JPH1060087A - カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物 - Google Patents

カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH1060087A
JPH1060087A JP22379096A JP22379096A JPH1060087A JP H1060087 A JPH1060087 A JP H1060087A JP 22379096 A JP22379096 A JP 22379096A JP 22379096 A JP22379096 A JP 22379096A JP H1060087 A JPH1060087 A JP H1060087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photopolymerizable unsaturated
resin composition
unsaturated compound
photosensitive resin
alkali
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP22379096A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Ono
裕之 小野
Makoto Shimose
真 下瀬
Yutaka Miyagawa
豊 宮川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel Chemical Co Ltd
Priority to JP22379096A priority Critical patent/JPH1060087A/ja
Publication of JPH1060087A publication Critical patent/JPH1060087A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い生産性と低コストで、十分な耐湿信頼性
を有するビルドアップ多層配線板の製造に使用可能なカ
ルボキシル基含有光重合性不飽和化合物及びアルカリ現
像型感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)で表される多官能エポ
キシアクリレート化合物の1水酸基当量に対し、0.2
〜2.5モルの多塩基酸無水物を反応させて得られるカ
ルボキシル基含有光重合性不飽和化合物。 【化1】 (式中、Xはベンゼン核又はナフタレン骨格を示し、R
1 は水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、R2
水素原子又はメチル基を示し、nは0〜15の数を示
し、mは1〜2の整数を示す) また、必須成分として、上記のカルボキシル基含有光重
合性不飽和化合物100重量部と、少なくとも1個のエ
ポキシ基を有する化合物5〜50重量部と、光重合開始
剤0.1〜30重量部とを含有してなるアルカリ現像型
感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボキシル基含
有光重合性不飽和化合物及びそれ用いたアルカリ現像型
感光性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、ビルドアッ
プ多層基板の層間絶縁材料や、プリント配線板の永久絶
縁保護膜として好適に用いられる、アルカリ現像型感光
性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器やコンピューターなどに
は、従来に比べて一層の小型化・高機能化が要求されて
おり、それにあわせて使用される部品にもより高密度の
ものが求められている。例えば、プリント配線板におい
ても単位容積当たりの配線密度を向上させるために、回
路の微細化及び多層化が進められているが、さらに、ビ
ルドアップ多層基板という超高密度基板が提案され、実
用化が進められている。このビルドアップ多層基板は、
従来多層基板の層間導通に用いられてきたスルーホール
に代わり、内層バイアホールを介して層間導通をとるこ
とに特徴があり、この内層バイアホールを絶縁層内に設
けるための方法として、レーザーによる方法と感光性樹
脂を用いる方法の2つが主に検討されている。
【0003】レーザーを用いたバイアホール形成方法の
例として、特開昭58−64097号公報、特開昭61
−95792号公報等が開示されているが、この方法
は、バイアホール穴明け速度が遅いため生産性が低く、
専用の設備も新たに必要となるためコスト高になる欠点
がある。一方、感光性樹脂を用いる方法は、例えば特開
平6−237084号公報、特公平8−3633号公報
等が開示されている。これらの方法は、バイアホールの
一括穴明けが可能であり、かつ従来のプリント配線板製
造設備をそのまま流用できるため、レーザーによる方法
に比べて高い生産性と低コスト化が期待できるというメ
リットがある。そのようなプロセスに用いる感光性樹脂
として、有機溶剤又は水系現像液で現像するタイプのも
のが検討されているが、前者は作業環境が悪化するなど
の問題、後者は樹脂自体の耐湿信頼性が不十分であるな
どの問題を抱えており、実用上十分であるとは言いがた
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、良好な作業環境の下で、高い生産性・低コスト
で、十分な耐湿信頼性を有するビルドアップ多層配線板
の製造に使用可能なカルボキシル基含有光重合性不飽和
化合物及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明者らは、このような課題
を解決するために、種々のエポキシアクリレートをベー
スとしたカルボキシル基含有光重合性不飽和化合物を合
成し、これを種々のエポキシ化合物と共に用いて検討し
た結果、特殊骨格を有するエポキシアクリレートをベー
スとしたカルボキシル基含有光重合性不飽和化合物を、
エポキシ基を有する化合物と共に用いることにより、本
発明の目的を達成できることを見い出し、本発明を完成
した。
【0006】すなわち、本発明は、下記一般式(1)で
表される多官能エポキシアクリレート化合物の1水酸基
当量に対し、0.2〜2.5モルの多塩基酸無水物を反
応させて得られるカルボキシル基含有光重合性不飽和化
合物である。
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Xはベンゼン核又はナフタレン骨
格を示し、R1 は水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を
示し、R2 は水素原子又はメチル基を示し、nは0〜1
5の数を示し、mは1〜2の整数を示す)
【0009】また、本発明は、必須成分として、上記の
カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物100重量部
と、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物5〜5
0重量部と、光重合開始剤0.1〜30重量部とを含有
してなるアルカリ現像型感光性樹脂組成物である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内容を詳細に説明
する。本発明のカルボキシル基含有光重合性不飽和化合
物は、その原料の一つである多官能エポキシアクリレー
ト化合物が、上記一般式(1)において、Xの50%以
上、好ましくは90%以上がナフタレン骨格であるもの
がよい。ナフタレン骨格の割合が50%に満たないと耐
湿信頼性が劣る。また、一般式(1)においてnが15
を超えるとアルカリ水溶液に対する溶解性が悪くなる。
【0011】本発明のカルボキシル基含有光重合性不飽
和化合物は、一般式(1)で表される多官能エポキシア
クリレート化合物と酸無水物化合物とを反応させて得ら
れるが、そのような酸無水物化合物としては、例えば無
水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フ
タル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロ
フタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水
フタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水
フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレング
リコールビストリメリテート二無水物、ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、ビフェニルエーテルテトラカル
ボン酸二無水物等の多塩基酸無水物が挙げられる。
【0012】反応させる酸無水物化合物の割合は、上記
一般式(1)で表されるカルボキシル基含有光重合性不
飽和化合物の1水酸基当量に対し、酸無水物基が0.2
〜2.5モルであるが、0.2モルより少ないとアルカ
リ水溶液に対する溶解性が悪くなり、2.5モルを超え
ると安定性が悪くなるなどの問題が生じる。
【0013】本発明のカルボキシル基含有光重合性不飽
和化合物は、次のようにして製造することができる。ま
ず、一般式(2)で表される多価ヒドロキシ化合物を、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水
酸化物の存在下、エピクロルヒドリンと反応させること
により、下記一般式(3)で表される多官能エポキシ樹
脂を得る。
【0014】
【化3】
【0015】(式中、Xはベンゼン核又はナフタレン骨
格を示し、R1 は水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を
示し、nは0〜15の数を示し、mは1〜2の整数を示
す)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、Xはベンゼン核又はナフタレン骨
格を示し、R1 は水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を
示し、nは0〜15の数を示し、mは1〜2の整数を示
す)
【0018】次に、この多官能エポキシ樹脂と、アクリ
ル酸又はメタアクリル酸とを反応させることにより、一
般式(1)で表される多官能エポキシアクリレート化合
物を得る。
【0019】続いて、この多官能エポキシアクリレート
化合物と酸無水物化合物とを、エチルセロソルブアセテ
ート、ブチルセロソルブアセテート等の溶媒中で加熱
し、反応させることにより、本発明のカルボキシル基含
有光重合性不飽和化合物が製造される。反応温度として
は、多官能エポキシアクリレート化合物と酸無水物化合
物が定量的に反応することが望ましく、100〜130
℃、好ましくは110〜120℃である。
【0020】本発明のカルボキシル基含有光重合性不飽
和化合物は、光重合性に富み、堅固で安定な皮膜を形成
することができるので、これを用いてアルカリ現像型感
光性樹脂組成物を製造するのに適している。
【0021】以下、本発明のカルボキシル基含有光重合
性不飽和化合物(以下、A成分ということがある)を配
合したアルカリ現像型感光性樹脂組成物について説明す
る。
【0022】本発明のアルカリ現像型感光性樹脂組成物
(以下、感光性樹脂組成物ということがある)に配合す
るA成分は、前記一般式(1)において、nが15以下
のものである。nが15を超えるとアルカリ水溶液によ
る現像を行うことが困難となる。また、A成分の酸価と
しては、30〜180mgKOH/gである。酸価が1
80mgKOH/gを超えると硬化膜の耐アルカリ性、
電気特性等の特性が悪化し、30mgKOH/gより小
さいとアルカリ水溶液に対する溶解性が悪化する。
【0023】本発明の感光性樹脂組成物の必須成分であ
る、少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物(以
下、B成分ということがある)としては、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェ
ノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂又はそれらの臭素
化物のほかに、フェニルグリシジルエーテル、p−ブチ
ルフェノールグリシジルエーテル、トリグリシジルイソ
シアヌレート、ジグリシジルイソシアヌレート、アリル
グリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート等のエ
ポキシ基を少なくとも1個有する化合物などが挙げられ
る。
【0024】また、本発明の感光性樹脂組成物の必須成
分である、光重合開始剤(以下、C成分ということがあ
る)は、一般的にエチレン結合を有する光重合性不飽和
化合物の光重合開始剤として用いられるものであるが、
このような光重合開始剤としては、例えばアセトフェノ
ン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチル
アセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノ
ン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノ
ン、p−tert−ブチルアセトフェノン等のアセトフ
ェノン類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノ
ン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン等の
ベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベ
ンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル
類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2−
クロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソ
ン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオ
キサンソン等のイオウ化合物、2−エチルアントラキノ
ン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアン
トラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のア
ントラキノン類、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパ
ーオキシド等の有機過酸化物、2−メルカプトベンゾイ
ミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−
メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物、アゾ
ビスイソブチルニトリルなどが挙げられる。これらの化
合物は1種でもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0025】また、それ自体では光重合開始剤として作
用しないが、上記の化合物と組み合わせて用いることに
より、光重合開始剤の能力を増大させ得るような化合物
を添加することもできる。そのような化合物としては、
例えばベンゾフェノンと組み合わせて使用すると効果の
あるトリエタノールアミン等の第3級アミンなどを挙げ
ることができる。
【0026】本発明の感光性樹脂組成物は、A成分、B
成分及びC成分からなり、その各成分の配合割合は、A
成分100重量部に対し、B成分が5〜50重量部、C
成分が0.1〜30重量部である。好ましくは、A成分
100重量部に対し、B成分が10〜30重量部、C成
分が1〜20重量部である。樹脂組成物中のB成分が5
重量部より少ないと樹脂組成物の硬化後の特性、特に耐
アルカリ性が不十分となり、50重量部を超えるとアル
カリ水溶液に対する溶解性が低下するため現像性が悪化
する。また、C成分が0.1重量部より少ないと光重合
の速度が遅くなって、感度が低下する。一方、30重量
部を超えると光が樹脂層底部まで達しにくくなるため光
重合が不十分となり、現像マージンの減少や基板との密
着力不足等の弊害を引き起こす。
【0027】また、本発明の感光性樹脂組成物に難燃性
を付与するために、少なくとも1個のエポキシ基を有す
る化合物の一部又は全部を、臭素置換体としてもよい。
この場合、樹脂組成物中の臭素含有量は、3〜30%程
度であり、それが3%より少ないと十分な難燃性が発現
せず、30%より多いとめっき被膜のふくれなどの問題
が起きやすくなる。
【0028】本発明の感光性樹脂組成物には、他の光重
合性不飽和化合物を使用目的の物性に合わせて配合する
ことができ、その場合の配合量は、A成分100重量部
に対し、50重量部以下である。これが50重量部を超
えるとプレキュアー後のタック性に問題が出てくる。こ
のような光重合性不飽和化合物としては、例えば2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート、グリセロール(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。これ
らの化合物は、1種でもよいし、2種以上を併用しても
よい。
【0029】また、本発明の感光性樹脂組成物には、必
要に応じてエポキシ基硬化促進剤、熱重合禁止剤、可塑
剤、レベリング剤、消泡剤、体質顔料等の各種添加剤を
配合することができる。エポキシ基硬化促進剤として
は、例えばアミン化合物類、イミダゾール化合物、カル
ボン酸類、フェノール類、第4級アンモニウム塩類、メ
チロール基含有化合物類などが挙げられ、それらを少量
併用して塗膜を加熱することにより、得られる絶縁被膜
の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐メッキ性、密着性、電
気特性及び硬度等の諸特性を向上させることができる。
【0030】熱重合禁止剤としては、例えばハイドロキ
ノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロー
ル、tert−ブチルカテコール、フェノチアジンなど
が、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオ
クチルフタレート、トリクレジルなどが、消泡剤、レベ
リング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アク
リル系の化合物などが、体質顔料としては、シリカ、ア
ルミナ、タルク、炭酸カルシウム、クレー、アエロジル
などがそれぞれ挙げられる。
【0031】次に、本発明の感光性樹脂組成物の使用方
法について説明する。まず、本発明の感光性樹脂組成物
に、適当な光重合開始剤、増感剤、硬化促進剤、体質顔
料等の添加剤を加え、3本ロールミルなどで混錬して感
光性樹脂組生物を調製する。この感光性樹脂組成物をス
クリーン印刷等任意の方法で基板上に塗工後、溶媒を蒸
発させて塗膜をタックフリーにするためプレキュアーを
行なう。プレキュアー後、所望のマスクパターンをコン
タクト(接触)又はオフコンタクト(非接触)の状態に
して組成物の塗膜が形成された基板上に置き、紫外線を
選択的に照射する。紫外線により露光された領域の組成
物塗膜の成分は、光重合し架橋構造をとって不溶化す
る。非露光領域をアルカリ水溶液を用いて除去すること
により、現像された所望のパターンを得る。アルカリ水
溶液としては、0.1〜10重量%の水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンの水
溶液などが用いられる。このようにして得られたパター
ンを、100〜200℃の加熱処理や紫外線照射を行っ
て塗膜強度を向上せしめた後、無電解めっきなどで信号
配線の形成、バイアホール内面めっきなどを行うことに
より、耐湿信頼性、耐熱性に優れたプリント配線板を得
ることができる。
【0032】
【実施例】以下、参考例、実施例及び比較例等に基づい
て、本発明を具体的に説明する。 参考例1〔多価ヒドロキシ化合物の製造〕 300mlの4つ口フラスコに、2−ナフトール144
g(1.0モル)、p−キシリレングリコール55.2
g(0.4モル)及びシュウ酸14gを仕込み、窒素気
流下、撹拌しながら150℃で3時間反応させた。この
間、生成する水は系外に除いた。その後、水蒸気蒸留に
より未反応の2−ナフトールを除き、褐色状樹脂135
gを得た。得られた樹脂のOH当量は221であり、J
IS K2548に基づいて測定した軟化点は115℃
であった。
【0033】参考例2〔多官能エポキシ樹脂の製造〕 得られた樹脂100gをエピクロルヒドリン400gに
溶解し、さらにトリエチルアンモニウムクロライド0.
3gを加え、減圧下(約150mmHg)70℃で48
%水酸化ナトリウム水溶液42gを3時間かけて滴下し
た。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸
により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内
に戻した。滴下終了後、さらに30分間反応を継続し
た。その後、濾過により生成した塩を除き、さらに水洗
したのちエピクロルヒドリンを留去し、エポキシ樹脂1
12gを得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は
285であり、軟化点は91℃であった。
【0034】参考例3〔多官能エポキシアクリレート化
合物の製造〕 参考例2で得られた多官能エポキシ樹脂100gをブチ
ルセロソルブアセテート40mlに溶解し、さらにアク
リル酸25.8g、ベンジルトリエチルアンモニウムク
ロライド0.2g、ハイドロキノン50mgを加え、1
20℃で空気を吹き込みながら6時間反応させエポキシ
アクリレート樹脂溶液を得た。0.1N−KOH/Me
OH溶液で滴定を行ったところ、酸価は3.4mgKO
H/gであった。
【0035】合成例1 参考例3で得られた多官能エポキシアクリレート樹脂溶
液に、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸33
g、ブチルセロソルブアセテート70mlを加え、11
0〜120℃で5時間反応させて、褐色状樹脂を得た。
0.1N−KOH/MeOH溶液で滴定を行ったとこ
ろ、酸価は100mgKOH/gであった。得られた樹
脂の赤外吸収スペクトルを図1に掲げる。
【0036】合成例2 エポキシ当量450のビスフェノールA型エポキシ樹脂
112gを、ブチルセロソルブアセテートに溶解し、ア
クリル酸19g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロ
ライド0.17g、ハイドロキノン40mgを加え、空
気を吹き込みながら90〜100℃で10時間反応させ
た。得られた樹脂溶液にベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物30g、1,2,3,6−テトラヒドロ無水
フタル酸13gを加えて110〜120℃で5時間反応
させ、酸価80mgKOH/gの樹脂溶液を得た。
【0037】実施例 合成例1で得られた樹脂の固形分100重量部に対し、
エポキシ当量180のフェノールノボラック型エポキシ
樹脂27重量部、光重合性不飽和化合物としてジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート7重量部、光重合開
始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエ
タン−1−オン4重量部、エポキシ硬化剤として2−エ
チル−4−メチルイミダゾール4重量部を混合し、ブチ
ルセロソルブアセテートで粘度調整して感光性樹脂組成
物を得た。次に、この組成物を銅張り積層板上に塗布
し、60℃で1時間プレキュアーして、室温で粘着性の
ない、厚み40μmの感光層を形成した。次に超高圧水
銀灯を用い、直径30〜200μmのバイアホールパタ
ーンが描かれたネガマスクを密着して選択的に500m
J/cm2 の紫外線照射を行い、30℃の1%炭酸ナト
リウム水溶液を2分間スプレーして現像を行った後、1
50℃で30分のアフターキュアにより硬化した塗膜を
得た。
【0038】SEM観察の結果、良好に現像できたバイ
アホール最小径は50μmであった。また、40℃90
%RHで96時間吸湿後も260℃30秒の半田耐熱性
を示した。さらに、耐薬品性試験(40℃のN−メチル
−2−ピロリドン中10分間浸漬)、耐酸性試験(5%
塩酸水溶液中24時間浸漬)、及び耐アルカリ性試験
(5%水酸化ナトリウム水溶液中24時間浸漬)を行った
結果、いずれの場合も塗膜に異常は見られなかった。
【0039】比較例 合成例2で得られた樹脂を用いた以外は、実施例と同様
の操作を行った。SEM観察の結果、良好に現像できた
バイアホール最小径は50μmであった。また、40℃
90%RHで96時間吸湿後の260℃における半田耐
熱性は10秒であり、30秒ではクラックを生じた。さ
らに、耐薬品性試験(40℃のN−メチル−2−ピロリ
ドン中10分間浸漬)、耐酸性試験(5%塩酸水溶液中
24時間浸漬)、及び耐アルカリ性試験(5%水酸化ナ
トリウム水溶液中24時間浸漬)を行った結果、いずれの
場合も塗膜に異常は見られなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明のカルボキシル基含有光重合性不
飽和化合物は、光重合性に富み、堅固で安定な皮膜を形
成することができるので、これを用いてアルカリ現像型
感光性樹脂組成物を製造するのに適している。
【0041】また、本発明の感光性樹脂組成物は、人体
への悪影響が少ないアルカリ水溶液で現像可能で、耐湿
信頼性、耐熱性、解像度、耐薬品性、耐酸性及び耐アル
カリ性に優れた感光性樹脂組成物である。したがって、
本発明の感光性樹脂組成物を用いれば、良好な作業環境
の下、高い生産性及び低コストで、耐湿信頼性に優れた
ビルドアップ多層配線板が製造できるほか、ソルダーレ
ジスト等の永久保護膜の用途にも有望な材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、合成例1で得られたカルボキシル基
含有光重合性不飽和化合物の赤外吸収スペクトルであ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/28 H05K 3/28 C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される多官能エポ
    キシアクリレート化合物の1水酸基当量に対し、0.2
    〜2.5モルの多塩基酸無水物を反応させて得られるカ
    ルボキシル基含有光重合性不飽和化合物。 【化1】 (式中、Xはベンゼン核又はナフタレン骨格を示し、R
    1 は水素又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、R2
    水素原子又はメチル基を示し、nは0〜15の数を示
    し、mは1〜2の整数を示す)
  2. 【請求項2】 必須成分として、請求項1記載のカルボ
    キシル基含有光重合性不飽和化合物100重量部と、少
    なくとも1個のエポキシ基を有する化合物5〜50重量
    部と、光重合開始剤0.1〜30重量部とを含有してな
    るアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 少なくとも1個のエポキシ基を有する化
    合物の一部又は全部が、臭素置換体である請求項2記載
    のアルカリ現像型感光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のカルボキシル基含有光重
    合性不飽和化合物100重量部に対し、さらにエチレン
    結合を有する光重合性不飽和化合物を1〜50重量部配
    合してなる請求項2又は3記載のアルカリ現像型感光性
    樹脂組成物。
JP22379096A 1996-08-26 1996-08-26 カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物 Withdrawn JPH1060087A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22379096A JPH1060087A (ja) 1996-08-26 1996-08-26 カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22379096A JPH1060087A (ja) 1996-08-26 1996-08-26 カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1060087A true JPH1060087A (ja) 1998-03-03

Family

ID=16803760

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22379096A Withdrawn JPH1060087A (ja) 1996-08-26 1996-08-26 カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1060087A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100720018B1 (ko) 2002-12-20 2007-05-18 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 포지티브형 레지스트 조성물 및 패턴 형성 방법
WO2019188895A1 (ja) * 2018-03-27 2019-10-03 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、それを必須成分とする感光性樹脂組成物およびその硬化物
JP2019174559A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂を必須成分とする感光性樹脂組成物およびその硬化物
CN113721422A (zh) * 2021-09-01 2021-11-30 大同共聚(西安)科技有限公司 一种布线板上绝缘保护层的制备方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100720018B1 (ko) 2002-12-20 2007-05-18 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 포지티브형 레지스트 조성물 및 패턴 형성 방법
WO2019188895A1 (ja) * 2018-03-27 2019-10-03 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、それを必須成分とする感光性樹脂組成物およびその硬化物
JP2019174559A (ja) * 2018-03-27 2019-10-10 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂を必須成分とする感光性樹脂組成物およびその硬化物
CN111886274A (zh) * 2018-03-27 2020-11-03 日铁化学材料株式会社 含有不饱和基的碱可溶性树脂、以其作为必须成分的感光性树脂组合物及其硬化物
JPWO2019188895A1 (ja) * 2018-03-27 2021-04-08 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 不飽和基含有アルカリ可溶性樹脂、それを必須成分とする感光性樹脂組成物およびその硬化物
CN111886274B (zh) * 2018-03-27 2024-01-09 日铁化学材料株式会社 含有不饱和基的碱可溶性树脂、以其作为必须成分的感光性树脂组合物及其硬化物
CN113721422A (zh) * 2021-09-01 2021-11-30 大同共聚(西安)科技有限公司 一种布线板上绝缘保护层的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3121213B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2001302871A (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物とこれを用いて形成したソルダーレジスト皮膜や樹脂絶縁層を有するプリント配線板
JP2003113205A (ja) 絶縁用樹脂組成物及びこれを用いた積層体
JP4558178B2 (ja) 光又は熱硬化性樹脂組成物及びプリント配線基板
JP2001042525A (ja) アルカリ現像型感光性樹脂組成物
JP4523703B2 (ja) 感光性難燃樹脂組成物
JP2002064276A (ja) 光又は熱硬化性樹脂組成物及び多層プリント配線基板
JP2003280192A (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物
JPH1060087A (ja) カルボキシル基含有光重合性不飽和化合物及びアルカリ現像型感光性樹脂組成物
JPH11242331A (ja) 光硬化性樹脂組成物及びこれを用いた感光性エレメント
JP4219641B2 (ja) アルカリ現像型感光性樹脂組成物
JP2001290268A (ja) 感光性樹脂組成物、及びこれを用いた感光性フイルム
JP2006210811A (ja) プリント配線板の製造方法
JP2004198673A (ja) 感光性樹脂組成物
JP3154383B2 (ja) 感光性樹脂及びそれを含有するアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物
JP3214297B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP3132331B2 (ja) 感光性樹脂と感光性樹脂組成物
JP4202171B2 (ja) 低誘電性光硬化性樹脂組成物
JP2533557B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP4168095B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP4720000B2 (ja) 感光性樹脂組成物、この組成物を用いた感光性フィルム
JP2002234932A (ja) アルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物
JP2001040052A (ja) 耐熱性感光性樹脂組成物
JPH0987360A (ja) 感光性樹脂の製造方法および液状感光性樹脂組成物
JP2003280191A (ja) 光硬化性・熱硬化性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20031104