JPH1060878A - 深層混合処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地盤土壌と地盤処理材との混練効果の格段の
向上が期待できる深層混合処理装置の提供。 【解決手段】 回転軸を内外二重管構造にし、外軸６の
下端から突出する内軸１の先端に掘削兼攪拌翼１１を取
り付けるとともに、外軸６の下端部に上下２段の攪拌翼
１２，１３を取り付け、外軸６を内軸１に沿って強制的
に上下動できるようにするとともに、外軸６の下段の攪
拌翼１３を外軸６に沿って自由に若干距離上下動できる
ようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸の下端部に
複数段に取り付けた攪拌翼で地盤土壌と地盤処理材とを
攪拌混合する深層混合処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の深層混合処理装置の一般例では、
回転軸の貫入方向に対して直角の方向（水平方向）の攪
拌が主で、上下方向の攪拌機構がなく、また、攪拌土が
攪拌翼と共回りや共上がりをする現象が起こり易いた
め、地盤土壌と地盤処理材が良く混ざらないという問題
点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前述の従来技術の問題点に鑑み、攪拌土を
水平方向のみならず上下方向にも動かすことができ、か
つ、攪拌土の共回りや共上がりを確実に防止することが
できて、地盤土壌と地盤処理材との混練効果の格段の向
上が期待できる深層混合処理装置を提供することにあ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の深層混合処理装置では、回転軸を内外二重
管構造にし、外軸を貫通してその下端から突出する内軸
の先端に掘削兼攪拌翼を取り付けるとともに、外軸の下
端部に上下２段の攪拌翼を取り付け、外軸を内軸に沿っ
て強制的に上下動できるようにするとともに、外軸の下
段の攪拌翼を外軸に沿って自由に若干距離上下動できる
ようにしている。

【０００５】なお、本発明の深層混合処理装置では、内
軸と外軸の回転方向は同方向と逆方向の何れでもよい
が、同方向の場合は回転数が異なるようにするのが好ま
しい。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の深層混合処理装置の一例
を示す図１において、内軸１は、管状で、ボックス２に
回転自在に支持され、モータ３からボックス２内の動力
伝達機構（図示しない）を介して伝達される動力で一方
向に回転するようになっており、ボックス２から突出す
る内軸１の上端部にはスイベル４を介して地盤処理材供
給ホース５が連結されている。

【０００７】外軸６の上端部は上方拡径部７と下方拡径
部８とで構成され、上方拡径部７はボックス２に回転自
在に支持され、上方拡径部７の下方部に下方拡径部８の
上方部が嵌合しているが、この嵌合部にはキー・溝機構
９が設けられ、下方拡径部８は上方拡径部７と共に回転
しながら、上下動できるようになっている。

【０００８】上方拡径部７は、モータ３からボックス２
内の動力伝達機構（図示しない）を介して伝達される動
力で内軸１と同方向もしくは逆方向に回転するようにな
っているが、内軸１と外軸６の回転方向が同じ場合は、
両者の回転数が異なるようにする。

【０００９】下方拡径部８は、ボックス２に複数の油圧
シリンダ装置１０を介して上下動自在かつ回転自在に支
持され、シリンダ装置１０の作動で回転しながら上下動
されるようになっている。

【００１０】内軸１は下方拡径部８に連なる外軸６内を
貫通し、外軸６の下端から突出する内軸１の先端には複
数本（通常は２本ないし３本）の掘削兼攪拌翼１１が放
射状に突設され、この掘削兼攪拌翼１１の少なくとも１
本に地盤処理材吐出孔（図示しない）が設けられてい
る。

【００１１】外軸６の下端部には上下２段にそれぞれ複
数本の攪拌翼１２，１３が放射状に突設され、上段の攪
拌翼１２は基部が外軸６の周面に直接、固着されている
が、下段の攪拌翼１３は、基部が外軸６との間にキー・
溝機構が設けられているボス１４に固着されていて、外
軸６と共に回転しながら外軸６に沿って若干距離自由に
上下動できるようになっている。

【００１２】攪拌翼１２と攪拌翼１３は、位相を変えて
外軸６に取り付けて、平面的に重ならないようにするの
が好ましく、また、断面形状を倒台形にし、基部を太く
するのが好ましい。

【００１３】なお、攪拌翼１２にも地盤処理材吐出孔を
設ける場合があるが、この場合は、内軸１内に掘削兼攪
拌翼１１と攪拌翼１２の各地盤処理材吐出孔に通じる開
口を交互に開閉する切り替え弁を設ける。

【００１４】前述の深層混合処理装置を用いて、貫入時
に地盤土壌と地盤処理材の攪拌混合を行う場合は、内軸
１と外軸６を共に回転させながら地中に貫入し、この
間、掘削兼攪拌翼１１の地盤処理材吐出孔から地盤処理
材（例えば、セメントスラリー）を吐出するとともに、
外軸６を例えば１分間に３回程度上下動させる。

【００１５】この際、攪拌翼１２は外軸６の上下動に応
じて上下動するが、攪拌翼１３は、外軸６が下方に動く
ときは地盤土壌の抵抗により一旦、上限位置まで上方に
動いてから下方に動き、外軸６が上方に動くときは地盤
土壌の抵抗により一旦、下限位置まで下方に動いてから
上方に動く。

【００１６】このようにして、掘削兼攪拌翼１１と攪拌
翼１２，１３の回転により地盤土壌と地盤処理材が水平
方向において攪拌混合されるとともに、攪拌翼１２，１
３の上下動により混練土が上下方向に拡散されるので、
地盤土壌と地盤処理材とが良く混ざり、しかも、上下の
攪拌翼間の間隔が変わることにより混練土の共回りや共
上がりが防止されるので、攪拌混合効果が一段と向上す
る。

【００１７】以上、本発明の深層混合処理装置の１例と
その使用の１態様について説明したが、本発明がこれに
限定されないことは言うまでもない。

【００１８】なお、内軸１と外軸６の回転方向が逆の場
合は勿論のこと、同方向であっても回転数を変えれば、
混練土の共回り防止に有効であり、この点も本発明の深
層混合処理装置の利点である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の深層混合処理装置の一例の要部を示す
側面図である。

【符号の説明】

１：内軸、２：ボックス、３：モータ、４：スイベル、
５：地盤処理材供給ホース、６：外軸、７：上方拡径
部、８：下方拡径部、９：キー・溝機構、１０：油圧シ
リンダ装置、１１：掘削兼攪拌翼、１２：攪拌翼、１
３：攪拌翼、１４：ボス。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転軸の下端部に複数段に取り付けた攪
   拌翼で地盤土壌と地盤処理材とを攪拌混合する深層混合
   処理装置において、回転軸を内外二重管構造にし、外軸
   を貫通してその下端から突出する内軸の先端に掘削兼攪
   拌翼を取り付けるとともに、外軸の下端部に上下２段の
   攪拌翼を取り付け、外軸を内軸に沿って強制的に上下動
   できるようにするとともに、外軸の下段の攪拌翼を外軸
   に沿って自由に若干距離上下動できるようにしたことを
   特徴とする深層混合処理装置。
2. 【請求項２】 内軸と外軸が同じ方向に異なる回転数で
   回転するようになっている請求項１記載の深層混合処理
   装置。
3. 【請求項３】 内軸と外軸が逆方向に回転するようにな
   っている請求項１記載の深層混合処理装置。