JPH1071455A - 金属ストリップ連続鋳造方法及び装置 - Google Patents

金属ストリップ連続鋳造方法及び装置

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JPH1071455A
JPH1071455A JP9229667A JP22966797A JPH1071455A JP H1071455 A JPH1071455 A JP H1071455A JP 9229667 A JP9229667 A JP 9229667A JP 22966797 A JP22966797 A JP 22966797A JP H1071455 A JPH1071455 A JP H1071455A
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JP
Japan
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casting
roll
passage
cooling water
casting roll
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JP9229667A
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English (en)
Inventor
Harold Roland Kaul
ローランド コール ハロルド
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BHP Steel JLA Pty Ltd
IHI Corp
Original Assignee
BHP Steel JLA Pty Ltd
IHI Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/06Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
    • B22D11/0622Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars formed by two casting wheels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/06Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
    • B22D11/0637Accessories therefor
    • B22D11/068Accessories therefor for cooling the cast product during its passage through the mould surfaces
    • B22D11/0682Accessories therefor for cooling the cast product during its passage through the mould surfaces by cooling the casting wheel

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の対称的な厚みプロフィールを有するス
トリップを製造する。 【解決手段】 鋳造ロール1の外周面を、鋳造ロール1
内を外周面に近接して鋳造ロール1長手方向に延びる通
路22を介した冷却水流により冷却するに際し、各鋳造
ロール1の水流を鋳造ロール1の端壁16内の半径方向
通路24から該鋳造ロール1内の長手方向通路22へ、
該長手方向通路22から該鋳造ロール1の反対側の端壁
16内の更なる半径方向通路24へと流し、且つ一方の
鋳造ロール1を通る水流と他方の鋳造ロール1を通る水
流とが互いに逆方向にほぼ同一温度で流れるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属ストリップの
双ロール鋳造に関する。特に、鉄系金属ストリップの鋳
造に関わるが、それに限定されるわけではない。
【0002】
【従来の技術】双ロール鋳造装置において、冷却されて
相反方向に回転する一対の水平な鋳造ロール間に溶融金
属を導入し、動いているロール表面上で金属殻を凝固さ
せ、ロール間隙にてそれら金属殻を合体させ、凝固した
ストリップ品としてロール間隙から下方ヘ送給する。本
明細書では、「ロール間隙」という語はロール同士が最
接近する領域全般を指す。溶融金属は取鍋から小容器へ
と注がれ、更にはそこからロール間隙上方に位置した金
属供給ノズルに流れてロール間隙へと向かい、その結
果、ロール間隙直上のロール鋳造表面に支持された溶融
金属の鋳造溜めを形成することができる。この鋳造溜め
は、鋳造ロール端との摺動係合で保持される側板又は堰
の間に形成できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、鋳造ロールの
鋳造表面は長手方向冷却水通路を備えた外周壁により提
供され、冷却水通路にはロール端壁内のほぼ半径方向の
通路を介して水が給排される。鉄系金属の鋳造時、鋳造
ロールは1640℃程の非常に高温の溶融金属を支持せ
ねばならず、ロール周表面は、金属の均一凝固を達成
し、ロール周表面の局部過熱を防ぐよう、全体に密に均
一な温度に保持されねばならない。
【0004】ロール外端隅の効率的な冷却が特に問題で
あると判明している。周方向ノッチを鋳造ロール外隅に
設け、ノッチに滑り嵌めで側部堰板を嵌め付けることが
公知である。この公知構成によりロール端の効率的な冷
却ができるが、それは、鋳造溜めがロール周壁端より内
方の位置で終わっていて、冷却水通路が壁のこの域を直
接横切るからであり、この構成は比較的厚い周壁でなけ
れば使用できない。より効率的な冷却のためには、厚め
の周壁を持ち、その壁の周面近くに冷却通路を配するの
が望ましい。この場合、通常、ロール端にノッチを設け
るのが不可能となり、側部堰板を周壁外端に係合させね
ばならないので、鋳造溜めがロール端まで延びる。ロー
ル周壁内の通路はこの域を横切らないのでロール外隅の
局部加熱が厳しい問題となる。
【0005】鋳造ロール外隅の局部加熱の問題はオース
トラリア特許出願第33021/95号に開示の発明が
扱っており、その発明では、長手方向通路に流出入する
冷却水を移行通路を介してロールの隅域へと向かわせ、
隅域でのより効率的な冷却を提供する。しかしながら、
ロールの一側から他側への完全に均一な冷却を達成する
こと、特に、均一な冷却を1つのロールの両端隅で得る
ことは可能となっていない。この問題は、非対称断面ス
トリップの製造、即ち、ストリップ幅方向に非対称な厚
み変化を有するストリップの製造で現れる。
【0006】最も望ましいストリップ断面はストリップ
の用途により異なり得る。ストリップが後で冷間圧延さ
れることになっている場合、中央部に小さな凸クラウン
を持つよう、即ち、中央部が縁部よりもわずかに厚くな
るよう製造するのが好ましい。しかし、ストリップが後
で鋳放しで使われることになっている場合には幅方向に
均一厚で製造してよい。鋳造ロールは、作業温度に加熱
されて伸張した場合に所要形状のストリップを製造する
プロフィールとなるような、初期プロフィールに機械仕
上げしなければならない。いずれにしろストリップ形状
は対称であるのが望ましい。しかしながら、これは非常
に困難であるとわかっており、通常、ストリップ形状は
ストリップ外端に向かうにつれ所望の設計形状から逸脱
し、特に一方の縁が他方よりも非常に厚いことがよく生
じることを本発明者は見知した。試行錯誤、モデル化を
広範に行うことにより、本発明者は、これらの変化がロ
ールの一側から他側への冷却効率の変動によるものであ
ることを見知した。本発明は、一方と他方の鋳造ロール
の水流を互いに反対方向とすることによりこの問題を処
理している。これによりストリッププロフィールの対称
性が大いに改良されることが見い出された。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、冷却さ
れる一対の平行な鋳造ロール間のロール間隙に溶融金属
を導いてロール間隙上方にロール鋳造表面に支持された
溶融金属の鋳造溜めを形成し、各鋳造ロールを相反方向
に回転させてロール間隙から下方に送給される凝固金属
ストリップを製造する金属ストリップ連続鋳造方法にお
いて、鋳造ロールの外周面を、鋳造ロール内を外周面に
近接して鋳造ロール長手方向に延びる長手方向通路を介
した冷却水流により冷却するに際し、各鋳造ロールの水
流を鋳造ロールの端壁内の半径方向通路から該鋳造ロー
ル内の長手方向通路へ、該長手方向通路から該鋳造ロー
ルの反対側の端壁内の更なる半径方向通路へと流し、且
つ一方の鋳造ロールを通る水流と他方の鋳造ロールを通
る水流とが互いに逆方向にほぼ同一温度で流れるように
することを特徴とする金属ストリップ連続鋳造方法が提
供される。
【0008】両鋳造ロールの冷却水は、共通の水供給源
から送給されることが好ましく、また、冷却水が、供給
ポンプにより各鋳造ロールの相反端へと夫々送られ、更
には、鋳造ロールから出された冷却水が、冷却塔に通さ
れることが好ましい。
【0009】また、冷却水は、各鋳造ロールの長手方向
通路の全てをロール相互で逆向きとなる単一方向に向け
て流れるようにすることが可能である。
【0010】更に、本発明は、相互間にロール間隙を形
成し且つ各々ロール長手方向にロール外周表面に近接し
て延びる長手方向通路を備えた一対の鋳造ロールと、溶
融金属を鋳造ロール間のロール間隙へと供給して該ロー
ル間隙上方の鋳造ロール表面に支持された溶融金属の鋳
造溜めを形成する金属供給ノズルと、両鋳造ロールを相
反方向に回転駆動してロール間隙から下方に送給される
凝固金属ストリップを製造するロール駆動手段と、各鋳
造ロールの長手方向通路に冷却水を供給する冷却水供給
手段とからなる金属ストリップ連続鋳造装置において、
前記各鋳造ロールが、該各鋳造ロールを軸心まわりに回
転するよう支持する中央軸と、該中央軸の周囲に配され
且つ前記長手方向通路を備えた周壁と、中央軸と周壁の
端との間に延びる端壁とからなり、前記冷却水供給手段
が、端壁内に形成されて各鋳造ロールの各長手方向通路
と連通する半径方向通路と、冷却水をほぼ同一温度で各
鋳造ロールの相反端となる端壁の半径方向通路へと夫々
供給する水供給ダクトと、各鋳造ロールにおける水供給
ダクトによる冷却水の供給側と反対側の端壁の半径方向
通路から冷却水を抜き出す水戻しダクトとからなること
を特徴とする金属ストリップ連続鋳造装置をも提供す
る。
【0011】前記水供給ダクトと水戻しダクトは、各鋳
造ロールの中央軸内に形成されていることが好ましい。
【0012】また、冷却水供給手段は、水供給ダクトに
接続されて冷却水を両鋳造ロールにほぼ同一温度で供給
する共通冷却水源を更に備えていることが好ましい。
【0013】更に、共通冷却水源は、両鋳造ロールの水
供給ダクトに接続された冷却水ポンプにより構成するこ
とが可能である。
【0014】また、冷却水供給手段は、ポンプを介した
再循環のため水戻しダクトを経て戻った冷却水を受ける
冷却塔を更に備えていることが好ましい。
【0015】更に、各鋳造ロールの半径方向通路と長手
方向通路とは、長手方向通路の外端を越えて半径方向に
延び且つ半径方向通路を越えて長手方向外方に延びるこ
とにより鋳造ロールの端隅へと延びる移行通路により相
互接続されていることが好ましく、停滞ポケットが形成
されないよう移行通路を通る連続水流を強いるよう移行
通路の外側部を滑らかに湾曲した曲がり部として形成す
ると良い。
【0016】また、各鋳造ロールの半径方向通路は、鋳
造ロールの各端壁内で周方向に離間した一連の個々の通
路により構成することが可能である。
【0017】更に、各鋳造ロールの移行通路は、鋳造ロ
ール各端における単一の環状通路であって、該環状通路
が鋳造ロール端の端壁内の一連の半径方向通路と周壁内
の長手方向通路とを相互接続していることが好ましい。
【0018】また、各鋳造ロールにおける長手方向通路
と半径方向通路とを相互接続して、冷却水流のための単
一パスを各鋳造ロールの長手方向通路の全てで提供し、
両鋳造ロールの長手方向の水流方向を互いに逆向きとな
るよう構成すると良い。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明を更に充分に説明するため
に、本発明を実施する形態の一例を添付図面を参照しつ
つ説明する。
【0020】図1に示した金属ストリップ連続鋳造装置
は、ロール間隙2を間に形成する一対の鋳造ロール1で
構成される。ロール間隙2上方に溶融金属の鋳造溜め6
を生み出すよう、鋳造作業中に溶融金属が取鍋3からタ
ンディッシュ4及び供給ノズル5を介して鋳造ロール1
間のロール間隙2へと供給される。取鍋3にはストッパ
ロッド7が設けられており、これを作動させることによ
り溶融金属を取鍋3から出口ノズル8及び耐火シュラウ
ド9を介してタンディッシュ4へと流入させることがで
きる。
【0021】以下に詳述される具体的手段により、鋳造
ロール1に設けられた内部水冷通路へとロール端を介し
て冷却水が供給され、鋳造ロール1が駆動手段(図示せ
ず)で相反方向に回転させられて凝固金属ストリップ1
1を生み出し、それがロール間隙2から下方に送給され
る。
【0022】以上に述べた限りにおいては、図示した装
置はアメリカ特許第5,184,668号及び第5,2
77,243号並びにオーストラリア特許第63172
8号及び第637548号に更に詳細に記述されてお
り、装置の充分な構成及び作業の詳細についてこれらの
特許を参照することができる。
【0023】2つの鋳造ロール1は同一構成である。即
ち、各々はオーストラリア特許出願第33021/95
号に詳述された仕方で構成されており、周付近に設けら
れた長手方向通路にロール端壁内の半径方向通路を介し
冷却水が給排される。
【0024】図2及び3に最もよく示されているよう
に、各鋳造ロール1は中央ロール軸心13のまわりを回
転するよう中央軸12に取付けられる。鋳造ロール1
は、ほぼ円筒形のマンドレル15とロール端壁16とに
嵌着する円筒形の銅製のスリーブ14である周壁から更
に構成される。
【0025】各ロール端壁16は、主環状部材17と、
周方向に離間した固定ねじ19により主環状部材17に
固定されるリング部材18とで形成される。これらの複
合のロール端壁16は、長手方向に延び軸方向に離間し
た端クランプスタッド21によりマンドレル15の端に
固定される。
【0026】マンドレル15外周には長手方向に延び周
方向に離間した溝が形成され、それらの溝がスリーブ1
4により閉じられてスリーブ内周付近に周方向に離間し
た長手方向通路22を形成する。マンドレル15の長手
方向通路22のうちのいくつかの縁は外方に延ばされ
て、スリーブ14をマンドレル15にキー止めするよう
スリーブ14内周の溝に嵌合する。
【0027】中央軸12内に形成された流路23と、ロ
ール端壁16の主環状部材17内に形成された半径方向
通路24と、半径方向通路24と長手方向通路22とを
相互接続する移行通路25とを介し、冷却水がロール冷
却用の長手方向通路22に流出入される。より詳しく
は、冷却水が中央軸12一端の流路23(水供給ダク
ト)を介し鋳造ロール1に流入し、更に、中央軸12の
その端のロール端壁16内の半径方向通路24を介して
外方に流れ、長手方向通路22へと流入する。次いで、
長手方向通路22に沿って一方向に鋳造ロール1の他端
へと流れて、他端のロール端壁16の半径方向通路24
を介して内方へ流れ、中央軸12他端の流路23(水戻
しダクト)を経て流出する。
【0028】移行通路25は、ロール端壁16の主環状
部材17及びリング部材18と、スリーブ14の内周表
面の成形により形成される。リング部材18の外周表面
には周方向に離間した一連の長手方向の溝30が形成さ
れ、それらが長手方向通路22の溝と整合し、これら通
路22の延長部として作用する。溝30の縁のいくつか
を立ち上げてスリーブ14内周面の溝と係合させること
によりロール端壁16をスリーブ14にキー止めでき
る。一対の環状溝27を、各々スリーブ14端に隣接さ
せてスリーブ14内周に形成することにより、リング部
材18の外縁28に整合させる。従って、各移行通路2
5はリング部材18と主環状部材17と環状溝27の一
つとの間の環状隙間により形成され、それがリング部材
18の外縁28まわりの流路を形成して溝30へと延
び、更に長手方向通路22へと延びる。このようにして
移行通路25は鋳造ロール1のロール端隅31の方へと
外方に向かって湾曲した曲がり部として延び、これが当
域での移行通路25の締め付けと相まって水速度を増加
させ、スリーブ14端の冷却を劇的に改良することがで
きる。
【0029】移行通路25が長手方向通路22の半径方
向外方端を越えて外方にスリーブ14へと延び、それに
より、鋳造ロール1の他の部分の外周表面よりもロール
端隅31に冷却水を接近させることが重要である。環状
溝27で形成された移行通路25部分がロール端壁16
の半径方向通路24を越えて長手方向外方に離間して、
ロール端隅31に接近していることも示されている。こ
のように構成したことにより、移行通路25は滑らかな
曲がり部として、鋳造ロール1の、長手方向通路22と
半径方向通路24との交差方向から半径方向及び長手方
向両方の外方に配した領域へと延びる。
【0030】ロール端隅31に隣接した移行通路25の
外方部分が壁の滑らかなダクト状に形成されているの
で、この部分を通る水流は停滞のない連続水流に保たれ
る。即ち、スリーブ14の環状溝27とリング部材18
の外縁28とにより形成された外方に湾曲する壁でダク
ト状に、滑らかに湾曲した曲がり部が構成されて水流を
強制するので停滞ポケットの形成が避けられる。熱伝達
を激減させてロール端隅31の冷却効率を低下させてし
まう停滞や空洞化を避けるために水流を強制するのに、
リング部材18の外縁28により形成される内壁が重要
な役目を果たすことも判明している。
【0031】ロール端壁16とスリーブ14との間の界
面はオーリングシール34でシールすることができ、ロ
ール端壁16と中央軸12との間の界面は適宜のオーリ
ングシール35でシールすることができる。
【0032】本発明より以前は、図1〜3に示すような
装置では、冷却水を両鋳造ロールとも同じ長手方向に流
していた。しかし、そのような作業で所望の設計プロフ
ィールを持つ凝固金属ストリップ11を送給できるよう
な初期プロフィールに鋳造ロール1を機械仕上げするこ
とは不可能であった。凝固金属ストリップ11の一側か
ら他側へは、望まれない厚み変動があり、特に凝固金属
ストリップ11の縁領域には著しい厚み変動があった。
図4はこのようにして操作した場合に生じる典型的な厚
み変動を示している。
【0033】図4は凝固金属ストリップ11の一縁から
の距離を横軸にとり、その距離でのストリップ厚を縦軸
にとったグラフであり、実線は凝固金属ストリップ11
の所望設計プロフィールを、点線は装置の実際の作業で
得られる典型的なプロフィールを示している。広範に試
験を行った結果、凝固金属ストリップ11一側で厚みが
著しく増加するのはロール間隙から出るときの再溶融に
よる膨出に起因することが判明した。この膨出の問題を
解決しようとして鋳造ロール1を凹クラウンに機械仕上
げしてみたが、プロフィール変動の非対称的特性に適応
できないため失敗であった。
【0034】試行錯誤、モデル化を広範に行った結果、
本発明者は、非対称の厚み変動が鋳造ロール1両端での
熱伝達特性が異なることに起因しており、そのような熱
伝達特性の相違が水流の方向によることを見知した。そ
の影響が特に激しいのは鋳造ロール1のロール端隅31
であり、それは、移行通路25が複雑な湾曲形状である
からであり、冷却水が半径方向通路24から入って長手
方向通路22から出る場合の移行通路25内の通過方向
に起因する相違があるからである。半径方向通路24を
介して鋳造ロール1に入った冷却水は半径方向外方に移
行通路25の外方領域へと流れて非常に有効な熱伝達を
提供するのに対し、鋳造ロール1の他端では長手方向通
路22を出た冷却水が移行通路25の外方へではなく側
部に沿って流れる。水流方向の違いや境界層状態の違い
が大きいので熱伝達効率の違いが生じ、その結果、ロー
ル端域の膨張が異なり、ストリッププロフィールが非対
称となる。しかしながら、本発明者は、一方の鋳造ロー
ル1を通る水流と他方の鋳造ロール1を通る水流とを互
いに逆方向とすることにより、プロフィールの非対称性
を事実上除去でき、鋳造ロール1を非常に正確に機械仕
上げして所望の対称的な厚みプロフィールを有する凝固
金属ストリップ11を製造できることを見い出した。こ
の理由は、鋳造ロールが作動温度で働いているときに冷
却効率の変動による設計プロフィールからの変動が一方
の鋳造ロール1と他方の鋳造ロール1とに鏡面対称的に
生じるため、厚みを確立する鋳造ロール1間のロール間
隙2がどの位置でもほぼ正確な設計厚みとなるからであ
る。
【0035】図5は、本発明により冷却水が各鋳造ロー
ル1に供給される具体的手段を示しており、ポンプ41
により冷却水が供給ライン42を介して両鋳造ロール1
の中央軸12のそれぞれ相反する端の流路(図中、23
Aで示す)へと送給される。冷却水は中央軸12の反対
側の流路(図中、23Bで示す)から戻りライン43を
介し冷却塔44へと流れ、更に戻りライン45を経てポ
ンプ41に戻る。従って、流路23Aは水供給ダクトと
して機能して2つの鋳造ロール1へと冷却水を供給し、
流路23Bは戻りダクトとして機能して鋳造ロール1か
ら冷却水を排出する。このように、2つの鋳造ロール1
への冷却水の給排が相反している。両流路23Aは共通
のポンプ41から冷却水を受けるので、冷却水が両鋳造
ロール1にほぼ同一温度で送給されることとなる。この
ことも、所望の対称な厚みプロフィールを維持するのに
重要である。
【0036】図示した鋳造ロール1は典型的には径が5
00mm程であり、スリーブ14の厚みが20〜35m
m程である。長手方向の通路22は典型的には深さが4
mm程、幅が20mm程である。移行通路25は通路2
2とほぼ同一の流路断面を提供するように形成すること
ができる。半径方向通路24の提供する流域は典型的に
は35mm程の径として、72リットル/秒の流量を提
供することができる。
【0037】図示したストリップ鋳造装置は例示として
示したのみであって、本発明は、図示した鋳造装置のレ
イアウト全般や、図2及び3に示した特定のロール構成
に限定されない。特に、鋳造ロール1がスリーブ付きの
構成であることは必須ではなく、長手方向に延び周方向
に離間した長手方向通路22を鋳造ロール1の固い周壁
に穿設してもよい。又、冷却水が各ロール1の長手方向
通路の全てを単一方向に通ることは重要でなく、これら
の通路を多パスにグループ分けして両鋳造ロール1に沿
った前後流を提供することにより鋳造中の温度変動を更
に安定させることも可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属スト
リップ連続鋳造方法及び装置によれば、一方の鋳造ロー
ルを通る水流と他方の鋳造ロールを通る水流とを互いに
逆方向とすることにより、プロフィールの非対称性を事
実上除去でき、鋳造ロールを非常に正確に機械仕上げし
て所望の対称的な厚みプロフィールを有するストリップ
を製造することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により構成される金属ストリップ連続鋳
造装置の縦断面図である。
【図2】図1に示した金属ストリップ連続鋳造装置の鋳
造ロールの水平断面を示す図である。
【図3】鋳造ロールの一方の拡大断面図である。
【図4】本発明を実施することにより避けられる種類の
ストリッププロフィールを示す。
【図5】水供給源を本発明による鋳造ロールの冷却水通
路に接続する仕方を示す図である。
【符号の説明】
1 鋳造ロール 2 ロール間隙 6 鋳造溜め 11 凝固金属ストリップ 12 中央軸 14 スリーブ(周壁) 16 ロール端壁(端壁) 22 長手方向通路 23 流路(水供給ダクト、又は水戻しダク
ト) 24 半径方向通路 25 移行通路 41 ポンプ 44 冷却塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハロルド ローランド コール オーストラリア ニュー サウス ウェー ルズ 2519 マウント アウスレイ ゴワ ン ブレイ アヴェニュー 11

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却される一対の平行な鋳造ロール間の
    ロール間隙に溶融金属を導いてロール間隙上方にロール
    鋳造表面に支持された溶融金属の鋳造溜めを形成し、各
    鋳造ロールを相反方向に回転させてロール間隙から下方
    に送給される凝固金属ストリップを製造する金属ストリ
    ップ連続鋳造方法において、鋳造ロールの外周面を、鋳
    造ロール内を外周面に近接して鋳造ロール長手方向に延
    びる長手方向通路を介した冷却水流により冷却するに際
    し、各鋳造ロールの水流を鋳造ロールの端壁内の半径方
    向通路から該鋳造ロール内の長手方向通路へ、該長手方
    向通路から該鋳造ロールの反対側の端壁内の更なる半径
    方向通路へと流し、且つ一方の鋳造ロールを通る水流と
    他方の鋳造ロールを通る水流とが互いに逆方向にほぼ同
    一温度で流れるようにすることを特徴とする金属ストリ
    ップ連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 両鋳造ロールの冷却水が、共通の水供給
    源から送給されることを特徴とする請求項1に記載の金
    属ストリップ連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 冷却水が、供給ポンプにより各鋳造ロー
    ルの相反端へと夫々送られることを特徴とする請求項2
    に記載の金属ストリップ連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 鋳造ロールから出された冷却水が、冷却
    塔に通されることを特徴とする請求項3に記載の金属ス
    トリップ連続鋳造方法。
  5. 【請求項5】 冷却水が、各鋳造ロールの長手方向通路
    の全てをロール相互で逆向きとなる単一方向に向けて流
    れることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載
    の金属ストリップ連続鋳造方法。
  6. 【請求項6】 相互間にロール間隙を形成し且つ各々ロ
    ール長手方向にロール外周表面に近接して延びる長手方
    向通路を備えた一対の鋳造ロールと、溶融金属を鋳造ロ
    ール間のロール間隙へと供給して該ロール間隙上方の鋳
    造ロール表面に支持された溶融金属の鋳造溜めを形成す
    る金属供給ノズルと、両鋳造ロールを相反方向に回転駆
    動してロール間隙から下方に送給される凝固金属ストリ
    ップを製造するロール駆動手段と、各鋳造ロールの長手
    方向通路に冷却水を供給する冷却水供給手段とからなる
    金属ストリップ連続鋳造装置において、前記各鋳造ロー
    ルが、該各鋳造ロールを軸心まわりに回転するよう支持
    する中央軸と、該中央軸の周囲に配され且つ前記長手方
    向通路を備えた周壁と、中央軸と周壁の端との間に延び
    る端壁とからなり、前記冷却水供給手段が、端壁内に形
    成されて各鋳造ロールの各長手方向通路と連通する半径
    方向通路と、冷却水をほぼ同一温度で各鋳造ロールの相
    反端となる端壁の半径方向通路へと夫々供給する水供給
    ダクトと、各鋳造ロールにおける水供給ダクトによる冷
    却水の供給側と反対側の端壁の半径方向通路から冷却水
    を抜き出す水戻しダクトとからなることを特徴とする金
    属ストリップ連続鋳造装置。
  7. 【請求項7】 水供給ダクトと水戻しダクトが、各鋳造
    ロールの中央軸内に形成されていることを特徴とする請
    求項6に記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
  8. 【請求項8】 冷却水供給手段が、水供給ダクトに接続
    されて冷却水を両鋳造ロールにほぼ同一温度で供給する
    共通冷却水源を更に備えたことを特徴とする請求項6又
    は7に記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
  9. 【請求項9】 共通冷却水源が、両鋳造ロールの水供給
    ダクトに接続された冷却水ポンプからなることを特徴と
    する請求項8に記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
  10. 【請求項10】 冷却水供給手段が、ポンプを介した再
    循環のため水戻しダクトを経て戻った冷却水を受ける冷
    却塔を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載の金
    属ストリップ連続鋳造装置。
  11. 【請求項11】 各鋳造ロールの半径方向通路と長手方
    向通路とが、長手方向通路の外端を越えて半径方向に延
    び且つ半径方向通路を越えて長手方向外方に延びること
    により鋳造ロールの端隅へと延びる移行通路により相互
    接続されていることを特徴とする請求項6乃至10のい
    ずれかに記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
  12. 【請求項12】 停滞ポケットが形成されないよう移行
    通路を通る連続水流を強いるよう移行通路の外側部を滑
    らかに湾曲した曲がり部として形成したことを特徴とす
    る請求項11に記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
  13. 【請求項13】 各鋳造ロールの半径方向通路が、鋳造
    ロールの各端壁内で周方向に離間した一連の個々の通路
    からなることを特徴とする請求項11又は12に記載の
    金属ストリップ連続鋳造装置。
  14. 【請求項14】 各鋳造ロールの移行通路が、鋳造ロー
    ル各端における単一の環状通路であって、該環状通路が
    鋳造ロール端の端壁内の一連の半径方向通路と周壁内の
    長手方向通路とを相互接続していることを特徴とする請
    求項13に記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
  15. 【請求項15】 各鋳造ロールにおける長手方向通路と
    半径方向通路とを相互接続して、冷却水流のための単一
    パスを各鋳造ロールの長手方向通路の全てで提供し、両
    鋳造ロールの長手方向の水流方向を互いに逆向きとなる
    よう構成したことを特徴とする請求項6乃至14のいず
    れかに記載の金属ストリップ連続鋳造装置。
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