JP2001018943A - 容器およびその製造方法 - Google Patents

容器およびその製造方法

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JP2001018943A
JP2001018943A JP18891399A JP18891399A JP2001018943A JP 2001018943 A JP2001018943 A JP 2001018943A JP 18891399 A JP18891399 A JP 18891399A JP 18891399 A JP18891399 A JP 18891399A JP 2001018943 A JP2001018943 A JP 2001018943A
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resin
polypropylene
injection
ratio
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Takashi Miyazaki
孝志 宮崎
Mitsuru Watari
充 渡
Junichi Watanabe
順一 渡辺
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Grand Polymer Co Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリプロピレン発泡樹脂製の容
器、および射出成形法によるその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 発泡ポリプロピレン製の容器であ
って、その深さ(d)の直径(D)に対する比(d/
D)が0.05〜10、器壁両スキン層(s)のコア層
(c)に対する厚さ比(s/c)が0.05〜2.0、
器壁の曲げ弾性率が500〜3000(MPa)、およ
びその熱伝導度が0.3〜0.19(W/m・K)であ
る物性を有している。この様な容器は、発泡剤を含むポ
リプロピレン樹脂をキャビティー中へ充填した後、射出
終了後5秒以内に金型コア部を0.1〜100(mm/
秒)の速度で後退させつつ発泡成形する、コアバック方
式の射出成形機で製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン発
泡樹脂製の容器および射出成形法によってその容器を製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】器壁の薄いかつ浅い容器は、プラスチッ
クシートを真空成形ないし圧空成形することによって製
造され、食品包装等に使用されてきた。しかし、器壁の
厚いかつ深い容器の製造には、同じ製造方法の適用が難
しく、射出成形法によるのが一般的である。インスタン
トラーメン用のカップにみられる様に、器壁が厚く、か
つ直径に比べて深さのあるいわゆる深絞り容器の場合に
は、その射出成形法で製造されている。これまで深絞り
容器は専らポリスチレン発泡樹脂から製造されてきた
が、近年容器材質をポリスチレンからポリオレフィンへ
と広げたいとの強いマーケットニーズが出されている。
【0003】一般に、ポリオレフィン、特にポリプロピ
レン発泡性樹脂から射出成形法によって容器を大量生産
するすることは、その形状によらず、樹脂物性から判断
して難しく、未だ市場に流通することはなかった。その
理由は、ポリプロピレン樹脂は、従来、その溶融粘度が
ポリスチレンなどの発泡成形に好適な樹脂と比べて大幅
に低いため、発泡剤を使用した発泡成形を試みると、発
泡成形用ガスを樹脂中に保持することができず、脱泡も
しくは破泡現象を起こしてしまい、良好な発泡セルの形
成は困難な点にあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ポリ
プロピレン発泡樹脂製容器の提供を目的とし、またその
容器の製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係わ
るポリプロピレン発泡樹脂製容器は、(1)その深さ
(d)の直径(D)に対する比(d/D)が0.05〜
10、(2)器壁の厚さが0.05〜10(mm)、
(3)器壁の密度が0.1〜1.2(g/cm3)、
(4)器壁両スキン層(s)のコア層(c)に対する厚
さ比(s/c)が0.05〜2.0 (5)器壁の曲げ弾性率が500〜3,000(MP
a)、(6)器壁の熱伝導度が0.03〜0.19(W
/m・K)である容器に関する。
【0006】ここで使用されるポリプロピレン樹脂は、
GPC法で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3以上であって、
かつZ平均分子量(Mz)とMwとの比(Mz/Mw)
が3以上であることが好ましい。
【0007】また本発明は、発泡剤を含むポリプロピレ
ン樹脂を樹脂温度170〜270(℃)、射出圧力10
〜200(MPa)および射出時間5秒以下の条件で金
型キャビティ中へ射出し、射出終了後5秒以内に金型コ
ア部を0.1〜100(mm/sec)の速度で後退さ
せつつ、射出された樹脂を10〜100(℃)の金型中
で1秒以上冷却する容器の製造方法に関する。
【0008】
【発明の具体的説明】次に本発明に係わる容器およびそ
の製造方法の各構成について、具体的に説明する。
【0009】容 器 まず本発明に係わるポリプロピレン発泡樹脂製容器の形
状は、その深さ(d)の直径(D)に対する比(d/
D)が0.05〜10、好ましくは0.2〜5であっ
て、また器壁の厚さは0.05〜10、好ましくは0.
5〜5(mm)の範囲にあって、器壁肉厚が大きく、か
つ深絞り成形品に近い形状を呈している。
【0010】器壁密度は、0.1〜1.2、好ましくは
0.2〜0.8(g/cm3)になっており、発泡樹脂
から製造されていることから、軽量で断熱性のある容器
である。なお、樹脂中に充填剤を配合することによっ
て、発泡構造をとりつつも器壁密度を樹脂密度よりも大
きくすることができる。ここで密度は、ASTM D−
1505に準拠して測定される値である。
【0011】容器器壁の中心部(コア部)は発泡体構造
になっているが、内外表面に近い部分は射出成形の際に
発泡樹脂が冷却金型によって冷却されて非発泡体ないし
それに近い構造のスキン層を形成しており、成形条件、
特に冷却条件によってそのスキン層の厚さをコントロー
ルすることができる。
【0012】器壁の内外両スキン層(s)のコア層
(c)に対する厚さ比(s/c)は、0.05〜2.
0、好ましくは0.1〜1である。この厚さ比(s/
c)が、前記の範囲内にあると、そのスキン層の存在に
よって、コア層の機械的強度が補強されて容器強度を高
めると共に、手に持った時の触感を良くする。また、発
泡体構造のコア層が適度な厚さを有しているので、容器
の断熱効果が向上している。なお、スキン層(s)およ
びコア層(c)の厚さは、マイクロスコープによる切断
面の観察、あるいは写真撮影によって、両層の厚みをス
ケールで測定することによって求めることができる。
【0013】器壁は、その曲げ弾性率が500〜3,0
00、好ましくは1,000〜2,000(MPa)で
あって、曲げ弾性率がこの範囲内にあると、発泡体であ
りながらも高い剛性を示し、容器周囲からの力に対して
抵抗感を示すので、使用時に安心して取扱える容器が提
供できる。なお、曲げ弾性率は、ASTM D−790
に準拠して測定される。
【0014】また器壁の熱伝導度は、プローブ法によっ
て測定された値が0.03〜0.19、好ましくは0.
03〜0.15(W/m・K)であって、この範囲内で
あれば実用上十分な断熱性を示し、容器内に熱いもの、
あるいは冷たいものを充填しても無理なく手に持つこと
ができるし、外部からの暖気、冷気に対しても内容物の
温度を保つことができる。なお、この熱伝導率の値は、
迅速熱伝導率測定計(例えば、京都電子工業株式会社製
KEMTHERM QTM-D型)を使用し、熱伝導率が既知の石
英、シリコンゴム(2種)、発泡ポリエチレンを標準物
質に用いて検量線を作成し、その後実際のサンプルにつ
いて測定して求めた。
【0015】ポリプロピレン樹脂 本発明に係わる容器の製造に用いられるポリプロピレン
樹脂は、プロピレンの単独重合体であっても、あるいは
プロピレン以外の炭素数2〜10のα−オレフィンをコ
モノマーとするプロピレン共重合体であってもよい。共
重合体の場合には、コモノマー含量が10モル%以下、
好ましくは5モル%以下であることが望ましく、コモノ
マーとしてはエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等
が好ましく、特にエチレンが好ましい。そのような共重
合体は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合
体であってもよい。
【0016】また、容器器壁の厚さに応じて、前記した
単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体の中
から適宜に組み合わせた配合物とし、目的とする機械的
強度を保持しつつ、発泡成形時の結晶化速度を調節しな
がら発泡成形を行うこともできる。特に、高結晶性ポリ
プロピレン樹脂を用いた場合には、ランダム共重合体の
配合によって結晶化速度を調整することができる。
【0017】使用されるポリプロピレン樹脂は、密度が
0.89〜0.92、好ましくは0.90〜0.91
(g/cm3)であって、メルトフローレートは、AS
TMD−1238に準拠して230℃、2.16kg荷
重下で測定した値が0.5〜150、好ましくは2〜1
00(g/10min)であることが望ましい。なお、
このポリプロピレン樹脂に充填剤を配合して、材料全体
の密度を約1.2(g/cm3)まで高めて使用するこ
ともできる。
【0018】ポリプロピレン樹脂の分子量分布は、特に
限定されないが、分子量分布の指標になっているGPC
法で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が3以上、好ましくは4
以上、さらに好ましくは8〜25であって、かつZ平均
分子量(Mz)とMwとの比(Mz/Mw)が3以上、
好ましくは3〜10であることが望ましい。これらの範
囲内にあるポリプロピレン樹脂は、その分子量分布が比
較的に広く、かつ樹脂のメルトテンションが高いことか
ら、その射出成形において、発泡性ガスを吸収ないし溶
解したポリプロピレン樹脂が、そのガスを保持した状態
で、良好に射出充填され、金型キャビティーを満たすこ
とができる。その結果、径の揃った気泡がほぼ均一に分
散した発泡体となるので、成形体の機械的強度が高く、
円周方向および垂直方向での強度の偏りが少ない。
【0019】ここで、Mw、Mn、およびMzは、GP
C(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を使用
して測定された値である。例えば、Waters社製の150
C型機を用い、ポリマーラボラトリーズ社製のカラムPl
mixedBを取り付け、測定温度を135℃とし、溶媒と
してo−ジクロロベンゼンを使用してポリマー濃度0.
15重量%のサンプルを400μl供給した。標準ポリ
スチレンを用いて作成した検量線から、Mw、Mn、お
よびMzを求めた。
【0020】また、ポリプロピレン樹脂は、13C−NM
R法で測定したアイソタクチックペンタッド分率(mm
mm分率)が、95.0%以上、好ましくは97.5〜
99.8%であることが望ましく、この高いアイソタク
チックペンタッド分率を有していると、樹脂の結晶性が
高く、剛性の高い器壁を有する容器が得られる。
【0021】アイソタクチックペンタッド分率(mmm
m分率)は、13C−NMRを使用して測定されるポリプ
ロピレン分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチッ
ク連鎖の存在割合を示しており、プロピレンモノマー単
位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピ
レンモノマー単位の分率である。具体的には、13C−N
MRスペクトルで観測されるメチル炭素領域の全吸収ピ
ーク中に占めるmmmmピークの分率として算出される
値である。
【0022】このポリプロピレン樹脂には、分岐状オレ
フィン重合体が0.1重量%以下、好ましくは0.05
重量%以下含有されていてもよく、そのような重合体は
ポリプロピレンの核剤として作用するので、前記のアイ
ソタクチックペンタッド分率を高め、成形性を向上させ
ることができる。分岐状オレフィン重合体としては、3
−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、3−メチル−1−ペンテン等の単独重合体または
共重合体が使用でき、これらの中でも特に、3−メチル
−1−ブテン重合体の使用が好ましい。
【0023】このようなポリプロピレン樹脂は、高立体
規則性オレフィン重合触媒を使用し、プロピレンを、必
要に応じてコモノマーを共存させて重合することによっ
て製造することができる。その重合触媒としては、次の
成分からなる触媒系を例示することができる。 (a)マグネシウム、チタン、および電子供与体を含有
する固体状チタン触媒成分 (b)有機アルミニウム化合物 (c)電子供与体
【0024】ここで、固体状チタン触媒成分(a)は、
テトラハロゲン化チタンやハロゲン化アルコキシチタン
のような4価のチタン化合物、アルコール、フェノー
ル、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、アミ
ン、ニトリル等の含酸素、含窒素化合物から選ばれる電
子供与体、およびハロゲン含有マグネシウム化合物を接
触することによって調製できる。
【0025】また、有機アルミニウム化合物(b)は、
トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミ
ニウム、アルキルアルコキシアルミニウム、ハロゲン化
アルコキシアルミニウム等の中から適宜選択して使用す
ることができる。電子供与体(c)としては、アルコキ
シシラン化合物、ポリエーテル化合物等を使用すること
ができる。
【0026】ポリプロピレン樹脂は、前記のオレフィン
重合触媒の存在下で、プロピレンを、必要に応じてコモ
ノマーを共存させて重合することによって製造される
が、プロピレンの本重合に先立って先に説明した分岐状
オレフィンをまず予備重合し、その後プロピレンの本重
合に移行するプロセスを採用してもよい。重合形態は、
気相重合、溶液重合、スラリー重合などいずれの方法で
行ってもよい。
【0027】またプロピレンの重合は、1段階で行って
も、あるいは多段階を経て行ってもよく、それによって
分子量分布やモノマー組成を変化させた重合体を得るこ
とができる。前記した広い分子量分布を有するポリプロ
ピレンを製造するには、例えば1段目で高分子量体を製
造し、2段目で比較的に低分子量体を製造する手法をと
ることもできる。
【0028】このようにして製造されたポリプロピレン
樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応
じてエチレン・α−オレフィン共重合体や共役ジエンゴ
ム等のゴム状重合体を適宜配合することができるし、ま
た各種添加剤を加えることもできる。添加剤としては、
核剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、光安定
剤、塩酸吸収剤、帯電防止剤、顔料等々を挙げることが
できる。
【0029】容器の製造方法 この様な発泡樹脂製容器は、発泡剤を含むポリプロピレ
ン樹脂の発泡射出成形によって製造される。この射出成
形に使用される金型は、固定金型と移動金型(コア部)
とから構成されており、両者間には射出樹脂量体積にほ
ぼ相当する容器形状のキャビティーが形成されている。
射出成形に際して、そのキャビティー中へ樹脂充填操作
が終わると、これまで固定されていた移動金型(コア
部)が後退し、それに伴って金型キャビティーの容積が
増加し、樹脂の発泡成形が進行する。この成形方法は、
いわゆるコアバック方式と呼ばれるものである。
【0030】ポリプロピレン樹脂には予め発泡剤を配合
するか、あるいはシリンダーの途中から発泡剤を注入
し、このように発泡剤を含むポリプロピレン樹脂は、射
出前に樹脂温度を170〜270、好ましくは180〜
260(℃)に調整され、射出圧力10〜200、好ま
しくは50〜150(MPa)および射出時間5秒以
下、好ましくは1秒以下、さらに好ましくは0.5秒以
下の条件で金型キャビティ中へ射出される。ここでゆっ
くりとした射出条件をとると、樹脂の結晶化が起こって
発泡倍率を高めることが難しくなり、また樹脂中に含ま
れる発泡性ガスが表面へと逃げやすくなって成形品表面
にシルバーマークが発生しやすくなる。従って、樹脂温
度、射出圧力および射出時間が前記の範囲内であると、
高い発泡倍率で、しかも外観の良好な成形品を得ること
ができるので好ましい。
【0031】溶融樹脂の射出が終了すると、その5秒以
内に、好ましくは0.1〜3秒間に移動金型(コア部)
を0.1〜100、好ましくは1.0〜20、さらに好
ましくは1.0〜5.0(mm/sec)の速度で後退
させ、最終製品形状のキャビティへと容積が増大し、発
泡成形が行われると共に、得られた発泡体は冷却され
る。金型は、10〜100、好ましくは40〜80
(℃)に調整されており、充填された樹脂は1秒以上、
好ましくは5〜20秒間冷却され、容器形状に成形され
て取り出される。一般に発泡成形では、発泡体構造のコ
ア層は冷却されにくく、スキン層は早く冷却されること
から、発泡倍率の調整が難しい。しかし、前記の冷却条
件の範囲内であると、発泡倍率を高くすることができ、
かつ成形品に変形歪みを発生させにくい利点がある。
【0032】ここで、溶融樹脂の射出終了から移動金型
(コア部)が後退を開始するまでの時間、すなわちコア
バック開始時間と、移動金型(コア部)の移動速度、す
なわちコアバック速度が、ポリプロピレン樹脂の発泡倍
率に大きく影響を与える。両者の値が前記の範囲内にあ
ると、高い発泡倍率で外観の良好な成形体を得ることが
できる。
【0033】なお、この射出成形で使用する射出成形機
は、単位時間当たりの最大射出容量を示す射出率が、5
〜500、好ましくは10〜300(cm3/sec)
であることが望ましい。成形機の射出率がこの範囲内に
あると、発泡性ガスの飛散を抑制でき、成形品にバリや
フラッシュの発生を防止でき、外観良好な成形体を得る
ことができる。
【0034】発泡成形に際して加えられる発泡剤として
は、溶剤型発泡剤であっても、分解型発泡剤のいずれで
あってもよい。溶剤型発泡剤は、射出成形機のシリンダ
ー部分から注入して溶融ポリプロピレン樹脂に吸収ない
し溶解させ、射出金型中で蒸発して発泡剤として機能す
る物質であって、プロパン、ブタン、ネオペンタン、ヘ
プタン、イソヘキサン、ヘキサン、イソヘプタン、ヘプ
タン等の低沸点脂肪族炭化水素や、フロンガスで代表さ
れる低沸点のフッ素含有炭化水素等が使用される。
【0035】分解型発泡剤は、ポリプロピレン樹脂に予
め配合されて射出成形機へ供給され、射出成形機のシリ
ンダー温度条件下で発泡剤が分解して炭酸ガス、窒素ガ
ス等の気体を発生する化合物であって、無機系の発泡剤
であっても有機系の発泡剤であってもよく、また気体の
発生を促す有機酸等を併用添加してもよい。分解型発泡
剤の具体例として、次の化合物を挙げることができる。
【0036】(a)無機系発泡剤:重炭酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウ
ム、亜硝酸アンモニウム。
【0037】(b)有機系発泡剤:N,N'−ジニトロソテ
レフタルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテト
ラミン等のN−ニトロソ化合物;アゾジカルボンアミ
ド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシル
ニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカル
ボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒ
ドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p、p'−オ
キシビス(ベンゼンスルフェニルヒドラジド)、ジフェ
ニルスルフォン−3,3'−ジスルフォニルヒドラジド等の
スルフォニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,
4'−ジフェニルジスルフォニルアジド、p−トルエンス
ルフォニルアジド等のアジド化合物。
【0038】これらの発泡剤は、単独で使用してもよ
く、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。発
泡剤の添加量は、前記した容器の物性に合うよう、発泡
剤からの発生ガス量、望ましい発泡倍率等を考慮して決
められるが、一般にポリプロピレン100重量部に対し
て0.1〜6重量部の範囲が好ましい。この範囲内にあ
ると、気泡径の揃った発泡体容器が得られる。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例を通して説明するが、本
発明はそれ等実施例に限定されるものではない。 (実施例1)使用したポリプロピレンの物性は、次の通
りである。 メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重下で
測定):70(g/10分) 密度 :0.90(g/cm3) 重量平均分子量(Mw) :13.7×104 数平均分子量(Mn) : 3.2×104 Z平均分子量(Mz) :48.6×104 アイソタクチックペンタッド分率:98.5%
【0040】次に、このポリプロピレン100重量に対
して発泡剤としての重炭酸ソーダを2.3部配合し、射
出率80(cm3/sec)の射出成形機に供給した。
樹脂温度を250℃、射出圧力を100(MPa)およ
び射出時間0.45秒の条件で、溶融樹脂をカップ形の
金型キャビティー中へ射出した。次いで、射出終了0.
3秒後に、移動金型(コア部)を1.4(mm/se
c)の速度で後退させ、その状態で金型温度75℃の中
で15秒間冷却した。
【0041】成形されたカップの形状は次の通りであっ
た。 カップの直径 :133mm カップの深さ : 75mm カップの器壁 : 1.7mm このカップの器壁を顕微鏡観察したところ、両スキン層
の厚さ合計は300μm、コア層の厚さは1400μm
であった。
【0042】また器壁の物性は次の通りであった。 密度 :0.56(g/cm3) 曲げ弾性率 :1200(MPa) 熱伝導率 :0.102(W/m・K)
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、剛性と断熱性とを備
え、飲食物の包装に適したポリプロピレン製発泡容器が
得られた。また、コアバック方式の射出成形機を用い、
前記した射出成形条件の下で成形したので、気泡径の揃
った均一発泡体の深絞り容器を、外観良く容易に製造す
ることができた。この製造方法は、特に深絞り容器の製
造に適している。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 22:00 (72)発明者 渡辺 順一 千葉県市原市千種海岸3番地 株式会社グ ランドポリマー内 Fターム(参考) 3E033 BA16 BB04 BB05 BB08 FA02 FA04 4F202 AA11A AB02 AG20 AH52 AH55 AM32 AR02 AR06 AR07 AR11 CA11 CA23 CB01 CK52 CN05 4F206 AA11A AB02 AG20 AH52 AH55 AM32 AR02 AR06 AR07 AR11 JA04 JF01 JL02 JM13 JN11 JN25 JN43

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリプロピレン発泡樹脂製容器であって、 (1)その深さ(d)の直径(D)に対する比(d/
    D)が0.05〜10、 (2)器壁の厚さが0.05〜10(mm)、 (3)器壁の密度が0.1〜1.2(g/cm3)、 (4)器壁両スキン層(s)のコア層(c)に対する厚
    さ比(s/c)が0.05〜2.0、 (5)器壁の曲げ弾性率が500〜3,000(MP
    a)、 (6)器壁の熱伝導度が0.03〜0.19(W/m・
    K)であることを特徴とする容器。
  2. 【請求項2】前記のポリプロピレン樹脂は、GPC法で
    測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
    n)との比(Mw/Mn)が3以上であって、かつZ平
    均分子量(Mz)とMwとの比(Mz/Mw)が3以上
    であることを特徴とする請求項1記載の容器。
  3. 【請求項3】発泡剤を含むポリプロピレン樹脂を樹脂温
    度170〜270(℃)、射出圧力10〜200(MP
    a)および射出時間5秒以下の条件で金型キャビティ中
    へ射出し、射出終了後5秒以内に金型コア部を0.1〜
    100(mm/sec)の速度で後退させつつ、射出さ
    れた樹脂を10〜100(℃)の金型中で1秒以上冷却
    することを特徴とする容器の製造方法。
JP18891399A 1999-07-02 1999-07-02 容器およびその製造方法 Pending JP2001018943A (ja)

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