JPH1060397A - シール材料および液晶表示装置 - Google Patents

シール材料および液晶表示装置

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JPH1060397A
JPH1060397A JP21362696A JP21362696A JPH1060397A JP H1060397 A JPH1060397 A JP H1060397A JP 21362696 A JP21362696 A JP 21362696A JP 21362696 A JP21362696 A JP 21362696A JP H1060397 A JPH1060397 A JP H1060397A
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JP
Japan
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sealing material
carbon black
light
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group
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JP21362696A
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English (en)
Inventor
Masaki Mori
昌己 森
Katsumasa Nakamura
勝匡 中村
Hiroyuki Sasaki
浩行 佐々木
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高温高湿、高温高圧の苛酷な環境条件において
透明基板と優れた密着性を有するシール材料および液晶
表示装置。 【解決手段】粒状遮光剤を含む樹脂からなるシール材料
で該シール材料を用い透明基板上で塗膜形成し、これを
80℃以下、95%RH以下で100時間以下の高温高
湿処理した後かまたはプレッシャークッカーテスト装置
による121℃、2kgf /cm2 の飽和水蒸気で24時間
以下の高温高湿処理後、JIS K5400ー1990
に基き測定時の評価点数が8以上であることを特徴と
し、該高温高湿処理後、JIS K6849ー1976
接着剤の引張り接着強さ試験に準じ測定時の、該シール
材料と透明基板との密着性が、1 kgf/cm2 以上を特徴
とする。本発明の液晶表示装置は、かかるシール材料
が、少なくとも一対の透明基板の間に液晶を封入するた
めのシール部に使用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密着性に優れたシ
ール材料およびそれを用いてなる液晶表示装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置等に使用される色分解のカ
ラーフィルタは、透明基板上に形成された赤、緑、青の
三原色の画素から構成されている。そして、各画素に一
定の幅を持つ遮光領域(一般にブラックマトリックスと
称されている)を有するカラーフィルタは、例えば特開
昭62ー254103号公報で提案されているように知
られている。
【0003】カラーフィルタのブラックマトリックスに
は、例えば特公平2ー1311号公報に示されているよ
うに、光学的に黒である金属からなる不透明膜を配設す
る金属からなる遮光材料と、例えば、特開昭62−14
103号公報で示されているように、透明樹脂をフォト
リソグラフィ法によりパターンニングした後、黒色染料
で染色する方法、さらに特開平2−196284号公
報、特開平2−239204号公報で示されているよう
に、カーボンブラック等の黒色色素を含むバインダー樹
脂を用いて、フォトリソグラフィ法によりパターンニン
グする方法、また、さらに特開平4−13105号公報
で示されているように、樹脂中に互いに補色関係にある
顔料を少なくとも二色以上分散し、フォトリソグラフィ
法によりパターンニングする方法などのような黒色の樹
脂からなる遮光材料とが知られている。 後者の黒色の
樹脂からなる遮光材料は、金属からなる遮光材料と比較
して、真空密着法またはスパッタ法などによる製膜が不
要であるので、製膜コストが安いこと、フォトリソグラ
フィ法によるパターンニング時に発生する廃液の処理コ
ストが安いなど、製造コスト的に優位な方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
黒色の樹脂からなる遮光材料は、電気絶縁性、低反射
性、色相などの品質の点では、金属遮光材料より優れた
特性があるものの、唯一の課題として、金属遮光材料と
比較して、透明基板との密着性が低いという欠点があっ
た。特に、高温高湿、高温高圧といった苛酷な環境下に
おいて透明基板と優れた密着性を有する樹脂製の遮光材
料は知られていない。
【0005】この点において、金属遮光材料、つまり金
属単層構造薄膜や多層構造薄膜は、優れた密着性を有す
るために、製造コスト的に劣るにも拘わらず、全面的に
市場を占有しているのが実状である。
【0006】かかる密着性は、液晶表示装置に、かかる
遮光材料を組み込んだ時の信頼性、および液晶表示装置
の設計に関与してくるもので、信頼性の不足は長期間に
わたる安定した表示品質を保証できないと言う致命的欠
点を惹起するものであった。また液晶表示装置セル組み
では、一対の透明基板の間に液晶を注入するためのシー
ル部を基板周辺に形成するが、密着性の不足が、ブラッ
クマトリックス額縁部上を避けてシール部を形成せざる
を得ないという液晶表示装置設計上の致命的な制約を余
儀なくさせていたものである。したがって、透明基板サ
イズ一杯の大型パネルを低コストで製造したいにも拘ら
ず、かかる市場の動きに対応出来ないでいるのが実状で
あった。
【0007】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
金属遮光材料と同等の優れた密着性を有するシール材料
および液晶表示装置を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、つぎのような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のシール材料は、粒状遮光剤を含
む樹脂からなるシール材料であって、かつ、該シール材
料を用いて透明基板上で塗膜形成し、かつ、これを80
℃以下、95%RH以下で100時間以下の高温高湿処
理した後かまたはプレッシャークッカーテスト装置によ
る121℃、2kgf /cm2 の飽和水蒸気で24時間以下
の高温高湿処理した後に、JIS K5400ー199
0に基いて測定したときの評価点数が8以上であること
を特徴とするものであり、また、該高温高湿処理した
後、JIS K6849ー1976接着剤の引張り接着
強さ試験に準じて測定したときの、該シール材料と透明
基板との密着性が、1 kgf/cm2 以上であることを特徴
とするものである。
【0009】また、本発明の液晶表示装置は、かかるシ
ール材料が、少なくとも一対の透明基板の間に液晶を封
入するためのシール部に使用されていることを特徴とす
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、遮光材料と透明基板と
が、高温高湿、或いは高温高圧といつた苛酷な環境下に
おいても優れた密着性を有する、信頼性に優れた大型パ
ネルの液晶表示装置を低コストで提供するために鋭意検
討したところ、特定の粒状遮光剤を必須構成要件として
シール材料を構成することにより、かかる課題を一挙に
解決することを究明したものである。
【0011】本発明のシール材料は、粒状遮光剤を含む
樹脂からなるシール材料であって、かかるシール材料を
用いて透明基板上で塗膜形成して、これをカラーフィル
タで通常行なわれている信頼性試験に準じた条件、すな
わち、80℃以下、95%RH以下で100時間以下の
高温高湿処理をするか、または、プレッシャークッカー
テスト装置(平山製作所(株)製)により、121℃、
2 kgf/cm2 の飽和水蒸気で24時間以下の高温高湿処
理をした後、JIS K5400ー1990で規格され
ている碁盤目試験で測定したときの、評価点数が8以上
の該シール材料と透明基板との密着性を示すものであ
る。
【0012】また、上述の高温高湿処理をした後、JI
S K6849ー1976で規格されている接着剤の引
張り接着強さ試験に準じて図1に示す方法で測定したと
き、1 kgf/cm2 以上の該シール材料と透明基板との密
着性を示すものである。
【0013】図1においては、遮光材料1が、透明基板
2上に形成されている。遮光材料1上にシール材(三井
東圧(株)製、”ストラクトボンド”)3を3mg付着
し、6μmのフィルム4をスペーサーとして透明基板
2′を重ねる。80℃で5分乾燥、140℃で60分さ
らに180℃で90分硬化後、バネ秤5を取付け治具
6、接着剤7を介して透明基板2′に装着する。バネ秤
5を引張り、遮光材料1が破壊した時の荷重Fを読み取
り、シール剤3との接着面積Sから、密着性F/Sを算
出することができる。
【0014】また、本発明のシール材料は、一対の透明
基板の間に液晶を封入してなる液晶表示装置セル組みに
おいて、該シール材料上で液晶を封入するためのシール
部形成が可能であり、該シール材料と透明基板およびシ
ール部との剥離がないことに特徴を有するものである。
【0015】シール部における密着性は、スクリーン印
刷によりシール材料上にシール剤(三井東圧(株)
製、”ストラクトボンド”)を形成し、直径6μmのグ
ラスファイバースペーサーを散布した対向基板と貼合わ
せてプレスし、80℃で5分乾燥、140℃、5 kgf/
cm2 で60分、さらに180℃、5 kgf/cm2 で90分
硬化させることにより、シール部を作製する。次に、シ
ール部の外側に沿ってダイヤモンドカッターでスクライ
ブし、ゴムハンマーで基板の切断を行い、切断時のショ
ックにおける剥離の有無で評価することができる。
【0016】かかる液晶表示装置の透明基板として、無
アルカリガラス、アルカリガラス、シリカガラスなどの
無機ガラス類、有機プラスチックのフィルムまたはシー
トなどが挙げられるが、耐熱性、耐薬品性、表面精度な
どの関係で無機ガラス類が好ましく使用される。無機ガ
ラス類として、フロート法、スロットダウンフロー法、
フュージョンダウンドロー法などの製造方法、さらに
は、熱処理或いは研磨の有無などの加工方法を異にする
各種の透明ガラスを用いることができる。
【0017】また、かかる液晶表示装置のシール剤とし
て、熱硬化タイプ或いは紫外線硬化タイプのエポキシ系
樹脂やフェノール系樹脂などが挙げられるが、本発明で
は、これらに限定されない。
【0018】かかる密着性に優れた遮光剤としては、例
えば、表面のカルボキシル基濃度[COOH]、表面の
水酸基濃度[OH]、および表面のスルホン酸基濃度
[SO3 H]の少なくとも1種の全炭素原子に対するモ
ル比が、好ましくは0.005を越えるもの、さらに好
ましくは0.010を越える酸性カーボンブラック、さ
らにはアジリジン基、オキサゾリン基、Nーヒドロキシ
アルキルアミド基、イソシアネート基、エポキシ基、ビ
ニル基、アクリル基、およびメタクリル基から選ばれた
すくなくとも1種類の反応性基を含有する高分子化合物
によって、表面がカーボンブラック100部に対して5
部以上グラフト化されてなる、グラフト化カーボンブラ
ックが好ましくは使用される。
【0019】これらの特定なカーボンブラックは、好ま
しくは二種類併用するのがよく、さらに好ましくは酸性
基濃度を高めた酸性カーボンブラックを、カーボンブラ
ック総量の好ましくは50重量%以上、さらに好ましく
は60重量%以上併用するのがよい。
【0020】かかる酸性カーボンブラックの、表面のカ
ルボキシル基濃度、水酸基濃度、またはスルホン酸基濃
度は、X線光電子分光計((株)島津製作所製”ESC
A750”)を用いて測定することができる。特に、化
学修飾法と組み合わせてX線光電子分光法を用いるのが
好ましい。例えば、トリフルオロエタノール等とカルボ
キシル基と反応させることによってラベル化させ、X線
光電子分光法により検出されたF1Sピーク強度により、
カルボキシル基の濃度を定量的に測定することができ
る。
【0021】次に、かかる酸性カーボンブラックを製造
する方法としては、例えば、カルボキシル基、水酸基を
カーボンブラックの表面に設ける場合は、カーボン粉を
高温下で遊離酸素と接触させ酸化させる方法、オゾン、
NO2 などの酸化剤によって酸化させる方法、臭素およ
び水によって、常圧下または加圧下で処理する方法、硝
酸や硫酸など酸化性の溶液で酸化する方法などを採用す
ることができる。また、スルホン酸基、カルボキシル
基、水酸基などの酸性基をカーボンブラックの表面に設
ける場合は、発煙硫酸によるスルホン化等の化学反応に
よる方法を採用することができる。
【0022】かかるカーボンブラックは、チャネルブラ
ック、ローラーブラック、ディスクブラックと呼ばれて
いるコンタクト法で製造されたもの、ガスファーネスブ
ラック、オイルファーネスブラックと呼ばれているファ
ーネス法で製造されたもの、サーマルブラック、アセチ
レンブラックと呼ばれているサーマル法で製造されたも
のなど各種のものを用いることができる。これらのカー
ボンブラックの中でも、好ましくはチャネルブラック、
ガスファーネスブラック、およびオイルファーネスブラ
ック、さらに好ましくはファーネスブラックが樹脂への
分散性に優れていて良い。
【0023】シール材料は、膜厚が薄いほど、カラーフ
ィルタ上での表面段差が小さくなるので好ましいが、本
発明のシール材料は、膜厚1μmあたりの光学濃度が、
波長430〜640nmの可視光域において、2.0以
上であるところに特徴を有する。
【0024】かかる遮光剤によって、高い遮光性を得る
ためには、該遮光剤中に占める上述特定カーボンブラッ
クを、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60
重量%以上、特に好ましくは70重量%以上含有せしめ
るのがよい。さらに、高い遮光性を有するシール材料を
提供するには、該マトリックス総量に対する遮光剤の配
合量を、好ましくは30重量%以上、より好ましくは4
0重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上とする
のがよい。
【0025】本発明で使用する遮光剤としては、かかる
特定カーボンブラック以外の遮光剤を併用することがで
き、例えば、通常市販されているカーボンブラック、酸
化チタン、四酸化鉄などの金属酸化物粉、金属硫化物
粉、金属粉の他に、赤、青、緑、紫色等の顔料などを併
用することができる。これらの中でも樹脂への分散性の
上から特に顔料が好ましく使用される。
【0026】かかる顔料としては、該カーボンブラック
に対して補色の関係にある色を有する顔料を使用するの
が好ましい。すなわち、かかる顔料は、該カーボンブラ
ックと併用することによって、色相をニュートラルブラ
ックにさせることができ、それによって遮光性をさらに
改善させることができる効果を奏する。例えば、粒径の
小さいカーボンブラックは、主として茶系統の色調を有
するものであり、かかる茶色の補色、つまり青および紫
系から選ばれた少なくとも1種の色の顔料を配合する。
すなわち、青色顔料または紫色顔料、さらには青色顔料
と紫色顔料の混合物を用いるのである。ただし、着色し
た樹脂を用いる場合は、色相をニュートラルブラックに
するために、この着色樹脂と特定カーボンブラックで得
られる混色に対して、補色の顔料を用いるのが好まし
い。
【0027】かかる顔料の具体的な代表例を、カラーイ
ンデックス(CI)ナンバーで示す。青色顔料または紫
色顔料としては、着色力の高い有機顔料が特に好まし
く、青色顔料の例としてはピグメントブルー15、1
5:1、15:2、15:3、15:4、15:5、1
5:6、16、21、22、60、64などが挙げら
れ、特にピグメントブルー15、15:1、15:2、
15:6が樹脂への分散性の上から好ましいが、これら
に限定されない。
【0028】紫色顔料の例としては、ピグメントバイオ
レット19、23、29、31、32、33、36、3
7、39、43、50などが挙げられ、特にピグメント
バイオレット23、31、33、43、50が好ましい
が、これらに限定されない。本発明のシール材料に使用
される樹脂としては、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹
脂、PVA、ゼラチン、ポリエステル系樹脂、ポリビニ
ル系樹脂等、画素や保護膜に用いる樹脂よりも高い耐熱
性を有するものが好ましく使用される。これらの樹脂の
中でも、250℃以上の耐熱性を有するポリイミド系樹
脂が好ましい。ポリイミド系樹脂としては、ポリアミド
イミドも含まれ、特に限定されないが、通常一般式
(1)で表わされる構造単位を主成分とするポリイミド
前駆体(n=1〜2)を、加熱もしくは適当な触媒によ
ってイミド化したものが好ましく用いられる。
【0029】
【化1】 式中、R1 の例としては、フェニル基、ビフェニル基、
ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン基、ジフェニ
ルエーテル基、ジフェニルスルホン基、ジフェニルプロ
パン基、ベンゾフェノン基、ビフェニルトリフルオロプ
ロパン基、シクロブチル基、シクロペンチル基などが挙
げられるが、これらに限定されない。
【0030】R2 の例としては、耐熱性の面から、環状
炭化水素、芳香族環または芳香族複素環を含有する、例
えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナ
フタレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフ
ェニルスルホン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェ
ノン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニ
ルメタン基、ジシクロヘキシルメタン基などが挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0031】構造単位(1)を主成分とするポリマは、
1 、R2 が同一または異種のもので構成されていても
よいし、共重合であってもよい。さらに、基板との接着
性を向上させるために、耐熱性を低下させない範囲でジ
アミン成分として、シロキサン構造を有するビス(3−
アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンを共重合す
るのも好ましい。
【0032】構造単位(1)を主成分とするポリマの具
体的な例として、ピロメリット酸二無水物、3,3´,
4,4´−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、
3,3´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、3,3´,4,4´−ビフェニルトリフルフォロ
プロパンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4
´−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,5,−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無
水物などからなる群から選ばれた1種以上のカルボン酸
二無水物と、パラフェニレンジアミン、3,3´−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,4´ジアミノジフェニルエーテル、
3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、4,4´−ジ
アミノジフェニルスルホン、4,4´−ジアミノジシク
ロヘキシルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルメタ
ンなどの群から選ばれた1種以上のジアミンから合成さ
れたポリイミド前駆体が挙げられるが、これらに限定さ
れない。これらのポリイミド前駆体は公知の方法すなわ
ち、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを選択的に組
み合わせ、溶媒中で反応させることにより合成される。
【0033】以上説明したシール材料は、黒色ペースト
から製造されるが、このペーストは、樹脂溶液中に主と
して特定のカーボンブラックからなる遮光剤を分散させ
たものである。かかる黒色ペーストを用いて、種々の塗
布法でシール材料を形成することができる。
【0034】かかる黒色ペーストの溶媒としては、N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド系極性
溶媒、ラクトン系極性溶媒、ジメチルスルフォキシドな
どが好適に使用されるが、特定カーボンブラックの分散
効果を高めるためには、少なくともアミド系極性溶媒を
含むものが好ましく、より好ましくは、アミド系極性溶
媒が主成分もしくはアミド系極性溶媒単独からなる溶媒
を用いるのが好ましい。
【0035】ここで、アミド系極性溶媒が主成分である
溶媒とは、n種類の溶媒からなる混合溶媒の場合、(1
/n)×100重量%よりも多く含むことを言う。例え
ば2成分系の溶媒の場合、アミド系極性溶媒が50重量
%より多く含有されていることをいい、3成分系の溶媒
の場合、アミド系極性溶媒が33重量%より多く含有さ
れていることをいう。
【0036】また、特定カーボンブラック以外の遮光剤
も添加する場合は、遮光剤の分散効果を高めるために
は、さらにラクトン系極性溶媒を少なくとも含むことが
好ましい。特に、分散剤としてロジン樹脂酸を用いた場
合、特に有効に作用する。ラクトン類とは、脂肪族環状
エステルで炭素数3〜12の化合物をいい、具体的な例
として、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、
γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロ
ラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられるが、特
にポリイミド前駆体の溶解性の点で、γ−ブチロラクト
ンが好ましい。このため、アミド系極性溶媒とラクトン
系極性溶媒の混合溶媒にするのがより好ましい。
【0037】これら以外の溶媒としては、塗布性向上の
ため、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカ
ルビトール、エチルカルビトール、エチルラクテートな
ど蒸発速度のより速い溶媒や、表面張力が26〜33ダ
イン/cmのエチレングリコール系もしくはプロピレン
グリコール系のエーテルアセテート溶媒を添加するのが
好ましく、好ましくは全溶媒中1〜25重量%、さらに
好ましくは5〜20重量%混合させるのが望ましい。具
体的にはプロピレングリコールメチルエーテルアセテー
ト、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチ
レングリコールエチルエーテルアセテート、3−メトキ
シブチルアセテートなどがある。また、これらの溶媒を
添加した溶液中で特定カーボンブラック等の遮光剤を分
散させる方が、分散時の発熱が小さくなり、ゲル化が生
じにくくなったり、分散性が向上したりして、より好ま
しい。
【0038】特定カーボンブラック等の遮光剤を分散さ
せる方法としては、例えば、樹脂溶液中に遮光剤、分散
剤を混合させた後、三本ロール、サンドグラインダー、
ボールミル等の分散機中で分散させる方法などがある
が、特定カーボンブラック以外の遮光剤も用いる場合
は、各遮光剤をそれぞれ単独で分散させた後、これらを
混合させる方法がより好ましい。また、樹脂としてポリ
イミド前駆体を用いる場合、分散中におけるポリイミド
前駆体間の反応、遮光剤とポリイミド前駆体の反応によ
る粘度上昇、ゲル化等の防止のため、まず溶媒中に遮光
剤を混合して、前分散を行なわせた後、ポリイミド前駆
体を後から混合または分散させる方法がより好ましい。
さらには、特定カーボンブラックや特定カーボンブラッ
ク以外の遮光剤を、それぞれ分散に適した溶媒、または
その溶媒を含むポリイミド前駆体で分散または混合させ
る方法が分散性の上からより好ましい。また、遮光剤を
微分散させるために、分散強度、分散時間等は、適宜調
整するのが好ましい。
【0039】また、黒色ペーストには、遮光剤の分散性
向上を目的に種々の添加剤を加えることができる。これ
以外にも、塗布性やレベリング性向上を目的に種々の添
加剤を加えることができる。
【0040】次に、透明基板上に、シール材料、画素、
保護膜をこの順に積層せしめてなるカラー液晶表示装置
について説明する。
【0041】まず最初に、黒色ペーストを透明基板上に
塗布する。透明基板としては、アルカリガラス、無アル
カリガラス、シリカガラスなどの無機ガラス類が、好ま
しく用いられる。塗布方法は、ディップ塗布、ロールコ
ータの他に、ホエラー、スピナーなどの回転塗布法が好
適に用いられる。
【0042】この後、熱風オーブン、ホットプレート等
により乾燥し、セミキュアする。セミキュア条件は、用
いたポリイミド前駆体の種類や塗布量によって若干異な
るが、通常100〜180℃で1〜60分加熱するのが
一般的である。非感光性のポリイミド前駆体を用いた場
合は、この後フォトレジストを塗布し、プリベークし、
光学マスクを用いて露光する。この後、現像液を用い、
ディップ、シャワー、パドル法等でレジストの現像とブ
ラックマトリックスのパターン化を連続して行なう。こ
の後、剥離液を用いてディップ、シャワー、パドル法等
でレジストを剥離する。最後に、イミド化するため、2
00〜400℃で1〜60分加熱し、キュアする。な
お、ブラックマトリックス間には通常20〜200μm
程度の開口部が設けられており、後工程でこのスペース
に画素が形成される。
【0043】次に、複数色の画素をブラックマトリック
スの開口部に形成する。通常、各画素の画素の色は、
赤、青、緑の3色であり、着色剤によって着色されてい
る。画素に用いられる着色剤としては、有機顔料、無機
顔料、染料などを好適に用いることができる。有機顔料
としては、フタロシアニン系、アジレーキ系、縮合アゾ
系、キナクリドン系、アントラキノン系、ペリレン系、
ペリノン系などが好適に用いられる。また、画素に用い
られる樹脂としては、エポキシ系樹脂、アクリル系、ポ
リイミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリビニル系樹脂、ゼラチン等染色可能な動物性タ
ンパク樹脂などの感光性または非感光性の材料を用いる
ことができ、着色剤をこれらの樹脂中に分散もしくは溶
解させて着色するのが好ましい。
【0044】着色剤を含む樹脂ペーストの塗布は、ディ
ップ塗布、ロールコータの他に、ホエラー、スピナーな
どの回転塗布法が、塗布ムラの関係から好適に用いられ
る。この後、熱風やホットプレート等で乾燥することよ
って、ブラックマトリックス上に第1色目の着色層が全
面にわたって形成される。通常カラーフィルタは複数色
の画素からなるので、不必要な部分をフォトリソグラフ
ィ法で除去し、所望の第1色目の画素パターンを形成す
る。画素膜厚としては、カラーフィルタ上での表面段差
の関係から0.5〜3μm程度である。これを必要な色
の画素だけ繰り返し、複数の色からなる画素を形成す
る。
【0045】この後、必要に応じて保護膜を積層する。
保護膜としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シ
リコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂などがあり、特に限
定されない。
【0046】最後に、必要に応じてITO透明電極の積
層およびパターンニング等を公知の方法により行ない液
晶表示装置を形成することができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
【0048】(ポリイミド前駆体溶液の製造)3,3
´,4,4´−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1
47gをN−メチル−2−ピロリドン775gと共に仕
込み、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル95.1
gおよびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシ
ロキサン6.20gを添加し、60℃で3時間反応さ
せ、粘度600ポアズ(25℃)のポリイミド前駆体溶
液を得た。
【0049】実施例1 下記の組成を有するカーボンブラックミルベース、青色
顔料ミルベースおよび紫色顔料ミルベースをホモジナイ
ザーを用いて、7000rpmで1時間分散後、ガラス
ビーズを瀘過により除去し、それぞれ全量混合後、黒色
ペーストを調製した。遮光剤としては、茶色のカーボン
ブラックとその補色顔料として青色顔料と紫顔料の混合
系を用いた。
【0050】 (1)カーボンブラックミルベース 酸性カーボンブラック 9.8部 ([COOH]=0.005 、[SO3 H]=0.002 、[OH]=0.007 ) ポリイミド前駆体溶液 32.1部 N−メチル−2−ピロリドン 68.1部 ガラスビーズ 110.0部 (2)青色顔料ミルベース ビグメントブルー15 3.2部 ポリイミド前駆体溶液 8.2部 N−メチル−2−ピロリドン 18.6部 ガラスビーズ 30.0部 (3)紫色顔料ミルベース ピグメントバイオレット2 1.0部 ポリイミド前駆体溶液 3.2部 N−メチル−2−ピロリドン 5.7部 ガラスビーズ 10.0部 無アルカリガラス(日本電気硝子(株)製" OA−2"
、NHテクノグラス(株)製" NA−35" 、コーニ
ング(株)製" 1737" )基板、シリカコートしたア
ルカリガラス(日本板硝子(株)製)基板、およびシリ
カガラス(コーニング(株)製" 7913" )基板など
のそれぞれの基板上にスピナーで塗布、80℃10分熱
風乾燥した後、120℃で10分間セミキュアした。こ
の後、ポジ型レジスト(シュプレイ(株)" Microposi
t" RC100 30cp)をスピナーで塗布後、80℃で20分
乾燥した。露光機PLA−501F(キャノン(株)
製)を用い、光学マスクを介して露光し、アルカリ現像
液(シュプレイ(株)" Microposit" 351 )でポジ型レ
ジストの現像およびポリイミド前駆体のエッチングを同
時に行なった後、ポジ型レジストをメチルセルソルブア
セテートで剥離した。さらに、300℃で30分間キュ
アした。このようにして、厚み1.0μmのブラックマ
トッリクスのパターンを得た。
【0051】得られたブラックマトリックスの遮光性は
ほとんど波長依存性がなく、波長430〜640nmに
おける光学濃度は、3.3であり、色相はx=0.2
9、y=0.31であつた。
【0052】またブラックマトリックスについて、プレ
ッシャークッカーテスト装置(平山製作所(株)製)装
置により120℃、2.1 kgf/cm2 、飽和水蒸気で2
4時間、および80℃、95%RHで100時間の高温
高湿処理をした。
【0053】いずれも、高温高湿処理後の外観は良好で
あり、JIS K5400ー1990で規格されている
碁盤目試験で評価した密着性は、無アルカリガラス("
OA−2" 、" NA−35" 、" 1737" )、シリカ
コートしたアルカリガラス、およびシリカガラス(" 7
913" )共に10点であった。またJIS K684
9ー1976接着剤の引張り接着強さ試験に準じて、図
1に示す方法で評価した密着性は、無アルカリガラ
ス(" OA−2" 、" NA−35" 、" 1737")、
シリカコートしたアルカリガラス、およびシリカガラス
(" 7913" )共に1.0 kgf/cm2 以上であつた。
【0054】またスクリーン印刷によりブラックマトリ
ックス額縁上にシール剤(三井東圧(株)製、" ストラ
クトボンド" )を塗布し、直径6μmのグラスファイバ
ースペーサーを散布した対向基板と貼合わせてプレス
し、80℃で5分乾燥、140℃、5 kgf/cm2 で60
分、さらに180℃、5 kgf/cm2 で90分硬化させる
ことによりシール部を作製した。次に、シール部の外側
に沿ってダイヤモンドカッターでスクライブし、ゴムハ
ンマーで基板の切断をした。無アルカリガラス(" OA
−2" 、" NA−35" 、" 1737" )、シリカコー
トしたアルカリガラス、およびシリカガラス(" 791
3" )共に、切断時のショックによる剥離はなく、シー
ル部の密着性は良好であった。
【0055】実施例2 実施例1で用いたカーボンブラックミルベースを下記組
成に変更した以外は、実施例1と同様の組成として黒色
ペーストを調製した。遮光剤としては、茶色のカーボン
ブラックとその補色顔料として青色顔料と紫顔料の混合
系を用いた。
【0056】 (1)カーボンブラックミルベース グラフト化カーボンブラック 3.6部 (カーボンブラック100部に対して、アクリル基含有高分子化合物を 5部グラフトしたもの) ポリイミド前駆体溶液 24.4部 N−メチル−2−ピロリドン 19.8部 プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 2.2部 ガラスビーズ 50.0部 (2)青色顔料および紫顔料混合ミルベース ビグメントブルー15 2.5部 ピグメントバイオレット2 1.1部 ポリイミド前駆体溶液 24.4部 γ−ブチロラクトン 22.0部 ガラスビーズ 50.0部 以下、実施例1と同様にしてブラックマトリックスを得
た。
【0057】得られたブラックマトリックスの遮光性は
ほとんど波長依存性がなく、波長430〜640nmに
おける光学濃度は、2.5であり、色相はx=0.3
0、y=0.32であつた。
【0058】またブラックマトリックスについて、実施
例1と同様にして評価した密着性は、無アルカリガラス
(" OA−2" 、" NA−35" 、" 1737" )、シ
リカコートしたアルカリガラス、およびシリカガラ
ス(" 7913" )のいずれも、高温高湿処理後の外観
は良好であり、各々10点、1.0 kgf/cm2 以上であ
った。また、いずれの基板もシール部の密着性は良好で
あり、剥離は無かった。
【0059】実施例3 実施例1で用いたカーボンブラックミルベースを、下記
2種類のカーボンブラックミルベースの混合組成に変更
した以外は、実施例1と同様の組成として黒色ペースト
を調製した。遮光剤としては、茶色のカーボンブラック
とその補色顔料として青色顔料と紫顔料の混合系を用い
た。
【0060】 (1)カーボンブラックミルベース1 酸性カーボンブラック 5.5部 ([COOH]=0.012 、[SO3 H]=0.002 、[OH]=0.003 ) ポリイミド前駆体溶液 22.5部 N−メチル−2−ピロリドン 22.0部 ガラスビーズ 50.0部 (2)カーボンブラックミルベース2 グラフト化カーボンブラック 2.5部 (カーボンブラック100部に対して、アクリル基含有高分子化合物を 5部グラフトしたもの) ポリイミド前駆体溶液 23.5部 N−メチル−2−ピロリドン 24.0部 ガラスビーズ 50.0部 (3)青色顔料および紫色顔料混合ミルベース ビグメントブルー15 3.3部 ピグメントバイオレット2 1.1部 ポリイミド前駆体溶液 23.4部 N−メチル−2−ピロリドン 22.2部 ガラスビーズ 50.0部 以下、実施例1と同様にしてブラックマトリックスを得
た。
【0061】得られたブラックマトリックスの遮光性は
ほとんど波長依存性がなく、波長430〜640nmに
おける光学濃度は、2.5であり、色相はx=0.3
0、y=0.31であつた。
【0062】またブラックマトリックスについて、実施
例1と同様にして評価した密着性は、無アルカリガラス
(" OA−2" 、" NA−35" 、" 1737" )、シ
リカコートしたアルカリガラス、およびシリカガラ
ス(" 7913" )のいずれも、高温高湿処理後の外観
は良好であり、各々10点、1.0 kgf/cm2 以上であ
った。また、いずれの基板もシール部の密着性は良好で
あり、剥離は無かった。
【0063】実施例4 下記の組成を有するカーボンブラックミルベース、青色
顔料と紫顔料の混合ミルベースを実施例1と同様にして
黒色ペーストを調製した。
【0064】 (1)カーボンブラックミルベース 酸性カーボンブラック 3.6部 ([COOH]=0.004 、[SO3 H]=0.002 、[OH]=0.006 ) ポリイミド前駆体溶液 34.6部 N−メチル−2−ピロリドン 28.4部 ガラスビーズ 66.6部 (2)青色顔料および紫顔料混合ミルベース ビグメントブルー15 2.7部 ピグメントバイオレット2 0.9部 ポリイミド前駆体溶液 34.6部 N−メチル−2−ピロリドン 19.9部 γ−ブチロラクトン 8.5部 ガラスビーズ 66.6部 以下、実施例1と同様にしてブラックマトリックスを得
た。
【0065】得られたブラックマトリックスの遮光性は
ほとんど波長依存性がなく、波長430〜640nmに
おける光学濃度は、2.1であり、色相はx=0.3
0、y=0.32であつた。
【0066】またブラックマトリックスについて、実施
例1と同様にして評価した密着性は、無アルカリガラス
(" OA−2" 、" NA−35" 、" 1737" )、シ
リカコートしたアルカリガラス、およびシリカガラ
ス(" 7913" )のいずれも、高温高湿処理後の外観
は良好であり、各々10点、1.0 kgf/cm2 以上であ
った。また、いずれの基板もシール部の密着性は良好で
あり、剥離は無かった。
【0067】実施例5 下記の組成を有するミルベースをホモジナイザーを用い
て、7000rpmで1時間分散後、ガラスビーズを瀘
過により除去した。
【0068】 (1)ミルベース1 酸性カーボンブラック 4.6部 ([COOH]=0.004 、[SO3 H]=0.006 、[OH]=0.004 ) ビグメントレッド177 7.3部 ピグメントグリーン7 7.3部 ピグメントブルー15 3.4部 アクリル樹脂(日本油脂(株)製”マープルーフ”) 8.0部 ブチルセルソルブ 34.4部 ガラスビーズ 35.0部 次に、下記の組成を有する光感光性樹脂化合物を調整し
た。
【0069】 (2)光重合性モノマー(共栄社油脂(株)製“TMP−A”) 3.5部 光重合性オリゴマー 2.2部 (ダイセルUCB(株)製“EB3700”) 光重合開始剤 1.0部 (チバガイギー(株)製“イルガキュア907”) 光重合開始剤 1.0部 (チバガイギー(株)製“イルガキュア369”) アクリル樹脂(日本油脂(株)製“マープルーフ” ) 6.0部 ブチルセルソルブ 86.3部 このようにして作製したミルベースおよび光感光性組成
物を全量混合し、黒色ペーストを得た。この黒色ペース
トを無アルカリガラス(“OA−2”、" NA−35"
、" 1737" )基板、シリカコートしたアルカリガ
ラス(日本板硝子(株)製)基板、およびシリカガラス
(" 7913" )基板上にスピナーで塗布、80℃で1
0分熱風乾燥した。この後、露光機PLA−501F
(キャノン(株)製)を用い、光学マスクを介して露光
し、モノエタノールアミンを用いてエッチングを行なっ
た後、250℃で30分間キュアした。このようにし
て、厚み1.0μmのブラックマトッリクスのパターン
を得た。
【0070】得られたブラックマトリックスの遮光性は
ほとんど波長依存性がなく、波長430〜640nmに
おける光学濃度は、2.0であり、色相はx=0.3
0、y=0.32であつた。
【0071】またブラックマトリックスについて、実施
例1と同様にして評価した密着性は、無アルカリガラス
(" OA−2" 、" NA−35" 、" 1737" )、シ
リカコートしたアルカリガラス、およびシリカガラ
ス(" 7913" )のいずれも、高温高湿処理後の外観
は良好であり、各々10点、1.0 kgf/cm2 以上であ
った。比較例1 実施例1で用いたカーボンブラックを下記に変更した以
外は、実施例1と同様の組成として黒色ペーストを調製
した。
【0072】 カーボンブラック 3.6部 ([COOH]=0.004 、[SO3 H]=0.002 、[OH]=0.002 ) 以下、実施例1と同様にしてブラックマトリックスを得
た。
【0073】得られたブラックマトリックスの遮光性は
ほとんど波長依存性がなく、波長430〜640nmに
おける光学濃度は、3.4であり、色相はx=0.3
0、y=0.31であつた。
【0074】実施例1と同様にして評価した密着性は、
無アルカリガラス(" OA−2" 、" NA−35" 、"
1737" )は、高温高湿後の外観も良好であり、各々
10点、1.0 kgf/cm2 以上であった。しかしなが
ら、シリカコートしたアルカリガラス、およびシリカガ
ラス(" 7913" )は、高温高湿処理後の外観にクラ
ックが観察され、各々0点、0.5 kgf/cm2 以下であ
り、不良であった。また、いずれの基板もシール部の密
着性は不良であり、剥離が認められた。
【0075】比較例2 実施例5で用いたカーボンブラックを下記に変更した以
外は、実施例5と同様の組成として黒色ペーストを調製
した。
【0076】 カーボンブラック 3.6部 ([COOH]=0.004 、[SO3 H]=0.002 、[OH]=0.002 ) 以下、実施例5と同様にしてブラックマトリックスを得
た。得られたブラックマトリックスの色相はx=0.2
9、y=0.31であったが、遮光性は波長430〜6
40nmにおける光学濃度は、1.8と不十分であつ
た。
【0077】また実施例1と同様にして評価した密着性
は、無アルカリガラス(" OA−2" 、" NA−35"
、" 1737" )、シリカコートしたアルカリガラ
ス、シリカガラス(" 7913" )のいずれも、高温高
湿処理後の外観にクラックが観察され、各々0点、0.
5 kgf/cm2 以下であり、不良であった。
【0078】比較例3 市販の感光性アクリル系黒色ペースト(東京応化(株)
製“CFPR BKー416S”)を用いて、実施例5
と同様にしてブラックマトリックスを得た。
【0079】得られたブラックマトリックスについて、
実施例1と同様にして評価した密着性は、無アルカリガ
ラス(" OA−2" 、" NA−35" 、" 1737"
)、シリカコートしたアルカリガラス、シリカガラス
(" 7913" )のいずれも、高温高湿処理後の外観に
クラックが観察され、各々0点、0.5 kgf/cm2 以下
であり、不良であった。また、いずれの基板もシール部
の密着性は不良であり、剥離が認められた。
【0080】比較例4 市販の感光性アクリル系黒色ペースト(新日鐵(株)製
“V−259 BK”)を用いて、実施例5と同様にし
てブラックマトリックスを得た。
【0081】得られたブラックマトリックスについて、
実施例1と同様にして評価した密着性は、無アルカリガ
ラス(" OA−2" 、" NA−35" 、" 1737"
)、シリカコートしたアルカリガラス、シリカガラス
(" 7913" )のいずれも、高温高湿処理後の外観に
クラックが観察され、各々0点、0.5 kgf/cm2 以下
であり、不良であった。また、いずれの基板もシール部
の密着性は不良であり、剥離が認められた。
【0082】比較例5 市販の感光性アクリル系黒色ペースト(日立化成(株)
製“PD−1654”)を用いて、実施例5と同様にし
てブラックマトリックスを得た。
【0083】得られたブラックマトリックスについて、
実施例1と同様にして評価した密着性は、無アルカリガ
ラス(" OA−2" 、" NA−35" 、" 1737"
)、シリカコートしたアルカリガラス、シリカガラス
(" 7913" )のいずれも、高温高湿処理後の外観に
クラックが観察され、各々0点、0.5 kgf/cm2 以下
であり、不良であった。また、いずれの基板もシール部
の密着性は不良であり、剥離が認められた。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、高温高湿、高温高圧と
いった苛酷な環境条件において透明基板との密着性に優
れたシール材料を提供することができるので、信頼性に
優れた液晶表示装置を提供することができ、さらに透明
基板をサイズ一杯に使用することができるので、大型パ
ネルの液晶表示装置を低コストで提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、JIS K6849−1976で
規格されている接着剤の引張り接着強さ試験に準じた、
透明基板とシール材料との密着性評価装置である。
【符号の説明】
1:遮光材料 2、2′:透明基板 3:シール剤 4:フィルム 5:バネ秤 6:取付け治具 7:接着剤

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状遮光剤を含む樹脂からなるシール材料
    であって、かつ、該シール材料を用いて透明基板上で塗
    膜形成し、かつ、これを80℃以下、95%RH以下で
    100時間以下の高温高湿処理した後かまたはプレッシ
    ャークッカーテスト装置による121℃、2.0kgf /
    cm2 の飽和水蒸気で24時間以下の高温高湿処理した後
    に、JIS K5400ー1990に基いて測定したと
    きの評価点数が8以上であることを特徴とするシール材
    料。
  2. 【請求項2】粒状遮光剤を含む樹脂からなるシール材料
    であって、かつ、該シール材料を透明基板上で塗膜形成
    し、かつ、これを80℃以下、95%RH以下で100
    時間以下の高温高湿処理した後かまたはプレッシャーク
    ッカーテスト装置による121℃、2kgf /cm2 の飽和
    水蒸気で24時間以下の高温高湿処理した後、JIS
    K6849ー1976接着剤の引張り接着強さ試験に準
    じて測定したときの、該シール材料と透明基板との密着
    性が、1 kgf/cm2 以上であることを特徴とするシール
    材料。
  3. 【請求項3】該シール材料が、一対の透明基板の間に液
    晶を封入してなる液晶表示装置セル組みにおける、該遮
    光材料上で液晶を封入するためのシール部形成用材料で
    ある請求項1〜2のいずれかに記載のシール材料。
  4. 【請求項4】該透明基板が、アルカリガラス、または無
    アルカリガラス、またはシリカガラスである請求項1〜
    2のいずれかに記載のシール材料。
  5. 【請求項5】該遮光剤が、該シール材料総重量の30重
    量%以上含有されている請求項1〜2のいずれかに記載
    のシール材料。
  6. 【請求項6】該遮光剤が、その50重量%以上がカーボ
    ンブラックである請求項1〜2のいずれかに記載のシー
    ル材料。
  7. 【請求項7】該カーボンブラックが、酸性カーボンブラ
    ックである請求項6記載のシール材料。
  8. 【請求項8】該酸性カーボンブラックが、その表面のカ
    ルボキシル基濃度[COOH]、水酸基濃度[OH]、
    およびスルホン酸基濃度[SO3 H]の少なくとも1つ
    の全炭素原子に対するモル比が、0.005より大きい
    ものである請求項7記載のシール材料。
  9. 【請求項9】該遮光剤が、グラフト化カーボンブラック
    である請求項1〜6のいずれかに記載のシール材料。
  10. 【請求項10】該グラフト化カーボンブラックが、その
    表面がアジリジン基、オキサゾリン基、Nーヒドロキシ
    アルキルアミド基、イソシアネート基、エポキシ基、ビ
    ニル基、アクリル基、およびメタクリル基から選ばれた
    少なくとも1種類の反応性基を含有する高分子化合物に
    よって、カーボンブラック100部に対して5部以上グ
    ラフト化されたものである請求項9記載のシール材料。
  11. 【請求項11】該遮光剤が、酸性カーボンブラックおよ
    びグラフト化カーボンブラックの混用である請求項1〜
    2のいずれかに記載のシール材料。
  12. 【請求項12】請求項11において、50重量%以上が
    酸性カーボンブラックであることを特徴とするシール材
    料。
  13. 【請求項13】該遮光剤が、カーボンブラックと顔料か
    らなる請求項1〜2のいずれかに記載のシール材料。
  14. 【請求項14】該顔料が、該カーボンブラックに対して
    補色の関係にある請求項13記載のシール材料。
  15. 【請求項15】該顔料が、青色および紫色から選ばれた
    少なくとも1種である請求項14記載のシール材料。
  16. 【請求項16】該顔料が、有機顔料である請求項13〜
    15のいずれかに記載のシール材料。
  17. 【請求項17】該シール材料が、膜厚1.0μmあたり
    の波長430〜640nmの可視域における光学濃度
    が、2.0以上である請求項1〜2のいずれかに記載の
    シール材料。
  18. 【請求項18】該シール材料が、XYZ表色系におい
    て、C光源またはF10光源における透過光および反射
    光の色度座標(x、y)が、該光源の色度座標(x0
    0 )に対して、(x−x0 2 +(y−y0 2
    0.01の関係にある請求項1〜2のいずれかに記載の
    シール材料。
  19. 【請求項19】該樹脂が、ポリイミド系樹脂である請求
    項1〜2のいずれかに記載のシール材料。
  20. 【請求項20】請求項1〜19のいずれかに記載のシー
    ル材料が、少なくとも一対の透明基板の間に液晶を封入
    するためのシール部に使用されていることを特徴とする
    液晶表示装置。
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WO2009093467A1 (ja) 2008-01-25 2009-07-30 Mitsui Chemicals, Inc. エポキシ重合性組成物、それを含むシール材組成物
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