JPH107567A - 抗腫瘍剤 - Google Patents
抗腫瘍剤Info
- Publication number
- JPH107567A JPH107567A JP17599396A JP17599396A JPH107567A JP H107567 A JPH107567 A JP H107567A JP 17599396 A JP17599396 A JP 17599396A JP 17599396 A JP17599396 A JP 17599396A JP H107567 A JPH107567 A JP H107567A
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- JP
- Japan
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- compound
- antineoplastic agent
- conophorin
- active ingredient
- chloroform
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- Pending
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 薬剤耐性克服作用を有するだけでなく優れた
抗腫瘍活性も合せ持つ新規の抗腫瘍剤を提供する。 【解決手段】 本発明の抗腫瘍剤は、化学式(1)で表
される化合物を有効成分とするものである。 【化1】
抗腫瘍活性も合せ持つ新規の抗腫瘍剤を提供する。 【解決手段】 本発明の抗腫瘍剤は、化学式(1)で表
される化合物を有効成分とするものである。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗腫瘍剤に関する。
【0002】
【従来の技術】癌細胞がある抗癌剤に対して耐性を示す
ようになると、構造も作用機序も全く異る数種の抗癌剤
に対しても耐性を有するものになるという現象が古くか
ら知られている。癌細胞のこの多剤耐性化が癌化学療法
における大きな障害となっている。1985年頃から癌細胞
の多剤耐性の研究が急速に進んだ。癌細胞の多剤耐性化
のメカニズムは、耐性細胞の細胞膜上に分子量約17万の
P糖蛋白質が多数出現し、それがポンプの役割をして多
種類の抗癌剤を細胞内からエネルギーを使って積極的に
排出するためであることが判ってきた。また、ベラパミ
ル(Tsuruo T ら、Cancer Res, 41, 1967-1972, 1981)
などのカルシウム拮抗薬には、P糖蛋白質と抗癌剤との
結合を阻害することにより、癌細胞の多剤耐性を克服す
る作用があることが明らかとなってきた。この他にも、
癌細胞の多剤耐性克服作用を示すジヒドロピリジン誘導
体の研究も行われている。しかし、これらのものは、別
の用途として開発されたものであるため、副作用(血圧
低下作用、冠血管拡張作用)および効果の点で十分なも
のではなく、臨床応用可能なものではない。そのため、
新規の臨床応用可能な薬剤耐性克服剤の開発が強く望ま
れている。
ようになると、構造も作用機序も全く異る数種の抗癌剤
に対しても耐性を有するものになるという現象が古くか
ら知られている。癌細胞のこの多剤耐性化が癌化学療法
における大きな障害となっている。1985年頃から癌細胞
の多剤耐性の研究が急速に進んだ。癌細胞の多剤耐性化
のメカニズムは、耐性細胞の細胞膜上に分子量約17万の
P糖蛋白質が多数出現し、それがポンプの役割をして多
種類の抗癌剤を細胞内からエネルギーを使って積極的に
排出するためであることが判ってきた。また、ベラパミ
ル(Tsuruo T ら、Cancer Res, 41, 1967-1972, 1981)
などのカルシウム拮抗薬には、P糖蛋白質と抗癌剤との
結合を阻害することにより、癌細胞の多剤耐性を克服す
る作用があることが明らかとなってきた。この他にも、
癌細胞の多剤耐性克服作用を示すジヒドロピリジン誘導
体の研究も行われている。しかし、これらのものは、別
の用途として開発されたものであるため、副作用(血圧
低下作用、冠血管拡張作用)および効果の点で十分なも
のではなく、臨床応用可能なものではない。そのため、
新規の臨床応用可能な薬剤耐性克服剤の開発が強く望ま
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、薬剤
耐性克服作用を有するだけでなく優れた抗腫瘍活性も合
せ持つ抗腫瘍剤を提供することにある。
耐性克服作用を有するだけでなく優れた抗腫瘍活性も合
せ持つ抗腫瘍剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抗腫瘍活
性および薬剤耐性克服活性を指標にしてスクリーニング
試験を行い、下記化学式(1)で表される化合物が上記
活性を有することを見出し、本発明を完成させた。
性および薬剤耐性克服活性を指標にしてスクリーニング
試験を行い、下記化学式(1)で表される化合物が上記
活性を有することを見出し、本発明を完成させた。
【化1】
【0005】本発明の有効成分である化学式(1)で表
される化合物は、キョウチクトウ科のタベルネモンタナ
・ディバリカータ(Tabernaemontana divaricata)の葉
の乾燥物の有機溶媒抽出物中から単離精製されるコノフ
ォリン(conofoline)であることが知られている(T.S.
Kam ら、Phytochemistry, 40, 313, 1995)。原料のタ
ベルネモンタナ・ディバリカータは、保存時の腐敗を防
止するために乾燥し、さらに粉砕したものを使用するの
が好ましい。
される化合物は、キョウチクトウ科のタベルネモンタナ
・ディバリカータ(Tabernaemontana divaricata)の葉
の乾燥物の有機溶媒抽出物中から単離精製されるコノフ
ォリン(conofoline)であることが知られている(T.S.
Kam ら、Phytochemistry, 40, 313, 1995)。原料のタ
ベルネモンタナ・ディバリカータは、保存時の腐敗を防
止するために乾燥し、さらに粉砕したものを使用するの
が好ましい。
【0006】また、抽出段階で使用する有機溶媒として
は、炭化水素類、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンな
ど;ハロゲン化炭化水素類、例えばクロロホルム、メチ
レンクロライド、四塩化炭素など;アルコール類、例え
ばメタノール、エタノール、ブタノールなど、またはこ
れらの混合溶媒があげられる。特に、クロロホルム、エ
タノールが好適である。もちろん、これらの溶媒以外の
溶媒も使用し得る。
は、炭化水素類、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンな
ど;ハロゲン化炭化水素類、例えばクロロホルム、メチ
レンクロライド、四塩化炭素など;アルコール類、例え
ばメタノール、エタノール、ブタノールなど、またはこ
れらの混合溶媒があげられる。特に、クロロホルム、エ
タノールが好適である。もちろん、これらの溶媒以外の
溶媒も使用し得る。
【0007】有機溶媒の量は特に限定されないが、コノ
フォリンが抽出され得る量であればよく、好ましくはタ
ベルネモンタナ・ディバリカータの乾燥葉50g当り1
00〜1000mlである。抽出温度も特に限定されな
いが、コノフォリンが安定に抽出され得る温度であれば
よく、好ましくは室温〜60℃である。抽出時間は温度
により異なるが、例えば室温で抽出する場合2〜20時
間である。なお、抽出は抽出率に応じて2回以上繰り返
してもよい。
フォリンが抽出され得る量であればよく、好ましくはタ
ベルネモンタナ・ディバリカータの乾燥葉50g当り1
00〜1000mlである。抽出温度も特に限定されな
いが、コノフォリンが安定に抽出され得る温度であれば
よく、好ましくは室温〜60℃である。抽出時間は温度
により異なるが、例えば室温で抽出する場合2〜20時
間である。なお、抽出は抽出率に応じて2回以上繰り返
してもよい。
【0008】得られた抽出物から、コノフォリンが精製
される。精製は、例えば抽出物を一旦濃縮した後に酸・
塩基を用いた分配やクロマトグラフィーによって行うこ
とができる。クロマトグラフィーは、好ましくはカラム
クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー、液−液向流分配クロマトグ
ラフィー、薄層クロマトグラフィー、遠心クロマトグラ
フィー、またはこれらの組合せを包含し得る。カラムク
ロマトグラフィーとしては、例えば担体としてメルクシ
リカゲル60(メルク社)、溶媒としてクロロホルム、
メタノールの組合せを用いることができる。
される。精製は、例えば抽出物を一旦濃縮した後に酸・
塩基を用いた分配やクロマトグラフィーによって行うこ
とができる。クロマトグラフィーは、好ましくはカラム
クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー、液−液向流分配クロマトグ
ラフィー、薄層クロマトグラフィー、遠心クロマトグラ
フィー、またはこれらの組合せを包含し得る。カラムク
ロマトグラフィーとしては、例えば担体としてメルクシ
リカゲル60(メルク社)、溶媒としてクロロホルム、
メタノールの組合せを用いることができる。
【0009】本発明の抗腫瘍剤は、コノフォリンを組成
物中に0.01〜50重量%、好ましくは1〜20重量
%含有する。本発明の抗腫瘍剤は、コノフォリンを有効
成分として、これに常用される無機または有機の担体を
加えて、固体、半固体または液体の形で、経口投与用も
しくは非経口投与用に薬剤形成される。経口投与用の剤
形としては、散剤、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル、液
剤(例えば、注射剤)などが考えられる。非経口投与用
としては、液剤が好適である。非経口投与としては、経
腸投与、皮下注射、静脈内投与などが考えられる。
物中に0.01〜50重量%、好ましくは1〜20重量
%含有する。本発明の抗腫瘍剤は、コノフォリンを有効
成分として、これに常用される無機または有機の担体を
加えて、固体、半固体または液体の形で、経口投与用も
しくは非経口投与用に薬剤形成される。経口投与用の剤
形としては、散剤、顆粒、錠剤、糖衣錠、カプセル、液
剤(例えば、注射剤)などが考えられる。非経口投与用
としては、液剤が好適である。非経口投与としては、経
腸投与、皮下注射、静脈内投与などが考えられる。
【0010】本発明の抗腫瘍剤に使用される医薬上許容
可能な担体としては、例えば天然もしくは合成ケイ酸ア
ルミニウム、微結晶セルロース、タルク、デキストリ
ン、澱粉、乳糖などの賦形剤、及び植物油、プロピレン
グリコールなどの希釈剤があげられる。これに加えて、
その他の任意成分として、医薬上許容可能な安定剤、コ
ーティング剤、懸濁化剤、乳化剤、溶解補助剤、保存
剤、緩衝剤、甘味剤なども存在させ得る。これらの添加
剤としては、公知のものを適宜組み合わせて使用し得
る。
可能な担体としては、例えば天然もしくは合成ケイ酸ア
ルミニウム、微結晶セルロース、タルク、デキストリ
ン、澱粉、乳糖などの賦形剤、及び植物油、プロピレン
グリコールなどの希釈剤があげられる。これに加えて、
その他の任意成分として、医薬上許容可能な安定剤、コ
ーティング剤、懸濁化剤、乳化剤、溶解補助剤、保存
剤、緩衝剤、甘味剤なども存在させ得る。これらの添加
剤としては、公知のものを適宜組み合わせて使用し得
る。
【0011】本発明の抗癌剤は主として経口投与される
が、これに限定されるものではなく、経管投与も可能で
ある。成人1日当りの投与量は投与方法及び病状等によ
って異なる。主たる投与方法である経口投与の場合は、
体重1kg・1日当り0.1〜100mgが通常の投与
量である。
が、これに限定されるものではなく、経管投与も可能で
ある。成人1日当りの投与量は投与方法及び病状等によ
って異なる。主たる投与方法である経口投与の場合は、
体重1kg・1日当り0.1〜100mgが通常の投与
量である。
【0012】(実施例)以下の実施例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はその実施例に限定さ
れるものではない。
さらに詳細に説明するが、本発明はその実施例に限定さ
れるものではない。
【0013】(コノフォリンの分離精製)タベルネモン
タナ・ディバリカータの葉の乾燥物1kgをグラインダ
ーで粉砕したのち、室温にて95%エタノールで色が出
なくなるまで繰り返し抽出した。抽出液をまとめ、減圧
下で溶媒留去し抽出物を得た。この抽出物に5%塩酸を
過剰量加えて、抽出物中のアルカロイドを溶解させ、不
溶部の非塩基性物質をフィルターにて除去した。このア
ルカロイド溶液に濃アンモニア液(約pH10)を添加
して溶液を塩基性にしたのち、クロロホルムを加えて分
配を行った。クロロホルム層を回収し、これを減圧下で
溶媒留去し粗アルカロイド混合物を得た。つぎにこの粗
アルカロイド混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにかけた。溶出溶媒としてクロロホルムにメタノー
ルを段階的に加えた混合溶媒を用い、極性を徐々に上げ
てゆき78画分を得た。似た組成の画分をそれぞれまと
め、合計16画分とした。このうちコノフォリンを含む
第13画分を減圧下で溶媒留去し粗コノフォリン画分
(0.52g)を得た。これを再びシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム混合溶
媒)にかけ精製したのち、2回連続して遠心クロマトグ
ラフィー(1回目:吸着剤;シリカゲル、溶出溶媒;ジ
エチルエーテル:酢酸エチル=5:1、2回目:吸着
剤;シリカゲル、溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)を行い、コノフォリン(45mg)を得た。
タナ・ディバリカータの葉の乾燥物1kgをグラインダ
ーで粉砕したのち、室温にて95%エタノールで色が出
なくなるまで繰り返し抽出した。抽出液をまとめ、減圧
下で溶媒留去し抽出物を得た。この抽出物に5%塩酸を
過剰量加えて、抽出物中のアルカロイドを溶解させ、不
溶部の非塩基性物質をフィルターにて除去した。このア
ルカロイド溶液に濃アンモニア液(約pH10)を添加
して溶液を塩基性にしたのち、クロロホルムを加えて分
配を行った。クロロホルム層を回収し、これを減圧下で
溶媒留去し粗アルカロイド混合物を得た。つぎにこの粗
アルカロイド混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーにかけた。溶出溶媒としてクロロホルムにメタノー
ルを段階的に加えた混合溶媒を用い、極性を徐々に上げ
てゆき78画分を得た。似た組成の画分をそれぞれまと
め、合計16画分とした。このうちコノフォリンを含む
第13画分を減圧下で溶媒留去し粗コノフォリン画分
(0.52g)を得た。これを再びシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム混合溶
媒)にかけ精製したのち、2回連続して遠心クロマトグ
ラフィー(1回目:吸着剤;シリカゲル、溶出溶媒;ジ
エチルエーテル:酢酸エチル=5:1、2回目:吸着
剤;シリカゲル、溶出溶媒;ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)を行い、コノフォリン(45mg)を得た。
【0014】(コノフォリンの物理化学的性質)シリカ
ゲルTLC(商品名:Merck 5715、メルク社
製)上で、展開系;ヘキサン:酢酸エチル=2:1およ
び3%メタノール−クロロホルム溶液において、コノフ
ォリンのRf値は、それぞれ0.30および0.60で
あった。コノフォリンのFABマススペクトルおよびU
Vスペクトルの測定結果は以下の通りであった。
ゲルTLC(商品名:Merck 5715、メルク社
製)上で、展開系;ヘキサン:酢酸エチル=2:1およ
び3%メタノール−クロロホルム溶液において、コノフ
ォリンのRf値は、それぞれ0.30および0.60で
あった。コノフォリンのFABマススペクトルおよびU
Vスペクトルの測定結果は以下の通りであった。
【0015】 [α]D = −97o (CHCl3,c 0.725) FABMS(glycerol), m/z 737.33 [MH+],(C
43H52N4O7+H) UV(EtOH),λmax(log ε) 205(3.16),23
0(3.68),313(3.76)and 339(3.84)
43H52N4O7+H) UV(EtOH),λmax(log ε) 205(3.16),23
0(3.68),313(3.76)and 339(3.84)
【0016】また、1H−NMRおよび13C-NMRスペ
クトルの測定結果は、表1および表2に示す通りであっ
た。
クトルの測定結果は、表1および表2に示す通りであっ
た。
【0017】
【表1】 a CDCl3, 270 MHz; assignments based on COSY, HETCOR and HMBC.
【0018】
【表2】 a CDCl3, 270 MHz; assignments based on COSY, HETCOR and HMBC.
【0019】これらの物理化学的性質、FABマススペ
クトル、UVスペクトルおよびNMRスペクトルより、
精製物は下記化学式(1)で表されるコノフォリンであ
ることが判明した。
クトル、UVスペクトルおよびNMRスペクトルより、
精製物は下記化学式(1)で表されるコノフォリンであ
ることが判明した。
【化1】
【0020】(抗腫瘍活性の測定1)マウス悪性黒色腫
B−16細胞(イーグル最少必須培地に10%牛胎児血清
添加)を96ウェル平底マイクロプレートに蒔き (4×
103 cells/200μl/well)、1日培養した。各種
濃度のコノフォリンを各ウェルに添加し、3日間培養し
た。培養後、細胞をギムザ液で染色し、形態変化を顕微
鏡で観察した結果、コノフォリンは、25.0μg/m
lの濃度で殺細胞活性を示した。
B−16細胞(イーグル最少必須培地に10%牛胎児血清
添加)を96ウェル平底マイクロプレートに蒔き (4×
103 cells/200μl/well)、1日培養した。各種
濃度のコノフォリンを各ウェルに添加し、3日間培養し
た。培養後、細胞をギムザ液で染色し、形態変化を顕微
鏡で観察した結果、コノフォリンは、25.0μg/m
lの濃度で殺細胞活性を示した。
【0021】(抗腫瘍活性の測定2)ヒト白血病細胞で
あるHL−60細胞(RPMI1640培地に10%牛
胎児血清添加)を96ウェル平底マイクロプレートに蒔
き(8×103 cells/200μl/well)、各種濃度の
コノフォリンを各ウェルに添加し、2〜3日間培養し
た。培養後、細胞をギムザ液で染色し、形態変化を顕微
鏡で観察した結果、コノフォリンは、1.56μg/m
lの濃度で殺細胞活性を示した。
あるHL−60細胞(RPMI1640培地に10%牛
胎児血清添加)を96ウェル平底マイクロプレートに蒔
き(8×103 cells/200μl/well)、各種濃度の
コノフォリンを各ウェルに添加し、2〜3日間培養し
た。培養後、細胞をギムザ液で染色し、形態変化を顕微
鏡で観察した結果、コノフォリンは、1.56μg/m
lの濃度で殺細胞活性を示した。
【0022】(薬剤耐性克服活性の測定)アドリアマイ
シン耐性のP388マウス白血病細胞(RPMI−16
40培地に10%牛胎児血清添加)を96ウェル丸底マ
イクロプレートに蒔き(4×103cells/200μl/
well)、アドリアマイシン(10μg/ml)を5μl
/well添加した。翌日、サンプル液を添加してさらに3
日間培養後、MTTアッセイ(M.C.Alleyら、Cancer Re
seach,48, 586-601, 1988)を行い、細胞増殖抑制率
(%)を求めた。アドリアマイシン耐性なのでアドリア
マイシンが添加されていても細胞増殖抑制は起こらない
が、サンプルにアドリアマイシン耐性をはずす作用があ
れば細胞増殖抑制が起きる。コノフォリンをこの測定系
にかけた結果は表3に示す通りであった。
シン耐性のP388マウス白血病細胞(RPMI−16
40培地に10%牛胎児血清添加)を96ウェル丸底マ
イクロプレートに蒔き(4×103cells/200μl/
well)、アドリアマイシン(10μg/ml)を5μl
/well添加した。翌日、サンプル液を添加してさらに3
日間培養後、MTTアッセイ(M.C.Alleyら、Cancer Re
seach,48, 586-601, 1988)を行い、細胞増殖抑制率
(%)を求めた。アドリアマイシン耐性なのでアドリア
マイシンが添加されていても細胞増殖抑制は起こらない
が、サンプルにアドリアマイシン耐性をはずす作用があ
れば細胞増殖抑制が起きる。コノフォリンをこの測定系
にかけた結果は表3に示す通りであった。
【0023】
【表3】
【0024】(コノフォリンの急性毒性)マウスに対す
る静注毒性のLD50値は、以下のようであり、既存植物
アルカロイドに比べて毒性が低いことが確認された。 コノフォリン 19.4mg/ml 硫酸ビンクリスチン 2.5mg/ml 硫酸ビンデリン 9.1mg/ml 硫酸ビンブラスチン 15.2mg/ml
る静注毒性のLD50値は、以下のようであり、既存植物
アルカロイドに比べて毒性が低いことが確認された。 コノフォリン 19.4mg/ml 硫酸ビンクリスチン 2.5mg/ml 硫酸ビンデリン 9.1mg/ml 硫酸ビンブラスチン 15.2mg/ml
【0025】
【発明の効果】本発明の抗腫瘍剤は、上記の化学式
(1)で表される化合物を有効成分としている。化学式
(1)で表される化合物の優れた抗腫瘍活性および薬剤
耐性克服活性により、多剤耐性腫瘍を有効に治療でき
る。
(1)で表される化合物を有効成分としている。化学式
(1)で表される化合物の優れた抗腫瘍活性および薬剤
耐性克服活性により、多剤耐性腫瘍を有効に治療でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596054364 トォセオク カム TOH−SEOK KAM マレーシア国,ペタリングジャヤ,ダマン サラウタマ,ジャラン SS 21/21,3 (72)発明者 高橋 啓明 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 小谷野 喬 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 小宮山 寛機 東京都港区白金5丁目9番1号 北里研究 所内 (72)発明者 トォセオク カム マレーシア国,ペタリングジャヤ,ダマン サラウタマ,ジャラン SS 21/21,3 (72)発明者 アヌラダ シバグルナタン マレーシア国,59100 クアラルンプール レンバー パンタイ (番地なし), シ−/オー ユニヴェルシティ マラヤ
Claims (1)
- 【請求項1】 下記化学式(1)で表される化合物を有
効成分として含有する抗腫瘍剤。 【化1】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17599396A JPH107567A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 抗腫瘍剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17599396A JPH107567A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 抗腫瘍剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH107567A true JPH107567A (ja) | 1998-01-13 |
Family
ID=16005837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17599396A Pending JPH107567A (ja) | 1996-06-14 | 1996-06-14 | 抗腫瘍剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH107567A (ja) |
-
1996
- 1996-06-14 JP JP17599396A patent/JPH107567A/ja active Pending
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