JPH1075008A - 窒化物半導体レーザ素子 - Google Patents

窒化物半導体レーザ素子

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JPH1075008A
JPH1075008A JP22916196A JP22916196A JPH1075008A JP H1075008 A JPH1075008 A JP H1075008A JP 22916196 A JP22916196 A JP 22916196A JP 22916196 A JP22916196 A JP 22916196A JP H1075008 A JPH1075008 A JP H1075008A
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electrode
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nitride semiconductor
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JP22916196A
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Masayuki Senoo
雅之 妹尾
Shuji Nakamura
修二 中村
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Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ素子の閾値電圧を低下させ、レーザ素
子の発熱量を小さくして、室温での連続発振を目指す。 【構成】 同一面側にそれぞれ平面が露出されたp型窒
化物半導体層とn型窒化物半導体層とに、それぞれp電
極とn電極とが形成されてなる窒化物半導体レーザ素子
において、前記n電極はn型窒化物半導体層の平面のほ
ぼ全面に形成されていることにより、n電極から活性層
に至る電圧降下を少なくして、閾値電圧を低下させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化物半導体(ln
XAIYGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)よりな
るレーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外〜青色の領域に発光するレーザ素子
の材料として窒化物半導体が知られており、本出願人
は、最近この材料を用いてパルス電流において、室温で
の410nmのレーザ発振を発表した(例えば、Jpn.J.
Appl.Phys. Vol35 (1996) pp.L74-76)。発表したレー
ザ素子はいわゆる電極ストライプ型のレーザ素子であ
り、活性層を含む窒化物半導体層のストライプ幅を数十
μmにして、レーザ発振させたものである。このレーザ
素子は同一面側に正と負のストライプ状の電極がそれそ
れぞれ1個ずつ設けられており、例えば、特開平8−6
4867号公報に示されたレーザ素子とほぼ同一の形状
を有している。
【0003】レーザ素子、発光ダイオード素子のような
窒化物半導体デバイスのp電極及びn電極は、同一面側
にある窒化物半導体に形成される。それは、窒化物半導
体を成長させるGaNバルク結晶が未だ開発されていな
いからである。従って、窒化物半導体成長は、サファイ
ア、SiC、ZnO、スピネル(MgAl24)のよう
な異種材料よりなる基板を用いたヘテロエピタキシャル
成長が主流であり、現在実用化されている窒化物半導体
LEDは、サファイア基板が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】同一面側から電極を取
り出す構造で、窒化物半導体レーザ素子を実現した場
合、n電極から活性層に電子が到達するまでのn型コン
タクト層による電圧降下が大きいため、発振閾値電圧が
高くなる。閾値電圧が高くなると、当然発振時のVf
(順方向電圧)が高くなり、素子自体の発熱量が大きく
なって寿命が極端に悪くなり、連続発振を妨げている。
【0005】連続発振で短波長のレーザ素子が実現され
ると、既に実用化されているCD、CD−ROM、また
実用化直前にあるDVD等の記憶媒体の容量を飛躍的に
高めることができるため、その早期実現が望まれてい
る。そのためには、まずレーザ素子の閾値電圧を低下さ
せる必要がある。
【0006】従って、本発明はこのような事情を鑑みて
成されたものであって、その目的とするところは、窒化
物半導体よりなるレーザ素子の閾値電圧を低下させ、レ
ーザ素子の発熱量を小さくして、室温での連続発振を目
指すことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】我々は、n型窒化物半導
体層(以下、n型層という。)の平面に設けたn電極の
面積を大きくすることにより、n型層での電圧降下を抑
えて、n型層での電極との接触抵抗を下げることによ
り、発振閾値電圧が低下することを見出し本発明を成す
に至った。即ち、本発明のレーザ素子は、同一面側に平
面が露出されたp型窒化物半導体層(以下、p型層とい
う。)とn型層とに、それぞれp電極とn電極とが形成
されてなる窒化物半導体レーザ素子において、前記n電
極はn型層の平面のほぼ全面に形成されていることを特
徴とする。
【0008】さらに、本発明のレーザ素子は、n電極が
p電極に対して左右対称に設けられていることを特徴と
する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るレーザ素子の
一構造を示す模式的な断面図であり、図2は図1のレー
ザ素子の形状を示す斜視図である。図1はレーザ光の共
振方向、つまり、互いに平行に配置されたストライプ状
のp電極及びn電極に垂直な方向で、素子を切断した際
の断面図を示している。素子自体の基本的な構造として
は、基板1の上に、n型コンタクト層2、n型光閉じ込
め層3、n型光ガイド層4等のn型層と、活性層5と、
p型光ガイド層6、p型光閉じ込め層7、p型コンタク
ト層8等のp型層が順に積層されたダブルへテロ構造を
有する。
【0010】n電極21は、エッチングにより平面が露
出されたn型コンタクト層2のほぼ全面に形成されてお
り、活性層より発するレーザ光の共振方向に平行な方向
で、ストライプ状の形状を有している。なお、”ほぼ全
面”とは、80%以上のn型コンタクト層2の平面面積
を指す。
【0011】本発明のレーザ素子では、p型コンタクト
層8より下の窒化物半導体層がストライプ状にエッチン
グされてn型コンタクト層2が露出されており、その露
出されたn型コンタクト2にはストライプ状のn電極2
1が設けられている。一方、最上層のp型コンタクト層
8には同じくストライプ状のp電極31が設けられてお
り、n電極21は、p電極31に対して左右対称に2ヶ
所設けられている。このように、ストライプ状のn電極
をp電極に対して左右対称に設けることにより、活性層
に係る電流の偏りをなくすことができるため、レーザ素
子の閾値電圧を低下できる。
【0012】図1および図2において、40は例えばS
iO2、TiO2、Al23、ポリイミド等の透明な絶縁
体よりなる保護膜である。この保護膜40を、nパッド
電極22が形成されるべきn電極21の平面を除き、及
びp電極31の平面を除いて、エッチングにより露出さ
れた窒化物半導体層の表面と、n電極21の表面とに渡
って形成することにより、電極間のショートを防止する
と共に、製造工程中に窒化物半導体層に傷が入ることに
より発生する歩留まり低下を防止できる。
【0013】また本発明のレーザ素子では、エッチング
により露出されたストライプ状の窒化物半導体層の端面
と、その端面のすぐ横にあるn電極21との距離も重要
である。この距離は0.1μm以上、50μm以下、好
ましくは20μm以下、最も好ましくは10μm以下に
調整し、n電極21をできるだけエッチング端面に近づ
けることが望ましい。その距離が0.1μmよりも短い
と、n電極が活性層、p層に接触しやすくなり、素子の
信頼性が低下する傾向にあり、50μmよりも長いと、
閾値電圧の低下が少ない傾向にある。
【0014】一方、p電極31はストライプ状のp型コ
ンタクト層8の表面のほぼ全面に形成されており、この
p電極31のストライプに位置に対応した活性層よりレ
ーザ光が発せられる。さらにこのレーザ素子では、活性
層よりも上にあるp型層(好ましくは、p型光閉じ込め
層7、p型コンタクト層8)をリッジ形状としているこ
とにより、このリッジの下部に相当する活性層に光を集
中させ、横モードの光が安定化されてレーザ素子の閾値
電流が低下する。p型コンタクト層8のストライプ幅、
即ち、リッジ部分のストライプ幅は10μm以下、さら
に好ましくは8μm以下、最も好ましくは6μm以下に
調整することが望ましい。一方、リッジとn型コンタク
ト層との間にあるエッチングにより端面が露出された窒
化物半導体層のストライプ幅は、150μm以下、好ま
しくは100μm以下、最も好ましくは50μm以下で
あることが望ましい。150μmよりも大きいと閾値電
圧が上昇しやすい傾向にある。下限値は活性層よりも上
にあるリッジのストライプ幅よりも大きくすることは言
うまでもない。
【0015】また本発明のレーザ素子ではn電極21の
上にnパッド電極22、p電極31の上にpパッド電極
32を形成している。これらのパッド電極は、n電極2
1及びp電極31の上に直接ワイヤーボンディングする
ことによる電極のはがれを防止している。さらにpパッ
ド電極32はp電極31のストライプ幅がせまく、直接
ワイヤーボンディングするのを困難にしているのを容易
にする作用がある。さらに本発明のレーザ素子では、n
パッド電極22、及びpパッド電極32を、部分的に形
成せずに、ストライプ状のn電極21、p電極31のス
トライプに沿って形成している。このようにパッド電極
の面積を大きくすることでも、閾値電圧の低下には有効
である。
【0016】また、サファイア、スピネルのような絶縁
性の基板を用いて同一面側から2種類の電極を取り出し
た構造のレーザ素子では、ヒートシンク、サブマウント
等の支持体にボンディングする場合、電極と支持体とが
向かい会って、電極をダイレクトにボンディングするフ
ェースダウンボンディングと、基板と支持体とが向かい
合って、電極をワイヤーボンディングするフェースアッ
プボンディングと、2種類のボンディング形態がある
が、窒化物半導体の場合、フェースアップボンディング
の方が、基板面全体がヒートシンクに接しているため、
ヒートシンクへの接触面積が大きくなり、放熱性が向上
し、素子寿命が長くなる傾向にある。またフェースアッ
プボンディングの方が電極間ショートが少なくなり、素
子の信頼性も向上する。
【0017】
【実施例】以下、図1および図2を元にして、MOVP
E法により本発明のレーザ素子を作製する方法を述べ
る。
【0018】サファイア(C面)よりなる基板1を反応
容器内にセットし、容器内を水素で十分置換した後、水
素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇さ
せ、基板のクリーニングを行う。基板1にはサファイア
C面の他、R面、A面を主面とするサファイア、その
他、スピネル(MgA124)のような絶縁性の基板を
用いた場合、得られるレーザ素子は同一面側にn電極
と、p電極が形成された構造となるが、絶縁性基板の
他、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、Zn
O、GaAs、GaN等の半導体基板を用い、同一面側
にある窒化物半導体層にn電極と、p電極を設ける構造
とすることもできる。
【0019】続いて、温度を510℃まで下げ、キャリ
アガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメ
チルガリウム)とを用い、基板1上にGaNよりなるバ
ッファ層(図示せず。)を約200オングストロームの
膜厚で成長させる。バッファ層はAlN、GaN、Al
GaN等が900℃以下の温度で、膜厚数十オングスト
ロームから数百オングストロームの膜厚で成長できる。
このバッファ層は、基板と窒化物半導体との格子状数不
整を緩和するために形成されるが、窒化物半導体と格子
整合した基板、格子状数の近い基板等を使用する際、ま
た窒化物半導体の成長方法等によっては省略することも
可能である。
【0020】バッファ層成長後、TMGのみ止めて、温
度を1030℃まで上昇させる。1030℃になった
ら、同じく原料ガスにTMG、アンモニア、ドーパント
ガスにシランガスを用い、Siドープn型GaNよりな
るn型コンタクト層2を4μm成長させる。n型コンタ
クト層2は、n電極を形成して電子を注入する層であ
り、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦
1)で構成することができ、特にGaN、AlGaN、
その中でもSiをドープしたGaNで構成することによ
り、キャリア濃度の高い層が得られ、またn電極と好ま
しいオーミック接触が得られるので、LDの閾値電流を
低下させることができる。n電極の材料としてはA1、
Ti、W、Cu、Zn、Sn、ln等の金属、若しくは
合金が好ましいオーミック接触が得られる。n型コンタ
クト層2の膜厚は特に規定するものではないが、0.5
μm〜5μm程度で成長させることが望ましい。
【0021】次に、温度を800℃にして、原料ガスに
TMG、TM1(トリメチルインジウム)、アンモニ
ア、不純物ガスにシランガスを用い、Siドープln0.
1Ga0.9Nよりなるクラック防止層(図示せず。)を5
00オングストロームの膜厚で成長させる。クラック防
止層は、特に図示していないが、lnを含むn型の窒化
物半導体、好ましくはlnGaNで成長させることによ
り、次に成長させるn型クラッド層としての光閉じ込め
層3を厚膜で成長させることが可能となり、非常に好ま
しい。LDの場合は光閉じ込め層となる層を、例えば
0.1μm以上の膜厚で成長させる必要がある。従来で
はGaN、AIGaN層の上に直接、厚膜のAIGaN
を成長させると、後から成長させたAIGaNにクラッ
クが入るので素子作製が困難であったが、クラック防止
層を成長させることにより、次に成長させる光閉じ込め
層にクラックが入るのを防止することができる。なお、
このクラック防止層は100オングストーム以上、0.
5μm以下の膜厚で成長させることが好ましい。100
オングストロームよりも薄いと前記のようにクラック防
止として作用しにくく、0.5μmよりも厚いと、結晶
自体が黒変する傾向にある。なお、このクラック防止層
は成長方法、成長装置等の条件によっては省略すること
もできるが、LDを作製する上では成長させることが望
ましい。
【0022】次に温度を1050℃にして、原料ガスに
TMA(トリメチルアルミニウム)、TMG、アンモニ
ア、SiH4を用い、Siドープn型AI0.2Ga0.8N
よりなるn型光閉じ込め層3を0.5μmの膜厚で成長
させる。このn型光閉じ込め層はキャリア閉じ込め層、
及び光閉じ込め層としてのクラッド層として作用し、A
Iを含むn型の窒化物半導体、好ましくはAIGaN
を、0.1μm以上、2μm以下の膜厚で成長させるこ
とが望ましい。
【0023】続いて、Siドープn型GaNよりなるn
型光ガイド層4を0.2μmの膜厚で成長させる。この
n型光ガイド層4は、光ガイド層としてのクラッド層と
して作用し、GaN若しくはlnGaNを、50オング
ストローム以上、0.5μm以下の膜厚で成長させるこ
とが望ましい。
【0024】次に、原料ガスにTMG、TMI、アンモ
ニアを用いて活性層5を成長させる。活性層は温度を8
00℃に保持して、まずノンドープln0.2Ga0.8Nよ
りなる井戸層を25オングストロームの膜厚で成長させ
る。次にTMIのモル比を変化させるのみで同一温度
で、ノンドープln0.01Ga0.95Nよりなる障壁層を5
0オングストロームの膜厚で成長させる。この操作を2
回繰り返し、最後に井戸層を積層した多重量子井戸構造
の活性層を成長させる。活性層はlnを含む窒化物半導
体よりなる井戸層を含むように構成し、好ましくは三元
混晶のInGaNよりなる井戸層が望ましい。三元混晶
のlnGaNは四元混晶のものに比べて結晶性が良い物
が得られるので、発光出力が向上する。その中でも、特
に好ましくは活性層をInGaNよりなる井戸層と、井
戸層よりもバンドギャッブの大きい窒化物半導体よりな
る障壁層とを積層した多重量子井戸構造(MQW:Mult
i‐quantum-well)とする。障壁層も同様に三元混晶の
InX'Ga1-X'N(0≦X'<1、X’<X)が好ましく、
井戸+障壁+井戸+・・・十障壁+井戸(その逆でも
可)となるように積層してMQWを構成する。このよう
に活性層をlnGaNを積層したMQWとすると、量子
準位間発光で約365nm〜660nm間での高出力な
LDを実現することができる。さらに、井戸層の上にl
nGaNよりなる障壁層を積層すると、lnGaNより
なる障壁層はAIGaNに比べて結晶が柔らかい。その
ためクラッド層のAIGaNの厚さを厚くできるのでレ
ーザ発振が実現できる。さらに、lnGaNとAIGa
Nとでは結晶の成長温度が異なる。例えばMOVPE法
ではlnGaNは600℃〜800℃で成長させるのに
対して、AIGaNは900℃より高い温度で成長させ
る。従って、lnGaNよりなる井戸層を成長させた
後、AIGaNよりなる障壁層を成長させようとすれ
ば、成長温度を上げてやる必要がある。成長温度を上げ
ると、先に成長させたlnGaN井戸層が分解してしま
うので結晶性の良い井戸層を得ることは難しい。さらに
井戸層の膜厚は数十オングストロームしかなく、薄膜の
井戸層が分解するとMQWを作製するのが困難となる。
それに対し、障壁層もlnGaNとすると、井戸層と障
壁層が同一温度で成長できる。従って、先に形成した井
戸層が分解することがないので結晶性の良いMQWを形
成することができる。これはMQWの最も好ましい態様
を示したものであるが、他に井戸層をlnGaN、障壁
層をGaN、AIGaNのように井戸層よりも障壁層の
バンドギャップエネルギーを大きくすればどのような組
成でも良い。また活性層を単一の井戸層のみで構成した
単一量子井戸構造としても良い。このように、InGa
Nを井戸層とする量子井戸構造を実現することにより高
出力に発光する。この量子井戸構造においてはInGa
N井戸層において、In組成の不均一があり、In組成
のより大きいInGaNポテンシャル底が形成されてお
り、量子箱が形成されている可能性が大である。この場
合は量子箱レーザとして発振している。
【0025】次に温度を1050℃に上げ、TMG、T
MA、アンモニア、CP2Mg(シクロベンタジエニル
マグネシウム)を用い、活性層よりもバンドギャップエ
ネルギーが大きい、Mgドープp型AI0.1Ga0.9Nよ
りなるキャップ層(図示せず。)を300オングストロ
ームの膜厚で成長させる。このキャップ層は、本実施例
ではp型としたが、膜厚が薄いため、n型不純物をドー
プしてキャリアが補償されたi型としても良い。このキ
ャップ層は活性層に接してn型層側に形成しても良く、
際厚は0.1μm以下、さらに好ましくは0.05μm
(500オングストローム)以下、最も好ましくは30
0オングストローム以下に調整することが望ましい。な
お、n層側に形成する場合、その導電型はn型若しくは
i型にすることは言うまでもない。キャップ層を形成す
ることにより、レーザ素子の出力が格段に向上する。
【0026】続いて1050℃で、バンドギャッブエネ
ルギーがキャップ層よりも小さい、Mgドープp型Ga
Nよりなるp型光ガイド層6を0.2μmの膜厚で成長
させる。この層は、光ガイド層としてのp型クラッド層
として作用し、n型光ガイド層4と同じくGaN、ln
GaNを50オングストローム以上、0.5μm以下の
膜厚で成長させることが望ましい。また、この層はp型
光閉じ込め層7を成長させる際のバッファ層としても作
用する。
【0027】続いて1050℃で、バンドギャッブエネ
ルギーがp型光ガイド層6よりも大きい、Mgドープp
型AI0.2Ga0.8Nよりなるp型光閉じ込め層7を0.
5μmの膜厚で成長させる。この層はn型光閉じ込め層
4と同じく、キャリア閉じ込め層、及び光閉じ込め層と
してのクラッド層として作用し、AIを含む窒化物半導
体、好ましくはAIGaNを0.5μm以上、2μm以
下の膜厚で成長させることが望ましい。活性層5、キャ
ップ層、p型光ガイド層6、p型光閉じ込め層7につい
ての作用を次に述べる。
【0028】本実施例のLDでは、lnを含む窒化物半
導体よりなる活性層に接して、AIを含む窒化物半導体
よりなるp型キャップ層が設けられている。つまり活性
層5のバンドギャッブエネルギーよりも大きく、さらに
光ガイド層6よりも大きなバンドギャッブエネルギーを
有するキャップ層が、活性層に接して設けられている。
しかも、キャップ層の膜厚を薄く設定してあるため、キ
ャリアのバリアとして作用することはなく、n層から注
入された電子と、p層から注入された正孔とが、トンネ
ル効果によりキャップ層を通り抜けることができて、活
性層で効率よく再結合する。そして注入されたキャリア
は、キャップ層のバンドギャッブエネルギーが大きいた
め、半導体素子の温度が上昇しても、あるいは注入電流
密度が増えても、キャリアは活性層をオーバーフローせ
ず、キャップ層で阻止されるため、キャリアが活性層に
貯まり、効率よく発光することが可能となる。従って、
半導体素子が温度上昇しても発光効率が低下することが
少ないので、閾値電流、閾値電圧の低いLDを実現する
ことができる。これは、同様にn型層側についても言え
ることであり、活性層5と、n型光ガイド層4との間
に、活性層5、及びn型光ガイド層4のバンドギャッブ
エネルギーよりも大きい、n型若しくはi型の窒化物半
導体層を膜厚0.1μm以下、さらに好ましくは0.0
5μm(500オングストローム)以下、最も好ましく
は300オングストローム以下で形成することにより、
温度特性に優れたLD素子を実現できる。
【0029】最後に、1050℃でMgドープp型Ga
Nよりなるp型コンタクト層8を0.5μmの膜厚で成
長させる。p型コンタクト層8はp型InXAlYGa
1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)で構成することが
でき、特にlnGaN、GaN、その中でもMgをドー
プしたp型GaNとすると、最もキャリア濃度の高いp
型層が得られて、p電極と良好なオーミック接触が得ら
れ、閾値電流を低下させることができる。p電極の材料
としてはNi、Pd、lr、Rh、Pt、Ag、Au等
の比較的仕事関数の高い金属又は合金がオーミックが得
られやすい。
【0030】反応終了後、温度を室温まで下げ、再度反
応容器中、窒素雰囲気中で、700℃でウェーハのアニ
ーリングを行い、全てのp型層をさらに低抵抗化する。
【0031】図3〜図5は本実施例の一工程において得
られるウェーハの部分的な構造を示す模式断面図であ
り、図1と同じくストライプ状の電極に垂直な方向で素
子を切断した際の図を示している。以下の工程は、これ
らの図を元に説明する。
【0032】以上のようにして窒化物半導体を成長した
ウェーハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタ
クト層8の表面に所定の形状のマスクを形成し、RIE
(反応性イオンエッチング)装置にて、n型コンタクト
層2の平面が露出するまでエッチングを行う。このエッ
チングによりn型コンタクト層2より上部に積層されて
いる窒化物半導体層が50μmのストライプ幅を有する
ストライプ形状で露出される。
【0033】次に露出したn型コンタクト層2の全面
と、最上層のストライプ状のp型コンタクト層8の一部
にマスクを形成して、p型コンタクト層8及びp型光閉
じ込め層7を2μmのストライプ幅でエッチングして、
リッジ形状とする。これらのエッチング工程により、n
電極を形成すべきストライプ状のn型コンタクト層2の
平面と、p電極を形成すべき2μm幅のストライプ状の
p型コンタクト層が露出される。図3にウェーハの構造
を示す。
【0034】両コンタクト層を露出させた後、n型コン
タクト層2に所定の形状のマスクを形成して、n型コン
タクト層のほぼ全面にTiとAlとを含むn電極21
を、図4に示すように形成する。但し、n電極21と活
性層のある窒化物半導体層のエッチング端面との距離は
2μm残すものとする。一方、2μmのストライプ幅の
p型コンタクト層8の平面全面にもNiとAuを含むp
電極31を形成する。図4は電極形成後のウェーハの構
造を示す模式断面図である。なお、n電極21およびp
電極31がそれぞれのコンタクト層に占める面積は90
%以上ある。
【0035】電極形成後、図5に示すようにn電極21
の平面の一部を残し、エッチングにより露出された活性
層を含む窒化物半導体層の端面と、n型電極21の平面
に渡って、SiO2よりなる保護膜40をCVD法によ
り形成する。
【0036】保護膜40形成後、p、n両オーミック電
極上の保護膜40を部分的に除去してコンタクトホール
を形成し、AuとNiを含むnパッド電極22を保護膜
40を介してn電極21と電気的に接続するように形成
し、同じくp電極31と電気的に接続したAuとNiよ
りなるpパッド電極32を保護膜40の表面に渡って形
成する。パッド電極の形状は図2に示す通りである。
【0037】以上のようにして作製したウェーハをスト
ライプ状の電極に垂直な方向でバー状に切断し、切断面
を研磨して平行鏡を作成した後、平行鏡にSiO2とT
iO2よりなる誘電体多層膜を形成する。最後に電極に
平行な方向で、バーを切断してレーザチッブとした後、
チップをヒートシンクにダイボンドし、それぞれのパッ
ド電極にワイヤーボンディングして、常温でレーザ発振
を試みたところ、しきい値パルス電流100mAにおい
て、Vfは6Vであり、露出させたn型コンタクト層の
平面の50%にあたる面積でn電極を形成したものに比
較して、閾値における電圧が50%以上低下した。さら
に、このLDをパルス電流で発振させたところ、寿命は
前述の50%の面積を有するレーザ素子に比較して、お
よそ3倍に向上した。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、n電極をn型コン
タクト層の平面のほぼ全面に形成することにより、閾値
電圧が低下したレーザ素子を実現することができる。ま
た、活性層に接して、活性層及び光ガイド層よりもバン
ドギャップエネルギーが大きいキャップ層が薄く形成さ
れていると、出力の高いレーザ素子が得られる。さらに
この活性層を挟んで、n型コンタクト層のほぼ全面に設
けられたn電極を左右対称に配置すると、閾値電圧、閾
値電流の低いレーザ素子が実現でき、連続発振が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る窒化物半導体素子の
構造を示す模式断面図。
【図2】 図1のレーザ素子の形状を示す斜視図。
【図3】 本発明の実施例において得られる窒化物半導
体ウェーハの構造を示す模式断面図。
【図4】 本発明の実施例において得られる窒化物半導
体ウェーハの構造を示す模式断面図。
【図5】 本発明の実施例において得られる窒化物半導
体ウェーハの構造を示す模式断面図。
【符号の説明】
1・・・・基板 2・・・・n型コンタクト層 3・・・・n型光ガイド層 4・・・・n型光閉じ込め層 5・・・・活性層 6・・・・p型光ガイド層 7・・・・p型光閉じ込め層 8・・・・p型コンタクト層 21・・・・n電極 22・・・・nパッド電極 31・・・・p電極 32・・・・pパッド電極 40・・・・保護膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一面側にそれぞれ平面が露出されたp
    型窒化物半導体層とn型窒化物半導体層とに、それぞれ
    p電極とn電極とが形成されてなる窒化物半導体レーザ
    素子において、前記n電極はn型窒化物半導体層の平面
    のほぼ全面に形成されていることを特徴とする窒化物半
    導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 前記n電極はp電極に対して左右対称に
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載の窒化
    物半導体レーザ素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020505762A (ja) * 2017-01-12 2020-02-20 中国科学院蘇州納米技術与納米▲ファン▼生研究所 窒化物半導体発光素子及びその製造方法

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JP2020505762A (ja) * 2017-01-12 2020-02-20 中国科学院蘇州納米技術与納米▲ファン▼生研究所 窒化物半導体発光素子及びその製造方法

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