JPH1074449A - プラズマディスプレイパネル用カラーフィルターの形成方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用カラーフィルターの形成方法

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JPH1074449A
JPH1074449A JP8248530A JP24853096A JPH1074449A JP H1074449 A JPH1074449 A JP H1074449A JP 8248530 A JP8248530 A JP 8248530A JP 24853096 A JP24853096 A JP 24853096A JP H1074449 A JPH1074449 A JP H1074449A
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JP
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color filter
glass
forming
protective layer
plasma display
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JP8248530A
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Hiroshi Funada
洋 船田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CFパターンを損うことなく高コントラスト
及び高透過率のCFを形成する方法、及び薄膜のCFを
形成することにより、PDPの前面板における電極に対
しても悪影響を与えず、前面板の任意の箇所、特に電極
と接触する位置に形成することもできるCFの形成方
法。 【解決手段】 PDPの前面板を構成する複数の層のい
ずれかの界面に、超微粒子無機顔料若しくは色ガラスか
らなるCFを形成し、該CFの表面に透明ガラスからな
る保護層を形成するPDP用CFの形成方法において、
上記保護層を形成する際の焼成温度(Tb)と上記透明
ガラスの軟化温度(Ts)との関係を Ts−40℃≦Tb≦Ts+40℃ の範囲とすることを特徴とするPDP用CFの形成方
法、及び該方法によって形成されたCFを有するPD
P。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体放電を用いた
自発光形式のプラズマディスプレイパネル(以下PDP
と略す)に係わり、更に詳しくはPDPの前面板に設け
るカラーフィルター(以下CFと略す)を形成する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にPDPは、2枚の対向するガラス
基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、そ
の間にNe等を主体とするガスを封入した構造になって
いる。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周
辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セ
ルを発光させて表示を行なうようにしている。情報表示
するためには、規則的に並んだセルを選択的に放電発光
させる。このPDPには、電極が放電空間に露出してい
る直流型(DC型)と絶縁層で覆われている交流型(A
C型)の2タイプがあり、双方とも表示機能や駆動方法
の違いによって、更にリフレッシュ駆動方式とメモリー
駆動方式に分類される。
【0003】図1は、AC型PDPの一構成例を示した
ものである。この図は前面板1と背面板2を離した状態
で示したもので、図示のようにガラスからなる前面板1
と背面板2とが互いに平行に且つ対向して配設されてお
り、背面板2の前面側には、これに立設するバリヤーリ
ブ3が固着され、このバリヤーリブ3により前面板1と
背面板2とが一定間隔で保持されている。そして、前面
板1の背面側には透明電極である維持電極4と金属電極
であるバス電極5とからなる複合電極が互いに平行に形
成され、これを覆って誘電体層6が形成されており、更
にその上に保護層7(MgO層)が形成されている。
【0004】又、背面板2の前面側には前記複合電極と
直交するようにバリヤーリブ3の間に位置してアドレス
電極8が互いに平行に形成されており、更にバリヤーリ
ブ3の壁面とセル底面を覆うようにして蛍光体9が設け
られている。このAC型PDPでは、前面板1上の複合
電極間に交流電源から所定の電圧を印加して電場を形成
することにより、前面板1と背面板2とバリヤーリブ3
とで区画される表示要素として各セル内で放電が行なわ
れる。
【0005】そしてこの放電により生じる紫外線により
蛍光体9を発光させ、前面板1を透過してくる光を観察
者が視認するようになっている。ところで、上記の如き
カラーPDPでは今までに様々な改良がなされてきた。
しかしながら、従来のPDPでは、その表示輝度が十分
でないためもあり、表示画像のコントラストが十分にと
れていないのが現状である。
【0006】PDPのディスプレイを見易くするには、
画像表示面の反射率を低減し、且つ表示画像のコントラ
ストを向上させることが効果的であり、これを実現する
ための手段としては、例えば、 前面板にND(Neutral Density)フィルター特性を
もたせる。 前面板にNdを入れ、発光体の主要スペクトル
以外のところで吸収特性を持たせる。 蛍光層以外の場所を低反射材料で埋める。即ち、ブラ
ックマトリックス(以下BMと称する)を形成する。 蛍光層に発光色と同じ色の顔料を混合する。 蛍光層の前に顔料層を形成する。 赤、緑及び青の各セルに対応して、発光スペクトル単
一波長だけ透過させるCFを設ける。 等が考えられる。
【0007】しかしながら、PDPはCRTと異なり、
輝度にあまり余裕がないため、輝度の減少を最低限に抑
えてコントラストを上げるには、のBMとのCFを
使用することが有効である。そして、カラーPDPにお
いては、表示画像の視野角の点から考えると、前面板の
内側にこれらのBM及びCFを設ける必要がある。
【0008】しかしながら、このような構成にすると、
BM及びCFとが共に、基板作製の工程上、450〜5
80℃程度、若しくはそれ以上の高温に耐えるものであ
ること、及びこの処理の際に気体が発生しないことが要
求される。この点において、現在使用されている液晶表
示素子用のBMやCFをそのままPDPのBMやCFと
して使用することはできない。上述のような背景に鑑み
てなされた従来の耐熱性CF材料としては、(A)無機
顔料を低融点透明ガラスフリットに分散させた材料、及
び(B)金属や金属酸化物を着色成分とする色ガラスが
挙げられる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術におい
て、前記Aの無機顔料を用いてCFを形成する場合に
は、無機顔料単独では被膜形成が不十分であることか
ら、かなりの量の低融点ガラス粉末(フリット)及び粘
度調節等の目的で有機バインダーが併用されてきた。こ
の際使用する無機顔料の粒子径は小さい程好ましいが、
従来の無機顔料、特にRGBのCFとして好適な無機顔
料にはあまり小さい粒径のものは知られていなかった。
【0010】又、形成されるCFはその厚みが薄い程透
過光のロスが少ないので好ましいが、形成されるCFに
十分な分光能力を付与するためにはかなりの量の無機顔
料を使用し、従ってそれに応じてかなりの量のフリット
を併用するために、形成されるCFが厚くなる。その結
果、図1に示すPDPの前面板と維持電極4との間にC
Fを形成する場合、CFパターンが背面板2側に形成さ
れている蛍光面9に合わせて形成されるため、厚い(2
〜10μm)CFストライプパターンをまたぐ形で維持
電極及びバス電極が形成され、維持電極及びバス電極に
破断や膜厚、線幅、エッジ形状のばらつき等の悪影響を
与える虞があった。
【0011】上記問題に対して、使用する無機顔料の粒
径を小さくして単位量当たりの着色力を向上させ、且つ
フリットを使用せずにCFを形成することが考えられ、
このようにして形成されるCFは十分な分光能力と各種
電極に悪影響を与えない薄さを有することが期待され
る。しかしながら、CFの形成にフリットを使用してい
ない結果、形成されたCFの物理的強度が低く、該CF
の表面に他の層を積層する場合には、上層の焼成時に上
層中のガラスフリット等が溶融及び流動することにより
CFのパターンが崩れてしまい実用性がなかった。
【0012】又、前記Bの色ガラスを用いてCFを形成
する場合には、色ガラス中の金属や金属酸化物等の着色
成分が焼成によりガラス成分中に均一に溶融及び分散す
るために、高コントラスト及び高透過率のCFが得られ
る。その反面、色ガラスは焼成時に化学的に不安定であ
り、CFに隣接する層、例えば、誘電体層に前記着色成
分が拡散し、CFの線幅が拡大してしまうという問題が
ある。更には着色成分が誘電体層のガラス成分と反応
し、光学特性が変化してしまうという問題点があった。
【0013】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
課題を解決し、CFパターンを損うことなく高コントラ
スト及び高透過率のCFを形成する方法を提供すること
である。又、薄膜のCFを形成することにより、PDP
の前面板における電極に対しても悪影響を与えず、前面
板の任意の箇所、特に電極と接触する位置に形成するこ
ともできるCFの形成方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、PDPの前面板
を構成する複数の層のいずれかの界面に、超微粒子無機
顔料若しくは色ガラスからなるCFを形成し、該CFの
表面に透明ガラスからなる保護層を形成するPDP用C
Fの形成方法において、上記保護層を形成する際の焼成
温度(Tb)と上記透明ガラスの軟化温度(Ts)との
関係を Ts−40℃≦Tb≦Ts+40℃ の範囲とすることを特徴とするPDP用CFの形成方
法、及び該方法によって形成されたCFを有するPDP
である。
【0015】本発明によれば、上記構成によって、CF
パターンを損うことなく高コントラスト及び高透過率の
CFを形成する方法を提供することができる。又、薄膜
のCFを形成することにより、PDPの前面板における
電極に対しても悪影響を与えず、前面板の任意の箇所、
特に電極と接触する位置に形成することもできるCFの
形成方法を提供することができる。これに対して、焼成
温度が上記範囲を越えると、焼成時における保護層形成
用ガラス材料の流動性が高くなり、該ガラスの流動によ
って、超微粒子無機顔料からなるCFのパターンが崩れ
たり、色ガラスからなるCFの着色成分が保護層中に拡
散してしまう虞がある。尚、軟化温度よりも低い焼成温
度の場合には、焼成時間を延長することによって保護層
の形成が可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】次に実施の形態を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。本発明におけるPDPは前記の通
り、その代表的構造を図1に示したが、本発明は図1に
示した構造以外のDC型PDPにも応用できることは云
うまでもない。又、本発明において、前面板に、CF1
0とその保護層11を形成する位置は、図2(a)〜
(c)に示すように、カラス基板1と維持電極4との界
面、バス電極5と誘電体層6との界面、誘電体層6中、
誘電体層6とMgO保護層7との界面に形成することが
でき、更にはCF用保護層11を誘電体層6の一部とし
て形成してもよい。
【0017】本発明で使用する超微粒子の無機顔料とし
ては、例えば、鉄系(赤)、アルミン酸マンガン系(桃
色)、金系(桃色)、アンチモン−チタン−クロム系
(橙色)、鉄−クロム−亜鉛系(黄色)、鉄系(褐
色)、チタン−クロム系(黄褐色)、アンチモン−チタ
ン−クロム系(黄色)、亜鉛−バナジウム系(黄色)、
ジルコニウム−バナジウム系(黄色)、クロム系(緑
色)、バナジウム−クロム系(緑色)、コバルト系(青
色)、アルミン酸コバルト系(青色)、バナジウム−ジ
ルコニウム系(青色)、コバルト−クロム−鉄系(黒
色)等があり、これらを適当に混合して所望のRGBの
色調に、又、必要に応じてブラックマトリックス用に調
色して使用することも可能である。
【0018】以上の無機顔料は、本発明においては、そ
の粒子径が0.001〜0.2μmの範囲になるように
微粉砕して使用することが好ましく、上記粒径より小さ
い粒径の無機顔料は実質上作製及び入手が困難であり、
粒径が0.2μmを越えると、薄いCFとした場合にそ
の着色力不足に起因して十分な分光能力が得られない。
【0019】一方、従来の色ガラスは、その着色機能か
らも種類が多く、又、同じ原料でも製造条件によって色
が変化する場合がある。本発明で使用する色ガラスの1
例はフリットに着色成分を加えて溶融及び粉砕したもの
である。フリットとしては、無水珪酸(SiO)、酸
化鉛(PbO)、酸化カリウム(KO)、酸化硼素
(B)、フッ化アルミ(AlF)、酸化砒素
(As)等を含むカリ鉛ガラスが主成分であり、
それらの原料としては、珪石、鉛丹、黄色酸化鉛、鉛
白、カリ硝石、硼酸、硼砂、重炭酸ソーダ、フッ化物等
が使用される。これに着色剤として亜砒酸(白色)、酸
化錫(白色)、酸化銅(緑色)、酸化コバルト(青
色)、重クロム酸カリ(黄色)、酸化アンチモン(黄
色)、酸化鉄(茶色)、二酸化マンガン(紫色)、酸化
ニッケル(紫色)、塩化金(赤色)、ウラン酸ソーダ
(橙色)、セレン赤(朱赤色)等を、所望の色相になる
ように組み合わせる。そして、これらを混合し、加熱溶
融してガラス化し、冷却粉砕して本発明で使用する色ガ
ラスが得られる。尚、これらの色ガラスは粉末として使
用されるが、その粒径については特に制限はない。
【0020】上記超微粒子無機顔料或いは色ガラスは、
感光性樹脂や非感光性樹脂をバインダーとして塗工液又
はインキに調製して使用する。塗工液又はインキの調製
は、使用に適当な有機メジウムを用いて超微粒子無機顔
料或いは色ガラスをペースト化して行われる。該ペース
ト化に使用する有機メジウムとしては、好ましくはアク
リル系樹脂、エチルセルロース系樹脂、アルキッド系樹
脂等の樹脂と、ターピネオール、ブチルカルビトール
(BCA)等の溶剤からなるメジウムを使用し、該メジ
ウムに適当な量の着色材料(超微粒子顔料若しくは色ガ
ラスフリット)を混合して3本ロール等により混練する
ことにより塗工液又はインキが得られる。得られるCF
用塗工液又はペーストの粘度は、有機メジウムの量を調
節して100〜1,000ポイズ程度の粘度に調節する
ことが好ましい。
【0021】CF及びブラックマトリックスの形成方法
としては、スクリーン印刷によるパターン形成が簡便で
ある。更には前記塗工液又はインキに感光性樹脂等の感
光性材料を添加し、CF及びブラックマトリックスの描
画されたガラスマスクと密着露光及び現像して、所望の
パターンを得る、所謂フォトリソグラフィー法を用いる
ことにより高精細なパターンの形成が可能である。
【0022】以上の如く形成されるCFの厚みは、超微
粒子顔料を用いる場合には2μm以下が好ましく、更に
好ましくは約0.3〜1.0μmの範囲である。この場
合においてCFの厚みが2μmを超えると、CFの透過
率が低くなる(透過率60%以下)ので好ましくない。
又、色ガラス材料を用いる場合は、顔料を用いた場合に
比べて高透過率であり、CFの厚みは20μm以下が好
ましく、更に好ましくは8〜15μmの範囲である。C
Fの厚みが20μmを超えると、前記顔料の場合と同様
に透過率が低下するので好ましくない。
【0023】本発明では、上記の如く形成されたCFの
表面に透明ガラスからなる保護層(CF用の)を形成す
る。該保護層の形成に使用する低融点ガラスとして好ま
しい材料は、硼珪酸鉛ガラス、ビスマス系ガラス及び亜
鉛系ガラスである。上記保護層用透明ガラスは、適当な
バインダーとともに塗工液又はインキに調製して使用す
る。塗工液又はインキの調製は、使用に際して上記ガラ
ス粉末に適当な有機メジウムを加えてペースト化するこ
とによって行う。該ペースト化に使用する有機メジウム
としては、好ましくはアクリル系樹脂、エチルセルロー
ス系樹脂、アルキッド系樹脂等の樹脂と、ターピネオー
ル、ブチルカルビトール(BCA)等の溶剤からなるメ
ジウムを使用し、ペーストの濃度としてはガラス粉末6
0〜85重量%と有機メジウム15〜40重量%であ
り、ペーストの粘度が100〜1,000ポイズになる
ように溶剤を適宜加えて粘度を調整する。以上の材料を
混合し、三本ロール等により混練して塗工液又はインキ
が得られる。保護層の形成には、前記ペーストを用いて
スクリーン印刷で形成する方法が好ましいが、ダイコー
ト、カーテンコート等の方法によって形成することも可
能である。
【0024】本発明では、上記保護層用塗工液を前記C
Fの表面に塗布後、乾燥し、焼成することによって保護
層を形成する。本発明では、この際の焼成温度が重要で
あって、焼成は前記保護層形成用ガラス粉末の軟化点±
40℃の範囲で行うことが必要であり、好ましくは軟化
点±20℃の範囲である。焼成温度が上記範囲を越える
と、焼成時における保護層形成用ガラス材料の流動性が
高くなり、該ガラスの流動によって超微粒子無機顔料か
らなるCFのパターンが崩れたり、色ガラスからなるC
Fの着色成分が保護層中に拡散してしまう虞がある。
尚、軟化温度よりも低い焼成温度の場合には、焼成時間
を延長することによって保護層の形成が可能である。
【0025】具体的には、前記の保護層用透明ガラスの
軟化点は、その組成によって一様ではないが、一般的に
は470〜600℃であるので、焼成温度は一般的には
430〜640℃の範囲である。但し、ガラス基板とし
ては一般のソーダガラス等の低軟化点のガラスを用いる
場合には、600℃よりも高温で焼成するとガラス基板
が変形してしまうため、このような基板を用いる場合に
は600℃以下の温度で焼成することが好ましい。
【0026】尚、本発明においてガラスの軟化点とは、
示差熱分析計により、粉末状の試料としての無機ガラス
粉末を所定の条件で加熱してゆき、ガラス粉末が軟化す
る際の形状変化に起因するリファレンスとの温度差の変
化率(傾き)を検出し、その傾きの変化点(屈曲点)を
軟化点とした。具体的には、(株)リガク製の高温型T
G−DTA TG 8110タイプマクロ試料ホルダを
用い、空気中、昇温速度10℃/min.、サンプル量
500mg、リファレンスとしてアルミナ、試料容器と
して(株)リガク製マクロ用一対型Pt容器を使用して
ガラスの軟化点を測定した。参考までに軟化点が550
℃とされているガラス粉末のサンプルを実際に示差熱分
析により測定したチャートを図5に示す。図5において
矢印で示した点が本発明でいうガラスの軟化温度であ
る。
【0027】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。 実施例1 本実施例では図2(a)に示すようにガラス基板1と電
極4との間にCF10と保護層11を形成する例を示す
が、図2(b)及び(c)に示す如く他の位置にCF1
0と保護層11を形成しても同効である。先ず、ガラス
基板上に、黒色無機顔料を含む感光性材料を乾燥時膜厚
として1μmになるように塗布し、マスクを介して露光
し、現像して線幅50μmのストライプ状のブラックマ
トリックスを形成した。
【0028】次いでRGBの3色のCF用の着色インキ
を調製し、スクリーン印刷法により、ブラックマトリッ
クスのストライプの間に各色の形成部分に着色層を印刷
形成した。これをベルト式焼成炉を用いて580℃で2
0分間焼成して厚み1μmのCFを形成した。このCF
の上に保護層用の無色透明ガラスペースト(T&Dセラ
テック製 WX−0055、軟化点580℃)を用いて
スクリーン印刷法により全面塗布し、ガラスペーストの
軟化点と同程度の600℃で20分間焼成を行って厚さ
10μmの保護層を形成した。上記で使用した黒色及び
RGBの4色の着色インキの組成は下記の通りである。
【0029】
【表1】
【0030】得られたCFの透過スペクトルを図3に示
す。一般にPDPに用いられる蛍光体の発光ピーク波長
領域は、レッドが590〜620nm、グリーンが50
0〜540nm、ブルーが430〜460nmの範囲で
ある。図3から明らかであるように、本実施例による各
色のCFは良好なフィルター特性を示している。
【0031】実施例2〜4及び比較例1〜3 本実施例では、実施例1におけるCF保護層用の無色透
明ガラスペーストの種類、保護層の焼成温度及び焼成時
間を変えた以外は実施例1と同様にして本発明及び比較
例のCFを形成した。
【0032】
【表2】 上記ガラッスフリットはいずれも(株)T&D セラテ
ィック製である。以上の如くして得られた本発明のCF
の平坦性は、最大粗さRmax=0.5μmであり、非
常に平坦であり、他の層に悪影響を与えないものであっ
た。
【0033】上記CFを用いて以下の如くPDPを構成
した。前記CF保護層の表面に、電極を形成する。先
ず、スパッタリング法或いは蒸着法により全面にITO
を1,500〜2,000Åの厚みに形成する。次にI
TO膜上に、金属粒子を含有するペーストを印刷した
り、感光性のペーストを用いて形成してもよいが、ここ
ではCr(500Å)、Cu(1,000Å)及びCr
(2,000Å)からなる金属薄膜をスパッタリング法
或いは蒸着法により順次形成した。次いでフォトレジス
トを塗布し、露光及び現像してマスクを形成し、金属電
極をエッチングした。再度フォトレジストにてマスクを
形成してITOのエッチングを行い維持電極及びバス電
極を形成した。
【0034】以上のようにCF及び電極が形成された基
板上に、無色透明ガラスペースト(日本電気硝子(株)
製「PLS−3152」、軟化点600℃)を使用し、
スクリーン印刷で印刷塗布し、600℃で焼成して厚み
15μmの誘電体層を形成し、更にその上に保護層(M
gO層)を蒸着法により厚み8,000Åに形成してP
DP用前面板を得た。得られた前面板は、CF層の最大
粗さが0.5μmと非常に平坦性に優れているために、
電極の断線やエッジ形状不良等が生じなかった。
【0035】一方、他のガラス基板上に、必要によりガ
ラスペーストからなる下地層を形成し、上記電極と直交
し、CFと平行な方向のアドレス電極を形成し、前記ア
ドレス電極と平行なバリヤーリブをサンドブラスト法等
により形成し、バリヤーリブで囲まれたセル内に蛍光体
を充填して背面板を形成した。このようにして得られた
前面板と背面板とを封着し、ネオンやキセノン等からな
る希ガスを封入して面放電AC型PDPを形成した。こ
のPDPを駆動させると輝度及びコントラスト等に優れ
た高品位のカラー画像が表示できた。
【0036】実施例5 本実施例では、色ガラスフリットからなるCFを図2
(c)に示すように誘電体層と保護層との間に形成し
た。前記実施例と同様にしてガラス基板上に維持電極、
バス電極及び誘電体層を形成した。誘電体層上に表3に
示すブラック、レッド、グリーン及びブルーの4種類の
色ガラスペーストを使用し、スクリーン印刷でパターニ
ングし、焼成してCFを形成した。これをベルト式焼成
炉で350〜580℃の熱勾配を作り、580℃で20
分間以上、全体で120分間焼成した。該焼成方法の代
わりにバッチ式焼成炉を用いて、600℃で15分間焼
成するようにしてもよい。このCF上にCF保護層用の
無色透明ガラスペースト(日本電気硝子(株)製「PL
S−3232」、軟化点585℃)を使用し、スクリー
ン印刷法により全面印刷し、ガラスペーストの軟化点と
同程度の600℃で焼成を行い、厚さ10μmの保護層
を形成した。更にMgOからなる保護層を蒸着法により
形成してPDP用前面板を得た。得られたCFの透過ス
ペクトルを図4に示す。図4から明らかなように良好な
フィルター特性が得られた。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、上記構成に
よって、十分な分光能力を有するとともに、非常に薄膜
に形成しても十分な物理的強度を有し、従ってPDPの
前面板における電極に対しても悪影響を与えず、従って
前面板の任意の箇所、特に電極と接触する位置に形成す
ることもできるCFの形成方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 AC型PDPの一構成例を示す図。
【図2】 AC型PDPの全面板の構成例を示す図。
【図3】 実施例1で得られたCFの分光特性を示す
図。
【図4】 実施例5で得られたCFの透過スペクトルを
示す図。
【図5】 示差熱分析のチャートを示す図。
【符号の説明】
1,2:ガラス基板 3:バリヤーリブ 4,5:電極 6:誘電体層 7:保護層(MgO層) 8:アドレス電極 9:蛍光体 10:CF 11:CF用保護層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマディスプレイパネルの前面板を
    構成する複数の層のいずれかの界面に、超微粒子無機顔
    料若しくは色ガラスからなるカラーフィルターを形成
    し、該カラーフィルターの表面に透明ガラスからなる保
    護層を形成するプラズマディスプレイ用カラーフィルタ
    ーの形成方法において、上記保護層を形成する際の焼成
    温度(Tb)と上記透明ガラスの軟化温度(Ts)との
    関係を Ts−40℃≦Tb≦Ts+40℃ の範囲とすることを特徴とするプラズマディスプレイパ
    ネル用カラーフィルターの形成方法。
  2. 【請求項2】 カラーフィルターがブラックマトリック
    スを含む請求項1に記載のカラーフィルターの形成方
    法。
  3. 【請求項3】 超微粒子無機顔料の粒子径が0.001
    〜0.2μmの範囲である請求項1に記載のカラーフィ
    ルターの形成方法。
  4. 【請求項4】 超微粒子無機顔料からなるカラーフィル
    ターの厚みが2μm以下である請求項1に記載のカラー
    フィルターの形成方法。
  5. 【請求項5】 保護層の厚みが10μm以下である請求
    項1に記載のカラーフィルターの形成方法。
  6. 【請求項6】 保護層を形成するためのガラスが、硼珪
    酸鉛ガラス、ビスマス系ガラス及び亜鉛系ガラスからな
    る請求項1に記載のカラーフィルターの形成方法。
  7. 【請求項7】 プラズマディスプレイパネルの前面板を
    構成する複数の層のいずれかの界面に形成した超微粒子
    無機顔料若しくは色ガラスからなるカラーフィルター
    と、該カラーフィルターの表面に形成した透明ガラスか
    らなる保護層とを有するプラズマディスプレイパネルに
    おいて、上記保護層を形成する際の焼成温度(Tb)と
    上記透明ガラスの軟化温度(Ts)との関係を Ts−40℃≦Tb≦Ts+40℃ の範囲としたことを特徴とするプラズマディスプレイパ
    ネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1156507A2 (de) * 2000-05-19 2001-11-21 Philips Patentverwaltung GmbH Plasmabildschirm mit einem Terbium(III)-aktivierten Leuchtstoff

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1156507A2 (de) * 2000-05-19 2001-11-21 Philips Patentverwaltung GmbH Plasmabildschirm mit einem Terbium(III)-aktivierten Leuchtstoff
EP1156507A3 (de) * 2000-05-19 2004-09-15 Philips Intellectual Property & Standards GmbH Plasmabildschirm mit einem Terbium(III)-aktivierten Leuchtstoff

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