JPH1060129A - オレフィン系樹脂フィルム - Google Patents

オレフィン系樹脂フィルム

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JPH1060129A
JPH1060129A JP30089096A JP30089096A JPH1060129A JP H1060129 A JPH1060129 A JP H1060129A JP 30089096 A JP30089096 A JP 30089096A JP 30089096 A JP30089096 A JP 30089096A JP H1060129 A JPH1060129 A JP H1060129A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性が悪いと言う理由で今日まで敬遠され
て来たオレフィン系樹脂を主体とする、家具、家電、建
材等の表面化粧材として好適な化粧用フィルムを提供す
る。 【解決手段】 オレフィン系樹脂からなる厚さ0.03
〜0.2mmのフィルムであって、着色剤として、少な
くとも、オレフィン系樹脂100重量部当たり、酸化チ
タン0.5〜30重量部および酸化鉄0.1〜10重量
部を含み、かつ下式で表される隠蔽度が0.5〜3であ
る。 【数1】隠蔽度=log1/T (但し、T(透過率)=I/Io Ioは入射光、Iは
透過光) 上記の酸化鉄はFeOOHおよび/またはFe
好ましい。また、表面側に、紫外線吸収剤およびヒンダ
ートアミン系化合物を含み、かつ555nmの全光線透
過率が70%以上で、厚さ0.03〜0.2mmの実質
的に透明なオレフィン系樹脂フィルムを積層することが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家具、家電、建材
等の表面化粧材として使用されるオレフィン系樹脂製の
化粧用フィルムに関する。
【0002】
【技術背景】従来、上記のようないわゆる化粧用フィル
ムとして、主として塩化ビニル系樹脂(以下、PVCと
記す)フィルムが使用されている。しかし、PVCフィ
ルムは、焼却あるいは燃焼の際に、HClガスを発生す
る懸念があり、環境保護の観点から、脱PVCへの動き
がある。
【0003】この問題を解決するために、PVCに代わ
る素材としてオレフィン系樹脂が注目されている。だだ
し、オレフィン系樹脂は、周知の通り、PVCに比して
一般に加工性に劣ることから、優れた意匠性を有する上
記化粧用フィルムを低コストで製造することが困難であ
り、昨今の装飾性の高い製品が要求される市場性に適合
しないものとして、今日まで敬遠されて来ていた。
【0004】一方、フィルムを着色するための顔料とし
て、フィルム(すなわち、フィルムの構成樹脂)の熱劣
化を促進する懸念がなく、かつ変色劣化の進行の少ない
顔料として、鉛、6価クロム、カドミウム等を含む重金
属系の化合物が使用されている。しかし、鉛、6価クロ
ム、カドミウム等を含む重金属系の化合物についても、
種々の環境上の問題が懸念されている。
【0005】
【発明の目的】本発明は、以上のような実情下におい
て、PVCフィルムが有している上記のような問題、お
よびフィルムを着色するための顔料に由来する環境上の
問題を解決することのできる安価な化粧用フィルムを提
供することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】上記目的を達成するために、本発明者
は、(a)今日まで敬遠されて来たオレフィン系樹脂を
敢えて使用したところ、意外にも、優れた意匠性を有す
る化粧用フィルムを、困難性を伴うことなく、したがっ
て低コストで生産することができること、(b)しかも
PVCを構成樹脂とする化粧用フィルムでは、これまで
構成樹脂の熱劣化を促進し、かつ変色劣化を促進する顔
料として使用不適とされて来た酸化鉄系の顔料を、これ
ら両方の劣化の問題なく使用できることの知見を得て、
本発明を提案するに至った。
【0007】すなわち、本発明のフィルムは、オレフィ
ン系樹脂からなり、厚さ0.03〜0.2mmであっ
て、着色剤として、少なくとも、オレフィン系樹脂10
0重量部当たり、酸化チタン0.5〜30重量部および
酸化鉄0.1〜10重量部を含み、かつ下式で表される
隠蔽度が0.5〜3であることを特徴とする。
【0008】
【数2】隠蔽度=log1/T (但し、T(透過率)=I/Io Ioは入射光、Iは
透過光)
【0009】本発明におけるオレフィン系樹脂として
は、ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂;エチレン−メチルアクリレート共重合
樹脂等のエチレン−アクリル系共重合樹脂;エチレン−
プロピレン共重合樹脂等が使用できる。中でも、化粧用
フィルムとして好適な硬さを有するアイソタクチックの
ホモ、ランダムあるいはブロックポリプロピレンが適し
ている。
【0010】但し、上記のアイソタクチックポリプロピ
レンをオレフィン系樹脂として使用する場合には、エン
ボス紋が付与できる軟化温度範囲が狭く、得られるフィ
ルムの後エンボス適性が悪い。そこで、後エンボス適性
を改良するために、ポリエチレン、特に低密度ポリエチ
レンをブレンドするのが望ましい。ポリエチレンのブレ
ンドの割合は、少なすぎればブレンド効果が発現せず、
多すぎると相対的にアイソタクチックポリプロピレンの
量が少なくなりすぎて化粧用フィルムとして好適な硬さ
を得ることができなくなるため、アイソタクチックポリ
プロピレン100重量部に対し、ポリエチレン(好まし
くは低密度ポリエチレン)10〜300重量部、好まし
くは30〜200重量部が適している。
【0011】上記のフィルムは、Tダイ押出法、カレン
ダー法、インフレーション法等の手段で製造でき、製造
法は特に限定されないが、上記のフィルムをカレンダー
加工法により製造する場合には、このカレンダー加工性
を改良するために、上記のアイソタクチックポリプロピ
レンにシンジオタクチックポリプロピレンをブレンドす
ることが好ましい。シンジオタクチックポリプロピレン
のブレンドの割合は、少なすぎればブレンド効果が発現
せず、多すぎると相対的にアイソタクチックポリプロピ
レンの量が少なくなりすぎて、化粧用フィルムとして好
適な硬さを得ることがきなくなるため、アイソタクチッ
クポリプロピレン100重量部に対し、シンジオタクチ
ックポリプロピレン5〜200重量部が適している。
【0012】さらに、上記のフィルムにおいては、耐衝
撃性を向上するために、上記のアイソタクチックポリプ
ロピレンあるいはこれとポリエチレンやシンジオタクチ
ックポリプロピレンとのブレンド物に、エチレン−プロ
ピレンゴム、水添加SBR、ポリブテン等のゴム成分を
配合することが望ましい。ゴム成分の配合割合は、所望
の耐衝撃強度により異なり、一概には決められないが、
本発明のフィルムでは、上記のオレフィン系樹脂100
重量部に対し、10〜200重量部の範囲から所望の耐
衝撃強度に応じて適宜選択すればよい。
【0013】以上のオレフィン系樹脂に配合される着色
剤の1つである酸化チタンは、一般にチタンホワイトと
呼称される通常の白色顔料として使用されているルチル
型、アナターゼ型のものが使用できるが、耐光性や耐候
性の面からはルチル型のものが好ましい。
【0014】上記の酸化チタンと共に配合される着色剤
の他の1つである酸化鉄としては、FeOOH、Fe
、Fe、Fe・HO等が使用できる
が、特にFeOOH(すなわち、「鉄黄」と呼ばれる顔
料)やFe(すなわち、「ベンガラ赤」と呼ばれ
る顔料)が好適に使用できる。これらの酸化鉄は、それ
ぞれ単独で使用してもよいし、2種以上を併用すること
もできる。
【0015】上記の酸化チタン、酸化鉄の配合量は、オ
レフィン系樹脂100重量部に対して、酸化チタンが
0.5〜30重量部、酸化鉄が0.1〜10重量部であ
り、これらが少なすぎればフィルムの隠蔽力が不充分と
なるのみならず、所望の着色が得られず、多すぎるとこ
れらの着色剤を配合したオレフィン系樹脂組成物の加工
性が悪化する。特に、化粧用フィルムのように、硬度が
高く、厚さが薄い場合には、この加工性の悪化が顕著と
なる。すなわち、本発明のフィルムを、カレンダー加工
法で製造する場合には、カレンダーロールで圧延後にフ
ィルム両端部を切除して行くが、酸化チタンや酸化鉄の
配合量が多すぎると、特に硬度が高く厚さが薄いフィル
ムの場合に、この切除作業の途上において切除した部分
の切れ(いわゆる「耳切れ」)が発生し易く、耳切れが
発生すると、切除作業の続行が不可能となり、作業効率
が極端に悪くなる。また、本発明のフィルムを押出加工
法で製造する場合には、酸化チタンや酸化鉄の配合量が
多すぎると、押出ダイのリップ部に組成物の滴がいわゆ
る「目ヤニ」状に付着し易く、該滴が押出直後のフィル
ム上に落下して表面状態を汚損する現象(フィルムの
「目ヤニ」と呼ばれている)がしばしば発生する。
【0016】上記の着色剤は、酸化チタン、酸化鉄のい
ずれにおいても、そのまま顔料としてオレフィン系樹脂
に混合してもよいが、特に着色剤の添加量が少量の場合
には微妙な量の違いによって所望の色が得られないばか
りか、色ぶれが生じ易くなり色相安定性に欠けることか
ら、予めオレフィン系樹脂で希釈しておいたもの(すな
わち、希釈顔料としたもの)を使用することが望まし
い。このときの希釈用オレフィン系樹脂としては、本発
明のフィルムに使用しているオレフィン系樹脂との相溶
性に優れるもの(特に望ましくは同種の樹脂)を使用
し、また該オレフィン系樹脂として上記のようなブレン
ド物を使用する場合には、ブレンドする各オレフィン系
樹脂中の最高融点を有するオレフィン系樹脂の融点以下
の融点を有するオレフィン系樹脂を使用することが、均
一な混合状態を容易かつ確実に得る上で望ましい。
【0017】希釈度は、酸化チタン希釈顔料、酸化鉄希
釈顔料のいずれにおいても、これら各希釈顔料中の各顔
料濃度(すなわち、酸化チタン濃度、酸化鉄濃度)が、
それぞれ1〜70wt%程度の範囲の中から、上記した
各顔料(酸化チタン、酸化鉄)の所望配合量に応じて、
適宜の希釈度のものを選択して使用する。
【0018】なお、本発明のフィルムにおいては、以上
の各成分の外に、必要に応じて、帯電防止剤、酸化防止
剤、光安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、上述した鉛、6価
クロム、カドミウム等を含む重金属系化合物以外の着色
剤等の添加剤を配合してもよい。この重金属系化合物以
外の着色剤としては、カーボンブラック、有機系のポリ
アゾブラウン、キナクリドンマゼンタ、ペリレンレッ
ド、ポリアゾレッド、ピロールレッド、イソインドリノ
ンイエロー、ポリアゾイエロー等の着色剤、無機系のチ
タンイエロー等の着色剤等を使用することができる。
【0019】以上の本発明のフィルムは、化粧用フィル
ムとしての実用上の理由から、厚さが0.03〜0.2
mmで、上記式で表される隠蔽度が0.5〜3であるこ
とが重要である。
【0020】以上のような成分からなり、かつ以上のよ
うな特性を有する本発明のフィルムにおいては、片面あ
るいは両面に模様や文字等の印刷を施してもよい。印刷
用のインクは、オレフィン系樹脂と被着性のあるインク
であればよいが、前述した環境上の観点からハロゲンを
含有しない、ウレタン系インクや熱硬化タイプのインク
が好ましい。これらのインクを用いた印刷法は、スクリ
ーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセ
ット印刷法等の印刷手法が採用できる。勿論、印刷に先
立ち、本発明のフィルムの被印刷面にコロナ放電処理等
を施してもよい。
【0021】また、本発明のフィルムにおいては、エン
ボス加工を施すこともできるし、エンボス加工により彫
設された凹部にいわゆる谷印刷を施すこともできる。エ
ンボス加工は、Tダイ押出機やカレンダー等でフィルム
を作製する際に同時にエンボスする方法や、フィルム作
製後に後工程でエンボスする後エンボス加工法等により
行われる。エンボス加工は、上記の印刷を施した後に施
してもよいし、上記の印刷に先立って施してもよい。な
お、印刷に先立ってエンボス加工を施す場合には、印刷
適性を考慮して、表面粗さ(Ra)が1.5μm以下、
好ましくは0.2〜1.0μmの梨地状となるように施
すのが望ましい。
【0022】上記のように、必要に応じて印刷やエンボ
ス加工が施された本発明のフィルムの表面側には、55
5nmの全光線透過率が70%以上、厚さが0.03〜
0.2mmで、かつヒンダードアミン(光安定剤)と紫
外線吸収剤とを含有する実質的に透明なオレフィン系樹
脂フィルムを積層することもできる。ヒンダードアミン
としては、化1、化2に示すような化合物を使用するこ
とができ、紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、
ベンゾトリアゾール系等の公知の紫外線吸収剤が使用で
きる。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】
【0025】実質的に透明なオレフィン系樹脂フィルム
へのヒンダードアミンの添加量は、オレフィン系樹脂1
00重量部に対し、0.05〜1.0重量部、紫外線吸
収剤の添加量は、オレフィン系樹脂100重量部に対
し、0.05〜2.0重量部が望ましい。この実質的に
透明なオレフィン系樹脂フィルムを積層することによ
り、印刷の保護、深みのある意匠の表現性の向上が図れ
ると共に、耐候性に優れたオレフィン系樹脂製の化粧用
フィルムを得ることができる。
【0026】実質的に透明なオレフィン系樹脂フィルム
は、上述した本発明のフィルムの場合と同様、Tダイ押
出法、カレンダー法、インフレーション法等の手段で製
造できる。また、この実質的に透明なオレフィン系樹脂
フィルムと上述した本発明のフィルムとの積層は、適当
な接着剤を使用する方法や、熱融着による方法等で行わ
れる。このとき、必要に応じて、コロナ放電処理を併用
することもできる。
【0027】実質的に透明なオレフィン系樹脂フィルム
の片面あるいは両面にも、上述した本発明のフィルムと
同様に、必要に応じて印刷やエンボス加工を施すことも
できるし、エンボス加工により彫設された凹部にいわゆ
る谷印刷を施すこともできる。この印刷やエンボス加工
等は、積層前に予め施しておいてもよいし、積層後に施
すこともできる。印刷に先立ってエンボス加工を施す場
合には、上述した本発明のフィルムと同様、表面粗さ
(Ra)が1.5μm以下、好ましくは0.2〜1.0
μmの梨地状となるように施すのが望ましい。
【0028】なお、実質的に透明なオレフィン系樹脂フ
ィルムと上述した本発明のフィルムとの積層が適当な接
着剤を使用してなされる場合にあっては、接着強度を考
慮して、接着面となる側の面に、予め、表面粗さ(R
a)0.2μm以上、好ましくは0.2〜5.0μmの
梨地状となるようにエンボス加工を施しておくことが望
ましい。ただし、接着面となる側の面にエンボス加工の
後に印刷を施す場合には、この限りでなく、上記と同
様、表面粗さ(Ra)1.5μm以下、好ましくは0.
2〜1.0μmの梨地状となるようにエンボス加工を施
しておくことが望ましい。
【0029】さらに、本発明のフィルムにおいては、裏
打材(バッキング材)として、上述した本発明のフィル
ムのオレフィン系樹脂と同種あるいは異種の、透明、半
透明あるいは不透明のオレフィン系樹脂フィルムを積層
してもよい。この裏打材としての透明、半透明あるいは
不透明のオレフィン系樹脂フィルムも、上述した本発明
のフィルムや実質的に透明なオレフィン系樹脂フィルム
と同様に、Tダイ押出法、カレンダー法、インフレーシ
ョン法等の手段で製造でき、この裏打材と本発明のフィ
ルムとの積層も、適当な接着剤を使用する方法や、熱融
着による方法等で行われ、必要に応じて、コロナ放電処
理を併用することもできる。
【0030】
【実施例】
実施例1〜8、比較例1〜2 表1の配合からなるオレフィン系樹脂組成物を用い、9
0mmの単軸押出機にて、シリンダー温度220℃、ダ
イス温度210℃の条件で、エンボスロール絞押し面の
フィルム表面に表面粗さ(Ra)0.7μmの梨地絞が
付与された厚さ0.1mmの本発明および比較のフィル
ムを製造した。
【0031】このときの加工性の良否について観察した
結果と、製品フィルムの隠蔽度とを表1に合わせて示し
た。なお、加工性の良否は、上記の条件で押出した場合
の、いわゆる「目ヤニ」の発生頻度の多少で評価し、
「目ヤニ」が発生しないか、発生したとしても極く僅か
な場合を良好とし、「目ヤニ」が頻繁に発生した場合を
困難とした。
【0032】
【表1の1】
【0033】
【表1の2】
【0034】実施例9〜10、比較例3 表2の配合からなるオレフィン系樹脂組成物を用い、ロ
ール温度185℃のカレンダー装置にて、エンボスロー
ル絞押し面のフィルム表面に表面粗さ(Ra)0.5μ
mの梨地絞が付与された厚さ0.1mmの本発明および
比較のフィルムを製造した。
【0035】このときの加工性の良否について観察した
結果と、製品フィルムの隠蔽度とを表2に合わせて示し
た。なお、加工性の良否は、上記の条件でカレンダー加
工した場合の、いわゆる「耳切れ」の発生頻度の多少で
評価し、「耳切れ」が発生しないか、発生したとしても
極く僅かな場合を良好とし、「耳切れ」が頻繁に発生し
た場合を困難とした。
【0036】
【表2】
【0037】実施例11 実施例1〜8の本発明のフィルムの、エンボスロール絞
押し面で表面粗さ(Ra)0.7μmの梨地絞が付与さ
れた面に、コロナ放電処理を施した後、カーボンブラッ
クを配合した黒色のウレタン系インクで木目模様印刷を
行った。次いで、シンジオタクチックポリプロピレン/
低密度ポリエチレン(60/40)100重量部に対
し、ヒンダードアミン(旭電化社製商品名「アデカスタ
ブLA−63」)0.2重量部、ベンゾフェノン系紫外
線吸収剤0.2重量部、フェノール系酸化防止剤(旭電
化社製商品名「アデカスタブAO−60」)0.2重量
部、フタロシアニンブルー0.005重量部を添加した
オレフィン系樹脂組成物を原料とし、押出機にて作製し
た、エンボスロール絞押し面のフィルム表面に表面粗さ
(Ra)2μmの梨地絞が付与された厚さ0.1mmの
実質的に透明なフィルム(555nmの全光線透過率が
86%)を、上記の印刷面に接着剤を用いてラミネート
し、積層フィルムを得た。
【0038】実施例12 実施例9〜10の本発明のフィルムの、エンボスロール
絞押し面で表面粗さ(Ra)0.5μmの梨地絞が付与
された面に、コロナ放電処理を施した後、カーボンブラ
ックを配合した黒色のウレタン系インクで木目模様印刷
を行った。次いで、アイソタクチックホモポリプロピレ
ン/アイソタクチックランダムポリプロピレン/低密度
ポリエチレン/シンジオタクチックポリプロピレン(2
0/30/40/10)100重量部に対し、ヒンダー
ドアミン(旭電化社製商品名「アデカスタブLA−6
3」)0.2重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤0.2重量部、フェノール系酸化防止剤 (旭電化社
製商品名「アデカスタブAO−60」)0.2重量部、
フタロシアニンブルー0.005重量部を添加したオレ
フィン系樹脂組成物を原料とし、ロール温度185℃の
カレンダー装置にて作製した、エンボスロール絞押し面
のフィルム表面に表面粗さ(Ra)2μmの梨地絞が付
与された厚さ0.1mmの実質的に透明なフィルム(5
55nmの全光線透過率が83%)を、上記の印刷面に
接着剤を用いてラミネートした後、加熱して木目状のエ
ンボス加工を施して、積層フィルムを得た。
【0039】実施例11〜12の印刷・積層した本発明
の化粧用フィルムにつき、燃焼テストを行ったところ、
HClガスの発生は全く認められなかった。また、サン
シャインウエザオメーターでの1500時間照射による
変色が極めて少なく、耐候性に優れるものであった。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明のフィルムによれ
ば、次のような効果を奏することができる。 (1)焼却あるいは燃焼の際に、HClガスを発生する
懸念はなく、また重金属系の化合物を用いていないの
で、環境保護の観点からみて好ましい。 (2)優れた意匠性を有する化粧用フィルムを低コスト
で製造することができ、装飾性の高い化粧用フィルムと
して優位な市場性を期待することができる。 (3)耐候性に優れ、変色が極めて少ないので、化粧用
フィルムとして長期間使用する用途に好適である。
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】但し、上記のアイソタクチックポリプロピ
レンをオレフィン系樹脂として使用する場合には、エン
ボスが付与できる軟化温度範囲が狭く、得られるフィ
ルムの後エンボス適性が悪い。そこで、後エンボス適性
を改良するために、ポリエチレン、特に低密度ポリエチ
レンをブレンドするのが望ましい。ポリエチレンのブレ
ンドの割合は、少なすぎればブレンド効果が発現せず、
多すぎると相対的にアイソタクチックポリプロピレンの
量が少なくなりすぎて化粧用フィルムとして好適な硬さ
を得ることができなくなるため、アイソタクチックポリ
プロピレン100重量部に対し、ポリエチレン(好まし
くは低密度ポリエチレン)10〜300重量部、好まし
くは30〜200重量部が適している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂からなる厚さ0.03
    〜0.2mmのフィルムであって、着色剤として、少な
    くとも、オレフィン系樹脂100重量部当たり、酸化チ
    タン0.5〜30重量部および酸化鉄0.1〜10重量
    部を含み、かつ下式で表される隠蔽度が0.5〜3であ
    ることを特徴とするオレフィン系樹脂フィルム。 【数1】隠蔽度=log1/T (但し、T(透過率)=I/Io Ioは入射光、Iは
    透過光)
  2. 【請求項2】 酸化鉄がFeOOHおよび/またはFe
    である請求項1記載のオレフィン系樹脂フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 表面側に、紫外線吸収剤およびヒンダー
    トアミン系化合物を含み、かつ555nmの全光線透過
    率が70%以上で、厚さ0.03〜0.2mmの実質的
    に透明なオレフィン系樹脂フィルムを積層した請求項
    1,2記載のオレフィン系樹脂フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014103935A1 (ja) * 2012-12-25 2014-07-03 三菱樹脂株式会社 ポリオレフィン系化粧シート用フィルム
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