JPH10746A - 容器内に装着するプラスチック・フィルム内袋 - Google Patents

容器内に装着するプラスチック・フィルム内袋

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JPH10746A
JPH10746A JP8176004A JP17600496A JPH10746A JP H10746 A JPH10746 A JP H10746A JP 8176004 A JP8176004 A JP 8176004A JP 17600496 A JP17600496 A JP 17600496A JP H10746 A JPH10746 A JP H10746A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、薄膜で装着作業性がよく、廃棄
処理が容易で、溶剤に対するバリヤー性の優れた5層フ
ィルムによる容器内に装着する内袋あるいは前記5層フ
ィルムと、電導性が優れ、アースし易い導電性フィルム
を重ねた構造の、容器内に装着するための内袋を提供す
る。 【解決手段】 エチレン・ビニルアルコール共重合体を
バリヤー層である中間基材12とし、その両面に接着剤
13を介してポリオレフィン系樹脂フィルムを貼り合わ
せてシーラント14と表基材15とした、合計厚さが5
0μm〜150μmである5層フィルム16で形成して
なる、上方が開口するか、または、上部に大栓7または
小栓8の口栓を設けて密封して、容器内に装着するため
のプラスチック・フィルム内袋6を形成する。前記プラ
スチック・フィルム内袋6内に導電性フィルムよりなる
内袋17を重ねるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天板が着脱可能な
オープン容器の上方開口部から容器の内部に装着して使
用する柔軟で優れた耐溶剤性、または優れた耐溶剤性及
び耐静電気性のプラスチック・フィルム製内袋に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に鋼製ドラムには2種類あり、その
一つはJIS Z 1600(鋼製オープンドラム)に
規定してあるオープンドラムであり、他の一つはJIS
Z1601(液体用鋼製ドラム)に規定してある密閉
型ドラムである。本発明が関わる鋼製ドラムは前者のオ
ープンドラムである。それは一枚の鋼板を円筒状に成形
した後、溶接によって接合した胴体に、円形に加工した
地板をシールのための充填剤を介して巻締め、天蓋用ガ
スケットを装着した着脱可能な天蓋を胴体の解放された
上方に置き、バンドをはめ、ボルトまたはレバーを用い
て胴体に締め付ける。また、天蓋の所定の位置に注入口
及び換気口となる口金を、それぞれ一個または注入口の
み取り付けることがある。
【0003】密閉型ドラムが潤滑油、界面活性剤、溶
剤、農薬、果汁等比較的低粘度の液体を収納するのに対
して、オープンドラムは粉体、固体や塗料、接着剤、合
成樹脂等の粘稠な液状物の輸送、保管容器として広く化
学業界において用いられている。これらの容器の容量は
いずれも20リットルから200リットルまでである。
特に清浄度を重視する内容物には新しいドラムを用いる
が、一般的な内容物には一度使用したドラムの内外面を
洗浄して再塗装した更生ドラムが用いられている。
【0004】ドラムに収納する内容物が水分や酸性成分
を含む場合には、ドラムの鋼板が腐食して発生した錆に
よって内容物が汚染したり着色が問題になる場合がある
ので、ドラムの内面はリン酸鉄皮膜やリン酸亜鉛皮膜の
ような化成処理皮膜を施したり、エポキシ・フェノール
樹脂系塗料やフェノール樹脂系塗料の塗装で防錆されて
いる。
【0005】しかし、酸性強度が強く腐食性が激しい内
容物の場合には15μm程度の塗装膜では耐食性能が不
十分であルので、ブロー成形で成形したポリエチレン製
内容器をドラムの中に予め装着している内容器付き複合
ドラム缶(以下ケミカルドラム缶という)が使用され
る。この内容器は、肉厚が約2mmで耐薬品性は非常に
優れているので、ケミカルドラム缶は特殊な化学薬品用
に広く用いられている(例えば実開昭62−4255
7)。また、インフレーション成形で成形した円筒状の
ポリエチレン胴体にポリエチレン製シートの底を熱融着
して製造した内装袋(肉厚は0.2〜0.5mm)をオ
ープンドラムに装着して(以下、簡易複合ドラム缶とい
う)使用する場合もある(例えば、米国特許47127
11、特開昭55−48050、特公昭58−2435
3、実公平4−14364)。これら内容器を用いる利
点としてドラム缶を再使用する際の洗浄の容易さがあ
る。前に収納した内容物が塗料や接着剤のように高粘性
で洗浄し難い液体の場合は、通常の再生缶工場で使用さ
れている強アルカリ洗浄液では洗浄が容易ではなく、洗
浄能率が極度に低下するという問題があるが、内容器を
使用すると内容物が付着したままで内容器を廃棄処分す
ればよいので鋼製ドラム缶の洗浄は非常に楽になるとい
う長所がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ケミカルドラム缶や簡
易複合ドラム缶は、内容器または内装袋としてポリエチ
レン製容器を用いているので、従来の内面塗装ドラム缶
に比較すると耐食性能は格段に優れているが、ケミカル
ドラム缶の欠点は、使用済みの容器を廃棄する場合に、
鋼製ドラム缶は洗浄すれば屑鉄のスクラップとして再利
用できるが、内容器は肉厚が厚いポリエチレン製である
ために埋め立て以外の適切な廃棄処理方法がなく、環境
保全の点から対応を迫られているのが実状である。ま
た、溶剤を含有する合成樹脂溶液、塗料や接着剤などに
使用するとポリエチレンは溶剤に対するバリヤー性が悪
い(透過性がよい)ので、溶剤が内容器の壁面から浸透
して内容器と鋼製ドラム缶との間に溜まるという問題が
ある。一方、簡易複合ドラム缶の内装袋の肉厚は、ケミ
カルドラム缶の内容器に比べると薄いので、廃棄はやや
簡単とはいえるが、肉厚が薄いために溶剤の浸透度が著
しく大きくなるので、溶剤を含む液体には使用できな
い。
【0007】また、溶剤を含む内容物を鋼製ドラム缶に
充填するときに発生した静電気によって溶剤の蒸気に引
火し爆発を起こす危険性があるので、塗料工場では塗料
を鋼製ドラム缶に充填する際には、鋼製ドラム缶にアー
ス端子を接触して静電気を除去することが行われてい
る。しかし、ポリエチレン製内容器または内装袋の中に
溶剤系内容物を充填すると、ポリエチレンの体積固有抵
抗が大きいので、鋼製ドラム缶にアース端子を接触して
も内容器または内装袋から鋼製ドラム缶に静電気が流れ
ず、静電気の除去が出来ないので、溶剤を大量に含む内
容物には、防災上、これらの容器を使用することが出来
ない。
【0008】上述したように、現状の内容器では使用後
の廃棄処理や溶剤に対するバリヤー性に関して問題が多
く、溶剤や浸透性の強い化学薬品には使用できないこと
から、溶剤系内容物に使用可能で、且つ、廃棄処理が容
易な内袋が求められていた。また、溶剤系内容物を充填
する際に発生する静電気を容易に除去できる内袋が必要
とされていた。
【0009】この発明は、このような問題を解消すべ
く、薄膜で装着作業性がよく、廃棄処理が容易で溶剤に
対するバリヤー性の優れた多層フィルムによる容器内に
装着する内袋或いは薄膜で溶剤に対するバリヤー性に優
れた多層フィルムと導電性がすぐれ、アースし易い導電
性フィルムを重ねた構造の、容器内に装着する内袋を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体12をバリヤー層として、その両面に接着
剤13、13を介してポリエチレン14、14またはそ
の他のボリオレフィン系樹脂を貼り合わせてなる、合計
厚さが50μm〜150μmである5層フィルムで、容
器内に装着する、上方が開口したオープン型プラスチッ
ク・フィルム内袋を形成する。上記5層とは、エチレン
・ビニルアルコール共重合体12の1層とポリエチレン
14、14またはその他のボリオレフィン系樹脂の2層
と接着剤13、13の2層との合計5つの層を言う。
【0011】内袋の内面に、体積固有抵抗が104 Ω・
cm〜109 Ω・cmで、厚さが50μm〜150μm
の導電性ポリエチレン製フィルムまたとその他のボリオ
レフィン系樹脂フィルムを重ね、内袋を容器内に装着し
た時に、上方シール部の外縁部で前記導電性ポリエチレ
ン製フィルム等の側が容器の上方開口よりも突出して容
器の胴体上部外周に接触するように、外側の内袋の外縁
部の幅よりも前記導電性ポリエチレン製フィルム等の外
縁部の幅が長い箇所を設けるのが好ましい。
【0012】エチレン・ビニルアルコール共重合体12
をバリヤー層として、その両面に接着剤13、13を介
してポリエチレン14、14を貼り合わせてなる、合計
厚さが50μm〜150μmである5層フィルムで、上
方に口栓を設けた、容器内に装着する密封型プラスチッ
ク・フィルム内袋を形成する。
【0013】5層フィルムを、破断点伸度が120%〜
600%とするのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。鋼製ドラム缶内に装着して使用する内袋として、缶
内への装着作業性、使用後の廃棄処理性の点からは内袋
は柔軟で、且つ内袋の肉厚は薄く0.2mm以下望まし
くは0.1mm以下である。しかし、肉厚が薄いと溶剤
のバリヤー性が低下する。鰹節、日本茶、漬物、珍味、
菓子類、コーヒー、カレーパウダー、芳香剤、香辛料、
バター、ソース、醤油、味噌、酒、ハム等の食品、合成
洗剤や医療品に対しては種々の包装用材が用いられてい
るが、ガスバリヤー性、保香性、防湿性、酸化防止性、
遮光性、耐ピンホール性、シール強度、耐衝撃性、腰の
強さ等の特性が要求されるために各種プラスチック・フ
ィルムを貼り合わせた種々のラミネート・フィルムが用
いられている。例えば、表基材として延伸ポリプロピレ
ンフィルム、延伸ポリエステルフィルム、延伸ナイロン
フィルム等、中間基材としてアルミ箔、ポリ塩化ビニリ
デンフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体フィ
ルム、ポリビニルアルコールフィルム、シーラントとし
て低密度ポリエチレンフィルム、直鎖状低密度ポリエチ
レンフィルム、ポリビニルアセテートコポリマーフィル
ム、無延伸ポリプロピレンフィルム等が用いられている
ことはよく知られている。例えば、削り節用の包装剤に
は、表基材として二軸延伸ポリプロピレンフィルム25
μmに、中間基材としてエチレン・ビニルアルコール共
重合体フィルム12μmを、シーラントとしてエチレン
・ビニルアセテートフィルム45μmを貼り合わせたフ
ィルム、レトルトカレー用の包装材には、表基材として
延伸ポリエステルフィルム12μmに、中間基材として
アルミ箔12μm、二軸延伸ナイロンフィルム15μm
を、シーラントとして無延伸ポリプロピレンフィルムを
貼り合わせたフィルム、中華スープ用の包装材には、表
基材として二軸延伸ナイロンフィルム15μmを、中間
基材として低密度ポリエチレンフィルム20μmを、シ
ーラントとして直鎖状低密度ポリエチレンフィルム30
μmを貼り合わせたフィルム等の使用例がある。
【0015】しかしながら、鋼製ドラム缶の内部に挿入
して使用する内袋の必要特性として、取り扱いの容易さ
や廃棄処理の容易さの点から、フィルムの厚さが0.2
mm以下であることが望ましく、その薄い肉厚において
も、溶剤に対する優れたバリヤー性が重要であり、ま
た、ドラム缶内に挿入する作業性の点から、腰の強さが
過度であるとドラム缶の内壁への密着性に劣るために、
柔軟性が必要である。さらに、内袋成形装置においてフ
ィルム円筒とフィルム底部或いは蓋部と熱融着して内袋
を成形する場合に、フィルムの破断点伸度が120%以
上でなければならないということが実験結果あきらかに
なった。すなわち、円筒状からなる上方を開口とした円
筒殻の中に,上端若しくは上下端開口のプラスチック・
フィルム円筒の胴体部2を、該円筒殻1の上端縁部から
円筒の胴体部2円筒の上方端が出るようにして挿入した
後、プラスチック・フィルム円筒の胴体部2の上端縁部
を、該円筒殻1の上方縁部から該円筒形の外側に折り返
す。その後、プラスチック・フィルムの底部4、或いは
口栓付きのプラスチック・フィルムの蓋部9を上述の該
円筒殻1の上方縁から外側に折り返されたプラスチック
・フィルム円筒の胴体部2の上端縁部の上に置き、引続
き円環状に構成された発熱体5の圧接により、プラスチ
ック・フィルム円筒の胴体部2の上端縁部とプラスチッ
ク・フィルムの底部4或いは蓋部9の周辺部をヒートシ
ールもしくはインパルスシールすることによって熱融着
して内袋を成形する。鋼製ドラム缶の内面に装着するプ
ラスチック・フィルム内袋の成型において、プラスチッ
ク・フィルム円筒の胴体部2の上端縁部を、該円筒殻1
の上端縁部から外側に折り返す際に、フィルムの破断点
伸度が小さいとフィルム円筒の胴体部2の上端縁部が破
断するという問題がある。従って、フィルムの破断点伸
度は80%以上望ましくは120%から600%のフィ
ルムを使用することが重要である。
【0016】各種ポリエチレン・フィルムの組み合わせ
による貼り合わせフィルムで評価試験を行った結果、こ
れらの特性を満たすのは、図4に示すとおり、エチレン
・ビニルアルコール共重合体フィルム12を中間基材と
し、その両面に接着剤13、13により、直鎖低密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン
の単独樹脂フィルム、或いはそれらとエチレン酢酸ビニ
ルとの共重合体フィルムの一種をシーラント14ト表基
材15、とし、または、前記ファイルの一種をシーラン
トとし、他の一種を表基材として貼り合わせ形成した5
層フィルム16が最も良好であることが判明した。
【0017】表基材15として、一般的に用いられる延
伸ポリプロピレンフィルム、延伸ポリエステルフィル
ム、延伸ナイロンフィルムを用いると、無延伸のポリプ
ロピレンやナイロンに比較してガスバリヤー性や突き刺
し強度、腰の強さでは優れているが、内袋がバリバリし
た感じになりドラム缶内壁への密着性や取り扱い性で劣
る。また、破断点伸度が低いために、フィルム円筒の上
端縁部の折り返しが困難で、内袋の成形能率が低下する
という問題がある。ドラム缶用の内袋としては、内袋が
鋼製ドラム缶で保護されているので、突き刺し強度はフ
ィルム特性として必ずしも重要な要求性能ではない。
【0018】シーラント14としては、熱融着強度が大
きいことは内袋の強度確保の点から必要な性能である
が、更に重要なことは、耐薬品性である。シーラントは
内袋の内側になり、ドラム缶に装着してから内容物を充
填する際に、直接内容物に接触する部分である。内袋を
挿入したドラム缶に収納する内容物は、腐食性の強い薬
品や溶剤を含む製品が多いので、耐アルカリ性、耐酸性
及び耐溶剤性等耐薬品性が必要である。しかし、ナイロ
ンは耐酸性において、ポリエステルは耐アルカリ性にお
いて、ポリエチレンやポリプロピレンのようなオレフィ
ン系フィルムよりも劣るので、シーラントとしてはポリ
オレフィン系フィルムが最適である。
【0019】一方、ポリオレフィン系フィルムは、溶剤
に対するバリヤー性が劣るので、表1に示すように耐溶
剤性が最も優れているエチレン・ビニルアルコール共重
合体フィルムを中間基材12として使用することにし
た。
【0020】
【表1】
【0021】従来から、多層貼り合わせフィルムがよく
使われている食品や界面活性剤用容器の表基材には、耐
ピンホール性や耐衝撃性、腰の強さの点で優れている延
伸ポリエステルや延伸ナイロンのフィルムが一般的には
用いられているが、ドラム缶用の内袋を成形する場合
や、内袋をドラム缶に装着して使用する場合の作業性の
点では好ましくない。
【0022】すなわち、上方が解放されたオープン型の
内袋の成形は、図5に示すような円筒部2の上方縁部
に、ヒートシール可能な機能を持つ成型器の円筒部1内
に、5層フィルム16よりなる円筒部2を挿入して、円
筒部2の上端部を成型器の円筒部1の上方端部で外側に
折り返した箇所3と、成型器の円筒部1の上方端部に置
いた内袋の底部4に相当する5層フィルム16の円周端
部を、環状に設置した加熱装置5によってヒートシール
によって接合することにより行う。これにより形成され
た内袋を図1に示す。このオープン型内袋をドラム缶で
使用する場合は、この内袋の底部4が下になるようにし
てドラム缶の内袋に密着するようにして入れ、内袋の上
方端部はドラム缶の上方端部(胴カールという)でドラ
ム缶の外側に折り返して装着する。
【0023】また、上方が密閉し、かつ、口栓を付けた
密閉化型の内袋は、図6に示すように、オープン型内袋
と同様に底部4を融着した後に、円筒部2の上端部を成
型器の円筒部1の上方端部で外側に折り返し3、図6に
示すように底を融着した内袋6を上下逆にして成型器の
円筒部1内に挿入し、次に大栓7および/または小栓8
をフィルムの所定位置に予め熱融着、或いは平面部と同
時に真空成形した天蓋部9を置いて、胴体円筒部と加熱
装置5によりヒートシールする。この密閉型内袋は、鋼
製オープンドラム缶の天蓋の所定位置に開けた孔に内袋
の口栓を装着固定する。
【0024】図7は、ヒートシール部の詳細を示すもの
で、加熱装置5は溶融したポリエチレンの付着を防止す
るために、テフロンシート10を介して円筒部2の上方
縁端と底部4とを加熱融し、その後に熱刃11で底部4
のフィルムの余分な縁を切り落とし円形にして形を整え
る。
【0025】このように内袋の成型時や使用時に、内袋
の上端部を成型器1或いはドラム缶の上端で折り返すと
いう作業が必要であるが、延伸ポリエステルや延伸ナイ
ロンのフィルムを表基材に使用して使用していると、破
断強度が大きく、かつ、破断伸度が小さいので、折り返
すために要する労力が大きくなり、作業性が著しく低下
するし、フィルムが破断するという問題がある。従っ
て、表基材15も無延伸のポリエチレン等のオレフィン
系フィルムの方が望ましい。ドラム缶用内袋は、鋼製ド
ラム缶に装着して使用するので、内袋は、鋼製ドラム缶
によって外部からの障害に対しては保護されているの
で、耐ピンホール性、耐衝撃性等の特性は、フィルムだ
けの構成で使用される一般のプラスチックフィルム製容
器ほどは必要はない。また、フィルムの腰の強さが小さ
い方が、内袋をドラム缶に装着する際に、ドラム缶内壁
との内袋との密着性がよいので、延伸ポリエステルや延
伸ナイロンのフィルムよりもポリエチレンフィルムの方
が適しており、それを用いる。
【0026】塗料等は引火点の低い溶剤を大量に含んで
いる場合が多いが、生産工場で塗料を出荷するために配
管から容器に入れる際や、容器に入れて輸送する際の塗
料の流動や振動によって、静電気が発生して溶剤へ引火
して火災を発生する危険がある。これは特に湿度が低い
冬季に著しく見られる現象でる。その予防として配管や
容器にアース(接地)をとることが厳重に行われて、か
つ、使用する容器の材料の体積固有抵抗は1010Ω・c
m以下と定められている例が多い。しかし、プラスチッ
ク製内容器を用いると、外側の鋼製ドラム缶に設置をし
ても、内側のプラスチックの体積固有抵抗が大きい(ポ
リエチレンの体積固有抵抗は1015Ω・cm)ために静
電気の放出が困難であり、火災予防の見地からは好まし
くない。
【0027】そこで電気伝導性の優れた導電性カーボン
・ブラックを10〜20%、好ましくは16〜17%を
添加混合したポリエチレンフィルム(体積固有抵抗は1
5Ω・cm)を上記の耐溶剤性フィルムの内側に重ね
て導電製フィルムによる内袋17を成形する。導電性カ
ーボンブラックの添加量を増すほど体積固有抵抗は低下
するが、一方フィルムの強度や伸度が低下して製袋用に
適さなくなるので、導電性フィルムの体積固有抵抗は1
4 Ω・cm〜109 Ω・cmが好ましい。オープン型
内袋の場合は、ドラム缶に装着後、内袋の上端部は外側
に折り返されて使用するので、導電性フィルム側がドラ
ム缶の胴カールでは上側になり、アース用のグリップで
挟む事により接地は可能である。また、密閉型内袋の場
合は、ヒートシールした外側の余地部分の幅を耐溶剤性
フィルムよりも導電性フィルム側を広く取ることによっ
て接地が容易になる。
【0028】上記において、鋼製ドラム缶用の内袋とし
て説明したが、同様な用途にも用いられている金属板製
18リットル缶(JIS Z 1602)やペール缶
(JIS Z 1620)等においても耐溶剤性、或い
は耐静電気性内袋として用いることができる。また、洗
浄に繰り返し使用されるプラスチック製ドラムやベール
缶等に内袋を使用すると、洗浄作業が容易になるという
利点があるので、鋼製容器用だけでなく、プラスチック
製容器やベール缶等他の容器においても用いることがで
きる。
【0029】上記内袋の形成方法として、内袋の円筒部
2に円形の底4および円形の天蓋部9を加熱融着した
が、高周波や接着剤を用いて融着または接着してもよ
い。また、上記内袋の形成方法として、インフレーショ
ン方式で、筒状の胴体部に円形の底部または円形の天蓋
を加熱融着する方法を説明したが、5層フィルム16を
二つに折り重ね、縁部を加熱融着、高周波接着や、また
は接着剤を用いて接着し、内袋を形成してもよい。
【0030】
【実施例】直鎖型低密度ポリエチレン(40μm)、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体(20μm)、直鎖
型低密度ポリエチレンのそれぞれを、熱可塑性接着性樹
脂を介してインフレーション方式により成形した多層貼
り合わせフィルム(合計厚さ110μm)で、折径91
0mm,高さ1000mmの円筒フィルムに、次いで同
一素材のフィルムの底部をヒートシールしてオープン型
内袋を成形した。内袋成型器の折り返し作業は容易であ
り、テフロンシートを介して160℃の熱板で1.2k
gf/cm2 、3秒の加圧を行い充分なシール強度が得
られた。ヒートシール幅は10mmで、シール部外側の
余地は胴体、底部共5mmである。鋼製オープンドラム
缶には内袋を挿入後、内袋の上端をドラム缶の胴カール
外側に折り返し、かつ、内袋とドラム缶内壁との間の空
気を吸引除去して、内袋とドラム缶との密着を良くして
装着した。内袋の密着性も良好である。比較として既存
のポリエチレン単体の内袋(厚さ0.25mm)をドラ
ム缶に装着した。両ドラム缶に、エポキシ樹脂系塗料
(溶剤としてケトン系、芳香族系、アルコール系、また
はエステル系を45%含有)を200kg入れ、常温で
3ケ月間放置した後、内容物を抜き取りドラム缶内を検
査したところ、本発明による内袋使用のドラム缶には滲
出物は認められなかったが、従来品の内袋を使用したド
ラム缶には15gの滲出物が認められた。
【0031】直鎖型低密度ポリエチレン(40μm)、
エチレン・ビニルアルコール共重合体(20μm)、直
鎖型低密度ポリエチレンのそれぞれを、熱可塑性接着性
樹脂を介して、インフレーション法により成形した五層
フィルム(合計厚さ110μm)で形成した折径910
mm、高さ1000mmの内袋の内側に、特殊カーボン
・ブラックを16%混練した導電性ポリエチレンの円筒
フィルム(厚さ100μm、体積固有抵抗106 Ω・c
m)を重ねた円筒部の上端部に、前記耐溶剤性フィルム
と導電性フィルムを重ねた同一素材組み合わせのフィル
ムの底部を載せて、ヒートシールしてオープン型内袋を
成形した。ヒートシール幅は10mmでシール部外側の
余地は5mmである。密閉型内袋の場合は、内袋の上方
で耐溶剤性フィルムよりも導電性フィルム側のシール外
側余地の幅を50m大きくとる。塗料をドラム缶に充填
するときは、アース線に接続する鰐口グリップでドラム
缶の胴カール部で導電性フィルム側を挟み、塗料を入れ
たドラム缶の輸送中は、鋼製ドラム缶の天蓋が内袋の導
電性フィルム側に胴体カール部で接触しているので静電
気の堆積はなく安全である。
【0032】
【発明の効果】この発明は、薄膜で装着作業性がよく、
廃棄処理が容易で溶剤に対するバリヤー性の優れた多層
フィルムによる鋼製ドラム缶用内袋或いは薄膜で溶剤に
対するバリヤー性に優れ、前記多層フィルムに導電性フ
ィルムを重ねた構造の内袋とすると、導電性、耐静電気
性にすぐれ、静電気による引火または爆発のおそれがな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】オープン型内袋の断面説明図である。
【図2】密封型内袋の断面説明図である。
【図3】オープン型内袋の内面に導電製フィルムよりな
る袋を接合してある内袋の断面説明図である。
【図4】五層フィルムの断面説明図である。
【図5】内袋の円筒部と底を融着するオープン型内袋の
成形説明図である。
【図6】内袋の円筒部に天蓋部を融着する密封型内袋の
成形説明図である。
【図7】胴体円筒部と底部または蓋部との融着用加熱装
置の説明図である。
【符号の説明】
1 成形器の円筒部 2 内袋の円筒部 3 折り曲げ部 4 底 5 加熱装置 6 内袋 7 大栓 8 小栓 9 天蓋部 10 テフロンシート 11 熱刃 12 中間基材 13 接着剤 14 シーラント 15 表基材 16 5層フイルム 17 導電製フィルムの内袋

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・ビニルアルコール共重合体を
    バリヤー層とし、その両面に接着剤を介してポリオレフ
    ィン系樹脂フィルムを貼り合わせてた合計厚さが50μ
    m〜150μmである5層フィルムで形成してなる、容
    器内装着する上方が開口したオープン型プラスチック・
    フィルム内袋。
  2. 【請求項2】 内袋の内面に、体積固有抵抗が104 Ω
    ・cm〜109 Ω・cmで、厚さが50μm〜150μ
    mの導電性ポリオレフィン系樹脂フィルムをを重ね、内
    袋を容器内に装着した時に、上方シール部の外縁部で前
    記導電性ポリオレフィン系樹脂フィルム側が容器の上方
    開口よりも突出して容器の胴体上部外周に接触するよう
    に、外側の内袋の外縁部の幅よりも前記導電性ポリオレ
    フィン系樹脂フィルムの外縁部の幅が長い箇所を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載の容器内に装着するプ
    ラスチック・フィルム内袋。
  3. 【請求項3】 エチレン・ビニルアルコール共重合体を
    バリヤー層とし、その両面に接着剤を介してポリオレフ
    ィン系樹脂フィルムを貼り合わせた、合計厚さが50μ
    m〜150μmである5層フィルムで形成し、かつ、上
    部に口栓を設けてなる、容器内に装着する密封型プラス
    チック・フィルム内袋。
  4. 【請求項4】 5層フィルムが、破断点伸度が120%
    〜600%であることを特徴とする請求項1乃至3に記
    載の容器内に装着するプラスチック・フィルム内袋。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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