JPH1071634A - 成形型およびその作動方法 - Google Patents

成形型およびその作動方法

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JPH1071634A
JPH1071634A JP22997296A JP22997296A JPH1071634A JP H1071634 A JPH1071634 A JP H1071634A JP 22997296 A JP22997296 A JP 22997296A JP 22997296 A JP22997296 A JP 22997296A JP H1071634 A JPH1071634 A JP H1071634A
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JP22997296A
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Yoichi Miyagawa
洋一 宮川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のアンダーカット部を有する成形品の離
型を確実に行う。 【解決手段】 バンパー11の成形の際に、脱型コア8で
第1のアンダーカット部3aを形成する。また、押し出
しコア12で第2のアンダーカット部2aを形成する。脱
型コア8は、第1のアンダーカット部表面を成形する第
1のスライドコア9と、該アンダーカット部端面を成形
する第2のスライドコア10とを有する。また、この成形
型は、脱型コア8および押し出しコア12を、所定のタイ
ミングで連動させる制御手段を備える。該制御手段は、
第1のスライドコア9の作動後、所定のタイミングで第
2のスライドコア10を作動させる。また、第2のスライ
ドコア10および押し出しコア12を同時作動させる。そし
て、第1、第2のアンダーカット部2a、3aに対し、
同時にバンパー11を押し広げる力を加え、バンパー11を
広範囲に亙って弾性変形させ、離型を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形による成
形品において、離型方向に対して複数のアンダーカット
部を有する形状を得る為の、型構造およびその作動方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】今日の自動車における車体のデザイン
は、各構成部品を連続的に組み合わせ、各部品のつなぎ
目を強調しないものが主流となっている。例えばバンパ
ー等を例に挙げても、その外観形状は隣接する車体パネ
ルと連続するようにデザインされ、端部形状等も隣接す
る車体パネルとの一体感を損なわないことが要求され
る。ところで、量産車用のバンパーは、製造コスト、デ
ザイン設定の自由度等の兼ね合いから、射出成形による
樹脂成形品が一般的である。しかしながら、バンパー形
状は上記のごとく決定される関係で、成形品の離型方向
に対して複数のアンダーカット部を有することが多く、
離型を容易にするために型構造を工夫する必要がある。
【0003】図6および図7には、複数のアンダーカッ
ト部を有するバンパーの、車体正面から側面に向けて湾
曲する部分を示している。図6のバンパー1は、隣接す
る車体パネルとの突き合わせ面2(以下、単に突き合わ
せ面という)と、ホイールアーチ3とを有し、これらが
離型方向に対するアンダーカット部となる。また、図7
のターンランプ開口部5を有するバンパー4は、ホイー
ルアーチ3が離型方向に対するアンダーカット部とな
る。
【0004】ところで、バンパー1を成形する際には、
図8に示すような大型傾斜コア6を有する金型を用い
る。バンパー1はその離型方向(矢印A方向)に対し、
突き合わせ面2およびホイールアーチ3の折り返し部
が、アンダーカット部2a(第2のアンダーカット部)
およびアンダーカット部3a(第1のアンダーカット
部)となっている。そこで、離型の際には大型傾斜コア
6を、(図示しない上方に位置する固定金型に対し、昇
降する)可動金型7との接触面6aに沿って斜めに上昇
させ、バンパー1に対する矢印B方向の変位を起すこと
により、アンダーカット部2a、3aとの干渉を解消し
ている。
【0005】ところが、ターンランプ開口部5を有する
バンパー4を成形する際には、図8に示す金型を用いる
ことができない。その理由は、図9に示すように、ター
ンランプ開口部5が矢印B方向(大型傾斜コア6の変位
方向)に対するアンダーカット部5aを成形する為に、
大型傾斜コア6の領域6bが、バンパー4と干渉して離
型を阻害してしまうからである。したがって、バンパー
4の成形には、図10(a)に示すような脱型コア8を有
する金型を用いる。脱型コア8は、成形品を可動金型7
に対して押し広げることにより、アンダーカット部3a
と可動金型7との干渉を解消し、成形品に歪みや傷を生
ずることなく離型を行うことを可能とするものである。
【0006】ところで、脱型コア8はホイールアーチ3
の表面を成形する第1のスライドコア9と、ホイールア
ーチ3の端面を成形する第2のスライドコア10とからな
る。図10(b)にはバンパー4を離型する際の様子を示
している。脱型コア8は、まず最初に第1のスライドコ
ア9を可動金型7に対して離間する方向に移動させ、ホ
イールアーチ3の表面を解放する。続いて第2のスライ
ドコア10が第1のスライドコア9と同一方向に移動し、
ホイールアーチ3の端面を外側に押し出すことにより、
バンパー4を押し広げる。そして、アンダーカット部3
aと可動金型7との干渉を解消する。そして、矢印A方
向にバンパー4を離型する。この際、アンダーカット部
5aは可動金型7と干渉することがなく、ターンランプ
開口部5を有するバンパー4の離型が可能となる。この
ように、ターンランプ開口部を含む複数のアンダーカッ
ト部を有するバンパーを成形する為の、成形型の一例と
して、実開平5-72420 号公報にその詳細が開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例には下記のような問題点があった。それは、図11に
示すバンパー11(突き合わせ面2とターンランプ開口部
5を有する)において生ずるものである。このバンパー
11を成形する為には、突き合わせ面2における離型を可
能とする大型傾斜コア4と、ターンランプ開口部5にお
ける離型を可能とする脱型コア7との双方を設ける必要
がある。このような構造を有する成形型において離型を
行う際の様子を図12に示す。ところで、図12にはターン
ランプ開口部5を成形する部分の型構造が図示されてい
ないが、この部分に関しては、図10に示す可動金型7の
凹部7aと同様である。
【0008】離型の際には、まず図12(a)のごとく脱
型コア8を作動させ、ホイールアーチ3のアンダーカッ
ト部3aにおける干渉を解消する。ところがこの時点で
は、突き合わせ面2のアンダーカット部2aが、大型傾
斜コア6および可動金型7により挟まれ拘束されてい
る。したがって、図12(b)のごとくアンダーカット部
3aの端面を押し広げると、図11ので示される部分に
特に応力が集中し、部分に塑性変形を生ずることとな
る。そして、図12(b)に示すように大型傾斜コア6を
作動させ、アンダーカット部2aの拘束を解き、バンパ
ー11を矢印A方向に離型する時点では、前記変形がバン
パー11に残り、形状不良品となってしまう。図12(b)
において、点線で示される部分はバンパー11の本来ある
べき形状である。
【0009】このような理由から、従来は突き合わせ面
2、ホイールアーチ3およびターンランプ開口部5を全
て備えるバンパーを、射出成形によって生産することが
できなかった。このことは、バンパー形状や、部品配置
の選択幅を狭めるものであり、車体全体のデザインに影
響を及ぼす場合もあった。本発明は上記課題に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、成形金型
の構造に起因して成形品のデザイン設定、部品配置等が
制限されることを防ぐことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為の
本発明に係る成形型は、成形品の離型方向に対する第1
のアンダーカット部を成形する脱型コアと、該脱型コア
とは前記離型方向に異なる位置で、第2のアンダーカッ
ト部を成形する押し出しコアと、該脱型コアおよび押し
出しコアを所定のタイミングで連動させる制御手段とを
備えることを特徴とする。
【0011】上記構成によると、成形品の離型方向に異
なる位置に、脱型コアで第1のアンダーカット部を、押
し出しコアで第2のアンダーカット部を成形する。そし
て、離型時において、脱型コアにより成形品を押し広げ
る動作と、押し出しコアにより該成形品を押し広げる動
作とを、制御手段によって所定のタイミングで連動させ
る。すなわち、成形品の離型方向で異なる位置に配置さ
れている第1、第2のアンダーカット部に、成形品を押
し広げる力を適切に加え、成形品の弾性変形を広い範囲
で生じせしめる。そして、成形品のアンダーカット部と
金型との干渉をなくし離型を行う。
【0012】本発明においては、前記脱型コアは、第1
のアンダーカット部表面を成形する第1のスライドコア
と、該アンダーカット部端面を成形する第2のスライド
コアとを有し、前記制御手段は、第1のスライドコアに
対し所定のタイミングで第2のスライドコアを作動可能
であり、かつ、第2のスライドコアおよび前記押し出し
コアを同時作動可能であることが望ましい。
【0013】脱型コアは、第1のアンダーカット部表面
を第1のスライドコアで、該アンダーカット部端面を第
2のスライドコアで成形し、離型時には、まず第1のス
ライドコアを作動させて、アンダーカット部表面を第1
のスライドコアから解放する。そして、第1のスライド
コアの作動から所定のタイミングで第2のスライドコア
を作動させ、第1のアンダーカット部端面を押し広げ
る。また、第2のスライドコアの作動と同時に前記押し
出しコアを作動させ、成形品の第1、第2のアンダーカ
ット部に対する成形品の押し広げを同時に行う。これに
より、成形品の弾性変形を広範囲にかつ適切に行う。
【0014】さらに、前記制御手段は少なくとも1系統
の油圧回路を有し、該油圧回路は、前記脱型コアの第1
のスライドコアを駆動する第1のアクチュエータと、該
第1のスライドコアにより作動する制御バルブと、該制
御バルブと連動し前記押し出しコアを駆動する第2のア
クチュエータとを有することが望ましい。
【0015】前記制御手段が上記の構成を有することに
より、まず最初に、油圧回路に設けられた第1のアクチ
ュエータにより第1のスライドコアを駆動する。そし
て、第1のスライドコアで前記油圧回路に設けられた制
御バルブを作動させる。制御バルブが作動することによ
り、前記油圧回路に設けられた第2のアクチュエータを
作動させ、押し出しコアを駆動する。すなわち、押し出
しコアを作動させる第2のアクチュエータへの作動油の
供給を、第1のアクチュエータの動作によって制御す
る。
【0016】また、上記問題を解決する為の本発明に係
る成形型の作動方法は、請求項1に記載の成形型の解放
作動時に、脱型コアを所定量作動させた後に、押し出し
コアを作動させることを特徴とする。これにより、脱型
コアにより成形される第1のアンダーカット部および押
し出しコアにより成形される第2のアンダーカット部に
対する、成形品を押し広げる力を適正化し、成形品の一
部分への応力集中を防止しながら、各アンダーカット部
と金型との干渉を解消する。
【0017】また、上記問題を解決する為の本発明に係
る成形型の作動方法として、請求項2に記載の成形型
の、第1のスライドコアが所定量作動した時点で、第2
のスライドコアおよび前記押し出しコアを同時作動する
ことが望ましい。このようにすると、第1のスライドコ
アが第1のアンダーカット部表面から離間した時点で、
第2のスライドコアで第1のアンダーカット部を押し広
げ、同時に押し出しコアで第2のアンダーカット部を押
し広げる。すなわち、成形品の離型方向に異なる位置に
ある、第1、第2のアンダーカット部に対し、成形品を
押し広げる力を同時に与えることにより、成形品の一部
分への応力集中を防止しながら各アンダーカット部と金
型との干渉を解消する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。従来例と同一部分または相
当する部分については同一符号で示し、詳しい説明は省
略する。
【0019】図1には、本発明の実施の形態に係る成形
型の断面図を示している。また、図1は、図2に示すバ
ンパー11および該成形型の一部を、D−D線に沿って切
断した断面を示すものである。本実施の形態において
は、図2に示すように、突き合わせ面2、ホイールアー
チ3およびターンランプ開口部5を有するバンパー11の
成形を行う。図1に示すように、突き合わせ面2のアン
ダーカット部2a(第2のアンダーカット部)、ホイー
ルアーチ3のアンダーカット部3a(第1のアンダーカ
ット部)は、夫々バンパー11の離型方向(矢印A方向)
で、異なる位置にある。
【0020】この成形型は、図1に示すようにホイール
アーチ3を脱型コア8で成形する。また、突き合わせ面
2を成形品の内側から成形する押し出しコア12を、可動
金型7に固定された入子13に対し、出没自在に設けてい
る。そして、押し出しコア12が格納状態にあるとき、そ
の先端部12aはバンパー11の肉厚分だけ入子13に対し突
出する(先端部12aは、型締め状態で図示しない固定金
型と密着する)。同時に、押し出しコア12と入子13との
接触面に、突き合わせ面2を成形する為の段部12cを設
けている。さらに、図1には示されていないが、図10に
示す可動金型7と同様の凹部7aが、本実施の形態にお
ける入子13にも成形されており(図2に斜線で示す部分
が凹部7aである)、ターンランプ開口部5をこの凹部
7aで成形することができる。
【0021】図1に示すように、脱型コア8はホイール
アーチ3の表面を成形する第1のスライドコア9と、ホ
イールアーチ3の端面を成形する第2のスライドコア10
とからなる。そして、第1のスライドコア9は第2のス
ライドコア10に対し摺動可能となっている。また、第1
のスライドコア9と油圧シリンダ14(第1のアクチュエ
ータ)とが連結され、第1のスライドコア9は油圧シリ
ンダ14によって直接的に駆動される。第2のスライドコ
ア10にはストッパー15が設けられている。そして、第1
のスライドコア9が型締め状態から所定量Lだけ移動し
ストッパー15に当接すると、第2のスライドコア10は、
第1のスライドコア9に引き摺られて一体的に移動す
る。このストッパー15は、スライドコア10に対してボル
ト16で固定されている。
【0022】また、押し出しコア12は、その後端部12b
を油圧シリンダ17(第2のアクチュエータ)と連結して
いる。そして油圧シリンダ17により、押し出しコア12を
バンパー11を押し広げる方向に移動させることができ
る。
【0023】図3には、上記構造を有する成形型の駆動
手段を示している。該駆動手段は、油圧シリンダ14を駆
動する為の一系統の油圧回路に、油圧シリンダ17を駆動
する為の油圧回路を付加した構成をなすものである。該
油圧回路には、油圧シリンダ17に対するオイルの流入を
制御する制御バルブ18が設けられている。制御バルブ18
は、機械式の流量制御バルブ19と逆止め弁20とを備えて
いる。さらに、駆動手段の一部を構成するものとして、
第1のスライドコア9には、流量制御バルブ19を作動さ
せる為のドグ21が設けられている。ドグ21は、軸部 212
とその先端部に形成された雄ねじに螺合するナット部 2
11とで構成される。軸部 212は一定幅の側面21bを有し
ており、ナット部 211は円すい状斜面21cと該斜面に連
続する大径円柱部21aとを有している。そして、ナット
部 211を軸部 212に対して回転させることにより、ナッ
ト部 211は螺旋状のねじ溝に案内されて、軸部 212に対
して移動することが可能である。これらナット部 211の
大径円柱部21aおよび円すい状斜面21cと、軸部 212の
側面21bは、流量制御バルブ19のプランジャー19aを押
圧し、これを操作するためのバルブ操作面を構成してい
る。
【0024】図3は型締め状態を示しているものである
が、このとき、第1のスライドコア9とストッパー15と
を、距離Lだけ離間させている。また、ドグ21は流量制
御バルブのプランジャー19aに対し、大径円柱部21aを
接触させている。プランジャー19aは、スプリング22に
より常に開位置方向への付勢がなされているが、現時点
ではドグ21の大径円柱部21aにより閉位置に押し戻され
ている。ところで、このときのプランジャー19aと大径
円柱部21aとの接触点から、斜面21cの起点までの距離
も、ナット部 211を回転させて位置を調節することによ
り、Lに設定する。
【0025】ここで、油圧シリンダ14を作動させ、第1
のスライドコア9を型締め状態から所定量Lだけ図3の
右方向に移動させると、第1のスライドコア9は第2の
スライドコア10に固定されたストッパー15に当接する。
同時に、ドグ21もプランジャー19aに対してスライド
し、プランジャー19aとドグ21との接触点は、大径円柱
部21aから斜面21cに移動する。さらに、油圧シリンダ
14による第1のスライドコア9の移動を続けると、第2
のスライドコア10が第1のスライドコア9と一体的に移
動を開始する。これとほぼ同時に、プランジャー19aは
斜面21cから軸部212の側面21bに案内されて、流量制
御バルブ19はスプリング22の付勢により開位置へと切り
替えられる。そして、油圧シリンダ17に作動油を供給
し、押し出しコア12を突出させる。以上のごとく、本実
施の形態に係る駆動手段によると、第1のスライドコア
9の作動開始から所定のタイミング(距離Lだけ移動し
た時点)で、第2のスライドコア10を作動させることが
可能であり、かつ、第2のスライドコア10と同時に、押
し出しコア12を作動させることが可能となる。
【0026】なお、流量制御バルブ19のプランジャー19
aを作動させる手段として、上記ドグ21のナット部 211
の形状を、斜面21cのみを有するものに変更することも
可能である。この場合には、該ドグを第2のスライドコ
ア10に取付け、型締め状態でプランジャー19aがナット
部 211の斜面21cによりバルブ19を閉位置に押し戻す位
置となるように設定する。この構成の場合には、第1の
スライドコア9がストッパー15に当接し、第2のスライ
ドコア10が作動すると同時に、プランジャー19aはナッ
ト部 211の斜面21cから軸部 212の側面21bに案内され
て、流量制御弁19をスプリング22の付勢により開位置へ
と切り替えることができる。
【0027】ここで、図4および図5を用いて、図2に
示すバンパー11を金型から離型する手順を説明する。ま
ず、図1に示す状態から、図4に示すように、第1のス
ライドコア9をバンパー11に対して離間する方向に前記
距離Lだけ移動させ、ホイールアーチ3の表面を第1の
スライドコア9から解放する。
【0028】続いて、図5に示すように第2のスライド
コア10を第1のスライドコア9と一体的に移動させ、こ
れと同時に、押し出しコア12を入子13から突出させる。
第1のアンダーカット部3aは、第2のスライドコア10
により入子13から離間し、第1のアンダーカット部3a
における金型との離型方向(矢印A方向)への干渉を解
消する。また、第2のアンダーカット部2aは、押し出
しコア12の段部12cによって入子13から離間し、第2の
アンダーカット部の金型による拘束、および、離型方向
への干渉を解消する。このように、第1のアンダーカッ
ト部3aおよび第2のアンダーカット部2aにおける成
形品の押し広げを同時に行うことにより、成形品の弾性
変形を、図1および図5のに示す広い範囲で発生さ
せ、バンパー11の歪みの発生を防ぐ。
【0029】また、この状態でのターンランプ開口部5
と可動金型7の凹部7aとの関係は、図10(b)と同様
に、矢印A方向への離型が可能な状態となっている。よ
って、図5の矢印A方向にバンパー11を離型することに
よる干渉を起こすことは全くなくなり、バンパー11に歪
みの発生や傷をつけることなく離型を行うことができ
る。
【0030】上記構成をなす本発明の実施の形態から得
られる作用効果は、以下の通りである。上記成形型は、
ホイールアーチ3を成形する脱型コア8と、突き合わせ
面2を成形する押し出しコア12と、ターンランプ開口部
5を成形する凹部7aとを有しており、脱型コア8の第
1のスライドコア9を距離Lだけ移動させた後に、第2
のスライドコア10および押し出しコア12を同時に作動さ
せることができる。押し出しコア12はバンパー11の内部
に位置するので、入子13との境界線はバンパー11内面に
転写され、バンパー11の表面には現れない。よって、バ
ンパー11の表面に不要な凹凸を形成することがない。
【0031】また、上記作動手順を実現する為の制御手
段として、油圧シリンダ14を駆動する為の一系統の油圧
回路に、油圧シリンダ17を駆動する為の油圧回路を付加
した構成の油圧回路を有している。成形機の油圧回路
は、通常は可動型の駆動に対して1系統の油圧回路で対
応している。本実施の形態の油圧回路は、このような成
形機の油圧回路をそのまま利用するに好都合である。該
油圧回路は、油圧シリンダ17への作動油の流入を制御バ
ルブ18で制御している。制御バルブ18の流量制御バルブ
19は、油圧シリンダ14を作動させても、第1のスライド
コア9が距離Lだけ移動するまでは閉位置にある。しか
し、第1のスライドコア9の移動距離がLになると、第
1のスライドコア9が第2のスライドコア10に設けられ
たストッパ15に当接し、第2のスライドコア10を駆動す
る。これと同時に、第1のスライドコア9に設けられた
ドグ21により、流量制御バルブ19を開位置に切り替え、
油圧シリンダ17を作動させる。よって、第2のスライド
コア10と同時に押し出しコア12を作動させることができ
る。
【0032】そして、第1のアンダーカット部3aおよ
び第2のアンダーカット部2aにおいて、バンパー11の
押し広げを同時に行うことにより、バンパー11の一部分
への応力集中を防ぎ、成形品の弾性変形を広い範囲で発
生させる。また、第1のアンダーカット部3a、第2の
アンダーカット部2aにおける入子13との干渉を解消
し、図5の矢印A方向へのバンパー11の離型を可能とす
る。ターンランプ開口部5については、元々矢印A方向
への離型が可能なので、金型との干渉部分は全て解消さ
れ、バンパー11を破損することなく離型を行うことがで
きる。
【0033】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。本発明の請求項1に係る成形型
によると、成形品の離型方向に異なる位置に、脱型コア
で第1のアンダーカット部を、押し出しコアで第2のア
ンダーカット部を成形することが可能である。また、離
型時において、脱型コアにより成形品を押し広げる動作
と、押し出しコアにより該成形品を押し広げる動作と
を、制御手段によって所定のタイミングで連動させる。
前述のごとく、脱型コアおよび押し出しコアは成形品の
離型方向に異なる位置で配置されているので、成形品を
押し広げる力を成形品の異なる位置に適切に加えること
により、成形品の一部に応力が集中して塑性変形させる
ことなく、成形品の弾性変形を広い範囲で生じせしめ
る。よって、成形品の離型を確実に行うことができる。
したがって、成形品の特に表面における歪みや傷の発生
を防止し、かつ、成形品の自由なデザイン設定および部
品配置を可能とする。
【0034】また、本発明の請求項2に係る成形型によ
ると、脱型コアは、第1のアンダーカット部表面を第1
のスライドコアで、該アンダーカット部端面を第2のス
ライドコアで成形し、離型時には、まず第1のスライド
コアを作動させて、アンダーカット部表面を解放する。
そして、第1のスライドコアの作動開始から所定のタイ
ミングで第2のスライドコアを作動させ、第1のアンダ
ーカット部端面を押し広げることにより、第1のアンダ
ーカット部における金型との干渉を解消する。また、第
2のスライドコアの作動と同時に押し出しコアを作動さ
せ、第2のアンダーカット部における成形品の押し広げ
を行う。これにより、成形品の一部に応力が集中して塑
性変形させることなく、成形品の弾性変形を広範囲にか
つ適切に行うことが可能となり、成形品の破損を防ぎ離
型を確実に行うことができる。
【0035】さらに、本発明の請求項3に係る成形型に
よると、成形型の制御手段は少なくとも1系統の油圧回
路を有し、まず最初に、油圧回路に設けられた第1のア
クチュエータにより第1のスライドコアを駆動し、該第
1のスライドコアで前記油圧回路に設けられた制御バル
ブを作動させる。そして、制御バルブの作動に連動し
て、前記油圧回路に設けられた第2のアクチュエータを
作動させ、押し出しコアを駆動する。すなわち、押し出
しコアを作動させる第2のアクチュエータへの作動油の
供給を、第1のアクチュエータの動作によって制御する
ことが可能である。よって、別系統の制御手段を設置す
ることなく、成形装置の油圧回路を利用して、第1のス
ライドコア、第2のスライドコア、押し出しコアの各々
を適切に作動させることが可能となる。
【0036】また、本発明の請求項4に係る成形型の作
動方法によると、請求項1に記載の成形型の解放作動時
に、脱型コアを所定量作動させた後に、押し出しコアを
作動させるので、脱型コアにより成形される第1のアン
ダーカット部、および、押し出しコアにより成形される
第2のアンダーカット部に加える、成形品を押し広げる
力を適正化し、成形品の一部分への応力集中を防止しな
がら、各アンダーカット部と金型との干渉を解消する。
よって、成形品の離型方向に異なる位置に第1、第2の
アンダーカットを有する成形品の、特に表面における歪
みや傷の発生を防止し、かつ、成形品の自由なデザイン
設定および部品配置を可能とする。
【0037】また、本発明の請求項5に係る成形型の作
動方法によれば、第1のスライドコアが所定量作動した
時点で、第2のスライドコアおよび前記押し出しコアを
同時作動するので、第1のスライドコアが第1のアンダ
ーカット部表面から離間した時点で、第2のスライドコ
アで第1のアンダーカット部を押し広げ、これと同時に
押し出しコアで第2のアンダーカット部を押し広げるこ
とができる。よって、成形品の離型方向に異なる位置に
第1、第2のアンダーカットを有する成形品において、
成形品の広範囲に弾性変形を生じせしめ、その離型時に
成形品の一部分に対する応力集中を防ぎ、歪みの発生を
防止しながら各アンダーカット部と金型との干渉を解消
し、離型を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る成形型、および該成
形型により成形されるバンパーを示すものであって、図
2のD−D線における断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る成形型の一部、およ
び該成形型により成形されるバンパーの車体正面から側
面に向けて湾曲する部分を示す斜視図である。
【図3】図1に示す成形型の制御手段を示す摸式図であ
る。
【図4】図1に示す成形型において、バンパーを離型す
る手順を示す摸式図である。
【図5】図4に続き、バンパーを離型する手順を示す摸
式図である。
【図6】複数のアンダーカット部を有するバンパーの、
車体正面から側面に向けて湾曲する部分のみを示す斜視
図である。
【図7】複数のアンダーカット部を有するバンパーの別
例であり、車体正面から側面に向けて湾曲する部分のみ
を示す斜視図である。
【図8】図6に示すバンパーと、該バンパーを成形する
成形型の断面摸式図である。
【図9】図8に示す金型構造により図6に示すバンパー
を成形した場合の、問題点を示す断面摸式図である。
【図10】図7に示すバンパーおよび該バンパーを成形
する成形型の断面摸式図であり、(a)は型締め状態
を、(b)は離型時の様子を示す図である。
【図11】図8および図10に示す型構造を流用して、突
き合わせ面およびターンランプ開口部を有するバンパー
を成形した場合の、成形型の一部を示す斜視図である。
【図12】図11のC−C線における断面図であり、
(a)は離型動作の第1ステップを、(b)は離型動作
の第2ステップを示す図である。
【符号の説明】
2 突き合わせ面 2a 第2のアンダーカット部 3 ホイールアーチ 3a 第1のアンダーカット部 8 脱型コア 9 第1のスライドコア 10 第2のスライドコア 11 バンパー 12 押し出しコア 13 入子 14 第1のアクチュエータ 15 ストッパー 17 第2のアクチュエータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品の離型方向に対する第1のアンダ
    ーカット部を成形する脱型コアと、該脱型コアとは前記
    離型方向に異なる位置で、第2のアンダーカット部を成
    形する押し出しコアと、該脱型コアおよび押し出しコア
    を所定のタイミングで連動させる制御手段とを備えるこ
    とを特徴とする成形型。
  2. 【請求項2】 前記脱型コアは、第1のアンダーカット
    部表面を成形する第1のスライドコアと、該アンダーカ
    ット部端面を成形する第2のスライドコアとを有し、前
    記制御手段は、第1のスライドコアに対し所定のタイミ
    ングで第2のスライドコアを作動可能であり、かつ、第
    2のスライドコアおよび前記押し出しコアを同時作動可
    能である請求項1に記載の成形型。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は少なくとも1系統の油圧
    回路を有し、該油圧回路は、前記脱型コアの第1のスラ
    イドコアを駆動する第1のアクチュエータと、該第1の
    スライドコアにより作動する制御バルブと、該制御バル
    ブと連動し前記押し出しコアを駆動する第2のアクチュ
    エータとを有する請求項2に記載の成形型。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の成形型の作動方法であ
    って、その解放作動時に、脱型コアを所定量作動させた
    後に、押し出しコアを作動させることを特徴とする作動
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の成形型の作動方法であ
    って、第1のスライドコアが所定量作動した時点で、第
    2のスライドコアおよび前記押し出しコアを同時作動す
    ることを特徴とする作動方法。
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