JPH1072448A - 新規複合体及びオリゴヌクレオチドの合成方法 - Google Patents

新規複合体及びオリゴヌクレオチドの合成方法

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JPH1072448A
JPH1072448A JP23073396A JP23073396A JPH1072448A JP H1072448 A JPH1072448 A JP H1072448A JP 23073396 A JP23073396 A JP 23073396A JP 23073396 A JP23073396 A JP 23073396A JP H1072448 A JPH1072448 A JP H1072448A
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正典 片岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新しい核酸合成反応促進剤、特にホスホロア
ミダイト法によるオリゴヌクレオチドの合成方法のため
の反応促進剤を開発することを課題とする。 【解決手段】 ベンズイミダゾール又はその類縁体とア
ルカンスルホン酸又はそのハロゲン置換体からなる新規
な複合体、特にベンズイミダゾールとトリフルオロメタ
ンスルホン酸又はメタンスルホン酸からなる新規な複合
体がホスホロアミダイト法の反応促進剤として優れてい
ることを見出した。また、本発明の核酸合成反応促進剤
は、酸素及び湿気に対して安定であり室温保存が可能で
あり、さらに、アセトニトリルに対する溶解性があり、
価格も高価ではないという点で優れている。特にベンズ
イミダゾールとトリフルオロメタンスルホン酸との複合
体は、液相合成・固相合成いずれにおいても使用できる
という優れた特性をも有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベンズイミダゾー
ル(benzimidazole)又はその類縁体(benzimidazoles)と
アルカンスルホン酸又はそのハロゲン置換体からなる複
合体及びそれを用いた核酸化合物、特にオリゴヌクレオ
チドの合成方法に関するもので、化学、医薬及び農薬の
分野等で幅広く利用されるものである。
【0002】
【従来の技術】オリゴヌクレオチドなどの核酸化合物を
合成するためのヌクレオシドの縮合方法としては、ジエ
ステル法、トリエステル法、ホスファイト法、ホスホロ
アミダイト法、H−ホスホネート法(丹羽峰雄著、DN
Aの化学合成法(化学と生物:実験ライン22)、広川書
店(1992年))及びチオホスファイト法(T. Yoshida、K. K
imura、United States Patent 4,808,708(1989年))が知
られている。
【0003】このうち、ホスホロアミダイト法は、自動
合成機を用いて行う合成方法として広く用いられてお
り、また、この合成方法においては、合成反応促進剤と
して1H-テトラゾールが通常用いられている。
【0004】しかし、アンチセンス核酸法など最近の核
酸化学の進歩にともない、修飾核酸を用いるホスホロア
ミダイト法による合成反応において、1H-テトラゾール
を用いるのでは充分に反応を促進できない場合が増えて
きている。
【0005】このため、1H-テトラゾールにかわる反応
促進剤として、5-(p-ニトロフェニル)-1H-テトラゾール
(NPTと略する)(B. C. Froehler,M. D. Matteucci,Tet
rahedron Lett.,24 巻,3171,1983年)、5-エチルチオ-1H
-テトラゾール(ETTと略する)(R. Vinayak,Nucleic Ac
ids Symp.,Series,31 巻,165,1994年)などがこれまでに
報告されている。
【0006】これらの試薬は、1H-テトラゾールの5位
の炭素に電子吸引基を導入することでアゾール環の電子
密度を低下させ、アゾールの酸性度を高めるように設計
されたものであるが、経済性や有機溶媒に対する溶解性
において問題を残しているものである。
【0007】さらに、比較的活性が高く、溶解性、経済
性に優れた三フッ化ホウ素−ベンズイミダゾール錯体
(日本化学会第69春季年会、演題番号4 G5 25(1994
年))が本発明者等により呈示されたが、このものは上
記のような優れた特性を有する反面、固相合成への適用
は難しく、さらに、アリール化したデオキシリボヌクレ
オシドホスホロジイソプロピルアミダイトやデオキシリ
ボヌクレオシドホスホロモルホリダイト、及び立体障害
の大きい保護基や置換基を2’水酸基に有するリボヌク
レオシド3’−ホスホロアミダイトなどの反応性の低い
ヌクレオシドホスホロアミダイトに対しては、反応を十
分に促進するという点では未だ完全に満足できるもので
はない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ホスホロア
ミダイト法における反応促進剤としての活性が1H-テト
ラゾールよりも高く、特に反応性の低いヌクレオシドホ
スホロアミダイトに対しても有効であり、かつ経済性及
び簡便性を兼ね備えた、新しい核酸合成反応促進剤、特
にホスホロアミダイト法によるオリゴヌクレオチドの合
成方法のための反応促進剤を開発し、該促進剤を用いた
核酸合成法、特にホスホロアミダイト法によるオリゴヌ
クレオチドの合成方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、ベンズイミダゾール又はその類縁体とアルカン
スルホン酸又はそのハロゲン置換体からなる新規な複合
体、特にベンズイミダゾールとトリフルオロメタンスル
ホン酸又はベンズイミダゾールとメタンスルホン酸から
なる新規な複合体がホスホロアミダイト法の反応促進剤
として優れていることを見出し本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、以下のものに関す
る。 [1]ベンズイミダゾール又はその類縁体とアルカンス
ルホン酸又はそのハロゲン置換体からなる複合体、
[2][1]記載の複合体を有効成分として含む核酸合
成反応促進剤、及び[3][1]記載の複合体の存在下
にヌクレオシドホスホロアミダイト又はヌクレオシドホ
スホノアミダイトとヌクレオシドとを反応させることを
特徴とするオリゴヌクレオチドの合成方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明の、ベンズイミダゾール又はその類
縁体とアルカンスルホン酸又はそのハロゲン置換体から
なる複合体としては、例えばベンズイミダゾールとトリ
フルオロメタンスルホン酸、又はベンズイミダゾールと
メタンスルホン酸からなる新規な複合体を挙げることが
でき、それぞれ下記構造式(1)又は(2)で表すこと
ができる化合物(それぞれ化合物(1)及び化合物
(2))で、ルイス塩基であるベンズイミダゾールの窒
素上の孤立電子対に水素イオンが結合した陽イオンと、
トリフルオロメタンスルホン酸又はメタンスルホン酸の
陰イオンとがイオン結合で複合体を形成している化合物
であり、ベンズイミダゾールの解離可能な水素の酸性度
が水素イオンの付加により増大しているのが特徴であ
る。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】 本発明の複合体は、例えばベンズイミダゾールとトリフ
ルオロメタンスルホン酸又はメタンスルホン酸とを等モ
ルずつ、室温下、ジクロロメタン中で混ぜ、エーテル中
より再結晶する方法等により、容易に得ることができ
る。
【0015】この際、ジクロロメタンの他に、クロロホ
ルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタンなどを用いるこ
とができる。また、エーテル(ジエチルエーテル)の他
に、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、ブタノールなどを用いることができる。
【0016】このようにして得られた複合体は、酸素及
び湿気に対して安定であり、室温保存が可能であるう
え、アセトニトリルに対する溶解性が高く、例えばベン
ズイミダゾールとトリフルオロメタンスルホン酸との複
合体のアセトニトリルに対する溶解性は0.4モル/
l、ベンズイミダゾールとメタンスルホン酸との複合体
については0.1モル/lである。
【0017】本発明におけるアルカンスルホン酸として
は、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンス
ルホン酸など、アルカンスルホン酸であればいかなるも
のでもよいが、低級アルカンのものが好ましく、特にメ
タンスルホン酸が好適に用いられる。また、本発明にお
いては、ベンズイミダゾールに代えてベンズイミダゾー
ル類縁体を、アルカンスルホン酸に代えてハロゲン化ア
ルカンスルホン酸を用いることができる。ベンズイミダ
ゾール類縁体としては、ベンズイミダゾール骨格を有す
るものが広く用いられるが、ベンズイミダゾールのベン
ゼン環又は5員環がアルキル基やハロゲンなどで置換さ
れている化合物などが挙げられる。例えば、2−クロロ
ベンズイミダゾール、2−ブロモベンズイミダゾール、
2−メチルベンズイミダゾール、2−フェニルベンズイ
ミダゾール、1−メチルベンズイミダゾールなどが好適
に用いられる。ハロゲン化アルカンスルホン酸として
は、アルキル基の1又は複数の水素がハロゲン原子で置
換されているいかなるものでもよく、置換ハロゲン原子
としてはフッ素、塩素などいかなるものでもよいがフッ
素が好ましく、特にフッ化メタンスルホン酸、その中で
もトリフルオロメタンスルホン酸が好適に用いられる。
【0018】本発明の複合体、特にベンズイミダゾール
とトリフルオロメタンスルホン酸、又はベンズイミダゾ
ールとメタンスルホン酸からなる複合体は、ホスホロア
ミダイト法によりオリゴヌクレオチドを合成する際の反
応促進剤として有効なものである。
【0019】本発明の複合体を用いて、ヌクレオシドホ
スホロアミダイトとヌクレオシドを反応させる縮合反応
について説明する。
【0020】ヌクレオシドホスホロアミダイトとヌクレ
オシドを反応させる縮合反応、すなわちホスホロアミダ
イト法オリゴヌクレオチド合成反応は前述のように公知
の方法であり、一般的には以下の構造式(3)に示され
る、必要に応じて保護基で保護されたヌクレオシドのア
ミダイト試薬(化合物(3))と、構造式(4)で示さ
れる、必要に応じて保護基で保護されたヌクレオシド
(化合物(4))とを有機溶媒中で反応させる方法であ
る。
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】 上記構造式(3)及び(4)で示される、必要に応じて
保護基で保護されたヌクレオシドのアミダイト試薬及び
ヌクレオシドとしては、ホスホロアミダイト法オリゴヌ
クレオチド合成反応で用いられている公知のものがその
まま例示されるが、それらの一部を具体的に示すと以下
のようなものである。
【0023】すなわち、構造式(3)と(4)における
1及びB2は、核酸塩基又は必要に応じて保護基で保護
をした核酸塩基から、ピリミジン塩基の場合には1位の
水素が、またプリン塩基の場合には9位の水素が除去さ
れたものであり、核酸塩基としては、例えば、チミン及
びウラシルが、また保護基で保護する必要のある核酸塩
基としては、例えば、シトシン、アデニン、及びグアニ
ンなどホスホロアミダイト法で通常使用されるものを挙
げることができる。ここで、核酸塩基の保護基として
は、シトシンの4位やアデニンの6位のNに結合させた
アリルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、ベンジル
基、アセチル基、フェノキシアセチル基、第三ブチルフ
ェノキシアセチル基、グアニンの2位のNに結合させた
イソブチリル基、アリルオキシカルボニル基、フェノキ
シアセチル基、第三ブチルフェノキシアセチル基など、
ホスホロアミダイト法で通常使用されるものを挙げるこ
とができる。
【0024】R1〜R6についても、下記に例示されるよ
うなホスホロアミダイト法で通常使用されるものが適用
される。
【0025】R1としては、フェニル、フェノキシ、2-
クロロフェノキシ、アリルオキシ、2-シアノエトキシ、
メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、2-(2-ピリジル)
エチル、3-(3-ピリジル)プロポキシ、3-(4-ピリジル)プ
ロポキシ、4-(2-ピリジル)ブトキシ、5-(2-ピリジル)ペ
ントキシ、2-(2,2'-ビピリジル)エトキシなどである。
【0026】R2としては、二つあるそれぞれが同じで
あっても異なっていてもよく、例えば、イソプロピル、
メチル、エチル、プロピル、フェニルなどである。また
2としては、それが環状であってもよく、例えば、O
(CH2CH22、(CH24、(CH25、(CH2
7などである。
【0027】R3は、H又はOR7で、R7としては、ア
リルオキシカルボニル、第三ブチルジメチルシリル、ト
リエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、ジイソプロ
ピルフェニルシリル、メチル、フェニル、テトラヒドロ
ピラニル、1-(メトキシ)-4-オキサシクロヘキシル、ア
セチル、ベンゾイル、ピバロイル、p-トルエンスルホニ
ルなどである。
【0028】R4としては、第三ブチルジメチルシリ
ル、トリエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、ジイ
ソプロピルフェニルシリル、メチル、フェニル、テトラ
ヒドロピラニル、1-(メトキシ)-4-オキサシクロヘキシ
ル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、p-トルエンス
ルホニルなどである。
【0029】R5としては、アリルオキシカルボニル、
ジメトキシトリチル、モノメトキシトリチル、第三ブチ
ルジメチルシリル、トリエチルシリル、ジフェニルメチ
ルシリル、ジイソプロピルフェニルシリル、メチル、フ
ェニル、テトラヒドロピラニル、1-(メトキシ)-4-オキ
サシクロヘキシル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイ
ル、p-トルエンスルホニルなどである。
【0030】R6は、H又はOR8で、R8としては、ア
リルオキシカルボニル、第三ブチルジメチルシリル、ト
リエチルシリル、ジフェニルメチルシリル、ジイソプロ
ピルフェニルシリル、メチル、フェニル、テトラヒドロ
ピラニル、1-(メトキシ)-4-オキサシクロヘキシル、ア
セチル、ベンゾイル、ピバロイル、p-トルエンスルホニ
ルなどである。
【0031】ヌクレオシドホスホロアミダイトとヌクレ
オシドを反応させる縮合反応、すなわちホスホロアミダ
イト法オリゴヌクレオチド合成反応は一般に有機溶媒中
で行われており、使用される溶媒としては、アセトニト
リル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のアルキル
ニトリル類、ジクロロメタン、1,1-ジクロロエタン、1,
2-ジクロロエタン、トリクロロエタン等のハロゲン化ア
ルカン、テトラヒドロフラン等のエーテル類などであ
り、本発明においても同様にこれらの溶媒を用いて反応
させることができる。
【0032】反応は、10℃から40℃、好ましくは1
5℃から35℃、さらに好ましくは20℃から30℃の
温度下で行われる。
【0033】反応させる際のヌクレオシドホスホロアミ
ダイトとヌクレオシドのモル比は、ヌクレオシドを1と
すると、ヌクレオシドホスホロアミダイトは1〜10、
好ましくは1.2〜2.0、さらに好ましくは1.2であ
り、本発明の複合体の使用量は、モル比で、ヌクレオシ
ドを1として、1〜30、好ましくは1〜5、さらに好
ましくは1.2〜1.5である。
【0034】ホスホロアミダイトとヌクレオシドの縮合
反応(0.1M溶液、室温)における反応促進能力を、公
知の1H-テトラゾール又はNPTと比較すると、例えば、以
下の構造式(5)
【0035】
【化5】 に示す反応性が低いヌクレオシド3’−ホスホロモルホ
リダイト(化合物(5))と以下の構造式(6)
【0036】
【化6】 に示す5’−OH体のヌクレオシド(化合物(6))と
の反応を同一の条件下で行った場合(アミダイト:ヌク
レオシド:促進剤=1.5:1:3、アセトニトリル
中、25℃、5分)、1H-テトラゾール又はNPTを促進剤
として用いた場合の反応収率はそれぞれ52%又は84
%であるのに対し、ベンズイミダゾールとトリフルオロ
メタンスルホン酸の複合体を用いた場合には98%であ
った。アミダイトの塩基を他の塩基にかえた場合、及び
アミダイトの種類やヌクレオシドの種類を他のものにか
えた場合にもほぼ同様の結果が得られ、本発明の促進剤
は非常に優れた反応促進作用を示す。とくに、本発明の
促進剤は、一般的なホスホロアミダイトに対して有効な
だけではなく、化学的要因や立体的要因から反応性が低
くなっているホスホロアミダイト等を用いた縮合反応に
おいても優れた反応促進作用を示すものである。
【0037】
【実施例】以下実施例に基づいてより詳細に説明する。
【0038】[実施例1] ベンズイミダゾールとトリ
フルオロメタンスルホン酸の複合体(化合物(1))の
合成 ベンズイミダゾールとトリフルオロメタンスルホン酸と
を0.04モルずつジクロロメタン(50mL)溶液に0
℃で混ぜ、30分間攪拌した。次いでジクロロメタンを
10mLまで減圧留去させた後、複合体に20mLのエーテ
ルを加え、これから再結晶して、目的物を得た。
【0039】融点:188−190℃FTIR(KBr) :3146、1622、1535、
1456、1299、1030、951、936、84
1、762、642cm-1 1H NMR(CD3OD) :7.53−7.55(m,2H,
H-7)、7.74−7.76(m,2H,H-6)、9.24
(S,1H,H-2)ppm元素分析 :Anal.Calcd for C873
23S:C,35.83;H,2.63;N,10.
44 Found:C,35.83;H,2.59;N,1
0.40溶解性(対アセトニトリル) :0.4モル/L [実施例2] ベンズイミダゾールとメタンスルホン酸
の複合体(化合物(2))の合成 ベンズイミダゾールとメタンスルホン酸とを0.04モ
ルずつジクロロメタン(50mL)溶液に0℃で混ぜ、3
0分間攪拌した。反応溶液に20mLのエーテルを加え、
これから再結晶して、目的物を得た。
【0040】融点:214−215℃FTIR(KBr) :3146、1622、1535、
1456、1414、1299、1030、951、9
36、841、762、640cm-1 1H NMR(CD3OD) :7.64−7.68(m,2H,
H-7)、7.89−7.92(m,2H,H-6)、9.42
(S,1H,H-2)ppm元素分析 :Anal.Calcd for C8102
3S:C,44.85;H,4.70;N,13.0
8 Found:C,44.84;H,4.78;N,1
3.07溶解性(対アセトニトリル) :0.1モル/L以下 [実施例3]ホスホロアミダイト類の合成 a) 5'-O-p,p'-ジメトキシトリチル-チミジン 3'-(2-ク
ロロフェニル) モルホリノホスホロアミダイト(化合物
(7d))の合成 下記構造式(7d)で示される標記ホスホロアミダイト
を以下の手順で合成した。なお、下記構造式においてD
MTrはジメトキシトリチル基、Thはチミジン構造であ
ることを示す。
【0041】
【化7】 1H-テトラゾール(568mg、8.1mmol)、モルホリン
(0.78mL、8.9mmol)、2-クロロフェノール(1.68
mL)のアセトニトリル(10mL)溶液に5'-O-p,p'-ジメト
キシトリチル-チミジン 3'-ビスモルホリダイト(12.
1mg、16.2mmol) のアセトニトリル(10mL)溶液を
キャニュラーを通して加え、室温で30分攪拌した。反
応溶液を酢酸エチル(150mL)で希釈し、飽和食塩水
(100mL)で洗浄し、乾燥した。濃縮した後、得られた
粗生成物(13g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(150g、ヘキサン/酢酸エチル/モルホリン=1/
2/痕跡量)で精製し、目的とする5'-O-p,p'-ジメトキ
シトリチル-チミジン 3'-(2-クロロフェニル) モルホリ
ノホスホロアミダイト11.25g(14.3mmol/収率8
8%)を得た。
【0042】5'-O-p,p'-ジメトキシトリチル-チミジン
3'-(2-クロロフェニル) モルホリノホスホロアミダイト
(化合物(7d))の特性形状 :無色アモルファスFTIR(KBr) :3167、3061、2955、2
839、1691、1608、1584、1510、1
476、1368、1254、1177、1111、1
034cm-1 UV(CH3OH) :λmax 237nm(sh)、269nm(ε
=18800) 1H NMR(CDCl3 :1.43(s,3H,CH3)、2.31
−2.41(m,1H,H-2')、2.48−2.66(m,1H,H-
2')、3.10−3.26(m,4H,N(CH 2CH2)2O)、3.34(d
d,J=3.7,10.6Hz,1H,H-5')、3.42−3.63(m,5H,H-
5',N(CH2CH2 )2O) 、3.76(s,6H,OCH2x2)、4.17−
4.30(m,1H,H-4')、4.82−5.01(m,1H,H-3')、
6.39−6.48(m,1H,H-1')、6.65−6.86(m,4
H,DMTrのOCH3のオルト位プロトン)、6.95−7.40
(m,13H,芳香環プロトン)、7.58、7.63(2本のシン
グレット,1H,H-6) 、8.1−8.9(br s,1H,NHCO)ppm 31P NMR(CDCl3 :140.9、141.4ppm なお、化合物(7a)、(7b)、及び(7c)につい
ても化合物(7d)を合成した方法と同様な方法で合成
した。
【0043】b) 5'-O-p,p'-ジメトキシトリチル-チミ
ジン 3'-(2-シアノエチル) N,N-ジイソプロピルホスホ
ロアミダイト(化合物(8))の合成 下記構造式(8)で示される標記ホスホロアミダイトを
以下の手順で合成した。なお、下記構造式においてDM
Trはジメトキシトリチル基、Thはチミジン構造である
ことを示す。
【0044】
【化8】 5'-O-p,p'-ジメトキシトリチルチミジン(245mg、0.
45mmol)の塩化メチレン(5mL)懸濁液にジイソプロピ
ルエチルアミン(0.35mL、2mmol)及びクロロ(2-シア
ノエチルアルコキシ)ジイソプロピルアミノホスフィン
を加え、室温で12分間攪拌した。反応溶液をジクロロ
メタン(50mL)で希釈し、飽和食塩水(20mL)で洗浄
し、乾燥した。濃縮した後、得られた粗生成物(350m
g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(6g、ヘキサ
ン/酢酸エチル/ジイソプロピルアミン=1/1/痕跡
量)で精製し、目的とする5'-O-p,p'-ジメ トキシトリチ
ル-チミジン 3'-(2-エチルアルコキシ) N,N-ジイソプロ
ピルホスホロアミダイトを収率85%で得た。
【0045】5'-O-p,p'-ジメトキシトリチル-チミジン
3'-(2-シアノエチル) N,N-ジイソプロピルホスホロアミ
ダイト(化合物(8))の特性形状 :無色アモルファス (8)は、1H NMRスペクトルにおいて亜リン酸の
2−シアノエチル部位の2種のメチレン水素とジイソプ
ロピルアミノ基のメチル水素及びメチン水素に帰属され
るピークが観察されること、31P NMRスペクトルに
おいてホスホロアミダイトのリン原子の化学シフトとし
て適切な領域である147.4ppmにピークが観察され
ることよりその構造を確認した。
【0046】C) N6-アリルオキシカルボニル-2'-O-t-
ブチルジメチルシリル-5'-O-p,p'-ジメトキシトリチル-
アデノシン 3'-アリルN,N-ジイソプロピルホスホロアミ
ダイト(化合物(9))の合成 下記構造式(9)で示される標記ホスホロアミダイトを
以下の手順で合成した。なお、下記構造式においてTB
DMSはt-ブチルジメチルシリル基、DMTrはジメト
キシトリチル基、AdAOCはN6-アリルオキシカルボニル
アデノシン構造であることを示す。
【0047】
【化9】 2'-O-t-ブチルジメチルシリル-5'-O-p-モノメトキシト
リチル-アデノシン(3.0g、4.39mmol)のテトラヒ
ドロフラン(THF)(20mL)溶液にトリメチルシリルイ
ミダゾール(1.27mL、6.59mmol)を加え、室温で1
0分攪拌した。反応溶液を酢酸エチル(150mL)で希釈
し、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥した。濃縮し
た後得られたトリメチルシリル体のTHF(20mL)溶液
に1.62N塩化tert-ブチルマグネシウム(5.5mL、8.
78mmol)THF溶液を滴下し、室温で30分攪拌し
た。アリルオキシカルボニル-1-ヒドロキシベンゾトリ
アゾール(1.34g、6.95mmol)THF溶液を滴下し
室温で30分攪拌した。反応容器にメタノール(5mL)を
加え、酢酸エチル(150mL)で希釈し、飽和塩化アンモ
ニウム水溶液(100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し
た。濃縮した後、得られた粗アリルオキシカルボニル体
(4.2g)を1Mクエン酸メタノール溶液(20mL、20mm
ol)で30分処理し、反応溶液に水(50mL)を加え、酢
酸エチル(150mL)で抽出し、飽和塩化アンモニウム水
溶液(100mL)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10
0mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥した。濃
縮した後、得られた粗生成物(3.8g)をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(80g、ヘキサン/酢酸エチル/
トリエチルアミン=1/2/痕跡量)で精製し、目的と
する無色アモルファスのN6-アリルオキシカルボニル-2'
-O-t-ブチルジメチルシリル-5'-O-p-モノメトキシトリ
チル-アデノシン1.60g(2.50mmol/収率57%)
を得た。
【0048】N6-アリルオキシカルボニル-2'-O-t-ブチ
ルジメチルシリル-5'-O-p-モノメトキシトリチル-アデ
ノシンの特性TLC :Rf=0.43(ヘキサン/酢酸エチル=1/5)FTIR(KBr) :3266、2932、2859、2
047、1761、1613、1510、1466、1
304、1254cm-1 UV(CH3OH) :λmax 235nm(ε=21200) 、26
7nm(ε=15700) 1H NMR(CDCl3 :0.03(s,3H,(CH3)2Si)、
0.10(s,3H,(CH3)2Si)、0.90(s,9H,(CH3)3C)、3.
27(dd,J=3.7,10.6Hz,1H,H-5')、3.53(dd,J=3.7,1
0.9Hz,1H,H-5')、3.79(s,6H,OCH3x2)、4.15−4.
38(m,2H,H-3'及びH-4')、4.71(d,J=5.7Hz,2H,CH2=
CHCH 2)、4.95(t,J=4.9Hz,1H,H-2')、5.30(dd,J=
1.0,10.2Hz,1H,cis-CH 2=CHCH2)、5.42(dd,J=1.0,17.
2Hz,1H,トランス-CH2=CHCH2)、5.82−6.03(m,3H,
H-1'及びCH2=CHCH2)、6.73(d,J=7.6Hz,4H,DMTrのOCH
3のオルト位プロトン)、7.15−7.45(m,9H,DMTrの
芳香環プロトン)、8.05(s,1H,H-2)、8.61(s,1H,H
-8)ppm N6-アリルオキシカルボニル-2'-O-t-ブチルジメチルシ
リル-5'-O-p-モノメトキシトリチル-アデノシン(313
mg、0.488mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に1H-
テトラゾール(17mg、0.244mmol)、ジイソプロピ
ルアミン(38μL、0.269mmol)を加え、室温で10
分攪拌した後、アリルオキシビス(ジイソプロピルアミ
ノ)ホスフィン(225μL)を加え、室温で30分攪拌し
た。反応溶液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和食
塩水(20mL)で洗浄し、乾燥した。濃縮した後、得られ
た粗生成物(440mg)をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(10g、ヘキサン/酢酸エチル/ジイソプロピル
アミン=2/1/痕跡量)で精製し、目的とするN6-アリ
ルオキシカルボニル-2'-O-t-ブチルジメチルシリル-5'-
O-p,p'-ジメトキシトリチル-アデノシン 3'-アリルN,N-
ジイソプロピルホスホロアミダイト404mg(0.49mm
ol/収率88%)を得た。
【0049】N6-アリルオキシカルボニル-2'-O-t-ブチ
ルジメチルシリル-5'-O-p-モノメトキシトリチル-アデ
ノシン 3'-アリルN,N-ジイソプロピルホスホロアミダイ
ト(化合物(9))の 特性形状 :無色アモルファスTLC :Rf=0.48(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)FTIR(KBr) :2964、2047、1765、1
611、1510、1464、1364、1304、1
252cm-1 UV(CH3OH) :λmax 236nm(ε=16500) 、26
7nm(ε=14100) 1H NMR(CDCl3 :0.04(s,3H,(CH3)2Si)、
0.11(s,3H,(CH3)2Si)、0.91(s,9H,(CH3)3C)、1.
23−1.51(m,12H,CH(CH 3)2x2) 、3.53−3.62
(m,1H,H-5')、3.72−3.90(m,3H,H-5',CH(CH3)2x
2)、3.92(s,6H,OCH3x2)、4.10−4.46(m,2H,CH
2=CHCH 2O)、4.57−4.71(m,2H,H-3'及びH-4') 、
4.71(d,J=5.7Hz,2H,CH2=CHCH2)、4.98(t,J=4.9H
z,1H,H-2')、5.17−5.55(m,5H,CH2=CHCH 2OCO,cis
-CH 2=CHCH2OCO,CH 2=CHCH2O)、5.63(dd,J=1.0,17.4H
z,1H,トランス-CH 2=CHCH2OCO)、5.82−6.34(m,3
H,H-1'及びCH2=CHCH2x2)、7.01(d,J=7.6Hz,4H,DMTr
のOCH3のオルト位プロトン)、7.41−7.73(m,9H,D
MTrの芳香環プロトン)、8.37、8.39(2本のシング
レット,1H,H-2)、8.45(br s,1H,NHCO)、8.85、
8.87(2本のシングレット,1H,H-8)ppm 31P NMR(CDCl3 :148.9、151.1ppm d) 2'-O-t-ブチルジメチルシリル-5'-O-p,p'-ジメトキ
シトリチルウリジン 3'-アリルN,N-ジイソプロピルホス
ホロアミダイト(化合物(10))の合成 下記構造式(10)で示される標記ホスホロアミダイト
を以下の手順で合成した。なお、下記構造式においてT
BDMSはt-ブチルジメチルシリル基、DMTrはジメ
トキシトリチル基、Urはウリジン構造であることを示
す。
【0050】
【化10】 2'-O-t-ブチルジメチルシリル-5'-O-p,p'-ジメトキシト
リチルウリジン(1.6g、2.52mmol)のアセトニトリ
ル(2mL)溶液に1H-テトラゾール(89mg、1.27mmo
l)、ジイソプロピルアミン(200μL、1.40mmol)を
加え、室温で10分攪拌した後、アリルオキシビス(ジ
イソプロピルアミノ)ホスフィン(0.94mL)を加え、室
温で30分攪拌した。反応溶液を酢酸エチル(100mL)
で希釈し、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥した。
濃縮した後、得られた粗生成物(1.9g)をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(40g、ヘキサン/酢酸エチル
/ジイソプロピルアミン=2/1/痕跡量)で精製し、
目的とする2'-O-t-ブチルジメチルシリル-5'-O-p,p'-ジ
メトキシトリチル-ウリジン 3'-アリルN,N-ジイソプロ
ピルホスホロアミダイト1.77g(2.09mmol/収率8
3%)を得た。
【0051】2'-O-t-ブチルジメチルシリル-5'-O-p-モ
ノメトキシトリチルウリジン 3'-アリルN,N-ジイソプロ
ピルホスホロアミダイト(化合物(10))の特性形状 :無色アモルファスTLC :Rf=0.42(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)FTIR(KBr) :3192、3061、2965、2
932、2858、1696、1611、1510、1
460、1379、1302、1254、1182、1
032cm-1 UV(CH3OH) :λmax 231nm(ε=26500) 、26
3nm(ε=16900) 1H NMR(CDCl3 :0.05(s,3H,(CH3)2Si)、
0.12(s,3H,(CH3)2Si)、0.91−1.12(m,9H,(C
H3)3C)、3.53−3.62(m,2H,H-5',5")、3.92(s,
6H,OCH3x2)、4.10−4.46(m,2H,CH2=CHCH 2O)、4.
57−4.71(m,2H,H-3'及びH-4') 、4.71(d,J=5.7
Hz,2H,CH2=CHCH 2)、4.98(t,J=4.9Hz,1H,H-2')、5.
17−5.55(m,5H,CH2=CHCH 2OCO,cis-CH 2=CHCH2OCO,C
H 2=CHC2O)、5.63(dd,J=1.0,17.4Hz,1H,トランス-CH 2
=CHCH2OCO)、5.82−6.34(m,3H,H-1,及びCH2=CHCH
2x2)、7.01(d,J=7.6Hz,4H,DMTrのOCH3のオルト位プ
ロトン) 、7.41−7.73(m,9H,DMTrの芳香環プロト
ン)、8.37、8.39(2本のシングレット,1H,H-2)、
8.45(br s,1H,NHCO)、8.85、8.87(2本のシン
グレット,1H,H-8)ppm 31P NMR(CDCl3 :148.5、149.7ppm 同様の手順にて下記構造式(11)で示されるホスホロ
アミダイト(化合物(11))を収率86%で合成し
た。
【0052】
【化11】 同様の手順にて下記構造式(12)で示されるホスホロ
アミダイト(化合物(12))を収率85%で合成し
た。
【0053】
【化12】 [実施例4]ヌクレオシドの合成 前記構造式(6)で示される化合物(6)、下記構造式
(13)
【0054】
【化13】 で示される化合物(13)、及び下記構造式(14)
【0055】
【化14】 で示される化合物(14)は、既知の方法(J.Am.Chem.
Soc.112巻,1691-1696頁(1990年))に従い、または参
考にして合成した。
【0056】[実施例5]ホスホロアミダイトとヌクレ
オシドの縮合反応 a)液相における縮合反応 上記のようにして得たホスホロアミダイトとヌクレオシ
ドとを以下のようにして縮合反応させた。
【0057】ホスホロアミダイト(2.4mmol)、ヌクレ
オシド(2.0mmol)及び反応促進剤(2.4mmol)の混合
物をアセトニトリル(6mL)に溶解し、室温で5分攪拌し
た後、1.0M t-ブチルハイドロパーオキサイドトルエ
ン溶液(4mmol)を加え、5分攪拌した。
【0058】単離収率は、粗生成物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(40g、ヘキサン/酢酸エチル/ジ
イソプロピルアミン=1/5/痕跡量)で精製単離し決
定した。
【0059】以下の表1に示すデオキシリボヌクレオシ
ドホスホロアミダイトとヌクレオシドの縮合反応につい
て、反応促進剤としてベンズイミダゾール−トリフルオ
ロメタンスルホン酸複合体(化合物(1))、及び公知
の1H-テトラゾールとNPT(5−(p−ニトロフェニル)
−1H−テトラゾール)を用いて行い、これら促進剤の
能力を比較したところ以下の通りであった。
【0060】
【表1】 表1における収率は、単離収率を表示したものであり、
アミダイト、ヌクレオシド、及び生成物であるヌクレオ
シド2量体のうち、化合物(7a)、(7b)、(7
c)、(7d)、(6)、(8)、(9)、(10)、
(11)、(12)、(13)、及び(14)は既に示
した構造のものである。化合物(15a)、(15
b)、(15c)、(15d)、(16)、(17)、
(18)、(19)、及び(20)は以下の構造式で示
される。
【0061】
【化15】
【0062】
【化16】
【0063】
【化17】
【0064】
【化18】
【0065】
【化19】
【0066】
【化20】 ここで、#1はホスホロアミダイト(0.05mmol)、ヌク
レオシド(0.033mmol)及び反応促進剤(0.05mmol)
の混合物をアセトニトリル(1mL)に溶解した場合の結果
である。#2は縮合反応を1分とした場合の結果である。
【0067】o-クロロフェニル 5'-O-p,p'- ジメトキシ
トリチル-チミジル(3'→5')3'-第3ブチルジメチルシリ
ルチミジン(化合物(15d))の特性TLC :Rf=0.41(Hex:AcOEt=1:9) 1H NMR(CDCl3 :0.08(s,6H,Si(CH3)2)、
0.90(s,9H,SiC(CH3)3)、1.41(s,3H,5-CH3)、
1.85(s,3H,5-CH3)、2.0−2.80(m,4H,21及び
21)、3.20−3.60(m,2H,51)、3.80(s,6H,OC
H3及びOCH3)、3.90−4.70(m,5H,31,41,41及び5
1)、5.30−5.50(m,1H,31)、6.29(t,1H,J=
7.0Hz,11)、6.50(t,1H,J=7.0Hz,11)、6.80−
7.00(m,4H,ph)、7.10−7.80(m,15H,6,6及
びph)、9.72(s,2H,NH及びNH)ppm 31P NMR(CDCl3 :−7.0、−7.1 表1から明らかなように、いずれの反応の場合にも、促
進剤であるベンズイミダゾール−トリフルオロメタンス
ルホン酸複合体による反応促進能力が、1H-テトラゾー
ル、又はNPTを用いた場合のそれらより優れていた。さ
らに、ETTを用いた場合よりも優れていることが別の実
験より分かった。
【0068】促進剤として化合物(2)を用いた場合に
も以下に示すように1H-テトラゾール、NPT、及びETTを
用いた場合よりも優れていた。すなわち、化合物(7
d)と化合物(6)との縮合反応をアセトニトリルに溶
解した0.4M促進剤を用いて行った場合、反応は45分で終
了し、生成物として化合物(15d)が、98%の収率
で得られた。それに対し、1H-テトラゾール、NPT、又は
ETTを用いた場合、同様な条件下でそれぞれ90分、3
0分、又は40分を要した。なお、促進剤として化合物
(1)を用いた場合は1分以内に反応が終了し、生成物
である化合物(15d)の収率は98%であった。ま
た、反応時間を1分として比較した場合、促進剤として
化合物(2)を用いた場合の生成物(15d)の収率が
33%であるのに対し、1H-テトラゾール又はNPTを用い
た場合、同様な条件下でそれぞれ12%又は47%であ
った。
【0069】以上の例で明かなようにベンズイミダゾー
ル−トリフルオロメタンスルホン酸複合体及びベンズイ
ミダゾール−メタンスルホン酸複合体の優位性は、反応
性の低いモルホリダイト体やo-クロロフェニルエステル
体、及び2'-O-t-ブチルジメチルシリル基の立体障害の
ために反応性の低下した化合物において顕著に現れてい
る。
【0070】なお、ベンズイミダゾール−トリフルオロ
メタンスルホン酸複合体及びベンズイミダゾール−メタ
ンスルホン酸複合体を用いた反応において脱トリチル化
は起こらず、またデオキシアデノシン誘導体やデオキシ
グアノシン誘導体を用いた反応でのデプリネーションも
認められなかった。
【0071】b) 固相での縮合反応 ABI社製381A機を用い、付属の標準プログラムで自動合
成した。その合成サイクルは以下の表2に示したとおり
であり、全て0.2μmolスケールで行った。
【0072】
【表2】 上記の方法によりCPG上に担持されたチミジン(0.2
μmmol)(構造的には下記構造式で化合物(21)として
示される)を出発物質とし、シアノエチルホスホロアミ
ダイト(化合物(8))をモノマー単位に用いて、促進
剤としてベンズイミダゾール−トリフルオロメタンスル
ホン酸複合体(化合物(1))を用いて合成したとこ
ろ、各ステップの平均縮合率99.1%、通算収率92.1%で
T(pT)9を合成することができた。
【0073】
【化21】 これらの収率は、トリチル発色定量法によって求めたも
のである。トリチル発色定量とは、脱トリチル化の操作
の際、採取した反応溶液を濃縮し、過塩素酸−メタノー
ル(3:1)溶液(25mL)で希釈し、可視−紫外吸収ス
ペクトルにおいて498nmの吸収を測定し、前のフラク
ションにおける同様の値との比により収率を求める方法
である。
【0074】
【発明の効果】本発明のベンズイミダゾール又はその類
縁体とアルカンスルホン酸又はそのハロゲン置換体から
なる複合体、特にベンズイミダゾールとトリフルオロメ
タンスルホン酸との複合体(化合物(1))又はベンズ
イミダゾールとメタンスルホン酸との複合体(化合物
(2))である核酸合成反応促進剤は、従来用いられて
いた核酸合成反応促進剤に比較してはるかに優れた反応
促進活性、特にホスホロアミダイト法によるオリゴヌク
レオチドの合成方法における反応促進活性に優れ、各種
のオリゴヌクレオチド、特に化学的・立体的に反応性の
低いオリゴヌクレオチドに対し、それらを高収率で効率
よく合成することを可能とする優れた効果を奏するもの
であるばかりでなく、本発明の核酸合成反応促進剤は、
酸素及び湿気に対して安定であり室温保存が可能であ
る。さらにこれらは、アセトニトリルに対する溶解性が
あり、価格も高価ではないという特徴をも併せ持つもの
である。とくにベンズイミダゾールとトリフルオロメタ
ンスルホン酸との複合体(化合物(1))は、液相合成
・固相合成いずれにおいても使用できるという優れた特
性をも有するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンズイミダゾール又はその類縁体とア
    ルカンスルホン酸又はそのハロゲン置換体からなる複合
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複合体を有効成分として
    含む核酸合成反応促進剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の複合体の存在下にヌクレ
    オシドホスホロアミダイト又はヌクレオシドホスホノア
    ミダイトとヌクレオシドとを反応させることを特徴とす
    るオリゴヌクレオチドの合成方法。
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