JP3035846B2 - プロポリス由来のベンゾピラン誘導体の生理活性 - Google Patents

プロポリス由来のベンゾピラン誘導体の生理活性

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学式(I)で表
される2,2−ジメチル−8−(3−メチル−2−ブテ
ニル)ベンゾピラン−6−シス−プロペノイック酸の抗
腫瘍剤としての用途及び製造方法に関する。
【化2】
【0002】
【従来の技術】抗腫瘍剤は癌の治療に用いられ、化学療
法剤と免疫療法剤に大別される。化学療法剤として、ア
ルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、メルフェラ
ン、シクロフォスファミド)、抗癌性抗生物質(アドリ
アマイシン、ブレオマイシン、ネルカルチノスタチ
ン)、代謝拮抗剤(メトトレキセート、5−フルオロウ
ラシル、6−メルカプトプリン)、ホルモン剤(エスト
ロゲン、アンドロゲン、プロスチン)、植物由来物質
(ビンブラスチン、カンプトテシン、エトポシド)、酵
素(アスパラギナーゼ)、その他(プロカルパジン、ヒ
ドロキシウレア、シスプラチン)等が主に臨床上用いら
れている。しかし、化学療法剤は広範な癌に用いられ、
その効果が認められているものの、癌細胞だけを選択的
に攻撃し、正常細胞には毒性がなく、従って副作用がな
いという、真の制癌剤はいまだに開発されていない。そ
の結果、長期間投与に注意を要しなければならない。
【0003】最近、癌の治療効果を期待し、腫瘍細胞に
対する宿主の応答力を変化させる薬物、または治療法の
研究が提唱され、開発が始められている。この一種に免
疫賦活力作用がある免疫療法剤が含まれる。免疫療法剤
は、免疫力を昂進させ、免疫応答細胞に作用し、抗癌力
を発揮する。化学療法剤に比べ、免疫療法剤の副作用は
少ないが抗腫瘍効果は穏やかである。そのため補助的療
法剤として使用されている。
【0004】前記に示した通り、従来の抗腫瘍剤には問
題点も多い。それゆえ、抗腫瘍効果が高く、副作用が少
なく、免疫力を昂進する安全性の高い、安価な抗腫瘍剤
の開発が望まれる。
【0005】プロポリスは、ミツバチが採取した植物性
樹脂類と自らの分泌物とが混ぜ合わされて出来た膠状物
質である。古来より東欧諸国を中心に抗菌、抗炎症作用
等の薬理活性を示す民間療法剤として用いられている。
最近プロポリスは、健康補助食品として飲用されてい
る。その結果、抗腫瘍効果が認められ、抽出物より抗腫
瘍活性物質の単離、同定も行われている。(特開平5−
58943号、特開平5−271031号、特開平9−
143179号)
【0006】本発明も抗腫瘍活性を有する新規生理活性
物質を発見すべく、プロポリスより抽出精製を行い、抗
腫瘍活性を有する物質として化学式(I)で表される
2,2−ジメチル−8−(3−メチル−2−ブテニル)
ベンゾピラン−6−シス−プロペノイック酸を見出し
た。
【0007】本発明のベンゾピラン誘導体、2,2−ジ
メチル−8−(3−メチル−2−ブテニル)ベンゾピラ
ン−6−シス−プロペノイック酸の類似物質は、PHY
TOCHMISTRY,25(4),883−889,
1986及び,22(10),1969S4K文献で報
告され、既に多くの誘導体が知られている。しかし、本
発明のベンゾピラン誘導体、2,2−ジメチル−8−
(3−メチル−2−ブテニル)ベンゾピラン−6−シス
−プロペノイック酸の生理活性は未だ知られておらず、
またそれが抗腫瘍活性を有することは当然のことながら
新規な知見である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ベンゾピラ
ン誘導体、2,2−ジメチル−8−(3−メチル−2−
ブテニル)ベンゾピラン−6−シス−プロペノイック酸
を提供し、それを主成分とする抗腫瘍剤を提供すること
を目的とする。さらにベンゾピラン誘導体、2,2−ジ
メチル−8−(3−メチル−2−ブテニル)ベンゾピラ
ン−6−シス−プロペノイック酸の新規な製造方法を提
供し、可視光下の光反応により生成する光異性体物質で
あることを証明することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のベンゾピラン誘
導体、2,2−ジメチル−8−(3−メチル−2−ブテ
ニル)ベンゾピラン−6−シス−プロペノイック酸は化
学式(I)で表される。
【化3】
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、ベンゾピラン誘導体、
2,2−ジメチル−8−(3−メチル−2−ブテニル)
ベンゾピラン−6−シス−プロペノイック酸及びその塩
を有効成分として含有してなる抗腫瘍剤として用いられ
る。塩としては薬学上許容される塩類が含まれる。
【0011】また本発明は、(1)プロポリスをミキサ
ーで粉砕し、メタノール抽出を行い、メタノール懸濁液
の不純物を除去し、プロポリスのメタノール抽出液を
得、次いで得られたメタノール抽出液の溶媒を減圧下濃
縮し、プロポリスのメタノール抽出物とする工程、
(2)前記メタノール抽出物をシリカゲルカラムによる
吸着系カラムにかけ、100%塩化メチルから、塩化メ
チルとメタノール(95%:5%v/v)の混合液、次
に塩化メチルとメタノール(90%:10%v/v)の
混合液での濃度勾配による傾斜溶離を行い、各分画を分
取する工程、(3)前記塩化メチル濃度100%〜95
%画分、展開溶媒塩化メチルとメタノール(95%:5
%v/v)の溶出区分(Rf値0.3)を集め、その溶
媒を減圧下濃縮、次いで得られた残渣を、メタノールと
蒸留水(50%:50%v/v)の混合液に溶解し、得
られた溶液をODS系カラムによる液体クマトグラフィ
ーにかけ、アセトニトリルと50mMアンモニウムフォ
ルメイト(52%:48%v/v)の混合液で溶出し、
主画分を分取する工程、(4)前記主画分の溶液をその
まま波長366nmトランスイルミネーターで10分間
紫外線照射し、光異性体画分を得る工程、(5)前記画
分の溶液の溶媒アセトニトリル分を遮光しながら減圧下
留去し、次いで得られた残渣を50%v/vメタノール
溶液とし、ODS系カラムによる液体クロマトグラフィ
ーにかけ、アセトニトリルと50mMアンモニウムフォ
ルメイト(50%:50%v/v)の混合液で溶出し、
遮光しながら光異性体画分を各々分取する工程、(6)
前記各画分の溶液の溶媒アセトニトリル分を遮光しなが
ら減圧下留去し、100%塩化メチルを加えて分液し、
有機溶媒層を得、それを3回繰り返し、集めた有機溶媒
層を遮光しながを減圧下濃縮し、化学式(I)で表され
るベンゾピラン誘導体を得る工程よりなる。プロポリス
からベンゾピラン誘導体を抽出・精製する製造方法でも
ある。
【0012】工程(2)で使用するシリカゲルは市販の
ものである。特に本願にはシリカゲル75〜150μm
(関東化学社製)が好ましい。
【0013】工程(3)及び工程(5)で使用するカラ
ムは高速液体クロマトグラフィー用であり、逆相系カラ
ムとしては市販のODS系シリカゲルカラムが使用可能
であり、特に本願にはアセトニトリルで平衡化した5−
ODS−Hカラム(ケムコボンド)が好ましい。
【0014】本発明のベンゾピラン誘導体、2,2−ジ
メチル−8−(3−メチル−2−ブテニル)ベンゾピラ
ン−6−シス−プロペノイック酸は、実施例に示すよう
に腫瘍細胞に対して抗腫瘍細胞作用を有するので、様々
な態様で投与することにより極めて有効な抗腫瘍細胞効
果を示すと考えられる。本化合物を投与するための方法
は非経口投与、または経口投与が考えられ、投与される
組成物には治療上有効量の本化合物と薬学上許容される
希釈剤、安定剤、賦形剤等が含有される。投与形態とし
ては、静脈内注射、皮下注射、筋肉注射、座薬、軟膏等
の非経口投与法、錠剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤等に
よる経口投与法が挙げられる。
【0015】現時点では本ベンゾピラン誘導体、2,2
−ジメチル−8−(3−メチル−2−ブテニル)ベンゾ
ピラン−6−シス−プロペノイック酸をヒトに投与した
場合の安全性は不明である。しかし、プロポリスそのも
の10〜15g/kgをイヌ、ラットおよびモルモット
に数ヶ月間経口投与しても毒性は見られなかった(PR
OPOLIS:2ND ed.,Y.DONADIE
U,1983)ことより、ベンゾピラン誘導体をヒトに
投与しても安全性は高いと考えられる。
【0016】また前述の如くプロポリス抽出物質には抗
炎症、抗潰瘍、抗腫瘍、マクロファージ活性化、癌転移
抑制、活性酸素の消去、ウィルス増殖抑制、育毛等の様
々な作用を有することが報告されており(特開平5−2
71031号、特開平5−316968号等)、プロポ
リスより抽出された本発明のベンゾピラン誘導体、2,
2−ジメチル−8−(3−メチル−2−ブテニル)ベン
ゾピラン−6−シス−プロペノイック酸にもそれらの作
用が期待できる。
【0017】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細
に説明する。なお、下記実施例は単に説明のためのもの
であり、本発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0018】実施例1 プロポリスよりベンゾピラン誘
導体の抽出 プロポリスから2,2−ジメチル−8−(3−メチル−
2−ブテニル)ベンゾピラン−6−シス−プロペノイッ
ク酸の精製は、次の[ステップ 1]〜[ステップ
5]を通して実施した。 [ステップ 1]プロポリス250gをミキサーで粉砕
し、99.5%メタノール1500mLと混合し、約1
ヶ月間室温下においた。得られた懸濁液を減圧濾過して
プロポリスのメタノール抽出液を得た。次いで得られた
メタノール抽出液の溶媒を減圧下留去した。
【0019】[ステップ 2]ステップ 1で得られた
残渣約1gをメタノール溶液とし、シリカゲル100g
に吸い込ませた後、カラム容量の3倍量の100%塩化
メチル300mLを流し、塩化メチルとメタノール(9
5%:5%v/v)の混合液、次に塩化メチルとメタノ
ール(90%:10%v/v)の混合液での濃度勾配に
よる傾斜溶離を行い、薄層版にスポットし、塩化メチル
とメタノール(97%.3%v/v)の展開溶媒で展開
し、Rf値0.3の溶出区分を集めた。
【0020】[ステップ 3]ステップ 2で得られた
画分の溶媒を減圧下留去し、残渣約20mgを得た。次
いで得られた残渣を50%メタノール溶液とし、得られ
た溶液をアセトニトリルで平衡化した高速液体クロマト
グラフィー用ODS系シリカゲルカラム、5−ODS−
H カラム(ケムコボンド)に注入し、主画分を分取し
た。
【0021】[ステップ 4]ステップ 3で得られた
画分を溶媒とともにそのまま波長366nmトランスイ
ルミネーターで10分間紫外線照射し、この溶液の溶媒
アセトニトリル分を遮光しながら減圧下留去した。
【0022】[ステップ 5]ステップ 4で得られた
残渣溶液を50%メタノール溶液とし、得られた溶液を
アセトニトリルで平衡化した高速液体クロマトグラフィ
ー用ODS系シリカゲルカラム、5−ODS−Hカラム
(ケムコボンド)に注入し、遮光しながら光異性体画分
を各々分取した。
【0023】[ステップ 6]ステップ 5で得られた
各溶液のアセトニトリル分を遮光しながら減圧下留去
し、塩化メチルを加えて分液し、有機溶媒層を得た。そ
れを3回繰り返した。集めた有機溶媒層を遮光しながら
減圧下留去し、残渣約1.1mgを得た。この残渣の理
化学的性質により、それが2,2−ジメチル−8−(3
−メチル−2−ブテニル)ベンゾピラン−6−シス−プ
ロペノイック酸であることを確認した。
【0024】実施例2 ベンゾピラン誘導体の理化学的
性質 2−1 光定常反応 本ベンゾピラン誘導体と光異性体物質(特開平9−14
3179号)は、可視光下において光異性化を起こす。
実際、366nmトランスイルミネーターのUV照射に
より、反応が完全に平衡に達することを確認し、UV、
マススペクトル、NMR測定等において、光平衡と一致
した。本ベンゾピラン誘導体は、遮光下では安定であ
る。 2−2 溶解性 本ベンゾピラン誘導体は、水に不溶、メタノール、エタ
ノール、アセトニトリル、クロロホルム、酢酸エチルに
可溶である。
【0025】2−3 マススペクトル 装置: API165 Perkin E1mer イオン化法:ESI 297.3 ([M−H]) 結果を図1に示す。
【0026】2−4 マススペクトル 装置:JEOL JMS−AX505HA イオン化法: EI m/z [M] (70eV) 結果を図2に示す。
【0027】2−5 フォトダイオードアレー(UV
測定) 装置:JASCO MD−910 結果を図3に示す。
【0028】2−6 H−NMRスペクトル(500
MHz) 装置:JEOL ALPHA−500 サンプル:1.1mg/0.55mL CDCL 内部標準:TMS 結果を図4に示す。また各ピークの帰属を下表に示す。
【0029】
【表1】
【0030】2−7 13C−NMR スペクトル(1
25.65MHz) 装置:JEOL ALPHA−500 サンプル:1.1mg/0.55mL CDCL 内部標準:TMS 結果を図5に示す。また各ピークの帰属を下表に示す。
【0031】
【表2】
【0032】2−8 二次元NMRスペクトル NOE
SY (H−NMR 500MHz、13C−NMR
125.65MHz) 装置:JEOL ALPHA−500 サンプル:1.1mg/0.55mL CDCL 内部標準:TMS 結果を図6に示す。
【0033】2−9 二次元NMRスペクトル HMB
C (H−NMR 500MHz、13C−NMR
125.65MHz) 装置:JEOL ALPHA−500 サンプル:1.1mg/0.55mL CDCL 内部標準:TMS 結果を図7に示す。
【0034】2−10 HPLC 装置:Toso−Tokyo CCPS (1) カラム:5−ODS−H 10×150(W)
C/N H7A55 溶媒:アセトニトリル/50mMアンモニウムフォルメ
イト アイソクラテック:50%アセトニトリル 流速:3mL/分 保持時間:20分 検出器:UV 波長:254nm (2) カラム:5−ODS−H 10×150(W)
C/N H7A55 溶媒:アセトニトリル/50mMアンモニウムフォルメ
イト アイソクラテック:52%アセトニトリル 流速:3mL/分 保持時間:20分 検出器:UV 波長:254nm〜370nm 上記(1)〜(2)の条件でそれぞれ示した保持時間に
本ベンゾピラン誘導体は単一のピークを示した。
【0035】2−11 フォトダイオードアレー(UV
測定) 装置:JASCO MD−910 カラム:S−C18 250mm×4.6φ 溶媒:アセトニトリル/50mMアンモニウムフォルメ
イト グラジェント:40%〜60%アセトニトリル 流速:1mL/分 保持時間:20分 検出器:UV 波長:254nm
【0036】これらのデーター解析により本発明のベン
ゾピラン誘導体は化学式(1)で示される2,2−ジメ
チル−8−(3−メチル−2−ブテニル)ベンゾピラン
−6−シス−プロペノイック酸(分子式:C1922
、分子量:298.3)と同定した。
【0037】実施例3 培養腫瘍細胞に対する抗腫瘍細
胞作用 実施例1で得られた本ベンゾピラン誘導体を被験物質と
して用いて、以下のようにして腫瘍細胞の細胞増殖阻害
を指標とした細胞毒性試験を行った。対数増殖期にある
トリプシン処理したヒト肺癌培養細胞(HLC−2株)
を1×10個/mLに調製し、96穴マイクロプレー
トの各ウェルに0.05mLずつ播種し、一晩前培養し
た。培養液には10%ウシ胎児血清、及び抗生物質を加
えたL−グルタミン酸を含むMEM−α培地(ギブコ)
を用いた。被験物質を同培養液で遮光しながら適宜各濃
度に希釈し、0.05mLずつ同ウェルに添加し、全量
を0.1mLにした。
【0038】当該プレートを炭酸ガスインキュベーター
内で37℃、72時間培養後、細胞増殖測定キット(C
ell Counting Kit、ドータイト)を用
いて、遮光しながら同呈色試薬を各々0.01mL添加
し、37℃炭酸ガスインキュベーター内で1〜2時間呈
色反応した。次いでマイクロプレートリーダーにより、
波長450nmで吸光度測定を行った。無処理細胞と既
知濃度の被験物質で処理した細胞との吸光度を比較して
細胞の増殖阻止率を次式に従って算出した。
【0039】
【数1】
【0040】得られた増殖阻止率から、細胞の増殖を5
0%阻害する被験物質濃度(IC50)を算出した。結
果を表3に示す。表3から明らかなように本ベンゾピラ
ン誘導体は腫瘍細胞に対し、優れた増殖阻止作用を示し
た。
【0041】
【表3】
【0042】本発明のベンゾピラン誘導体、2,2−ジ
メチル−8−(3−メチル−2−ブテニル)ベンゾピラ
ン−6−シス−プロペノイック酸は、抗腫瘍活性を示
し、抗腫瘍剤として使用できる。また安全性が高く副作
用の少ない抗腫瘍剤として期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本ベンゾピラン誘導体の液体クロマトグラフィ
ー/質量分析法、イオン化法(ESI)の結果の図であ
る。
【図2】本ベンゾピラン誘導体のガスクロマトグラフィ
ー/質量分析法、イオン化法(EI、m/z)の結果の
図である。
【図3】本ベンゾピラン誘導体のフオトダイオードアレ
ー(UV測定)の結果の図である。
【符号の説明】
1 本ベンゾピラン誘導体の吸光度 2 光異性体物質の吸光度
【図4】本ベンゾピラン誘導体のH−NMR スペク
トル(500MHz)の結果の図である。
【図5】本ベンゾピラン誘導体の13C−NMR スペ
クトル(125.65MHz)の結果の図である。
【図6】本ベンゾピラン誘導体の二次元NMRスペクト
ル NOESY (H−NMR500MHz、13
−NMR 125.65MHz)の結果の図である。
【図7】本ベンゾピラン誘導体の二次元NMRスペクト
ル HMBC (H−NMR500MHz、13C−
NMR 125.65MHz)の結果の部分図である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 31/00 - 31/352 C07D 311/00 - 311/58 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(I)で表されるベンゾピラン誘
    導体及びその塩を有効成分として含有してなる医薬品 【化1】
  2. 【請求項2】 化学式(I)で表されるベンゾピラン誘
    導体及びその塩を有効成分として含有してなる抗腫瘍剤
  3. 【請求項3】 次の工程を経て、プロポリスから化学式
    (I)で表されるベンゾピラン誘導体を抽出・精製する
    製造方法(1)プロポリスをミキサーで粉砕し、メタノ
    ール抽出を行い、メタノール懸濁液の不純物を除去し、
    プロポリスのメタノール抽出液を得、次いで得られたメ
    タノール抽出液の溶媒を減圧下濃縮し、プロポリスのメ
    タノール抽出物とする工程、(2)前記メタノール抽出
    物をシリカゲルカラムによる吸着系カラムにかけ100
    %塩化メチルから、塩化メチルとメタノール(95%:
    5%v/v)の混合液、次に塩化メチルとメタノール
    (90%:10%v/v)の混合液での濃度勾配による
    傾斜溶離を行い、各分画を分取する工程、(3)前記塩
    化メチル濃度100%〜95%画分、展開溶媒塩化メチ
    ルとメタノール(95%:5%v/v)の溶出区分(R
    f値0.3)を集め、その溶媒を減圧下濃縮し、次いで
    得られた残渣をメタノールと蒸留水(50%:50%v
    /v)の混合液に溶解し、得られた溶液をODS系カラ
    ムによる液体クロマトグラフィーにかけ、アセトニトリ
    ルと50mMアンモニウムフォルメイト(52%:48
    %v/v)の混合液で溶出し、主画分を分取する工程、
    (4)前記主画分の溶液をそのまま波長366nmトラ
    ンスイルミネーターで10分間紫外線照射し、光異性体
    画分を得る工程、(5)前記画分の溶液の溶媒アセトニ
    トリル分を遮光しながら減圧下留去し、次いで得られた
    残渣50%v/vメタノール溶液にし、ODS系カラム
    による液体クロマトトグラフィーにかけ、アセトニトリ
    ルと50mMアンモニウムフォルメイト(50%:50
    %v/v)の混合液で溶出し、遮光しながら光異性体画
    分を各々分取する工程、(6)前記各画分の各溶液の溶
    媒アセトニトリル分を遮光しながら減圧下留去し、10
    0%塩化メチルを加えて分液し、有機溶媒層を得、それ
    を3回繰り返し、集めた有機溶媒層を遮光しながら減圧
    下濃縮し、化学式(I)で表されるベンゾピラン誘導体
    を得る工程
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Z.Naturforch.,C:Biosci.,Vol.52,No.9/10,p.676−679
日本薬学会第118年会、講演番号31[XP]15−52、(平成10年3月31日)

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