JPH1068443A - 免震装置 - Google Patents
免震装置Info
- Publication number
- JPH1068443A JPH1068443A JP22719096A JP22719096A JPH1068443A JP H1068443 A JPH1068443 A JP H1068443A JP 22719096 A JP22719096 A JP 22719096A JP 22719096 A JP22719096 A JP 22719096A JP H1068443 A JPH1068443 A JP H1068443A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ball
- base
- seismic isolation
- return
- balls
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は装置の小型化及び免震動作のストロ
ークを確保することを課題とする。 【解決手段】 免震装置11は、被載置物12が載置さ
れる上ベース13と、床面14に設置される下ベース1
5と、上ベース13と下ベース15との間に介在する複
数のボール16と、上ベース13と下ベース15との間
で各ボール16を所定間隔に保持しながら水平方向に相
対変位可能に取り付けられたボール保持部材17と、上
ベース13から下方に突出して下ベース15に低摩擦で
滑動する支持部18と、上ベース13と下ベース15と
の間に装架され上ベース13を所定の対向位置に復帰さ
せるベース復帰バネ19と、下ベース15とボール保持
部材17との間に装架され各ボール16をボール保持部
材17と共に停止位置を含む所定範囲内に復帰させるボ
ール復帰バネ20と、よりなる。
ークを確保することを課題とする。 【解決手段】 免震装置11は、被載置物12が載置さ
れる上ベース13と、床面14に設置される下ベース1
5と、上ベース13と下ベース15との間に介在する複
数のボール16と、上ベース13と下ベース15との間
で各ボール16を所定間隔に保持しながら水平方向に相
対変位可能に取り付けられたボール保持部材17と、上
ベース13から下方に突出して下ベース15に低摩擦で
滑動する支持部18と、上ベース13と下ベース15と
の間に装架され上ベース13を所定の対向位置に復帰さ
せるベース復帰バネ19と、下ベース15とボール保持
部材17との間に装架され各ボール16をボール保持部
材17と共に停止位置を含む所定範囲内に復帰させるボ
ール復帰バネ20と、よりなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は免震装置に係り、特
に下ベースと上ベースとの間にボールを介在させて下ベ
ースと上ベースとの相対変位により免震動作させるよう
構成した免震装置に関する。
に下ベースと上ベースとの間にボールを介在させて下ベ
ースと上ベースとの相対変位により免震動作させるよう
構成した免震装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の免震装置は、被載置物が載置され
る上ベースと、床面に設置される下ベースと、上ベース
又は下ベースの一方のベースに固定され低摩擦で他方の
ベースを滑動自在に支持する球面ベアリングと、上ベー
スと下ベースとの間に張設されて上ベースと下ベースと
が免震動作前の位置に復帰するように附勢するベース復
帰バネとから構成されている。
る上ベースと、床面に設置される下ベースと、上ベース
又は下ベースの一方のベースに固定され低摩擦で他方の
ベースを滑動自在に支持する球面ベアリングと、上ベー
スと下ベースとの間に張設されて上ベースと下ベースと
が免震動作前の位置に復帰するように附勢するベース復
帰バネとから構成されている。
【0003】しかしながら、このように構成された免震
装置では、球面ベアリングのハウジングを上ベース又は
下ベースに固定しているため、球面ベアリングの変位量
と上ベースと下ベースとの相対変位量とが同一となる。
そのため、上ベースのストロークを所定長さとするよう
にした場合、上ベース及び下ベースの面積が大きくな
り、装置全体が大型化していた。
装置では、球面ベアリングのハウジングを上ベース又は
下ベースに固定しているため、球面ベアリングの変位量
と上ベースと下ベースとの相対変位量とが同一となる。
そのため、上ベースのストロークを所定長さとするよう
にした場合、上ベース及び下ベースの面積が大きくな
り、装置全体が大型化していた。
【0004】そこで、同じストロークで上ベース及び下
ベースの面積を小さくする手段として、金属製のボール
を下ベースと上ベースとの間に介在させる構成が考えら
れている。この構成の免震装置では、地震等による振動
が伝播すると、複数のボールが転動するのに伴って下ベ
ースと上ベースとが相対変位して免震動作するものであ
る。
ベースの面積を小さくする手段として、金属製のボール
を下ベースと上ベースとの間に介在させる構成が考えら
れている。この構成の免震装置では、地震等による振動
が伝播すると、複数のボールが転動するのに伴って下ベ
ースと上ベースとが相対変位して免震動作するものであ
る。
【0005】そのため、上ベースと下ベースとの相対変
位量に対し、ボールの回転量が1/2となる構成である
ので、ボールの移動範囲が小さくて済み、その分上ベー
スのストロークが長くなる。また、下ベースと上ベース
との間には、下ベースと上ベースとが互いに対向する位
置に復帰するように張設されたベース復帰バネが配設さ
れている。
位量に対し、ボールの回転量が1/2となる構成である
ので、ボールの移動範囲が小さくて済み、その分上ベー
スのストロークが長くなる。また、下ベースと上ベース
との間には、下ベースと上ベースとが互いに対向する位
置に復帰するように張設されたベース復帰バネが配設さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た免震装置においては、地震等による振動が床面に伝達
されると、ボールが転動することにより下ベースと上ベ
ースとが水平方向に相対変位して被載置物に振動が伝わ
らないように免震動作し、ベース復帰バネのバネ力によ
り下ベースと上ベースとが互いに対向する動作前の位置
に復帰する。
た免震装置においては、地震等による振動が床面に伝達
されると、ボールが転動することにより下ベースと上ベ
ースとが水平方向に相対変位して被載置物に振動が伝わ
らないように免震動作し、ベース復帰バネのバネ力によ
り下ベースと上ベースとが互いに対向する動作前の位置
に復帰する。
【0007】ところが、上記免震装置では、複数のボー
ルが下ベースまたは上ベースに対して滑ることを考慮し
ていなかったため、振動が減衰した後、ボールが免震動
作前の位置に復帰できず、免震動作する度に原点復帰位
置が安定しなかった。その結果、原点復帰位置がずれた
分だけボールの転動可能範囲、すなわち下ベースと上ベ
ースとの相対変位距離(ストローク)が小さくなり、そ
の結果、免震動作範囲が狭くなるので、免震装置が有す
る免震性能を十分に発揮することができなかった。
ルが下ベースまたは上ベースに対して滑ることを考慮し
ていなかったため、振動が減衰した後、ボールが免震動
作前の位置に復帰できず、免震動作する度に原点復帰位
置が安定しなかった。その結果、原点復帰位置がずれた
分だけボールの転動可能範囲、すなわち下ベースと上ベ
ースとの相対変位距離(ストローク)が小さくなり、そ
の結果、免震動作範囲が狭くなるので、免震装置が有す
る免震性能を十分に発揮することができなかった。
【0008】そこで、本発明は上記課題を解決した免震
装置を提供することを目的とする。
装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は以下のような特徴を有する。本発明は、互
いに対向するように配された下ベースと上ベースとの間
に複数のボールを介在させて該下ベースと該上ベースと
の相対変位を可能にするとともに、下ベースと上ベース
とを所定の対向位置に復帰するように附勢するベース復
帰バネを配してなる免震装置において、前記複数のボー
ルを所定間隔位置に保持するボール保持部材と、該ボー
ル保持部材を免震動作前の停止位置を含む所定範囲内に
復帰させるボール復帰ばねと、を備えてなること特徴と
するものである。
め、本発明は以下のような特徴を有する。本発明は、互
いに対向するように配された下ベースと上ベースとの間
に複数のボールを介在させて該下ベースと該上ベースと
の相対変位を可能にするとともに、下ベースと上ベース
とを所定の対向位置に復帰するように附勢するベース復
帰バネを配してなる免震装置において、前記複数のボー
ルを所定間隔位置に保持するボール保持部材と、該ボー
ル保持部材を免震動作前の停止位置を含む所定範囲内に
復帰させるボール復帰ばねと、を備えてなること特徴と
するものである。
【0010】従って、本発明によれば、複数のボールを
保持するボール保持部材が復帰ばねにより附勢されてい
るので、ボールの滑りを低減すると共に、免震動作前と
免震動作後とのボール停止位置のずれを減少させること
ができる。そのため、次の免震動作時に初期の免震動作
範囲を確保でき、その装置が有する免震性能を十分に発
揮することができる。しかも、複数のボールがボール保
持部材により所定間隔位置に保持されているので、各ボ
ール間隔がばらつくことがなく、上ベースを安定的に支
持することができる。
保持するボール保持部材が復帰ばねにより附勢されてい
るので、ボールの滑りを低減すると共に、免震動作前と
免震動作後とのボール停止位置のずれを減少させること
ができる。そのため、次の免震動作時に初期の免震動作
範囲を確保でき、その装置が有する免震性能を十分に発
揮することができる。しかも、複数のボールがボール保
持部材により所定間隔位置に保持されているので、各ボ
ール間隔がばらつくことがなく、上ベースを安定的に支
持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の一実施
例について説明する。図1は本発明になる免震装置の一
実施例の樹断面図、図2は免震装置の平面図である。
尚、図2では内部構造が分かるようにするため最上部の
カバー部材を省略してある。
例について説明する。図1は本発明になる免震装置の一
実施例の樹断面図、図2は免震装置の平面図である。
尚、図2では内部構造が分かるようにするため最上部の
カバー部材を省略してある。
【0012】免震装置11には、例えばコンピュータ、
美術品等の被免震物12が載置されており、地震発生時
に被免震物12の倒壊を防止するように免震動作するも
のである。免震装置11は、被載置物12が載置される
上ベース13と、床面14に設置される下ベース15
と、上ベース13と下ベース15との間に介在する複数
のボール(本実施例では4個配置)16と、上ベース1
3と下ベース15との間で各ボール16を所定間隔に保
持しながら水平方向に相対変位可能に取り付けられたボ
ール保持部材17と、上ベース13から下方に突出して
下ベース15に低摩擦で滑動する支持部18と、上ベー
ス13と下ベース15との間に装架され上ベース13を
原点位置に復帰させるベース復帰バネ19と、下ベース
15とボール保持部材17との間に装架され各ボール1
6をボール保持部材17と共に原点位置に復帰させるボ
ール復帰バネ20と、よりなる。
美術品等の被免震物12が載置されており、地震発生時
に被免震物12の倒壊を防止するように免震動作するも
のである。免震装置11は、被載置物12が載置される
上ベース13と、床面14に設置される下ベース15
と、上ベース13と下ベース15との間に介在する複数
のボール(本実施例では4個配置)16と、上ベース1
3と下ベース15との間で各ボール16を所定間隔に保
持しながら水平方向に相対変位可能に取り付けられたボ
ール保持部材17と、上ベース13から下方に突出して
下ベース15に低摩擦で滑動する支持部18と、上ベー
ス13と下ベース15との間に装架され上ベース13を
原点位置に復帰させるベース復帰バネ19と、下ベース
15とボール保持部材17との間に装架され各ボール1
6をボール保持部材17と共に原点位置に復帰させるボ
ール復帰バネ20と、よりなる。
【0013】また、免震装置11の下ベース15は摩擦
係数の大きいゴム製マット等の上に設置され、摩擦によ
り床面14上を摺動できないように取り付けられてい
る。免震装置11は後述するように、地震発生等により
水平方向の振動が入力されると、各ボール16が上ベー
ス13の下面と下ベース15の上面との間で転動して上
ベース13に対して下ベース15が相対変位するように
構成されている、そのため、上ベース13に載置された
被載置物12は、上ベース13と下ベース15の相対変
位により床面14からの振動が免震されるようになって
いる。
係数の大きいゴム製マット等の上に設置され、摩擦によ
り床面14上を摺動できないように取り付けられてい
る。免震装置11は後述するように、地震発生等により
水平方向の振動が入力されると、各ボール16が上ベー
ス13の下面と下ベース15の上面との間で転動して上
ベース13に対して下ベース15が相対変位するように
構成されている、そのため、上ベース13に載置された
被載置物12は、上ベース13と下ベース15の相対変
位により床面14からの振動が免震されるようになって
いる。
【0014】尚、ボール16、支持部18、ボール復帰
バネ20は、ベースの対角方向に配置され、ベース復帰
バネ19は免震動作時に他部材と干渉しないようにベー
スの対辺方向に取り付けられている。図2において、ボ
ール16が転動して移動する範囲Aは1点鎖線で示す円
形部分であり、支持部18が摺動する範囲Bは2点鎖線
で示す円形部分である。すなわち、上ベース13に設け
られた支持部18の移動量は、ボール16が転動したと
きの外周の移動量と等しいため、支持部18の移動範囲
Bはボール16の移動範囲Aの2倍の半径となる。
バネ20は、ベースの対角方向に配置され、ベース復帰
バネ19は免震動作時に他部材と干渉しないようにベー
スの対辺方向に取り付けられている。図2において、ボ
ール16が転動して移動する範囲Aは1点鎖線で示す円
形部分であり、支持部18が摺動する範囲Bは2点鎖線
で示す円形部分である。すなわち、上ベース13に設け
られた支持部18の移動量は、ボール16が転動したと
きの外周の移動量と等しいため、支持部18の移動範囲
Bはボール16の移動範囲Aの2倍の半径となる。
【0015】図3は免震装置11の各構成部品を分解し
て示す分解斜視図である。上べース13は、箱状のカバ
ー部材21と、カバー部材21が装着される枠体22
と、枠体22の対角方向に延在する十字形状の梁部23
とを一体的に組み合わせてなる。枠体22の四隅には、
ボール16の上部が当接するための摺動板24が取り付
けられている。
て示す分解斜視図である。上べース13は、箱状のカバ
ー部材21と、カバー部材21が装着される枠体22
と、枠体22の対角方向に延在する十字形状の梁部23
とを一体的に組み合わせてなる。枠体22の四隅には、
ボール16の上部が当接するための摺動板24が取り付
けられている。
【0016】また、梁部23の各腕部23a〜23dの
下面には、下ベース15の上面を低摩擦で摺動する支持
部18が取り付けられている。各支持部18は、ボール
16より内側で摺動変位する位置に設けられており、ボ
ール16と干渉しないように設けられている。また、梁
部23の各腕部23a〜23dは、枠体22の対角方向
に延在しているため、ベース復帰バネ19と交差しない
ように設けられている。
下面には、下ベース15の上面を低摩擦で摺動する支持
部18が取り付けられている。各支持部18は、ボール
16より内側で摺動変位する位置に設けられており、ボ
ール16と干渉しないように設けられている。また、梁
部23の各腕部23a〜23dは、枠体22の対角方向
に延在しているため、ベース復帰バネ19と交差しない
ように設けられている。
【0017】4本のベース復帰バネ19は、外側に位置
する一端が枠体22の各辺22a〜22dの中間部分に
掛止される。また、各ベース復帰バネ19の内側に位置
する他端は、下ベース15の中央部に十字状に起立する
バネ掛止部25に掛止される。そのため、各ベース復帰
バネ19は、免震動作により上べース13と下ベース1
5とが相対変位した場合、変位方向に引っ張られること
になる。
する一端が枠体22の各辺22a〜22dの中間部分に
掛止される。また、各ベース復帰バネ19の内側に位置
する他端は、下ベース15の中央部に十字状に起立する
バネ掛止部25に掛止される。そのため、各ベース復帰
バネ19は、免震動作により上べース13と下ベース1
5とが相対変位した場合、変位方向に引っ張られること
になる。
【0018】そして、免震動作が終わると、上べース1
3は4本のベース復帰バネ19のバネ力が釣り合う位置
に復帰され、下ベース15と対向する所定の対向位置
(原点位置)に戻される。尚、ベース復帰バネ19のバ
ネ定数は、上べース13に載置される被載置物12の重
量に合わせて設定されており、バネ力が強過ぎて免震動
作が遅れたり、あるいはバネ力が弱過ぎて上べース13
が原点位置に復帰できないといった不具合が生じないよ
うに各寸法が決められている。
3は4本のベース復帰バネ19のバネ力が釣り合う位置
に復帰され、下ベース15と対向する所定の対向位置
(原点位置)に戻される。尚、ベース復帰バネ19のバ
ネ定数は、上べース13に載置される被載置物12の重
量に合わせて設定されており、バネ力が強過ぎて免震動
作が遅れたり、あるいはバネ力が弱過ぎて上べース13
が原点位置に復帰できないといった不具合が生じないよ
うに各寸法が決められている。
【0019】ボール保持部材17は、四角形状の枠体で
あり、四隅にボール16を回転自在に保持する円筒状の
ボール保持部17a〜17dを有する。4個のボール1
6は、ボール保持部17a〜17d内に挿入されて回転
自在に保持される。そのため、免震動作時、4個のボー
ル16は、一定の間隔を保った状態のまま上べース13
と下ベース15との間で転動することができる。よっ
て、一のボール16が上べース13あるいは下ベース1
5の摺接面を滑っても他のボール16との間隔がずれな
いため、各ボール16が個別に移動することがない。
あり、四隅にボール16を回転自在に保持する円筒状の
ボール保持部17a〜17dを有する。4個のボール1
6は、ボール保持部17a〜17d内に挿入されて回転
自在に保持される。そのため、免震動作時、4個のボー
ル16は、一定の間隔を保った状態のまま上べース13
と下ベース15との間で転動することができる。よっ
て、一のボール16が上べース13あるいは下ベース1
5の摺接面を滑っても他のボール16との間隔がずれな
いため、各ボール16が個別に移動することがない。
【0020】上べース13は、上記4本の支持部18と
4個のボール16を介して下ベース15に移動可能に支
持されており、各ボール16が転動して免震動作する際
の安定性が確保されている。また、ボール保持部材17
の角部には、ボール復帰バネ20の一端が掛止されてお
り、ボール復帰バネ20の他端は下ベース15の角部に
起立されたバネ掛止ピン26に掛止される。このボール
復帰バネ20は、ボール保持部材17の各角部から対角
方向に延在するように配設されている。
4個のボール16を介して下ベース15に移動可能に支
持されており、各ボール16が転動して免震動作する際
の安定性が確保されている。また、ボール保持部材17
の角部には、ボール復帰バネ20の一端が掛止されてお
り、ボール復帰バネ20の他端は下ベース15の角部に
起立されたバネ掛止ピン26に掛止される。このボール
復帰バネ20は、ボール保持部材17の各角部から対角
方向に延在するように配設されている。
【0021】そのため、ボール保持部材17は、4本の
ボール復帰バネ20のバネ力が釣り合う所定の停止位置
(原点位置)に附勢されている。従って、各ボール16
が転動して免震動作した場合、ボール保持部材17は各
ボール復帰バネ20を移動方向に変形させながら水平移
動することになる。そして、ボール保持部材17は、免
震動作が終わると、各ボール復帰バネ20のバネ力が釣
り合う免震動作前の停止位置に復帰する。
ボール復帰バネ20のバネ力が釣り合う所定の停止位置
(原点位置)に附勢されている。従って、各ボール16
が転動して免震動作した場合、ボール保持部材17は各
ボール復帰バネ20を移動方向に変形させながら水平移
動することになる。そして、ボール保持部材17は、免
震動作が終わると、各ボール復帰バネ20のバネ力が釣
り合う免震動作前の停止位置に復帰する。
【0022】尚、各ボール16の抵抗とならないように
各ボール復帰バネ20のバネ力を比較的弱くしてあるの
で、各ボール16の復帰位置にばらつきが生じ、動作前
の停止位置から若干ずれた所定範囲内に復帰することも
ある。よって、ボール保持部材17の各ボール保持部1
7a〜17dに保持されたボール16の滑りを低減する
ことができ、各ボール16はボール保持部材17に保持
されたまま転動して免震動作がスムーズに行われる。さ
らに、ボール保持部材17の対角方向に延在する各ボー
ル復帰バネ20によりボール保持部材17が原点位置に
附勢されているので、免震動作が終わると、各ボール1
6は上べース13又は下ベース15を滑っていてもボー
ル保持部材17の復帰動作により動作前の停止位置を含
む所定範囲内に復帰する。
各ボール復帰バネ20のバネ力を比較的弱くしてあるの
で、各ボール16の復帰位置にばらつきが生じ、動作前
の停止位置から若干ずれた所定範囲内に復帰することも
ある。よって、ボール保持部材17の各ボール保持部1
7a〜17dに保持されたボール16の滑りを低減する
ことができ、各ボール16はボール保持部材17に保持
されたまま転動して免震動作がスムーズに行われる。さ
らに、ボール保持部材17の対角方向に延在する各ボー
ル復帰バネ20によりボール保持部材17が原点位置に
附勢されているので、免震動作が終わると、各ボール1
6は上べース13又は下ベース15を滑っていてもボー
ル保持部材17の復帰動作により動作前の停止位置を含
む所定範囲内に復帰する。
【0023】図4は本発明の要部を拡大して示す縦断面
図である。下ベース15の上面には、硬度の高い金属板
15aが載置されている。この金属板15aは各ボール
16のころがり抵抗を軽減するためのものであり、下ベ
ース15上に変位不可状態に設けられている。
図である。下ベース15の上面には、硬度の高い金属板
15aが載置されている。この金属板15aは各ボール
16のころがり抵抗を軽減するためのものであり、下ベ
ース15上に変位不可状態に設けられている。
【0024】そして、ボール16は上べース13の摺動
板24と下ベース15との間で転動自在に介在した状態
でボール保持部材17の各ボール保持部17a〜17d
に保持されている。各ボール保持部17a〜17dは、
筒状に形成されており、内部に合成樹脂製(例えば四フ
ッ化エチレン樹脂等)の挟持部材27により水平方向か
ら挟持されている。尚、挟持部材27は左右方向に2分
割できるように形成されているので、ボール保持部17
a〜17dの内部に挿入されると共に、ボール16を低
摩擦で転動自在に支持することができる。
板24と下ベース15との間で転動自在に介在した状態
でボール保持部材17の各ボール保持部17a〜17d
に保持されている。各ボール保持部17a〜17dは、
筒状に形成されており、内部に合成樹脂製(例えば四フ
ッ化エチレン樹脂等)の挟持部材27により水平方向か
ら挟持されている。尚、挟持部材27は左右方向に2分
割できるように形成されているので、ボール保持部17
a〜17dの内部に挿入されると共に、ボール16を低
摩擦で転動自在に支持することができる。
【0025】また、ボール16は、支持部18と干渉し
ないように支持部18の外側に位置するように設けられ
ており、且つボール16は上べース13の摺動板24と
下ベース15との間の対角位置に設けられているのに対
し、ベース復帰バネ19が対辺方向に張設されているの
で、ボール16とベース復帰バネ19とが干渉せず、ベ
ース復帰バネ19の張設高さ位置をボール16の上部と
重なるように設定することが可能になり、上べース13
の高さ位置を下げて薄型化が図れている。
ないように支持部18の外側に位置するように設けられ
ており、且つボール16は上べース13の摺動板24と
下ベース15との間の対角位置に設けられているのに対
し、ベース復帰バネ19が対辺方向に張設されているの
で、ボール16とベース復帰バネ19とが干渉せず、ベ
ース復帰バネ19の張設高さ位置をボール16の上部と
重なるように設定することが可能になり、上べース13
の高さ位置を下げて薄型化が図れている。
【0026】また、各ボール復帰バネ20は、ボール保
持部材17の対角方向に放射状に配設され、且つベース
復帰バネ19の下方に位置するように取り付けられてい
るので、免震動作時に対辺方向に延在するベース復帰バ
ネ19と干渉しないように配置されている。
持部材17の対角方向に放射状に配設され、且つベース
復帰バネ19の下方に位置するように取り付けられてい
るので、免震動作時に対辺方向に延在するベース復帰バ
ネ19と干渉しないように配置されている。
【0027】そのため、図4においては、ボール16の
免震動作を妨げないようにボール復帰バネ20のコイル
部の巻き径を小径にして比較的バネ定数を小さくしてあ
るが、ボール復帰バネ20がベース復帰バネ19と干渉
するおそれがないので、摺動板24と下ベース15との
間の高さ方向の隙間に収納される範囲でボール復帰バネ
20の巻き径を大きくしてボール16への附勢力を強く
することができる。
免震動作を妨げないようにボール復帰バネ20のコイル
部の巻き径を小径にして比較的バネ定数を小さくしてあ
るが、ボール復帰バネ20がベース復帰バネ19と干渉
するおそれがないので、摺動板24と下ベース15との
間の高さ方向の隙間に収納される範囲でボール復帰バネ
20の巻き径を大きくしてボール16への附勢力を強く
することができる。
【0028】図5は免震装置の免震動作を説明するため
の側面図である。尚、図5(A)は免震動作前の原点位
置に静止した状態を示し、図5(B)は免震動作時の状
態を示している。通常、地震のない状態では、上べース
13と下ベース15とが互いに対向した原点位置で停止
しており、各ベース復帰バネ19及び各ボール復帰バネ
20が釣り合った状態で静止している。
の側面図である。尚、図5(A)は免震動作前の原点位
置に静止した状態を示し、図5(B)は免震動作時の状
態を示している。通常、地震のない状態では、上べース
13と下ベース15とが互いに対向した原点位置で停止
しており、各ベース復帰バネ19及び各ボール復帰バネ
20が釣り合った状態で静止している。
【0029】今、地震による振動が床面14に伝播され
ると、ボール16の転動に伴って下ベース15が水平方
向(図5(B)では左方向)に移動し始める。これによ
り、地震による振動が免震されて上べース13及び被載
置物12が振動することが防止される。
ると、ボール16の転動に伴って下ベース15が水平方
向(図5(B)では左方向)に移動し始める。これによ
り、地震による振動が免震されて上べース13及び被載
置物12が振動することが防止される。
【0030】ここで、上べース13と下ベース15との
相対変位距離をxとすると、上べース13と下ベース1
5との間に介在するボール16の変位量はx/2と表せ
る。これは、ボール16の回転による外周の移動距離が
xであり、ボール16自体の変位量はx/2となる。
相対変位距離をxとすると、上べース13と下ベース1
5との間に介在するボール16の変位量はx/2と表せ
る。これは、ボール16の回転による外周の移動距離が
xであり、ボール16自体の変位量はx/2となる。
【0031】従って、ボール16の移動範囲は、ベース
移動距離の1/2となる。よって、免震装置11の免震
動作ストロークを所定距離に設定した場合、ボール16
の移動範囲がその1/2で済むので、その分上べース1
3及び下ベース15の面積を小さくできる。その結果、
免震動作ストロークを確保しながら免震装置11の小型
化を図ることができる。
移動距離の1/2となる。よって、免震装置11の免震
動作ストロークを所定距離に設定した場合、ボール16
の移動範囲がその1/2で済むので、その分上べース1
3及び下ベース15の面積を小さくできる。その結果、
免震動作ストロークを確保しながら免震装置11の小型
化を図ることができる。
【0032】また、下ベース15が距離xだけ移動した
場合、ベース復帰バネ19がxだけ撓ませる。ここで、
ベース復帰バネ19のバネ定数をkとすると、kxの力
が上べース13に作用する。このとき、ボール16は、
上べース13に対してx/2変位している。そのため、
ボール復帰バネ20はx/2だけ撓んだ状態であり、ボ
ール復帰バネ20のバネ定数をk’とすると、k’x/
2の力が作用する。
場合、ベース復帰バネ19がxだけ撓ませる。ここで、
ベース復帰バネ19のバネ定数をkとすると、kxの力
が上べース13に作用する。このとき、ボール16は、
上べース13に対してx/2変位している。そのため、
ボール復帰バネ20はx/2だけ撓んだ状態であり、ボ
ール復帰バネ20のバネ定数をk’とすると、k’x/
2の力が作用する。
【0033】ボール復帰バネ20はボール16の中心に
作用するため、上べース13に作用する力は、k’x/
4となる。つまり、免震装置11の全体のバネ定数は、
k+(k’/4)となる。ボール復帰バネ20はボール
16を原点位置に復帰させる力を有するが、そのバネ定
数が装置全体のバネ定数への影響が小さくて済む。その
ため、ボール復帰バネ20のバネ定数を大きく設定して
ボール16を復帰させる力を強くすることが可能であ
り、ボール16の滑りを低減するのに十分な力を加える
ことができる。
作用するため、上べース13に作用する力は、k’x/
4となる。つまり、免震装置11の全体のバネ定数は、
k+(k’/4)となる。ボール復帰バネ20はボール
16を原点位置に復帰させる力を有するが、そのバネ定
数が装置全体のバネ定数への影響が小さくて済む。その
ため、ボール復帰バネ20のバネ定数を大きく設定して
ボール16を復帰させる力を強くすることが可能であ
り、ボール16の滑りを低減するのに十分な力を加える
ことができる。
【0034】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、複数のボ
ールを保持するボール保持部材が復帰ばねにより附勢さ
れているので、ボールの滑りを低減すると共に、免震動
作前と免震動作後とのボール停止位置のずれを減少させ
ることができる。そのため、次の免震動作時に初期の免
震動作範囲を確保でき、その装置が有する免震性能を十
分に発揮することができる。しかも、複数のボールがボ
ール保持部材により所定間隔位置に保持されているの
で、各ボール間隔がばらつくことがなく、上ベースを安
定的に支持することができる。
ールを保持するボール保持部材が復帰ばねにより附勢さ
れているので、ボールの滑りを低減すると共に、免震動
作前と免震動作後とのボール停止位置のずれを減少させ
ることができる。そのため、次の免震動作時に初期の免
震動作範囲を確保でき、その装置が有する免震性能を十
分に発揮することができる。しかも、複数のボールがボ
ール保持部材により所定間隔位置に保持されているの
で、各ボール間隔がばらつくことがなく、上ベースを安
定的に支持することができる。
【図1】本発明になる免震装置の一実施例の縦断面図で
ある。
ある。
【図2】免震装置の平面図である。
【図3】免震装置の分解斜視図である。
【図4】免震装置の要部を拡大して示す縦断面図であ
る。
る。
【図5】免震装置の免震動作を示す側面図である。
11 免震装置 12 被免震物 13 上ベース 14 床面 15 下ベース 16 ボール 17 ボール保持部材 18 支持部 19 ベース復帰バネ 20 ボール復帰バネ 21 カバー部材 22 枠体 23 梁部 24 摺動板 25 バネ掛止部 26 バネ掛止ピン
Claims (1)
- 【請求項1】 互いに対向するように配された下ベース
と上ベースとの間に複数のボールを介在させて該下ベー
スと該上ベースとの相対変位を可能にするとともに、下
ベースと上ベースとを所定の対向位置に復帰するように
附勢するベース復帰バネを配してなる免震装置におい
て、 前記複数のボールを所定間隔位置に保持するボール保持
部材と、 該ボール保持部材を免震動作前の停止位置を含む所定範
囲内に復帰させるボール復帰ばねと、 を備えてなること特徴とする免震装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22719096A JPH1068443A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 免震装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22719096A JPH1068443A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 免震装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1068443A true JPH1068443A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=16856909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22719096A Pending JPH1068443A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 免震装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1068443A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000240721A (ja) * | 1999-02-22 | 2000-09-05 | Itoki Crebio Corp | 免震台 |
JP2010007859A (ja) * | 2002-07-15 | 2010-01-14 | Worksafe Technologies | 隔離プラットホーム |
EP2049751B1 (en) * | 2006-08-04 | 2011-12-28 | Rosss S.p.A. | Improved multi-direction antiseismic supporting system |
US9399865B2 (en) | 2011-06-29 | 2016-07-26 | Worksafe Technologies | Seismic isolation systems |
KR101950643B1 (ko) * | 2018-06-14 | 2019-02-20 | 주식회사 참솔테크 | 한쪽 방향으로 스윙 동작을 하는 가림막이 구비된 면진장치 |
CN110616936A (zh) * | 2018-06-20 | 2019-12-27 | 镁亚精密股份有限公司 | 建筑物免震构造 |
CN115177466A (zh) * | 2022-07-14 | 2022-10-14 | 长治医学院 | 一种胃肠术后患者引流体位预防压疮发生的装置 |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP22719096A patent/JPH1068443A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000240721A (ja) * | 1999-02-22 | 2000-09-05 | Itoki Crebio Corp | 免震台 |
JP2010007859A (ja) * | 2002-07-15 | 2010-01-14 | Worksafe Technologies | 隔離プラットホーム |
US7784225B2 (en) | 2002-07-15 | 2010-08-31 | Worksafe Technologies | Isolation platform |
JP2011237038A (ja) * | 2002-07-15 | 2011-11-24 | Worksafe Technologies | 隔離プラットホーム |
US8104236B2 (en) | 2002-07-15 | 2012-01-31 | Worksafe Technologies | Isolation platform |
US8745934B2 (en) | 2002-07-15 | 2014-06-10 | Worksafe Technologies | Isolation platform |
EP2049751B1 (en) * | 2006-08-04 | 2011-12-28 | Rosss S.p.A. | Improved multi-direction antiseismic supporting system |
US9399865B2 (en) | 2011-06-29 | 2016-07-26 | Worksafe Technologies | Seismic isolation systems |
KR101950643B1 (ko) * | 2018-06-14 | 2019-02-20 | 주식회사 참솔테크 | 한쪽 방향으로 스윙 동작을 하는 가림막이 구비된 면진장치 |
CN110616936A (zh) * | 2018-06-20 | 2019-12-27 | 镁亚精密股份有限公司 | 建筑物免震构造 |
CN115177466A (zh) * | 2022-07-14 | 2022-10-14 | 长治医学院 | 一种胃肠术后患者引流体位预防压疮发生的装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH1068443A (ja) | 免震装置 | |
JPH0217227Y2 (ja) | ||
JPH11315885A (ja) | 免震装置 | |
JP2003269532A (ja) | 免震装置 | |
JP2000018324A (ja) | 展示品用免震装置 | |
JP2008291915A (ja) | 免震装置 | |
JP3026446B2 (ja) | 免震装置 | |
JPH10169710A (ja) | 構造物用免震装置 | |
JPH0893267A (ja) | 免震用支承装置 | |
JPS627794Y2 (ja) | ||
JP2003074628A (ja) | 免震装置 | |
JP3951382B2 (ja) | 免震装置 | |
JP2922928B2 (ja) | 免震・除振システム | |
JP3202189B2 (ja) | 免震テーブル | |
JP2000320610A (ja) | 免震構造を持つラック | |
JP2881454B2 (ja) | 床免震装置 | |
JP2002070945A (ja) | 免震装置 | |
JP2000283220A (ja) | 免震展示台 | |
JPH11344077A (ja) | 免震台 | |
JPH11280839A (ja) | 軽量構造物用免震装置 | |
JPH069234Y2 (ja) | 免震装置 | |
JP2002000385A (ja) | 免震棚 | |
JP2001032880A (ja) | ローラーを用いた免震・制振装置用支承部材 | |
JP2893067B2 (ja) | 緩衝装置 | |
JP2990532B2 (ja) | 軽量建造物用免震装置 |