JPH1060144A - 改質ポリプロピレン系樹脂発泡体、積層発泡体及びそれらから得られる成形品 - Google Patents
改質ポリプロピレン系樹脂発泡体、積層発泡体及びそれらから得られる成形品Info
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- JPH1060144A JPH1060144A JP8221535A JP22153596A JPH1060144A JP H1060144 A JPH1060144 A JP H1060144A JP 8221535 A JP8221535 A JP 8221535A JP 22153596 A JP22153596 A JP 22153596A JP H1060144 A JPH1060144 A JP H1060144A
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Abstract
での保存及び輸送に使用しても割れを生じない改質ポリ
プロピレン系樹脂発泡体、積層発泡体及び成形品を提供
することを課題とする。 【解決手段】 基材樹脂のポリプロピレン系樹脂に対し
てエチレン−オクテン共重合体を2重量%以上混合した
混合物の発泡体であることを特徴とする改質ポリプロピ
レン系樹脂発泡体及び、このプロピレン系樹脂発泡体か
らなる積層発泡体及び成形品により上記課題を解決す
る。
Description
ン系樹脂発泡体、積層発泡体及びそれらから得られる成
形品に関する。更に詳しくは、本発明は、例えば電子レ
ンジ等での加熱に使用でき、かつ低温での保存及び輸送
に使用しても割れを生じない改質ポリプロピレン系樹脂
発泡体、積層発泡体及びそれらから得られる成形品に関
する。また、本発明の改質ポリプロピレン系樹脂発泡
体、積層発泡体及びそれらから得られる成形品は、包装
材、断熱材、構造材の用途に使用できる。
電子レンジでの調理に使用することができる食品容器と
しては、ポリプロピレン発泡体からなる成形品が使用さ
れている。この成形品は、耐熱性、断熱性、耐薬品性に
優れているため、食品容器として優れており非常に有用
である。しかし、一般にガラス転移点が0℃付近にあ
り、雰囲気が−30℃の冷凍に使用した場合、割れると
いう課題があった。
ピレンとエチレンとの共重合体を用いる方法、ポリエチ
レン樹脂を混合する方法、ポリプロピレン系樹脂に各種
ゴム系樹脂又はエラストマーを混合する方法、エチレン
−プロピレンゴムとポリエチレン樹脂とを混合する方法
等がある。しかしながら、どの方法も食品容器に要求さ
れる条件を十分満たすものではなかった。
レンとの共重合体を用いる方法は、プロピレン単独重合
体を用いる方法に比べ、常温での耐衝撃性に優れてい
る。しかし、これら両方法の低温における耐衝撃性は僅
かの差であった。ポリエチレン系樹脂を混合する方法で
は、柔軟性が向上した発泡体を得ることが可能であるこ
とが知られている(特開平8−120106号公報)。
しかし、この方法では、柔軟性は向上するが、耐衝撃性
についてはほとんど効果がなかった。
用されるゴム系樹脂としては、例えばポリプロピレン系
樹脂の耐衝撃性の改良に多く使用されているプロピレン
−エチレンラバーが挙げられる。このプロピレン−エチ
レンラバーを混合する場合、低温で衝撃性を付与するた
めには、ポリプロピレン系樹脂に対して少なくとも20
重量%以上添加することが必要である。
は、ポリプロピレン系樹脂の融点よりも数十℃高い温度
で押出成形することが一般的であり、発泡化する場合の
気泡セルの形成段階がないため、プロピレン−エチレン
ラバーは、ポリプロピレン系樹脂に対して広範囲な量で
混合することができる。しかしながら、発泡工程を有す
る場合は気泡成長時に破泡しないようにするため、十分
な張力を樹脂に与える必要があることから、融点近傍ま
で樹脂の温度を低下させる必要がある。また、一般にポ
リプロピレン系樹脂としては、低流動性のものが使用さ
れるので、他の樹脂との混合状態が悪くなる。その結果
として、連続気泡率の高い、高密度な発泡体か、表面平
滑性の悪い発泡体しか得られないので、ゴム系樹脂の混
合量が微量に限られ、結果として十分な低温衝撃性を付
与できなかった。
は、ポリプロピレンとエチレン・α−オレフィン共重合
体からなるポリプロピレン系ブロック共重合体と、エチ
レン・α−オレフィン共重合体と、任意に高密度ポリエ
チレンを基材樹脂とするポリプロピレン系発泡シートが
記載されている。この公報では耐衝撃性に優れたポリプ
ロピレン系発泡シートを得ることが目的とされており、
その実施例には、エチレン・プロピレン共重合体を含む
ポリプロピレンブロック共重合体と、エチレン・1−ブ
テン共重合体と、任意にポリエチレンを使用した発泡シ
ートが記載されている。しかし、本発明の発明者等の知
見では、この公報に記載されているポリプロピレン系発
泡シートでも低温での耐衝撃性が十分ではないことを見
いだしている。
鋭意検討の結果、耐熱性、断熱性及び耐薬品性に優れ、
特に低温での冷凍保存時及び輸送時に割れを生じない、
耐衝撃性に優れた改質ポリプロピレン系樹脂発泡体、積
層発泡体及びそれらから得られる成形品を見いだし本発
明に至った。
ば、基材樹脂のポリプロピレン系樹脂に対してエチレン
−オクテン共重合体を2重量%以上混合した混合物の発
泡体であることを特徴とする改質プロピレン系樹脂発泡
体が提供される。また、本発明によれば、上記の改質プ
ロピレン系樹脂発泡体の少なくとも片面に、プロピレン
単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロ
ピレンゴム、エチレン−ブテンランダム共重合体、エチ
レン−オクテン共重合体のいずれかの単独又はこれらの
混合物からなるシートが積層されてなる積層発泡体が提
供される。更に、本発明によれば、上記改質プロピレン
系樹脂発泡体及び積層発泡体からなる成形品が提供され
る。
るポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、公
知のものをいずれも使用できる。公知の樹脂の内、Z平
均分子量Mzが2.0×106 〜10×107 でMz/
Mw(重量平均分子量)が3.0〜20.0であり、か
つ高分子領域に分岐ポリマーを含むことを示すカーブの
張り出しがあるキャメル型の分子量分布カーブ(ゲルパ
ーミエイションクロマトグラフによる)を有するプロピ
レン単独重合体(キャメル型ポリプロピレン系樹脂と称
する)が好ましい。Mzが2.0×106 未満では発泡
に適した粘弾性が得られないので好ましくない。Mzが
10×107 を越えると負荷が高くなる。また、Mz/
Mwが3.0未満では発泡適性の温度が狭くなって、均
一な発泡体が得られないので好ましくない。Mz/Mw
が20.0を越えると分子量分布が広くなりすぎて発泡
条件をとるのが困難となる。なお、Mzが2.0×10
6 〜5.0×106 、Mz/Mwが5〜10の範囲が特
に好ましい。また、このプロピレン単独重合体に1〜1
0重量%のエチレンを含有するエチレンとプロピレンの
共重合体を使用することもできる。なお、この共重合体
には、ブロック共重合体及びランダム共重合体のいずれ
も含まれる。
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(以下GPCと称
する)による測定により、最も高分子量側の分布が強調
される平均分子量であり、分子量の3乗の平均値を意味
する。また、重量平均分子量Mwは、GPCによる測定
により、測定される物性値がポリマーの重量に直接関係
するときに求められる平均分子量であって、分子量の2
乗の平均値を意味する。なお、本発明で行ったGPCの
測定方法は次の通りである。
において十分な溶融張力が得られ、所望の密度の発泡体
を得ることができる。
メル型の分子量分布カーブを有しているが、キャメル型
の分子量分布カーブとは、例えば図1に示す如き高分子
量領域にラクダの背のように張出を有する形状の分子量
分布カーブを意味する。分子量分布カーブは、高分子量
の領域のある成分が多くの分岐を有していることを示し
ている。なお、図1中、カーブAはキャメル型ポリプロ
ピレン系樹脂を示し、カーブBはその他のポリプロピレ
ン系樹脂を示している。
は、具体的には三菱化学社製MH−8、住友化学社製A
D571、S−131等が挙げられる。また、キャメル
型ポリプロピレン系樹脂は、具体的にはハイモント社製
X−10005、PF−814、SD−632、X11
277−22−1等が挙げられる。なお、PF−81
4、X−10005はプロピレン単独重合体であり、S
D−632、X11277−22−1はプロピレン−エ
チレンブロックコポリマーである。
−オクテン共重合体が2重量%以上混合される。本発明
に使用できるエチレン−オクテン共重合体としては、オ
クテン含有量が5〜30重量%、密度0.86〜0.9
2g/cm2 のものが好ましい。特に、オクテン含有量
が20〜30重量%、密度0.86〜0.88g/cm
2 のものが好ましい。
合体は、具体的にはダウ・ケミカル社製EG8100
(オクテン含有量24重量%)等が挙げられる。本発明
の改質ポリプロピレン系樹脂発泡体は、ポリプロピレン
系樹脂を98重量%以下、好ましくは98〜60重量
%、エチレン−オクテン共重合体を2重量%以上、好ま
しくは2〜40重量%含有している。ここで、ポリプロ
ピレン系樹脂が98重量%より多いと、低温衝撃性の改
善効果が小さく、60重量%より少ないと、発泡体の強
度が低下するので好ましくない。また、エチレン−オク
テン共重合体が40重量%より多いと、発泡体の強度が
低下するので好ましくなく、2重量%より少ないと、低
温衝撃性の改善効果がない。
発泡体には、発泡性、耐熱性、耐衝撃性等の物性を阻害
しない範囲で、ポリエチレン樹脂、他のα−オレフィン
重合体、アイオノマーや、エチレン−プロピレンラバー
(EPラバー)等のエラストマーを少量混合してもよ
い。更に、基材樹脂中に、強度及び耐久性の向上並びに
増量のために、無機充填材を全樹脂量の10〜50重量
%の割合で添加してもよい。使用できる無機充填材とし
ては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化チ
タン、タルク、クレー、炭酸カルシウム等が挙げられ
る。
は、好ましくは0.6〜0.02g/cm3 、更に好ま
しくは0.6〜0.06g/cm3 の密度を有する。こ
こで、密度が0.6g/cm3 より大きいと、断熱性に
乏しくなるので好ましくない。改質ポリプロピレン系樹
脂発泡体の形状は、特に限定されず、シート板又は管の
形状を有していてもよい。シート板に成形される場合
は、その厚みは通常0.5〜4.0mmである。
い範囲で上記改質ポリプロピレン系樹脂発泡体の少なく
とも片面に、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピ
レン共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレ
ン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエ
チレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−オクテ
ン共重合体のいずれかの単独又はこれらの混合物からな
るシートが積層されてなる積層発泡体も提供される。こ
こで積層されるシートには、フィルムのような比較的薄
いものも含まれる。シートの厚さは、通常0.02〜
1.0mm、好ましくは0.1〜1.0mmである。
を妨げない範囲で、表面の美麗性が要求される用途に応
じて、その表面に不織布、金属箔、化粧紙、印刷フィル
ム等を積層してもよい。また、本発明には、上記改質ポ
リプロピレン系樹脂発泡体及び積層発泡体が成形されて
なる成形品も含まれる。成形品の形状は、特に限定され
ないが、カップ状、皿状、弁当容器状等の食品容器の形
状であることが好ましい。
発泡体は、押出発泡、圧縮発泡、射出発泡等と、ブロッ
ク成形、板状成形、型物成形等の方法を組み合わせるこ
とにより製造することができる。以下では、押出し発泡
成形を利用して発泡体を製造する方法について説明す
る。まず、基材樹脂である改質ポリプロピレン系樹脂
を、発泡押出機に供給する。発泡押出機は、当該分野で
一般に使用されている装置をいずれも使用することがで
きる。
発泡剤は、特に限定されず、分解性発泡剤、気体又は揮
発性の発泡剤をいずれも使用することができる。なお、
上記キャメル型ポリプロピレン系樹脂を基材樹脂として
使用すれば、成型時において、それ以外の基材樹脂より
溶融粘度が高いので、気体又は揮発性の発泡剤を使用し
ても十分な特性を有する発泡体を製造することができ
る。
モニウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、亜
硝酸アンモニウム、カルシウムアジド、ナトリウムアジ
ド、ホウ水素ナトリウム等の無機系分解性発泡剤、アゾ
ジカルボンアミド、アゾビススルホルムアミド、アゾビ
スイソブチロニトリル及びジアゾアミノベンゼン等のア
ゾ化合物、N,N′−ジニトロソペンタンメチレンテト
ラミン及びN,N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソ
テレフタルアミド等のニトロソ化合物、ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド及
びp,p′−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバ
ジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒ
ドラジノトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート
等が挙げられる。これらの発泡剤は、単独でも組み合わ
せてもよい。また、分解性発泡剤の添加割合は、基材樹
脂100重量部に対して、0.1〜5重量部とすること
が好ましい。更に、分解温度、発生ガス量及び分解速度
を調節するために、公知の発泡助剤を添加することもで
きる。
ン、ネオペンタン、メチルエーテル、二塩化二フッ化メ
タン、ブタン等が挙げられる。なお、ここで気体とは、
常温で気体であることを意味する。一方、揮発性の発泡
剤としては、エーテル、石油エーテル、アセトン、ペン
タン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、イソヘプタ
ン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。気体及び揮発
性発泡剤の添加割合は、基材樹脂100重量部に対し
て、0.5〜20重量部とすることが好ましい。
い。更に、気泡調節剤を添加してもよい。気泡調節剤と
しては、タルク、シリカ等の無機粉末、多価カルボン酸
の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム又は重炭酸
ナトリウムとの反応混合物等が挙げられる。気泡調節剤
は、基材樹脂100重量部に対して、0.01〜1.0
重量部とすることが好ましい。更に、必要に応じて紫外
線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等も添加することができ
る。
中で180〜240℃に加熱することにより樹脂を溶融
させ、次いでダイに発泡に最も適する温度、即ち145
〜175℃に調節しながら注入し、それから押出すこと
が好ましい。
は、基材樹脂のポリプロピレン系樹脂に対してエチレン
−オクテン共重合体を2重量%以上混合した混合物の発
泡体であることを特徴とするので、耐熱性、断熱性、耐
薬品性に優れ、特に低温での冷凍保存時及び輸送時に割
れを生じない、耐衝撃性に優れた改質ポリプロピレン系
樹脂発泡体が得られる。
重合体が、ポリプロピレン系樹脂の発泡性を阻害せず、
低温時の耐衝撃性を向上させる原因は定かではないが、
以下の理由によると考えられる。ポリエチレン樹脂又は
エチレン−プロピレンゴムとポリプロピレン系樹脂の混
合体の場合、これらは実質的に相溶性のない樹脂同士で
あるので、ポリエチレン樹脂又はエチレン−プロピレン
ゴムはポリプロピレン系樹脂の非結晶相に存在すると考
えられる。非結晶相部分が結晶化進行時、即ち発泡気泡
の成長時に不均一な結晶構造を与え、その結果気泡セル
の壁の伸びを低下させることにより発泡性を阻害してい
ると考えられる。
とポリプロピレン系樹脂の混合体の場合、エチレン−オ
クテン共重合体が低い結晶化温度を有するので、発泡気
泡の成長時に結晶化を阻害せず、その結果上記ポリエチ
レン樹脂又はエチレン−プロピレンゴムよりも発泡性の
低下が少ないものと考えられる。一方、耐衝撃性は、ポ
リプロピレン系樹脂の非結晶相が重要な影響を与えるの
で、この非結晶相に含まれる樹脂とポリプロピレン系樹
脂の混和性が重要となる。この観点から、エチレン−オ
クテン共重合体とポリプロピレン系樹脂の非結晶相と
が、他の樹脂より優れた混和性を有しているためである
と考えられる。
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものはな
い。 実施例1〜11及び比較例1〜10 まず、実施例及び比較例に使用した樹脂を、その性質と
併せて表1に示す。
て、以下のごとき工程で発泡体を製造した。まず、基材
樹脂を一定量の気泡調節剤と共に混合し、この混合物を
口径φ50〜φ65mmの第1押出機及び第2押出機か
らなる発泡押出機に供給した。供給された樹脂に、第1
押出機の中央ゾーンで、ブタンを発泡剤として注入し、
溶融混練した。この後、樹脂を第2押出機に運び、最も
発泡に適する温度に保たれた口径φ80mmの金型に注
入し、更にダイギャップ0.8mmのスリットから押し
出すことにより、管状発泡体が得られた。この管状発泡
体は、外形205mmのサイジングドラムに沿わせて引
き取られ、円周上の一点でカッターにより切開され、表
2に示す密度及び厚さを有する発泡シートとした。
以下の方法で測定し、その評価と併せて表2に示した。 ・低温での衝撃高さの測定法 −30℃の恒温槽内に、実施例及び比較例で得られた発
泡シートの切片(50mm×140mm)を恒温槽の最
下部に水平に位置しているクランプで保持する(クラン
プ間距離100mm)。次いで、保持されている発泡シ
ートに対し、垂直でかつほぼ中央に落下するように、任
意の高さから鉄球(直径41.3mm、重量286g)
を落下させる。発泡シートに亀裂又は割れが発生した高
さを衝撃高さとした。ただし、表2に示す衝撃高さの値
は、発泡シートの縦方向及び横方向に対し、各5回測定
し、その平均値を示している。更に、表2中、○は衝撃
高さの値が100mm以上の場合を、×は100mm未
満の場合を意味する。
ピレン系樹脂発泡体は、比較例の発泡シートと比較し
て、低温時の耐衝撃性が良好であると共に、その表面も
美麗で平滑である。また、比較例6〜8では、樹脂の分
散不良、気泡の破れ、伸び不良等の現象が起こり、発泡
シートにすることができなかった。更に、実施例3〜6
で得られた発泡シートを、公知の方法により図2〜4に
示した形状に成形したところ、容易に成形することがで
きた。なお、図2はカップ容器の上面図(a)及び側面
図(b)を示し、図3は皿状容器の上面図(a)及び側
面図(b)を示し、図4は弁当容器の上面図(a)及び
側面図(b)を示している。
体は、基材樹脂のポリプロピレン系樹脂に対してエチレ
ン−オクテン共重合体を2重量%以上混合した混合物の
発泡体であることを特徴とする。従って、主成分が耐熱
性に優れたポリプロピレン系樹脂であるので、耐熱性、
断熱性、耐薬品性に優れ、特に低温での冷凍保存時及び
輸送時に割れを生じない、耐衝撃性に優れた使用温度範
囲の広い改質ポリプロピレン系樹脂発泡体を得ることが
できる。
〜40重量%混合されてなることにより、上記改質ポリ
プロピレン系樹脂発泡体の性質を更に改善することがで
きる。また、ポリプロピレン系樹脂が、Z平均分子量M
zが2.0×106 〜10×107 でMz/Mw(重量
平均分子量)が3.0〜20.0であり、かつ高分子領
域に分岐ポリマーを含むことを示すカーブの張り出しが
あるキャメル型の分子量分布カーブ(ゲルパーミエイシ
ョンクロマトグラフによる)を有することにより、発泡
時の溶融粘度が上昇し、分解性発泡剤を使用する必要が
なく、スチレン系樹脂などと同様の揮発性発泡剤を使用
した発泡により簡便に発泡体を得ることができる。
少なくとも片面に、プロピレン単独重合体、エチレン−
プロピレン共重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度
ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−
ブテンランダム共重合体、エチレン−オクテン共重合体
のいずれかの単独又はこれらの混合物からなるシートが
積層されてなる積層発泡体により、表面の美麗さが要求
される用途にも対応することができる。
形品は、特に冷凍食品を電子レンジで調理する用途に使
用される容器に好適に使用できる。
ポリプロピレン系樹脂の分子量分布曲線を示すグラフで
ある。
図及び側面図である。
及び側面図である。
及び側面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 基材樹脂のポリプロピレン系樹脂に対し
てエチレン−オクテン共重合体を2重量%以上混合した
混合物の発泡体であることを特徴とする改質ポリプロピ
レン系樹脂発泡体。 - 【請求項2】 エチレン−オクテン共重合体が、2〜4
0重量%混合されてなる請求項1記載の発泡体。 - 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂が、Z平均分子量
Mzが2.0×10 6 〜10×107 でMz/Mw(重
量平均分子量)が3.0〜20.0であり、かつ高分子
領域に分岐ポリマーを含むことを示すカーブの張り出し
があるキャメル型の分子量分布カーブ(ゲルパーミエイ
ションクロマトグラフによる)を有する請求項1記載の
発泡体。 - 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1つの改質プロピ
レン系樹脂発泡体の少なくとも片面に、プロピレン単独
重合体、エチレン−プロピレン共重合体、高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレ
ンゴム、エチレン−ブテンランダム共重合体、エチレン
−オクテン共重合体のいずれかの単独又はこれらの混合
物からなるシートが積層されてなる積層発泡体。 - 【請求項5】 請求項1〜4いずれか1つの発泡体から
成形されてなる成形品。
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