JP7360954B2 - 蓋材及び包装体 - Google Patents
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Description
前記マグネット層及び前記被磁着層のうちいずれか一方の厚さの全部若しくは一部、
又は、
前記マグネット層及び前記被磁着層のうちいずれか一方の厚さの全部並びに同他方の一部
が前記容器の開口周縁部に残存するように剥離可能とされており、
前記容器の開口周縁部より剥離させられた後は、前記マグネット層及び前記被磁着層の間に作用する磁力によって、前記容器の開口周縁部に再び密着可能となされている、
再封可能な蓋材。
常磁性体粒子(101a)は、マグネット層(10a)の分散相を構成し、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、異方性フェライト粒子、等方性フェライト磁石粒子、ネオジウム磁石粒子、サマリウムコバルト磁石粒子及びアルニコ磁石粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種を例示できる。また、その平均一次粒子径は、磁化が安定している範囲であれば特に限定されず、通常0.1~10μmである。
合成樹脂(102a)は、マグネット層(10a)の連続相を構成し、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂、延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミドポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンナフタレート等からなる群より選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂が挙げられ、それらはフィルム若しくはシートとして使用できる。
マグネット層(10a)は、常磁性体粒子(101a)を合成樹脂(102a)に各種公知の方法で練り込んでなるマグネットフィルム又はシートで構成できる。また、合成樹脂(102a)をビヒクルとし、これで常磁性体粒子(101a)を有機溶剤中に分散させた常磁性塗料よりなる塗膜でも構成できる。なお、ビヒクルである合成樹脂(102a)として、常温で粘・接着性を帯びる塗膜を形成可能な合成樹脂を用いる場合、常磁性塗膜層は粘・接着層とみなせる。そのような合成樹脂としては、二液硬化型ポリエステル-ポリウレタン樹脂及び/又は二液硬化型ポリエーテル-ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂並びにエポキシ樹脂等を例示できる。有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等からなる群より選ばれる少なくとも一種を例示できる。
常磁性体粒子(101a)と合成樹脂(102a)の、マグネット層(10a)における含有率は特に限定されず、マグネット層(10a)の磁力の安定性と層自体の強度維持の均衡等を考慮すると、通常、順に30~80質量%及び70~20質量%であり、好ましくは40~60質量%及び60~40質量%である。
マグネット層(10a)は、必要に応じ外的手段に依り着磁させてもよい。着磁はマグネット層(10a)についてのみ行ってもよいし、蓋材(1)ごと行ってもよい。
強磁性体粒子(101b)は、被磁着層(10b)の分散相を構成し、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、鉄粒子、ニッケル粒子、コバルト粒子及びそれらの合金よりなる粒子からなる群より選ばれる少なくとも一種を例示できる。また、その平均一次粒子径は特に限定されず、通常0.1~10μmである。
合成樹脂(102b)は、被磁着層(10b)の連続相を構成し、各種公知のものを特に制限なく使用できる。具体的には、前記合成樹脂(102a)と同じものを、同じ態様で使用できる。
被磁着層(10b)は、強磁性体粒子(101b)を合成樹脂(102b)に練り込んでなる強磁性フィルム又はシートで構成できる。また、合成樹脂(102b)をビヒクルとし、これで強磁性体粒子(101b)を有機溶剤中に分散させた強磁性塗料よりなる強磁性塗膜層でも構成できる。なお、ビヒクルである合成樹脂(102b)として、常温で粘・接着性を帯びる塗膜を形成可能な合成樹脂を用いる場合、強磁性塗膜層は、粘・接着層とみなせる。そのような合成樹脂としては前記したものを例示できる。また、有機溶剤も前記したものが挙げられる。
強磁性体粒子(101b)及び合成樹脂(102b)の、被磁着層(10b)における含有率は特に限定されず、被磁着層(10b)のマグネット層(10a)への吸着力(引力)の安定性と層自体の強度維持の均衡等を考慮すると、通常、順に5~60質量%及び95~40質量%であり、好ましくは20~50質量及び80~50質量%である。
易剥離層(10c)は、その一方若しくは両方の面の界面破壊又はその凝集破壊により、蓋材(1)を容器(2)の開口周縁部(21)より、マグネット層(10a)及び/又は被磁着層(10b)を破壊することなく易剥離させる機能層であり、各種公知の合成樹脂で構成される。該合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン、硝化綿、ポリビニルアルコール樹脂並びにエチレンビニルアルコール樹脂等からなる群より選ばれる一種を例示できる。また、ポリオレフィンはエチレンプロピレンゴム(EPR)等のエラストマー成分を含んだものであってよい。易剥離層(10c)は、該合成樹脂のフィルム若しくはシートで構成してもよく、また、該合成樹脂の前記有機溶剤を用いた溶液よりなる塗膜で構成してもよい。易剥離層(10c)の厚みは特に限定されず、上記したような選択的剥離を好適に生じさせるためには、通常0.03~50μm、好ましくは0.05~15μmであればよい。
バリア層(10d)は、蓋材(1)に光やガス、水分の遮断能を与える層であり、容器(2)に収容する内容物(4)の変質や劣化を防ぐ。バリア層(10d)としては、各種公知の金属箔が好ましく、アルミニウム(合金)箔、鉄箔、ステンレス鋼箔、銅箔及びニッケル箔等からなる群より選ばれる少なくとも一種を例示できる。また金属箔の片面又は両面には、他の層との接着性を賦与したり、耐食性を向上させたりするため、化成処理等の下地層を形成できる。下地層の形成剤としては、各種公知のものを特に制限なく使用でき、例えば脱脂処理を行った金属箔の表面に、(i)リン酸と、クロム酸と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物と、を含む混合物の水溶液、(ii)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物と、を含む混合物の水溶液、並びに、(iii)リン酸と、アクリル系樹脂、キトサン誘導体樹脂及びフェノール系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂と、クロム酸及びクロム(III)塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物と、フッ化物の金属塩及びフッ化物の非金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物とを含む混合物の水溶液、のいずれかの水溶液を塗工した後、乾燥させることにより化成処理を施して、皮膜(下地層)を形成する。前記形成剤の使用量は特に制限されず、クロム付着量(片面当たり)で通常0.1~50mg/m2、好ましくは2~20mg/m2である。バリア層(10d)の厚みは特に限定されず、例えば5~30μmである。
易剥離層(10c)とバリア層(10d)とを共在させる場合、バリア層(10d)は蓋材(1)の剥離時に追従させる必要があるため、バリア層(10d)を易剥離層(10c)の上に配置させる。
保護層(10e)は、蓋材(1)に強度を与えるとともに、容器(2)に収容する内容物(4)を光やガス、水分等より保護する機能層であり、各種公知の合成樹脂で構成される。該合成樹脂としては、例えば、延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミドポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンナフタレート等からなる群より選ばれるフィルム若しくはシートが挙げられ、二層以上よりなる積層材として使用できる。また、保護層(10d)は、エポキシ樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、硝化綿、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等の熱硬化性架橋性樹脂よりなるオーバーコート剤で構成することもできる。保護層(10e)の厚みは特に制限されず、例えば0.5~20μmである。また、保護層(10e)の下面側には、包装体(3)に識別性を付与するため印刷層を設けることができる。
熱融着性樹脂層(10f)は、蓋材(1)を下面より容器(2)の開口周縁部(21)に熱融着させる手段であり、各種公知の熱融着性樹脂で構成される。該熱融着性樹脂としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、延伸ポリプロピレン、無延伸ポリプロピレン、ホモポリプロピレン、酸変性ポリプロピレン、ポリ(エチレン-プロピレン)ランダム共重合体、ポリエチレン-ポリプロピレンブロック共重合体、ポリビニルアルコール、アイオノマー樹脂及びアクリル系共重合樹脂等からなる群より選ばれるフィルム若しくはシートが挙げられ、二層以上よりなる積層材として使用できる。該熱融着性樹脂として、後述の容器(2)の開口周縁部(21)の上面を構成する熱融着性樹脂と同一又は同種のものを選択すると、包装体(3)のシール精度が高まり、密封性が一層良好となる。熱融着性樹脂層(10f)の厚みは特に制限されず、例えば10~80μm、好ましくは20~60μmである。
<第1態様:マグネット層(10a)が上側>
[1]被磁着層(10b)の厚さの一部
[2]被磁着層(10b)の厚さの全部
[3]被磁着層(10b)の厚さの全部及びマグネット層の厚さの一部
<第2態様:マグネット層(10a)が上側>
[4]マグネット層(10a)の厚さの一部
[5]マグネット層(10a)の厚さの全部
[6]マグネット層(10a)の厚さの全部と被磁着層(10b)の厚さの一部
図2(a)は、蓋材(1)が保護層(10e)、マグネット層(10a)及び被磁着層(10b)で構成される態様を示し、マグネット層(10a)と被磁着層(10b)は直接ラミネートされている。本態様は前記第1態様に相当し、蓋材(1)は、図中の点線の位置で剥離可能とされる。そして、蓋材(1)を開口周縁部(21)より剥離させると、[1]被磁着層(10b)の厚さの一部、[2]被磁着層(10b)の厚さの全部、又は[3]被磁着層(10b)の厚さの全部及びマグネット層の厚さの一部が熱融着帯(X)において開口周縁部(21)の上面に残存させられる。なお、「厚さの一部」の残存は専ら当該層の凝集破壊を契機とし、また、「厚さの全部」の残存は当該層と該層に接合させられている層との間の界面破壊を専ら契機とする(以下、同様。)。
図2(b)は、図2(a)の蓋材(1)において、マグネット層(10a)と被磁着層(10b)の厚さ方向の位置を交代させるとともに、両層の間に易剥離層(10c)を介在させ、かつ、マグネット層(10a)の下面に熱融着性樹脂層(10f)を配置させた態様である。本態様は前記第2態様に相当し、蓋材(1)は同じく図中の点線の位置で剥離可能とされる。そして、蓋材(1)を開口周縁部(21)より剥離させると、[4]マグネット層(10a)の厚さの一部、[5]マグネット層(10a)の厚さの全部、又は、[6]マグネット層(10a)の厚さの全部と被磁着層(10b)の厚さの一部が熱融着帯(X)において開口周縁部(21)の上面に残存させられる。また、[5]と[6]の場合には、易剥離層(10c)の全部又は一部がマグネット層(10a)の上面に残され得る。
図2(c)は、図2(a)の蓋材(1)において、マグネット層(10a)と被磁着層(10b)の間にバリア層(10d)と易剥離層(10c)をこの順で介在させるとともに、被磁着層(10b)の下面に熱融着性樹脂層(10f)を配置させた態様である。本態様は前記第1態様に相当し、蓋材(1)は、図中の点線の位置で剥離可能とされる。そして、蓋材(1)を開口周縁部(21)より剥離させると、[1]被磁着層(10b)の厚さの一部、[2]被磁着層(10b)の厚さの全部、又は[3]被磁着層(10b)の厚さの全部及びマグネット層の厚さの一部が熱融着帯(X)において開口周縁部(21)の上面に残存させられる。また、[2]と[3]の場合には、易剥離層(10c)の全部又は一部が被磁着層(10a)の上面に残され得る。
図3(a)は、図2(a)の包装体(3)より蓋材(1)を剥離させた態様である。本態様では、被磁着層(10b)の凝集破壊によりその厚さの一部が熱融着帯(X)において開口周縁部(21)の上面に残存させられる。そして、蓋材(1)下面側のマグネット層(10a)と、開口周縁部(21)の上面側の被磁着層(10b)との間に作用する磁力を専ら利用することによって、蓋材(1)を開口周縁部(21)に再密着(図示略)させることができ、これにより再封が行える。なお、本態様では、蓋材(1)のマグネット層(10a)の下面に被磁着層(10b)の一部が残存しており、これを介して前記再封が行われる。
図3(b)は、図2(b)の包装体(3)より蓋材(1)を剥離させた態様である。本態様では、易剥離層(10c)とマグネット層(10a)の接合面で界面破壊が生じ、マグネット層(10a)の厚さの全部が熱融着性樹脂層(10f)を介し、熱融着帯(X)において、開口周縁部(21)の上面に残存させられる。そして、蓋材(1)下面側の被磁着層(10b)と、開口周縁部(21)の上面側のマグネット層(10a)との間に作用する磁力を利用することによって、再封が行える。なお、本態様では、蓋材(1)の被磁着層(10b)の下面の、熱融着帯(X)に対応する位置に、易剥離層(10c)の全部が残存しており、これを介して前記再封が行われる。
図3(c)は、図2(c)の包装体(3)より蓋材(1)を剥離させた態様である。本態様では、易剥離層(10c)の厚さ中間における凝集破壊が生じ、被磁着層(10b)の厚さの全部が熱融着性樹脂層(10f)を介し、熱融着帯(X)において、開口周縁部(21)の上面に残存させられる。そして、蓋材(1)下面側のマグネット層(10a)と、開口周縁部(21)の上面側の被磁着層(10b)との間に作用する磁力を利用することによって、再封が行える。なお、本態様では、蓋材(1)のマグネット層(10a)の下面にバリア層(10d)の全部と易剥離層(10c)の一部が残存しており、それらを介して前記再封が行われる。
(蓋材の作製)
保護層である2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(9μm厚)の片面に、市販の二液硬化型のポリエステル-ポリウレタン系接着剤に平均一次粒子径が2μmの異方性フェライト磁石粉を50質量%分散させたマグネットコート(MC)剤を硬化後の膜厚が300μmとなるよう塗工することにより、マグネット層を積層したPET基材(MC/PET)を作製した。
一方、アルミニウム箔(JIS H4160 A8079-O材,7μm厚)の片面に、市販の二液硬化型のポリエステル-ポリウレタン系接着剤(PU)を乾燥膜厚が2μmとなるよう塗工し、接着層を積層したアルミニウム箔(PU/Al)を作製した。
次に、前記PET基材(MC/PET)を、そのマグネット層(MC)が下面となるようにして、前記アルミニウム箔(PU/Al)の接着層(PU)に貼り合わせ、40℃で5日間エージングすることにより、マグネット層とアルミニウム箔を含む複合基材(PET/MC/PU/Al)を作製した。
次に、前記複合基材(PET/MC/PU/Al)のアルミニウム箔の他方の面に、硝化綿を酢酸エチルに溶解させてなるアンカーコート剤を乾燥膜厚が0.1μmとなるよう塗工し、剥離層であるアンカーコート層(AC)を更に積層した複合基材(PET/MC/PU/Al/AC)を作製した。
次に、平均一次粒子径1μmの鉄粉が45質量%分散したポリプロピレン(PP(Fe))フィルム(40μm)に高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム(40μm)をラミネートした複合フィルム(PP(Fe)/HDPE)(総厚80μm)を、PP(Fe)フィルムが下面となるようにして、前記複合基材(PET/MC/PU/Al/AC)の剥離層(AC)に載置し、熱ラミネートさせることにより、積層シート(PET/MC/PU/Al/AC/PP(Fe)/HDPE)を作製した。
次に、該積層シートのマグネット層(MC)を、日本電磁測定器(株)製の着磁機を用い、450V及び0.5秒の条件で着磁させることにより、本発明に係る蓋材用の積層シート(PET/MC/PU/Al/AC/PP(Fe)/HDPE)を準備した。
最後に、該積層シートを100mm×100mmの正方形に切り取り蓋材を作製した。また、該蓋材の下面側に、その中心点と同一の中心点をもつ開封用環状ノッチ(直径(φ)63mm)を、深さが80μmとなるよう形成した。ノッチの形成は、横断面V形のノッチ刃を180℃に加熱したノッチ形成装置で行った。
アルミニウム箔(JIS H4160 A8079-O材,120μm厚)(Al)の一方の面に、リン酸、ポリアクリル酸、クロム(III)塩化合物、水及びアルコールからなる化成処理液を、片面当たりのクロム付着量が10mg/m2となるよう塗工し、乾燥させることによって、下地層を形成した。また、アルミニウム箔の他方の面にも、同様の方法で下地層を形成した。
次に、該アルミニウム箔の一方の下地層に、市販の二液硬化型のポリエステル-ポリウレタン系接着剤(PU)を乾燥膜厚が3μmとなるよう塗工して接着層を形成し、その上に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム(30μm)を貼り合わせた。続けて、該アルミニウム箔の他方の下地層にも前記接着剤(PU)を乾燥膜厚が3μmとなるよう塗工して接着層を形成し、その上に無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(50μm)を貼り合わせることにより、積層シート(LLDPE/PU/Al/PU/CPP)を作製した。
次に、該積層シートを40℃で8日間ヒートエージングすることにより、容器成形用の積層シートを作製した。
次に、該容器成形用積層シートを、そのLLDPE面が容器内側となるよう、雄型と雌型からなる金型にセットし、深絞りを行うことにより、円環状のフランジ部と同心円状の開口とを有する円筒状の容器(フランジ外径(φ):81mm、開口径(φ):65mm、フランジ幅:8mm、高さ:25mm、底径(φ):56mm)を作製した。
前記蓋材を、その中心が、前記容器の開口中心と一致するように該容器のフランジ部に載置し、所定寸法の円環状ステンレスシーラー(170℃)を0.2MPaで1.0秒間押し当てることにより、包装体を作製した。該包装体の蓋材下面とフランジ部上面との間には、幅5mmの環状熱融着帯が全周に亘り同心円状に形成されていた。
次に、前記包装体の蓋材の角を指で摘み、容器フランジ部より徐々に剥離させ、完全に分離する直前で動作を停止した。このとき、蓋材は、容器フランジ部上面の端部に接合されたままの状態であった。続けて蓋材の下面を目視すると、前記した環状熱融着帯に相当する部位にアルミニウム箔が露出していた。よって、該蓋材は、易剥離層であるアンカーコート層(AC)において、ポリプロピレン(PP(Fe))フィルムより剥離させられたと判断した。
次に、容器フランジ部上面に接合されている蓋材で同容器の開口を再び塞いだところ、蓋材と同容器フランジ部とが磁力で密着し、再封が行えたことを確認した。
(10)熱融着性積層シート:(10a)マグネット層、(101a)常磁性体粒子、(10b)被磁着層、(101b)強磁性体粒子、(10c)易剥離層、(10d)バリア層、(10e)保護層、(10f)熱融着性樹脂層
(2)容器:(21)開口周縁部
(X)熱融着帯
(3)包装体
(4)内容物
Claims (6)
- 容器の熱融着性樹脂よりなる開口周縁部に熱融着可能な積層シートよりなる蓋材であって、常磁性粒子及び合成樹脂を含むマグネット層と、強磁性粒子及び合成樹脂を含む被磁着層とを有しており、
前記蓋材は、前記容器の開口周縁部に熱融着させられているときは、熱融着帯において、
前記マグネット層及び前記被磁着層のうちいずれか一方の厚さの全部若しくは一部、
又は、
前記マグネット層及び前記被磁着層のうちいずれか一方の厚さの全部並びに同他方の一部
が前記容器の開口周縁部に残存するように剥離可能とされており、
前記容器の開口周縁部より剥離させられた後は、前記マグネット層及び前記被磁着層の間に作用する磁力によって、前記容器の開口周縁部に再び密着可能となされている、
再封可能な蓋材。 - 前記マグネット層と前記被磁着層との間に易剥離層が介在させられている、請求項1の蓋材。
- 前記マグネット層と前記被磁着層との間にバリア層が介在させられている、請求項1又は2の蓋材。
- 最外面が保護層で構成される、請求項1~3のいずれかの蓋材。
- 最内面が熱融着性樹脂層で構成される、請求項1~4のいずれかの蓋材。
- 請求項1~5のいずれかの蓋材と、内容物を収納可能でありかつ熱融着性樹脂よりなる開口周縁部を有する容器とで構成される、熱封緘された包装体。
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