JPH1076591A - 表面被覆体及びその製造方法 - Google Patents

表面被覆体及びその製造方法

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JPH1076591A
JPH1076591A JP25547696A JP25547696A JPH1076591A JP H1076591 A JPH1076591 A JP H1076591A JP 25547696 A JP25547696 A JP 25547696A JP 25547696 A JP25547696 A JP 25547696A JP H1076591 A JPH1076591 A JP H1076591A
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JP
Japan
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film
compound
coating
semi
organic peroxide
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JP25547696A
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English (en)
Inventor
Kazuo Toda
和夫 戸田
Toshio Toyoshima
敏男 豊島
Riyou Imami
領 今見
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GENGEN KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
GENGEN KAGAKU KOGYO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着強度に優れ,且つ平滑な保護膜を形成し
た表面被覆体及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 多孔質基材3の被覆面30に,接着剤2
を介して,被覆フィルム1よりなる保護膜901を設け
てなる。接着剤2は有機過酸化物を含有する流動性接着
剤を,一方上記被覆フィルム1は有機過酸化物硬化促進
剤及び硬化剤を含有する半ゲル状透明フィルムを,有機
過酸化物の酸化反応により同時に硬化させたものであ
る。半ゲル状被覆フィルムは,更に,ビニル基と官能基
とを有する反応性化合物を含有していてもよい。また,
流動性接着剤は,更に,ビニル基を有する低分子量物を
含有していてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,木材等の多孔質基材の表面に平
滑で保護膜を設けた,表面被覆体及びその製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】従来,金属,プラスチック等の基材の被覆
面に,着色された被覆フィルムを接着することにより,
保護膜を形成して,被覆面を着色し又は保護することが
行われていた。被覆フィルムの接着は,粘着剤又はホッ
トメルト等の接着剤により行われている。この被覆フィ
ルムは,フィルム状であるため,一般の液状塗料に比べ
て取扱い易い。また,液状塗料のように塗りムラのおそ
れがなく,均一な被覆面が得られる。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記被覆フィ
ルムにより凹凸のある表面を被覆した場合には,被覆フ
ィルムが,その凹凸形状に沿って微細な波打ち状態を形
成してしまう。そのため,平滑な表面を有する表面被覆
体が得られず,外観性が低下する。また,木材等の多孔
質基材は,表面が多孔状態であるため,多孔質基材と接
着剤との間に気泡が留まり,接着強度が低下する。
【0004】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,接着
強度に優れ,且つ平滑な保護膜を形成した表面被覆体及
びその製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】本発明は,多孔質基材の被覆面に,
接着剤を介して,被覆フィルムよりなる保護膜を設けて
なる表面被覆体であって,上記接着剤は有機過酸化物を
含有する流動性接着剤を,一方上記被覆フィルムは有機
過酸化物硬化促進剤,ビニル基と官能基とを有する反応
性化合物及び硬化剤を含有する半ゲル状被覆フィルム
を,上記有機過酸化物と上記有機過酸化物硬化促進剤と
上記反応性化合物とのラジカル反応により同時に硬化さ
せたものであることを特徴とする表面被覆体にある。
【0006】次に,上記表面被覆体の作用効果について
説明する。本発明の表面被覆体において,その保護膜
は,多孔質基材の被覆面に流動性接着剤を介して半ゲル
状被覆フィルムを設けて,両者を有機過酸化物と有機過
酸化物硬化促進剤と反応性化合物とのラジカル反応によ
り同時に硬化させたものである。そのため,被覆フィル
ムは,被覆面の凹凸又は毛羽等の突起部分を吸収する。
そのため,保護膜の表面は,平滑となる。
【0007】また,接着剤は,流動性接着剤を半ゲル状
被覆フィルムと同時に硬化させたものであるため,被覆
フィルムと馴染みが良い。また,流動性接着剤は,多孔
質基材における被覆面の窪み又は亀裂の中にまで浸入し
た状態で硬化している。そのため,接着剤は,被覆面及
び被覆フィルムと密着し,また両者の間に気泡が残存す
ることもない。従って,保護膜は,多孔質基材の被覆面
に対して強固に接着する。
【0008】次に,上記表面被覆体の詳細につき説明す
る。上記被覆フィルムは,有機過酸化物硬化促進剤,ビ
ニル基と官能基とを有する反応性化合物及び硬化剤を含
有する半ゲル状被覆フィルムを,流動性接着剤の中の有
機過酸化物とのラジカル反応により硬化させたものであ
る。上記有機過酸化物硬化促進剤は,反応性化合物及び
有機過酸化物との反応により反応中間体(ラジカル)を
生成し,その反応中間体が上記半ゲル状被覆フィルム中
の硬化剤の硬化反応を開始して,半ゲル状被覆フィルム
を硬化させるものである。上記有機過酸化物硬化促進
剤,硬化剤,及び反応性化合物の詳細については,後述
する。
【0009】上記保護膜は,複数枚の被覆フィルムから
なるものでもよい。この場合,各被覆フィルムの間に
は,中間層を設けることができる。この中間層として
は,例えば,補強用シート,パターンを印刷したもの,
又は1又は2種以上の着色を施したものを用いることが
できる。
【0010】上記接着剤は,有機過酸化物を含有する流
動性接着剤を,半ゲル状被覆フィルムの中の反応性化合
物及び有機過酸化物硬化促進剤とのラジカル反応により
硬化させたものである。有機過酸化物は,半ゲル状被覆
フィルムの有機過酸化物硬化促進剤及び反応性化合物と
の接触により反応中間体(ラジカル)が生成し,その反
応中間体が流動性接着剤の硬化反応を開始して流動性接
着剤を硬化させる。
【0011】また,上記接着剤は,上記有機過酸化物だ
けでなく,更に,後述する単一化合物,官能基含有化合
物,ビニル基含有化合物,低分子量物,反応促進剤,又
は硬化剤を添加したものでもよい。上記有機過酸化物の
詳細は,後述する。上記多孔質基材としては,例えば,
木材,中質繊維板(以下,MDFという。),パーティ
クルボード,プラスチック,又は木材,MDF,パーテ
ィクルボード若しくはプラスチックのいずれかに塗膜を
形成してなる塗装物等を用いる。
【0012】次に,上記表面被覆体を製造する方法とし
ては,例えば,仮裏フィルムの表面に,有機過酸化物硬
化促進剤及び硬化剤を含有する半ゲル状被覆フィルムを
設けた複合フィルムを準備し,次に,多孔質基材の被覆
面に,有機過酸化物を含有する流動性接着剤を介して,
上記半ゲル状被覆フィルム側を対面させた状態で上記複
合フィルムを接着して,上記有機過酸化物と上記有機過
酸化物硬化促進剤と上記反応性化合物とのラジカル反応
により,上記流動性接着剤及び上記半ゲル状被覆フィル
ムを同時に硬化させ,多孔質基材の表面に保護膜を形成
することを特徴とする表面被覆体の製造方法がある。
【0013】次に,上記表面被覆体の製造方法の作用効
果について説明する。上記表面被覆体の製造方法におい
ては,多孔質基材の被覆面に,流動性接着剤を介して半
ゲル状被覆フィルムを接着している。半ゲル状被覆フィ
ルムには有機過酸化物硬化促進剤,ビニル基と官能基と
を有する反応性化合物及び硬化剤が,一方流動性接着剤
には有機過酸化物が添加されている。
【0014】流動性接着剤が半ゲル状被覆フィルムと接
触すると,流動性接着剤内の有機過酸化物が,半ゲル状
被覆フィルムへと浸透する。また,半ゲル状被覆フィル
ム内の有機過酸化物硬化促進剤,ビニル基と官能基とを
有する反応性化合物及び硬化剤が,流動性接着剤へと浸
透する。これにより,有機過酸化物が,有機過酸化物硬
化促進剤及び上記反応性化合物に出会い,両者が反応す
る。この反応生成物が,硬化剤に対して硬化反応を開始
するように働きかける。これにより,半ゲル状被覆フィ
ルム及び流動性接着剤が硬化して,保護膜が形成され
る。
【0015】また,半ゲル状被覆フィルムは半流動性で
あり,流動性接着剤は流動性である。そのため,多孔質
基材における被覆面の凹凸又は毛羽等の突起部分は,上
記流動性接着剤により吸収される。それ故,平滑な保護
膜を形成することができる。また,流動性接着剤は,多
孔質基材における被覆面の窪み又は亀裂の中にまで浸入
する。そのため,被覆面の凹凸部分に存在する空気を追
い出すことができる。従って,気泡の無い保護膜を形成
することができる。
【0016】また,半ゲル状被覆フィルムを被覆面に接
着した後に,半ゲル状被覆フィルム及び流動性接着剤の
硬化を同時に行なっている。そのため,被覆面の平滑さ
を維持したまま保護膜を形成することができる。また,
上記半ゲル状被覆フィルム及び流動性接着剤の硬化は,
上記ラジカル反応により行っているため,耐熱性の弱い
多孔質基材,例えば,木材,MDF,パーティクルボー
ド又はプラスチック等の表面被覆も容易に行うことがで
きる。
【0017】次に,上記表面被覆体の製造方法の詳細に
つき説明する。上記半ゲル状被覆フィルムは,有機過酸
化物硬化促進剤,ビニル基(CH2 =CH−)と官能基
とを有する反応性化合物及び硬化剤を含有している。
【0018】上記反応性化合物の官能基とは,硬化剤と
の反応性を有し,反応の結果半ゲル状被覆フィルムの組
成物を液状から粘性のある半ゲル状態をつくる性質を有
する基である。かかる官能基としては,例えば,水酸
基,アミノ基,エポキシ基等がある。
【0019】上記反応性化合物としては,例えば,
(1)1分子内に1個以上のビニル基と2個以上の官能
基とを有する単一化合物,或いは(2)ビニル基を有す
る1種又は2種以上のビニル基含有化合物と,該ビニル
基含有化合物に対して相溶性のある2個以上の官能基を
有する1種又は2種以上の官能基含有化合物との複合化
合物,又は(3)上記単一化合物とビニル基含有化合物
又は官能基含有化合物の一方又は双方との混合化合物の
いずれかを用いることができる。
【0020】上記の官能基含有化合物が,ビニル基含有
化合物に対する相溶性が良いことが要求されるのは,半
ゲル状被覆フィルム作製時の硬化剤との反応又は有機過
酸化物による半ゲル状被覆フィルムの硬化の際に半ゲル
状被覆フィルムの白化,クラックなどの物性低下現象を
生じさせないためである。また,同様の理由より,上記
官能基含有化合物が単一化合物と共に用いられる場合に
は,単一化合物に対する相溶性が良いものを用いること
が好ましい。
【0021】上記反応性化合物は,ビニル基を有する低
分子量物を含有していることが好ましい。これにより,
硬化反応の前の半ゲル状被覆フィルムの粘着性を高くす
ることができ,接着作業性が向上する。
【0022】上記の構成を満足する具体的な半ゲル状被
覆フィルムの例を以下に列挙する。但し,これらに限定
されるものではない。 上記ビニル基含有化合物,上記官能基含有化合物,上
記有機過酸化物硬化促進剤,及び上記硬化剤からなるも
の, 上記単一化合物,上記低分子量物,上記有機過酸化物
硬化促進剤,及び上記硬化剤からなるもの,
【0023】上記ビニル基含有化合物,上記単一化合
物,上記低分子量物,上記有機過酸化物硬化促進剤,及
び上記硬化剤からなるもの, 上記ビニル基含有化合物,上記官能基含有化合物,上
記単一化合物,上記低分子量物,上記有機過酸化物硬化
促進剤,及び上記硬化剤からなるもの, 上記官能基含有化合物,上記単一化合物,上記低分子
量物,上記有機過酸化物硬化促進剤,及び上記硬化剤か
らなるもの。
【0024】上記有機過酸化物硬化促進剤としては,例
えば,ナフテン酸コバルト,オクチル酸コバルト,N,
N−ジメチルアニリン,アセト酢酸メチル,アセト酢酸
エチル,又はナフテン酸マンガンを用いる。
【0025】上記硬化剤としては,例えば,以下に挙げ
るものがある。 トルエンジイソシアネート(以下,TDIとい
う。),TDIにトリメチロールプロパン(以下,TM
Pという。)を付加したもの,及びイソシアヌレート
(以下,ICという。)からなるトリマー, ヘキサメチレンジイソシアネート(以下,HDIとい
う。),HDIにTMPを付加したもの,IC,及びビ
ュレットからなるトリマー, ジフェニルメタンジイソシアネート(以下,MDIと
いう。),MDIにTMPを付加したもの,及びICか
らなるトリマー,
【0026】キシレンジイソシアネート(以下,XD
Iという。),XDIにTMPを付加したもの,及びI
Cからなるトリマー, ナフタレンジイソシアネート(以下,NDIとい
う。),NDIにTMPを付加したもの,及びICから
なるトリマー, イソホロンジイソシアネート(以下,PDIとい
う。),PDIにTMPを付加したもの,及びICから
なるトリマー。
【0027】上記硬化剤の含有率は,上記官能基1モル
に対して,0.1〜0.29モル化学当量であることが
好ましい。0.1モル化学当量未満の場合には,半ゲル
状被覆フィルムの硬化が不十分となるおそれがあり,粘
性が不十分で流延性が高くフィルム形状を保持できない
おそれがある。一方,0.29モル化学当量を越える場
合には,過度な弾性を有することになり,被覆面の凹凸
部にひずみが生じている場合,このひずみを吸収するこ
とが困難となるおそれがある。また,流動性接着剤が半
ゲル状被覆フィルムに浸透することができず,初期接着
性が劣り気泡が残ったり,また有機過酸化物のラジカル
反応が起こらず,半ゲル状被覆フィルムが硬化しないお
それがある。
【0028】次に,上記ビニル基含有化合物としては特
に限定がないが,例えば,スチレンを用いることができ
る。
【0029】上記単一化合物としては,例えば,不飽和
ポリエステル,不飽和(メタ)アクリル樹脂,アルキド
樹脂,ポリエーテルアクリル樹脂,ウレタンアクリル樹
脂,又はエポキシ樹脂を用いる。
【0030】上記官能基含有化合物としては,例えば,
アルキド,飽和ポリエステルポリオール,ポリエーテル
ポリオール,アクリルポリオール,エポキシポリオー
ル,一級アミンを有する化合物,二級アミンを有する化
合物,一級アルコールを有する化合物,二級アルコール
を有する化合物,三級アルコールを有する化合物,フェ
ノール基を有する化合物,ウレタン結合を有する化合
物,カルボキシル基を有する化合物,又はカルボン酸ア
ミドを有する化合物を用いる。
【0031】上記低分子量物としては,例えば,1つの
官能基を有する単官能モノマー,2つの官能基を有する
2官能モノマー,3つ以上の官能基を有する多官能モノ
マー,又はアリル系モノマーを用いる。
【0032】上記単官能モノマーとしては,例えば,
(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸メチル,(メ
タ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸ブチル,ヘ
キシルアクリレート,2エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート,イソオクチル(メタ)アクリレート,2ヒドロ
キシルメチル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート,N,N’−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート,N,N’−ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート,グリシジル(メタ)
アクリレート,カルビトールアクリレート,イソボニル
アクリレート,スチレン,アクリロニトリル,酢酸ビニ
ル,又はビニルトルエンがある。
【0033】上記2官能モノマーとしては,例えば,
1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート,ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート,エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート,ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート,ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート,ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート,ペンタエリストールジアクリレ
ート,又は1,4−ブタンジオールジアクリレートがあ
る。
【0034】上記多官能モノマーとしては,例えば,ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート,ペン
タエリスリトールトリアクリレート,ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート,テトラメチロールメタンテ
トラアクリレート,N,N,N’,N’−テトラキス
(β−ヒドロキシエチル)エチルジアミンのアクリル酸
エステルがある。
【0035】上記アリル系モノマーとしては,例えば,
ジアリルフタレート,ジアリルイソフタレート,又はジ
アリルアジペートがある。
【0036】上記半ゲル状被覆フィルムには,上記の組
成に加えて更に,染料又は顔料を添加することができ
る。これにより,様々な着色,模様を施すことができ
る。
【0037】上記半ゲル状被覆フィルムは,複数枚が積
層されていてもよい。この場合,各半ゲル状被覆フィル
ムの間には,中間層を設けることができる。中間層とし
ては,例えば,補強用シートや装飾性を施した模様パタ
ーンを印刷したもの,又は1又は2種以上の着色を施し
たものを用いることができる。
【0038】次に,上記流動性接着剤は,有機過酸化物
を含有している。この有機過酸化物としては,例えば, ・キュメンパーオキシド等のハイドロパーオキシド類, ・ジクミルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド
類, ・過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキシド類, ・アセト酢酸エステルパーオキシド等のケトンパーオキ
シド類, ・ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ
カーボネート等のパーオキシジカーボネート類, ・1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ3,3,5トリメ
チルシクロヘキサノン,1,1−ジ−tブチルパーオキ
シシクロヘキサノン等のパーオキシケタール類,及び ・t−ブチルパーオキシベンゾエート,t−ブチルパー
オキシ−2−エチルヘキサノエート等のパーオキシエス
テル類 のグループから選ばれる1種又は2種以上を用いる。
【0039】また,上記流動性接着剤には,上記有機過
酸化物だけでなく,(1)1分子内に1個以上のビニル
基と2個以上の官能基とを有する単一化合物,或いは
(2)ビニル基を有する1種又は2種以上のビニル基含
有化合物,(3)ビニル基含有化合物又は上記単一化合
物に対して相溶性のある2個以上の官能基を有する1種
又は2種以上の官能基含有化合物,(4)ビニル基を有
する低分子量物,(5)反応促進剤,又は(6)硬化
剤,の1種以上を添加することができる。
【0040】上記官能基含有化合物がビニル基含有化合
物又は単一化合物に対する相溶性が良いことが要求され
るのは,官能基とビニル基との反応性を高めるためであ
る。
【0041】また,上記流動性接着剤は,ビニル基を有
する低分子量物を含有していることが好ましい。これに
より,硬化反応前の流動性接着剤の粘着性を高くするこ
とができ,接着作業性が向上する。
【0042】上記流動性接着剤に添加することができる
上記単一化合物,上記ビニル基含有化合物,上記官能基
含有化合物,上記低分子量物,上記硬化剤としては,例
えば,前述した半ゲル状被覆フィルムに用いられる,単
一化合物,ビニル基含有化合物,官能基含有化合物,上
記低分子量物,硬化剤を用いることができる。
【0043】また,上記流動性接着剤には反応促進剤を
含有していることが好ましい。これにより,上述のラジ
カル反応を促進させることができる。かかる反応促進剤
としては,例えば,ナフテン酸コバルト,N,N−ジメ
チルアニリン,アセト酢酸メチル,アセト酢酸エチル,
又はナフテン酸マンガンのグループから選ばれる1種又
は2種以上を用いる。
【0044】上記の構成を満足する具体的な流動性接着
剤の例を以下に列挙する。但し,これらに限定されるも
のではない。 (1)上記ビニル基含有化合物,上記有機過酸化物,及
び上記反応促進剤からなるもの,(2)上記ビニル基含
有化合物,上記低分子量物,上記有機過酸化物,上記反
応促進剤からなるもの,(3)上記単一化合物,上記有
機過酸化物,及び上記硬化剤からなるもの,(4)上記
単一化合物,上記有機過酸化物,上記反応促進剤,及び
上記硬化剤からなるもの,
【0045】(5)上記ビニル基含有化合物,上記単一
化合物,上記有機過酸化物,及び上記反応促進剤からな
るもの,(6)上記ビニル基含有化合物,上記単一化合
物,上記有機過酸化物,及び上記硬化剤からなるもの,
(7)上記ビニル基含有化合物,上記単一化合物,上記
有機過酸化物,上記反応促進剤,及び上記硬化剤からな
るもの,
【0046】(8)上記ビニル基含有化合物,上記官能
基含有化合物,上記有機過酸化物,及び上記硬化剤から
なるもの,(9)上記ビニル基含有化合物,上記官能基
含有化合物,上記有機過酸化物,上記反応促進剤,及び
上記硬化剤からなるもの,(10)上記ビニル基含有化
合物,上記官能基含有化合物,上記低分子量物,上記有
機過酸化物,上記反応促進剤,及び上記硬化剤からなる
もの,(11)上記ビニル基含有化合物,上記単一化合
物,上記官能基含有化合物,上記有機過酸化物,及び上
記硬化剤からなるもの,
【0047】(12)上記ビニル基含有化合物,上記単
一化合物,上記官能基含有化合物,上記有機過酸化物,
上記反応促進剤,及び上記硬化剤からなるもの,(1
3)上記ビニル基含有化合物,上記単一化合物,上記官
能基含有化合物,上記低分子量物,上記有機過酸化物,
及び上記硬化剤からなるもの,(14)上記ビニル基含
有化合物,上記単一化合物,上記官能基含有化合物,上
記低分子量物,上記有機過酸化物,上記反応促進剤,及
び硬化剤からなるもの,
【0048】次に,上記流動性接着剤における,官能基
と硬化剤との比は,官能基1モルに対して0〜3モルで
あることが好ましい。3モルを越える場合には,未反応
の硬化剤が残留して流動性接着剤が発泡したり,流動性
接着剤が収縮して半ゲル状被覆フィルムに皺を生じさせ
る等の不具合が生じるおそれがある。
【0049】上記流動性接着剤には,更に染料又は顔料
を添加することができる。これにより,表面被覆体の被
覆面に様々な着色を施すことができる。また,酢酸エス
テル類,ケトン類,芳香族類等の有機溶剤を添加するこ
ともできる。
【0050】上記流動性接着剤は使用時において流動性
を有する接着剤であり,粘度が30〜20000c.p
であることが好ましい。30c.p未満の場合には,粘
性が低いため,半ゲル状被覆フィルム及び多孔質基材へ
の浸透性が強く,両者を接着する接着性が低下するおそ
れがある。一方,20000c.pを越える場合には,
粘性が高く,多孔質基材の被覆面における孔内の気泡を
追い出すことが困難となり,接着強度が低下するおそれ
がある。
【0051】上記仮裏フィルムは,硬化前の半ゲル状被
覆フィルムを担持しておくための仮フィルムであると共
に,上記硬化後の表面被覆体を搬送する際等においてそ
の保護膜を保護するために用いるものである。上記仮裏
フィルムは,多孔質基材に対して剥離性が良いものを用
いることが好ましい。これにより,多孔質基材に形成し
た保護膜から,仮裏フィルムを容易に除去することがで
きる。
【0052】上記仮裏フィルムとしては,例えば,シリ
コン,パラフィン等で表面処理した離型性の良好な紙,
ポリエチレンテレフタレートフィルム,ポリビニールア
ルコールフィルム,酢酸繊維素系フィルム,又はポリエ
チレン,ポリプロピレン,セルローズアセテート,セル
ローズブチレート等のフィルムを用いることができる。
【0053】上記流動性接着剤は,例えば,多孔質基材
の被覆面又は半ゲル状被覆フィルムの表面に予め塗布し
ておくか,或いはこれらの両表面に予め塗布しておく。
また,上記複合フィルムにおける半ゲル状被覆フィルム
の表面は,予め流延防止用支持体により被覆されている
ことが好ましい。これにより,半ゲル状被覆フィルムの
ゲル流れを防止することができる。流延防止用支持体
は,半ゲル状被覆フィルムを多孔質基材に接着する前に
取り除かれる。
【0054】流延防止用支持体としては,例えば,ポリ
エチレンテレフタレートフィルム,ポリビニールアルコ
ールフィルム,酢酸繊維素系フィルム,ポリエチレンフ
ィルム,ポリプロピレンフィルム,セルローズアセテー
トフィルム,ミラコート紙を用いる。
【0055】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる表面被覆体について,図1
〜図4を用いて説明する。本例の表面被覆体9は,図1
に示すごとく,多孔質基材3の被覆面30に,接着剤2
を介して,被覆フィルム1よりなる保護膜901を設け
ている。被覆フィルム1は有機過酸化物硬化促進剤,ビ
ニル基と官能基とを有する反応性化合物及び硬化剤を含
有する半ゲル状被覆フィルムを,一方接着剤2は有機過
酸化物を含有する流動性接着剤を,有機過酸化物と有機
過酸化物硬化促進剤と反応性化合物とのラジカル反応に
より同時に硬化させたものである。被覆フィルム1及び
接着剤2は,ともに透明である。多孔質基材3は,木材
である。多孔質基材3の被覆面30は凹凸状であり,木
理導管が見える。
【0056】次に,上記表面被覆体の製造方法について
説明する。まず,図2に示すごとく,仮裏フィルム5の
表面に半ゲル状被覆フィルム10を,シャワーコータ
ー,エアレススプレー,リバースコーター,ロールコー
ター,スプレー,カーテンコーター,ナイフコーター等
の手段により形成する。次に,半ゲル状被覆フィルム1
0の表面にロール貼りの手段により流延防止用支持体6
を被覆して,これを複合フィルム7とする。
【0057】半ゲル状被覆フィルム10は,ビニル基を
含有する1種又は2種以上のビニル基含有化合物,該ビ
ニル基含有化合物に対して相溶性がある2個以上の官能
基を有する1種又は2種以上の官能基含有化合物,及び
有機過酸化物硬化促進剤からなる主剤,並びに硬化剤を
含有している。
【0058】ビニル基含有化合物としては,スチレンを
用いる。官能基含有化合物としては,不飽和ポリエステ
ル樹脂(商標名ゴーセラック750−70,日本合成
製)を用いる。有機過酸化物硬化促進剤としては,6%
ナフテン酸コバルトを用いる。硬化剤としては,TDI
にTMPを付加したもの(商標名L−75,バイエル
製)を用いる。
【0059】半ゲル状被覆フィルム10は,スチレン1
0重量部,不飽和ポリエステル樹脂90重量部,6%ナ
フテン酸コバルト3重量部,上記L−75(商標名,バ
イエル製)25重量部を混合し,主剤とする。硬化剤の
含有率は,上述の主剤100重量部に対して,25重量
部である。
【0060】仮裏フィルム5としては,ポリエチレンフ
ィルムを用いる。流延防止用支持体6としては,ミラコ
ート紙を用いる。
【0061】一方,図3に示すごとく,多孔質基材3の
被覆面30に,流動性接着剤20を塗布する。流動性接
着剤20は,ビニル基を有する1種又は2種以上のビニ
ル基含有化合物と,有機過酸化物と,反応促進剤とより
なる。
【0062】ビニル基含有化合物としては,スチレンを
用いる。有機過酸化物としては,メチルエチルケトンパ
ーオキサイド(商標名パーメックN,日本油脂製)を用
いる。反応促進剤としては,6%ナフテン酸コバルトを
用いる。流動性接着剤20において,官能基と硬化剤と
の比は,官能基1モルに対して,硬化剤0.3モル化学
当量である。
【0063】流動性接着剤20を調製するに当たって
は,50重量%の不飽和ポリエステル樹脂(商標名ゴー
セラック750−70,日本合成製)と,10重量%の
スチレンと,2重量%メチルエチルケトンパーオキサイ
ド(商標名パーメックN,日本油脂製)と,38重量%
の酢酸エチルとを混合し,主剤となす。次いで,主剤1
00重量部に対して硬化剤としてのL−75(バイエル
製)を25重量部添加,混合する。これにより,上記流
動性接着剤を得る。この流動性接着剤の粘度は200
c.p.である。
【0064】次に,保護膜の形成に当たっては,図4に
示すごとく,被覆面30の表面に,上記流延防止用支持
体を剥離した半ゲル状被覆フィルム10を対面させて,
上記複合フィルム7を接着する。すると,有機過酸化物
のラジカル反応により,半ゲル状被覆フィルム10及び
流動性接着剤20が同時に硬化する。これにより,被覆
フィルム1及び接着剤2とする。その後,被覆フィルム
3から仮裏フィルム5を除去する。これにより,図1に
示す表面被覆体9が得られる。
【0065】次に,本例の作用効果について説明する。
本例の表面被覆体9において,その保護膜901は,図
1に示すごとく,多孔質基材3の被覆面30に,流動性
接着剤を介して半ゲル状被覆フィルムを設けて両者をラ
ジカル反応により同時に硬化させたものである。そのた
め,被覆フィルム1は,木材における被覆面30の凹凸
又は毛羽等の突起部分を吸収する。そのため,保護膜9
01の表面は平滑となる。
【0066】また,接着剤2は,流動性接着剤を半ゲル
状被覆フィルムと同時に硬化させたものであるため,被
覆フィルム1と馴染みが良い。また,流動性接着剤は,
多孔質基材3における被覆面30の窪み又は亀裂の中に
まで浸入した状態で硬化している。そのため,接着剤2
は,被覆面30及び被覆フィルム1と密着し,また両者
の間に気泡が残存することもない。従って,保護膜90
1は,被覆面30に対して強固に接着する。
【0067】また,被覆フィルム1は透明であるため,
多孔質基材3の被覆面30を外部観察することができ
る。そのため,被覆面30自体の木理導管面の模様・パ
ターンを生かした保護膜901の形成が可能である。更
に,上記のごとく,被覆面30と被覆フィルム1との間
に気泡の発生が無いため,保護膜901の見栄えもよ
い。
【0068】また,上記表面被覆体の製造方法において
は,図4に示すごとく,多孔質基材3の被覆面30に,
流動性接着剤20を介して半ゲル状被覆フィルム10を
接着している。半ゲル状被覆フィルム10には有機過酸
化物硬化促進剤,ビニル基と官能基とを有する反応性化
合物及び硬化剤が,一方流動性接着剤20には有機過酸
化物が添加されている。
【0069】流動性接着剤20が半ゲル状被覆フィルム
10と接触すると,流動性接着剤20内の有機過酸化物
が,半ゲル状被覆フィルム10へと浸透する。また,半
ゲル状被覆フィルム10内の有機過酸化物硬化促進剤,
ビニル基と官能基とを有する反応性化合物及び硬化剤
が,流動性接着剤20へと浸透する。これにより,有機
過酸化物が有機過酸化物硬化促進剤に出会い,両者が反
応する。この反応生成物が,硬化剤に対して硬化反応を
開始するように働きかける。これにより,半ゲル状被覆
フィルム10及び流動性接着剤20が硬化して,保護膜
901が形成される。
【0070】また,半ゲル状被覆フィルム10は半流動
性であり,流動性接着剤20は流動性である。そのた
め,多孔質基材3における被覆面30の凹凸又は毛羽等
の突起部分は,上記流動性接着剤20により吸収され
る。それ故,図1に示すごとく,平滑な保護膜901を
形成することができる。
【0071】また,流動性接着剤20は,多孔質基材3
における被覆面30の窪み又は亀裂の中にまで浸入す
る。そのため,被覆面30の凹凸又は導管等の多孔質部
分に存在する空気を追い出すことができる。従って,気
泡の無い保護膜901を形成することができる。
【0072】また,半ゲル状被覆フィルム10を被覆面
30に接着した後に,半ゲル状被覆フィルム10及び流
動性接着剤20の硬化を同時に行っている。そのため,
被覆面30の平滑さ及び見栄えの良さを維持したまま保
護膜901を形成することができる。また,上記硬化
は,有機過酸化物のラジカル反応により行っているた
め,耐熱性の弱い木材を多孔質基材3として使用するこ
とができる。
【0073】また,半ゲル状被覆フィルム10が流動性
接着剤20と接触すると,流動性接着剤20の低分子量
物(モノマー)が,半ゲル状被覆フィルム10に浸透す
る。そのため,ラジカルによる硬化反応の初期粘着性が
高くなる。従って,接着作業性が良く,平滑な皮膜を形
成することができる。
【0074】実施形態例2 本例の表面被覆体は,図5に示すごとく,仮裏フィルム
5の上の半ゲル状被覆フィルム10の表面に予め流動性
接着剤20を塗布して複合フィルム71を形成し,その
後,図6に示すごとく,複合フィルム71を,多孔質基
材3の被覆面30に直接接着し,有機過酸化物のラジカ
ル反応により両者を同時に硬化させたものである。その
他は,実施形態例1と同様である。本例においても,実
施形態例1と同様の効果を得ることができる。
【0075】実施形態例3 本例の表面被覆体は,図7に示すごとく,多孔質基材3
の被覆面30に,2枚の被覆フィルム1を積層した保護
膜902を設けたものである。2枚の被覆フィルム1の
間には,中間層8が介在している。この中間層8は,オ
ーク色に着色されている。中間層8は,カーボングラッ
ク,ジスアゾ系イエロー及び縮合アゾ系レッドの混合着
色顔料を含むポリウレタン樹脂からなる。
【0076】上記表面被覆体91を製造するに当たって
は,図8に示すごとく,仮裏フィルム5の表面に,半ゲ
ル状被覆フィルム10,中間層8,半ゲル状被覆フィル
ム10,流延防止用支持体6を順に積層し,これを複合
フィルム72とする。その後,この複合フィルム72を
用いて,実施形態例1と同様に保護膜902を形成す
る。 その他は,実施形態例1と同様である。
【0077】本例においては,多孔質基材3における被
覆面30を被覆する保護膜902が,2枚の被覆フィル
ム1よりなる。そのため,保護膜902の強度が高い。
また,中間層8の色により,保護膜902が着色され
て,装飾効果が高い。その他,本例においても,実施形
態例1と同様の効果を得ることができる。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば,接着強度に優れ,且つ
平滑な保護膜を形成した表面被覆体及びその製造方法を
提供することができる。
【図面の詳細な説明】
【図1】実施形態例1の表面被覆体の説明図。
【図2】実施形態例1における,複合フィルムの説明
図。
【図3】実施形態例1における,流動性接着剤を塗布し
た多孔質基材の説明図。
【図4】実施形態例1における,多孔質基材の被覆面に
複合フィルムを被覆する方法を示す説明図。
【図5】実施形態例2における,接着前の複合フィルム
及び多孔質基材の説明図。
【図6】実施形態例2における,多孔質基材の被覆面に
複合フィルムを被覆する方法を示す説明図。
【図7】実施形態例3の表面被覆体の説明図。
【図8】実施形態例3における,複合フィルムの説明
図。
【符号の説明】
1...被覆フィルム, 10...半ゲル状被覆フィルム, 2...接着剤, 20...流動性接着剤, 3...多孔質基材, 30...被覆面, 5...仮裏フィルム, 6...流延防止用支持体, 7,71,72...複合フィルム, 9,91...表面被覆体, 901,902...保護膜,

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質基材の被覆面に,接着剤を介し
    て,被覆フィルムよりなる保護膜を設けてなる表面被覆
    体であって,上記接着剤は有機過酸化物を含有する流動
    性接着剤を,一方上記被覆フィルムは有機過酸化物硬化
    促進剤,ビニル基と官能基とを有する反応性化合物及び
    硬化剤を含有する半ゲル状被覆フィルムを,上記有機過
    酸化物と上記有機過酸化物硬化促進剤と上記反応性化合
    物とのラジカル反応により同時に硬化させたものである
    ことを特徴とする表面被覆体。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記保護膜は,複数
    枚の被覆フィルムからなることを特徴とする表面被覆
    体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記多孔質基
    材は,木材,中質繊維板,パーティクルボード,プラス
    チック,又は木材,中質繊維板,パーティクルボード若
    しくはプラスチックのいずれかに塗膜を形成してなる塗
    装物であることを特徴とする表面被覆体。
  4. 【請求項4】 仮裏フィルムの表面に,有機過酸化物硬
    化促進剤及び硬化剤を含有する半ゲル状被覆フィルムを
    設けた複合フィルムを準備し,次に,多孔質基材の被覆
    面に,有機過酸化物を含有する流動性接着剤を介して,
    上記半ゲル状被覆フィルム側を対面させた状態で上記複
    合フィルムを接着して,上記有機過酸化物と上記有機過
    酸化物硬化促進剤と上記反応性化合物とのラジカル反応
    により,上記流動性接着剤及び上記半ゲル状被覆フィル
    ムを同時に硬化させ,多孔質基材の表面に保護膜を形成
    することを特徴とする表面被覆体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記反応性化合物
    は,1分子内に1個以上のビニル基と2個以上の官能基
    とを有する単一化合物,或いはビニル基を有する1種又
    は2種以上のビニル基含有化合物と該ビニル基含有化合
    物に対して相溶性のある2個以上の官能基を有する1種
    又は2種以上の官能基含有化合物との複合化合物,又は
    上記単一化合物とビニル基含有化合物又は官能基含有化
    合物の一方又は双方との混合化合物のいずれかであるこ
    とを特徴とする表面被覆体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において,上記反応性化
    合物には,更に,ビニル基を有する低分子量物が添加さ
    れていることを特徴とする表面被覆体の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか一項において,
    上記硬化剤の含有率は,上記官能基1モルに対して,
    0.1〜0.29モル化学当量であることを特徴とする
    表面被覆体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれか一項において,
    上記半ゲル状被覆フィルムには,更に,顔料又は染料が
    添加されていることを特徴とする表面被覆体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項4〜8のいずれか一項において,
    上記流動性接着剤には,更に,ビニル基を有する低分子
    量物が添加されていることを特徴とする表面被覆体の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項4〜9のいずれか一項におい
    て,上記流動性接着剤は,多孔質基材の被覆面に予め塗
    布されていることを特徴とする表面被覆体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項4〜10のいずれか一項におい
    て,上記複合フィルムにおける半ゲル状被覆フィルムの
    表面は,予め流延防止用支持体により被覆されており,
    該流延防止用支持体は,半ゲル状被覆フィルムを多孔質
    基材に接着する前に取り除くことを特徴とする表面被覆
    体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項4〜11のいずれか一項におい
    て,上記仮裏フィルムは,上記半ゲル状被覆フィルム及
    び流動性接着剤を硬化した後に,取り除くことを特徴と
    する表面被覆体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013191169A1 (ja) * 2012-06-20 2013-12-27 三菱レイヨン株式会社 積層体の製造方法、積層体、および物品
CN104912219A (zh) * 2015-05-25 2015-09-16 江苏协诚科技发展有限公司 A2级防火芯超极板

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