JPH1067900A - スチレン系樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents
スチレン系樹脂組成物およびその成形体Info
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- JPH1067900A JPH1067900A JP18079697A JP18079697A JPH1067900A JP H1067900 A JPH1067900 A JP H1067900A JP 18079697 A JP18079697 A JP 18079697A JP 18079697 A JP18079697 A JP 18079697A JP H1067900 A JPH1067900 A JP H1067900A
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Abstract
ダーを添加してなる改質されたスチレン系樹脂組成物、
および該スチレン系樹脂組成物より得られる成形体。 【効果】 本発明により、耐衝撃性が著しく改良された
スチレン系樹脂組成物を得ることができ、特に基材が透
明ポリスチレン系樹脂の場合は流動性および耐熱性を損
ねずに衝撃強度、透明性の優れたスチレン系樹脂組成物
を提供することができる。したがって、汎用スチレン系
硬質熱可塑性樹脂の各種用途特に、射出成形、押出成形
等への適応性の向上が可能となり、大きな用途範囲の拡
大が期待できる。
Description
気機器分野、その他各種の用途に汎用されているスチレ
ン系樹脂の改質技術に係るものであり、詳しくは、添加
剤の使用により、成形性、剛性と衝撃強さを両立させた
スチレン系樹脂組成物に関する。
汎用量産型のスチレン系樹脂は、成形品の表面外観特に
光沢や、剛性、耐熱性に優れ、テレビ、ステレオ等のハ
ウジング、シャーシ、ビデオ、オーディオカセット、冷
蔵庫内装材等の電気分野、または、食品包装、OPS、
インフレーションフィルム、等の包装材分野その他広汎
な分野で用いられている。しかし、衝撃強さに関して
は、硬質熱可塑性プラスチック中最低の部類に属し、旧
来より、剛性と衝撃強さを両立させる試みが、種々なさ
れてきた。特に、近年、高価なエンジニアリングプラス
チックからの切り替え、成形時の省エネルギー化のた
め、耐熱性、成形性、耐衝撃性を同時に高水準に維持す
ることが強く望まれている。
くすることにより、曲げ強度は向上するが、平均分子量
が高くなるにつれて成形性が低下し、成形性を改良する
ためミネラルオイルなどの可塑剤を添加すると、剛性、
耐熱性を損ねる。しかも、金型排気孔付近に可塑剤に起
因する付着物が発生し、金型汚損を引き起こし、製品表
面にキズとして転写されたり付着したりして、成形品の
価値を著しく低下させる。
に維持し、かつ流動性を向上させる目的で、樹脂の分子
量分布を広くする方法として、高分子量樹脂に低分子量
の樹脂をブレンドする方法(特公昭57−30843
号)又は、多段重合法を用いることにより分子量分布の
広い樹脂組成物を得る方法(特公昭62−61231)
が開示されている。しかしながら、後者の方法は製造工
程が複雑になり、製造コストが増加するだけでなく、十
分な水準の衝撃強度が得られないという問題もある。ま
た、重合反応時に複数のビニル基を含有する化合物を用
いることにより得られる樹脂の分子量分布を広げる方法
(特開昭48−45590号及び特開平2−17080
6号)が開示されている。しかしながら、この方法で得
られる樹脂組成物は流動性に劣るという問題点を有して
いる。
で代表されるゴム変性スチレン系熱可塑性樹脂は耐衝撃
性および成形加工性に優れ、かつ良好な表面光沢を示す
ことから、各種成形品の材料として幅広く利用されてい
る。ゴム変性スチレン系樹脂は耐衝撃性を改良するため
にスチレン系樹脂をマトリックスとしてその中にゴム状
重合体を微粒状に分散させ、改質したものである。この
ようなゴム変性スチレン系樹脂(以下、ゴム変性樹脂と
略記することもある。)の耐衝撃性をさらに向上させる
手段として、(1)ゴム変性樹脂に占めるゴム状重合体
の含有量を増やす、(2)ゴム変性樹脂における分散相
を形成するゴム粒子径を衝撃強度が発現する範囲内で大
きくする、(3)ゴム変性樹脂におけるマトリックス相
を形成するポリスチレンの分子量を高くする、といった
方法が挙げられる。しかしながら、(1)の方法では、
耐衝撃性が改善できるものの、ゴム状重合体の使用量が
多いため重合時のハンドリングが悪く、経済性にも劣
る。さらに、ゴム粒子数が増加するため成形品の剛性と
表面外観特性が低下する。また、(2)のようにゴム粒
子径を大きくすると、成形品を得た場合堪えがたい表面
外観不良を招く。(3)では、樹脂の流動性低下が甚だ
しく、成形加工性に劣る。
樹脂に添加することで衝撃強度を改善する方法(特開昭
57−170949、特開平7−179692)がある
が、成形加工性、成形品の表面外観特性とのバランスを
考えた場合、少量しか添加できず十分な衝撃強度が得ら
れない。しかも、有機ポリシロキサンを添加する方法で
は、落錘衝撃試験で測定されるような面衝撃強度への改
善効果が小さい。一方、グラフト共重合体系シリコーン
ゴムを耐衝撃性改良剤として用いる方法(特開昭60−
252613)、さらに、シリコーンゴム粉末を使用し
てポリスチレンを変性する方法(特開平8−6781
7)も開示されているが、他の特長を損わない程度の少
量添加では、耐衝撃性は改良されず、増量すると表面外
観特性が低下するという問題がある。
の技術では、スチレン系樹脂の成形性、剛性等の特長を
可変的に維持して、かつ衝撃強さは、むしろ、若干でも
向上させることは至難の課題であった。
み、鋭意、研究を重ねてきた結果、シリコーンパウダー
の添加、特にゴム変性スチレン系樹脂とシリコーンパウ
ダーとの併用により好適な結果が得られ、さらにゴム変
性樹脂中の分散ゴムの粒子径と含有量を特定することに
より耐衝撃性が改善されることを見出すに至り、本発明
に到達した。
脂、特に、特定のゴム粒子径のゴム変性ポリスチレンに
ある特定なシリコーンパウダーの特定量を添加するスチ
レン系樹脂組成物が上記課題を解決することを見出だし
本発明を完成するに至った。
して、シリコーンパウダーを添加してなる改質されたス
チレン系樹脂組成物、(2)スチレン系樹脂100重量
部に対して、シリコーンパウダーを0.0001〜5重
量部配合してなる(1)記載のスチレン系樹脂組成物、
(3)シリコーンパウダーが、シリコーンゴム微粒子の
表面をシリコーンレジンで被覆した複合構造のシリコー
ンパウダーである(1)または(2)に記載のスチレン
系樹脂組成物、(4)シリコーンパウダーの体積平均粒
子径が0.1〜25μmである(1)ないし(3)のい
ずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物、(5)シリ
コーンパウダーがビニル基含有オルガノポリシロキサン
とオルガノハイドロジェンポリシロキサンの付加重合体
を主成分とするシリコーンゴム粉末である(1)ないし
(4)のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物、
(6)シリコーンパウダーがビニル基含有ジメチルポ
リシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンの
付加重合体を主成分とするシリコーンゴム粉末である
(5)記載のスチレン系樹脂組成物、(7) シリコー
ンパウダーのシロキサン結合主鎖が三次元網状に架橋さ
れていることを特徴とする(1)ないし(6)のいずれ
か一項に記載のスチレン系樹脂組成物、(8)シリコー
ンパウダーが、(5)または(6)に記載のシリコーン
ゴム粉末の粒子表面をポリジメチルシルセスキオキサン
で被覆したものである(1)ないし(7)のいずれか一
項に記載のスチレン系樹脂組成物、(9)スチレン系樹
脂が透明なスチレン系樹脂であることを特徴とする
(1)ないし(8)記載のスチレン系樹脂組成物、(1
0)スチレン系樹脂が重量平均分子量10×104〜6
0×104のポリスチレンである(1)ないし(9)の
いずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物、(11)
スチレン系樹脂がゴム変性ポリスチレンであることを
特徴とする(1)ないし(10)記載のスチレン系樹脂
組成物、(12)ゴム変性スチレン系樹脂が、体積平均
粒子径0.01〜5μmの分散ゴム粒子を1〜30重量
%を含有するポリスチレンであることを特徴とする
(1)ないし(11)のいずれか一項に記載のスチレン
系樹脂組成物、(13)(1)ないし(12)のいずれ
か一項に記載のスチレン系樹脂組成物より得られる成形
体、特に射出成形体あるいは押出成形体である。
成物に用いるスチレン系樹脂は以下に示す単量体を重合
して得られる。即ち、スチレン系樹脂を構成するスチレ
ン系単量体としては、スチレン、アルキル置換スチレン
(例えば、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−
エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等)、α−ア
ルキル置換スチレン(例えば、α−メチルスチレン、α
−メチル−p−メチルスチレン等)、ハロゲン化スチレ
ン(例えば、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン
等)が挙げられる。好ましいスチレン系単量体は、スチ
レン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレンで、特
にスチレンが好ましい。これらのスチレン系単量体は、
一種で使用してもよいし、二種以上混合して使用しても
よい。なお、特に好ましくはスチレン系樹脂は重量平均
分子量10×104〜60×104のポリスチレンである
のが良い。
て、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル
酸、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステルや、無水マ
レイン酸、アクリロニトリルなどの共重合可能な単量体
と共重合させてもよい。
チレン系単量体のうち透明のものを適宜選択し得る。ま
た、透明スチレン系単量体には必要に応じて、例えばア
クリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル酸、メ
タクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル等の(メタ)アクリル酸エステルや、無水マレイン
酸、アクリロニトリルといった共重合可能な単量体を透
明性を損なわない範囲で共重合させてもよい。
より製造することができ、塊状重合法、溶液重合法、懸
濁重合法、さらには、これらの重合法の組み合わせ方法
によって製造することができる。特に、塊状重合法が生
産性向上のために好ましい。
脂は、スチレン系単量体にゴム状重合体を溶解した後、
重合させるなど公知の方法で得られるゴム変性スチレン
系樹脂が含まれる。
より耐衝撃性、耐熱変形性、成型加工性および成型品の
表面外観特性のバランスを兼備えたスチレン系樹脂組成
物を得ることができる。
られるものであれば特に制限はなく、ゴム状物質として
は、ポリブタジエンやスチレン−ブタジエン共重合体、
ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン共重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体など、一般的なゴム状重合
体はすべて使用することができる。これらのゴム状重合
体は、一種で、または二種以上混合して使用できる。
分含有量は好ましくは1〜30重量%、さらに好ましく
は3〜20重量%、特に好ましくは3〜8重量%であ
る。ゴム成分含有量が1重量%未満では十分な面衝撃強
度が得られず、30重量%を超えると外観不良が目立
つ。また、ゴム変性スチレン系樹脂中の分散ゴム粒子の
体積平均粒子径は好ましくは0.01〜5μm、さらに
好ましくは0.1〜4μmである。0.01μm未満で
あると剛性はあるものの面衝撃強度が向上しない。ま
た、5μmを超えると表面外観が悪くなる。
は、超薄切片法を用い組成物の透過型電子顕微鏡写真を
撮影し、ゴム状重合体1000個の円換算粒子径を測定
して、次式(I)により算出した値である。 体積平均粒子径=(ΣniDi4)/(ΣniDi3) (I) (ni:円換算粒子径Di(μm)を有するゴム状重合
体の粒子の個数を示す)
合方法により製造することができる。特に、塊状重合法
が生産性向上のために好ましい。
体の粒子は、そのモルホロジーがサラミ構造を示すもの
でも、ゴム状重合体のシェルにスチレン系重合体のコア
を内包する単一オクルージョン構造を示すものでも良い
し、ラテックス状でも良い。また、サラミ構造と単一オ
クルージョン構造の粒子が混在しても良く、両者は任意
の体積割合で混在できる。
てはオイル状のシリコーンを硬化したシリコーンゴム粉
末、シリコーンレジンパウダー、シリコーン複合パウダ
ーなどがあげられる。シリコーンパウダーは凝集しにく
く、基材への分散性に優れ、スチレン系樹脂に添加した
ときに耐衝撃性を大幅に改良する。
んでいる前記シリコーンゴム粉末を用いることによっ
て、スチレン系樹脂に添加したときの耐衝撃性さらには
耐摩耗性の改良も可能である。
ーンレジンパウダーを用いることによってスチレン系樹
脂に添加した時の耐衝撃性の改良が可能であり、さらに
は前記シリコーンレジンパウダーは、熱溶融せず、溶剤
や石油留分にも侵されないので、これを添加することに
より得られるスチレン系樹脂組成物は優れた耐衝撃性を
示すと同時に、高温での成形、特に高速射出成形や耐溶
剤用途にも好適に用いられる。
シリコーン複合パウダーを用いることによって得られる
スチレン系樹脂組成物の耐衝撃性を大幅に改良すること
ができる。
3−93834号公報などに開示されている公知のもの
で良いが、入手が容易なことより(a)ビニル基含有オ
ルガノポリシロキサンと(b)オルガノハイドロジェン
ポリシロキサンとを付加反応させて硬化させたものが好
ましい。
に結合したビニル基を少なくとも2個有する物である必
要がある。ビニル基は分子のどの部分に存在しても良い
が少なくとも分子の末端に存在することが好ましい。ビ
ニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、
ドデシル基、などのアルキル基、フェニル基のようなア
リール基、β−フェニルエチル基、β−フェニルプロピ
ル基、のようなアラルキル基、クロロメチル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基など1価の置換炭化水
素基などが示されるが、スチレン系樹脂に添加したとき
の耐衝撃性の改良効果が大きい点においてケイ素原子に
結合した有機基の90モル%以上がメチル基であること
が好ましい。また、これらの分子構造は直鎖状であって
も分岐状であっても良く、これらの混合物であっても良
い。
で示される化合物(1)〜(3)などがあげられる。 (式中、a、bは0または1〜3の整数、c、dは0ま
たは1以上の整数であって、a+b=3、2a+d≧2
である。)
であり、かつe+f=4〜8である。)
〜3の整数、hは0、1または2、i、j、kは1以上
の整数であり、かつg+h=3である。)
に結合した水素原子を少なくとも2個有することが必要
である。成分(b)は成分(a)の架橋剤であり成分
(b)のケイ素原子に結合した水素原子が成分(a)中
のビニル基と付加反応して硬化する。水素原子以外のケ
イ素原子に結合した有機基としては成分(a)と同じも
のが示されるが、スチレン系樹脂に添加したときの耐衝
撃性の改良効果が大きい点においてメチル基であること
が好ましい。また本成分の分子構造が特に限定されるも
のではなく直鎖状、分岐状、環状のいずれであっても良
い。
で示される化合物(4)〜(6)などがあげられる。 (式中、lは0または1、Pは2または3、qは0また
は1以上の整数、rは1以上の整数であり、かつl+p
=3、2l+r≧3である。)
であり、かつs+t=4〜8である。)
〜3の整数、vは0、1または2、w、x、yは1以上
の整数であり、かつu+v=3である。)
噴霧乾燥により硬化させる方法、水性乳化液中で硬化さ
せる方法などの公知の製法により得ることができる。
ンを加水分解、縮合して得られる3次元構造を持つもの
で、特開昭60−13813号公報、特開昭63−77
940号公報に開示されているものなどが挙げられる。
なかでもシロキサン結合が(CH3SiO3/2)で表され
る3次元網目状に架橋した構造を持つ、いわゆるポリメ
チルシルセスキオキサンの微粒子が好ましい。これは下
の反応式に示すようにメチルトリクロロシラン、または
メチルトリアルコキシシランを水中で加水分解、縮合さ
せる方法によって製造できる。 (式中、XはClまたはアルコキシ基である。) なお、シリコーンパウダーの粒子径測定は、パーティカ
ルカウンターを用いて行った。
本発明に好適なものはシリコーンゴム微粒子の表面をシ
リコーンレジンで被覆した複合構造のシリコーンパウダ
ー(以下シリコーン複合パウダーと称する)である。
は限定されるものではないが、例えばビニル基含有オル
ガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンの付加重合体、好ましくはビニル基含有ジメチル
ポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサン
の付加重合体を含む原液を噴霧乾燥により硬化させた球
状のシリコーンゴム粉末にメチルトリクロロシラン又は
メチルトリメトキシシランを加水分解し縮合させてシリ
コーンゴム粉末の表面をポリジメチルシルセスキオキサ
ンで被覆して製造する方法や上記原液を水性乳化液中で
硬化させた球状のシリコーンゴム粉末にメチルトリクロ
ロシラン又はメチルトリメトキシシランを加水分解し縮
合させてシリコーンゴム粉末の表面をポリジメチルシル
セスキオキサンで被覆して製造する方法などがある。ま
た、シリコーンパウダーの体積平均粒子径は0.1〜2
5μmの範囲にあるもの、好ましくは0.2〜20μm
の範囲にあるものが流動性及び耐熱性を損ねずに剛性の
優れたスチレン系樹脂組成物を提供する。シリコーンパ
ウダーの体積平均粒子径は0.1μm未満の場合は衝撃
強度の向上は見られず、25μmをこえる場合も衝撃強
度の向上は見られない。 なお、シリコーンパウダーの
粒子径測定は、パーティカルカウンターを用いて行っ
た。
脂に対するシリコーンパウダーの配合量について説明す
る。シリコーンパウダーの添加量はスチレン系樹脂10
0重量部に対して好ましくは0.0001〜5重量部、
さらに好ましくは0.005〜3重量部である。0.0
001重量部未満の場合は十分な衝撃強度は得られず、
5重量部をこえる場合はコストの上昇を招き、透明スチ
レン樹脂を用いた場合は透明性を損ねて好ましくない。
ているため添加方法としては、特に限定されるものでは
ないが例えば、スチレンモノマー液に懸濁させて重合を
行う方法又は、重合終了後の脱揮工程前、若しくは脱揮
工程後に添加する方法がある。更に、スチレン樹脂とシ
リコーンパウダーをドライブレンドして、単軸、若しく
は二軸の押し出し機で溶融混練することもできる。本発
明のスチレン系樹脂組成物には、必要に応じて、滑剤、
離型剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、着色剤、充填剤等の添加剤を配合することができ
る。
応じて各種添加剤成分を混練し、各種成形用途に供じる
ことができるが、以下に射出成形、押出成形について説
明する。射出成形体は、通常の射出成形法により成形す
ることができる。この際、一般に射出成形温度は180
〜280℃、射出成形圧力は50〜140kg/cm2
・G、スクリュー回転数は50〜300rpmの範囲で
選ばれる。押出成形体は、例えば押出機によって溶融し
た後、T−ダイから押し出す方法、押出機よりシート状
に押出した後、テンター方式あるいはインフレーション
方式によりニ軸延伸する方法が挙げられる。延伸は一軸
延伸、逐次二軸延伸、同次二軸延伸、インフレーション
法による二軸延伸でも良い。代表例として逐次二軸延伸
の具体例を説明する。例えば、Tダイまたはカレンダを
用いて作ったシートを一軸方向(例えば、縦方向)に1
00〜130℃の温度で2〜5倍の倍率で延伸して、次
に上記延伸方向と直角方向(例えば、横方向)に100
〜130℃の温度で2〜5倍の倍率で延伸する方法があ
る。縦方向の延伸は通常ニップロールを用いて行われ、
横方向の延伸は通常テンタを用いて行われる。尚、この
様な成形方法によって二軸延伸されたシートは必要に応
じて熱処理、コロナ放電処理を行っても良い。該シート
の厚みはスリット幅、ダイス径、押し出し量、ブロー
比、引取り速度など適宜調節できる。通常の厚みは10
〜1000μmである。
系樹脂組成物は、流動性を損ねずに剛性、衝撃性および
成形品の表面外観特性のバランスが優れている、例え
ば、ICスティック、プリスターパック、食材容器、様
々な日用品など広範囲にわたって利用できる。また、本
発明のスチレン系樹脂組成物には、必要に応じて、滑
剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤などの添加剤を配合す
ることもできる。以下に、実施例に基づいて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によっ
て何ら限定されるものではない。
の方法を用いた。 (1) モールドVノッチ付きおよびノッチ無しアイゾ
ット衝撃強度 日精樹脂工業(株)製PS40ESA
型射出成形機を用いて、64mm(l)×12.7mm
(t)×6.4mm(b)の規定の試験片をシリンダー
温度210℃、金型温度40℃、射出速度3m/se
c、射出圧力530kgf/cm で射出成形し、JI
S−K7110−1984に準拠して測定した。
(株)製PS40ESA型射出成形機を用いて、50m
m×90mm×2mmの平板をシリンダー温度210
℃、金型温度40℃、射出速度3m/sec、射出圧力
530Kgf/cm で射出成形し、ASTM−D17
09に準拠して測定した。
PS40ESA型射出成形機を用いて、JIS−1号試
験片をシリンダー温度210℃、金型温度40℃、射出
速度3m/sec、射出圧力530kgf/cm で射
出成形し、JIS−K7113−1981に準拠して測
定した。
PS40ESA型射出成形機を用いて、135mm×1
1mm×6mmの試験片をシリンダー温度210℃、金
型温度40℃、射出速度3m/sec、射出圧力530
kgf/cmで射出成形し、ASTM−D790に準拠
して測定した。
ルスチロール #53Mw=320,000)に、体積
平均粒子径5μmのシリコン複合パウダー(信越化学工
業(株)製 X−52−1139K 平均粒子径1−2
0μm)を表1に示した比率(全体で100重量部とな
る)で添加し、二軸押出機(池貝鉄工所(株)製PCM
30型)を用いて再造粒した後、上記の射出成形機を用
いて、モールドVノッチ付きアイゾット衝撃強度試験
片、及び2mm厚の平板、引張強度試験片、曲げ強度試
験片を成形した。
ルスチロール #53Mw=320,000)に体積平
均粒子径13μmのシリコン複合パウダー(信越化学工
業(株)製 X−52−1139G 平均粒子径1−3
0μm)を表2に示した比率(全体で100重量部とな
る)で添加し、二軸押出機(池貝鉄工所(株)製PCM
30型)を用いて再造粒した後上記の射出成形機を用い
て、モールドVノッチ付きアイゾット衝撃強度試験片、
及び2mm厚の平板、引張強度試験片、曲げ強度試験片
を成形した。
ルスチロール #53Mw=320,000)を二軸押
出機(池貝鉄工所(株)製PCM30型)を用いて造粒
した後上記の射出成形機を用いて、モールドVノッチ付
きアイゾット衝撃強度試験片、及び2mm厚の平板、引
張強度試験片、曲げ強度試験片を成形した。
性試験に供し、それらの結果を表1にまとめて示した。
例を示す。 (ゴム変性スチレン系樹脂(以下HIPSと略)−1の
製造)連続塊状重合プロセスにおいて、スチレン−ブタ
ジエン共重合体をスチレンに溶解し、攪拌下で重合する
ことによって、ゴム成分含有量8重量%、分散相のゴム
状重合体粒子が体積平均粒子径0.2μmで単一オクル
ージョン構造を示すゴム変性スチレン系樹脂(HIPS
−1)を得た。
セスにおいて、ポリブタジエンをスチレンに溶解し、攪
拌下で重合することによって、ゴム成分含有量10重量
%、分散相のゴム状重合体粒子が体積平均粒子径1.8
μmでサラミ構造を示すゴム変性スチレン系樹脂(HI
PS−2)を得た。
セスにおいて、スチレン−ブタジエン共重合体とHIP
S−2をスチレンに溶解し、攪拌下で重合することによ
って、ゴム成分含有量8重量%、分散相に体積平均粒子
径0.2μm0の単一オクルージョン構造を示すゴム状
重合体粒子と体積平均粒子径1.8μmのサラミ構造を
示すゴム状重合体粒子が混在し、ゴム状重合体粒子全体
の体積平均粒子径が0.5μmであるゴム変性スチレン
系樹脂(HIPS−3)を得た。
パウダー(信越化学工業(株)製X−52−1139
K)を表3に示す如く添加し、二軸押出機(池貝鉄工所
(株)製PCM30型)にて再造粒した後、上記の射出
成形機を用いてアイゾット衝撃試験片、および2mm厚
の平板を射出成形、評価した。結果を表3に示す。
合パウダー(信越化学工業(株)製X−52−1139
G)を0.1重量%添加し、二軸押出機(池貝鉄工所
(株)製PCM30型)にて再造粒した後、上記の射出
成形機を用いてアイゾット衝撃試験片、および2mm厚
の平板を射出成形、評価した。結果を表3に示す。
パウダー(信越化学工業(株)製X−52−1139
K)を表4に示す如く添加し、二軸押出機(池貝鉄工所
(株)製PCM30型)にて再造粒した後、上記の射出
成形機を用いてアイゾット衝撃試験片、および2mm厚
の平板を射出成形、評価した。結果を表4に示す。
は実施例5と同様の方法で評価した。結果を表4に示
す。
パウダー(信越化学工業(株)製X−52−1139
K)を表5に示す如く添加し、二軸押出機(池貝鉄工所
(株)製PCM30型)にて再造粒した後、上記の射出
成形機を用いてアイゾット衝撃試験片、および2mm厚
の平板を射出成形、評価した。結果を表5に示す。
は実施例5と同様の方法で評価した。結果を表5に示
す。
後、射出成形機を用いてアイゾット衝撃試験片、および
2mm厚の平板を射出成形、評価した。結果を表5に示
す。
れたスチレン系樹脂組成物を得ることができる。特に基
材が透明ポリスチレン系樹脂の場合は流動性および耐熱
性を損ねずに衝撃強度、透明性の優れたスチレン系樹脂
組成物を提供することができた。また、さらにスチレン
系樹脂としてゴム変性ポリスチレンを用いることにより
耐衝撃性、耐熱変性性、成型加工性および成型品の表面
外観特性のバランスが優れるスチレン系樹脂組成物を得
ることができる。したがって、汎用スチレン系硬質熱可
塑性樹脂の各種用途特に、射出成形、押出成形等への適
応性の向上が可能となり、大きな用途範囲の拡大が期待
できる。
Claims (15)
- 【請求項1】 スチレン系樹脂に対して、シリコーンパ
ウダーを添加してなる改質されたスチレン系樹脂組成
物。 - 【請求項2】 スチレン系樹脂100重量部に対して、
シリコーンパウダーを0.0001〜5重量部配合して
なる請求項1記載のスチレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】 シリコーンパウダーが、シリコーンゴム
微粒子の表面をシリコーンレジンで被覆した複合構造の
シリコーンパウダーである請求項1または2に記載のス
チレン系樹脂組成物。 - 【請求項4】 シリコーンパウダーの体積平均粒子径が
0.1〜25μmである請求項1ないし3のいずれか一
項に記載のスチレン系樹脂組成物。 - 【請求項5】 シリコーンパウダーがビニル基含有オル
ガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンの付加重合体を主成分とするシリコーンゴム粉末
である請求項1ないし4のいずれか一項に記載のスチレ
ン系樹脂組成物。 - 【請求項6】 シリコーンパウダーがビニル基含有ジメ
チルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキ
サンの付加重合体を主成分とするシリコーンゴム粉末で
ある請求項5記載のスチレン系樹脂組成物。 - 【請求項7】 シリコーンパウダーのシロキサン結合主
鎖が三次元網状に架橋されていることを特徴とする請求
項1ないし6のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組
成物。 - 【請求項8】 シリコーンパウダーが、請求項5または
6に記載のシリコーンゴム粉末の粒子表面をポリジメチ
ルシルセスキオキサンで被覆したものである請求項1な
いし7のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。 - 【請求項9】 スチレン系樹脂が透明なスチレン系樹脂
であることを特徴とする請求項1ないし8記載のスチレ
ン系樹脂組成物。 - 【請求項10】 スチレン系樹脂が重量平均分子量10
×104〜60×104のポリスチレンである請求項1な
いし9のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成物。 - 【請求項11】 スチレン系樹脂がゴム変性ポリスチレ
ンであることを特徴とする請求項1ないし10記載のス
チレン系樹脂組成物。 - 【請求項12】 ゴム変性スチレン系樹脂が体積平均粒
子径0.01〜5μmの分散ゴム粒子を1〜30重量%
含有するポリスチレンであることを特徴とする請求項1
ないし11のいずれか一項に記載のスチレン系樹脂組成
物。 - 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか一項に
記載のスチレン系樹脂組成物より得られる成形体。 - 【請求項14】 請求項1ないし12のいずれか一項に
記載のスチレン系樹脂組成物より得られる射出成形体。 - 【請求項15】 請求項1ないし12のいずれか一項に
記載のスチレン系樹脂組成物より得られる押出成形体。
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TW087109733A TW561175B (en) | 1997-06-19 | 1998-06-17 | Styrene-based resin composition and molded articles thereof |
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JP15856496 | 1996-06-19 | ||
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JP (1) | JP3618037B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0885927A1 (en) * | 1997-06-19 | 1998-12-23 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Styrene-based resin composition and molded articles thereof |
JP2012162637A (ja) * | 2011-02-07 | 2012-08-30 | Toyo Styrene Co Ltd | スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体組成物 |
-
1997
- 1997-06-19 JP JP18079697A patent/JP3618037B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0885927A1 (en) * | 1997-06-19 | 1998-12-23 | Daicel Chemical Industries, Ltd. | Styrene-based resin composition and molded articles thereof |
JP2012162637A (ja) * | 2011-02-07 | 2012-08-30 | Toyo Styrene Co Ltd | スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体組成物 |
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