JP3637489B2 - 結晶の照射安定性を測定する改良された方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は結晶、特にレンズ等の光学素子用の結晶の照射(radiation)安定性を測定する方法、及び所定の照射安定性をもつ結晶を光学部品や電子装置の製造のために用いるその使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
結晶に色中心が異種原子の存在により生ずる結晶欠陥において、又、結晶の照射による結晶格子の欠陥部において、発生することが示されている。これは、結晶内を伝搬する光又は電磁放射が多ければ多いほど、結晶に形成される色中心の数が多いことを意味する。このため、結晶の光吸収が増大し、光の透過率が減少する。色中心が形成され、その増大により照射透過が減少することは、光ラッカー被覆ウェーハ上に集積回路の構造を投影するステッパーのように、高エネルギー光、例えばレーザー光を通す光学部品では厄介で、問題なことが分かっている。
【0003】
レーザーによる光学的構造化では、この光中心形成が重要な役割を演ずる。充分な完全度と、異質原子や遮光欠陥が殆ど無い充分な純度をもつ結晶を作る試みが既になされている。だが、光学部品、特にDUV〔Deep Ultra Violet〕(深紫外、λ<250mm)領域で用いられるものでは1ppmを下回る不純物でも著しい困難を惹起することから、各個々の結晶を光学部品に用いられる前に照射安定性に付いて検査しなければならない。これまでの手順は切断して、長さ約1〜10cm、断面約2.5cmx2.5cmとする検査対象の結晶サンプルを得ることであった。次いでサンプルの表面を精密研磨し、これをレーザー、通常F2エキシマレーザが発生する作動波長157nm、及び/又はArFエキシマレーザーが発生するステッパー用の現行作動波長193nmのレーザーで照射する。通常のエネルギー密度は、パルス周波数50〜500Hz及びパルス繰返数104〜107として1〜100mJ/cm2である。それぞれの作動波長でのレーザー照射前後のサンプル吸収を分光光度計で測定する。レーザー誘導透過減少を両値にて計算する。これを変換して吸収係数を得るには、K.R.Mann and E.Eva in "Characterizing the absorption and aging behavior of DUV Optical Material by High−resolution Excimer Laser Calorimetry(高分解能エキシマレーザー熱量測定法によるDUV材料の吸収及び経時変化挙動の特長付け)",SPIE, Vol.3334, p.1055に記述の方法により計算を行う。
【0004】
そうして、この結晶材料で構成される光学素子の取り得る位置は、照射抵抗及び安定性が特定されていることから、決定が可能である。光学素子に照射される光のエネルギー密度は、異なる位置でのそれぞれの適用波長で異なる。照射安定性の高い結晶のみが、外部に対して、即ち照射源に向かって最遠の光学素子に用い得る。また、レーザー照射の焦点となる光学素子も照射安定性が高くなければならない。多くの色中心の形成は更に高吸収へと導く、つまり、より多くの照射エネルギーが結晶内に吸収される。このことは結晶材料、即ち光学レンズが加熱され、屈折率つまり像特性が変化する。照射安定性が高くなる。レンズ系内で熱に変換されるエネルギーは少なくなる。
【0005】
この検査法を行うには高能力の、高価なエキシマレーザが用意されるべきであるが、保守作業を多く要する。
【0006】
結晶成長容器から粗結晶を取り出してから、特定の用途に適していることの確定を得るまでの時間は、この用途が高照射安定性を予定しているとき、サンプルの作業集中準備のために極めて長くなる。このことは、材料消費が高いだけでなく、大きい粗結晶では材料の配賦前に高コストの付加的貯蔵を要することも意味する。
【0007】
照射量1メガラドのコバルト源を用いて光学材料に色中心を形成したものが、I.Toepke and D.Cope in "improvements in Crystal Optics for Excimer Laser(エキシマレーザ用光学素子の改良)",SOPIE,Vol.1835 Excimer Lasers (1992),pp.89−97に記載されている。その結果得られた照射損傷はエキシマレーザーによるものと良く相関している。
【0008】
この方法には、高放射線材料の使用に対する厳しい規制が考慮されなければならないと云う不利が有り、実用方法としては適さない。
【0009】
また、この測定方法では高コストで成長がなされる結晶材料が大量に消耗されるので、成長結晶の全収量が更に少なくなる。さらには、結晶サンプルの作製を、それ等の被測定部を鋸引き及び研磨することによる高コストで、時間のかかる工程で行わなければならない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、大量の材料損失無しに、簡単で、廉価な手段を用いて、結晶の照射安定性を確実に測定できる迅速、且つ経済的な方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、任意の強力な照射に対する耐性、即ち安定性は、不定、且つ未処理の結晶又はその劈開片で、第一の波長λ1から第二の波長λ1までの一定波長範囲に亘る照射前後で取ったそれぞれのスペクトルから形成される差スペクトルの面積分を計算すると測定が可能である。
【0012】
この手順は通常、第一の透過スペクトル(スペクトルA)を第一の波長λ1から第二の波長λ2までの任意の所定波長範囲に亘って測定し、次いで結晶を、好ましくは短波エネルギー照射で、且つ全ての又は殆ど全ての理論的に可能な色中心が形成されるように励起することを含んで成る。その後に、結晶の第二の透過スペクトル(スペクトルB)が第一の波長λ1から第二の波長λ2までの同一波長範囲で測定される。照射前後の透過曲線の第一の波長λ1から第二の波長λ2までの面積分の差が照射耐性、即ち照射安定性の目安であり、予測される吸収係数△kにおける最大変化に線形に関係することが今や分かった。スペクトルを取るためには、分光光度計を用いるのが好ましい。更に、スペクトルを結晶の厚さ(結晶を通る光路の長さに)に付いて評価して良いことが分かった。
【0013】
それを生成する不純物や結晶欠陥の異なる各結晶毎に吸収又は伝達スペクトルは異なるはずであるから、この結果は驚くべきことである。
【0014】
上記のように異なるスペクトルの面積分を決定し、これを同一結晶に対して従来の方法で測定された照射損傷と比較、即ちこれに対してプロットすることにより、校正曲線を作成することが出来る。例えば、前記K.R.Mann & E.Eva文献に記述の方法をこの従来方法として用いることが出来る。測定値から線形の校正曲線が得られる。適度加熱により従来方法で形成される色中心を除き、測定が同一結晶で行われるようにすることが出来る。校正曲線の測定を数個の対値で行うことも勿論出来るが、レーザーが不安定であることから、不純物及び/又は照射耐性の異なる結晶の校正曲線を決定することが特に望ましい。決定される校正曲線は結晶材料毎に特定的である。例えば、CaF2結晶の校正曲線を測ると、校正曲線は全てのCaF2結晶に対して同一である。だが、BaF2の校正曲線はそれとは異なる。
【0015】
このように、結晶の照射損傷は従来の方法にて、望ましくはこの結晶を用いて後に製作される光学素子においても用いられる波長で起される。得られる照射損傷値は次いで、本発明の方法で得られる差スペクトルの面積分に対してプロットされ校正曲線が形成される。本発明による誘導吸収を遂行する適切な照射源はX線照射源や、放射性源、例えばコバルト60等の他のエネルギー照射源である。だが、X線照射源は取り扱いが容易なこと、容易に入手できること、経済的であることから特に好適である。
【0016】
X線照射源により生成される着色(照射損傷)は既知の古典的レーザー損傷とは非常に異なる。レーザー損傷により生成される結晶着色は半減期が室温で約1日、即ち元の色に比較的速やかに回復するのに対して、X線照射により生じた色は暗闇での約1月の貯蔵後も変わらない。
【0017】
X線照射源による照射損傷のレーザー照射による照射損傷との更なる重要な差異は、その損傷が同一波長、且つ少ないエネルギーのレーザー光の照射で急速に緩和し得ることである。
【0018】
本発明方法を遂行するために必要なエネルギー密度は広い範囲に亘って変更可能であり、飽和に達するまでの時間にのみ依存する。だが、通常は103〜105Gy、好ましくは5x103〜5x104Gyのエネルギー密度が用いられる。飽和に達するのに必要な時間は通常、例えば10〜360分、好ましくは30〜180分である。本発明に従って第二の照射実験を行い、吸収帯域及び/又はスペクトルで強度を比較して飽和の制御を行うことが出来る。両照射実験後に吸収強度に変化が無ければ、照射に対する所望の飽和条件が達せられていることになる。
【0019】
本発明による異なるスペクトルの面積分の値、又は照射前後の吸収又は透過スペクトルの面積分の差は勿論、選択波長範囲に依存する。この任意選択範囲が設定されると、この範囲が検討対象である特定材料に対する照射損傷の目安となる。
【0020】
吸収スペクトルが測定される第一の波長(λ1)から第二の波長(λ2)までの一定の波長範囲には、後の使用の際用いられる光学素子の作動波長が含まれる。だが、この作動波長は一定波長範囲の範囲外であっても良いことが分かった。だが、作動波長を一定波長範囲からあまり隔てるべきではない。
【0021】
全色中心が結晶に実際に生成されるようにするためには、照射される結晶、又は結晶の劈開片の厚さが厚過ぎないようにすべきである。さもないと、厚すぎる結晶厚さでは、結晶材料本体の均一な露出が結晶の安定に伴って保証されない。これは、結晶厚さが厚すぎる場合、照射の大部分が結晶に当たらず、結晶を通る照射経路に沿って吸収されることによる。このため、色中心の形成が結晶面と、照射線が通る結晶本体とで違ってしまう。
【0022】
全ての色中心が励起、又は形成されるそれぞれの照射条件が選ばれるべきである。照射前のスペクトルを照射後のスペクトルと比較すると、その差は飽和状態を直接再現し、選択波長範囲における、後の使用中に用いられる設定波長での照射中に生成されうる最大強度の吸収を示す。
【0023】
本発明の大きな利点は、結晶の劈開片が研磨を要せず、またその厚さの正確な測定を要しないことである。従って、結晶の任意劈開片を用いることが出来る。結晶は通常、結晶軸に沿って破割又は破断できるので、平行面が分光光度計での吸収スペクトルの測定に常に利用できる。面相互間の距離、即ち結晶の厚さ、又は結晶を通る光の経路長はマイクロメーターネジ又は摺動ゲージを用いて測定できるので好都合である。吸収、又は照射損傷の測定のための分光光度計の光ビームは、結晶面に対して直角にするのが好ましい。
【0024】
第一の照射A前の吸収測定と第二の照射B後の吸収測定との間の差が差スペクトル、即ちそれで照射安定性又は損傷が決定される差スペクトルを与える。最大吸収係数(△k)(1/cm)を計算するには、結晶劈開片の既知厚さに亘ってLambert−Beerの法則に従えば良い。その際、校正曲線を得るため、差スペクトル内の波長に対して吸収係数△kをプロットする。差スペクトル下の領域は次に、X線誘導吸収の面積分として表示される。先ず、差スペクトルを形成することにより、面の影響が除かれるので面が不定の、完全に未処理の結晶又は結晶劈開片を用いることが出来る。更に、結晶内に存在し、照射と不純物に関係する吸収帯域(所謂、初期吸収)の影響が除かれる。
【0025】
本発明の方法はあらゆる結晶に遍く、適している。だが、特に弗化物結晶、特にアルカリ弗化物やアルカリ土弗化物、特にLiF2、CaF2及びBaF2に適している。
【0026】
後の使用において用いられる好適な作動波長はレーザー、特にArFエキシマレーザやF2エキシマレーザ等のエキシマレーザの波長、即ち193nm及び157nmである。
【0027】
本発明方法の検証を目的として、エキシマレーザ光で照射のため、通常のサンプル体(測定バー)をX線による実験のため劈開片を得た結晶から作成した。劈開片を採取した粗結晶の同一片から測定バーを採取した。測定バーを長さ10cm、断面2.5cmx2.5cmに切断した。次いで、表側面を研磨した。
【0028】
結晶照射のために用いられたレーザー照射はエネルギー密度が1〜20mJ/cm2で、エキシマレーザを用いて、パルス周波数50〜500Hz、パルス数104〜107で生成した。適用波長でのレーザー照射前後における吸収の差から、吸収係数△kの変化を決定した。この吸収係数の変化を以下、吸収係数△kのレーザー誘導変化と呼ぶ。
【0029】
驚くべきことに、本発明によれば、例えば上記エキシマレーザの波長193nm及び157nmにおける吸収係数△kのレーザー誘導変化と、特に波長範囲190nm〜1000nmにおいて結晶片厚さに対して正規化した(単位面積当たりの)X線誘導吸収の面積分との間に線形相関があることが分かった。この相関が結果として生ずるのは、同一結晶からのレーザーロッド及び複数劈開片に対して行った測定から得た吸収係数△kのレーザー誘導変化と結晶厚さ当たりのレントゲン誘導吸収の対値を異なる結晶サンプルに対してプロットするときである。更に、吸収係数△kのレーザー誘導変化の値をエネルギー密度1mJ/cm2に対して正規化する。この計算は、レーザー誘導吸収係数△kと適用照射エネルギーとの間に線形相関が有るので、特に合成原料製のサンプルの場合に可能である。
【0030】
X線照射の代わりにコバルト60でのγ線照射を用いて、同じ実験を行った。γ線照射の照射条件は飽和条件を再度用いるようにして、選択した。γ線照射実験でも、X線照射実験と同じ結果が得られた。だが、コバルト60からの硬い放射線は操作がかなり高価なものとなる。
【0031】
上記線形相関は、レントゲン誘導吸収の面積分の測定がエキシマレーザでの照射に関して予測される照射安定性の目安を提供することを示している。同時に、X線誘導吸収の面積分に対して吸収係数△kのレーザー誘導変化をプロットすることにより、面積分に対する吸収係数△kのレーザー誘導変化の比が得られるので、予測されるレーザー安定性に関する絶対的言明が、面積分を測定することにより可能である。
【0032】
本発明方法で得られる結晶は光学レンズ、ステッパー、電子部品、特にチップ及びコンピュータ、並びに微細機械装置の製造に適している。
本発明の目的、特徴及び利点について図面を参照しつつなされる、以下の好ましい実施態様によって説明する。
【0033】
【実施態様】
試験結晶をBridgemen−Stockbarger法により作成した。例えば、CaF2粉末を容器に充填する。この粉末を1400〜1460℃の温度で溶融した。容器を降下することにより、結晶を温度場に引き込む。10−4〜10−5Torrの真空下で、結晶成長が起こる。
【0034】
他の既知の結晶法、例えばCzochralski & Nacken−Kyropoulus法は一般にCaF2結晶の商業的成長のためのものであるが、ここでは重要でないか、副次的重要性をもつに過ぎない(文献:K.−Th.Wilke and J.Bohm, "Crystal Growth", Verlag Harri Deutsch, Thun, Frankfurt/Main 1998)。
【0035】
結晶性CaF2は、DUV写真印刷において光学部品に用いられる非晶質石英ガラスとは異なり、結晶の{1,1,1}方向に沿って劈開される。
【0036】
劈開片は粗結晶から分離できる。例えば、結晶の下部でこれを行う。下部を結晶残部から引き離す。その下部からの劈開により、一片を作成した。このようにして得られた劈開片は厚さDが0.4〜0.5cmであった。この劈開片を複光束分光計に掛け、厚さDに沿った吸収を測定した(測定A)。用いられた波長範囲は、190〜1000nmであった。
【0037】
次いで、劈開片をX線照射装置に掛け、調整する。劈開片を80〜150KeVのエネルギー(放射線量104Gy)で照射し、X線照射に感受性のある全ての色中心が生成又は励起されるようにする(飽和)。照射は厚さDの方向に行った。
【0038】
次いで、劈開片を再度、分光光度計にかける(同一測定点)。照射から一定の時間(2時間)の後、190〜1000nmの波長範囲で吸収スペクトルを測定した(測定B)。測定A及び測定Bに対する測定スペクトルの差から吸収の変化を計算した。既知の厚さDを含むことにより、吸収係数△k(1/cm)の変化が計算で得られる。次いで、波長λ(nm)に対して、この吸収係数の変化をプロットした。このプロットから計算により、面積分が得られる。
【0039】
上記劈開片に極めて近い測定バーを、上記結晶の残部下から長さ100mmx幅25mmx高さ25mmに切り出す。測定バーの表側面を研磨して、この面でのレーザー照射に対する散乱効果を最小にする。エキシマレーザでの照射前後の吸収係数△kを、この測定バーの長さL方向において決定する。kの両値から、差△kを計算した。適用波長は、193nm(ArFエキシマレーザー)及び157nm(F2エキシマレーザ)であった。異なる結晶を成長させて、測定を繰り返した。測定値を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
吸収係数△kのレーザー誘導変化とX線誘導吸収の面積分の対値のプロット、即ちグラフは直線で示される。言い換えれば、吸収係数△kのレーザー誘導変化とX線誘導吸収の面積分の間には図に示すように、直線相関が有る。値のばらつきは実質的に、ArFエキシマレーザーでのエネルギー安定性問題の結果である。
【0042】
X線誘導吸収F1の面積分が与えられた上で吸収係数△kのレーザー誘導変化を計算出来る公式を、図にプロットされた相関から線形回帰解析法により計算することが出来る。この公式は次の通りである。
【0043】
【数1】
【0044】
この関数関係は本質的に校正曲線であり、これによりX線照射後の差スペクトルからレーザー誘導吸収係数を単位(1/cm/(mJ/cm2))素早く計算出来る。積分を行う波長範囲は校正曲線の190nmから1000nmまで亘っている(図参照)。
【0045】
所定の適用に対する作動波長での吸収係数△kのレーザー誘導変化に付いてユーザーが光学材料を検査するとき、上記校正曲線は必須である。他の線形相関又は依存性は当業者が容易に決定でき、他のレーザー波長(即ち代替的作動波長)でも得られるものである。
【0046】
上記の場合にように他の波長範囲で積分を行っても、類似の線形相関が見出される。また、X線誘導色変化、即ち吸収変化の後、線形相関に個々の吸収帯域の強度を求めることも出来る。
【0047】
以上、本発明は結晶の照射安定性を測定する方法に具現されるものとして例示且つ記載されたが、本発明の精神を如何ようにも逸脱することなく為せる、その種々の修正及び変更が可能であるから、指摘された詳細に発明が限定されることを意図するものではない。
更なる分析なく、以上は本発明の要旨を、他者が現在の知識を適用することにより、本発明の一般的又は特定の側面の実質的特徴を、従来技術の観点から相応に構成する特徴を省略することなく、それを種々の応用に適合出来る程度まで充分に示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ArFエキシマレーザーによるレーザー誘導損傷とX線損傷の相関を示すグラフである。
Claims (14)
- 後の使用時に採用される作動波長での照射に対する結晶の照射安定性を測定する方法であって、以下のステップ、即ち
a)所定厚さ(D)の上記結晶、又は上記結晶の劈開片がもつ第一の吸収スペクトル(A)を分光光度計により、第一の波長(λ1)から第二の波長(λ2)までの所定波長範囲に亘って測定する、
b)ステップa)の測定の後、上記結晶、又は上記結晶の劈開片を、全ての色中心が生成されるという飽和条件を満たす充分高いエネルギー密度のエネルギー照射源で所定時間、照射する、
c)ステップb)の照射の後、上記結晶、又は上記結晶の劈開片がもつ第二の吸収スペクトル(B)を上記第一の波長(λ1)から上記第二の波長(λ2)までの上記所定波長範囲に亘って測定する、
d)上記第一の吸収スペクトル(A)と上記第二の吸収スペクトル(B)の差スペクトルの面積分を、上記第一の波長(λ1)から上記第二の波長(λ2)までの上記所定波長範囲に亘って形成し、上記面積分を上記厚さで割って単位厚さ当たりの上記面積分の値を得る、次いで
e)該単位厚さ当たりの面積分の値から上記作動波長における吸収係数(△k)を決定する
を含んで成る方法。 - 前記エネルギー照射源がX線照射源又はコバルト60照射源である請求項1に記載の方法。
- 前記結晶の劈開片は厚さが10mm未満である請求項1に記載の方法。
- 前記厚さが5mm未満である請求項3に記載の方法。
- 前記結晶が弗化物の結晶である請求項1に記載の方法。
- 前記結晶がCaF2結晶、BaF2結晶又はLiF結晶である請求項1に記載の方法。
- 前記作動波長が193nm又は157nmである請求項1に記載の方法。
- 前記エネルギー密度が103〜105Gyである請求項1に記載の方法。
- 前記所定時間が10〜360分である請求項1に記載の方法。
- 前記所定波長範囲が前記作動波長を含む請求項1に記載の方法。
- 化学組成が前記結晶と同一である複数の結晶サンプルに対して前記エネルギー照射源を照射した前後の差のスペクトルの単位厚さ当たりの面積分の値に対する、前記作動波長での照射前後で測定された吸収係数(△k)のプロットから成る校正曲線を用意し、該校正曲線と前記単位厚さ当たりの面積分の値から上記結晶の吸収係数(△k)を得るステップを更に含んで成る請求項1に記載の方法。
- 前記結晶及び結晶サンプルが弗化物であり、前記エネルギー照射源がレントゲン照射源であり、且つ前記所定時間が10〜360分である請求項11に記載の方法。
- 前記作動波長が193nm又は157nmであり、且つ該作動波長がエキシマレーザを用いて生成される請求項12に記載の方法。
- 光学レンズ、ステッパー、電子部品又は微細機械装置の製作方法であって、該光学レンズ、ステッパー、電子部品又は微細機械装置に採用される作動波長での照射安定性を有する結晶より製作するにあたって、該波長での上記結晶の照射安定性を検査方法により測定することを含み、該検査方法が、
a)所定厚さ(D)の上記結晶、又は上記結晶の劈開片がもつ第一の吸収スペクトル(A)を分光光度計により、第一の波長(λ1)から第二の波長(λ2)までの所定波長範囲に亘って測定する、
b)ステップa)の測定の後、上記結晶、又は上記結晶の劈開片を、全ての色中心が生成されるという飽和条件を満たす充分高いエネルギー密度のエネルギー照射源で所定時間、照射する、
c)ステップb)の照射の後、上記結晶、又は上記結晶の劈開片がもつ第二の吸収スペクトル(B)を上記第一の波長(λ1)から上記第二の波長(λ2)までの上記所定波長範囲に亘って測定する、
d)上記第一の吸収スペクトル(A)と上記第二の吸収スペクトル(B)の差スペクトルの面積分を、上記第一の波長(λ1)から上記第二の波長(λ2)までの上記所定波長範囲に亘って形成し、上記面積分を上記厚さで割って単位厚さ当たりの上記面積分の値を得る、次いで
e)該単位厚さ当たりの面積分の値から上記作動波長における吸収係数(△k)を決定する
を含んで成る製作方法。
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