JPH1072440A - 2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導体及び植物病害防除剤 - Google Patents

2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導体及び植物病害防除剤

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JPH1072440A
JPH1072440A JP23008896A JP23008896A JPH1072440A JP H1072440 A JPH1072440 A JP H1072440A JP 23008896 A JP23008896 A JP 23008896A JP 23008896 A JP23008896 A JP 23008896A JP H1072440 A JPH1072440 A JP H1072440A
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lower alkyl
group
formula
ring
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JP23008896A
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Toru Asada
亨 朝田
Hiroyuki Tsuboi
宏幸 坪井
Teruhiro Koiso
彰宏 小磯
Takashi Goto
孝史 後藤
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 植物体に対する薬害が無く、且つ、十分な植
物病害防除効果を有する、新規な2,6−ジクロロイソ
ニコチン酸誘導体及びそれを有効成分として含有する植
物病害防除剤を提供する。 【解決手段】 一般式(1) (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に水素
原子又は低級アルキル基を表し、Qは、低級アルキル基
又は一般式(2) を表す。R5及びR6は、各々独立に水素原子又は低級ア
ルキル基、R7及びR8は、各々独立に水素原子、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基
又はシアノ基、nは、0又は1の整数を表す。また、R
1とR3、R1とQ、又はR3とQは、共に環を形成するこ
とができ、R1とQ、又はR3とQによって形成される環
は、環中に1個ないし2個の酸素原子を含むことができ
る。)で示される2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導
体及びそれを有効成分として含有する植物病害防除剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農薬として有用
な、新規な2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導体、及
びそれを有効成分として含有する植物病害防除剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】イソニコチン酸誘導体に関しては、例え
ば、特開昭63−93766号公報に、2,6−ジハロ
ゲン化イソニコチン酸及びそのエステル誘導体が植物病
害防除剤として有効であることが開示されている。また
本発明者等による特開平7−173012号公報には、
2−クロロ−6−ヒドロキシイソニコチン酸が植物病害
防除剤として有効であることが開示されている。
【0003】しかしながら、これらの化合物は、その薬
効が必ずしも十分とはいえず、また、特開昭63−93
766号公報に開示された化合物は、植物体に薬害を生
じさせる場合があり、植物に対して、より安全でかつ効
力の優れた薬剤が求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、植物体に対する薬害が無く、且つ、十分な
植物病害防除効果を有する、新規な2,6−ジクロロイ
ソニコチン酸誘導体及びそれを有効成分として含有する
植物病害防除剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決するため種々検討した結果、一般式(1)で示
される2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導体が植物に
対する薬害がなく、優れた植物病害防除活性を示すこと
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、下記の一般式(1)
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞ
れ独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、Qは、低
級アルキル基又は一般式(2)を表す。一般式(2)
【0009】
【化5】
【0010】一般式(2)中のR5及びR6は、それぞれ
独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、R7及びR8
は、それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表
し、nは、0又は1の整数を表す。また、R1とR3、R
1とQ、又はR3とQは、共に環を形成することができ、
1とQ、又はR3とQによって形成される環は、環中に
1個ないし2個の酸素原子を含むことができる。尚、Q
は、R1とR3、R1とQ、又はR3とQのいずれもが環を
形成しない場合は一般式(2)を表す。)で示される、
2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導体である。
【0011】また本発明は、下記の一般式(3)
【化6】 (式中のR1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ
独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、R7及びR8
は、それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、低級ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表
し、nは、0又は1の整数を表す。また、R1とR3は、
共に環を形成することができる。)で示される2,6−
ジクロロイソニコチン酸誘導体、更にこれらの2,6−
ジクロロイソニコチン酸誘導体を有効成分とする植物病
害防除剤である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の2,6−ジクロロイソニ
コチン酸誘導体は、一般式(1)で示される。ここで、
一般式(1)及び一般式(2)におけるR1〜R6は、各
々独立に水素原子又は低級アルキル基を表すが、低級ア
ルキル基としては、直鎖状でも分岐状でも環状でも良
く、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、2−ブチル
基、tert−ブチル基、シクロプロピル基等の炭素数
1〜4のものが挙げられる。
【0013】また、R1とR3は一体となって一般式
(1)中で環を形成することができ、例えばシクロプロ
ピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロヘプチル等のシクロアルキル環、好ましくは
炭素数3〜8のシクロアルキル環を形成することができ
る。
【0014】また、R1とQ、又はR3とQは一体となっ
て一般式(1)中で環を形成することができ、例えばテ
トラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環、ジオキソ
ラン環、ジオキサン環等の含酸素単環、ジヒドロベンゾ
フラン環、クロマン環、イソクロマン環、ベンゾジオキ
サン環等の含酸素縮合環を形成することができる。
【0015】R1〜R6として、より好ましいものは、水
素原子、炭素数1〜2の低級アルキル基であり、またR
1とR3によって形成されるシクロアルキル環、R1
Q、又はR3とQによって形成される含酸素環も好まし
い。
【0016】一般式(1)において、Qは低級アルキル
基又は一般式(2)を表し、一般式(2)中のR7及び
8は、それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基
を表し、nは、0又は1の整数を表す。ここで、低級ア
ルキル基としては、直鎖状でも分岐状でも環状でも良
く、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、2−ブチ
ル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基等の炭素
数1〜4のものが挙げられる。
【0017】また低級アルコキシ基としては、直鎖状で
も分岐状でも環状でも良く、例えばメトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブト
キシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、ter
t−ブトキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキ
シルオキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、
弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ
る。
【0018】Qとして、より好ましいものは、一般式
(2)において、nが0または1であり、R5及びR6
それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜2の低級アルキ
ル基であり、R7が水素であり、R8が炭素数1〜2の低
級アルキル基、炭素数1〜2の低級アルコキシ基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基又はシアノ基である場合である。
【0019】本発明における一般式(1)で示される化
合物は、例えば下記の(A)又は(B)等の方法で製造
することができる。但し、当該化合物の製造方法は、こ
れらの製造法に限定されるものではない。尚、一般式
(4)のR1〜R4及びQは、一般式(1)及び一般式
(2)での定義と同じ意味を表わす。 製造法例(A):
【0020】
【化7】
【0021】式(3)で示される2,6−ジクロロイソ
ニコチン酸クロリドを適当な溶媒中、必要に応じ塩基の
存在下に、一般式(4)で示されるアルコール誘導体と
反応させることによって、一般式(1)で示される2,
6−ジクロロイソニコチン酸誘導体を製造することがで
きる。
【0022】反応溶媒としては、一般式(4)で示され
るアルコール誘導体を反応溶媒と兼ねて用いることもで
きるが、他にテトラヒドロフラン等のエーテル類、クロ
ロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等の非プロトン性極性溶媒等を用いることができる。
【0023】塩基としては、トリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノ
ピリジン、ジアザビシクロウンデセン等の有機塩基、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物、炭酸カ
リウム、炭酸セシウム等の炭酸塩等が使用できる。反応
温度は、溶媒、塩基等により異なるが、通常−10〜8
0℃が好ましく、特に0〜50℃が好ましい。反応時間
は、反応温度、溶媒、塩基等により異なるが、通常0.
1〜10時間であり、好ましくは0.5〜5時間であ
る。
【0024】製造法例(B):
【0025】
【化8】
【0026】式(5)で示される2,6−ジクロロイソ
ニコチン酸と一般式(4)で示されるアルコール誘導体
とを、脱水試薬を用いて反応させることによって、一般
式(1)で示される2,6−ジクロロイソニコチン酸誘
導体を製造することができる。このとき、必要に応じて
触媒を添加することもできる。
【0027】反応溶媒としては、一般式(4)で示され
るアルコール誘導体を反応溶媒と兼ねて用いることもで
きるが、他にテトラヒドロフラン等のエーテル類、クロ
ロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等の非プロトン性極性溶媒等を用いることができる。
【0028】脱水試薬としては、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド、モレキュラーシーブ等が使用できる。触媒
としては、ピリジン、4−ピロリジノピリジン等が使用
できる。反応温度は、溶媒、脱水試薬、触媒等により異
なるが、通常−10〜80℃が好ましく、特に0〜50
℃が好ましい。反応時間は、反応温度、溶媒、触媒等に
より異なるが、通常0.1〜10時間であり、好ましく
は0.5〜5時間である。
【0029】更に、一般式(1)で示される2,6−ジ
クロロイソニコチン酸誘導体を製造する方法としては、
前述の(A)や、(B)の製造方法の他に、イミダゾー
ル等を用いてカルボン酸を活性アミドとし、アルコール
との反応を行わせる方法等、一般的にエステル類を合成
する際に用いられる方法を適用することもできる。
【0030】また、本発明に係る2,6−ジクロロイソ
ニコチン酸誘導体の合成中間体である、一般式(4)で
示されるアルコール誘導体は、例えばジオール誘導体で
あるHO−CR12−CR34−OH(R1〜R4は一般
式(1)での定義と同じ意味を表わす。)と、ハロゲン
化物Q−X(Qは一般式(1)での定義と同じ意味を有
し、Xはハロゲン原子を表す。)を縮合させるか、ある
いは一般式(6)で示されるオキシラン誘導体(R1
4は一般式(1)での定義と同じ意味を有する。)に
ヒドロキシ化合物 Q−OH(Qは一般式(1)での定
義と同じ意味を有する。)を付加させることによって得
ることができる。
【0031】
【化9】
【0032】尚、上述の方法で製造される一般式(1)
で示される化合物の具体的構造を例示すれば、表1〜表
7の通りである。但し表中、R1〜R8、Q及びnは、一
般式(1)及び一般式(2)における定義に各々対応
し、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル
基、Buはブチル基をそれぞれ表す。
【0033】ここで、表1には一般式(1)のR1とR3
とが共に環を形成しているものを、表2には一般式
(1)のR1とQとが共に環を形成しているものを、表
3には一般式(1)のR3とQとが共に環を形成してい
るものを各々示す。また表4から表7に、一般式(2)
を含有し、下記の一般式(3)で表わされるものを示
す。一般式(3)
【0034】
【化10】
【0035】(一般式(3)中のR1〜R8、及びnは、
一般式(1)及び一般式(2)の定義と同じ意味を表
す。) また、表6は一般式(3)でR1とR3とが共に環を形成
しているもの、表7はR1とR3とが共に環を形成してい
るものを各々示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】本発明に係る2,6−ジクロロイソニコチ
ン酸誘導体を有効成分とする植物病害防除剤は、植物病
原ウィルス、細菌及び糸状菌による各種の植物病害防
除、例えば、イネの主要病害である、いもち病、きゅう
りの斑点病等に適用し得るが、特にいもち病に優れた効
果を示す。本薬剤は、植物病原菌に対して直接殺菌作用
を発現するよりも、むしろ植物体が本来備えている植物
病原菌に対する抵抗反応を引き出す作用によって病害防
除を発揮する。従って、本薬剤は、予防的に使用するこ
とが使用形態としてより好ましい。
【0044】本薬剤は、有効成分を単独で使用すること
も可能であるが、通常、農薬の製剤に用いられる固体及
び液体担体、並びに分散剤、希釈剤、乳化剤、展着剤、
増粘剤等の補助剤と混合して、水和剤、液剤、油剤、粉
剤、粒剤、ゾル剤(フロアブル)等の剤型に製剤して使
用することができる。
【0045】固体及び液体担体としては、例えばタル
ク、クレー、ベントナイト、カオリン、けいそう土、モ
ンモリロナイト、雲母、バーミキュライト、石膏、炭酸
カルシウム、ホワイトカーボン、木粉、澱粉、アルミ
ナ、珪酸塩、糖重合体、ワックス類、水、アルコール類
(メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアル
コール、エチレングリコール、ベンジルアルコール
等)、
【0046】石油溜分(石油エーテル、ケロシン、ソル
ベントナフサ等)、脂肪族又は脂環式炭化水素類(n−
ヘキサン、シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロ
ベンゼン、クメン、メチルナフタレン等)、ハロゲン化
炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン等)、エー
テル類(イソプロピルエーテル、エチレンオキシド、テ
トラヒドロフラン等)、
【0047】ケトン類(アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等)、
エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコ
ールアセタート、酢酸アミル等)、酸アミド類(ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアニリド等)、ニトリ
ル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニ
トリル等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド
等)、アルコールエーテル類(エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル等)等が挙げられる。
【0048】補助剤としては、例えば非イオン型界面活
性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン
アルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル等)、
陰イオン型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホナー
ト、アルキルスルホサクシナート、ポリオキシエチレン
アルキルスルファート、アリールスルホナート等)、
【0049】陽イオン型界面活性剤(アルキルアミン
類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、第四級アン
モニウム塩類等)、両性型界面活性剤(アルキルアミノ
エチルグリシン、アルキルジメチルベタイン等)、ポリ
ビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、トラガント
ガム、キサンタンガム、ポリビニルアセタート、ゼラチ
ン、カゼイン、アルギン酸ソーダ等が挙げられる。
【0050】更に、本薬剤は、各種の農園芸用殺菌剤、
除草剤、植物生長調節剤、殺虫剤、殺ダニ剤等の農薬
や、肥料等と混合して用いることもできる。本薬剤の有
効成分含有量は、製剤形態、施用方法、その他の条件に
よって種々異なるが、通常は0.5〜95%(重量)、
好ましくは2〜70%(重量)である。
【0051】本薬剤の施用方法としては、植物への施用
(茎葉散布)、植物の生育土壌への施用(土壌施用)、
田面水への施用(水面施用)、種子への施用(種子処
理)等が可能である。
【0052】本薬剤の施用量に関しては、適用植物、適
用病害等によっても異なるが、茎葉散布の場合には有効
成分濃度1〜10000ppm、好ましくは10〜10
00ppmの溶液を10アール当たり50〜300L施
用するのが好ましく、土壌施用及び水面施用の場合に
は、有効成分量で10アール当たり0.1〜1000
g、特に好ましくは10〜100g施用するのが好まし
い。また、種子処理の場合には、種子1kgに対して、
0.001〜50gの有効成分を施用するのが好まし
い。
【0053】本発明に係る2,6−ジクロロイソニコチ
ン酸誘導体は、植物に対する薬害の心配がなく、且つ、
植物病害防除剤として有用で、植物病原ウイルス、細菌
及び糸状菌による各種の植物病害の防除に優れた効果を
有する。
【0054】
【実施例】次に本発明を実施例、製剤例及び試験例によ
って説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0055】(実施例1)2−ベンジルオキシエタノー
ル6.5g、テトラヒドロフラン(以下、THFと略記
する。)20ml及びトリエチルアミン12.1gを攪
拌、氷冷し、これに2,6−ジクロロイソニコチン酸ク
ロリド9.1gを5mlのTHFに溶解させた溶液を滴
下した。反応液を室温で2時間攪拌した後、反応液に酢
酸エチルを加え、この有機層を水洗した後、硫酸ナトリ
ウムを加えて乾燥した。溶媒を留去し、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製して2,6−ジクロ
ロイソニコチン酸2−ベンジルオキシエチル(化合物N
o.1)10.6gを得た。
【0056】化合物No.1の物性は以下のようであ
る。 nD20.1:1.5650 核磁気共鳴スペクトル(内部標準TMS,溶媒DMSO
−d6)(ppm) 3.78(t)2H,4.4−4.6(m)4H,7.
1−7.5(m)5H 7.80(s)2H.
【0057】(実施例2〜29)2−ベンジルオキシエ
タノールの代わりに各種試薬を用いる他は、実施例1と
同様にして表8〜表20に記載の化合物No.2〜29
を得た。但し、表中、R 1〜R8、Q及びnは一般式1及
び一般式2における定義に各々対応し、Meはメチル
基、Etはエチル基、Prはプロピル基、Buはブチル
基をそれぞれ表す。
【0058】化合物1から化合物15は、一般式(3)
の化合物であり、化合物16から化合物21は一般式
(3)で、R1とR3とが繋がって環を形成している化合
物を、化合物22と化合物23は一般式(1)で、R1
とQとが繋がって環を形成している化合物を、また化合
物24から化合物28は、一般式(1)で、R3とQと
が繋がって環を形成している化合物である。
【0059】
【表8】
【0060】
【表9】
【0061】
【表10】
【0062】
【表11】
【0063】
【表12】
【0064】
【表13】
【0065】
【表14】
【0066】
【表15】
【0067】
【表16】
【0068】
【表17】
【0069】
【表18】
【0070】
【表19】
【0071】
【表20】
【0072】(製剤例1) 粉剤 化合物No.1〜6で示される2,6−ジクロロイソニ
コチン酸誘導体2重量部をそれぞれ、クレー98重量部
と混合粉砕し、粉剤とした。
【0073】(製剤例2) 水和剤 化合物No.1〜6で示される2,6−ジクロロイソニ
コチン酸誘導体20重量部をそれぞれ、クレー68重量
部、ホワイトカーボン8重量部及びポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル4重量部と混合粉砕し、水和剤
とした。
【0074】(製剤例3) 粒剤 化合物No.1〜6で示される2,6−ジクロロイソニ
コチン酸誘導体5重量部をそれぞれ、ベントナイト及び
タルクの等量混合物90重量部及びアルキルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム5重量部と混合粉砕し、粒剤に成型
した。
【0075】(試験例1) イネいもち病防除試験(土
壌施用) ポット(直径6cm,高さ5.5cm)で育種した2葉
期のイネ(品種:愛知旭)に、(製剤例2)記載の水和
剤各々から調製した薬液を土壌施用した(有効成分量で
0.01mg/ポット)。14日後にイネいもち病菌
(Pyricularia oryzae)の胞子懸濁
液を噴霧接種し、25℃の湿室に24時間置いた後、温
室内で発病させ、胞子懸濁液接種10日後に病斑数を調
査した。
【0076】対照薬剤として、2,6−ジクロロイソニ
コチン酸2−メトキシエチルエステル(特開昭63−9
3766号に記載)についても同様の方法で試験を行っ
た。下記の式により防除価を算出した。また薬害とし
て、葉の枯れ込み、植物体の成長抑制を観察した。結果
を表21と表22に示す。表中のマイナス(−)は薬害
が生じなかったことを、プラス(+)は薬害が生じたこ
とを表す。
【0077】防除価(%)=(無処理区の病斑数−処理
区の病斑数)/無処理区の病斑数×100
【0078】
【表21】
【0079】
【表22】
【0080】(試験例2) キュウリ斑点細菌病防除試
験 ポット(直径10cm,高さ9cm)で育種した4葉期
のキュウリ(品種:ときわ新地這)に、(製剤例2)に
記載した各々の水和剤から調製した有効成分濃度200
ppmの薬液を茎葉散布した。7日後、病原細菌懸濁液
を噴霧接種し、25℃の湿室に48時間置いた後、温室
内で発病させ、病原細菌懸濁液接種7日後に下位4葉の
病斑数を調査し、(試験例1)における場合と同様にし
て防除価を算出した。その結果、化合物No.1〜29
で示される化合物は75〜100%の防除価を示した。
また対照薬剤として、2−クロロ−6−ヒドロキシイソ
ニコチン酸(特開平7−173012号公報に記載)に
ついても同様の方法で試験を行ったところ、60%の防
除価を示した。
【0081】
【発明の効果】本発明は、植物体に対する薬害が無く、
且つ、十分な植物病害防除効果を有する、新規な2,6
−ジクロロイソニコチン酸誘導体及びそれを有効成分と
して含有する植物病害防除剤を提供することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1) 【化1】 (一般式(1)中の、R1、R2、R3及びR4は、それぞ
    れ独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、Qは、低
    級アルキル基又は一般式2 【化2】 を表す。一般式(2)中のR5及びR6は、それぞれ独立
    に水素原子又は低級アルキル基を表し、R7及びR8は、
    それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、低級アルコ
    キシ基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し、
    nは、0又は1の整数を表す。また、R1とR3、R1
    Q、又はR3とQは、共に環を形成することができ、R1
    とQ、又はR3とQによって形成される環は、環中に1
    個ないし2個の酸素原子を含むことができる。尚、Q
    は、R1とR3、R1とQ、又はR3とQのいずれもが環を
    形成しない場合は一般式(2)を表す。)で示される
    2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導体。
  2. 【請求項2】 下記の一般式(3) 【化3】 (式中のR1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ
    独立に水素原子又は低級アルキル基を表し、R7及びR8
    は、それぞれ独立に水素原子、低級アルキル基、低級ア
    ルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表
    し、nは、0又は1の整数を表す。また、R1とR3は、
    共に環を形成することができる。)で示される、請求項
    1記載の2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の2,6−ジクロ
    ロイソニコチン酸誘導体を有効成分として含有する植物
    病害防除剤。
JP23008896A 1996-08-30 1996-08-30 2,6−ジクロロイソニコチン酸誘導体及び植物病害防除剤 Pending JPH1072440A (ja)

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