JPH1048639A - 液晶表示素子用基板及びそれを含むカラー液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子用基板及びそれを含むカラー液晶表示素子

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JPH1048639A
JPH1048639A JP22172496A JP22172496A JPH1048639A JP H1048639 A JPH1048639 A JP H1048639A JP 22172496 A JP22172496 A JP 22172496A JP 22172496 A JP22172496 A JP 22172496A JP H1048639 A JPH1048639 A JP H1048639A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal display
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spacer
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JP22172496A
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English (en)
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Junji Kajita
純司 梶田
Hideshi Nomura
秀史 野村
Shinichi Yamada
申一 山田
Tetsuya Goto
哲哉 後藤
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分なセルギャップを実現するとともに、画
面内で均一なセルギャップを保持し、低温及び高温にお
ける表示品位が従来のものよりも低下しにくい液晶表示
素子用基板及びそれを含むカラー液晶表示素子を提供す
ること。 【解決手段】 液晶表示素子用基板上の非表示領域に固
定されたスぺーサーを有し、そのスぺーサーの25〜5
0℃での熱膨張率が10〜100ppm/℃である液晶
表示素子用基板を提供した。また、2枚の液晶表示素子
用基板により液晶層を挟持したカラー液晶表示素子にお
いて、少なくとも一方の液晶表示素子用基板が、上記液
晶表示素子用基板であることを特徴とする、カラー液晶
表示素子を提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スぺーサー機能を
有する液晶表示素子用基板及びそれを含むカラー液晶表
示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている液晶表示素子は、液
晶層の厚み(セルギャップ)を保持するために、一般
に、2枚の液晶表示素子用基板間にプラスチックビー
ズ、ガラスビーズ又はガラス繊維を挟んでスぺーサーと
して使用している。これらのスぺーサーは、液晶表示素
子を組み立てる際に、散布によって配置される。
【0003】また、セルギャップを保持するために、特
開昭56−140324、特開昭63−824054、
特開平4−93924、特開平5−196946には、
カラーフィルターを形成する着色層を重ね合わせた構造
をスぺーサーとして用いた液晶表示素子が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プラスチックビーズ等
をスぺーサーとして用いるカラー液晶表示素子において
は、プラスチックビーズ等のスぺーサーの位置が定まっ
ておらず、液晶表示素子用基板上の表示領域にもスぺー
サーが存在する。そのスぺーサーによる、光の散乱や透
過により、液晶表示素子の表示品位が低下するという問
題がある。
【0005】プラスチックビーズ等のスぺーサーを散布
して使用する液晶表示素子には、この他にも下記の問題
がある。すなわち、スぺーサーが、球状あるいは棒条の
形状であり、セル圧着時に点又は線で接触するために、
配向膜や透明電極が破損し、表示欠陥が発生しやすいと
いう欠点がある。さらに配向膜や透明電極の破損によ
り、液晶が汚染され、液晶に印加される実効電圧が低下
しやすいという欠点もある。
【0006】カラーフィルターを形成する着色層を重ね
合わせた構造をスぺーサーとして用いる、前記の開示技
術で実際に得られた液晶表示素子においては、セルの温
度変化によって不良が生じやすいという問題があった。
例えば、低温にすると、セル内で泡が発生する場合があ
った。低温時の信頼性を確認するために、−40℃下に
さらす試験があるが、この温度の下でも発泡しないこと
が望まれている。また逆に、高温にした場合にも、色む
らにより表示品位が低下する場合があった。また、液晶
表示素子に像を表示させた際の像の濃淡が温度変化によ
って大きく変化し、表示品位の低下をもたらす場合があ
った。
【0007】本発明の目的は、十分なセルギャップを実
現するとともに、画面内で均一なセルギャップを保持
し、低温及び高温における表示品位が従来のものよりも
低下しにくい液晶表示素子用基板及びそれを含むカラー
液晶表示素子を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、鋭意研
究の結果、特定温度範囲におけるスぺーサーの熱膨張率
を特定の範囲に設定することにより、上記の目的を達成
することができることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、液晶表示素子用基板
上の非表示領域に固定されたスぺーサーを有し、そのス
ぺーサーの25〜50℃での熱膨張率が10〜100p
pm/℃である液晶表示素子用基板を提供する。また、
本発明は、2枚の液晶表示素子用基板により液晶層を挟
持したカラー液晶表示素子において、少なくとも一方の
液晶表示素子用基板が、上記本発明の液晶表示素子用基
板であることを特徴とする、カラー液晶表示素子を提供
する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、液晶表示素子用基板が着色
剤を含んだカラーフィルターの場合を例として本発明を
さらに詳細に説明する。
【0011】カラーフィルターとしては、透明基板上に
ブラックマトリックスを設け、さらにその上に3原色か
ら成る着色層を複数配列したものが好ましい。また、ブ
ラックマトリックスとしては、樹脂及び遮光剤から成る
樹脂ブラックマトリックスが好ましい。カラーフィルタ
ーは3原色から成る各着色層により被覆された画素を一
絵素とし、多数の絵素により構成されている。ここで言
う、ブラックマトリックスは、各画素間に配列された遮
光領域を示し、液晶表示装置の表示コントラストを向上
させるために設けられる。
【0012】カラーフィルターに用いられる透明基板と
しては、特に限定されるものではなく、石英ガラス、ホ
ウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、表面をシリ
カコートしたソーダライムガラスなどの無機ガラス類、
有機プラスチックのフィルム又はシート等が好ましく用
いられる。
【0013】この透明基板上にブラックマトリックスが
設けられる。ブラックマトリックスは、クロム等の金属
又はそれらの酸化物等で形成してもよいが、樹脂及び遮
光剤から成る樹脂ブラックマトリックスを形成すること
が製造コストや廃棄物処理コストの面から好ましい。こ
の場合、ブラックマトリックスに用いられる樹脂として
は、特に限定されないが、エポキシ系樹脂、アクリル系
樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミ
ド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの感光性又は非感
光性の材料が好ましく用いられる。ブラックマトリック
ス用樹脂は、画素や保護膜に用いられる樹脂よりも高い
耐熱性を有する樹脂が好ましく、また、ブラックマトリ
ックス形成後の工程で使用される有機溶剤に耐性を持つ
樹脂が好ましいことからポリイミド系樹脂が特に好まし
く用いられる。なお、好ましいポリイミド樹脂として
は、後述のスぺーサーを形成するのに適した樹脂を挙げ
ることができる。
【0014】ブラックマトリックス用の遮光剤として
は、カーボンブラック、酸化チタン、四酸化鉄等の金属
酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉の他に、赤、青、緑色
の顔料の混合物等を用いることができる。この中でも、
特にカーボンブラックは遮光性が優れており、特に好ま
しい。分散の良い粒径の小さいカーボンブラックは主と
して茶系統の色調を呈するので、カーボンブラックに対
する補色の顔料を混合させて無彩色にするのが好まし
い。
【0015】ブラックマトリックス用の樹脂がポリイミ
ドの場合、黒色ペースト溶媒としては、通常、N−メチ
ル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系極性溶媒、
γ−ブチロラクトンなどのラクトン系極性溶媒等が好適
に使用される。
【0016】カーボンブラックや、カーボンブラックに
対して補色の顔料等の遮光剤を分散させる方法として
は、例えば、ポリイミド前駆体溶液中に遮光剤や分散剤
等を混合させた後、三本ロール、サンドグラインダー、
ボールミルなどの分散機中で分散させる方法などがある
が、この方法に特に限定されない。また、カーボンブラ
ックの分散性向上、あるいは塗布性やレベリング性向上
のために種々の添加剤が加えられていてもよい。
【0017】樹脂ブラックマトリックスの製法として
は、黒色ペーストを透明基板上に塗布、乾燥した後に、
パターニングを行う。黒色ペーストを塗布する方法とし
ては、ディップ法、ロールコーター法、スピナー法、ダ
イコーティング法、ワイヤバーによる方法などが好適に
用いられ、この後、オーブンやホットプレートを用いて
加熱乾燥(セミキュア)を行う。セミキュア条件は、使
用する樹脂、溶媒、ペースト塗布量により異なるが、通
常60〜200℃で1〜60分加熱することが好まし
い。
【0018】このようにして得られた黒色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にポジ
型フォトレジストの被膜を形成した後に、また、樹脂が
感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮
断膜を形成した後に、露光、現像を行う。必要に応じ
て、ポジ形フォトレジスト又は酸素遮断膜を除去し、ま
た、加熱乾燥(本キュア)する。本キュア条件は、前駆
体からポリイミド系樹脂を得る場合には、塗布料により
若干異なるが、通常200〜300℃で1〜60分加熱
するのが一般的である。以上のプロセスにより、透明基
板上にブラックマトリックスが形成される。
【0019】樹脂ブラックマトリックスの膜厚は、好ま
しくは0.5〜2μm、より好ましくは0.8〜1.5
μmである。この膜厚が0.5μmよりも薄い場合には
十分なセルギャップの確保が難しくなり、また、遮光性
が不十分になることからも好ましくない。一方、膜厚が
2μmよりも厚い場合には、遮光性は確保できるもの
の、カラーフィルターの平坦性が犠牲になり易く、段差
が生じやすい。
【0020】本発明の液晶表示素子用基板では、非表示
領域に固定されたスぺーサーを有する。液晶表示素子用
基板が上記のようなカラーフィルターの場合には、非表
示領域である上記ブラックマトリックス上にスぺーサー
を形成することが好ましい。
【0021】本発明の液晶表示素子用基板では、上記ス
ぺーサーは、25〜50℃における熱膨張率が10〜1
00ppm/℃、好ましくは20〜80ppm/℃、さ
らに好ましくは30〜60ppm/℃である。25〜5
0℃における熱膨張率が10ppm/℃よりも小さい
と、該液晶表示用基板を用いて作製した液晶表示素子の
表示部において、低温で泡が発生しやすくなる。一方、
上記熱膨張率が100ppm/℃よりも大きいと、高温
時において表示むらが生じやすくなる。なお、スペーサ
ーの熱膨張率は、25〜50℃の全範囲において10〜
100ppm/℃の範囲内にある。
【0022】スぺーサーの形状、すなわち、スぺーサー
を基板と平行な面で切断した場合の横断面の形状は、特
に限定されないが、円、楕円、角が丸い多角形、十字、
T字又はL字形が好ましい。
【0023】スぺーサーの高さは、1〜9μmが好まし
く、さらには2〜8μmが好ましい。スぺーサーの高さ
が1μmよりも低いと、十分なセルギャップを確保する
ことが困難になり、一方、9μmを超えると液晶表示素
子のセルギャップが大きくなりすぎ、このため駆動に要
する電圧が高くなり、好ましくない。なお、ここで、ス
ぺーサーの高さとは、1個のスぺーサーに着目し、表示
部平坦部(カラーフィルターの場合には着色層、TFT
基板の場合には透明電極)と該スぺーサーの最上表面と
の間の距離を意味する。なお、基板上の表示部平坦部の
高さにムラがある場合には、スぺーサーの最上表面と各
表示部平坦部との間の距離のうち、最大のものを意味す
る。
【0024】また、液晶表示素子用基板を2枚貼り合わ
せて液晶表示素子を形成した場合に、スぺーサーが対向
する基板と接触する面積は1個当たり10〜1000μ
2が好ましい。この面積が10μm2 未満であると、
精密なパターンの形成や積層が難しく、1000μm2
を超えるとスぺーサーの形状にもよるが非表示領域上に
完全に配置することが難しくなるので好ましくない。
【0025】スぺーサーを構成する材料としては、本発
明で規定される上記の特定の熱膨張率が得られる材料を
選択して用いる。このような材料としてはポリイミド系
樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の感
光性又は非感光性の材料が好ましく用いられる。なお、
これらの材料の中でも上記の熱膨張率を満足するものを
選択して用いることは言うまでもない。後述のように、
着色層でスぺーサーを形成する場合には、これらの樹脂
中に着色剤を分散又は溶解させて着色したものをスぺー
サーとして用いる。感光性の樹脂としては、光分解型樹
脂、光架橋型樹脂、光重合型樹脂などのタイプがあり、
特に、エチレン不飽和結合を有するモノマ、オリゴマ又
はポリマと紫外線によりラジカルを発生する開始剤とを
含む感光性組成物、感光性ポリアミック酸組成物等が好
適に用いられる。非感光性の樹脂としては、上記の各種
ポリマーなどで現像処理が可能なものが好ましく用いら
れるが、透明導電膜の製膜工程や液晶表示装置の製造工
程でかかる熱に耐えられるような耐熱性を有する樹脂が
好ましく、また、液晶表示装置の製造工程で使用される
有機溶剤への耐性を持つ樹脂が好ましく、また、言うま
でもなく上記の熱膨張率を持つものが得やすい樹脂が好
ましいことから、ポリイミド樹脂が特に好ましい。
【0026】ここで、ポリイミド樹脂としては、特に限
定されるものではないが、通常下記一般式[I]で表さ
れる構造単位を主成分とするポリイミド前駆体(n=1
〜2)を、加熱又は適当な触媒によってイミド化したも
のが好適に用いられる。
【0027】
【化1】
【0028】また、ポリイミド系樹脂には、イミド結合
の他に、アミド結合、スルホン結合、エーテル結合、カ
ルボニル結合等のイミド結合以外の結合が含まれていて
も差支えない。
【0029】上記一般式[I] 中、R1 は少なくとも2個
以上の炭素原子を有する3価又は4価の有機基である。
耐熱性の面から、R1 は環状炭化水素、芳香族環又は芳
香族複素環を含有し、かつ、炭素数6〜30の3価又は
4価の基が好ましい。R1 の例として、フェニル基、ビ
フェニル基、ターフェニル基、ナフタレン基、ペリレン
基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルホン基、ジ
フェニルプロパン基、ベンゾフェノン基、ビフェニルト
リフルオロプロパン基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0030】R2 は少なくとも2個以上の炭素原子を有
する2価の有機基であるが、耐熱性の面から、R2 は環
状炭化水素、芳香族環又は芳香族複素環を含有し、かつ
炭素数6〜30の2価の基が好ましい。R2 の例とし
て、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフ
タレン基、ペリレン基、ジフェニルエーテル基、ジフェ
ニルスルホン基、ジフェニルプロパン基、ベンゾフェノ
ン基、ビフェニルトリフルオロプロパン基、ジフェニル
メタン基、シクロヘキシルメタン基等が挙げられるがこ
れらに限定されない。構造単位[I] を主成分とするポリ
マーは、R1 、R2 がこれらのうち各々1種から構成さ
れていてもよいし、各々2種以上から構成される共重合
体であってもよい。さらに、基板との接着性を向上させ
るために、耐熱性を低下させない範囲でジアミン成分と
して、シロキサン構造を有するビス(3−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサンなどを共重合するのが好
ましい。
【0031】構造単位[I] を主成分とするポリマーの具
体的な例として、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4'-
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-
ビフェニルトリフルオロプロパンテトラカルボン酸二無
水物、3,3',4,4'-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二
無水物等から成る群から選ばれた1種以上のカルボン酸
二無水物と、パラフェニレンジアミン、3,3'- ジアミノ
ジフェニルエーテル、4,4'- ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4'- ジアミノジフェニルエーテル、3,3'- ジアミ
ノジフェニルスルホン、4,4'- ジアミノジフェニルスル
ホン、4,4'- ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4'-
ジアミノジフェニルメタンなどの群から選ばれた1種以
上のジアミンから合成されたポリイミド前駆体が挙げら
れるが、これらに限定されない。これらのポリイミド前
駆体は公知の方法、すなわち、テトラカルボン酸二無水
物とジアミンを選択的に組み合わせ、溶媒中で反応させ
ることにより合成される。
【0032】スぺーサーは、上記のような材料から構成
されるが、着色層をこのような材料で構成し、着色層を
フォトリソグラフィーでパターニングする際に、着色層
がブラックマトリックス上に残留するようにパターニン
グすることによりブラックマトリックス上にスぺーサー
を形成してもよい。カラーフィルターの場合、着色層
は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3層を包含するも
のであり、各画素にはこれらの3色のいずれかの1つの
着色層が設けられる。スぺーサーは、これらの着色層の
1層、2層又は3層で構成することができる。着色層1
層でスぺーサーを構成する場合には、スぺーサーが着色
剤を含んだ樹脂の単一色から成り、2層又は3層でスぺ
ーサーを構成する場合には、スぺーサーは着色剤を含ん
だ樹脂の色重ねから成ることになる。十分なセルギャッ
プを確保するために、着色層3層でスぺーサーを形成す
ることが通常好ましい。なお、スペーサーがこのような
色重ねから成る場合には、各層の熱膨張率の平均値が1
0〜100ppm/℃の範囲にあることが好ましい。
【0033】カラーフィルターを構成する着色層は、少
なくとも3原色の色彩を含む。すなわち、加色法により
カラー表示を行う場合は、赤(R)、緑(G)、青
(B)の3原色が選ばれ、減色法によりカラー表示を行
う場合は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー
(Y)の3原色が選ばれる。一般には、これらの3原色
を含んだ要素を1単位としてカラー表示の絵素とするこ
とができる。着色層には、着色剤により着色された樹脂
が用いられる。
【0034】着色層に用いられる着色剤としては、有機
顔料、無機顔料、染料等を好適に用いることができ、さ
らには、紫外線吸収剤、分散剤、レベリング剤等の種々
の添加剤を添加してもよい。有機顔料としては、フタロ
シアニン系、アジレーキ系、縮合アゾ系、キナクリドン
系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系が好適
に用いられる。
【0035】着色層を形成する方法としては、樹脂ブラ
ックマトリックスを形成した基板上に塗布、乾燥した後
に、パターニングを行う。着色剤を分散又は溶解させ着
色ペーストを得る方法としては、溶媒中に樹脂と着色剤
を混合させた後、三本ロール、サンドグラインダー、ボ
ールミルなどの分散機中で分散させる方法などがある
が、この方法に特に限定されない。
【0036】着色ペーストを塗布する方法としては、黒
色ペーストの場合と同様、ディップ法、ロールコーター
法、スピナー法、ダイコーティング法、ワイヤーバーに
よる方法等が好適に用いられ、この後、オーブンやホッ
トプレートを用いて加熱乾燥(セミキュア)を行う。セ
ミキュア条件は、使用する樹脂、溶媒、ペースト塗布量
により異なるが通常60〜200℃で1〜60分加熱す
ることが好ましい。
【0037】このようにして得られた着色ペースト被膜
は、樹脂が非感光性の樹脂である場合は、その上にポジ
型フォトレジストの被膜を形成した後に、また、樹脂が
感光性の樹脂である場合は、そのままかあるいは酸素遮
断膜を形成した後に、露光、現像を行う。必要に応じ
て、ポジ型フォトレジスト又は酸素遮断膜を除去し、加
熱乾燥(本キュア)する。本キュア条件は、樹脂により
異なるが、前駆体からポリイミド系樹脂を得る場合に
は、通常200〜300℃で1〜60分加熱するのが一
般的である。以上のプロセスにより、ブラックマトリッ
クスを形成した基板上にパターニングされた着色層が形
成される。
【0038】上記のようにブラックマトリックスを形成
した基板上に第1色目の着色層を全面にわたって形成し
た後に、不必要な部分をフォトリソグラフィ法により除
去し、所望の第1色目の着色層のパターンを形成する。
この場合、ブラックマトリックスの開口部を少なくとも
被覆する部分と、着色層の積層によりスぺーサーを形成
する部分に着色層を残す。第2色目、第3色目も同様な
操作を繰り返し、ブラックマトリックスの開口部上には
1層の着色層が、また、スぺーサーとして好ましくは3
層の着色層が残るように着色層を形成する。開口部上の
着色層とスぺーサーを形成する着色層とは連続していて
も、また、分離されていてもよい。もっとも、カラーフ
ィルター上に透明電極として形成する酸化インジウムス
ズ(ITO)膜などを開口部上の着色層とスぺーサー間
で断線させ、カラーフィルター側と対向基板との導通を
防止する場合は、開口部上の着色層とスぺーサーを形成
する着色層とは分離、分画されているほうが好ましい。
【0039】以上、主として液晶表示素子用基板がカラ
ーフィルターである場合を例として説明したが、本発明
はこれに限定されるわけではなく、モノクロのフィルタ
ーであってもよいし、TFT基板のような、トランジス
ターを複数個有する基板であってもよい。TFT基板の
場合には、スぺーサーは透明電極間の非表示領域上に形
成される。上記した、スぺーサーの構成材料、形状、高
さ、断面積等の説明は、TFT基板の場合にもそのまま
当てはまる。
【0040】次に、上記カラーフィルターとTFT基板
とを用いて作製したカラー液晶表示素子について説明す
る。図1には、該カラー液晶表示素子の好ましい具体例
の断面図が模式的に示されている。図1中、1は透明基
板、2は樹脂ブラックマトリックス、3は着色層例えば
(B)、4は着色層例えば(R)、5は着色層例えば
(G)、6は透明電極、7は配向膜である。一方、13
は、カラーフィルターと対向する透明電極基板の透明基
板であり、12は液晶駆動回路付属電極、11は絶縁
膜、10は画素電極、9は配向膜である。8はカラーフ
ィルターと透明電極基板の間に挟持される液晶である。
図1に示されるように、液晶表示素子は、上記カラーフ
ィルターと透明電極基板とを対向させて作製する。カラ
ーフィルターには、必要に応じて着色層上に透明保護膜
を設けても差支えないが、構成が複雑になり、製造コス
トはアップする。また透明保護膜のレベリング性によっ
て、スペーサー高さは緩和される。また、カラーフィル
ター上にはITO膜等の透明電極を形成する。カラーフ
ィルターと対向する透明電極基板としては、ITO膜な
どの透明電極が透明基板上にパターン化されて設けられ
る。透明電極基板上には、透明電極以外に、TFT素子
や薄膜ダイオード(TFD)素子、及び、走査線、信号
線等を設け、TFT液晶表示素子やTFD液晶表示素子
を作製することができる。透明電極を有するカラーフィ
ルター及び透明電極基板上には液晶配向膜が設けられ、
ラビング等による配向処理が施される。配向処理後にシ
ール剤を用いてカラーフィルター及び透明電極基板を貼
り合わせ、シール部に設けられた注入口から液晶を注入
した後に、注入口を封止する。偏光板を基板の外側に貼
り合わせた後にICドライバーなどを実装することによ
りモジュールが完成する。カラーフィルター側に透明電
極を設けない液晶表示素子、例えばイン・プレイン・ス
イッチング(IPS)と呼ばれる方式の場合もこれに応
じた構成となる。
【0041】本発明の液晶表示素子用基板及びそれを用
いたカラー液晶表示素子は、パソコン、ワードプロセッ
サー、エンジニアリング・ワークステーション、ナビゲ
ーションシステム、液晶テレビ、ビデオなどの表示画面
に用いられ、また、液晶プロジェクション等にも好適に
用いられる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定され
るものではない。
【0043】実施例1 (1) 樹脂ブラックマトリックス及びシール部パターン
の作製 3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4'
- ジアミノジフェニルエーテル、及び、ビス(3−アミ
ノプロピル)テトラメチルジシロキサンをN−メチル−
2−ピロリドン溶媒中で反応させ、ポリマー濃度20重
量%のポリイミド前駆体(ポリアミック酸)溶液を得
た。
【0044】下記の組成を有するカーボンブラックミル
ベースをホモジナイザーを用いて7000 rpmで30分間分
散し、ガラスビーズをろ過してブラックペーストを調製
した。
【0045】 カーボンブラックミルベース カーボンブラック(MA100 、三菱化学(株)製) 4.6部 ポリイミド前駆体溶液 24.0部 N−メチルピロリドン 61.4部 ガラスビーズ 90.0部
【0046】300 x 350 mmのサイズの無アルカリガラス
(日本電気ガラス(株)製、OA−2)基板上にスピナ
ーを用いて、ブラックペーストを塗布し、オーブン中1
35℃で20分間セミキュアした。続いて、ポジ型レジ
スト(Shipley "Microposit"RC100 30cp)をスピナーで
塗布し、90℃で10分間乾燥した。レジスト膜厚は
1.5μmとした。露光機を用い、フォトマスクを介し
て露光を行った。
【0047】次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキ
シドを2重量%含む23℃の水溶液を現像液に用い、基
板を現像液にディップさせ、同時に10cm幅を5秒で
1往復するように基板を揺動させて、ポジ型レジストの
現像とポリイミド前駆体のエッチングを同時に行った。
現像時間は60秒であった。その後、メチルセルソルブ
アセテートでポジ型レジストを剥離し、さらに、300
℃で30分間キュアし、ポリイミドに転換し、樹脂ブラ
ックマトリックス基板を得た。樹脂ブラックマトリック
スの膜厚は、1.2μmであった。
【0048】(2) 着色層とスぺーサーの作製 次に、赤、緑、青の顔料として各々Color Index No.653
00 Pigment Red 177で示されるジアントラキノン系顔
料、Color Index No. 74265 Pigment Green 36で示され
るフタロシアニングリーン系顔料、Color Index No.741
60 Pigment Blue15-4で示されるフタロシアニンブルー
系顔料を用意した。ポリイミド前駆体溶液と上記顔料を
各々(ポリイミド前駆体/顔料)重量比6/4の割合で
混合分散させて、赤、緑、青の3種類の着色ペーストを
得た。
【0049】まず、樹脂ブラックマトリックス基板上に
青ペーストを塗布し、80℃で10分間熱風乾燥し、1
20℃20分間セミキュアした。この後、ポジ型レジス
ト(Shipley "Microposit" RC100 30cp)をスピナーで塗
布後、80℃で20分間乾燥した。マスクを用いて露光
し、アルカリ現像液(Shipley "Microposit" 351) に基
板をディップし、同時に基板を揺動させながら、ポジ型
レジストの現像及びポリイミド前駆体のエッチングを同
時に行った。その後、ポジ型レジストをメチルセルソル
ブアセテートで剥離し、さらに、300℃で30分間キ
ュアした。着色画素部の膜厚は3.4μmであった。こ
のパターニングにより青色画素の形成とともに樹脂ブラ
ックマトリックス上にスぺーサーの1段目を形成した。
【0050】水洗後、同様にして、赤色画素の形成とと
もに樹脂ブラックマトリックス上にスぺーサーの2段目
を形成した。赤色画素部の膜厚は3.2μmであった。
【0051】さらに水洗後、同様にして緑色画素の形成
とともに樹脂ブラックマトリックス上にスぺーサーの3
段目を形成し、カラーフィルターを作製した。緑色画素
部の膜厚は3.0μmであった。
【0052】着色層の積層により樹脂ブラックマトリッ
クス上に設けられたスぺーサー底部の面積は1個当たり
約500μm2 であった。スぺーサーの高さは約5μm
であった。なお、スぺーサーは、3画素に1個の割合で
画面内に設けた。また、スぺーサーの形状はほぼ円形で
あった。また、画面周辺に樹脂ブラックマトリックスで
形成した額縁上の一部にも画面内と同様な密度で色重ね
によるスぺーサーを設けた。
【0053】この遮光層と赤画素、緑画素、青画素を有
し、表示画面部及び額縁、額縁周辺部のシール部の樹脂
ブラックマトリックス上にスぺーサーを有する無アルカ
リガラス基板上に、スパッタリング法にてITO膜を形
成し、液晶表示素子用基板として用いられるカラーフィ
ルターを得た。ITO膜の膜厚は150nmであり、表
面抵抗は20Ω/□であった。
【0054】(3) スペーサーの熱膨張率の測定 スペーサーを形成したカラーフィルターの一部を切り出
し、スペーサーに光学フラットを載せて熱膨張率測定用
サンプルを作製した。カラーフィルター側(裏面)から
光を入射させ、25〜50℃で温度を変化させた場合の
緩衝縞の変化を光干渉計で測定し、スペーサーの25℃
での高さと50℃での高さから熱膨張率を計算により求
めた。その結果、このスペーサー(高さ5μm)の25
〜50℃での熱膨張率は40ppm/℃であった。ま
た、樹脂ブラックマトリックス形成用ペースト及び青
色、赤色、緑色着色ペーストを離型剤処理を施したシリ
コンウェファ上にそれぞれ塗布し、加熱乾燥、キュアを
行い膜厚2.0μmの着色キュア膜を得た。この着色キ
ュア膜上にそれぞれ同一色のペーストを塗布し、同様の
操作により着色キュア膜を積層した。この操作を繰り返
し、膜厚10.0μmの着色キュア膜を形成した後、シ
リコンウェファより膜を剥離した。着色キュア膜の25
〜50℃の間の膜面方向の熱膨張率を熱機械測定装置に
より測定したところ、4種類の着色キュア膜の平均熱膨
張率は30ppm/℃であった。
【0055】(4) カラー液晶表示素子の作製と評価 このスぺーサーが設けられたカラーフィルターのITO
膜上にポリイミド系の配向膜を設け、ラビング処理を施
した。また、同様に対向する液晶表示素子用基板につい
てもポリイミド系の配向膜を設け、ラビング処理を施し
た。この2枚の基板をエポキシ接着剤をシール剤として
用いて貼り合わせた後に、シール部に設けられた注入口
から液晶を注入した。液晶を注入後、注入口を封止し、
さらに偏光板を基板の外側に貼り合わせ液晶表示素子を
作製した。
【0056】これを、−40℃に1週間放置したが発泡
は認められなかった。また、50℃に加温してみたが、
表示特性には室温と差が認められず、かつ表示品位は非
常に良好であった。
【0057】実施例2 (1) 樹脂ブラックマトリックス及びシール部パターンの
作製 カーボンブラックとカルボキシル基を含有するビスフェ
ノール型エポキシ樹脂(シリコーン成分は含まない)の
溶液を用い、実施例1と同様に、樹脂ブラックマトリッ
クス及びシール部パターンの作製を行った。
【0058】(2) 着色スペーサーの作製 カルボキシル基を含有するビスフェノール型エポキシ樹
脂(シリコーン成分は含まない)に赤、緑、青のそれぞ
れの顔料(樹脂/顔料)重量比7/3で分散混合した着
色ペーストを用い、実施例11と同様な手法を用いて、
ビスフェノール型エポキシ樹脂に顔料が含有された着色
膜3層から成るスペーサーを樹脂ブラックマトリックス
上に形成した。このスペーサーを有する基板上にスパッ
タリング法にてITO膜を形成し、液晶表示素子用基板
の1つであるカラーフィルターを得た。
【0059】(3) 熱膨張率の測定 実施例1と同様の光学的な方法で、形成されたスペーサ
ーの1個(高さ6μm)の熱膨張率を測定したところ、
25〜50℃で80ppm/℃であった。
【0060】また、実施例1と同様に試料を作製し、熱
機械測定装置により測定したところ、4種類の着色膜の
平均熱膨張率は60ppm/℃であった。
【0061】(4) カラー液晶表示素子の作製と評価 このスペーサーが設けられた液晶表示素子用基板を用
い、実施例1と同様に液晶表示素子を作製し、これを−
40℃に1週間放置したが、発泡は認められなかった。
また、50℃に加温してみたが、表示特性は室温と差が
認められなかった。また、表示品位は良好であった。
【0062】実施例3 (1) 樹脂ブラックマトリックス及びシール部パターンの
作製 実施例1と同様な手法により、ポリイミド前駆体溶液に
カーボンブラックマトリックスを分散混合したペースト
を用い、樹脂ブラックマトリックス及びシール部パター
ンの作製を行った。
【0063】(2) 着色層とスぺーサーの作製 実施例1と同様な手法を用い、ポリイミド前駆体溶液
と、赤、緑、青の顔料を各々(ポリイミド前駆体/顔
料)重量比1:1の割合で混合分散させて得られた、
赤、緑、青の3種類の着色ペーストを使用して、赤画素
と緑画素と青画素を形成し、同時に、表示画面部及び額
縁、額縁周辺部のシール部の樹脂ブラックマトリックス
上にスペーサーの形成を行った。
【0064】このスペーサーを有する基板上に、スパッ
タリング法にてITO層を形成し、液晶表示素子用基板
として用いられるカラーフィルターを得た。
【0065】(3) 熱膨張率の測定 実施例1と同様の光学的な方法で、形成されたスペーサ
ーの1個(高さ4μm)の熱膨張率を測定したところ、
25〜50℃で20ppm/℃であった。
【0066】(4) カラー液晶表示素子の作製と評価 このスペーサーが設けられた液晶表示素子用基板を用
い、実施例1と同様に液晶表示素子を作製し、これを−
40℃に1週間放置したが、発泡は認められなかった。
また、50℃に加温してみたが、表示特性は室温と差が
認められなかった。
【0067】比較例1 (1) 樹脂ブラックマトリックス及びシール部パターン
の作製 カルボキシル基を含有するエポキシ・シリコーン樹脂の
溶液とカーボンブラックを重量比6/4(樹脂/顔料)
の割合で混合分散させて得られたブラックペーストを使
用して、実施例1と同様に、樹脂ブラックマトリックス
及びシール部パターンの作製を行った。
【0068】(2) 着色層とスぺーサーの作製 実施例1と同様な手法を用い、カルボキシル基を含有す
るエポキシ・シリコーン樹脂に赤、緑、青のそれぞれの
顔料を各々重量比9/1(樹脂/顔料)の割合で混合分
散させて得られた赤、緑、青の3種類の着色ペーストを
使用して、赤画素と緑画素と青画素を形成し、同時に、
表示画面部及び額縁、額縁周辺部のシール部の樹脂ブラ
ックマトリックス上にスぺーサーの形成を行った。
【0069】このスぺーサーを有する基板上に、スパッ
タリング法にてITO膜を形成し、液晶表示素子用基板
の1つであるカラーフィルターを得た。
【0070】(3) 熱膨張率の測定 実施例1と同様の光学的な方法で、形成されたスぺーサ
ーの1個(高さ5μm)の熱膨張率を測定したところ、
25〜50℃で120ppm/℃であった。また、実施
例1と同様に試料を作製し、熱機械測定装置により25
〜50℃で熱膨張率を測定したところ、4種類の着色膜
の平均熱膨張率は110ppm/℃であった。
【0071】(4) カラー液晶表示素子の作製と評価 このスペーサーが設けられた液晶表示素子用基板を用
い、実施例と同様に液晶表示素子を作製し、同様に50
℃に加温してみたところ、室温下では認められなかった
表示むらが生じた。
【0072】比較例2 (1) 金属ブラックマトリックス及びシール部パターン
の作製 透明基板上に、クロム及びその酸化物から成る遮光膜を
真空蒸着法により形成した。これにフォトレジストを塗
布し、加熱乾燥によりフォトレジストの被膜を形成し
た。これを紫外線露光機を用いて、フォトマスクを介し
て露光した。露光後、アルカリ現像液に浸漬し、フォト
レジストの現像を行った。その後、酸現像液により遮光
膜をエッチングし、エッチング後、不要となったフォト
レジスト層を剥離し、ブラックマトリックスを形成し
た。
【0073】(2) 着色層の作製 実施例と同様な手法を用いて、赤画素と、緑画素と、青
画素を形成した。このとき、実施例と異なり、表示画面
部及び額縁、額縁周辺部のシール部のブラックマトリッ
クス上にスぺーサーの形成は行わなかった。
【0074】(3) スぺーサーの作製 シリコン酸化膜から成るスぺーサーをマスクスパッタリ
ングによりブラックマトリックス上に形成した。
【0075】このスぺーサーを有する基板上に、スパッ
タリング法にてITO層を形成し、液晶表示素子用基板
として用いられるカラーフィルターを得た。
【0076】(4) 熱膨張率の測定 実施例1と同様の光学的方法で、形成されたスぺーサー
の1個(高さ5μm)の熱膨張率を測定したところ、3
ppm/℃であった。
【0077】(5) カラー液晶表示素子の作製と評価 このスペーサーが設けられた液晶表示素子用基板を用
い、実施例と同様に液晶表示素子を作製し、同様に−4
0℃に放置したところ、泡が発生した。
【0078】比較例3 (1) 金属ブラックマトリックス及びシール部パターンの
作製 比較例2と同様な手法を用い、クロム及びその酸化物か
ら成る遮光膜を有する透明基板を用い、ブラックマトリ
ックスを形成した。
【0079】(2) 着色層の作製 実施例1と同様な手法を用いて、赤画素と、緑画素と、
青画素を形成した。この時、実施例1と異なり、表示画
面部及び額縁、額縁周辺部のシール部のブラックマトリ
ックス上にスペーサーの形成は行わなかった。
【0080】(3) スペーサーの作製 アルミナから成るスペーサーをマスクスパッタリングに
よりブラックマトリックス上に形成した。このスペーサ
ーを有する基板上に、スパッタリング法にてITO層を
形成し、液晶表示素子用基板として用いられるカラーフ
ィルターを得た。
【0081】(4) 熱膨張率の測定 実施例1と同様の光学的方法で、形成されたスペーサー
の1個(高さ5μm)の熱膨張率を測定したところ、7
ppm/℃であった。
【0082】(5) カラー液晶表示素子の作製と評価 このスペーサーが設けられた液晶表示素子用基板を用
い、実施例1と同様に液晶表示素子を作製し、同様に−
40℃に放置したところ、泡が発生した。
【0083】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子用基板では、スぺ
ーサーの特定温度範囲における熱膨張率が特定の範囲内
にあるので、この基板を用いて液晶表示素子を作製した
場合に、低温における泡の発生や高温における色むらに
よる表示品位の低下がほとんど起きないという効果が奏
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタ−を使用したカラー液
晶表示装置の模式断面図である。
【符号の説明】
1 透明基板(ガラス基板) 2 樹脂ブラックマトリックス 3 着色層(B) 4 着色層(R) 5 着色層(G) 6 透明電極 7 配向膜 8 液晶 9 配向膜 10 画素電極 11 絶縁膜 12 液晶駆動回路付属電極 13 透明基板(ガラス基板) 14 クロムブラックマトリックス 15 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 哲哉 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶表示素子用基板上の非表示領域に固
    定されたスぺーサーを有し、そのスぺーサーの25〜5
    0℃での熱膨張率が10〜100ppm/℃である液晶
    表示素子用基板。
  2. 【請求項2】 前記熱膨張率が20〜80ppm/℃で
    ある請求項1記載の液晶表示素子用基板。
  3. 【請求項3】 前記熱膨張率が30〜60ppm/℃で
    ある請求項2記載の液晶表示素子用基板。
  4. 【請求項4】 スぺーサー形状が円、楕円、角が丸い多
    角形、十字、T字又はL字形である請求項1ないし3の
    いずれか1項記載の液晶表示素子用基板。
  5. 【請求項5】 基板がトランジスターを複数個有する請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶表示素子用
    基板。
  6. 【請求項6】 基板が着色剤を含むカラーフィルターで
    ある請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液晶表示
    素子用基板。
  7. 【請求項7】 スぺーサーが着色剤を含んだ樹脂の単一
    色、又は色重ねから成る請求項1ないし4のいずれか1
    項記載の液晶表示素子用基板。
  8. 【請求項8】 着色剤を含んだ樹脂がポリイミドである
    ことを特徴とする請求項7記載の液晶表示素子用基板。
  9. 【請求項9】 スぺーサーが着色剤を含んだ樹脂の色重
    ねから成り、25〜50℃での各層熱膨張率の平均値が
    10〜100ppm/℃である請求項7記載の液晶表示
    素子用基板。
  10. 【請求項10】 着色剤を含んだ樹脂がポリイミドであ
    ることを特徴とする請求項9記載の液晶表示素子用基
    板。
  11. 【請求項11】 前記スぺーサーの高さが1〜9μmで
    ある請求項1ないし10のいずれか1項記載の液晶表示
    素子用基板。
  12. 【請求項12】 前記スぺーサーが、対向する基板と接
    触する面積が1個当たり10〜1000μm2 である請
    求項1ないし11のいずれか1項記載の液晶表示素子用
    基板。
  13. 【請求項13】 2枚の液晶表示素子用基板により液晶
    層を挟持したカラー液晶表示素子において、少なくとも
    一方の液晶表示素子用基板が、請求項1ないし12のい
    ずれか1項に記載の液晶表示素子用基板であることを特
    徴とする、カラー液晶表示素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102298230A (zh) * 2011-08-25 2011-12-28 南京中电熊猫液晶显示科技有限公司 液晶显示装置
CN102749760A (zh) * 2012-07-25 2012-10-24 南京中电熊猫液晶显示科技有限公司 液晶显示装置

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