JPH11228165A - 合成石英ガラス及びその評価方法 - Google Patents
合成石英ガラス及びその評価方法Info
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- JPH11228165A JPH11228165A JP4625498A JP4625498A JPH11228165A JP H11228165 A JPH11228165 A JP H11228165A JP 4625498 A JP4625498 A JP 4625498A JP 4625498 A JP4625498 A JP 4625498A JP H11228165 A JPH11228165 A JP H11228165A
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- C03B19/00—Other methods of shaping glass
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Abstract
に使用される優れた光学的特性を有する合成石英ガラス
を提供すること、とりわけ、ArFエキシマレーザの長
時間連続照射乃至108 回以上の多数回パルス照射によ
っても損傷や透光性の減退を生じることのない光学的耐
久性に優れた石英ガラスを提供すること、及び、そのよ
うな光学特性を有する合成石英ガラスを選択するため、
比較的短時間に確実にその適否を評価することができる
実用的な評価方法を提供する。 【解決手段】 最適な合成石英ガラスは、220nm付
近にピ−クを持つ紫外線吸収の変化を測定するArFレ
−ザ照射中の合成石英ガラスの透過率変化測定におい
て、レーザ光の照射エネルギー密度が1乃至50mJ/
cm2 であって、照射したパルス数が2×105 パルス
までの間に、吸光係数変化量が0.005以上の極大を
示し、かつ10mJ/cm2 以下のエネルギー密度にお
ける吸光係数変化量が0.1以下である。
Description
びその評価方法に関し、特にArFエキシマレーザを使
用する光学装置に用いられる光学部材用の合成石英ガラ
ス、及びArFエキシマレーザを使用する光学装置に用
いられる光学部材用として、好適な光学特性を有するか
否かを判定する合成石英ガラスの評価方法に関する。
ーザであり、広い応用分野が開拓されつつある。特に半
導体産業分野にあっては、シリコン等のウエハ上に集積
回路の微細なパタ−ンを露光、転写するためステッパ−
と呼ばれる露光装置が用いられ、ステッパ−の光源とし
て前記エキシマレ−ザの使用が予定されている。このス
テッパ−装置には、照明系あるいは投影レンズの光学用
部材として、多数の合成石英ガラス部材が使用されてい
る。しかし、近年、合成石英ガラスは、エキシマレーザ
ー光のような短波長紫外線に対し高い透過率を有する点
で優れた材料ではあるが、その一方においてレーザ光照
射により損傷を受けることが判明した。このレーザ光照
射により受ける損傷としては、例えば、レーザ光照射中
に使用波長が吸収されることにより生ずる透過率の減
退、またコンパクションと呼ばれる体積収縮による歪み
の発生がある。このような合成石英ガラスの損傷は、光
量変化や解像度低下、光学系の位置ズレ等を起こし、光
学装置としての性能低下を引き起こすものであった。
エネルギー密度にも関係することが判っているが、特に
波長の短いKrFやArFエキシマレーザの場合には、
220nm付近にピークを持つ紫外線吸収帯を生じるこ
とが知られている。この紫外線吸収帯は、KrFエキシ
マレーザの場合には、吸収ピークの裾が発振波長の24
5nmには達しないため、KrFエキシマレーザの発振
波長に影響を与えない。したがって、KrFエキシマレ
ーザの場合には、レーザ光自体の透過率の変化は実際上
問題とはならない。
には、この紫外線吸収帯がArFエキシマレーザの発振
波長の193nmにまで広がっているので、前記紫外線
吸収帯の出現によって、ArFエキシマレーザから照射
される紫外線が吸収されるため、照射時の透過率が減少
する。このような紫外線吸収の多い合成石英ガラスを、
例えばエキシマレーザ露光機のフォトマスクに使った場
合には、露光光量の変動をもたらし、露光条件の設定に
支障を来す。また、紫外線吸収に伴う温度上昇によって
マスクが膨張し、倍率の変化や位置ズレを起こす。これ
らの変化が許容できる透過率変化の限度は、使われる部
材の種類や装置仕様にもよるが、吸光度変化に換算した
場合0.1/cm以内であることが一応の条件とされて
いる。
って生じる合成石英ガラスの光吸収は、レーザ光を扱う
装置類の光学部品などへの応用に際し、極めて重大な問
題であるにも関わらず、その生成原因や実体的性質はよ
くわかっていない。現在、この光吸収は石英ガラスの光
誘起欠陥の一つである、良く知られたE’センターに関
係するものといわれているが、その生成のメカニズムや
変動要因の詳細は未だ不明である。
スの光学部材としての使用の適否は、実際にレーザ光を
照射してその光吸収を調べて判断することが行われてい
る。なお、このエキシマレーザの照射で起きる合成石英
ガラスの光吸収は、例えば、文献ジャパン、ジャーナル
オブアプライドフィジックス(Jpn. J.Appl.Phys. )第
34巻、1995年(M.Shimbo及びK.Sato著)に開示さ
れているように、照射中に発生する光吸収と、照射停止
後に残存する光吸収とに区別される。従来は、実験操作
の容易さから、照射後の残存光吸収を測定した例が大部
分であったが、エキシマレーザ装置の光学部材に用いる
場合には照射中の特性が最も重要である。従って、あく
まで照射時の透過率の変動を問題にする必要がある。
は、例えば文献フィジカルレビュウB(Physical Revie
w B )第45巻2050乃至2054頁(N.Kuzuu, Y.K
omastu,M.Murahara 著)等、ごく少数の報告があるが、
これらの報告は100mJ/cm2 付近又はそれ以上の
高いエネルギー密度においての照射試験であり、しかも
照射パルス回数はその殆どが1万回以下である。
光機の場合、実際に使われるエネルギー密度は数mJ/
cm2 以下であり、損傷の低減が見込まれる低エネルギ
ーの方向であるが、総パルス数は少なくとも107 パル
ス、場合によっては108 パルス以上と極めて多い。従
って、半導体製造装置における光学部品として使われる
合成石英ガラスには、このような照射条件において、一
定の性能を有する保証が必要になる。しかしながら、総
パルス数が少なくとも107 パルス、乃至108 パルス
以上となすためには、例えば100Hzの周波数の場
合、30時間から300時間の連続照射に相当し、レー
ザの寿命を考慮するとその合成石英ガラスの評価には多
大な労力と費用とを必要とする。そのため、従来は、こ
の低エネルギー密度、長時間照射に対する特性は、高エ
ネルギー密度、短時間照射実験の結果を外挿すれば良い
とされていた。
かめた結果からも、事実としてこの外挿値のみにより判
断することは極めて危険で、誤りを招来する可能性がか
なり高いことが判明した。このような事情から、本発明
者等の知る限りにおいて、使用する合成石英ガラスの特
性の適否を判断するための確立された実用的方法は勿
論、その方法の妥当性の判断基準、その検証試験例も未
だ知られていない。このため、現実的な短時間照射試験
によって、上記のような長時間照射の試験結果を確実に
推定できる合成石英ガラスの評価方法の確立が強く求め
られている。
エキシマレーザ装置、特に半導体製造用露光機の光学部
材として好適に用い得る合成石英ガラスを提供するた
め、及び合成石英ガラスにレーザ光を照射したときに、
光照射損傷を受けて透過率減少を起こす問題に対処する
ため、その損傷の度合いを予め見積もり、使用の適否を
判定するための評価方法を確立すべく鋭意研究を重ね
た。
照射光を透過させた状態の合成石英ガラスの該透過部分
に、直交方向から参照光を照射して透過させ、この透過
光を分光して特定波長の紫外光の吸光度を測定する操作
を該レーザ光のパルスショット数に対応して繰り返し、
得られたデータを特定方法で解析処理することにより、
比較的短時間に確実な合成石英ガラスの上記特性評価が
できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成す
るに至った。
レーザ装置、特に半導体製造用の露光機の光学部材とし
て好適に使用される優れた光学的特性を有する合成石英
ガラスを提供すること、とりわけ、ArFエキシマレー
ザの長時間連続照射乃至108 回以上の多数回パルス照
射によっても損傷や透光性の減退を生じることのない光
学的耐久性に優れた石英ガラスを提供すること、及び、
そのような光学特性を有する合成石英ガラスを選択する
ため、比較的短時間に確実にその適否を評価することが
できる実用的な評価方法を提供することにある。
nm付近にピ−クを持つ紫外線吸収の変化を測定するA
rFレ−ザ照射中の合成石英ガラスの透過率変化測定に
おいて、レーザ光の照射エネルギー密度が1乃至50m
J/cm2 であって、照射したパルス数が2×105 パ
ルスまでの間に、吸光係数変化量が0.005以上の極
大を示し、かつ10mJ/cm2 以下のエネルギー密度
における吸光係数変化量が0.1以下であることを特徴
とする合成石英ガラスが提供される。
ギー密度が50mJ/cm2 以下のArFエキシマレー
ザを、4面が研磨された合成石英ガラス試料の入射面か
ら透過面に向けてパルス照射し、かつ参照光を、前記レ
ーザの入射方向と直交する方向から、その入射面を経
て、前記ガラス試料中のレーザー照射部分に向けて照射
し、その透過面からの透過した参照光を分光器を経てフ
ォトメータに導入することにより220nm付近に存在
する紫外線域吸収ピークの強度を測定し、この強度値と
レーザー光非照射状態において同様に測定して得られた
強度値とからレーザ光透過による吸光強度の変化を吸光
係数変化量(変化値)として求める操作を、前記レーザ
照射初期からパルスショット数の増加に応じて繰り返し
実施し、照射エネルギー密度が1乃至50mJ/cm2
の範囲で、照射パルス数が2×105 パルス経過まで
に、前記吸光係数変化量(変化値)が、0.005以上
の極大を示し、かつ10mJ/cm2 以下の照射エネル
ギ密度で、吸光係数変化量(変化値)が0.1以下であ
ることを判定する合成石英ガラスの評価方法が提供され
る。
照射によっても損傷や透光性の減退を生じることのな
い、エキシマレーザ装置用光学部材として好適な光学特
性を有する合成石英ガラスを、比較的短時間に、しかも
的確に且つ容易にその適否を評価選択できる実用的な方
法を開発した点に重要な意義を有する。従って、本発明
のこの方法の測定手段、測定データ解析、判定手法及び
その判定基準を支持する技術的背景について以下順にそ
の概要を説明する。
ついて説明する。4面を研磨した石英ガラス試料に、照
射エネルギー密度50mJ/cm2 以下のArFエキシ
マレーザをパルス照射して試料中を透過させた状態で、
重水素ランプ等の光源からの参照光を、該レーザ光に直
交して試料のレーザ光透過部分に当て、その透過光を分
光して特定波長の紫外線光(具体的には波長220nm
近傍)の強度を測定し、この測定強度値とレーザ光を照
射しない状態で同様に測定した強度値とからレーザ光を
照射したことによる石英ガラスの透過率変化(吸光係数
変化)を求める。具体的には、 透過率変化量(変化値)={(レーザ光に直交して入射
した参照光の強度)/(レーザ光の非照射状態における
参照光の強度)}/試料の厚さ また、透過率変化量から次式により、吸光係数変化量が
求められる。 吸光係数変化量=2.303log(透過率変化量)
ット数の増加に対応して繰り返し実施し、パルスショッ
ト数2×105 パルス経過迄の吸光係数変化量(変化
値)の変動を曲線として記録する。この内、照射エネル
ギー密度が1乃至50mJ/cm2 の範囲のArFエキ
シマレーザ光照射で得られた吸光係数変化量(変化値)
の変動量曲線を用い、この曲線がパルスショット数2×
105 パルス経過迄の間に吸光係数変化量(変化値)と
して0.005以上の極大を有するか否かを調べる。前
記曲線が上記極大を示さない合成石英ガラスは不合格品
と判定する。前記極大を示した合成石英ガラスの内、照
射エネルギー密度が10mJ/cm2 以下のArFエキ
シマレーザ光照射において、吸光係数変化量(変化値)
が0.1以下であるものを合格品と判定する。
について説明する。本発明者等は、各種の合成石英ガラ
ス試料を用意し、これら多数の合成石英ガラス試料に、
5mJ/cm2 の照射エネルギー密度のArFレーザ光
を照射しながら上記要領に従ってその時々の参照光透過
率変化を測定し、得られたデータから各ガラスの波長2
20nmでの吸光係数変化を計算し、照射されたレーザ
パルス数との関係をプロットした線図を作成した。な
お、この測定は、特に照射初期の透過率変動と長時間照
射時の変動との関係を調べることを目的としたものであ
るため、可能な限り長時間照射した。
ラスのデータを集約し検討した結果、合成石英ガラスの
上記吸光係数変化値の変動量曲線は、図2に示されてい
るように、大別して3タイプの曲線で表される変動のい
ずれかの類型に属する変動を示すことが明らかとなっ
た。即ち、第1のタイプは、図2の曲線1で代表される
ように照射パルスの増加につれて吸光係数が漸次増加し
ていく合成石英ガラス、第2のタイプは曲線2,2’で
代表されるように照射開始後、吸光係数がある程度増加
するが、2×105パルス迄の間に極大を生じてその後
減少し、照射パルス数が極めて大きくなった時点で、再
び増加に転じる合成石英ガラス、第3のタイプは、曲線
3で代表されるように照射開始後から一定のパルスまで
は、吸光係数変化量が極めて少ないが、照射パルス回数
が増し、106 ショットに近づいた時点で急激に吸光係
数が増加する合成石英ガラスである。
50mJ/cm2 の高い照射エネルギー密度で、前記曲
線3を得た合成石英ガラスと同一の合成石英ガラスに照
射した場合における吸光係数変化量曲線を示している。
図2のこの曲線3’と曲線3とを比較することにより容
易に理解できるように、高エネルギー、短時間照射の結
果は低エネルギー長時間照射の場合の特性とその様相が
大きく異なり、高エネルギー、短時間照射の結果を単純
に外挿して低エネルギー長時間照射の特性を予測するこ
とは極めて危険であることを明瞭に示している。
属する合成石英ガラスは、前記光学部材として短時間の
使用にも適さないガラスであって、何れも105 ショッ
トまでの間に吸光係数変化量(変化値)は0.1を越え
てしまい、極大を示さないことが特徴である。一方、第
3のタイプの類型に属する合成石英ガラスは、照射後1
05 ショットまでの間、吸光係数変化量(変化値)が
0.005以下であり、極大値はあまりはっきり現れな
い。この種の合成石英ガラスは、照射パルス回数の少な
い短時間照射には光学部材として適当であるが、長時間
照射には適さず、実際に、2×106 ショットの照射
で、ガラス照射部に微細な破損が連続した線状損傷とし
て発生した。
る合成石英ガラスは2×105 ショットまでの間に吸光
係数変化量の極大を示し、長時間照射に適した合成石英
ガラスであることが判る。しかしながら、照射パルス数
が2×105 ショットまでの間における吸光係数変化量
の極大値が0.1を越えるものは光学部材として適当で
ない。従って、前記第2のタイプの合成石英ガラスの
内、目的とする装置で扱うArFエキシマレーザの照射
エネルギー密度(一般に10mJ/cm2 以下)での前
記吸光係数の極大値が0.1以下のものを選択して使用
することが、光学部材として好適である。
ネルギー密度が小さいほど、吸光係数変化が小さくなる
ので、その変動量の極大の判別が難しく、装置で扱うエ
ネルギー密度が小さい場合、2×105 ショットまでに
生じる極大値の有無を判定することが困難であることが
経験上判った。そこで、図2に示した曲線2、2’を得
た合成石英ガラスと同一の合成石英ガラスを用いて、照
射エネルギー密度が50mJ/cm2 以下の範囲で、吸
光係数変化量の極大値とレーザの照射エネルギー密度と
の関係を定量的に測定した。図3にこの吸光係数変化量
と照射エネルギー密度の関係を示す。なお、図3中、図
2の曲線2を得た合成石英ガラスと同一の合成石英ガラ
スを用いて得た曲線に2を、また図2の曲線2’を得た
合成石英ガラスと同一の合成石英ガラスを用いて得た曲
線に2’を付している。
ロットは共に勾配0.5の直線となる。詳細な実験の結
果、照射エネルギー密度が1mJ/cm2 以上であれ
ば、吸光係数変化の最大値が0.005より大きくな
り、極大値が明瞭に観測できることが判った。したがっ
て、吸光係数変化の極大値を測定するために、照射エネ
ルギー密度を1mJ/cm2 以上とする必要がある。ま
た、照射エネルギー密度を50mJ/cm2 以下とした
のは、一般に用いられる照射エネルギー密度は10mJ
/cm2 以下であり、50mJ/cm2 以上において特
性を求めても、低エネルギー照射の特性を予測すること
は極めて困難なためである。以上の実験結果及び知見を
根拠として合成石英ガラスの適否を判定する本発明の上
記方法が確立されたものである。
明する。図1は、本発明の合成石英ガラスの評価方法に
用いる測定装置の概念図であり、図1に基づいて、測定
装置について説明する。図において、1は合成石英ガラ
ス試料であって、レーザ光照射面及びその透過面、レー
ザ光に対し直交する方向から照射される参照光の照射面
及びその透過面の4面が研磨されている。また2は前記
参照光を照射するための重水素ランプ等からなる光源で
あって、前記光源2は電源5及び出力を制御するコント
ロ−ラ6と接続されている。また、8はArFエキシマ
レ−ザ発生器であって、レンズ1を介して合成石英ガラ
ス試料1に照射され、透過光は受光器9によって受光さ
れる。更に、3は分光器であって、前記光源2からの参
照光を、レーザ光と直角方向から試料に向けて照射し、
試料中のArFエキシマレーザ光透過部分を通った光を
選んで、この分光器3に導入し、特定波長(波長220
nm近傍)を選択し、フォトメータなどの検出器4でそ
の強度を測定するように構成されている。なお、図中、
5’は検出器4の電源、7はレコ−ダを示している。
述する方法で、種々の合成石英ガラスのArFエキシマ
レーザ照射時の吸光係数変化量を照射パルス数に対して
プロットした線図である。これらは、原料として四塩化
珪素を用い、石英ガラス製バーナーにて酸素及び水素ガ
スを混合・燃焼させ、中心部から原料ガスをキャリアガ
ス(酸素)で希釈して噴出させ、ターゲット上に堆積、
溶融した合成石英ガラスであるが、これらのガス流量を
適宜調整することによって、第1乃至3のタイプの試料
を作成した。
説明する。この図1に示した装置を用いた測定法は次の
通りである。先ず、レーザ光照射面及びその透過面、レ
ーザ光に対し直交する方向から照射される参照光の照射
面及びその透過面の4面を研磨した合成石英ガラス試料
1の該研磨照射面から対向研磨透過面に向けて照射エネ
ルギ密度が1乃至50mJ/cm2 のArFエキシマレ
ーザ光8をパルス照射する。この照射強度は、この装置
の場合、レーザの出力変更により調節するほか、レンズ
1’を光路に挿入して調節される。
照光を、レーザ光と直角方向から試料に向けて照射し、
試料中のArFエキシマレーザ光透過部分を通った光を
選んで、分光器3に導入し、特定波長(波長220nm
近傍)を選択し、フォトメータなどの検出器4でその強
度を測定する。この強度値と、レーザ光を照射しない状
態で、それ以外は前記と同様の条件下に照射した参照光
の強度値とからレーザ光照射による試料の特定波長(2
20nm)での光透過率変化が測定でき、これを吸光係
数の変化量(変化値)に換算する。この操作を、前記レ
ーザ光照射初期から照射パルスのショット数増加に応じ
て順に繰り返し実施し、これ等の測定値を、例えば、照
射レーザパルス数を横軸とし、吸光係数変化値を縦軸と
してプロットし、吸光係数変化量(変化値)/照射レー
ザパルス数の関係曲線図を作成する。
参照して、この試料の曲線が第1乃至第3のタイプの何
れの類型に属するかを判定する。該曲線の形が図2に於
ける曲線1又は3、即ちタイプ1又は3の類型に属する
場合は、該試料の合成石英ガラスは、ArFエキシマレ
ーザ装置用光学部材として不適格と判定する。該曲線が
第2のタイプに属する場合で、レーザパルス数2×10
5 ショットまでの間に吸光係数変化量(変化値)が0.
005以上高い明瞭な極大を示す場合には、更に目的と
するレーザ装置で扱う照射エネルギー密度に対応する吸
光係数変化量(変化値)の極大値が0.1以下であるこ
とを確認して合格品と判定する。
で扱う照射エネルギー密度が、照射試験で用いたレーザ
照射光のエネルギー密度と異なる場合には、レーザのエ
ネルギー密度と吸光係数変化量との関係データを複数測
定し、得られた結果を、例えば図3に示したような両対
数グラフにプロットして、目的とするレーザ装置で扱う
照射エネルギー密度に対応する吸光係数の変化量を求
め、これが、0.1以下であることを確認して判定して
も良い。
分野で用いる集積回路の製造用ステッパ装置等の場合、
一般にこの種の装置で扱うレーザ光の照射エネルギー密
度は10mJ/cm2 以下であるから、上記吸光係数変
化値/照射レーザパルス数関係曲線作成用測定実験のレ
ーザ照射エネルギー密度を、目的とするレーザ装置の照
射エネルギー密度と同一とし、照射したパルス数が2×
105 パルスまでの間に、吸光係数変化量(変化値)が
0.005以上の極大を示し、吸光係数変化量(変化
値)が0.1以下であるか否かを判定することにより、
直ちに試料の適否を評価することができる。
乃至300時間以上もの長時間を要する107 乃至10
8 パルス以上の、実証に極めて多大の費用と労力を必要
とするレーザ装置部材用合成石英ガラスの光学的特性の
適否を、わずか数時間でArFレーザの寿命を気にする
ことなく、しかも的確、且つ簡便に評価することがで
き、光学部材として好適な合成石英ガラスを確実に選択
することができる。
光学部品用合成石英ガラスの分光光学的選択方法に用い
る測定装置の概念図である。
マレーザ照射時の吸光係数変化量を照射パルス数に対し
てプロットした線図である。
光係数変化量の極大値とレーザ照射エネルギー密度との
関係を示した線図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 220nm付近にピ−クを持つ紫外線吸
収の変化を測定するArFレ−ザ照射中の合成石英ガラ
スの透過率変化測定において、レーザ光の照射エネルギ
ー密度が1乃至50mJ/cm2 であって、照射したパ
ルス数が2×105 パルスまでの間に、吸光係数変化量
が0.005以上の極大を示し、かつ10mJ/cm2
以下のエネルギー密度における吸光係数変化量が0.1
以下であることを特徴とする合成石英ガラス。 - 【請求項2】 4面を研磨した合成石英ガラス試料に、
ArFエキシマレーザをパルス照射して透過させ、か
つ、参照光を該レーザ入射方向に直交する方向から該ガ
ラス試料中のレーザー照射部分に向けて照射し、透過し
た参照光を分光測定することにより、220nm付近に
ピ−クを持つ紫外線吸収の変化を測定するArFレ−ザ
照射中の合成石英ガラスの透過率変化測定において、 前記レーザ光の照射エネルギー密度が1乃至50mJ/
cm2 であって、照射したパルス数が2×105 パルス
までの間に、吸光係数変化量が0.005以上の極大を
示し、かつ10mJ/cm2 以下のエネルギー密度にお
ける吸光係数変化量が0.1以下であることを特徴とす
る合成石英ガラス。 - 【請求項3】 前記合成石英ガラスは、ArFエキシマ
レーザを使用した集積回路製造用ステッパ装置に用いら
れる光学部材であることを特徴とする請求項1または請
求項2に記載された合成石英ガラス。 - 【請求項4】 レーザの照射エネルギー密度が50mJ
/cm2 以下のArFエキシマレーザを、4面が研磨さ
れた合成石英ガラス試料の入射面から透過面に向けてパ
ルス照射し、かつ参照光を、前記レーザの入射方向と直
交する方向から、その入射面を経て、前記ガラス試料中
のレーザー照射部分に向けて照射し、その透過面からの
透過した参照光を分光器を経てフォトメータに導入する
ことにより220nm付近に存在する紫外線域吸収ピー
クの強度を測定し、この強度値とレーザー光非照射状態
において同様に測定して得られた強度値とからレーザ光
透過による吸光強度の変化を吸光係数変化値として求め
る操作を、前記レーザ照射初期からパルスショット数の
増加に応じて繰り返し実施し、 照射エネルギ密度が1乃至50mJ/cm2 の範囲で、
照射パルス数が2×105 パルス経過までに、前記吸光
係数変化値が、0.005以上の極大を示し、かつ10
mJ/cm2 以下の照射エネルギー密度で、吸光係数変
化が0.1以下であることを判定する合成石英ガラスの
評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04625498A JP3673391B2 (ja) | 1998-02-12 | 1998-02-12 | 合成石英ガラスの評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04625498A JP3673391B2 (ja) | 1998-02-12 | 1998-02-12 | 合成石英ガラスの評価方法 |
Publications (2)
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