JP3673391B2 - 合成石英ガラスの評価方法 - Google Patents

合成石英ガラスの評価方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成石英ガラス及びその評価方法に関し、特にArFエキシマレーザを使用する光学装置に用いられる光学部材用の合成石英ガラス、及びArFエキシマレーザを使用する光学装置に用いられる光学部材用として、好適な光学特性を有するか否かを判定する合成石英ガラスの評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ArFエキシマレーザは短波長紫外線レーザであり、広い応用分野が開拓されつつある。特に半導体産業分野にあっては、シリコン等のウエハ上に集積回路の微細なパタ−ンを露光、転写するためステッパ−と呼ばれる露光装置が用いられ、ステッパ−の光源として前記エキシマレ−ザの使用が予定されている。このステッパ−装置には、照明系あるいは投影レンズの光学用部材として、多数の合成石英ガラス部材が使用されている。
しかし、近年、合成石英ガラスは、エキシマレーザー光のような短波長紫外線に対し高い透過率を有する点で優れた材料ではあるが、その一方においてレーザ光照射により損傷を受けることが判明した。このレーザ光照射により受ける損傷としては、例えば、レーザ光照射中に使用波長が吸収されることにより生ずる透過率の減退、またコンパクションと呼ばれる体積収縮による歪みの発生がある。
このような合成石英ガラスの損傷は、光量変化や解像度低下、光学系の位置ズレ等を起こし、光学装置としての性能低下を引き起こすものであった。
【0003】
前記光照射損傷はレーザの発振波長や照射エネルギー密度にも関係することが判っているが、特に波長の短いKrFやArFエキシマレーザの場合には、220nm付近にピークを持つ紫外線吸収帯を生じることが知られている。
この紫外線吸収帯は、KrFエキシマレーザの場合には、吸収ピークの裾が発振波長の245nmには達しないため、KrFエキシマレーザの発振波長に影響を与えない。したがって、KrFエキシマレーザの場合には、レーザ光自体の透過率の変化は実際上問題とはならない。
【0004】
しかしながらArFエキシマレーザの場合には、この紫外線吸収帯がArFエキシマレーザの発振波長の193nmにまで広がっているので、前記紫外線吸収帯の出現によって、ArFエキシマレーザから照射される紫外線が吸収されるため、照射時の透過率が減少する。
このような紫外線吸収の多い合成石英ガラスを、例えばエキシマレーザ露光機のフォトマスクに使った場合には、露光光量の変動をもたらし、露光条件の設定に支障を来す。また、紫外線吸収に伴う温度上昇によってマスクが膨張し、倍率の変化や位置ズレを起こす。
これらの変化が許容できる透過率変化の限度は、使われる部材の種類や装置仕様にもよるが、吸光度変化に換算した場合0.1/cm以内であることが一応の条件とされている。
【0005】
このようにArFエキシマレーザ照射によって生じる合成石英ガラスの光吸収は、レーザ光を扱う装置類の光学部品などへの応用に際し、極めて重大な問題であるにも関わらず、その生成原因や実体的性質はよくわかっていない。
現在、この光吸収は石英ガラスの光誘起欠陥の一つである、良く知られたE’センターに関係するものといわれているが、その生成のメカニズムや変動要因の詳細は未だ不明である。
【0006】
従って、現時点においては、合成石英ガラスの光学部材としての使用の適否は、実際にレーザ光を照射してその光吸収を調べて判断することが行われている。なお、このエキシマレーザの照射で起きる合成石英ガラスの光吸収は、例えば、文献ジャパン、ジャーナルオブアプライドフィジックス(Jpn. J.Appl.Phys. )第34巻、1995年(M.Shimbo及びK.Sato著)に開示されているように、照射中に発生する光吸収と、照射停止後に残存する光吸収とに区別される。
従来は、実験操作の容易さから、照射後の残存光吸収を測定した例が大部分であったが、エキシマレーザ装置の光学部材に用いる場合には照射中の特性が最も重要である。従って、あくまで照射時の透過率の変動を問題にする必要がある。
【0007】
ArFレーザ照射中の透過率測定の報告例は、例えば文献フィジカルレビュウB(Physical Review B )第45巻2050乃至2054頁(N.Kuzuu, Y.Komastu,M.Murahara 著)等、ごく少数の報告があるが、これらの報告は100mJ/cm2 付近又はそれ以上の高いエネルギー密度においての照射試験であり、しかも照射パルス回数はその殆どが1万回以下である。
【0008】
これに対して、エキシマレーザを用いた露光機の場合、実際に使われるエネルギー密度は数mJ/cm2 以下であり、損傷の低減が見込まれる低エネルギーの方向であるが、総パルス数は少なくとも107 パルス、場合によっては108 パルス以上と極めて多い。従って、半導体製造装置における光学部品として使われる合成石英ガラスには、このような照射条件において、一定の性能を有する保証が必要になる。
しかしながら、総パルス数が少なくとも107 パルス、乃至108 パルス以上となすためには、例えば100Hzの周波数の場合、30時間から300時間の連続照射に相当し、レーザの寿命を考慮するとその合成石英ガラスの評価には多大な労力と費用とを必要とする。
そのため、従来は、この低エネルギー密度、長時間照射に対する特性は、高エネルギー密度、短時間照射実験の結果を外挿すれば良いとされていた。
【0009】
しかし、本発明者らが実際に実験により確かめた結果からも、事実としてこの外挿値のみにより判断することは極めて危険で、誤りを招来する可能性がかなり高いことが判明した。
このような事情から、本発明者等の知る限りにおいて、使用する合成石英ガラスの特性の適否を判断するための確立された実用的方法は勿論、その方法の妥当性の判断基準、その検証試験例も未だ知られていない。
このため、現実的な短時間照射試験によって、上記のような長時間照射の試験結果を確実に推定できる合成石英ガラスの評価方法の確立が強く求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、ArFエキシマレーザ装置、特に半導体製造用露光機の光学部材として好適に用い得る合成石英ガラスを提供するため、及び合成石英ガラスにレーザ光を照射したときに、光照射損傷を受けて透過率減少を起こす問題に対処するため、その損傷の度合いを予め見積もり、使用の適否を判定するための評価方法を確立すべく鋭意研究を重ねた。
【0011】
その結果、ArFエキシマレーザのパルス照射光を透過させた状態の合成石英ガラスの該透過部分に、直交方向から参照光を照射して透過させ、この透過光を分光して特定波長の紫外光の吸光度を測定する操作を該レーザ光のパルスショット数に対応して繰り返し、得られたデータを特定方法で解析処理することにより、比較的短時間に確実な合成石英ガラスの上記特性評価ができることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0012】
従って、本発明の課題は、ArFエキシマレーザ装置、特に半導体製造用の露光機の光学部材として好適に使用される優れた光学的特性を有する合成石英ガラスを提供すること、とりわけ、ArFエキシマレーザの長時間連続照射乃至108 回以上の多数回パルス照射によっても損傷や透光性の減退を生じることのない光学的耐久性に優れた石英ガラスを提供すること、及び、そのような光学特性を有する合成石英ガラスを選択するため、比較的短時間に確実にその適否を評価することができる実用的な評価方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、レーザの照射エネルギ密度が10mJ/cm 2 より大きく50mJ/cm 2 以下のArFエキシマレーザを、合成石英ガラス試料の入射面から透過面に向けてパルス照射し、かつ参照光を、前記レーザの入射方向と直交する方向から、参照光の入射面を経て、前記ガラス試料中のレーザ照射部分に向けて照射し、参照光の透過面からの透過した参照光を分光器を経てフォトメータに導入することにより220nm付近に存在する紫外線域吸収ピークの強度を測定し、一方、レーザ光未照射状態とし、前記参照光を、前記レーザ光照射状態における参照光と同一方向から照射し、参照光の透過面からの透過した参照光を分光器を経てフォトメータに導入することにより220nm付近に存在する紫外線域吸収ピークの強度を測定し、前記レーザ光照射状態における強度値と、前記レーザ光未照射状態における強度値とから、レーザ光透過による吸光強度の変化を吸光係数変化値として求める操作を、前記レーザ照射初期からパルスショット数の増加に応じて繰り返し実施し、照射パルス数が2×105パルス経過までに、前記吸光係数変化値が、0.005以上の極大を示すか否かを判定し、吸光係数変化値が、0.005以上の極大を示す合成石英ガラス試料について更に前記照射エネルギ密度が10mJ/cm2以下のArFエキシマレーザを照射して、吸光係数変化が0.1以下であるか否かを判定し、吸光係数変化が0.1以下である場合に合格品とすることを特徴とする合成石英ガラスの評価方法が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、レーザの照射エネルギ密度が1乃至10mJ/cm2のArFエキシマレーザを、合成石英ガラス試料の入射面から透過面に向けてパルス照射し、かつ参照光を、前記レーザの入射方向と直交する方向から、参照光の入射面を経て、前記ガラス試料中のレーザ照射部分に向けて照射し、参照光の透過面からの透過した参照光を分光器を経てフォトメータに導入することにより220nm付近に存在する紫外線域吸収ピークの強度を測定し、一方、レーザ光未照射状態とし、前記参照光を、前記レーザ光照射状態における参照光と同一方向から照射し、参照光の透過面からの透過した参照光を分光器を経てフォトメータに導入することにより220nm付近に存在する紫外線域吸収ピークの強度を測定し、前記レーザ光照射状態における強度値と、前記レーザ光未照射状態における強度値とから、レーザ光透過による吸光強度の変化を吸光係数変化値として求める操作を、前記レーザ照射初期からパルスショット数の増加に応じて繰り返し実施し、前記照射パルス数が2×105パルス経過までに、前記吸光係数変化値が、0.005以上の極大を示し、かつ吸光係数変化が0.1以下であるか否かを判定し、前記吸光係数変化値が0.005以上の極大を示し、かつ吸光係数変化が0.1以下である場合に合格品とすることを特徴とする合成石英ガラスの評価方法が提供される。
【0015】
本発明は、ArFエキシマレーザの長時間照射によっても損傷や透光性の減退を生じることのない、エキシマレーザ装置用光学部材として好適な光学特性を有する合成石英ガラスを、比較的短時間に、しかも的確に且つ容易にその適否を評価選択できる実用的な方法を開発した点に重要な意義を有する。
従って、本発明のこの方法の測定手段、測定データ解析、判定手法及びその判定基準を支持する技術的背景について以下順にその概要を説明する。
【0016】
先ず、測定手段、デ−タ解析、判定手法について説明する。
4面を研磨した石英ガラス試料に、照射エネルギー密度50mJ/cm2 以下のArFエキシマレーザをパルス照射して試料中を透過させた状態で、重水素ランプ等の光源からの参照光を、該レーザ光に直交して試料のレーザ光透過部分に当て、その透過光を分光して特定波長の紫外線光(具体的には波長220nm近傍)の強度を測定し、この測定強度値とレーザ光を照射しない状態で同様に測定した強度値とからレーザ光を照射したことによる石英ガラスの透過率変化(吸光係数変化)を求める。
具体的には、
透過率変化量(変化値)={(レーザ光に直交して入射した参照光の強度)/(レーザ光の非照射状態における参照光の強度)}/試料の厚さ
また、透過率変化量から次式により、吸光係数変化量が求められる。
吸光係数変化量=2.303log(透過率変化量)
【0017】
この操作をレーザ照射初期からパルスショット数の増加に対応して繰り返し実施し、パルスショット数2×105 パルス経過迄の吸光係数変化量(変化値)の変動を曲線として記録する。
この内、照射エネルギー密度が1乃至50mJ/cm2 の範囲のArFエキシマレーザ光照射で得られた吸光係数変化量(変化値)の変動量曲線を用い、この曲線がパルスショット数2×105 パルス経過迄の間に吸光係数変化量(変化値)として0.005以上の極大を有するか否かを調べる。前記曲線が上記極大を示さない合成石英ガラスは不合格品と判定する。
前記極大を示した合成石英ガラスの内、照射エネルギー密度が10mJ/cm2 以下のArFエキシマレーザ光照射において、吸光係数変化量(変化値)が0.1以下であるものを合格品と判定する。
【0018】
次いで、この解析手法及び判定基準の根拠について説明する。
本発明者等は、各種の合成石英ガラス試料を用意し、これら多数の合成石英ガラス試料に、5mJ/cm2 の照射エネルギー密度のArFレーザ光を照射しながら上記要領に従ってその時々の参照光透過率変化を測定し、得られたデータから各ガラスの波長220nmでの吸光係数変化を計算し、照射されたレーザパルス数との関係をプロットした線図を作成した。
なお、この測定は、特に照射初期の透過率変動と長時間照射時の変動との関係を調べることを目的としたものであるため、可能な限り長時間照射した。
【0019】
この実験により得られた各種の合成石英ガラスのデータを集約し検討した結果、合成石英ガラスの上記吸光係数変化値の変動量曲線は、図2に示されているように、大別して3タイプの曲線で表される変動のいずれかの類型に属する変動を示すことが明らかとなった。
即ち、第1のタイプは、図2の曲線1で代表されるように照射パルスの増加につれて吸光係数が漸次増加していく合成石英ガラス、第2のタイプは曲線2,2’で代表されるように照射開始後、吸光係数がある程度増加するが、2×105 パルス迄の間に極大を生じてその後減少し、照射パルス数が極めて大きくなった時点で、再び増加に転じる合成石英ガラス、第3のタイプは、曲線3で代表されるように照射開始後から一定のパルスまでは、吸光係数変化量が極めて少ないが、照射パルス回数が増し、106 ショットに近づいた時点で急激に吸光係数が増加する合成石英ガラスである。
【0020】
なお、図2の点線3’は、参考として、150mJ/cm2 の高い照射エネルギー密度で、前記曲線3を得た合成石英ガラスと同一の合成石英ガラスに照射した場合における吸光係数変化量曲線を示している。
図2のこの曲線3’と曲線3とを比較することにより容易に理解できるように、高エネルギー、短時間照射の結果は低エネルギー長時間照射の場合の特性とその様相が大きく異なり、高エネルギー、短時間照射の結果を単純に外挿して低エネルギー長時間照射の特性を予測することは極めて危険であることを明瞭に示している。
【0021】
上記試験において、第1のタイプの類型に属する合成石英ガラスは、前記光学部材として短時間の使用にも適さないガラスであって、何れも105 ショットまでの間に吸光係数変化量(変化値)は0.1を越えてしまい、極大を示さないことが特徴である。
一方、第3のタイプの類型に属する合成石英ガラスは、照射後105 ショットまでの間、吸光係数変化量(変化値)が0.005以下であり、極大値はあまりはっきり現れない。この種の合成石英ガラスは、照射パルス回数の少ない短時間照射には光学部材として適当であるが、長時間照射には適さず、実際に、2×106 ショットの照射で、ガラス照射部に微細な破損が連続した線状損傷として発生した。
【0022】
これに対して、第2のタイプの類型に属する合成石英ガラスは2×105 ショットまでの間に吸光係数変化量の極大を示し、長時間照射に適した合成石英ガラスであることが判る。
しかしながら、照射パルス数が2×105 ショットまでの間における吸光係数変化量の極大値が0.1を越えるものは光学部材として適当でない。
従って、前記第2のタイプの合成石英ガラスの内、目的とする装置で扱うArFエキシマレーザの照射エネルギー密度(一般に10mJ/cm2 以下)での前記吸光係数の極大値が0.1以下のものを選択して使用することが、光学部材として好適である。
【0023】
ところが、現実の測定においては、照射エネルギー密度が小さいほど、吸光係数変化が小さくなるので、その変動量の極大の判別が難しく、装置で扱うエネルギー密度が小さい場合、2×105 ショットまでに生じる極大値の有無を判定することが困難であることが経験上判った。
そこで、図2に示した曲線2、2’を得た合成石英ガラスと同一の合成石英ガラスを用いて、照射エネルギー密度が50mJ/cm2 以下の範囲で、吸光係数変化量の極大値とレーザの照射エネルギー密度との関係を定量的に測定した。図3にこの吸光係数変化量と照射エネルギー密度の関係を示す。なお、図3中、図2の曲線2を得た合成石英ガラスと同一の合成石英ガラスを用いて得た曲線に2を、また図2の曲線2’を得た合成石英ガラスと同一の合成石英ガラスを用いて得た曲線に2’を付している。
【0024】
この図から明らかなように、両者の対数プロットは共に勾配0.5の直線となる。詳細な実験の結果、照射エネルギー密度が1mJ/cm2 以上であれば、吸光係数変化の最大値が0.005より大きくなり、極大値が明瞭に観測できることが判った。したがって、吸光係数変化の極大値を測定するために、照射エネルギー密度を1mJ/cm2 以上とする必要がある。
また、照射エネルギー密度を50mJ/cm2 以下としたのは、一般に用いられる照射エネルギー密度は10mJ/cm2 以下であり、50mJ/cm2 以上において特性を求めても、低エネルギー照射の特性を予測することは極めて困難なためである。
以上の実験結果及び知見を根拠として合成石英ガラスの適否を判定する本発明の上記方法が確立されたものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の合成石英ガラスの評価方法に用いる測定装置の概念図であり、図1に基づいて、測定装置について説明する。
図において、1は合成石英ガラス試料であって、レーザ光照射面及びその透過面、レーザ光に対し直交する方向から照射される参照光の照射面及びその透過面の4面が研磨されている。また2は前記参照光を照射するための重水素ランプ等からなる光源であって、前記光源2は電源5及び出力を制御するコントロ−ラ6と接続されている。また、8はArFエキシマレ−ザ発生器であって、レンズ1を介して合成石英ガラス試料1に照射され、透過光は受光器9によって受光される。更に、3は分光器であって、前記光源2からの参照光を、レーザ光と直角方向から試料に向けて照射し、試料中のArFエキシマレーザ光透過部分を通った光を選んで、この分光器3に導入し、特定波長(波長220nm近傍)を選択し、フォトメータなどの検出器4でその強度を測定するように構成されている。なお、図中、5’は検出器4の電源、7はレコ−ダを示している。
【0026】
図2は図1に示した装置を用い、下記に詳述する方法で、種々の合成石英ガラスのArFエキシマレーザ照射時の吸光係数変化量を照射パルス数に対してプロットした線図である。これらは、原料として四塩化珪素を用い、石英ガラス製バーナーにて酸素及び水素ガスを混合・燃焼させ、中心部から原料ガスをキャリアガス(酸素)で希釈して噴出させ、ターゲット上に堆積、溶融した合成石英ガラスであるが、これらのガス流量を適宜調整することによって、第1乃至3のタイプの試料を作成した。
【0027】
以下本発明を、図面に基づき更に具体的に説明する。この図1に示した装置を用いた測定法は次の通りである。
先ず、レーザ光照射面及びその透過面、レーザ光に対し直交する方向から照射される参照光の照射面及びその透過面の4面を研磨した合成石英ガラス試料1の該研磨照射面から対向研磨透過面に向けて照射エネルギ密度が1乃至50mJ/cm2 のArFエキシマレーザ光8をパルス照射する。
この照射強度は、この装置の場合、レーザの出力変更により調節するほか、レンズ1’を光路に挿入して調節される。
【0028】
一方、重水素ランプなどの光源2からの参照光を、レーザ光と直角方向から試料に向けて照射し、試料中のArFエキシマレーザ光透過部分を通った光を選んで、分光器3に導入し、特定波長(波長220nm近傍)を選択し、フォトメータなどの検出器4でその強度を測定する。
この強度値と、レーザ光を照射しない状態で、それ以外は前記と同様の条件下に照射した参照光の強度値とからレーザ光照射による試料の特定波長(220nm)での光透過率変化が測定でき、これを吸光係数の変化量(変化値)に換算する。
この操作を、前記レーザ光照射初期から照射パルスのショット数増加に応じて順に繰り返し実施し、これ等の測定値を、例えば、照射レーザパルス数を横軸とし、吸光係数変化値を縦軸としてプロットし、吸光係数変化量(変化値)/照射レーザパルス数の関係曲線図を作成する。
【0029】
得られた図の曲線の形から、例えば図2を参照して、この試料の曲線が第1乃至第3のタイプの何れの類型に属するかを判定する。
該曲線の形が図2に於ける曲線1又は3、即ちタイプ1又は3の類型に属する場合は、該試料の合成石英ガラスは、ArFエキシマレーザ装置用光学部材として不適格と判定する。
該曲線が第2のタイプに属する場合で、レーザパルス数2×105 ショットまでの間に吸光係数変化量(変化値)が0.005以上高い明瞭な極大を示す場合には、更に目的とするレーザ装置で扱う照射エネルギー密度に対応する吸光係数変化量(変化値)の極大値が0.1以下であることを確認して合格品と判定する。
【0030】
この場合において、目的とするレーザ装置で扱う照射エネルギー密度が、照射試験で用いたレーザ照射光のエネルギー密度と異なる場合には、レーザのエネルギー密度と吸光係数変化量との関係データを複数測定し、得られた結果を、例えば図3に示したような両対数グラフにプロットして、目的とするレーザ装置で扱う照射エネルギー密度に対応する吸光係数の変化量を求め、これが、0.1以下であることを確認して判定しても良い。
【0031】
また目的とするレーザ装置が、半導体産業分野で用いる集積回路の製造用ステッパ装置等の場合、一般にこの種の装置で扱うレーザ光の照射エネルギー密度は10mJ/cm2 以下であるから、上記吸光係数変化値/照射レーザパルス数関係曲線作成用測定実験のレーザ照射エネルギー密度を、目的とするレーザ装置の照射エネルギー密度と同一とし、照射したパルス数が2×105 パルスまでの間に、吸光係数変化量(変化値)が0.005以上の極大を示し、吸光係数変化量(変化値)が0.1以下であるか否かを判定することにより、直ちに試料の適否を評価することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明のこの方法を用いれば、従来30乃至300時間以上もの長時間を要する107 乃至108 パルス以上の、実証に極めて多大の費用と労力を必要とするレーザ装置部材用合成石英ガラスの光学的特性の適否を、わずか数時間でArFレーザの寿命を気にすることなく、しかも的確、且つ簡便に評価することができ、光学部材として好適な合成石英ガラスを確実に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のArFエキシマレーザ装置の光学部品用合成石英ガラスの分光光学的選択方法に用いる測定装置の概念図である。
【図2】図2は、種々の合成石英ガラスのArFエキシマレーザ照射時の吸光係数変化量を照射パルス数に対してプロットした線図である。
【図3】図3は、2×105 パルスまでの間に生じる吸光係数変化量の極大値とレーザ照射エネルギー密度との関係を示した線図である。
【符号の説明】
1 試料
1’ レンズ
2 光源
3 分光器
4 フォトメータ
5、5’電源
6 コントローラ
7 レコーダ
8 ArFエキシマレーザ照射装置
9 受光装置

Claims (2)

  1. レーザの照射エネルギ密度が10mJ/cm 2 より大きく50mJ/cm 2 以下のArFエキシマレーザを、合成石英ガラス試料の入射面から透過面に向けてパルス照射し、かつ参照光を、前記レーザの入射方向と直交する方向から、参照光の入射面を経て、前記ガラス試料中のレーザ照射部分に向けて照射し、参照光の透過面からの透過した参照光を分光器を経てフォトメータに導入することにより220nm付近に存在する紫外線域吸収ピークの強度を測定し、
    一方、レーザ光未照射状態とし、前記参照光を、前記レーザ光照射状態における参照光と同一方向から照射し、参照光の透過面からの透過した参照光を分光器を経てフォトメータに導入することにより220nm付近に存在する紫外線域吸収ピークの強度を測定し、
    前記レーザ光照射状態における強度値と、前記レーザ光未照射状態における強度値とから、レーザ光透過による吸光強度の変化を吸光係数変化値として求める操作を、前記レーザ照射初期からパルスショット数の増加に応じて繰り返し実施し、
    照射パルス数が2×105パルス経過までに、前記吸光係数変化値が、0.005以上の極大を示すか否かを判定し、吸光係数変化値が、0.005以上の極大を示す合成石英ガラス試料について更に前記照射エネルギ密度が10mJ/cm2以下のArFエキシマレーザを照射して、吸光係数変化が0.1以下であるか否かを判定し、吸光係数変化が0.1以下である場合に合格品とする、
    ことを特徴とする合成石英ガラスの評価方法。
  2. レーザの照射エネルギ密度が1乃至10mJ/cm2のArFエキシマレーザを、合成石英ガラス試料の入射面から透過面に向けてパルス照射し、かつ参照光を、前記レーザの入射方向と直交する方向から、参照光の入射面を経て、前記ガラス試料中のレーザ照射部分に向けて照射し、参照光の透過面からの透過した参照光を分光器を経てフォトメータに導入することにより220nm付近に存在する紫外線域吸収ピークの強度を測定し、
    一方、レーザ光未照射状態とし、前記参照光を、前記レーザ光照射状態における参照光と同一方向から照射し、参照光の透過面からの透過した参照光を分光器を経てフォトメータに導入することにより220nm付近に存在する紫外線域吸収ピークの強度を測定し、
    前記レーザ光照射状態における強度値と、前記レーザ光未照射状態における強度値とから、レーザ光透過による吸光強度の変化を吸光係数変化値として求める操作を、前記レーザ照射初期からパルスショット数の増加に応じて繰り返し実施し、
    前記照射パルス数が2×105パルス経過までに、前記吸光係数変化値が、0.005以上の極大を示し、かつ吸光係数変化が0.1以下であるか否かを判定し、前記吸光係数変化値が0.005以上の極大を示し、かつ吸光係数変化が0.1以下である場合に合格品とする、
    ことを特徴とする合成石英ガラスの評価方法。
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