおよび金属蒸着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
金属蒸着を施したプラスチックフィルムが食品包装、衣料包装などの包装材料、金銀糸、ラベル、ステッカー、コンデンサー等の電気材料、反射シート等農業資材等に広く利用されている。特にアルミニウム蒸着フィルムが包装材料に大量に使用されている。その理由は光や酸素を遮断して内容物を保護できること、美麗な金属光沢が容易に得られ、金属箔に対し低コストで軽量な点にある。かかる蒸着フィルムでは、フィルムと蒸着層間の良好な接着性が要求され、また金属蒸着面に規定した印刷を施したり、蒸着面保護のためトップコートを施したり、アンカーコート剤を塗布した後ポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、エバール等の樹脂を押出ラミネートあるいはドライラミネートすることが広く行われるため、蒸着面は良好な印刷適性・ラミネート適性を有する必要がある。また被蒸着基材は通常包装材料の最内層として使用され、包装材料の高速生産性の点から良好なヒートシール性を保有している必要がある。さらに蒸着むらがなく美麗な光沢を有する等の蒸着外観に優れていなければならない。
【0003】
しかしながら通常のポリオレフィン系フィルムに金属蒸着する際、ポリオレフィン系樹脂中に含まれる中和剤、分散剤、スリップ剤、酸化防止剤等の添加剤の表面への移行や転写等により蒸着面(金属面)の濡れ性が不良となって印刷や他のフィルムとの接着性が低下し大きな問題となる。そのため種々改良がなされている。例えば特開昭56−167732号公報では、ポリオレフィン樹脂100重量部に対し酸化防止剤、スリップ剤、中和剤および帯電防止剤を総量0.2重量部以下添加した樹脂組成物が提案されており、その実施例として高密度ポリエチレンが用いられている。また特開昭59−11249号公報では、ポリプロピレン系樹脂について記載されている。
【0004】
しかしながら高密度ポリエチレンやポリプロピレンは低温ヒートシール性が悪く、包装材料の高速生産性といった点で劣る。一方ポリオレフィンフィルムのうち低温ヒートシール性、引き裂き強度、引っ張り強度、伸び、耐衝撃性等の機械的強度に優れる直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体については特開平7−41571号公報があり、同様に酸化防止剤等の添加剤の添加量を規定しており接着性については十分であるが、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は高密度ポリエチレン、ポリプロピレンに比べ、抗ブロッキング性が十分ではなかった。また特開平6−270357号公報では、同じく抗ブロッキング性解消という理由から直鎖状エチレン・α−オレフィンの密度を0.930g/cm3以上と規定されているが、低温シール性について十分とはいえない。また抗ブロッキング性を改良するため直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体に高密度ポリエチレンを配合してなる組成物から得られたフィルムについて特開平3−30940号公報があるが、高密度ポリエチレンは融点が高く低温ヒートシールに劣り包装材料の高速生産性について十分ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、蒸着膜の接着強度、蒸着面への印刷性・ラミネート適性、金属光沢を損なわずに、低温シール性、スリップ性、抗ブロッキング性が優れた金属蒸着用ポリエチレン系フィルムおよび金属蒸着フィルムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、ポリエチレン系フィルムの非蒸着面の表面状態を特定することにより上記課題の全てが解決でき、非常に優れた低温シール性を有するフィルムを得ることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち本発明は、(A)層および(B)層の少なくとも2層以上からなる多層の金属蒸着用ポリエチレン系フィルムであって、
(A)層が直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体および低密度ポリエチレンからなる樹脂組成物であり、かつ下記物性を有し、
1)(A)層密度:0.890〜0.925g/cm3
2)(A)層表面の外部ヘーズ:5%以上
3)(A)層表面同士のシールにおいて、ヒートシール強度0.5Kgf/15mmに達するシール温度:110℃以下
(B)層が金属蒸着用層であり、融点100℃以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする金属蒸着用ポリエチレン系フィルムにおいて、
該低密度ポリエチレンが、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上であることを特徴とする金属蒸着用ポリエチレン系フィルムであることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、好ましくは、金属蒸着用ポリエチレン系フィルムの(B)層表面に金属が蒸着されている金属蒸着フィルムであることを特徴とする。
【0010】
以下本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の(A)層に用いられる直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体と低密度ポリエチレン組成物は、密度が0.890〜0.925g/cm3となるよう配合することが低温シール性、機械的強度、抗ブロッキング性の点から好ましい。密度0.890g/cm3未満ではフィルムの抗ブロッキング性が悪化し、フィルム巻き取り時にシワやコブが発生し好ましくなく、密度0.925g/cm3を越えるとシール強度0.5Kgf/15mmに達するシール温度が110℃を越え、低温シール性が悪化するするため好ましくない。
【0012】
(A)層に用いられる直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体のコモノマーであるαーオレフィンとは、一般式R−CH=CH2(式中Rは炭素数1〜14のアルキル基を示す)で表される物で、その具体例を示せばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−デセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ノネン、4−メチル−1−ヘキセン等が挙げられる。かかるコモノマー含量は特に限定するものではないが、0.1〜10モル%が好ましい。
【0013】
また直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体は、その密度(JIS K6760)が0.880〜0.930g/cm3、好ましくは0.890〜0.925g/cm3である。該共重合体の密度が0.880g/cm3未満では、該共重合体の融点が下がる結果ブロッキングが発生しやすくなり、0.930g/cm3を越えると低温ヒートシール性が悪くなり包装材料の高速生産性に欠けるため好ましくない。
【0014】
また本発明の(A)層に用いられる直鎖状エチレン・αーオレフィン共重合体が、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体で、GPCより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が3以下でありかつ、DSCにより測定される融点が1つで65〜125℃の範囲であると、抗ブロッキング性、スリップ性の点で更に好ましい。
【0015】
本発明のポリエチレン系フィルムの(A)層表面の外部ヘーズは5%以上であり、好ましくは7%以上である。本発明における外部ヘーズとは、後述の実施例記載の方法で測定されるものであり、フィルム表面荒さの指標として用いられるものである。表面荒さが大きいと外部ヘーズ値は大きくなる。
【0016】
外部ヘーズが5%未満では抗ブロッキング性が悪く、フィルム巻き取り時にシワやコブが発生し好ましくない。尚、直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体および高圧法低密度ポリエチレンの混合物である(A)層表面の外部ヘーズは工業的には40%が上限である。
【0017】
本発明の(A)層表面同士のシールにおいて、ヒートシール強度0.5Kgf/15mmに達するシール温度は110℃以下である。本発明におけるヒートシール強度とは、後述の実施例記載の方法で測定されるものである。本蒸着フィルムは通常包装材料の最内層として使用され、包装材料の密閉性の点から高いシール強度が必要である。また包装材料の高速生産性の点から、良好な低温シール性を保有している必要がある。ヒートシール強度0.5Kgf/15mmに達するシール温度が110℃を越えると低温シール性が悪化するするため好ましくない。また、抗ブロッキング性に優れることから、ヒートシール強度0.5Kgf/15mmに達するシール温度は80℃以上が好ましい。
【0018】
(A)層に用いられる低密度ポリエチレンは、高圧ラジカル重合法で製造されたもので、その密度が0.910〜0.940g/cm3であるのが好ましい。密度がこの範囲外のものを高圧法で工業的に製造することは困難である。
【0019】
この低密度ポリエチレンは、好ましくは、GPCより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上であり、12以上がさらに好ましく、いわゆるオートクレーブ法で製造されたものが特に好ましい。このGPCより求められる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上の低密度ポリエチレンを用いると外部ヘーズ5%以上が得られやすく、抗ブロッキング性、スリップ性が改良されるため好ましい。Mw/Mnが10以下のものを用いると、外部ヘーズ5%以上が得られにくく好ましくない。
【0020】
上記組成物中の直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体の配合割合は30〜95重量%であり、好ましくは40〜90重量%である。この範囲未満ではエチレン・α−オレフィン共重合体フィルムの特徴である引裂強度、引張強度、伸び、耐衝撃強度等の機械的強度が低下し、この範囲を越えると加工性が悪くなる。次に本発明の金属蒸着ポリエチレン系フィルムにおいてポリエチレン系フィルムを得る成形加工方法は、Tダイ法、インフレーション法等いずれの形態であってもよい。
【0021】
積層法としては共押出法や基材と貼り合わせる方法、コーティング法等いずれの方法であっても目的のフィルムを得ることができる。また構成としては、外部ヘーズ5%以上を有する(A)層と蒸着面となる(B)層の少なくとも2層以上からなり、(B)層は金属蒸着面の光沢の点から外部ヘーズ4%以下が特に好ましい。(A)層フィルム単独では、蒸着面の外部ヘーズが高いことにより蒸着光沢が悪化する。
【0022】
(A)層は前記した組成物からなるものであり、(B)層は融点が100℃以上の熱可塑性樹脂からなるものである。(B)層の熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリウレタン等を挙げることができ、(B)層はこれらの樹脂単独でもよく、あるいはこれら2種以上の混合物、あるいはこれら1種以上の積層物から選ぶことができる。(B)層の融点が100℃未満では金属蒸着時にフィルム表面が軟化し金属光沢が低下するため好ましくない。
【0023】
なお、本発明の金属蒸着用ポリエチレン系フィルムの組成物中には、金属との蒸着強度や金属蒸着表面の塗れ性が悪化しない範囲でシリカ、炭酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム等の無機粒子や、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアミド等のポリマー粒子、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸トリグリセライド、ヒドロキシ脂肪酸アミン、アミノ脂肪酸ナトリウム塩等の有機物、その他公知のスリップ剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線防止剤・吸収剤、核剤を添加しても良い。
【0024】
上記成形によって得られたフィルムの(B)層表面に金属蒸着を施す前に蒸着強度を増大させるための公知の方法が採用できる。これら公知の方法を具体的に開示すれば、該フィルムにコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施す方法等が挙げられる。上記表面処理の場合は放電後のJIS K6768で測定したぬれ指数が37dyne/cm以上となるように処理するのが好ましく、39dyne/cm以上が特に好ましい。
【0025】
本発明の蒸着用フィルムに金属を蒸着する方法は、特に限定するものではなくバッチ式または連続式真空蒸着で電熱加熱、スパッタリング、イオンプレーティング、イオンビーム等の公知の手段を用いることができる。このように得られる蒸着フィルムの蒸着層の厚みは接着性、耐久性、経済性の点から一般的には数十〜数百オングストロームである。
【0026】
なお、蒸着させる金属はたとえばアルミニウム、金、銀、銅、亜鉛、ニッケル、クロム、チタン、セレン、ゲルマニウム、スズ等が挙げられるが、作業性、光沢、安全性等からアルミニウムが好ましい。
【0027】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお実施例および比較例における性能の測定は下記の方法によった。
【0028】
▲1▼外部ヘーズ
測定する面の反対面を流動パラフィン(和光純薬(株)製、1級流動パラフィン)で処理し、ヘーズが既知であるガラス板にシワが入らないように張り付け、ASTM D1003に従いヘーズを測定する(値a)。次にフィルム両面を上記同様処理し、同様にヘーズを測定する(内部ヘーズ、値b)。その後下記式に従い、計算する。
(値a−ガラス板ヘーズ)−(値b−ガラス板ヘーズ×2枚分)
【0029】
▲2▼融点
走査型示差熱量計(DSC)(パーキンエルマー社製、装置名「DSC−7」)を用いて測定した。DSC炉内で試料を200℃で5分間溶融させた後、10℃/分の冷却速度で30℃まで下げて固化(結晶化)した試料について、10℃/分の速度で昇温させて得られる吸熱曲線の最大ピーク位置の温度を融点として測定した。
【0030】
▲3▼密度
JIS K6760に準拠し測定した。
【0031】
▲4▼重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)
MwとMnはウォーターズ(株)社製 150CALC/GPC(カラム;東ソー(株)製、GMHHR−H(S),7.8mmIDX30cmを3本、溶媒:2,4−トリクロロベンゼン、温度;140℃、流量;1.0ml/分、注入濃度;30mg/30ml(注入量300μl))を用いるゲルパーミェーションクロマトグラフィー法により測定した。なお、カラム溶出体積は東ソー(株)製の標準ポリスチレンを用いて、ユニバーサルキャリブレーション法により校正した。
【0032】
▲5▼ヒートシール強度
蒸着されたフィルムのフィルム面同志を圧力2kgf/cm2、時間1秒の条件でヒートシールし、オートグラフを用い剥離速度300mm/分で剥離したときの剥離強度を測定した。
【0033】
▲6▼ブロッキング強度
フィルムの蒸着面と非蒸着面を重ね、その上に5cm×5cm四方のプラスチック板を乗せ、5kgの荷重をかけ40℃×24時間放置する。常温になるまで空冷した後、300mm/分の速度で剪断剥離強度を測定した。300gf/25cm2以下であれば抗ブロッキング性に優れていると評価した。
【0034】
▲7▼蒸着強度
金属蒸着表面にポリウレタン系接着剤を2g/m2の厚みで塗布し、その上に15μm厚みの二軸延伸ナイロンフィルムを貼り合わせた後、40℃で48時間エージングした。オートグラフを用い速度300m/分でナイロンフィルムと蒸着フィルム間の剥離強度(単位;gf/15mm)を測定した。通常蒸着基材フィルムと蒸着層間で剥離する。
【0035】
▲8▼蒸着光沢
金属蒸着面を測定面とし、JIS K7105に準拠し測定した。
【0036】
▲9▼印刷・ラミネート適性
金属蒸着フィルムの蒸着面とフィルム面(A層面)とを重ね合わせ、5kgf/25cm3荷重をかけ40℃のオーブン中に24時間放置後、ASTMD523に準拠し蒸着面のぬれ指数(単位:dyne/cm)を測定した。良好な印刷・ラミネート適性を有するためには、このぬれ指数が37dyne/cm以上必要であり、ぬれ指数が37dyne/cm以上を○、ぬれ指数が37dyne/cm未満を×とした。
【0037】
実施例1
(A)層用の樹脂として密度が0.920g/cm3かつMw/Mnが4.0のエチレン・1−ヘキセン共重合体80重量部と密度0.920g/cm3かつMw/Mnが20の低密度ポリエチレン20重量部配合し、さらに酸化防止剤を0.重量部添加し,スリップ剤を添加しない混合物を、(B)層用の樹脂として融点126℃、密度0.935g/cm3かつMw/Mnが4.0のエチレン・1−ヘキセン共重合体100重量部に対し、酸化防止剤を0.1重量部添加し,スリップ剤を添加しない混合物を、それぞれ55mm径/45mm径よりなる共押出機およびこれに連結した2.0mmのスリットを有する直径75mmの環状ダイからなるインフレーション成形機を用いて、樹脂温度170℃、ブロー比2.3、(A)層および(B)層の厚み比率が1:1になる条件で溶融押出後空冷し、(B)層表面にコロナ放電処理を施した後速度10m/分で巻取り厚み40μm、処理面のぬれ指数が40dyne/cmの筒状積層フィルムを得た。
【0038】
次に得られたフィルムを真空蒸着装置にセットし、10-4torr以下の真空下でフィルムのコロナ処理面にアルミニウム蒸着を施して蒸着膜の厚みが450オングストロームの蒸着フィルムを得た。
【0039】
このフィルムの評価結果を表1および表2に示す。低温シール性、蒸着光沢に優れ、かつブロッキングの無い蒸着フィルムを得ることができた。
【0040】
実施例2
(A)層のエチレン・1−ヘキセン共重合体と低密度ポリエチレンの配合割合が50重量部/50重量部である以外は実施例1と同様にして蒸着フィルムを得た。低温シール性、蒸着光沢に優れ、かつブロッキングのない蒸着フィルムを得ることができた。
【0041】
実施例3
(A)層のエチレン・1−ヘキセン共重合体の密度が0.905g/cm3かつMw/Mnが2.5である以外は実施例1と同様にして蒸着フィルムを得た。低温シール性、蒸着光沢に優れ、かつブロッキングのない蒸着フィルムを得ることができた。
【0042】
実施例4
(A)層用の樹脂として密度0.920g/cm3かつMw/Mnが4.0のエチレン・1−ヘキセン共重合体80重量部と密度0.920g/cm3かつMw/Mnが20の低密度ポリエチレン20重量部配合し、さらに酸化防止剤を0.1重量部添加し、スリップ剤を添加しない混合物を、55mm径よりなる押出機およびこれに連結した2.0mmのスリットを有する直径75mmの環状ダイからなるインフレーション成形機を用いて、樹脂温度170℃、ブロー比2.3の条件で溶融押出後空冷し、その片面にコロナ放電処理を施した後速度10m/分で巻取り厚み40μm、処理面のぬれ指数が40dyne/cmのフィルムを得た。この処理面と(B)層となる融点265℃の二軸延伸ポリエステルフィルム(二村化学製、商品名PE2001)をドライラミネートで貼り合わせて40℃で48時間エージングした。その(B)層表面にアルミニウムを450オングストローム蒸着し、蒸着フィルムを得た。
【0043】
比較例1
(A)層の低密度ポリエチレンの密度が0.920g/cm3かつMw/Mnが5.0である以外は実施例1と同様にして蒸着フィルムを得たが、(A)層表面の外部ヘーズ値が低く、抗ブロッキング性が悪く、シワおよびコブが発生した。
【0044】
比較例2
(A)層のエチレン・1−ヘキセン共重合体の密度が0.935g/cm3である以外は比較例1と同様にして蒸着フィルムを得たが、外部ヘーズ値が低く、抗ブロッキング性が悪く、シワおよびコブが発生した。また低温シール性も劣っていた。
【0045】
比較例3
(A)層のエチレン・1−ヘキセン共重合体の密度が0.905g/cm3かつMw/Mnが2.5である以外は比較例1と同様にしてフィルムを得たが、抗ブロッキング性が著しく悪く、シワおよびコブの発生がひどいため蒸着フィルムを得ることができなかった。
【0046】
比較例4
(A)層の低密度ポリエチレンを密度0.955g/cm3の高密度ポリエチレンに変更した以外は実施例1と同様にして蒸着フィルムを得たが、低温シール性が劣っていた。
【0047】
比較例5
(A)層用のエチレン・1−ヘキセン共重合体として密度0.905g/cm3かつMw/Mnが2.5のエチレン・1−ヘキセン共重合体、低密度ポリエチレンとして密度0.905g/cm3かつMw/Mnが20の低密度ポリエチレン、(B)層用の樹脂として融点95℃のエチレン・1−ヘキセン共重合体を用いた以外は、実施例1と同様にして蒸着フィルムを得たが、蒸着面光沢が劣っていた。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、蒸着膜の接着強度、蒸着面への印刷性・ラミネート適性を損なわず、低温シール性が非常に良好であり、スリップ性、抗ブロッキング性が改良された金属蒸着用ポリエチレン系フィルムおよび金属蒸着フィルムを得ることができる。
Claims (2)
- (A)層および(B)層の少なくとも2層以上からなる多層の金属蒸着用ポリエチレン系フィルムであって、
(A)層が直鎖状エチレン・α−オレフィン共重合体および低密度ポリエチレンからなる樹脂組成物であり、かつ下記物性を有し、
1)(A)層密度:0.890〜0.925g/cm 3
2)(A)層表面の外部ヘーズ:5%以上
3)(A)層表面同士のシールにおいて、ヒートシール強度0.5Kgf/15mmに達するシール温度:110℃以下
(B)層が金属蒸着用層であり、融点100℃以上の熱可塑性樹脂からなることを特徴とする金属蒸着用ポリエチレン系フィルムにおいて、
該低密度ポリエチレンが、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が10以上であることを特徴とする金属蒸着用ポリエチレン系フィルム。 - 請求項1に記載の金属蒸着用ポリエチレン系フィルムの(B)層表面に金属が蒸着されていることを特徴とする金属蒸着フィルム。
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