JPH1064875A - 回転式基板乾燥装置および基板乾燥方法 - Google Patents

回転式基板乾燥装置および基板乾燥方法

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JPH1064875A
JPH1064875A JP22263496A JP22263496A JPH1064875A JP H1064875 A JPH1064875 A JP H1064875A JP 22263496 A JP22263496 A JP 22263496A JP 22263496 A JP22263496 A JP 22263496A JP H1064875 A JPH1064875 A JP H1064875A
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JP
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substrate
rotation
nozzle
center
discharge port
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JP22263496A
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English (en)
Inventor
Yoshio Taniguchi
由雄 谷口
Satoru Tanaka
悟 田中
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の乾燥能力を低下させることなく、大型
化と共に薄型化した基板の回転による破損やミストの基
板への再付着による汚染を防止する。 【解決手段】 駆動モータ25でノズル27先端の吐出
口を基板2の回転中心部上から外側方向に移動させつつ
基板2の主面にノズル27から気体を吹き付けて、遠心
力が働きにくい基板2の回転中心付近に残った処理液な
どを遠心力がより働く基板2の外側に掃き出すことで、
処理液などを遠心力で振り切る乾燥能力が向上可能とな
る。したがって、遠心力による乾燥能力を低下させるこ
となく、基板2の回転数をより低く設定することができ
るので、大型化した基板2であっても基板2の回転に伴
う気流の発生も少なくでき、ミストの基板への再付着も
抑制される。また、基板2の回転数を低く設定できるの
で、大型化した基板2であっても回転時にかかる基板2
へのストレスも低減され得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体製造
装置および液晶表示基板製造装置における基板処理装置
などに用いられ、液晶表示器用角形ガラス基板、カラー
フィルタ用ガラス基板、フォトマスク用基板、サーマル
ヘッド用セラミック基板、プリント基板および半導体ウ
エハなどの基板を回転させて乾燥する回転式基板乾燥装
置および基板乾燥方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の回転式基板乾燥装置は、基板を水
平に保持して回転自在なスピンチャックと、このスピン
チャックを回転駆動させる駆動モータなどよりなる回転
駆動機構と、スピンチャック上に保持された基板の主面
の中心部に向けて真上から気体を吹き付けるブローノズ
ルとを備えている。
【0003】この構成によって、基板を保持したスピン
チャックを回転駆動機構で回転させつつ、回転する基板
の主面の中心部に向けて真上からブローノズルで気体を
吹き付けて、基板の主面に付着した水分を、回転する基
板の外方へ振り切って基板を乾燥させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、基板サイズは大
型化と共に薄型化する傾向にあるが、上記従来の構成で
は、このような大型化や薄型化した基板をスピンチャッ
クで保持した状態で回転させて乾燥させることになる。
これらを回転駆動機構で従来の回転数と等しい回転数で
回転させると、基板が大型化した分だけ回転で発生する
気流の乱れが激しくなって、基板の主面から振り切られ
た処理液によるミストがより多く発生し、これが基板の
主面に再付着して基板を汚染してパーティクルの原因に
なるという問題があった。また、基板が載置されて保持
された静止状態のスピンチャックを回転駆動機構で回転
始動させるときに、基板が大型化した分だけ基板にかか
る衝撃力が従来の場合と比べて大きくなるため、特に、
薄型化した基板は割れなどの破損が生じ易くなるという
問題があった。
【0005】これらを解決するためには、回転駆動機構
によってスピンチャックと共に基板を回転させる回転数
を従来の回転数と比べて小さくすれば良いが、スピンチ
ャックの回転数を小さくすると、基板の主面に付着した
水分を充分に振り切ることができず、特に、基板の中心
部に水分が残留して基板を充分に乾燥させることができ
ないという問題が発生する。このとき、基板の中央部に
向けて真上からブローノズルで気体を吹き付けている
が、基板の割れなどを防止するために、ブロー圧力をあ
まり高く設定することができないのが現状である。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、基板の乾燥能力を低下させることなく、大型化や薄
型化した基板の回転による破損やミストの基板への再付
着による汚染を防止することができる回転式基板乾燥装
置および基板乾燥方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の回転式基板乾燥
装置は、基板を回転させつつ、基板の主面にノズルから
気体を吹き付けて基板を乾燥させる回転式基板乾燥装置
において、気体を吐出しているノズルの吐出口を少なく
とも基板の回転中心部から外側方向に移動させるノズル
移動機構を有していることを特徴とするものである。ま
た、このノズル移動機構としては、ノズルの吐出口を基
板の主面と所定距離だけ離間した状態で基板の主面と平
行に移動可能な構成とすることが好ましく、または、基
板の回転中心の鉛直上方付近を揺動中心としてノズルの
吐出口を円弧状に移動可能な構成とすることが好まし
い。
【0008】この構成により、遠心力がかかりにくい基
板の回転中心付近に残った処理液などを遠心力がより働
く基板の外側に掃き出すように、ノズルの吐出口を少な
くとも基板の回転中心部から外側方向に移動させつつ基
板の主面にノズルから気体を吹き付けることで、基板の
回転中心付近に残った処理液などを外側に移動させてよ
り強い遠心力で振り切ることが可能となって乾燥能力が
向上する。したがって、遠心力による乾燥能力を低下さ
せることなく、基板の回転数をより低く設定することが
できるので、大型化、薄型化した基板であっても基板の
回転に伴う気流の発生も少なくすることが可能で、ミス
トの基板への再付着が防止可能で基板の汚染が防止され
ることになる。また、基板の回転数が高いほど、また、
基板サイズが大きくなるほど、基板にかかるストレスも
大きくなって、基板の割れなどの破損の可能性も高くな
るが、基板の乾燥能力を低下させずに基板の回転数を低
く設定することができるので、大型化、薄型化した基板
であっても回転時にかかる基板へのストレスを低減する
ことが可能となり、基板の回転による割れなどの破損が
防止されることになる。
【0009】また、ノズル移動機構として、ノズルの吐
出口を基板の主面と所定距離だけ離間した状態で基板の
主面と平行に移動させる構成とする場合には、遠心力が
より働く外周方向に処理液などを掃き出すガス圧力が基
板の主面の各部で一定となり得るので、回転中心部で処
理液などが外側へ移動し得るガス圧力以上であればよい
ことになる。
【0010】さらに、ノズル移動機構として、基板の回
転中心の鉛直上方付近を揺動中心としてノズルの吐出口
を円弧状に移動させる構成とする場合には、ノズルの吐
出口と基板の主面との距離が、基板の回転中心部で最も
近く位置しているので、遠心力が最もかかりにくい回転
中心部ほど処理液を最も勢いよく外側に向けて掃き出す
ことが可能となる。この場合、基板の回転中心部から外
側になるほど基板上にはガス圧力がかからず、基板への
ストレスも少なくなる。また、基板の回転中心部から外
側になるほど基板上にガス圧力がかからなくても、基板
の外側ほど遠心力が働くので、処理液などの外側への掃
き出しには支障はない。
【0011】次に、本発明の基板乾燥方法は、基板を回
転させつつ、基板の主面にノズルから気体を吹き付けて
基板を乾燥させる基板乾燥方法において、基板の回転中
心付近の水分を基板の外側に移動させるべく、少なくと
も基板の回転中心部から外側方向にノズルの吐出口を移
動させつつノズルの吐出口から基板に向けて気体を吹き
付けることを特徴とするものである。また、好ましく
は、このノズルの吐出口の移動が、その吐出口と基板の
主面とを所定距離だけ離間した状態で基板の主面と平行
な移動とするか、または、基板の回転中心の鉛直上方付
近を揺動中心とした吐出口の円弧状の移動とするかであ
る。
【0012】この構成により、少なくとも基板の回転中
心部から外側方向にノズルの吐出口を移動させつつノズ
ルの吐出口から基板に向けて気体を吹き付けて、遠心力
がかかりにくい基板の回転中心付近に残った処理液など
を遠心力がより働く基板の外側に掃き出すことで、処理
液などを振り切ることによる乾燥能力を向上させること
ができるので、遠心力による乾燥能力を低下させること
なく、基板の回転数をより低く設定することができて、
大型化と共に薄型化した基板の回転による破損やミスト
の基板への付着を防止することが可能となる。
【0013】また、このノズルの吐出口の移動が、その
吐出口と基板の主面とを所定距離だけ離間した状態で基
板の主面と平行な移動とする場合、遠心力がより働く外
周方向に処理液などを掃き出すガス圧力が基板の主面の
各部で一定となり得るので、少なくとも、回転中心部で
処理液などが外側に移動し得るガス圧力以上であればよ
いことになる。
【0014】さらに、このノズルの吐出口の移動が、基
板の回転中心の鉛直上方付近を揺動中心とした吐出口の
円弧状の移動とする場合、ノズルの吐出口と基板の主面
との距離が、基板の回転中心部で最も近く位置している
ので、遠心力が最もかかりにくい回転中心部ほど処理液
を最も勢いよく外側に向けて掃き出すことが可能とな
る。この場合、基板の回転中心部から外側になるほど基
板上にはガス圧力がかからず、基板へのストレスも少な
くなる。また、基板の回転中心部から外側になるほど基
板上にガス圧力がかからなくても、基板の外側ほど遠心
力が働くので、処理液などの外側への掃き出しには支障
はない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る回転式基板乾
燥装置の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】図1は本発明の一実施形態における回転式
基板乾燥装置を含む基板処理装置の構成を示す平面図で
あり、図2は図1の回転式基板乾燥装置の要部を示す断
面図である。
【0017】図1および図2において、この基板処理装
置1は、所定の処理液が供給された未乾燥の角形基板2
に対して乾燥処理を行うものであり、基板搬入部3と、
基板乾燥部4と、基板搬出部5と、基板搬送部6とを備
えている。
【0018】この基板搬入部3は、前段の処理液を使用
した処理工程から純水などの処理液が付着した状態の基
板2を基板乾燥部4に搬送するためのものであり、基板
2は、互いに同期して回転する搬送ローラ7上に支持さ
れて搬送されてくる。
【0019】この基板乾燥部4は、基板2を保持して回
転するスピンチャック8と、この回転中に、基板2の表
面に乾燥促進用の窒素ガス、ネオンガスおよびアルゴン
ガスなどの不活性ガスまたはエアーなどを吹き付け(本
実施形態では窒素ガスを用いる)つつ基板2の回転中央
部上から外側へスキャンして基板2の中央部に残留した
水分などを吹き飛ばすことで遠心力による乾燥能力を補
助する気体吹き付け機構9と、スピンチャック8の回転
時に処理液の飛散を防止するためのカップ10とを備え
ている。このカップ10内には、スピンチャック8の回
転時に吹き飛ばされた処理液が舞い上がったミストを吸
引して排出する排出口(図示せず)を備えた排気設備が
配設されている。この排気設備で、スピンチャック8と
共に基板2を回転させたときに生じる気流により、遠心
力およびブロー圧力で吹き飛ばされた処理液がミスト状
に舞い上がっても、これを排出口(図示せず)を介して
吸引することによって、ミストが基板2に再付着し、こ
れがパーティクルとして製品不良を高める原因を抑制し
ている。
【0020】また、基板搬出部5は、基板乾燥部4で乾
燥処理を行った基板2を後段の処理工程に搬送するもの
であり、基板搬入部3と同様に、互いに同期して回転す
る搬送ローラ7により基板2を支持して搬送していくも
のである。
【0021】さらに、基板搬送部6は、基板搬入部3と
基板乾燥部4、および基板乾燥部4と基板搬出部5の間
でそれぞれ基板2を搬送するものであり、基板搬入部3
の搬送ローラ7上に載置された基板2を基板乾燥部4の
スピンチャック8上に搬送するための第1チャック11
と、基板乾燥部4のスピンチャック8上に載置された基
板2を基板搬出部5の搬送ローラ7上に搬送するための
第2チャック12とを備えている。これらの第1チャッ
ク11および第2チャック12はそれぞれ、駆動モータ
13によって駆動力を受ける同期ベルト14に連結され
ており、互いに同期して図1における左右方向に移動す
るように構成されている。
【0022】さらに、スピンチャック8は、互いに交差
する2本のアーム15,16により構成されており、各
アーム15,16の先端部にはそれぞれ、角形の基板2
の各4角部の端面をそれぞれ2点で当接して位置決めす
るための合計8本の位置決めピン17がそれぞれ立設さ
れている。また、角形の基板2の各4角部に対応したア
ーム15,16の先端部上には、基板2の裏面を下方か
ら支持する先端が突状の支持ピン19が配設されてい
る。さらに、2本のアーム15,16の交差する中央部
には開口部18が設けられており、この開口部18から
基板2の裏面に向けて回転中に純水などの処理液や窒素
ガスを供給する構成になっており、純水で裏面洗浄をし
たのち窒素ガスで乾燥処理するものである。
【0023】また、このスピンチャック8は、連結部材
20を介して駆動モータ21の回転軸22と連結されて
いる。また、この駆動モータ21の裏面にはロータリー
エンコーダ23が配設されており、このロータリーエン
コーダ23で駆動モータ21の回転数や回転角度位置が
検出されてスピンチャック8の回転が監視されている。
さらに、駆動モータ21の回転軸22には中空軸が採用
されており、この中空軸内を、純水と窒素ガスとの導入
管である2重管24が貫通して配設されている。この2
重管24は、基板2の裏面に純水や窒素ガスを供給すべ
く、スピンチャック8の中央部に形成された開口部18
近くまで配設されている。
【0024】さらに、気体吹き付け機構9は、ブローノ
ズル移動手段としての駆動モータ25によってその軸を
回動中心として回動可能な基部26と、この基部26に
支持され、基板2側の下方を向いた吐出口から乾燥用の
窒素ガスが吐出されるブローノズル27とを有してい
る。このブローノズル27はカップ10の上端縁を超え
て基部26に連結されており、モータ駆動回路を含む制
御手段25aによる駆動モータ25の駆動制御によっ
て、基部26を介してブローノズル27先端の吐出口
を、図3に示された基板2の回転中心部上の所定位置A
と、基板2の回転端部上の所定位置Bとの半径間を往復
移動すると共に、基板2の回転中心付近の水分を基板2
の遠心力が強く働く外側に向けて吹き飛ばすべく、ブロ
ーノズル27先端の吐出口から乾燥用の窒素ガスを基板
2に吹き付けつつ、基板2の回転中心部上の所定位置A
から回転端部上の所定位置Bにその吐出口を移動させる
構成としている。このとき、ブローノズル27先端の吐
出口は、基板2の主面と所定距離(1mm〜10mmの
範囲内とするが、より好ましくは近いほど吹き飛ばす能
力が高い)だけ離間した状態で基板2の主面と平行に移
動することになる。このブローノズル27先端の吐出口
と基板2の主面との所定距離は近いほど、残留水分など
を吹き飛ばす能力は高いが、近過ぎるとブロー圧力が高
くなって基板2の割れなどの原因になるので、窒素ガス
流量との関係も考慮に入れて設定されることになる。さ
らに、基板乾燥工程が終了すると、基板2の回転端部上
の所定位置Bよりもさらに外側の待機位置Cに気体吹き
付け機構9のブローノズル27を移動させて待機させる
ものである。以上の制御手段25aおよび駆動モータ2
5によりノズル移動機構9aが構成されており、ブロー
ノズル27を制御手段25aが駆動モータ25を介して
移動制御している。
【0025】上記構成により、まず、例えば薬液洗浄処
理を済ませた未乾燥の角形基板2を、対向する2辺のそ
れぞれを第1チャック11で支持しながら基盤搬入部3
の搬送ローラ7上から基板乾燥部4のスピンチャック8
上方まで搬送した後に基板2を下降させて、スピンチャ
ック8の位置決めピン17で位置決めされた状態で支持
ピン19上に基板2を載置する。その後、第1チャック
11は上昇して基板搬入部3上に戻ると共に、基板乾燥
部4上方には第2チャック12が戻って待機状態とな
る。
【0026】次に、スピンチャック8を基板2と共に回
転させると共に、駆動モータ25によってその軸を中心
にブローノズル27を、その待機位置(図3のC位置)
から基板2の回転中心部(図3のA位置)上まで移動さ
せる。さらに、基板2の回転中心部上で、ガスブローノ
ズル27の吐出口から基板2の中央表面側に窒素ガスを
吹き付けながら、駆動モータ25によってその軸を回動
中心として、基板2の回転中心部上から回転端部(図3
のB位置)上の外側の方向にブローノズル27先端の吐
出口を円弧状に移動させて、基板2の回転中央部付近に
残った水分などを遠心力がより強く働く外側に掃き出し
て遠心力による乾燥能力を良好に補助する。
【0027】このときの窒素ガスの噴出は基板2が回転
中に行わないと、基板2の主面の乾燥が均一に行われず
乾燥ムラが発生してパーティクルの発生原因になる。ま
た、処理液などを振り切るのに有効な遠心力を有する有
効半径は、基板2の回転数により異なり回転数が高けれ
ば高いほど、回転中心部に近づいて小さくなっていく。
即ち、回転中心部付近に近づくほど遠心力は小さくなり
回転中心で遠心力はなくなる。したがって、基板2の回
転数を低く設定すればするほど、処理液などを振り切る
のに有効な有効半径も大きくなるが、残留した処理液な
どを少なくともこの有効半径よりも外側に掃き出すよう
にすれば、基板2の回転数を低く設定することで大型化
した基板2の割れなどを防止しつつ良好な乾燥処理を行
うことができる。さらに、ブローノズル27先端の吐出
口が基板2の主面上に沿って移動する速度と、この吐出
口からのガス流量と、この吐出口と基板の主面との距離
とによって、基板2の割れの原因となる基板2上のガス
圧であるブロー圧力が決まるが、吐出口と基板の主面と
の距離を小さくすれば、その分だけガス流量を少なく設
定することができ、かつブローノズル27先端の移動速
度を速くすればするほど基板2上にかかるガス圧も小さ
くなって基板2の割れなどの破損の原因を抑えることも
できる。
【0028】さらに、上記と同様に、駆動モータ25に
よってその軸を回動中心としてブローノズル27を基板
2の回転中心部(図3のA位置)上まで再び移動させ
る。このときは、ガスの吐出を停止している。このよう
に、基板2の回転中心部上と回転端部(図3のB位置)
上との半径間を往復移動(1回以上)すると共に、基板
2の回転中心部上から回転端部上にブローノズル27の
吐出口を移動するときに、その吐出口から乾燥用の窒素
ガスを基板2に噴射させることが繰り返されることで基
板2の乾燥が行われる。この乾燥処理後において、駆動
モータ25によってその軸を回動中心としてブローノズ
ル27を基板2の回転端部(図3のB位置)上から待機
位置(図3のC位置)に移動させる。
【0029】その後、前述の場合とは逆の動作によっ
て、スピンチャック8から基板2を、上方に待機してい
る第2チャック12で取り出して基板搬出部5の搬送ロ
ーラ7上に搬送し、基板2を搬送ローラ7で後処理工程
に搬送することになる。
【0030】このように、ブローノズル27先端の吐出
口を、少なくとも基板2の回転中心部から回転端部に移
動させつつブローノズル27の吐出口から基板2に向け
て気体を吹き付けるようにしたため、基板2の回転中心
付近に残った水分などを遠心力がより働く基板2の外側
に掃き出すことができて、遠心力による乾燥能力を効率
よく発揮させることができる。このため、スピンチャッ
ク8の回転数をより低く設定することができて、大型化
した基板2であっても基板2の回転に伴う気流の発生も
少なく、ミストの基板2への再付着を抑えることができ
て基板2の汚染を防止することができ、また、発生する
ミストの量も少なくなるので排気設備も小型のもので済
み、それに必要なスペースやコストも低減させることが
できる。つまり、回転数が同一の場合には基板2が大型
化するほど、回転時に発生する気流の風量、風速および
風圧も大きくなるため、基板回転部の外周部の排気口内
の負圧もそれに伴って低くする必要があり、排気能力の
高い排気設備を必要とするが、本実施形態では、遠心力
による乾燥能力を効率よく発揮させることができるた
め、大型化した基板2であってもスピンチャック8の回
転数をより低く設定することができて、回転に伴って発
生する気流の風量、風速および風圧も少なくなり、排気
設備を大型化することなくミストの基板2への再付着を
抑えることができて基板2の汚染を防止することができ
るものである。
【0031】また、スピンチャック8の回転数が同じ場
合には、回転時にかかるストレスは基板サイズが大きく
なるほど大きくなり、基板2の割れなどの破損の可能性
も高くなるが、基板2の乾燥能力を低下させずにスピン
チャック8の回転数を低く設定することができるため、
大型化した基板2であっても回転時にかかる基板2への
ストレスを低減することができて、基板2の回転による
割れなどの破損を防止することができる。この割れなど
の破損防止効果は基板2が薄型化するほど有効となる。
また、従来のように基板2の回転中心上から固定状態で
窒素ガスを基板2の中央部に供給するのではなく、基板
2の回転中心上から端部側にスキャンするので、ブロー
圧力が基板2の中央部に常にかからず分散される。この
ため、ブローノズル27先端の吐出口を基板2の主面に
近付けることができて、窒素ガスの流量を増やすことな
く水分などを吹き飛ばす能力を高めることができる。
【0032】さらに、基板2が大型化するのに伴って駆
動モータにかかる負荷も大きくなるため、スピンチャッ
ク8の加減速性能を維持するためには、駆動モータ21
の加減速性能の定格をランクアップする必要があるが、
基板2の乾燥能力を低下させずにスピンチャック8に必
要な回転数を低く設定できるため、駆動モータ21の加
減速性能の定格をランクダウンしてもその加減速に必要
な時間が同等に維持でき、大型化した基板2であっても
駆動モータ21のサイズも大きくならず、それに必要な
スペースやコストも抑えることができる。
【0033】なお、本実施形態では、駆動モータ25に
よってその軸を回動中心としてブローノズル27の吐出
口を円弧状に基板2の回転中心部から回転端部の外側半
径方向に少なくとも1回移動させつつブローノズル27
の吐出口から基板2に向けて気体を吹き付ける構成とし
たが、基板2の回転中心部から回転端部の外側半径方向
であって、少なくとも、処理液などを振り切るのに有効
な遠心力を有する有効半径よりも外側にブローノズル2
7の吐出口を移動させつつブローノズル27の吐出口か
ら基板2に向けて気体を吹き付ける構成としてもよい。
また、これに限らず、駆動モータ25によってその軸を
回動中心としてブローノズル27の吐出口を円弧状に基
板2の回転端部から回転中心部を介した反対側の回転端
部の直径方向に少なくとも1回移動させつつブローノズ
ル27の吐出口から基板2に向けて気体を吹き付ける構
成としてもよい。これらの基板2の回転中心部から回転
端部への半径方向の移動や、基板2の回転端部から回転
中心部を介した反対側の回転端部に至る直径方向の移動
は、駆動モータ25によってその軸を回動中心としてブ
ローノズル27の吐出口を円弧状に行ったが、これに限
らず、図4に示すように、案内レール31上に沿ってブ
ローノズル32の吐出口を回転中心Pを含む回転半径方
向または回転直径方向に直線状に移動させるようにして
もよい。要は、ブローノズル27の吐出口を移動させる
範囲は、基板2の回転直径範囲D1内で、処理液などを
振り切るのに有効な有効半径範囲D2以上であればよ
い。
【0034】また、本実施形態では、駆動モータ25に
よってその軸を回動中心としてブローノズル27の吐出
口を基板2の主面に沿って円弧状に基板2の回転中心部
から回転端部の外側半径方向に移動させつつブローノズ
ル27の吐出口から基板2に向けて気体を吹き付ける構
成としたが、図5および図6に示すように駆動モータ4
1によってその軸を回動中心としてブローノズル42の
吐出口を基板2の主面に直交した方向に円弧状に基板2
の回転中心部から回転端部の方向に向けて少なくとも1
回回動させつつブローノズル27の吐出口から基板2に
向けて気体を吹き付ける構成としてもよい。また、これ
に限らず、駆動モータ41によってその軸を回動中心と
してブローノズル42の吐出口を上下方向の円弧状に基
板2の回転端部から回転中心部を介した反対側の回転端
部の方向に少なくとも1回回動させつつブローノズル2
7の吐出口から基板2に向けて気体を吹き付ける構成と
してもよい。これらのように、ブローノズル27の吐出
口と基板2の主面との距離が変化してもよいが、基板2
の回転中心部で最もガス圧力が高くなるようにその距離
を近付け、遠心力がかかりにくい回転中心部に残留する
処理液を最も勢いよく外側に向けて掃き出すように構成
する。
【0035】さらに、本実施形態では、駆動モータ25
によってその軸を回動中心としてブローノズル27の吐
出口を円弧状に基板2の回転中心部から回転端部の外側
半径方向に基板2の主面に沿って移動させたが、駆動モ
ータ25の他にロータリーシリンダなどのノズル回動手
段を用いることもできる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ノズルの
吐出口を少なくとも基板の回転中心部上から外側方向に
移動させつつ基板の主面にノズルから気体を吹き付け
て、遠心力が働きにくい基板の回転中心付近に残った処
理液などを遠心力がより働く基板の外側に掃き出して、
処理液などをより強い遠心力で振り切ることによって乾
燥能力を向上させることができるため、遠心力による乾
燥能力を低下させることなく、基板の回転数をより低く
設定することができて、大型化した基板であっても基板
の回転に伴う気流の発生も少なくすることができ、ミス
トの基板への再付着による基板の汚染を防止することが
できる。また、このように、基板の乾燥能力を低下させ
ずに基板の回転数を低く設定できるため、大型化または
薄型化した基板であっても回転時にかかる基板へのスト
レスを低減させることができて、基板の回転による割れ
などの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における回転式基板乾燥装
置を含む基板処理装置の構成を示す平面図である。
【図2】図1の回転式基板乾燥装置の要部を示す断面図
である。
【図3】図1の気体供給機構の基板に対する移動範囲を
示す要部平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態における回転式基板乾燥
装置の気体供給機構の基板に対する移動範囲を簡単に示
す要部平面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態における回転式基
板乾燥装置の気体供給機構の概略構成を示す要部正面図
である。
【図6】図5の気体供給機構の基板に対する移動範囲を
簡単に示す側面図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置 2 基板 4 基板乾燥部 8 スピンチャック 9 気体吹き付け機構 9a ノズル移動機構 15,16 アーム 17 位置決めピン 19 支持ピン 21 駆動モータ 25,41 駆動モータ(ブローノズル移動手段) 25a 制御手段 27,32,42 ブローノズル 31 案内レール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板を回転させつつ、前記基板の主面に
    ノズルから気体を吹き付けて基板を乾燥させる回転式基
    板乾燥装置において、 気体を吐出している前記ノズルの吐出口を少なくとも前
    記基板の回転中心部から外側方向に移動可能なノズル移
    動機構を有していることを特徴とする回転式基板乾燥装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ノズル移動機構は、前記ノズルの吐
    出口を前記基板の主面と所定距離だけ離間した状態で前
    記基板の主面と平行に移動自在に構成されていることを
    特徴とする請求項1記載の回転式基板乾燥装置。
  3. 【請求項3】 前記ノズル移動機構は、前記基板の回転
    中心の鉛直上方付近を揺動中心として前記ノズルの吐出
    口を円弧状に移動自在に構成されていることを特徴とす
    る請求項1記載の回転式基板乾燥装置。
  4. 【請求項4】 基板を回転させつつ、前記基板の主面に
    ノズルから気体を吹き付けて基板を乾燥させる基板乾燥
    方法において、 少なくとも前記基板の回転中心部から外側方向に前記ノ
    ズルの吐出口を移動させつつ前記ノズルの吐出口から前
    記基板に向けて気体を吹き付けることを特徴とする基板
    乾燥方法。
  5. 【請求項5】 前記ノズルの吐出口を前記基板の主面と
    所定距離だけ離間した状態で前記基板の主面と平行に移
    動させることを特徴とする請求項4記載の基板乾燥方
    法。
  6. 【請求項6】 前記基板の回転中心の鉛直上方付近を揺
    動中心として前記ノズルの吐出口を円弧状に移動させる
    ことを特徴とする請求項4記載の基板乾燥方法。
JP22263496A 1996-08-23 1996-08-23 回転式基板乾燥装置および基板乾燥方法 Pending JPH1064875A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003100684A (ja) * 2001-09-25 2003-04-04 Okamoto Machine Tool Works Ltd 基板の研磨装置および基板の研磨・洗浄・乾燥方法
JP2007180185A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Disco Abrasive Syst Ltd 洗浄装置
KR100871791B1 (ko) 2003-12-30 2008-12-05 동부일렉트로닉스 주식회사 씨엠피 장비의 웨이퍼 건조 장치

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Effective date: 20030204