JP6278865B2 - 液体分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体分析装置に関する。
液体クロマトグラフ装置で最も多く使用されている検出器は、紫外/紫外・可視(UV/UV・VIS)吸光度検出器で、紫外・可視域に吸収を持つ成分が測定対象としている。特に紫外波長帯(200〜380nm)には有機化合物中の様々な官能基の吸収波長帯が存在する事から、様々な分野で汎用な検出器として使用されている。さらに、広い波長帯を同時に測定できること(通常のUV検出器の場合には、190〜380nm、UV/VIS検出器の場合には190〜900nmを利用可能)で、測定波長を物質に応じた極大吸収波長に合わせて測定することによる感度向上や、測定波長を妨害成分の光吸収の少ない波長帯に合わせることによる妨害物の影響を抑制して試料の測定を行うことができる。一般的に、遠紫外光とは波長10nm以上200nm以下の光で、紫外光(近紫外光とも呼ばれる)とは波長200nmから380nmの光と定義されている。しかし、UV検出器では、紫外吸収を持たない化合物(例えば、糖、アルコールなど)は検出できないため、物質の持つ屈折率の違いを検出する示差屈折検出器が用いられている。
遠紫外領域の分光法の研究が古くから行われており、紫外領域(200nm以上)にほとんど吸収を持たない物質も遠紫外領域には必ず吸収帯を持つことが知られている。しかし、気相状態の物質の研究がほとんどで液体状態の研究はあまり行われていなかった。その理由は、遠紫外領域のスペクトルを測定する場合、空気中の酸素(180nm以下)による吸収が強いために分光装置内部を真空にする必要があり、装置が煩雑で高価であることであった。さらに、使用する溶媒の吸収スペクトルが非常に強いため、光がほとんど透過せず、測定が困難であったためである。
近年、分光装置内部の空気を窒素等の不活性ガスで置換することで遠紫外分光測定を簡便に行えるようになり、光路長を0.5mmと短くした透過型セルを使用して180〜220nmの狭い波長領域での測定が可能になった(非特許文献1)。さらに、180nm以下の領域の測定では、水の吸収ピーク(150nm付近)のスペクトルの裾部分の影響を抑えるために、実効光路長を極めて短く(数十nm)した全反射減衰(Attenuated Total Reflection: ATR)型の分光装置により120nmまでの液体や固体の電子遷移スペクトルの測定が可能になった(非特許文献2)。
Analytical Chemistry, 2005, Vol.77, pp.2272-2277. REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS, Vol.78, 103107.
有機化合物中の様々な官能基の吸収波長帯は170-200nmに多く存在する(図15)。従って、従来の紫外吸収検出器で検出できない化合物(例えば、糖、アルコールなど)も遠紫外吸光度検出器を用いれば検出が原理的には可能となる。さらに、遠紫外領域のモル吸光係数が紫外領域に比べて2〜3桁大きくなる官能基(表1)も存在し、高感度化が期待できる。
Figure 0006278865
従って、遠紫外と紫外領域を同時に測定できる吸光度検出器(例えば、アレイ化素子を使用)が実現できると、測定対象が広がるばかりでなく、従来の測定対象の高感度化測定が可能にある。しかし、実際にATR型の分光器を液体クロマトグラフ用の吸光度検出器に適用すると、光路長が数10nmのため、従来の吸光度検出器(光路長10mm)と比べて、感度が数十万分の一に低下する問題があった。また、光路長0.5mmのセルを使用しても、180-220nmと狭い範囲の波長領域での使用に限られ、紫外から遠紫外領域(例えば180〜380nm)での同時測定ができない問題があった。この問題は液体クロマトグラフに使用される液体(例えば、水,メタノールなど)が遠紫外領域に吸収を持ち、特に200nmから急激に吸収が大きくなるためである。例えば,水の場合図16に示す吸光係数のスペクトルが知られており,200nmから180nmで吸収が2桁以上増加する。したがって,光量が低下することによりノイズが増加して,吸光度を測定することができなかった。ここで、ノイズとは測定対象の試料が無いときの吸光度のゆらぎである。吸光度検出器では、ノイズ値は光量に反比例する関係にある(図17)。したがって、遠紫外領域での光量を確保する必要がある。そこで,高輝度の光源を使用する等で遠紫外域の光量を増やす必要があるが,同時に紫外光の光量も増加するため,紫外光に対応するアレイ化素子の検出上限を超えてしまい,紫外光および遠紫外光のスペクトルが同時に測定できないという問題点があった。この問題点を図18に示すスペクトルを用いて説明する。液体クロマトグラフで用いられる光源として一般的な重水素ランプの発光スペクトルは,150nmから380nmの幅広い波長帯が含まれている(R. D. Saunders, et al., Appl. Opt., 17, 593 (1978)を参照)。最終的にアレイ状光検出器で得られる光量スペクトルでは,酸素や溶媒等の吸収により,遠紫外光の光量が少なく,必要なノイズを達成する光量を下回ってしまい,良好なスペクトルが測定できない。窒素パージにより,遠紫外光の光量は増加するが,十分ではない。そこで,高輝度な重水素ランプを使用するなどして光量を増加させると,遠紫外域では低ノイズでスペクトルの測定が可能になるが,紫外域では検出器の検出上限を超えてしまうため,スペクトルが測定できない。
上記課題を解決するため、本発明の液体分析装置は、遠紫外と紫外の波長の光を発する光源と,液体が通過するフローセルと,光源から発せられた光をフローセルに入射させる光学系と,フローセルを透過した光を分光する分光素子と,分光素子で分光された光のうち紫外の領域の光量を低減する手段と,分光素子で分光された光を検出する光検出器とを備える。さらに、光源やスリットを含む光学系により、遠紫外の領域の光について設定した光検出器のノイズ値以下となる光量以上の光を発し、紫外の領域の光量を低減する手段は、検出器の検出限界以下となるように光を低減するものであることを特徴とする。
光源から発せられた光をフローセルを通過後に分光素子で分光してアレイ素子で検出することにより、容易に紫外光のみを減光する手段を設けることができ,溶媒で低下する遠紫外光との光量差を小さくできるため,遠紫外から紫外までの広範な波長帯のスペクトルを低ノイズで測定することができる。
上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明による液体クロマトグラフ用吸光度検出器の一実施例を示す模式図。 本発明による液体クロマトグラフ用吸光度検出器の一実施例を示す模式図。 本発明による効果の説明図。 本発明による効果の説明図。 本発明による液体クロマトグラフ用吸光度検出器の一実施例を示す模式図。 本発明による液体クロマトグラフ用吸光度検出器の一実施例を示す模式図。 本発明による効果の説明図。 本発明による液体クロマトグラフ用吸光度検出器の一実施例を示す模式図。 本発明による液体クロマトグラフ用吸光度検出器の一実施例を示す模式図。 本発明による液体クロマトグラフ用吸光度検出器の一実施例を示す模式図。 本発明による液体クロマトグラフ用吸光度検出器の一実施例を示す模式図。 本発明による効果の説明図。 本発明による効果の説明図。 本発明による効果の説明図。 本発明の背景の説明図。 本発明の課題の説明図。 本発明の課題の説明図。 本発明の課題の説明図。
本実施例では,遠紫外光に比べて紫外光を減光する光検出器の例を図1を用いて以下に説明する。
図1は本実施例の構成例である。液体クロマトグラフ用吸光度検出器100は,重水素ランプ101,第一ミラー1021,フローセル103,第二ミラー1022,スリット104,凹面回折格子105,フォトダイオードアレイ106,光量調整素子107,密閉ケース108,制御部120を有し,溶離液110,ポンプ111,分離用カラム112,および廃液入れ113に接続されている。
重水素ランプ101から発せられた光は,第一ミラー1021で反射,集光されてフローセル103に導かれる。フローセル103を透過した光は,第二ミラー1022で反射,集光され,スリット104に導かれ,凹面回折格子105で分光される。フォトダイオードアレイ106は複数の受光素子で構成されており,分光された各波長の光強度が受光素子ごとに検出される。フォトダイオードアレイ106は,制御部120により制御され,各受光素子を走査し,各受光素子の光量の測定および出力を行う。フローセル103内には,溶離液110および濃度が連続的に変化する試料液体がポンプ111を介して分離カラム112を通って流れており,分離カラム112により分離された試料液体の種類や濃度の変化に応じてフローセル103を透過する光量が変化し,試料液体を吸光度として検出される。フローセル103を出た液体は,廃液入れ113へ流れ出る。遠紫外光は,酸素によって吸収されるため,光路中の光量低下を防ぐ目的で,密閉ケース108で光学系全体を密閉し,窒素で置換または真空にするとよい。
本実施例では,重水素ランプ101を光源として用いたが,遠紫外光と紫外光を含む広範囲の波長の光を発する光源が好ましく,例えば水銀ランプ,エキシマランプなどでもよい。ここで,液体クロマトグラフ用吸光検出器で使用可能な遠紫外光を、水の吸収(150nm付近)の影響を受けにくい、波長170nm以上200nm以下の光と定義する。
ミラー1021,1022の材質には,遠紫外光および紫外光で反射損失の少ない材質でコートすることが望ましく,例えばアルミやMgF2などである。
フォトダイオードアレイ106は,リニアリティレンジが広く液体クロマトグラフ用途として好ましいが,複数の検出素子がアレイ状に配列された光検出器でもよく,例えば電荷結合素子(CCD)のような2次元の光検出素子や遠紫外光および紫外光に感度があるAlGaNフォトダイオード,光電子増倍管を使用してもよい。
重水素ランプ101,フローセル103,フォトダイオードアレイ106に使用される窓材としては,遠紫外光および紫外光で高い透過率を持つことが望ましく,例えば合成石英,MgF2,CaF2などが好適である。
凹面回折格子105で分光された光は,波長の順に一定の直径の円周上で結像されることが知られており,本実施例ではこの円周を焦点円周と呼ぶことにする。従来の液体クロマトグラフ用吸光度検出器100の構成では,各波長の光が可能な限り同一密度でフォトダイオードアレイ106上に受光できるように,フォトダイオードアレイ106はこの焦点円周上に接するように設置される。しかしながら,液体クロマトグラフでよく用いられるアセトニトリル,水などの溶離液は遠紫外光に吸収を持つため,フローセル103を透過する遠紫外光の光量は紫外光に比べて低下し,ノイズが増加する。ここで,ノイズとは測定試料がないときに検出される吸光度のゆらぎとする。液体クロマトグラフにおける吸光度測定ではノイズの量が,図16のように光量に対して反比例となる。したがって,ノイズの増加を避けるには,ある一定以上の光量を確保する必要がある。そのため,例えばより高輝度な重水素ランプ101を使用したり,スリット104の開口幅を広げたりして,特に遠紫外光の光量を増加させる必要がある。ところが,紫外光の光量も同時に増加するため,フォトダイオードアレイ106の検出上限を超えてしまい,紫外光の吸光度スペクトルが取得できない。そこで,紫外光の光量が検出上限以下の光量となるように減光する必要がある。
本実施例は,光量調整素子107を紫外光に対応した受光素子の直前に設置し,紫外光を減光する。光量調節素子は、ノイズが少なくなるよう光量はできるだけ多く、しかも受光素子の検出限界以下となるような範囲に収まるように減光できるものを使用する。この範囲に収まるようであれば、紫外光のうち特に光量が大きく検出限界を超えてしまう領域のみを減光できるものでもよい。
図1は,光量調整素子107として減光フィルタ1071を使用する例である。まず,焦点円周上に接するようにフォトダイオードアレイ106を設置し,光量スペクトルを測定する。光量スペクトルから,遠紫外光のノイズが必要なノイズ値以下となるように光量を増加させる。再び光量スペクトルを測定し,検出上限以上の光量となった紫外光に対応する受光素子の直前にのみ,減光フィルタ1071を選択的に設置する(図2A参照)。減光された紫外光は,所望のノイズに抑えられる光量以上でフォトダイオードアレイ106の検出上限以下の範囲内に収まるように減光フィルタ1071の透過率を設定する。この構成により,遠紫外光の光量を減光することなく紫外光の光量のみを減光でき,遠紫外光および紫外光の吸光度スペクトルが同時に測定できる。溶離液の種類やフローセル103の光路長などに応じて遠紫外光の光量は変化するため,減光フィルタ1071の透過率を変えることで,光量の調節が可能になる。
実際に減光フィルタ1071をフォトダイオードアレイ106直前に設置した場合の重水素ランプ101のスペクトルの変化を図3に示す。遠紫外域では,必要なノイズ値を達成できる光量に達していなかった(図4A)。そこで,例えば高輝度な重水素ランプを使用することで,遠紫外域の光量が変更前の重水素ランプの光量に比べて約5倍に増加させることができたが,紫外域の光量が検出上限を超えてしまい,このままでは紫外域のスペクトルが測定できなかった。紫外光の透過率が30%となる減光フィルタ1071を,波長200nmから300nmに対応する受光素子直前に設置した結果,遠紫外および紫外域で低ノイズかつ検出上限以下となるような光量が実現できた。また,遠紫外光および紫外光でノイズを測定すると,どちらの波長でも低ノイズでスペクトルが測定できる(図4B)。
減光フィルタ1071の材質には,紫外光を吸収する材質であればよく,ガラスや樹脂などでもよい。減光フィルタ1071は,均一な透過率としたが,透過率が場所や波長によって異なるフィルタを用いてもよい。
図5は,光量調整素子107として,受光素子に減光スリット1072を設置する例である。紫外光に対応する受光素子の実効的な面積を減光スリット1072により低下させて,紫外光のみを減光できる(図2B)。減光スリット1072の開口幅を変えることで,減光される割合を制御できる。減光スリット1072の材質には,例えばアルミやクロムなどが好ましいが,上記の減光フィルタ1071と同じ材質でもよい。減光スリットの形状は図2Cのテーパ形状の減光スリット1073でもよい。テーパ角を変更することで,波長ごとの減光の度合いを変えることができ,液体の種類や濃度などの吸収スペクトルにあわせて減光し,波長ごとにより均一な光量とすることができる。
上記の光量調整素子107をフォトダイオードアレイ106の直前に設置する代わりに,フォトダイオードアレイ106の受光素子上に,紫外光を減光できる膜などを直接塗布または堆積しても良い。
図6は,フォトダイオードアレイの位置を焦点円周上から外して設置することを特徴とする別の実施例を示す。実施例1で説明した図1と同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。
従来の構成では,受光素子に入射する波長ごとの光量密度が可能な限り一定となるように,フォトダイオードアレイ106は焦点円周に接して設置される。しかし,本実施例ではフォトダイオードアレイ106を上記の設置位置から回転させて,紫外光に対応する素子の位置を焦点円周上から外すように設置することを特徴とする。紫外光に対応する受光素子上の像がぼけるために,受光素子で検出される光密度が低下し,紫外光は減光される。回転中心は焦点円周上にあり,フォトダイオードアレイ106の遠紫外光に対応する受光素子とすることが好ましい。回転中心付近の遠紫外光の光量低下を避けることができる。
図7に,フォトダイオードアレイ106の回転角αに対する遠紫外光と紫外光の相対光量の変化の例を示す。焦点円周に接してフォトダイオードアレイ106が設置されているときを0°とし,このときの各波長での光量を1とした。遠紫外光である波長170nmの光に対応する受光素子を回転中心とした。回転角αを変化させることで,紫外光を減光する度合いを調整できる。また,回転中心はフォトダイオードアレイ106を平行移動することで変えることができる。さらに,フォトダイオードアレイ106を,制御部120で可動式とすれば,紫外光の光量を見ながら回転中心の位置や回転角αを適宜調整することが可能になり,フローセル103の長さ,溶離液の種類や組成等の吸光度特性の変化に応じて,適切な光量に設定することができる。
調整のしやすさという観点から,フォトダイオードアレイ106の移動によって調整することが望ましいが,フォトダイオードアレイ106を固定して,スリット104の位置を光軸に対して前後にずらすことで調整してもよい。さらに,フォトダイオードアレイ106,スリット104を固定し,凹面回折格子105の位置および設置する角度を変えてもよいし,凹面回折格子105の曲率や溝本数を変えて調整してもよい。フォトダイオードアレイ106の移動量に対して減光される光量の割合が変わり,調整する光量の範囲や精度を調節できる。
図8Aは,フォトダイオードアレイ106の紫外光に対応する受光素子のみ,蓄積時間を変えることを特徴とする実施例である。実施例1で説明した図1と同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。
フォトダイオードアレイ106に入射した光は,各受光素子の読み出しスイッチを順次オン/オフとして切り替えながら走査していき,積分器201で電圧に変換され,A/D変換器202によりデジタル信号に変換され,さらに信号処理回路203で積算し,最終的な光量が電気信号として出力される。この一連の動作を繰り返すことで,各受光素子に対応した波長の光量が測定される。読み出しスイッチをオンとし,再び読み出しスイッチがオンとなる時間が蓄積時間であり,観測される各受光素子の光量は蓄積時間に比例する。
本実施例では,図8に示すように,紫外光に対応する受光素子の蓄積時間を遠紫外光に対応する受光素子の蓄積時間に比べて短くし,紫外光を減光する。検出上限を超えてしまう紫外光に対する蓄積時間を検出上限以内に収まるように設定し,遠紫外光に対しては必要な光量が得られる蓄積時間を設定する。蓄積時間を受光素子ごとに設定することで,スペクトルに応じた波長ごとの光量の制御が可能になる。物理的な構成による光量調整ではないため,簡便に実施できるという利点もある。
図9では,異なる蓄積時間を受光素子ごとに設定する代わりに,紫外光に対応する受光素子の積算時間を遠紫外光に対応する受光素子の積算時間に比べて小さくすることで,紫外光を減光した例である。積算時間は,各受光素子で観測された光量を複数回積算するのに必要な時間である。蓄積時間は一定でも紫外光の減光が可能なため,読み出しスイッチの制御方法が簡便になるという利点もある。
上記の実施例では,受光素子の読み出しスイッチを1つずつオンにし,積分器201へ入力していた。しかし,図10に示すとおり,遠紫外光での光量を増加させるために,隣り合う複数の受光素子の読み出しスイッチを同時にオンにして,複数の受光素子からの光量を足し合わせて測定することも可能である。紫外光に対応する受光素子の同時に読み出す素子数を,遠紫外光に対応する受光素子に比べて小さくすることで,紫外光を減光できる。蓄積時間は一定でも実施可能で,制御回路が簡便になるという利点がある。
本実施例では,上記実施例で示したシステムを利用して糖分析した例を示す(図11)。実施例1で説明した図1と同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。糖サンプルの注入には,オートサンプラ114を使用し、測定中は密閉ケース108の内部の光学系を窒素パージした。今回使用した分析条件を以下に示す。
サンプル;各濃度5mg/mLのフルクトース、グルコース、スクロース混合水溶液
注入量;6μL
分析カラム;SHODEX製カラム(Asahipak NH2P-50 4E、4.6mm×250mm)
移動相;水25%、アセトニトリル75%の混合溶液
流速;1.0mL/min
検出波長;185nm
本システムを用いて測定した糖分析の例を図12示す。紫外吸収検出器では検出が困難なフルクトース1101、グルコース1102、スクロース1103を,遠紫外光を使用することで分離・検出できたことがわかる。
本発明の吸光度検出器を組み込んだ液体クロマトグラフシステムを用いた血清中の糖分析の例を示す。血清中の糖分析は、血清の前処理法以外は実施例4で使用したシステム及び分析条件を用いて行った。以下に前処理法及び分析条件を以下に示す。
血清サンプル:グルコース常用参照標準物質(検査医学標準物質機構;JCCRM 521)
前処理カラム;MonoSpin18(ジーエルサイエンス製)
サンプル;前処理カラムで処理(遠心1000g、1分)した血清溶液(非吸着成分)
注入量;6μL
分析カラム;SHODEX製カラム(Asahipak NH2P-50 4E、4.6mm×250mm)
移動相;水25%、アセトニトリル75%の混合溶液
流速;1.0mL/min
検出波長;185nm
図13Aに得られたクロマトグラムを示す。図13Bは図13Aの○で囲った部分を拡大したクロマトグラムであり、グルコース1201のピークが分離できたことが分かる。
本実施例では,上記実施例で示したシステムを利用してペプチドを分析した例を示す。実施例1で説明した図1と同一の符号を付された構成と、同一の機能を有する部分については説明を省略する。ペプチドサンプルの注入には,オートサンプラ114を使用し、測定中は密閉ケース108の内部の光学系を窒素パージした。今回使用した分析条件を以下に示す。
サンプル;各濃度0.1mg/mLのGly-Tyr、Val-Tyr-Val、Metエンケファリン
注入量;10μL
分析カラム;Vydac製カラム(218TP54、4.6mm×250mm)
移動相;水90%、アセトニトリル10%の混合溶液から水60%、アセトニトリル40%の混合溶液へ30分かけて線形に組成を変化させたグラジエント分析。5mMの過塩素酸ナトリウム塩を添加。
流速;1.0mL/min
検出波長;185nm
本システムを用いて測定したペプチド分析の例を図14Aに示す。図14Bは波長280nmで測定した例である。Gly−Tyr1401、VAL−Tyr−Val1402、Metエンケファリン1403の3つのピークを遠紫外光(185nm)および紫外光(220nm,280nm)で測定できた。減光フィルタ1071により,紫外光を減光することで,遠紫外光と紫外光で同時にクロマトグラフが検出できた。さらに,紫外光に比べて,遠紫外光では約10倍感度が向上している。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
100 液体クロマトグラフ用吸光度検出器
101 重水素ランプ
1021 第1ミラー
1022 第2ミラー
103 フローセル
104 スリット
105 凹面回折格子
106 フォトダイオードアレイ
107 光量調整素子
1071 減光フィルタ
1072 減光スリット
108 密閉ケース
110 溶離液
111 ポンプ
112 分離用カラム
113 廃液入れ
120 制御部

Claims (12)

  1. 遠紫外と紫外の波長の光を発する光源と,液体が通過するフローセルと,前記光源から発せられた光を前記フローセルに入射させる光学系と,前記フローセルを透過した光を分光する分光素子と,前記分光素子で分光された光のうち紫外の領域の光量を低減する手段と,前記分光素子で分光された光を検出する光検出器とを備える液体分析装置。
  2. 前記光源は、遠紫外の領域の光について設定した前記光検出器のノイズ値以下となる光量以上の光を発するものであり、前記紫外の領域の光量を低減する手段は、前記検出器の検出限界以下となるように光を低減するものであることを特徴とする請求項1に記載の液体分析装置。
  3. 請求項1に記載の液体分析装置おいて,前記光源は重水素ランプであることを特徴とする液体分析装置。
  4. 請求項1に記載の液体分析装置において,前記光検出器はフォトダイオードアレイであることを特徴とする液体分析装置。
  5. 請求項1に記載の液体分析装置において,前記光源、前記フローセル、前記分光素子、及び前記光検出器を密閉する箱を備え,前記箱内が窒素で置換されているまたは真空状態であることを特徴とした液体分析装置。
  6. 請求項1に記載の液体分析装置において,前記紫外の光量を低減する手段として,前記光検出器の紫外光に対する受光素子の直前に減光フィルタが設置されていることを特徴とした液体分析装置。
  7. 請求項1に記載の液体分析装置において,前記紫外の光量を低減する手段として,前記光検出器の紫外光に対する受光素子の直前にスリットが設置されていることを特徴とした液体分析装置。
  8. 請求項1に記載の液体分析装置において,前記分光素子に凹面回折格子を備え,前記紫外の光量を低減する手段として,前記光検出器の前記紫外側を遠紫外よりも前記凹面回折格子の結像位置から外れた位置に設置することを特徴とした液体分析装置。
  9. 請求項1に記載の液体分析装置において、さらに前記光検出器の蓄積時間を受光素子ごとに独立に制御する回路を備え,前記紫外の光量を低減する手段として、前記遠紫外光よりも前記紫外光の受光素子に対する蓄積時間を小さくすることを特徴とした液体分析装置。
  10. 請求項1に記載の液体分析装置において、さらに前記光検出器の積算時間を受光素子ごとに独立に制御する回路を備え,前記紫外の光量を低減する手段として、前記遠紫外光よりも前記紫外光の受光素子に対する積算時間を小さくすることを特徴とした液体分析装置。
  11. 請求項1に記載の液体分析装置において、さらに前記光検出器の複数の隣接する受光素子の光量を同時に測定および積算する回路を備え,前記遠紫外光よりも前記紫外光の受光素子に対して積算する受光素子数を小さくすることを特徴とした液体分析装置。
  12. 請求項1に記載の液体分析装置において,前記光源の遠紫外光の波長が170nm以上200nm以下であり,紫外光の波長が200nm以上380nm以下であることを特徴とする液体分析装置。
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