JP3058183U - 成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シート - Google Patents

成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シート

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JP3058183U
JP3058183U JP1998008142U JP814298U JP3058183U JP 3058183 U JP3058183 U JP 3058183U JP 1998008142 U JP1998008142 U JP 1998008142U JP 814298 U JP814298 U JP 814298U JP 3058183 U JP3058183 U JP 3058183U
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和彦 森田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シート
の成形性や、発泡シート自体の外観、更には得られる成
形品の外観、物性等が、従来品に比べてより優れたもの
となるようにする。 【解決手段】密度0.09〜0.4g/cm3 、厚さ
0.5〜8mm、独立気泡率70%以上の成形用無架橋
ポリプロピレン系樹脂発泡シートにおいて、該シートの
気泡形状が下記(1)〜(3)式を満足するようにす
る。 0.2<A/B<0.5 ・・・(1) 0.2<A/C<0.3 ・・・(2) 0.06< A ≦0.2 ・・・(3) 〔但し、式中A、B、Cのそれぞれは、発泡シートの厚
み方向、押出方向(MD方向)、幅方向(TD方向)に
おける平均気泡径であり、その単位はmmである。〕

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】
従来より、特定のポリプロピレン系樹脂を用いた高密度から低密度の発泡体が 得られている。そのなかでも密度0.09g/cm3 以上の発泡シートは、主に 成形用発泡シートとして使用されており、このような成形用の発泡シートには印 刷適性や、得られる成形品の外観の美しさが要求される。
【0003】 しかしながら、これまで知られているポリプロピレン系樹脂発泡シートは、成 形用発泡シートの大部分を占めるポリスチレン系樹脂等からなる発泡シートと比 較して気泡がやや粗く外観に難があるという欠点があった。しかも、ポリプロピ レン系樹脂はポリスチレン系樹脂等と比べて発泡時の溶融粘性が低いため、外観 良化のために気泡を細かくしていくと高い独立気泡率を維持することができず、 また、シートの気泡形状によりシートの剛性が不十分となってしまうという問題 を有していた。
【0004】 また本出願人は、特定の気泡構造を有するポリプロピレン系樹脂発泡シートを 開発し、先に出願した(特開平10−130412号公報)。しかし、これらの 発泡シートも、従来より知られているポリプロピレン系樹脂発泡シートに比べて 外観、剛性において優れてはいるものの、更なる改善の余地が残されていた。
【0005】 そこで本発考案等は、外観改善のために気泡の更なる微細化を試みると共に、 特定の気泡構造とすることにより物性の低下を抑制し得ること、更に成形性の向 上した発泡シートが得られることを見出し、本考案を完成するに至った。
【0006】
〔但し、式中A、B、Cのそれぞれは、発泡シートの厚み方向、押出方向(MD 方向)、幅方向(TD方向)における平均気泡径であり、その単位はmmである 。〕
【0007】 本考案において、気泡形状は下記(4)〜(6)式を満足することが好ましい 。 0.2<A/B<0.3 ・・・(4) 0.2<A/C<0.25 ・・・(5) 0.07< A ≦0.15 ・・・(6)
【0008】 また、密度0.15〜0.35g/cm3 、厚さ1.5〜3mm、独立気泡率 が75%以上であるものが好ましい。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下、本考案を図面に基づき詳細に説明する。
【0010】 図1(a)は無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シートの押出方向(以下、MD 方向という)に沿う厚み方向断面、図1(b)は無架橋ポリプロピレン系樹脂発 泡シートの幅方向(以下、TD方向という)に沿う厚み方向断面を、それぞれ表 す、顕微鏡拡大写真に基づく模式図であり、本明細書における発泡シートの気泡 形状について説明するための図である。
【0011】 上記図1中、1は発泡シート、2は気泡を表す。また、a(a1 、a2 、a3 、・・・、an )は各々気泡2の発泡シート1の厚み方向の径、b(b1 、b2 、b3 、・・・、bn )は各々気泡2の発泡シート1のMD方向の径、c(c1 、c2 、c3 、・・・、cn )は各々気泡2の発泡シート1のTD方向の径をそ れぞれ表す。
【0012】 本明細書において、MD方向とは、発泡シート1を押出機を用いて得る場合の 樹脂の押し出される方向を言い、TD方向とは、押出方向に対して幅なりの方向 をいう。また、発泡シート1の厚み方向、MD方向、TD方向は、それぞれ互い に直交する。
【0013】 本考案発泡シート1は、aの平均である〔(a1 +a2 +a3 +・・・+an )/n〕をAと置き換え、bの平均である〔(b1 +b2 +b3 +・・・+bn )/n〕をBと置き換え、cの平均である〔(c1 +c2 +c3 +・・・+cn )/n〕をCと置き換えて表したときに(但し、平均気泡径A、B、Cは任意の 50以上(n≧50)の気泡についての平均値であり、A、B、Cの単位はmm とする)、A、B、Cが下記(1)〜(3)式を満足する気泡形状を有する。 0.2<A/B<0.5 ・・・(1) 0.2<A/C<0.3 ・・・(2) 0.06< A ≦0.2 ・・・(3)
【0014】 このときA/B、A/Cの少なくともいずれか一方が0.2以下であると、発 泡シート1の熱成形性、特に深絞り成形性が悪くなり、又シートの剛性が不十分 となってしまう。一方、A/Bが0.5以上及び/又はA/Cが0.3以上の場 合は、気泡径を小さく調整することが難しく外観が特に優れたものとはならない 。また、Aが0.06以下となる場合は発泡シート1の独立気泡率の維持が困難 となり、成形性、機械的物性が悪化する。また発泡シートの平滑成においても不 十分なものとなる。Aが0.2を超える場合は、外観良化の効果が期待できない 。本考案において、A/B、A/Cのそれぞれの好ましい範囲は、0.2<A/ B<0.3、0.2<A/C<0.25である。また、Aの好ましい範囲は0. 07<A<0.15である。
【0015】 本考案においては、気泡2の各々においては、必ずしも上記条件式を満足する 必要はない。即ち例えば、必ずしも0.2<a1 /b1 <0.5、0.2<a1 /c1 <0.3、0.07<a1 ≦0.2である必要はない。また、本考案にお いては、各気泡2ごとの、〔(発泡シート1の厚み方向の径)/(発泡シート1 のMD方向の径)〕の値の、全気泡の平均値が、0.2よりも大きく0.5より も小さいというものでもなく、また各気泡2ごとの、〔(発泡シート1の厚み方 向の径)/(発泡シート1のTD方向の径)〕の値の、全気泡の平均値が、0. 2よりも大きく0.3よりも小さいというものでもない。即ち、0.2<〔(a 1 /b1 )+(a2 /b2 )+(a3 /b3 )+・・・+(an /bn )〕/n <0.5ではなく、また、0.2<〔(a1 /c1 )+(a2 /c2 )+(a3 /c3 )+・・・+(an /cn )〕/n<0.3ではない。
【0016】 尚、各気泡のa1 ,a2 ,a3 ・・・・・an 、b1 ,b2 ,b3 ・・・・・ bn 、c1 ,c2 ,c3 ・・・・・cn (nは50以上)の値は、図2に示すよ うな、厚み方向、MD方向、又はTD方向の、各気泡に対する接線の最大接線間 隔を採用するものとする。また、各気泡2の厚み方向、MD方向、TD方向のそ れぞれの径は、例えば、発泡シート1のMD方向に沿う厚み方向断面、及び発泡 シート1のTD方向に沿う厚み方向断面のそれぞれの顕微鏡拡大写真を得、得ら れた写真をもとに求めることができる。
【0017】 本考案の成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シート1は、密度0.09〜 0.4g/cm3 、厚さ0.5〜8mm、独立気泡率70%以上である。本考案 において、発泡シート1の密度が0.09g/cm3 未満であると、保形性に乏 しく曲がり易いため充分な剛性が得られない。また密度が0.4g/cm3 を超 えると剛性が強すぎて緩衝性に劣るものとなると共に、断熱性に劣るものとなっ てしまう。
【0018】 特に本考案において、発泡シート1の密度は、0.15〜0.35g/cm3 であるのが好ましい。この範囲であれば、剛性と緩衝性とのバランスがとれ、特 定の気泡構造と相俟って発泡シートとしての使用に好適な充分な剛性と、適度な 緩衝性及び成形性等の良好な二次加工性を併せ持った発泡シートとすることがで きる。
【0019】 また、本考案において、発泡シート1の厚さが0.5mmに満たないと、断熱 性の点で好ましくなく、8mmを超えると成形性の点で好ましくない。また、独 立気泡率が70%に満たないと、十分なシート剛性得られなくなってしまう。本 考案において、発泡シート1の好ましい厚みは1.5〜3mmであり、独立気泡 率は75%以上であることが好ましく、特に独立気泡率は80%以上であること が好ましい。
【0020】 本考案の発泡シート1は、特定の密度、厚み、独立気泡率を有し、且つ気泡形 状が前述した条件を満足する気泡形状となっているので、外観に優れたものであ るのみならず、高い剛性と優れた緩衝性を同時に備えたものであると共に、成形 性、圧縮強度、曲げ強度に優れたものである。
【0021】 本考案発泡シート1の基材樹脂には、無架橋ポリプロピレン系樹脂が用いられ る。該ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンホモポリマー又はプロピレン と他のオレフィンとの共重合体が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他のオ レフィンとしては、エチレンや、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3 −メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘ プテン、3−メチル−1−ヘキセン等の炭素数4〜10のα−オレフィンが挙げ られる。上記共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であっ ても良く、更に二元系のみならず、三元系共重合体であっても良い。また、これ らのポリプロピレン系樹脂は、単独で用いるのみならず、2種以上を混合して用 いることもできる。
【0022】 プロピレンと他のオレフィンとの共重合体を基材樹脂として用いる場合、共重 合体中にオレフィンが25重量%以下、特に15重量%以下の割合で含有されて いるのが好ましい。共重合体中のオレフィン含有量の好ましい下限値は、1重量 %である。
【0023】 尚、本考案でいう無架橋とは、過酸化物、放射線による微架橋も含むものであ り、ゲル分率で10重量%未満(0重量%を含む)のもの、好ましくは5重量% 未満、特に好ましくは実質的に0重量%のものが挙げられる。また、ゲル分率は 、沸騰キシレン中で15時間抽出操作を行ない、樹脂抽出残量の樹脂抽出前重量 に対する100分率として求められる。このゲル分率は0に近い程、環状ダイス からの押出発泡時、得られる発泡シートに樹脂の塊の発生も少なくなり外観良化 につながる。
【0024】 また、ポリプロピレン系樹脂には、特開平7−53797号公報に記載されて いるような、a)1未満の枝分かれ指数と著しい歪み硬化伸び粘度とを有するか 、又はb)z平均分子量が1.0×106 以上であるか、z平均分子量(Mz) と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が3.0以上であり且つ平衡コ ンプライアンスJ0 が1.0×10-4cm2 /dyn以上である、上記a)又は b)の通常は固体である高分子量のゲルのないプロピレンポリマー材料の中から 押出発泡に適する流動性(メルトフローインデックスが1〜5g/10分程度の もの)を示すものを用いることもできる。
【0025】 本考案においては上記のプロピレン系樹脂を単独で用いるのみならず、必要に 応じて他の樹脂を混合して用いることもできる。混合して用いる樹脂としては、 例えば上記以外のプロピレン系樹脂、或いは高密度ポリエチレン、低密度ポリエ チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン− ブテン共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂、ブテ ン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系 樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。
【0026】 このように他の樹脂を混合する場合、混合する樹脂の量は、混合後のポリマー の総重量の40重量%を限度とする。
【0027】 本考案の発泡シート1は、例えば、上記したようなポリプロピレン系樹脂と発 泡剤とを押出機内で溶融混練した後、図3に示すように、この溶融混練物を押出 機先端に取り付けた、環状のリップを有する環状ダイスを用い、このダイスのリ ップより押出発泡して円筒状の発泡体を得、次いでこの円筒状発泡体を切り開い てシート状とする等して製造される。
【0028】 円筒状発泡体を得る工程を図3に基づいて更に詳細に説明すれば、押出機3の 先端に環状のリップ4を有する環状ダイス5を取り付け、このダイスのリップ4 より押出発泡して、同図に示すような円筒状の発泡体6を得、次いで引続きこの 円筒状発泡体6を、該円筒状発泡体6の内側に配置したマンドレル7により発泡 体6の内側から冷却すると共に、発泡体6の外面に冷却空気を吹き付ける等の手 段により冷却し、その後、円筒状発泡体6を回転刃8でシート状に切り開いて発 泡シートとする。尚、図中9はマンドレル支持体である。
【0029】 上記において、マンドレル7の径は、得ようとする発泡シート1の幅に応じて 選択できる。マンドレル7の長さは、円筒状発泡体6の冷却に充分な長さであれ ば任意である。押出速度(ラインスピード)は吐出量、発泡シート1の目的厚み 等によって異なるが、概ね3〜15m/分が好ましい。円筒状発泡体6の冷却温 度は、上記押出速度等によって異なるが、概ね5〜80℃が好ましい。冷却手段 は上記した方法に限られず任意である。
【0030】 本考案の発泡シート1を得るにあたり、その気泡形状を本考案で規定する特定 のものとするには、例えば、気泡調整剤としてクエン酸モノナトリウム塩と重炭 酸ナトリウムとの混合物を使用し、押出発泡の際のブローアップ比b/a(押出 機先端の環状ダイスの径:a、マンドレルの径:b)を2.5以上とし、円筒状 に押出した発泡体の内側のエアーによる冷却を強く行う方法を採用する。また気 泡径を小さく調整することにより、発泡シートの平滑性が悪くなり易いため、更 に特定の構造のダイスを使用するのが好ましい。
【0031】 この特定の構造のダイスとは、例えば、樹脂が環状ダイスのシャフトを支持す る二次ブレーカーを通過するときに樹脂の流れを遮らず、ピストンフローに近い 状態を保つことができるような形状の二次ブレーカを用いてダイスを構成すると ともに、ダイス内部がリップ先端で急圧縮となり、ダイス内部の圧力が80kg /cm2 未満となるような構造としたものである。
【0032】 以上のような特定条件の下で円筒状発泡体6を製造することによって、特定形 状の気泡を有する本考案の発泡シートが得られる。
【0033】 上記の如くして本考案の発泡シート1を得るにあたり、発泡剤としては、無機 発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤等を用いることができる。無機発泡剤とし ては、二酸化炭素、空気、窒素等が挙げられる。
【0034】 揮発性発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi −ブタンとの混合物、ペンタン、ヘキサン等の鎖状脂肪族炭化水素、シクロブタ ン、シクロペンタン等の環状脂肪族炭化水素、トリクロロフルオロメタン、ジク ロロフルオロメタン、1,1−ジクロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタ ン、1,1−ジフルオロ−1−クロロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロ エタン、1,1−ジフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メ チレンクロライド等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
【0035】 更に、分解型発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチ レンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム等が挙げられ る。これらの発泡剤は適宜混合して用いることができる。
【0036】 発泡剤の使用量は、発泡剤の種類、所望する発泡倍率等によっても異なるが、 最終的に密度0.09〜0.4g/cm3 の発泡シートを得るための発泡剤の使 用量の目安は、樹脂1kg当たり揮発性発泡剤で0.05〜0.5モル程度、無 機発泡剤で0.03〜0.45モル程度、分解型発泡剤で0.03〜0.45モ ル程度である。
【0037】 本考案発泡シート1を得るに当たって、必要に応じて樹脂と発泡剤との溶融混 練物中に気泡調整剤を添加することができる。気泡調整剤としてはタルク、シリ カ等の無機粉末や多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と炭酸ナトリウム或 いは重炭酸ナトリウムとの反応混合物が挙げられる。気泡調整剤は樹脂100重 量部当たり0.2重量部程度以下添加することが好ましい(但し、後述する、無 機充填剤を樹脂に多量に含有させる場合は除く)。また、必要に応じて、更に熱 安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を添加することもできる 。
【0038】 また、予め樹脂中に、総重量の40重量%を限度として無機充填剤を含有させ ても良い。無機充填剤としては、例えばタルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレ ー、ゼオライト、アルミナ、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる 。これらの平均粒径は1〜70μmであることが好ましい。このような無機充填 剤を多く含有させた場合、得られる発泡シートは耐熱性が向上すると共に焼却処 理の際の燃焼カロリーを低下させることが可能となる。
【0039】 本考案では、印刷適性や、更なる曲げ強度等の剛性向上のために、発泡シート 1の少なくとも片面に樹脂シートを積層することもできる。このような樹脂シー トを積層することにより、発泡シートの剛性等の物性をより高めることができ、 成形品のリップ強度を強くして、保形性、生産性の向上を図ることができると共 に、樹脂フィルムが機能性フィルムの場合、帯電防止性、導電性、耐候性等の物 性を発泡シートに付加したり、これらの物性を向上させることができる。尚、印 刷適性、物性向上を主目的とする場合は、無機フィラーを含有させたポリプロピ レン系樹脂シートを発泡シートに積層することが好ましい。
【0040】 樹脂シートの基材樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂 、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネ ート系樹脂等を用いることができる。特にリサイクル性、接着性、耐熱性、耐油 性、剛性等の点からポリプロピレン系樹脂が好ましく、発泡シート1を構成する 樹脂と同種であるのがより好ましい。即ち、発泡シート1の基材樹脂がプロピレ ン−エチレンブロック共重合体ならば、樹脂シートの基材樹脂もプロピレン−エ チレンブロック共重合体であるのが好ましい。
【0041】 樹脂シートを発泡シート1に積層するにあたり、積層方法としては、エクスト ルージョンラミネート法、サーマルラミネート法、ホットメルト等の接着剤によ るラミネート法や共押出法等の方法を採用することができる。
【0042】 本考案発泡シート1は、真空成形、圧空成形やこれらの応用としてフリードロ ーイング成形、プラグ・アンド・リッジ成形、リッジ成形、マッチド・モールド 成形、ストレート成形、ドレープ成形、リバースドロー成形、エアスリップ成形 、プラグアシスト成形、プラグアシストリバースドロー成形等やこれらを組み合 わせた方法等を用いて所望の成形品形状に成形することができる。
【0043】
【実施例】
次に、具体的な実施例を挙げて本考案を更に詳細に説明する。
【0044】 実施例1〜3 基材樹脂、発泡剤及び気泡調整剤を押出機内で溶融混練した後、押出機の先端 に取り付ける2次ブレーカー及び環状ダイスの形状を適宜選択してダイス部内の 圧力を80kg/cm3 以下とし、上記溶融混練物を環状リップよりマンドレル 上に表1に示すブローアップ比で押出発泡して円筒状の発泡体を得た。その際、 筒状発泡体の内部に0.65m3 (23℃、1atm:空気)/分の条件で、筒 状発泡体の外部に0.5m3 (23℃、1atm:空気)/分の条件で、それぞ れエアーリングを行って発泡体を冷却しつつ、この円筒状発泡体をそのままマン ドレル上を通過させ、これをシート状に切り開いて発泡シートを得た。このとき 、ダイス部にはオイル温調機を設けて上記溶融混練物の温度を160〜170℃ の範囲内の特定温度に正確にコントロールした。実施例3においては発泡シート 製造時の引取りスピードを多少遅くした。尚、詳細は以下の通りである。
【0045】 〔基材樹脂〕 ・プロピレン樹脂(モンテル社製:SD632) 〔発泡剤〕 ・ブタン 〔気泡調整剤〕 ・クエン酸モノナトリウム塩と重炭酸ナトリウムの混合物 〔押出機〕 ・タンデム押出機 〔配合及び温度条件〕 基材樹脂100重量部に対する、ブタン及び気泡調整剤の配合量を表1に示し た。また、押出発泡における押出温度条件も表1に併せて示した。
【0046】 比較例1、2 気泡調整剤としてクエン酸モノナトリウム塩を使用し、円筒状発泡体の内部エ アーリングの量を0.25m3 /分(23℃、1atmの空気)とし、表1に示 す基材樹脂100重量部に対する配合及び温度等の条件とした以外は、実施例1 と同様にして押出発泡を行なった。
【0047】
【表1】
【0048】 実施例1〜3、比較例1、2で得られた発泡シートについて、厚み、密度、気 泡形状、独立気泡率のそれぞれを測定するとともに、成形性と発泡シートの外観 について評価した。結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】 気泡形状は、MD方向とTD方向のそれぞれの垂直切断断面を顕微鏡にて観察 するとともに、上記TD方向垂直断面の厚み方向の平均気泡径A、MD方向の平 均気泡径B、TD方向の平均気泡径Cを測定し、B、Cの各々に対するAの比( A/B、A/C)を求めた。各断面を観察したところ、実施例1〜3の発泡シー トの気泡はその形状において本考案の要件を満足していた。比較例1、2の発泡 シートは本考案の要件を満たしていなかった。
【0051】 この測定を行なう際に、顕微鏡拡大写真に写るその厚みTの5倍の幅(T×5 )にある全ての気泡(図4中斜線で示す部分に存在する全ての気泡。但し、図4 は発泡シートの垂直断面を示すが、気泡の図示は省略してある)を測定対象とし た。
【0052】 発泡シートの独立気泡率は、空気比較式比重計により、ASTM D2856 手順AによりVxを求め、下記(8)式により算出した。 独立気泡率(%)=〔Vx−Va(ρf/ρs)〕/〔Va−Va(ρf/ρ s)〕×100 ・・・・ (8) 〔但し、Vx:発泡シートサンプルの実容積=発泡シートサンプルを構成する樹 脂の容積と発泡シートサンプル内の独立気泡部分の気泡全容積との和(cm3 ) 、Va:発泡シートサンプルのみかけの容積(cm3 )、ρf:発泡シートサン プルのみかけ密度(g/cm3 )、ρs:樹脂の密度(g/cm3 )である。〕
【0053】 成形性の評価 シート両端をクランプし、発泡シートを該シートの基材の熱変形温度以上の雰 囲気温度に加熱した加熱炉にて加熱軟化させ、その後、多数個取り金型にて容器 を成形する際の加熱炉内での発泡シートの挙動及び成形品について以下の評価を 行った。 ◎:加熱炉内での発泡シートのドローダウンがなく、全ての成形品の厚みが均 一である。 ○:加熱炉内での発泡シートのドローダウンが多少見られるが、全ての成形品 の厚みが均一である。 △:加熱炉内での発泡シートのドローダウンが大きく、一部の成形品に厚みむ らが発生することがある。
【0054】 外観の評価 成形品の外観を目視により、以下の評価を行った。 ○:成形品の表面光沢(白色度)が均一である。 ×:成形品表面の部分部分において、気泡が目立ち、白色度が低下する。
【0055】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案の成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シート は、密度0.09〜0.4g/cm3 、厚さ0.5〜8mm、独立気泡率70% 以上であるとともに、発泡シートの厚み方向、押出方向(MD方向)、幅方向( TD方向)における平均気泡径を、それぞれA、B、Cとしたときに、気泡形状 が下記(1)〜(3)式を満足し、従来と比較して特に外観に優れたものである のみならず、高い剛性と優れた緩衝性を同時に備えたものであると共に、圧縮強 度、曲げ強度に優れたものであるため、密度を低くしても実用的な強度が損なわ れず、成形用発泡シートとして要求される剛性を十分に備えている。その上、成 形性も良好である。 0.2<A/B<0.5 ・・・(1) 0.2<A/C<0.3 ・・・(2) 0.06< A ≦0.2 ・・・(3)
【0056】 更に本発明の発泡シートは、印刷適性、樹脂フィルムとの接着適性にも優れ、 レトルト食品用容器成形用シートとして特に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリプロピレン系樹脂発泡シートの垂直断面を
示す模式図である。
【図2】本考案における気泡径の意味を説明するための
図である。
【図3】本考案のポリプロピレン系樹脂発泡シートの製
造工程の一部を示す概念図である。
【図4】実施例、比較例において測定対象とした気泡部
分を示す説明図である。
【符号の説明】
1 無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シート 2 気泡

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.09〜0.4g/cm3 、厚さ
    0.5〜8mm、独立気泡率70%以上の成形用無架橋
    ポリプロピレン系樹脂発泡シートであり、気泡形状が下
    記(1)〜(3)式を満足することを特徴とする成形用
    無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡シート。 0.2<A/B<0.5 ・・・(1) 0.2<A/C<0.3 ・・・(2) 0.06< A ≦0.2 ・・・(3) 〔但し、式中A、B、Cのそれぞれは、発泡シートの厚
    み方向、押出方向(MD方向)、幅方向(TD方向)に
    おける平均気泡径であり、その単位はmmである。〕
  2. 【請求項2】 気泡形状が下記(4)〜(6)式を満足
    するものである請求項1記載の成形用無架橋ポリプロピ
    レン系樹脂発泡シート。 0.2<A/B<0.3 ・・・(4) 0.2<A/C<0.25 ・・・(5) 0.07< A ≦0.15 ・・・(6)
  3. 【請求項3】 密度0.15〜0.35g/cm3 、厚
    さ1.5〜3mm、独立気泡率が75%以上である請求
    項1又は2記載の成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発
    泡シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015177860A (ja) * 2014-03-19 2015-10-08 美津濃株式会社 ゴルフバッグ

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