JPH1062346A - 合成石英ガラスの内部吸収係数測定方法および測定装置 - Google Patents
合成石英ガラスの内部吸収係数測定方法および測定装置Info
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- JPH1062346A JPH1062346A JP8222162A JP22216296A JPH1062346A JP H1062346 A JPH1062346 A JP H1062346A JP 8222162 A JP8222162 A JP 8222162A JP 22216296 A JP22216296 A JP 22216296A JP H1062346 A JPH1062346 A JP H1062346A
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Abstract
nmの範囲の所望の光についての内部吸収係数を、0.
001cm-1以下の精度で測定出来る方法を提供する。 【解決手段】 合成石英ガラス27に対し前記所望の光
を照射したときに前記合成石英ガラスから発せられる波
長300nmを主波長とする光の強度から、前記内部吸
収係数を推定する。
Description
波長210nm以下の光についての内部吸収係数測定方
法およびその実施に好適な測定装置に関するものであ
る。
力が高い投影露光装置(典型的にはステッパ)が望まれ
ている。そのため投影露光装置の光源は、g線(436
nm)からi線(365nm)、さらにはKrF(24
8nm)やArF(193nm)エキシマレーザへと短
波長化されている。特に、64Mビット以上のDRAM
に相当するような高集積化半導体装置を製造するための
ステッパでは、ステッパの解像度の指標であるラインア
ンドスペースを0.3μm以下にする必要があることか
ら、露光光としてエキシマレーザ等、波長が250nm
以下の紫外線や真空紫外線が用いられている。
置のレンズ材料も変更される。なぜなら、i線以上の長
波長の光源を用いたステッパの照明光学系あるいは投影
光学系のレンズ材料として一般に用いられる多成分の光
学ガラスでは、i線よりも短い波長領域での光透過率が
急激に低下してしまう。特に250nm以下の波長領域
の光は実質的に透過しなくなってしまう。そのため、エ
キシマレーザを光源としたステッパでは、レンズは石英
ガラス特に合成石英ガラスで構成される。しかも、所望
の出力光特性およびエキシマレーザ耐性等が得られるよ
う、合成石英ガラスには、エキシマレーザについての厚
さ1cm当たりの内部透過率が99.8%以上(内部吸
収係数で表現すれば0.002cm-1以下)という高透
過率が要求される。このような点から、エキシマレーザ
を光源とするステッパ用の合成石英ガラスを開発する上
では、合成石英ガラスでのエキシマレーザについての内
部吸収係数を、0.001cm-1以下の高精度で測定で
きる方法が確率される必要がある。これが確立されれ
ば、開発した合成石英ガラスの品質を、レンズに加工す
る前の段階で評価できる等の利点が得られるからであ
る。
での石英ガラスの内部吸収係数は、可視光領域と同様
に、ダブルビーム型分光光度計による透過率測定から算
出する方法がとられていた。すなわち、透過率を求めた
後、 内部吸収係数=−ln(透過率/理論透過率)/試料厚さ ・・・(I) という既知の式に従って内部吸収係数を算出する方法が
とられていた。なお、理論透過率とは、内部吸収がゼロ
で、表面反射損失のみで決まる透過率のことである。こ
の既知の測定方法であっても、波長が200nm以上の
光であれば、その内部吸収係数を0.01〜0.001
cm-1の精度で測定できた。
ビーム型分光光度計を用いた従来の内部吸収係数測定方
法では、波長が200nm以下の光についての内部吸収
係数を0.001cm-1以下の高精度で測定すること自
体、主に以下の(1),(2)の理由から、困難であっ
た。したがって例えば実用化に向け鋭意研究が進められ
ているArFエキシマレーザの波長である波長193n
mの光などについても、その内部吸収係数を0.001
cm-1以下の高精度で測定することは、従来は困難であ
った。
下の精度で測定するためには、透過率測定の精度として
0.1%以下の精度が必要になる。なぜなら通常の測定
では内部吸収係数は上記(I)式に従い求めるので、透
過率の値自体も0.1%以下の精度が必要になるからで
ある。しかし、現在最高の精度を有する市販の分光光度
計であっても、上記精度は高々0.2%〜0.4%であ
るので、内部吸収係数についての上記精度(0.001
cm-1以下の精度)は確保できない。
0nm以下の光についての表面吸収や表面散乱に起因す
る損失(以下、表面損失という。)も、0.1%未満、
より好ましくは実質ゼロに維持される必要がある。そう
でないと、透過率測定の際に生じている損失が表面損失
によるものなのか内部吸収損失によるものなのかが分か
らないことになるので、内部吸収損失を0.001%以
下の精度で測定できないからである。しかし、表面を一
般の研磨精度で加工した試料では波長200nm以下の
領域の光についての表面損失は内部吸収損失と同程度か
それ以上に達してしまう。したがって、内部吸収係数に
ついての上記精度(0.001cm-1以下の精度)はや
はり確保できない。
(a)透過率測定時の試料の光路長をできるだけ長くと
る方法(光路長を長くすることで、内部吸収を起こす領
域を増加させて表面損失の影響を低減する方法)、
(b)光音響測定法などが検討されてきた。しかし、
(a)、(b)いずれの方法も、前述の問題点を解決す
ることはできなかった。なぜなら、(a)ではこんどは
長尺の試料内の各部での内部吸収量が均質でない場合に
正確な評価ができない、(b)では内部吸収と表面吸収
がやはり区別できないからである。
のであり、従ってこの発明の目的は、従来測定困難であ
った、波長200nm以下の光例えばArFエキシマレ
ーザの波長である193nm光についての合成石英ガラ
スでの内部吸収係数を、0.001cm-1以下の高精度
で測定可能な、新規な内部吸収係数測定方法およびその
実施に好適な測定装置を提供することにある。
明者は鋭意研究を重ねた。そして先ず、例えば特開平6
−183752号公報に記載されているような事実、す
なわち合成石英ガラスにエキシマレーザを照射するとこ
の合成石英ガラスでは波長650nm、280〜300
nm、450nm付近にそれぞれピークを持つ発光がそ
れぞれ生じるという事実に着目した。次に、合成石英ガ
ラスにArFエキシマレーザを照射した際の該合成石英
ガラスで生じる発光現象と、該合成石英ガラスでのAr
Fエキシマレーザについての内部吸収係数との関係を詳
細に調査した。その結果、300nm光を主波長とする
発光帯のみが、ArFエキシマレーザについての内部吸
収係数と相関関係があり、その他の発光帯は相関関係が
ないことを見い出した。具体的には、ArFエキシマレ
ーザについての内部吸収係数が既知の測定方法(例えば
ダブルビーム型分光光度計による測定方法)によって測
定可能な程度に大きい複数のサンプル合成石英ガラスの
前記内部吸収係数を、前記既知の測定方法によって予め
測定し、かつ、該サンプルに対しArFエキシマレーザ
を照射して該サンプルから発せられる波長300nmを
主波長とする光の強度を予め測定したところ、この発光
強度と、ArFエキシマレーザについての内部吸収係数
とは、1対1の相関関係を示すことを見出した(図3参
照)。しかも、この300nmを主波長とする発光は、
所望の波長の光についての内部吸収係数が正確に評価で
きないようなサンプルからも、S/N良く検出できるこ
とがわかった。すなわち、所望の波長の光についての内
部吸収が微弱すぎて(内部吸収係数が例えば0.005
cm-1以下(内部透過率でいえば99.5%/cm以
上))、既知の測定方法(例えばダブルビーム型分光光
度計による方法)では内部吸収係数が正確に測定出来な
いようなサンプルからも、この300nmを主波長とす
る発光はS/N良く検出できることがわかった。またさ
らに、この300nm光を主波長とする発光は、ArF
エキシマレーザに対しのみではなく、波長が210nm
〜160nmの範囲の他の光を合成石英ガラスに照射し
た場合にも、生じることが分かった。これは300nm
の発光帯を生じさせる吸収帯が波長210nm〜160
nmの範囲に種々存在しているためと考えられる。これ
らのことからして、合成石英ガラスに対し波長210〜
160nmの範囲の所望の波長の光(例えばArFエキ
シマレーザ)を照射したときに該合成石英ガラスから発
せられる波長300nmを主波長とする光の強度から、
該所望の波長の光(例えばArFエキシマレーザ)の内
部吸収係数が推定できると、この出願に係る発明者は考
えた。
内部吸収係数測定方法の発明によれば、合成石英ガラス
での波長210nm〜160nmの範囲の所望の光につ
いての内部吸収係数を測定するに当たり、前記合成石英
ガラスに対し前記所望の光を照射したときに前記合成石
英ガラスから発せられる波長300nmを主波長とする
光の強度から、前記内部吸収係数を推定することを特徴
とする。
は、これに限られないが、例えば直接法や、スート法
や、CVD法により合成される合成石英ガラスであるこ
とができる。また、波長300nmを主波長とする光の
発光(300nmの発光帯)とは、典型的には波長28
0〜320nm程度の範囲(これより狭い範囲も含む)
とできる。
収係数測定装置の発明によれば、測定対象の合成石英ガ
ラスに対し前記所望の光を照射するための光源と、前記
所望の光が照射されたときに合成石英ガラスから発せら
れる主波長300nmの発光の強度を測定する発光測定
部と、前記発光強度と前記内部吸収係数との関係を示す
データを予め内蔵していて、前記測定された発光強度と
前記内蔵データとから前記内部吸収係数を算出する内部
吸収係数算出部とを具えたことを特徴とする。
nm〜160nmの範囲の所望の波長の光についての合
成石英ガラスでの内部吸収係数を、0.001cm-1以
下の精度でかつ自動的に測定出来る。
合成石英ガラスの内部吸収係数測定方法および測定装置
の実施の形態について説明する。なお、説明に用いる各
図はこれら発明を理解出来る程度に概略的に示してある
にすぎない。
の説明図である。測定装置をその上方から見たブロック
図である。図1において、11は光源、13は入力光側
マスク、15は試料台、17はパワーメータをそれぞれ
示す。さらに図1において、19は発光検出側マスク、
21は集光用レンズ、23は発光測定部、25は内部吸
収係数算出部、27は測定対象の合成石英ガラス(以
下、試料ともいう。)をそれぞれ示す。
ワーメータ17それぞれは、光源11から出力される光
(この発明でいう所望の光)の光路に沿って、この順に
配置する。また、発光検出側マスク19、集光用レンズ
21、発光測定部23それぞれは、試料27から発せら
れる波長300nmを主波長とする発光を検出するに好
適な位置に、配置する。ここでは、光源11から出力さ
れる光の光軸に対し垂直な方向に沿って発光検出側マス
ク19、集光用レンズ21、発光測定部23それぞれを
配置した例を示してある。このように配置した場合、試
料27表面で光源11からの光に起因して散乱光が生じ
てもそれが発光測定部23に影響することを防止出来
る。
mの範囲の所望の波長の光を出力するものである。所望
の波長の光をArFエキシマレーザとする場合なら、光
源11はArFエキシマレーザ装置で構成する。なお、
光源11から試料27に照射する光のパワーは、試料か
ら波長300nmを主波長とする目的の発光が得られる
ことを前提に、なるべく低くするのがよい。このパワー
が高すぎると光源11からの光により試料27にダメー
ジを与えることになるからである。光源としてArFエ
キシマレーザ装置を用いる場合でいえば、そのパワー
は、エネルギー密度でいって、1〜100mJ/cm2 /pu
lse の範囲、より好ましくは1〜50mJ/cm2 /pulse
の範囲から選ばれた値とし、該光パルスの繰り返し周波
数は10〜300Hz、好ましくは10〜100Hzと
するのがよい。
出力される光の試料27に対する励起面積を規定するも
のである。励起面積が広すぎると試料27内の透過率の
場所ムラの影響が出るので、入力光側マスク13を設け
てこれを抑制しているのである。この入力光側マスク1
3は、所定の大きさの開口部13aを有した板状のもの
で構成出来る。開口部13aは、例えば10mm角より
小さな面積の開口部とするのが良い。
所定位置にセットするためのものである。この試料台1
5は、任意好適なもので構成出来る。
る光の強度をモニターしかつそれを光源11にフィード
バックして光源11の出力の安定化を図るためのもので
ある。このパワーメータは公知のモニター手段で構成で
きる。
の散乱光が発光測定部23により検出されるのを抑制す
るためのものである。この発光検出側マスク19は、所
定の平面形状および大きさの開口部19aを有した板状
のもので構成出来る。
波長300nmを主波長とする光を発光測定部23に効
率良く導くためのものである。このレンズ21は、石英
ガラス製レンズで構成する。
波長300nmを主波長とする光の強度を測定するもの
である。この発光測定部23は、例えば、回折格子分光
器あるいは干渉フィルタ分光器と、光検出器とにより構
成出来る。
の波長300nmを主波長とする発光の強度から目的の
内部吸収係数を推定するためのデータを内蔵していて、
かつ、前記発光強度と前記データとから前記内部吸収係
数を算出するものである。具体的には、波長300nm
を主波長とする発光の強度と、内部吸収係数との関係を
示す式あるいはテーブル等を有していて、試料27の内
部吸収係数を自動的に算出するものとできる。例えばマ
イクロプロセッサを内蔵した演算回路等により、この内
部吸収係数算出部25は構成できる。
て対向面が研磨されているものとするのがよい。しか
も、側面の少なくとも一部も研磨されているものとする
のがよい。平行平板の一方の面が光源11と対向し、か
つ、他方の面がパワーメータ17と対向し、研磨した側
面が発光検出側マスク19と対向するよう、試料27を
試料台15上に置く。試料27の平行平板の各面および
側面を研磨しているのは、光源11からの光が試料27
表面で散乱したり吸収されることを抑制するため、およ
び、300nmを主波長とする発光が試料27表面で散
乱したり吸収されることを抑制するためである。
に詳細に説明する。まずこの実施例で用いた石英ガラス
について説明する。この実施例では、市販の合成石英ガ
ラスと、自社で作製した合成石英ガラスを用いた。
成された合成石英ガラスを数社から、合計で4個購入し
た。購入した合成石英ガラスは、いずれも、遷移金属不
純物が0.1ppm以下の高純度なものであり、かつO
H基の含有量が600〜900ppmのものであった。
いずれの合成石英ガラスも、Φ60mm、厚さ10mm
+αの形状で購入した。これら合成石英ガラスそれぞれ
を、対向する2面の平行度が10秒以内、片面ごとの平
坦度がニュートンリング3本以内、片面ごとの表面粗さ
がrms(自乗平均誤差)=10オングストローム以下
になるように、かつ、最終的に厚さが10±0.1mm
となるように精密研磨をした。さらに、表面に研磨材が
残留しないように、高純度SiO2 粉による仕上げ研磨
加工を施した。さらに上記2面の研磨面と垂直な側面に
オリエンテーションフラットな面(後に発光取り出し面
となる面)を作製してその面も研磨を施した。このよう
にして、市販の合成石英ガラスについての実験用試料を
準備した。
験用試料は次のように準備した。先ず、合成石英ガラス
を次のように合成した。石英ガラス製バーナにて酸素ガ
ス及び水素ガスを混合し燃焼させる。原料としての高純
度(純度99.99%以上で金属不純物Fe濃度が10
ppb以下、Ni、Cr濃度が2ppb以下)の四塩化
ケイ素を、キャリアガス(通常、酸素ガス)で希釈しな
がら、上記バーナの中心管から原料流量30g/分で噴
出させる。この際、火炎中で加水分解により石英ガラス
微粒子(スート)が発生する。このスートを1分間に7
回転の速度で回転し、80mmの移動距離、90秒周期
で揺動し、1時間当たり4mmの速度で引き下げを行っ
ているΦ200の石英ガラスターゲット板上に堆積、溶
融して、石英ガラスを合成した。なお、この合成の際の
水素ガス流量が約500slmとなるようにし、酸素ガ
ス流量と水素ガス流量との比率がO2 /H2 =0.4と
なるようにした。また、この合成では、合成炉の耐火物
から積層点までの距離を最短で200mmとなるように
した。積層点とはバーナから噴出されるスートがインゴ
ットヘッドに到達する場所のことである。また、合成炉
の耐火物は石英ガラスインゴットヘッドの周りに縦60
0mm×横800mm×高さ800mmの内面形状にな
るように配置されたもので、純度99%のアルミナ(A
l2 O3 )製である。このようにして得られた石英ガラ
スインゴットの中心から、Φ60mm、厚さ10mmの
石英ガラス片を切り出した。切り出した石英ガラス片を
上述した市販の石英ガラスに対し行なったと同様の研磨
処理等をして実験用試料の1つとした。
シマレーザ(193nm)についての内部吸収係数を、
ダブルビーム型分光光度計による既知の方法によりそれ
ぞれ20回ずつ測定した。市販品の各試料の内部吸収係
数は、それぞれ平均値でいって、0.01cm-1、0.
02-1cm、0.03-1cm、0.04-1cmであっ
た。一方、自社製の試料の内部吸収係数は、平均値でい
って0.005-1cmであった。またいずれの試料の場
合も、測定誤差は3σでいって0.15%あった(図3
の各水準の横方向のばらつき参照)。この誤差は、分光
光度計の透過率数値の揺らぎ、測定再現性が主な原因で
生じるものであるので、各試料ともほぼ同じとなってい
るのである。各試料で測定誤差が同じということは、ダ
ブルビーム型分光光度計による既知の方法では、内部吸
収係数が小さい試料についての測定を行なう程、測定精
度が顕著に悪化することを意味する。したがって、Ar
Fエキシマレーザについての内部吸収係数が0.005
cm-1以下の領域になると、ダブルビーム型分光光度計
による既知の方法では内部吸収係数の測定が困難なこと
がわかる。
ザをパルスエネルギー密度10mj/cm2 、繰り返し
周波数50Hzで照射し、そのときに試料から発せられ
る波長300nmを主波長とする光の強度を測定する。
ただし、ここでは図1を用い説明した装置により波長3
00nmを主波長とする光の強度を測定した。しかも、
入力光側マスク13として、7×7mm角の開口部13
aを有した厚さが1mmアルミニウム板を用いた。ま
た、発光検出側マスク19として、幅2mm、長さ10
mmのスリット状の開口部19aを有したアルミニウム
板を用いた。図2に、試料から発せられる波長300n
mを主波長とする光のスペクトルの一例を示した。ただ
し、図2において横軸は波長(nm)、縦軸は発光強度
(任意単位)である。
で測定した内部吸収係数と、上記測定で得た波長300
nmを主波長とする光の強度との関係を調べて見た。具
体的には、横軸に上記既知の方法で測定した内部吸収係
数をとり、縦軸に上記測定した波長300nmを主波長
とする光の強度をとって、各試料の測定値をプロットし
てみた。その結果を図3に示した。この図3から分かる
ように、各試料から得られる波長300nmを主波長と
する光の強度と、波長193nm光の内部吸収係数との
間には1対1の相関関係が認められる。この場合は、内
部吸収係数=発光強度/100という相関関係が認めら
れる。しかも、波長300nmを主波長とする発光は、
内部透過率が正確に評価できなくなるような領域すなわ
ち内部吸収量が0.005cm-1以下(内部透過率9
9.5%/cm以上)の領域であっても、S/N良く検
出することが可能であることがわかる。したがって、図
3に示した特性図を検量線として用いることにより、3
00nm発光強度から193nm内部吸収係数を求める
ことが可能なことが分かる。また、300nm発光強度
を測定すれば、これと上記相関式とから、内部吸収係数
が自動的に算出できることも分かる。
の発明の合成石英ガラスの内部吸収係数測定方法によれ
ば、波長210nm〜160nmの範囲の所望の光を測
定対象の合成石英ガラスに照射しかつその際にこの合成
石英ガラスから発せられる波長300nmを主波長とす
る発光の強度を測定し、この発光強度から所望の光につ
いての内部吸収係数を求める。ここで、波長300nm
を主波長とするこの発光は、内部吸収係数と相関があ
り、しかも、内部吸収係数が微弱すぎて従来の測定法で
は測定出来ないような試料からもS/N良く発生する。
そのため、所望の波長の光についての内部吸収係数が小
さい合成石英ガラスであってもその内部吸収係数を、
0.001cm-1以下の高精度で測定できる。したがっ
て、合成石英ガラスが当初から有している内部吸収係数
という物性を、波長200nm以下の光についても従来
に比べてより小さな値の範囲まで正確に評価できる。そ
のため、例えばArFエキシマレーザリソグラフィ装
置、ArFエキシマレーザCVD装置、ArFエキシマ
レーザ加工装置などに組み込まれるレンズ部材や、波長
200nm以下の光を扱う他の装置のレンズ部材や、さ
らには波長200nm以下の光を扱うファイバ、窓部
材、ミラー、エタロン、プリズムなどに使用される合成
石英ガラスの評価を、より良好に行なえる。
収係数測定装置によれば、上記方法発明を容易に実施す
ることができる。
である。
係を示した図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 合成石英ガラスでの波長210nm〜1
60nmの範囲の所望の光についての内部吸収係数を測
定するに当たり、 前記合成石英ガラスに対し前記所望の光を照射したとき
に前記合成石英ガラスから発せられる波長300nmを
主波長とする光の強度から、前記内部吸収係数を推定す
ることを特徴とする合成石英ガラスの内部吸収係数測定
方法。 - 【請求項2】 合成石英ガラスでの波長210nm〜1
60nmの範囲の所望の光についての内部吸収係数を測
定するに当たり、 既知の測定方法によって測定可能な程度に前記内部吸収
係数が大きい複数のサンプルについての前記内部吸収係
数を、前記既知の測定方法によって予め測定し、かつ、
これらサンプルに対し前記所望の光を照射して該サンプ
ルから発せられる波長300nmを主波長とする光の強
度を予め測定して、前記発光強度と既知の測定方法によ
る前記内部吸収係数との関係を予め求めておき、 測定対象の合成石英ガラスの前記内部吸収係数は、該測
定対象の合成石英ガラスに対し前記所望の光を照射して
そこから発せられる波長300nmを主波長とする光の
強度と、前記関係とから、推定することを特徴とする合
成石英ガラスの内部吸収係数測定方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の合成石英ガラ
スの内部吸収係数測定方法において、 前記合成石英ガラスから前記波長300nmを主波長と
する光の強度を測定する際は、前記合成該石英ガラス表
面での散乱光の影響を抑制するために前記合成石英ガラ
スの発光測定領域を特定する開口部を有したマスクを介
して、行なうことを特徴とする合成石英ガラスの内部吸
収係数測定方法。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の合成石英ガラ
スの内部吸収係数測定方法において、 波長210nm〜160nmの範囲の前記所望の光が、
ArFエキシマレーザであることを特徴とする合成石英
ガラスの内部吸収係数測定方法。 - 【請求項5】 合成石英ガラスでの波長210nm〜1
60nmの範囲の所望の光についての内部吸収係数を測
定する装置において、 前記合成石英ガラスに対し前記所望の光を照射するため
の光源と、 前記所望の光が照射されたときに合成石英ガラスから発
せられる主波長300nmの発光の強度を測定する発光
測定部と、 前記発光強度と前記内部吸収係数との関係を示すデータ
を予め内蔵していて、前記測定された発光強度と前記内
蔵データとから前記内部吸収係数を算出する内部吸収係
数算出部とを具えたことを特徴とする合成石英ガラスの
内部吸収係数測定装置。 - 【請求項6】 請求項5に記載の合成石英ガラスの内部
吸収係数測定装置において、 前記データは、 既知の測定方法によって測定可能な程度に前記内部吸収
係数が大きい複数のサンプルについての前記内部吸収係
数を、前記既知の測定方法によって予め測定し、かつ、
該サンプルに対し前記所望の光を照射して該サンプルか
ら放出される波長300nmを主波長とする発光の強度
を予め測定することで予め求めた、前記発光強度と前記
既知の測定方法による内部吸収係数との関係を示すデー
タであることを特徴とする合成石英ガラスの内部吸収係
数測定装置。 - 【請求項7】 請求項5に記載の合成石英ガラスの内部
吸収係数測定装置において、 前記試料台と前記発光測定部との間に、前記測定対象の
合成該石英ガラス表面での散乱光の影響を抑制するため
に前記測定対象の合成該石英ガラスの発光測定領域を特
定する開口部を有したマスクを具えたことを特徴とする
合成石英ガラスの内部吸収係数測定装置。 - 【請求項8】 請求項5に記載の合成石英ガラスの内部
吸収係数測定装置において、 波長210nm〜160nmの範囲の前記所望の光がA
rFエキシマレーザであることを特徴とする合成石英ガ
ラスの内部吸収係数測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22216296A JP3627396B2 (ja) | 1996-08-23 | 1996-08-23 | 合成石英ガラスの内部吸収係数測定方法および測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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