JPH1067978A - ポリカルボジイミド樹脂含有接着剤及びフレキシブルプリント配線用基板 - Google Patents

ポリカルボジイミド樹脂含有接着剤及びフレキシブルプリント配線用基板

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JPH1067978A
JPH1067978A JP15650597A JP15650597A JPH1067978A JP H1067978 A JPH1067978 A JP H1067978A JP 15650597 A JP15650597 A JP 15650597A JP 15650597 A JP15650597 A JP 15650597A JP H1067978 A JPH1067978 A JP H1067978A
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JP15650597A
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English (en)
Inventor
Yasuyoshi Kawamoto
泰良 河本
Akira Hayashida
章 林田
Michio Aizawa
道生 相澤
Hitoshi Arai
均 新井
Takeshi Hachiman
健 八幡
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性及び接着力に優れたポリカルボジイミ
ド樹脂を接着剤として用いたフレキシブルプリント配線
用基板及びカバーレイフィルム、並びにその製造方法を
提供する。 【解決手段】 下記一般式で表される繰り返し単位を有
するポリカルボジイミド樹脂を含有する接着剤とした。 【化1】 式中、Rは2価の炭化水素基を表し、nは5〜250の
整数である。また、上記のポリカルボジイミド樹脂を含
有する接着剤を用いてフレキシブルプリント配線用基板
及びカバーレイフィルムを製造することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカルボジイミ
ド樹脂を含有する接着剤、並びにポリカルボジイミド樹
脂を含む接着剤を用いたフレキシブルプリント配線用基
板とカバーレイフィルム、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイ
ソプロピルカルボジイミド、ジ- p-トルオイルカルボ
ジイミドなどの低分子カルボジイミドは、脱水縮合試薬
として一般に使用されている反応性の高い試薬である。
これらの低分子カルボジイミドは、エステル合成、ペプ
チド合成等の分野で利用されている。また、複数のカル
ボジイミド結合を分子中に持つポリカルボジイミドは、
一般に適当な溶媒中でカルボジイミド化触媒の存在下、
ジイソシアネートの脱炭酸縮合により製造される。特
に、芳香族系のジイソシアネートから得られるものは、
耐熱性高分子として有用であることが、J.Org.C
hem.,28,2069(1963)及び米国特許
2,941,966号に開示されている。
【0003】従来、フレキシブルプリント配線用基板
(FPC)は、本来接着性の悪い芳香族ポリイミドフィ
ルムと銅箔との間に、エポキシ樹脂(特開昭59−89
380号公報、特開昭60−260669号公報、特開
昭60−79079号公報)やウレタン樹脂などの接着
剤を使用することによって製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エポキシ樹脂
やウレタン樹脂などの接着剤を用いて製造されたフレキ
シブルプリント配線用基板は、その後のハンダ処理工程
で高温に曝されると、接着剤層に膨れや剥がれが起きた
り、又は接着剤層の塑性変形によって、配線の短絡など
を生じるという問題があった。
【0005】このような問題点を解決すべく、ポリイミ
ド系やポリベンズイミダゾール系の優れた耐熱性を有す
る接着剤が開発されている。しかし、これらの材料は高
価であり、特殊な高沸点溶剤を含むため、高温高圧の過
酷な接着条件が必要であるなどの理由から、フレキシブ
ルプリント配線用基板を製造するには、ポリイミド系や
ポリベンズイミダゾール系の接着剤は、必ずしも適した
ものではない。
【0006】また、ポリカルボジイミド樹脂を耐熱性接
着剤とした報告もあるが(特開平4−36369号公
報)、無機質材料の接着を目的としたものであり、有機
材料を接着することを目的としたものではない。さら
に、350℃以上の高温での接着性能の知見しか与えて
おらず、フレキシブルプリント配線用基板には好適であ
るという示唆はない。
【0007】一方、前記の接着剤以外にも、フッ素樹
脂、ポリアミドイミド、シリコーン、エポキシノボラッ
ク、エポキシアクリル、ニトリルゴムフェノール、又は
ポリエステル系等の接着剤が開発されている。しかし、
耐熱性と高温時の接着強度の両面を充分に満足させるも
のはない。
【0008】加えて、近年、電子機器の軽量小型化、高
性能化に伴い、フレキシブルプリント配線用基板の配線
回路のファインパターン化、立体化が進んでいる。その
ため、各種の高温処理工程を経た最終製品の膨れや剥が
れ、又は著しいカールや接着剤層の塑性変形によって、
配線の短絡などの問題を生じることなく、製品の品質を
高めるために、使用する接着剤の耐熱性及び接着性の向
上が望まれていた。
【0009】したがって、本発明は、耐熱性及び接着力
ともに優れ、加工性のよいポリカルボジイミド樹脂を含
む接着剤、その接着剤を用いたフレキシブルプリント配
線用基板及びカバーレイフィルム、並びに、その製造方
法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明者らは、接着性及び耐熱性に優れたポリカルボジイ
ミド樹脂を接着剤として用いて、銅箔等の金属箔とポリ
イミド樹脂フィルム等の耐熱性樹脂フィルムを接着する
フレキシブルプリント配線用基板及びその製造方法を開
発した。また、フレキシブルプリント配線用基板の回路
面を保護するための耐熱性樹脂フィルム、離型材、本発
明の接着剤よりなるカバーレイフィルムを開発した。す
なわち、本発明は、下記一般式で表される繰り返し単位
を有するポリカルボジイミド樹脂を含有する接着剤を提
供する。
【0011】
【化2】 式中、Rは2価の炭化水素基を表し、nは5〜250の
整数である。
【0012】また、本発明は、上記のポリカルボジイミ
ド樹脂を含有する接着剤を用いたフレキシブルプリント
配線用基板及びカバーレイフィルムを提供する。本発明
のポリカルボジイミド樹脂を含有する接着剤によって、
金属箔と耐熱性樹脂フィルムを接着するフレキシブルプ
リント配線用基板、及び、離型材と耐熱性樹脂フィルム
を接着するカバーレイフィルムが提供される。
【0013】さらに、本発明は、接着剤の塗布時から接
着の後処理までの工程(乾燥、接着、及びアフターキュ
ア)のいずれかにおいて、40〜400℃の熱履歴を有
することを特徴とするフレキシブルプリント配線用基板
の製造方法を提供する。なお、本明細書では、「熱履
歴」という語は、接着剤を塗布した後に行う乾燥、接
着、及び、アフターキュアのいずれかの工程で行う熱処
理を指すものとする。この製造方法において、加熱接着
前に、ポリカルボジイミド樹脂が2,142cm-1の赤
外吸収スペクトルの吸光を示し、加熱接着後、新たに
1,630〜1,685cm-1の赤外吸収スペクトルの
特異的吸光が現れるように加熱接着するのがよい。ま
た、加熱接着前に、ポリカルボジイミド樹脂が120〜
140ppmの13C−NMR(CP−MAS)スペクト
ルを示し、加熱接着後に140〜150ppmに新たな
特異的共鳴ピークを示すように加熱接着するのがよい。
【0014】また、本発明のカバーレイフィルムとフレ
キシブルプリント配線基板を圧着させる場合において接
着の前後でそれぞれ、ポリカルボジイミド樹脂がフレキ
シブルプリント製造時の樹脂と同様な赤外吸収スペクト
ル及び13C−NMR(CP−MAS)スペクトルを示す
ように加熱接着するのが好ましい。
【0015】すなわち、本発明によって、耐熱性及び接
着力ともに優れた条件を満たし、かつ塗工性のよいポリ
カルボジイミド樹脂を用いることにより、耐熱性樹脂フ
ィルム又は金属箔上に接着剤溶液の塗布、乾燥、金属箔
と耐熱性樹脂フィルムとの接着、及び接着剤層の硬化と
いう一連の工程を経た後、エッチングにより回路を作成
し、簡便にフレキシブルプリント配線用基板を製造する
ことができる。同様に、カバーレイフィルムにおいて
も、耐熱性及び接着性に優れたカバーレイフィルムを簡
便に製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において用いるポリカルボ
ジイミド樹脂は、カルボジイミド化触媒の存在下、有機
ジイソシアネートの脱炭酸縮合により製造される。有機ジイソシアネート 本発明において用いるポリカルボジイミド樹脂の原料化
合物となる有機ジイソシアネートには、2,4−トリレ
ンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネー
ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなど
の芳香族ジイソシアネートやイソホロンジイソシアネー
ト、2,4−シクロヘキシレンジイソシアネートなどの
脂肪族ジイソシアネート等を用いることができる。有機
ジイソシアネートは、単独でも、混合物でも使用するこ
とができる。本発明において用いられるポリカルボジイ
ミド樹脂は、下記式で表される。
【0017】
【化3】
【0018】式中、Rは、2価の炭化水素基を表し、前
記例示の各種有機ジイソシアネート残基がこれに相当す
る。好ましくは、Rは二価の芳香族基又は脂肪族炭化水
素基である。例えば、2,4−トリレン、2,6−トリ
レン、ナフタレン、キシレン、キシリレン、メチレンビ
スジフェニレン、イソホロン、2,4−シクロへキシレ
ン等を挙げることができる。nは、5〜250の整数で
ある。
【0019】カルボジイミド化触媒 本発明において用いるポリカルボジイミドを製造するカ
ルボジイミド化触媒は、速やかに重合反応を促進するも
のであり、未反応の有機ジイソシアネートや副生成物を
含まず、かつそれ自身安定性の高いものがよく、特に限
定されない。これらの条件を満たすものには、例えば、
1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メ
チル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1
−フェニル−3−ホスホレン−1−オキシド等の環状ホ
スフィンオキシドが好適に用いられる。
【0020】溶媒 本発明において有機ジイソシアネートの重合反応は、本
発明者らが以前に開示した芳香族炭化水素系溶剤(特願
平7−140144号)や、ハロゲン化芳香族化合物
(特願平7−140145号)、又はエーテル系溶剤中
で行うものである。芳香族炭化水素系溶剤として、トル
エン、キシレン等が挙げられ、ハロゲン化芳香族化合物
として、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−
クロロトルエン等が挙げられ、エーテル系溶剤として、
1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジオキソラ
ン等を例示することができる。
【0021】製造条件 (数平均分子量)ポリカルボジイミドの重合度nは、5
以上250以下とすることが望ましい。nが5未満で
は、粘度が低く、流動性が高いために、均一な塗布がで
きないこと、また、架橋反応の進行が極めて遅く、実用
的でないために好ましくない。nが30以上がより好ま
しい。また、上限としては、ポリカルボジイミドの製造
方法において、重合反応をトルエンなどの芳香族炭化水
素系溶剤中で行う場合には、ポリカルボジイミドの重合
度を80以下にすることが望ましい。重合反応をクロロ
ベンゼンなどのハロゲン化芳香族化合物、又は、1,4
−ジオキサンなどのエーテル系溶剤中で行う場合には、
重合度を250以下とすることが望ましい。芳香族炭化
水素系溶剤中では、重合度が80より大きい場合、ある
いは、ハロゲン化芳香族化合物、又はエーテル系溶剤中
では、重合度が250より大きい場合は、ポリカルボジ
イミド溶液は粘稠となり、さらに重合度が大きくなるに
つれてゲル状となって、移送や濾過等の精製工程に不都
合である。そのうえ、金属箔と耐熱性樹脂フィルムを接
着するときにムラを生じるなどして、フレキシブルプリ
ント配線用基板の製造に好ましくない。これを数平均分
子量で示すと、ジイソシアネート残基の種類にもよる
が、概ね、650〜30,000であり、より好ましく
は5,000〜30,000である。
【0022】上記のような問題を解消するため、ポリカ
ルボジイミド樹脂末端のNCO残基をモノイソシアネー
トの1種以上、又はアルコール等のイソシアネート基と
容易に反応する試剤を用いて、封止することによって、
その分子量を制御して製造したものを用いてもよい。ま
た、ポリカルボジイミド樹脂末端にNCO基が残存する
とき、特に重合度が小さい場合は、加熱処理の際にCO
2 ガスが発生し、気泡混入や膨れ、剥がれの原因となる
おそれがあるので、上記の試剤を用いて末端を封止する
のが好ましい。このような目的に用いるモノイソシアネ
ートは、フェニルイソシアネート、(o,m,p)−ト
リルイソシアネート、ジメチルフェニルイソシアネー
ト、シクロヘキシルイソシアネートなどを例示すること
ができる。また、イソシアネート基と容易に反応する試
剤としては、アルコール、第一又は第二アミン、メルカ
プタンなどが例示できる。
【0023】(反応温度、触媒、濃度条件)前記した分
子量範囲に制御するための製造条件は、有機ジイソシア
ネートの溶媒に対する濃度、触媒の有機ジイソシアネー
トに対する割合、反応温度、反応時間が挙げられる。有
機ジイソシアネートの溶媒に対する濃度は、成型性の観
点から、1〜20w/w%とすることが望ましく、より
好ましくは2〜10w/w%とするのがよい。また、1
w/w%より低い濃度では、経済的でなく、20w/w
%より高い濃度では、反応速度が大きくなるために分子
量制御が難しくなり、かつ、保存中の分子量の変化も大
きくなるために好ましくない。したがって、20w/w
%以下の有機ジイソシアネートの濃度における触媒量、
温度、ならびに反応時間が分子量の制御因子となる。
【0024】触媒量としては、0.05〜0.2mol
%の範囲が好ましい。また、反応温度は100〜150
℃の範囲が好ましい。触媒量、反応温度ともにこの範囲
を超えると、反応速度が大きく、分子量の調整が困難で
あるため、好ましくない。この範囲未満では、反応時間
が長引いて、経済的でない。概ね、この範囲の反応条件
下では、反応時間を1〜4時間で終了することができ
る。なお、数平均分子量の測定には、ゲル浸透クロマト
グラフィーを用いることが好適である。
【0025】本発明のポリカルボジイミド樹脂と汎用接
着剤との混合物を接着剤として使用することもできる。
ポリカルボジイミド樹脂と混合して用いる汎用接着剤と
しては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹
脂、ユリア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等を1種も
しくは2種以上添加できる。これらの汎用接着剤の中で
は、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。さらに、必
要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤等を添加
することもできる。なお、接着剤組成物において、ポリ
カルボジイミド樹脂は、5〜100mt%含まれている
のが好ましい。
【0026】(フレキシブルプリント配線用基板の製造
条件)接着条件 本発明の接着剤を用いて接着を行う際は、金属箔に接着
剤を塗布して、耐熱性樹脂フィルムと重ね合わせて接着
してもよいし、耐熱性樹脂フィルムに接着剤を塗布し
て、金属箔と重ね合わせてもよく、特に限定されない。
本発明で使用される耐熱性樹脂フィルムとしては、ポリ
イミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリパラバン
酸フィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポ
リフェニレンサルファイドフィルム、アミドフィルム等
が挙げられるが、好ましくはポリイミドフィルムが用い
られる。なお、フィルムの厚さは、通常12.5〜12
5μmの範囲であるが、必要に応じて適宜の厚さのもの
が使用される。また、フィルムの片面もしくは両面に表
面処理として、低温プラズマ処理、コロナ放電処理、サ
ンドブラスト処理等を行うことも可能である。金属箔と
しては、銅箔(電解銅箔、圧延銅箔)、アルミニウム
箔、タングステン銅箔、鉄箔等が挙げられるが、好まし
くは銅箔が用いられる。なお、金属箔の厚さは、通常1
8〜70μmの範囲であるが、必要に応じて適宜の厚さ
のものが使用される。
【0027】重合をして得られたポリカルボジイミド樹
脂溶液、又はポリカルボジイミド樹脂溶液と汎用接着剤
との混合物をロールコーター、コンマコーター、及びア
プリケーター等の通常使用されている塗工方法により、
金属箔又は耐熱性樹脂フィルム上に所定の厚さになるよ
うに塗布し、これを乾燥して溶剤を除去する。接着剤の
厚みは乾燥時1〜35μm、好ましくは10〜25μm
になるように塗布するとよい。この接着剤付き耐熱性樹
脂フィルムと金属箔(又は、接着剤付き金属箔と耐熱性
樹脂フィルム)とを加熱圧着し、さらに必要に応じてア
フターキュアを行うことにより、フレキシブルプリント
配線用基板が得られる。なお、この際の接着剤を塗布し
た後の接着剤の加熱乾燥条件としては、特に40〜20
0℃の温度で、1〜300分乾燥することが望ましく、
必要に応じて減圧下で行うことも可能である。
【0028】耐熱性樹脂フィルムと金属箔を張り合わせ
る圧着方法としては、ロールラミネーターによる連続
法、プレス機によるバッチ法のいずれでもよく、前者で
は、特に温度40〜400℃、線圧10〜30kg/c
m、速度を1〜10m/分の範囲が好ましく、後者の場
合は、特に温度40〜400℃、圧力5〜80kg/c
2 、時間1〜120分間の範囲が好ましく、諸条件を
考慮した上で適宜決められる。アフターキュア条件とし
ては、特に温度100〜400℃、時間1〜60分間が
好ましい。なお、本発明では、フレキシブルプリント配
線用基板を製造する工程において、いずれの工程でもよ
いが、最終的にフレキシブルプリント配線用基板を得る
までに、40〜400℃の温度で、時間として1分間以
上、好ましくは10〜120分間の熱履歴が必要であ
り、好ましい温度条件としては、100〜400℃、さ
らに好ましくは200〜400℃の加熱がよい。40℃
以下の温度では、ハンダ耐熱性が悪く、400℃を越え
ると接着剤が分解して好ましくない。
【0029】本発明では、フレキシブルプリント配線用
基板を製造する過程において、一定の範囲の熱履歴を有
することによって、カルボジイミド結合は加熱前には得
られなかった自己架橋を生じ、より高い耐熱性及び機械
的強度をもつようになる。このカルボジイミド結合の架
橋の進行具合は、赤外吸収スペクトル及びNMR測定に
より確認できる。すなわち、赤外吸収スペクトル測定で
は、加熱前の自己架橋を起こしていない状態のポリカル
ボジイミド樹脂溶液は、カルボジイミド結合の2,14
2cm-1の特異的吸光のみを示すが、加熱によって自己
架橋を生じたポリカルボジイミド樹脂溶液は、1,63
0〜1,685cm-1の吸光も示す。13C- NMR測定
では、自己架橋を生じたポリカルボジイミド樹脂溶液
は、約140〜150ppmにシグナルを示す。本発明
のフレキシブルプリント配線用基板は、金属層をエッチ
ング処理し、回路を形成させ、配線板を製造することが
できる。
【0030】(カバーレイフィルムの製造条件)本発明
の接着剤は、上記したフレキシブルプリント配線用基板
の製造と同様にして、フレキシブルプリントの回路面を
保護するカバーレイフィルムにも応用することができ
る。本発明のカバーレイフィルムの製造方法の例を以下
に説明する。リバースロールコーター、コンマコーター
等を用いて、乾燥時に4〜75μmになるように、予め
調製された接着剤溶液を耐熱性樹脂フィルムに塗布す
る。これをインラインドライヤーに通して、40〜20
0℃で1〜300分間加熱処理して接着剤の溶剤を除去
し、さらに接着剤を半硬化状態にする。半硬化状態の接
着剤を有するフィルムの接着剤塗布面と離型材とを、加
熱ロールを用いて線圧0.2〜20kg/cm、温度4
0〜200℃で圧着することによりカバーレイフィルム
が得られる。フィルムと離型材の圧着は、プレス圧着に
よって行ってもよい。耐熱性樹脂フィルムとしては、上
記に述べたフレキシブルプリント配線用基板の製造に用
いたフィルムと同じものが使用できる。フィルムの厚さ
は、通常12.5〜125μmの範囲であるが、必要に
応じて適宜の厚さのものが使用される。フィルムの片面
もしくは両面に表面処理として、低温プラズマ処理、コ
ロナ放電処理、サンドブラスト処理等を行うことも可能
である。離型材の例として、ポリエチレンフィルム、ポ
リプロピレンフィルム、TPXフィルム、シリコーン離
型材付きポリエチレンフィルム、シリコーン離型材付き
ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン樹脂コート紙、
ポリプロピレン樹脂コート紙が挙げられ、これらは必要
に応じて適宜の厚さのものが使用される。
【0031】上述のようにして得られた半硬化状態の接
着剤を有するカバーレイフィルムは、離型材を剥がした
後、回路を形成したフレキシブルプリント配線基板の回
路面にロールラミネーター等の加熱ロールを用いて圧着
させる。40〜400℃、線圧5〜30kg/cm、1
〜10m/分の条件で加熱することにより、カバーレイ
フィルムに塗布された半硬化状態の接着剤は硬化され
る。この際、プレス圧着を行ってもよい。接着剤が硬化
することにより、カバーレイフィルムの接着剤は、1,
630〜1,685cm-1の赤外吸収スペクトルの吸収
を示す。また、硬化により、13C−NMR(CP−MA
S)の測定では、140〜150ppmのピークを示
す。
【0032】以上の条件にしたがって、本発明のポリカ
ルボジイミド樹脂を含む耐熱性接着剤は、フレキシブル
プリント配線用基板及びカバーレイフィルムの製造に好
適に用いることができる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細
に説明するが、これらにより本発明の範囲を制限するこ
とを意図するものではない。実施例1 (耐熱性接着剤の溶液組成物の調製)100mlの4ツ
口フラスコに、2,4−トリレンジイソシアネートと
2,6−トリレンジイソシアネートを80:20の割合
で含有するトリレンジイソシアネート(以下、「TDI
−80」と略す)を5.40g、及びトルエンを48.
5ml入れ、カルボジイミド化触媒として、3−メチル
−1−フェニル−3−ホスホレン−1−オキシド(以
下、「ホスホレンオキシド」と略す)を12.4mg添
加し、窒素雰囲気中にて、還流下で攪拌しながら3時間
反応させた。反応終了後の赤外吸収スペクトルから、
2,142cm-1にカルボジイミド結合の示す強い吸収
が認められた。得られたポリカルボジイミド溶液中に原
料である有機ジイソシアネート及び副生成物が存在しな
いことも確認された。また、反応終了後のポリカルボジ
イミド溶液のゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「G
PC」と略す)分析により、数平均分子量(以下、「M
n」と略す)は、6,980Daであるとわかった。カ
ルボジイミドの重合度nは、54であった。このポリカ
ルボジイミド溶液を耐熱性樹脂接着剤とした。
【0034】(耐熱性樹脂接着剤による金属箔と耐熱性
樹脂フィルムの積層体の調製)上記の耐熱性樹脂接着剤
の溶液組成物を芳香族ポリイミドフィルム(カプトン、
東レ・デュポン社製、厚さ25μm)上にアプリケータ
ーを用いて塗布し、その塗布層を真空中にて40℃で4
時間加熱乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約10μ
mのポリカルボジイミド樹脂層(未硬化の乾燥した層)
を形成した。この層を有するポリイミドフィルムと厚さ
35μmの圧延銅箔(ジャパンエナジー社製BHN−0
2T)とを重ね合わせて、100℃に加熱したラミネー
トロール間を圧力をかけながら通過させることにより加
熱圧着し、さらに200℃で5分間アフターキュアを行
い、耐熱性樹脂を硬化させて、積層体を製造した。得ら
れた積層体について、JIS C6471に準処した剥
離強度測定(基板に1mm幅の回路を形成し、これを9
0°方向に50mm/分の速度で銅側から引き離す)を
行ったところ、1.34kg/cmであった。また、J
IS C6471に準処したハンダ耐熱性測定(25m
m角のサンプルをフローハンダ上に30秒間浮かべ、膨
れ、剥がれ等を目視により確認する)を行ったところ、
340℃まで膨れや剥がれは認められなかった。
【0035】実施例2 (耐熱性接着剤の溶液組成物の調製)100mlの4ツ
口フラスコに、TDI−80を5.122g及びトルエ
ンを48ml入れ、カルボジイミド化触媒としてホスホ
レンオキシドを14.76mg添加し、さらに末端NC
O残基を封止するために、フェニルイソシアネートを
0.189g添加し、窒素雰囲気中にて、還流下で攪拌
しながら4時間反応させた。反応終了後の赤外吸収スペ
クトルより、2,142cm-1にカルボジイミド結合の
示す強い吸収が認められた。得られたポリカルボジイミ
ド溶液中に、原料である有機ジイソシアネート及び副生
成物が存在しないことも確認された。また、反応終了後
のポリカルボジイミド溶液のGPC分析により、Mn
は、5,520Daであることがわかった。カルボジイ
ミドの重合度nは、42であった。このポリカルボジイ
ミド溶液を耐熱性樹脂接着剤とした。
【0036】(耐熱性樹脂接着剤による金属箔と耐熱性
樹脂フィルムの積層体の調製)上記の耐熱性樹脂接着剤
の溶液組成物を芳香族ポリイミドフィルム(カプトン、
東レ・デュポン社製、厚さ25μm)上にアプリケータ
ーを用いて塗布し、その塗布層を100℃で10分間加
熱乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約10μmのポ
リカルボジイミド樹脂層(未硬化の乾燥した層)を形成
した。この層を有するポリイミドフィルムと厚さ35μ
mの圧延銅箔(ジャパンエナジー社製BHN−02T)
とを重ね合わせて、プレス機により温度200℃、圧力
20kg/cm2 のもと、10分間加熱圧着し、耐熱性
樹脂を硬化させて、積層体を製造した。得られた積層体
について、JIS C6471に準処した剥離強度測定
を行ったところ、1.54kg/cmであった。また、
JIS C6471に準処したハンダ耐熱性測定を行っ
たところ、340℃まで膨れや剥がれは認められなかっ
た。
【0037】加熱によって生じたカルボジイミド結合の
自己架橋を、赤外吸収スペクトル及び13C- NMR測定
によって確認した。上記の条件で加熱すると、カルボジ
イミド結合の熱架橋が進み、図1のように四員環を形成
する。カルボジイミド結合の熱架橋の進行具合を、赤外
吸収スペクトル及び13C- NMR測定によって確認し
た。その結果、図2のように赤外吸収スペクトルの1,
672cm-1に特異的な吸収が認められ、図3に示すよ
うに、交差分極マジック角回転(CP−MAS)によ
る、13C- NMR測定では、143ppmに新たなシグ
ナルが確認され、四員環の形成が認められた。
【0038】実施例3 (耐熱性接着剤による金属箔と耐熱性樹脂フィルムの積
層体の調製)実施例2と同様にして調製した耐熱性樹脂
接着剤の溶液組成物を芳香族ポリイミドフィルム(カプ
トン、東レ・デュポン社製、厚さ25μm)上にアプリ
ケーターを用いて塗布し、その塗布層を真空中にて40
℃で4時間加熱乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約
10μmのポリカルボジイミド樹脂層(未硬化の乾燥し
た層)を形成した。この層を有するポリイミドフィルム
と厚さ35μmの圧延銅箔(ジャパンエナジー社製BH
N−02T)とを重ね合わせて、150℃に加熱したラ
ミネートロール間を圧力をかけながら通過させることに
より加熱圧着し、さらに250℃で10分間アフターキ
ュアを行い、耐熱性樹脂を硬化させて、積層体を製造し
た。得られた積層体について、JIS C6471に準
処した剥離強度測定を行ったところ、1.47kg/c
mであった。また、JIS C6471に準処したハン
ダ耐熱性測定を行ったところ、340℃まで膨れや剥が
れは認められなかった。
【0039】実施例2の条件よりさらに高い温度で加熱
すると、さらに熱架橋が進行し、カルボジイミド結合
は、六員環を形成し、図2に示すように赤外線吸収スペ
クトルの1,659cm-1に新たな吸収が認められ、図
3に示すようにCP−MASによる13C- NMR測定で
は、146ppmに新しいシグナルを認めた。
【0040】実施例4 (耐熱性接着剤の溶液組成物の調製)100mlの4ツ
口フラスコに、TDI−80を5.123g及び1,4
−ジオキサンを48.2ml入れ、カルボジイミド化触
媒としてホスホレンオキシドを14.77mg添加し、
さらに末端NCO残基を封止するために、フェニルイソ
シアネートを0.187g添加し、窒素雰囲気中にて、
還流下で攪拌しながら4時間反応させた。反応終了後の
赤外吸収スペクトルより、2,142cm-1にカルボジ
イミド結合の示す強い吸収が認められた。得られたポリ
カルボジイミド溶液中に、原料である有機ジイソシアネ
ート及び副生成物が存在しないことも確認された。ま
た、反応終了後のポリカルボジイミド溶液のGPC分析
により、Mnは、7,450Daであることがわかっ
た。カルボジイミドの重合度nは、57であった。この
ポリカルボジイミド溶液を耐熱性樹脂接着剤とした。
【0041】(耐熱性樹脂接着剤による金属箔と耐熱性
樹脂フィルムの積層体の調製)上記の耐熱性樹脂接着剤
の溶液組成物を芳香族ポリイミドフィルム(カプトン、
東レ・デュポン社製、厚さ25μm)上にアプリケータ
ーを用いて塗布し、その塗布層を120℃で5分間加熱
乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約10μmのポリ
カルボジイミド樹脂層(未硬化の乾燥した層)を形成し
た。この層を有するポリイミドフィルムと厚さ35μm
の圧延銅箔(ジャパンエナジー社製BHN−02T)と
を重ね合わせて、150℃に加熱したラミネートロール
間を圧力をかけながら通過させることにより加熱圧着
し、さらに250℃で5分間アフターキュアを行い、耐
熱性樹脂を硬化させて、積層体を製造した。得られた積
層体について、JIS C6471に準処した剥離強度
測定を行ったところ、1.45kg/cmであった。ま
た、JIS C6471に準処したハンダ耐熱性測定を
行ったところ、340℃まで膨れや剥がれは認められな
かった。
【0042】実施例5 (耐熱性接着剤による金属箔と耐熱性樹脂フィルムの積
層体の調製)実施例2と同様にして調製した耐熱性樹脂
接着剤の溶液組成物中のN=C=N結合に対し、20m
ol%の濃度になるようにエポキシ樹脂(エピコート8
28、油化シェルエポキシ株式会社製)及び5mol%
になるように4’,4−ジアミノジフェニルスルホンを
添加し、混和した。この混合物を芳香族ポリイミドフィ
ルム(カプトン、東レ・デュポン社製、厚さ25μm)
上にアプリケーターを用いて塗布し、その塗布層を真空
中にて40℃で4時間加熱乾燥し、ポリイミドフィルム
上に厚さ約10μmのポリカルボジイミド樹脂層(未硬
化の乾燥した層)を形成した。この層を有するポリイミ
ドフィルムと厚さ35μmの圧延銅箔(ジャパンエナジ
ー社製BHN−02T)とを重ね合わせて、100℃に
加熱したラミネートロール間を圧力をかけながら通過さ
せることにより圧着し、180℃で6分間アフターキュ
アを行い、耐熱性樹脂を硬化させて、積層体を製造し
た。得られた積層体について、JIS C6471に準
処した剥離強度測定を行ったところ、1.34kg/c
mであった。また、JIS C6471に準処したハン
ダ耐熱性測定を行ったところ、340℃まで膨れや剥が
れは認められなかった。
【0043】実施例6 (耐熱性樹脂接着剤による金属箔と耐熱性樹脂フィルム
の積層体の調製)実施例2と同様にして調製した耐熱性
樹脂接着剤の溶液組成物を芳香族ポリイミドフィルム
(カプトン、東レ・デュポン社製、厚さ25μm)上に
アプリケーターを用いて塗布し、その塗布層を150℃
で10分間加熱乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約
1μmのポリカルボジイミド樹脂層(未硬化の乾燥した
層)を形成した。この層を有するポリイミドフィルムと
厚さ35μmの圧延銅箔(ジャパンエナジー社製BHN
−02T)と重ね合わせて、プレス機により温度200
℃で圧力30kg/cm2 のもと、10分間加熱圧着
し、耐熱性樹脂を硬化させて、積層体を製造した。得ら
れた積層体について、JIS C6471に準処した剥
離強度測定を行ったところ、1.10kg/cmであっ
た。また、JIS C6471に準処したハンダ耐熱性
測定を行ったところ、340℃まで膨れや剥がれは認め
られなかった。
【0044】実施例2及び実施例3の結果から、加熱処
理によって、カルボジイミド結合同士が架橋し、四員
環、さらには六員環を形成することによって、ポリカル
ボジイミド樹脂の耐熱性や強度が飛躍的に向上すること
が判明した。加熱処理の好ましい温度は、実施例1〜6
から約40〜400℃であり、より好ましくは100〜
400℃であることがわかった。実施例5からは、ポリ
カルボジイミド樹脂と汎用接着剤との混合接着剤として
も、耐熱性及び強度が向上することがわかった。なお、
耐熱性樹脂接着剤の薄膜の厚みは、1μmでも必要な強
度が確保できていることから、乾燥時、1μm以上が好
ましいことがわかった。
【0045】実施例7 実施例1と同様にして調製した耐熱性樹脂接着剤の溶液
組成物を芳香族ポリイミドフィルム(カプトン、東レ・
デュポン社製、厚さ25μm)上にアプリケーターを用
いて塗布し、その塗布層を真空中にて40℃で4時間加
熱乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約10μmのポ
リカルボジイミド樹脂層を形成した。この層を有するポ
リイミドフィルムとポリエチレンコート紙とを重ね合わ
せて、40℃に加熱したラミネートロール間を圧力をか
けながら通過させることにより加熱圧着し、カバーレイ
フィルムを得た。このカバーレイフィルムについて、ポ
リエチレンコート紙を剥がした後、半硬化状態の接着層
を有するカバーレイフィルムの接着剤面と厚さ35μm
の圧延銅箔(ジャパンエナジー社製BHN−02T)の
光沢面とを重ね合わせて、プレス機により温度180℃
で圧力20kg/cm2 の条件で10分間加熱圧着し、
耐熱性樹脂を硬化させて、評価用サンプルを製造した。
得られたサンプルについて、JIS C6471に準処
した剥離強度測定を行ったところ、1.16kg/cm
であった。また、JIS C6471に準処したハンダ
耐熱性測定を行ったところ、320℃まで膨れや剥がれ
は認められなかった。
【0046】実施例8 実施例2と同様にして調製した耐熱性樹脂接着剤の溶液
組成物を芳香族ポリイミドフィルム(カプトン、東レ・
デュポン社製、厚さ25μm)上にアプリケーターを用
いて塗布し、その塗布層を真空中にて40℃で4時間加
熱乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約10μmのポ
リカルボジイミド樹脂層を形成した。この層を有するポ
リイミドフィルムとポリエチレンコート紙とを重ね合わ
せて、50℃に加熱したラミネートロール間を圧力をか
けながら通過させることにより加熱圧着し、カバーレイ
フィルムを得た。このカバーレイフィルムについて、ポ
リエチレンコート紙を剥がした後、半硬化状態の接着層
を有するカバーレイフィルムの接着剤面と厚さ35μm
の圧延銅箔(ジャパンエナジー社製BHN−02T)の
光沢面と重ね合わせて、プレス機により温度250℃で
圧力20kg/cm 2 の条件で5分間加熱圧着し、耐熱
性樹脂を硬化させて、評価用サンプルを製造した。得ら
れたサンプルについて、JIS C6471に準処した
剥離強度測定を行ったところ、1.10kg/cmであ
った。また、JIS C6471に準処したハンダ耐熱
性測定を行ったところ、320℃まで膨れや剥がれは認
められなかった。
【0047】実施例9 実施例2と同様にして調製した耐熱性樹脂接着剤の溶液
組成物を芳香族ポリイミドフィルム(カプトン、東レ・
デュポン社製、厚さ25μm)上にアプリケーターを用
いて塗布し、その塗布層を真空中にて40℃で4時間加
熱乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約10μmのポ
リカルボジイミド樹脂層を形成した。この層を有するポ
リイミドフィルムとポリエチレンコート紙とを重ね合わ
せて、40℃に加熱したラミネートロール間を圧力をか
けながら通過させることにより加熱圧着し、カバーレイ
フィルムを得た。このカバーレイフィルムについて、ポ
リエチレンコート紙を剥がした後、半硬化状態の接着層
を有するカバーレイフィルムの接着剤面と厚さ35μm
の圧延銅箔(ジャパンエナジー社製BHN−02T)の
光沢面とを重ね合わせて、プレス機により温度200℃
で圧力20kg/cm2 の条件で10分間加熱圧着し、
耐熱性樹脂を硬化させて、評価用サンプルを製造した。
得られたサンプルについて、JIS C6471に準処
した剥離強度測定を行ったところ、1.20kg/cm
であった。また、JIS C6471に準処したハンダ
耐熱性測定を行ったところ、320℃まで膨れや剥がれ
は認められなかった。
【0048】実施例7〜9の結果から、カバーレイフィ
ルムを製造する場合も、ポリカルボジイミド樹脂を含む
接着剤を加熱することによって、耐熱性及び強度が向上
することがわかった。
【0049】
【発明の効果】上記したところから明らかなように、本
発明によれば、本発明によるポリカルボジイミド樹脂を
含む耐熱性接着剤を使用することにより、フレキシブル
プリント配線用基板の製造において、各種高温処理工程
を経る際に膨れや剥がれ、又は、著しいカールや接着層
の塑性変形による配線の短絡などを生じることなく、安
定した品質の最終製品を供給することができる。同様
に、カバーレイフィルムにおいても、耐熱性及び接着性
に優れたカバーレイフィルムを簡便に製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱によりカルボジイミド結合の自己架橋が進
んだ実施例2の四員環を形成したポリカルボジイミドを
模式的に示す概念図である。
【図2】実施例2及び実施例3で得られたポリカルボジ
イミド樹脂の赤外吸収スペクトルを示すグラフである。
【図3】実施例2及び実施例3で得られたポリカルボジ
イミド樹脂の13C- NMRスペクトルを示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相澤 道生 東京都千代田区大手町2丁目6番1号 信 越化学工業株式会社内 (72)発明者 新井 均 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田1番地 信 越化学工業株式会社塩ビ技術研究所内 (72)発明者 八幡 健 東京都千代田区大手町二丁目6番1号 信 越化学工業株式会社コーポレートリサーチ センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で表される繰り返し単位を有
    するポリカルボジイミド樹脂を含有する接着剤。 【化1】 式中、Rは2価の炭化水素基を表し、nは5〜250の
    整数である。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリカルボジイミド樹
    脂を含有する接着剤を用いたフレキシブルプリント配線
    用基板。
  3. 【請求項3】 耐熱性樹脂フィルム−接着剤−金属箔か
    らなるフレキシブルプリント配線用基板を製造する製造
    方法であって、請求項1に記載の接着剤を耐熱性樹脂フ
    ィルム又は金属箔に塗布した後、フレキシブルプリント
    配線用基板を得るまでの各工程のいずれかで、加熱接着
    における熱履歴を40〜400℃とすることを特徴とす
    るフレキシブルプリント配線用基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 加熱接着前に、ポリカルボジイミド樹脂
    が2,142cm-1の赤外吸収スペクトルの吸光を示
    し、加熱接着後、新たに1,630〜1,685cm-1
    の赤外吸収スペクトルの特異的吸光が現れるように加熱
    接着することを特徴とする請求項3に記載のフレキシブ
    ルプリント配線用基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱接着前に、ポリカルボジイミド樹脂
    が120〜140ppmの13C- NMR(CP- MA
    S)スペクトルを示し、加熱接着後に140〜150p
    pmに新たな特異的共鳴ピークを示すことを特徴とする
    請求項3または請求項4に記載のフレキシブルプリント
    配線用基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のポリカルボジイミド樹
    脂を含有する接着剤を用いたカバーレイフィルム。
  7. 【請求項7】 耐熱性樹脂フィルム−接着剤−離型材か
    らなるカバーレイフィルムを製造する製造方法であっ
    て、請求項1に記載の接着剤を耐熱性樹脂フィルムに塗
    布した後、40〜200℃で乾燥し、離型材を張り合わ
    せることを含むカバーレイフィルムの製造方法。
JP15650597A 1996-06-14 1997-06-13 ポリカルボジイミド樹脂含有接着剤及びフレキシブルプリント配線用基板 Pending JPH1067978A (ja)

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