JPH1059598A - 紙ロール及び紙ロールの製造方法 - Google Patents

紙ロール及び紙ロールの製造方法

Info

Publication number
JPH1059598A
JPH1059598A JP24097696A JP24097696A JPH1059598A JP H1059598 A JPH1059598 A JP H1059598A JP 24097696 A JP24097696 A JP 24097696A JP 24097696 A JP24097696 A JP 24097696A JP H1059598 A JPH1059598 A JP H1059598A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper roll
paper
curl
web
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24097696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3694845B2 (ja
Inventor
Tatsumi Hosaka
達巳 保坂
Masatsugu Kato
正嗣 加藤
Tsuyoshi Yasuda
強 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP24097696A priority Critical patent/JP3694845B2/ja
Publication of JPH1059598A publication Critical patent/JPH1059598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3694845B2 publication Critical patent/JP3694845B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙ロールの状態で形成される巻癖カールが著
しい場合には、適宜な寸法に裁断してシート状とした状
態で印刷機や複写機等の装置内を走行させる場合に、走
行不良や集積不良が発生するため、巻癖カールを軽減し
て走行と集積の安定を保つことができる紙ロール及び紙
ロールの製造方法を提供すること。 【解決手段】 抄造後にポープリールに巻き取られた紙
ロール10を1次ワインダで処理し紙ロール11を形成し、
適宜時間後に紙ロール11に対し1回目の巻き替え処理と
して逆巻き替え処理を行い紙ロール12を形成し、適宜時
間経過後に行う2回目の巻き替え処理では紙ロール12に
対して順巻き替え処理を行い紙ロール13を形成する。2
回の巻き替え処理により紙ロール11の外側面は紙ロール
13では内側面となる。紙ロール11の巻芯側部は紙ロール
13の巻芯側部となる。この際、紙ロールを巻き付けるコ
ア13a の外径は紙匹の厚さの300〜1200倍とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コアに紙匹を巻き
取って製造される紙ロール製品において、コアに巻き取
られることによって生じる巻癖カールを改善した紙ロー
ルと該紙ロールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙のカールは、紙をシート状に裁断した
状態での形状が平板状とならずに、ある曲率で湾曲して
いる状態をいう。カールの大きな紙は、印刷機や複写
機、プリンタなどでの走行性や集積性にトラブルを起こ
す。そのため、シート状に断裁した状態で平板状となる
ように、あるいはこのシートを使用する装置に見合った
範囲のカールに調整する工夫がなされている。
【0003】カールは、本発明で解決しようとしている
巻癖カールのほかに、平面方向の寸法変化が紙匹の表裏
で相違することによって生じるカールがある。すなわ
ち、繊維配向の表裏差、微細繊維や填料の分布の表裏差
などが存すると、水分に対する伸縮率が表と裏で異なる
ため、吸脱湿によりカールが発生する。あるいは、印刷
時の湿し水や電子写真方式の複写機のトナー定着用ヒー
トロールは表裏の水分差を発生させるために、紙の表裏
での寸法変化に差が生じてカールを発生させる原因とな
る。なお、抄紙機で抄き上げた状態においても、抄造条
件によってはカールが発生する。
【0004】この種の紙匹の表裏差によって生じるカー
ル現象は、これまでにも多くの検討がなされており、あ
る程度満足な制御が行えるようになっているのに対し、
本願発明で解決しようとしている巻癖カールに関して
は、未だ十分な解決策が存せず、唯一デカーラー装置に
より巻癖カールの除去を行う手段が講じられているにす
ぎない。
【0005】巻癖カールは、紙匹を紙管などのコアにロ
ール状に巻き付けた状態で保存しておくことにより、そ
の巻き付け状態の歪みが紙匹に残留することにより発生
する。したがって、保管期間が長期となるほど、また紙
の厚さが大きい、すなわち坪量が大きいほど巻癖カール
が大きくなることが容易に理解される。また、紙ロール
の外側部分よりも巻芯付近に位置した部分ほど歪みが大
きく巻癖が生じやすくなる。
【0006】一般に機械抄き紙は、抄造時に抄紙機のリ
ールで巻き取られたのち1次ワインダにより所望の幅員
にスリッタナイフによって切断されながら巻き取られ、
紙ロールとして保管される。この保管期間中に巻癖カー
ルが形成されることになる。たとえば、24時間保管した
紙ロールでは、図5に示すように巻芯に近づくほど著し
い巻癖が形成される。紙ロール製品としては、この1次
ワインダによって巻き取られた状態で出荷されるものも
あるが、さらに2次ワインダで必要に応じて所望の幅員
に切断処理しながら巻き替えられて出荷されるものもあ
る。2次ワインダで処理した後に出荷された紙ロール製
品では、巻芯部付近で新たに巻癖が形成されるとともに
この紙ロール製品の外側部分には1次ワインダ処理後の
保管期間中で形成された巻癖が十分に除去されずに残留
する。たとえば、2次ワインダ処理後10日間経過した
後の紙ロールの巻癖は図6に示す状態となっている。す
なわち、この紙ロール製品は、巻芯側部分と外側部分と
の両方に巻癖が形成されている。
【0007】上述した従来の紙ロール製品を連続的に印
刷を施した後にシート状に断裁して使用する場合には、
紙ロールに顕著な巻癖カールが存在するため、裁断され
たシートには巻癖カールによる端部の跳ね上がりが形成
され、走行不良を引き起こしたり、集積時に大きなズレ
を生じるなどして作業の安定性の阻害となる。特に、坪
量の高い紙匹ほど巻癖の程度が悪いため、巻癖のない紙
ロール製品が要望されている。
【0008】このような走行不良や集積不良を起こさな
いためには、カール曲率の絶対値が3m-1以下であるこ
とが必要である。なお、ここでカール曲率とは、図3の
ようにカールが形成されたシート状の紙のカール状態が
水平面上に投影されるように起立させ、そのカール半径
を測定し、数1により求められた値である。
【数1】(カール曲率)=1/(カール半径) ただし、紙ロールの内向きのカールを正(+)、外向き
のカールを負(−)の符号を付して表すものとする。
【0009】従来では、前述したようにカールの除去処
理として、例えば実開平5−51655号公報に記載さ
れたカール除去機構によってデカーラー処理が施される
ようにしてある。この実開平5−51655号公報に記
載された考案では、ロール紙に逆カールを付与するため
の断面ほぼV字型のペーパーガイドが設けられ、ロール
紙を供給する際にこのペーパーガイドを通過させること
により、ロール紙に形成されている巻癖カールの方向と
は逆の方向に紙匹を折曲して巻癖カールを除去するもの
である。しかしながら、この種の従来のデカーラー装置
では、例えばカール曲率で5m-1以上の著しい巻癖が形
成された紙では、紙を大きく折曲させるなどの厳しい条
件下でカール除去を行う必要があるため、紙粉が発生し
たり紙面の荒れを生じさせたりして印刷品質に悪影響を
及ぼすおそれがある。さらに、一本の紙ロール内の紙匹
の巻癖カールは、図5や図6に示したように、ロールの
外側から巻芯側にかけて大きく変化しているため、紙ロ
ールから紙匹を繰り出していくに従って、カール形状を
測定しながらデカーラー条件を変更する必要が生じる。
【0010】また、紙粉の発生や紙面の荒れを抑制する
ために、ペーパーガイドの代りに小径のロールを用いて
逆カールを付与することによりカールを除去する機構が
あるが、カールの除去効果が小さく、巻癖を十分に取り
除くことができず、一般には利用されていない。
【0011】すなわち、上述した従来のデカーラー装置
などでは、紙粉や紙面の荒れの発生なしにロール全般に
わたってカール曲率が3m-1以下の紙ロールを提供する
ことは極めて困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、紙
面を損傷したり紙粉を発生させたりすることなく、紙ロ
ール全般にわたって巻癖カールが改善された紙ロール及
び紙ロールの製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、コアに紙
匹を巻き取ることによってなる紙ロールであって、コア
の外径が紙匹の厚さの300〜1200倍であり、紙ロ
ール中の式(I)で表される領域における紙匹を断裁し
て得られるシートのカール曲率の最大値と最小値の差
が、3m-1以下であることを特徴とする紙ロールによっ
て達成される。 2×r≦R≦Rmax (I) r:コアの半径 R:紙ロールの中心から注目する紙匹までの距離(半
径) Rmax:紙ロールの半径(最外層)
【0014】ここで、カール曲率とは前記数1によって
求められる値である。
【0015】また、本発明でいう巻き付けるコアの外径
が紙匹の厚さの300〜1200倍とは、巻癖の改善が
必要となる条件を示しており、本発明者が検討を重ねた
結果、巻き付けるコアの外径が紙匹の厚さの1200倍
以上の場合には、生じる巻癖カールは小さく、巻癖カー
ルの改善処理の必要性も少ない。一方、巻き付けるコア
の外径が紙匹の厚さの300倍以下の場合には、該コア
に巻き付けた時に紙層内に形成する歪みが非常に大き
く、紙匹に折れや座屈が発生し本発明による方法でもカ
ール曲率を3mー1以下に維持することが困難である。
【0016】一方、印刷機やプリンター等で走行性を良
くするためには、必ずしも用紙のカール曲率が0m-1
ある必要はなく、むしろそれぞれの装置で良好な走行性
・集積性を得るための最適なカール曲率が存在する。そ
して一般には、走行性や集積性にトラブルを起こさない
ためには、その最適カール曲率の±1.5m-1 以内、好
ましくは±1.0m-1以内のカール曲率を有するシート
紙であることが必要とされる。また、一般に、走行性や
集積性に問題のないカール曲率の絶対値は、概して3m
-1以下である。
【0017】そして、この発明に係る紙ロールの製造方
法は、製造された紙匹に偶数回の巻き替え処理を行い、
巻き替え処理後の巻面が処理前の巻面と反対面となる巻
き付けを行うことを主たる特徴としており、さらに抄造
された紙匹に偶数回の巻き替え処理後におけるコアの外
径が当該紙匹の300〜1200倍であることを特徴と
している。
【0018】ここで、製造された紙匹とは、抄紙機で抄
きあげられたり塗工機で塗工されて製造された紙あるい
は塗工紙を紙管などのコアに巻き取った状態をいう。例
えば、抄紙機のリールパートでポークリールに巻き取
り、直ちに1次ワインダで紙管に巻き替える場合には、
1次ワインダで巻き取った状態であり、塗工機で塗工
後、リールパートで直接紙管に巻き取る場合には、そこ
で巻き取った状態の紙ロールのことである。
【0019】発明者は、巻癖の付いた巻き取りの巻芯側
部分が、再び巻芯側部分でかつ巻面が逆になるように巻
き付けられることによって、巻癖カールがほぼ確実に解
消されると共に、この巻き替え処理は紙の抄造後24時
間以上好ましくは72時間以上経過後に実施することに
より、巻癖カールの改善が効果的に行われることを見出
した。さらに、しかる処理を行った紙ロールに限り、数
ケ月の長期間保管後であっても巻芯部分以外の部分には
問題となるほどの巻癖カールが形成されないことを見出
した。
【0020】巻き替え処理の回数を2回とした場合、送
り側の紙ロールの外側面が受け側の紙ロールの外側面と
なるように巻き替える順巻き替えと、送り側紙ロールの
外側面が受け側紙ロールの内側面となる逆巻き替えとが
1度ずつ行われるようにすれば、処理前の巻面と処理後
の巻面とが反転することになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図示した好ましい実施の形
態に基づいて、この発明に係る紙ロール及び紙ロールの
製造方法を具体的に説明する。
【0022】図1はこの紙ロールの製造方法であって巻
き替え処理回数を2回とした場合を説明するもので、図
1(a)に示すように、抄紙機によって抄造されてリー
ルに巻き取られた紙ロール10を、抄造後約1時間後に、
図1(b)に示すように1次ワインダで処理して紙ロー
ル11を形成する。なお、この1次ワインダで使用するコ
ア11a には、外径が紙ロール11の紙匹の厚さの300〜
1200倍のものを使用してある。1次ワインダで処理
されたこの紙ロール11を約24時間保管した後、図1
(c)に示すように、紙ロール11の外側面が内側面とな
るように逆巻き替えによる巻き替え処理を行って紙ロー
ル12を形成する。
【0023】ついで、上記紙ロール12に対して、図1
(d)に示すように、速やかに該紙ロール12の外側面が
外側面となるように順巻き替えの巻き替え処理を行って
紙ロール13を形成する。このとき、紙ロール13を巻き付
けるコア13a には、外径が紙ロール13を形成する紙匹の
厚さの300〜1200倍のものを使用してある。
【0024】1次ワインダで処理後約24時間保管され
た紙ロール11では、例えば図5に示されているように、
巻芯に近づくほど著しい巻癖カールが形成されている。
【0025】この図1に示す方法によって製造される場
合には、逆巻き替えによる1回目の巻き替え処理を行っ
た状態では、紙ロール11の巻癖の大きな巻芯側部分が一
旦紙ロール12の外側部分にカールの内側面が外側を指向
するように巻き付けられることになり、元の巻癖カール
を減少させる方向ではあるが、その変形量は小さく、短
時間では巻癖カールの減少量はさほど大きくない。他
方、紙ロール11の外側部分は紙ロール12の巻芯側部分に
巻き付けられ、紙ロール11の外側面が紙ロール12におい
て内側面となる巻癖の形成が生じ、この新たに形成され
る巻癖は紙ロール12の状態での放置時間が長くなると悪
化するため、速やかに2回目の巻き替え処理を行うこと
が好ましい(例えば、10時間以内)。
【0026】そして、2回目の巻き替え処理が終了した
状態では、前記紙ロール11に対して、その巻芯側部分
が、紙の外側面と内側面とが反転して再び巻芯側部分に
巻き付けられることになって紙ロール13が形成されるこ
とになる。このため、紙ロール11において形成された巻
癖と、紙ロール13に巻き替えられたことによって形成さ
れた巻癖とが相殺され、巻癖の改善された紙ロールを得
ることができる。さらに、この紙ロールの巻癖カール
は、長時間の保存でも悪化しない。
【0027】次に図2に示す紙ロール製造方法について
説明する。図2も巻き替え処理回数を2回とした場合を
説明するものである。抄造後約1時間経過した後1次ワ
インダで処理された紙ロール11をほぼ24時間保管した
後、図2(c)に示すように、紙ロール11の外側面が外
側面となるように順巻き替えによる巻き替え処理を行っ
て紙ロール14を形成する。
【0028】次いで、上記紙ロール14に対して、図2
(d)に示すように、速やかに該紙ロール14の外側面が
内側面となるように逆巻き替えの巻き替え処理を行って
紙ロール15を形成する。このとき、紙ロール15を巻き付
けるコア15a には、外径が紙ロール15を形成する紙匹の
厚さの300〜1200倍のものを使用してある。すな
わち、1次ワインダで処理されて形成された前記紙ロー
ル11を、その巻芯側部分が、紙の外側面と内側面とが反
転して再び巻芯側部分に巻き付けられることになって紙
ロール15が形成される。
【0029】この図2に示す方法によって製造された場
合には、逆巻き替えによる1回目の巻き替え処理を行っ
た状態では、紙ロール11の巻癖の大きな巻芯側部分が一
旦紙ロール14の外側部分にカールの内側面が内側を指向
するように巻き付けられることになり、その変形量は図
1に示す方法による場合よりもさらに小さく、この時点
における巻癖カールの減少量は僅かである。他方、紙ロ
ール11の外側部分は紙ロール14の巻芯側部分に巻き付け
られ、この紙ロール14の巻芯部分では紙ロール11の内側
面が該紙ロール14の内側面となって新たに巻癖の形成が
生じることになる。この新たに形成される巻癖は紙ロー
ル14の状態での放置時間が長くなると悪化するため、速
やかに2回目の巻き替え処理を行って巻癖の改善を図る
ことが好ましい。
【0030】そして、2回目の巻き替え処理が終了した
状態では、前記紙ロール11を、その巻芯側部分が、紙の
外側面と内側面とが反転して再び巻芯側部分に巻き付け
られることになって紙ロール15が形成されることにな
る。このため、紙ロール11において形成された巻癖と、
紙ロール15に巻き替えられたことによって形成された巻
癖とが相殺され、巻癖の改善されたほぼ平板状となった
紙を得ることができる。
【0031】
【実施例】以下、好ましい実施例に基づいて、この発明
に係る紙ロール及び紙ロールの製造方法をより具体的に
説明する。なお、本願発明は以下の実施例に限定される
ものではない。
【0032】実施例1 LBKP(c.s.f.440ml)95重量%とNBK
P(c.s.f.520ml)5重量%とからなる木材パ
ルプに対して、タルク/カオリンの比率が90/10の
顔料7重量%、市販カチオン化澱粉 0.8重量%、硫酸
バンド3重量%を添加調整後、長網抄紙機および多筒式
ドライヤーを用いて坪量127.9g/m2の紙を抄造
し、一旦ポープリールに巻き取って、ほぼ1時間経過後
に1次ワインダにて外径106mmの紙管に紙幅1520
mmの紙ロールを形成処理し、ほぼ72時間保管した紙ロ
ールを、図1(c)に示すように、外径106mmの紙管
に、外側面が内側面となるように逆巻き替えにより1回
目の巻き替え処理を行う。ほぼ5時間経過後に、図1
(d)に示すように、この紙ロールを外径106mmの紙
管に外側面が外側面となるように順巻き替えにより2回
目の巻き替え処理を行う。このときの巻き付け量は39
50mで、紙ロールの半径は441mmであった。2回目
の巻き替え処理後、10日間保管した後に、紙ロールの
所定の半径位置においてA4版の大きさに裁断したシー
トを試料としてカール半径を測定しカール曲率を求め
た。測定結果を表1に示してある。
【0033】実施例2 実施例1と同様に抄造し、2回の巻き替え処理を行っ
て、ほぼ30日間保管した後の紙ロールから採取した試
料についてカール曲率を求めた。測定結果を表1に示し
てある。
【0034】比較例1 実施例1と同様に抄造し、1次ワインダで処理を行った
後ほぼ3日間保管した紙ロールを、その外側面が新たな
紙ロールの外側面となるよう外径106mmの紙管に巻き
替えを行い、ほぼ10日間保管した紙ロールから採取し
たシートを試料としてカール曲率を求めた。測定結果を
表1に示してある。
【0035】実施例3 実施例1と同様にして調整したパルプ懸濁液より長網抄
紙機および多筒式ドライヤを用いて坪量157.0g/
2の紙を抄造し、実施例1と同様に、1次ワインダ処
理後ほぼ3日間保管し2回の巻き替え処理を行なって、
ほぼ10日間保管後の紙ロールから採取したシートを試
料としてカール曲率を求めた。2回目の巻き替え処理後
における巻き付け量は3975mで、紙ロールの半径は
487mmであった。測定結果を表2に示してある。
【0036】実施例4 実施例3と同様に抄造し、2回の巻き替え処理を行っ
て、ほぼ30日間経過後の紙ロールから採取したシート
を試料としてカール曲率を求めた。測定結果を表2に示
してある。
【0037】比較例2 実施例3と同様に抄造および1次ワインダ処理を行った
後ほぼ3日間保管した紙ロールを、その外側面が新たな
紙ロールの外側面となるよう外径106mmの紙管に巻き
替えを行い、ほぼ10日間保管した紙ロールから採取し
たシートを試料としてカール曲率を求めた。測定結果を
表2に示してある。
【0038】カール曲率は、採取された試料を図3に示
すように平面上に円筒状に起立させて、そのカール半径
を測定し前記数1より求めた。
【0039】次に、実施例1〜実施例4と比較例1、比
較例2で得られたシート紙に関し、走行性や集積性、紙
粉の発生など印刷適性の評価を行い、その結果を表3に
示してある。それぞれの適性の評価は、以下の基準によ
って行った。 〈走行性の評価〉得られた紙ロールについて事前印刷を
施してシート状に裁断した後、集積されるまでの間での
紙のカールによる走行不良の発生状況を観察し、下記に
示す3段階で評価した。 ○:走行不良は発生しない。 △:若干数の走行不良が見られるが実用上問題はない。 ×:多数の走行不良が見られ実用上問題となる。 〈集積性の評価〉得られた紙ロールについて事前印刷
し、シート状に断裁した後の集積時での積み重なりの不
良発生状況を観察し、次に示す3段階で評価した。 ○:集積不良は発生しない。 △:若干数の集積不良が見られるが実用上問題はない。 ×:多数の集積不良が見られ実用上問題となる。 〈デカーラー処理条件〉得られた紙ロールに事前印刷を
施しシート状に裁断した際に、著しい走行不良や集積不
良を発生させないために必要なデカーラー処理(機械的
なカール除去処理)の条件を示した。 〈紙粉の発生状況〉得られた紙ロールに事前印刷を施し
た後に、デカーラー処理部および紙面上に付着した紙粉
の状況を目視によって観察し、次に示す3段階で評価し
た。 ○:紙粉の発生は見られない。 △:紙粉の発生が若干認められるが実用上問題はない。 ×:紙粉の発生が著しく実用上問題となる。 〈印刷仕上り〉事前印刷の仕上り具合を目視によって観
察し、次の3段階で評価した。 ○:良好である。 △:若干の面荒れ部分が見られるが実用上問題はない。 ×:面荒れ部分が多発し実用上問題となる。
【0040】表1〜表3に示した測定結果について考察
する。表1より、比較例1に示した従来の方法によって
製造された紙ロール製品では、紙ロールの外側部分およ
び巻芯側部分で巻癖による著しいカールが形成されてい
るが、実施例1と実施例2に示すように偶数回の巻き替
え処理を行うことによってコア外径の2倍の径(紙ロー
ルの半径で106mmの径)位置以内を除き、紙ロールの
全般に亘って巻癖によるカールの曲率の変化が3m-1
下であると共にその絶対値が3m-1以下に改善されてい
ることが判る。また表2より、高坪量品に関しても、従
来品である比較例2に比べて、実施例3または実施例4
による紙について巻癖が確実に改善されていることが判
る。
【0041】しかも、実施例1と実施例2又は実施例3
と実施例4を比較して、偶数回の巻き替え処理後では長
期間保管された状態であってもカール曲率の変化が小さ
く、長期間の巻き付け保管による巻癖の悪化が抑制され
ていることが判る。
【0042】さらに、事前印刷機により事前印刷を施し
たときの印刷適性を評価する表3より、実施例1〜実施
例4の何れもシート状に裁断した後の走行性や集積性
が、比較例1および比較例2と比較して良好であり、カ
ール除去のためのデカーラー処理が不要となりあるいは
非常に弱い条件で行うことができ、紙粉の発生が少な
く、印刷仕上りも良好であることが判る。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る紙
ロール及び紙ロールの製造方法によれば、紙ロール製品
をシート状に裁断する際に、裁断後の巻癖カールによる
走行不良や集積不良などを防止するために従来施されて
いた裁断前のデカーラー装置等によるカール除去処理を
省くことができる。また、カール除去処理を省くことに
よって、紙表面を荒らしたり、紙粉の発生を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る紙ロールの製造方法による処理
工程の一つの実施形態を説明するための概略図である。
【図2】この発明に係る紙ロールの製造方法による処理
工程の他の実施形態を説明するための概略図である。
【図3】紙のカールを評価する方法を説明するための概
略の斜視図である。
【図4】紙のカールを評価する従来の方法を説明するた
めの概略の正面図である。
【図5】1次ワインダでの処理後ほぼ24時間経過した
ときの紙ロールにおいて、紙が巻き付いている位置と巻
癖のカール曲率との関係を示す図である。
【図6】2次ワインダでの処理後ほぼ10日間経過した
ときの紙ロールにおいて、紙が巻き付いている位置と巻
癖のカール曲率との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 ポープリールに巻き取られた状態の紙ロール 11 1次ワインダ処理によって形成された紙ロール 12、14 第1回目の巻き替え処理によって形成された紙
ロール 13、15 第2回目の巻き替え処理によって形成された紙
ロール 11a、12a、13a、14a、15a コア
【表1】
【表2】
【表3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアに紙匹を巻き取ることによってなる
    紙ロールであって、コアの外径が紙匹の厚さの300〜
    1200倍であり、紙ロール中の式(I)で表される領
    域における紙匹を断裁して得られるシートのカール曲率
    の最大値と最小値の差が、3m-1以下であることを特徴
    とする紙ロール。 2×r≦R≦Rmax (I) r:コアの半径 R:紙ロールの中心から注目する紙匹までの距離(半
    径) Rmax:紙ロールの半径(最外層) ただし、コアの方向を内側としたカールの曲率を(+)
    とする。
  2. 【請求項2】 式(I)で表される領域における紙匹を
    断裁して得られるシートのカール曲率の最大値と最小値
    の差が2mー1以下であることを特徴とする請求項1に記
    載の紙ロール。
  3. 【請求項3】 式(I)で表される領域における紙匹を
    断裁して得られるシートのカール曲率の絶対値が3mー1
    以下であることを特徴とする請求項1または請求項2の
    いずれかに記載の紙ロール。
  4. 【請求項4】 坪量が80g/m2 以上である紙匹から
    なる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の紙ロー
    ル。
  5. 【請求項5】 製造された紙匹に偶数回の巻き替え処理
    を行い、巻き替え処理後の巻き面が処理前の巻き面と反
    対面となる巻き付けを行うことを特徴とする紙ロールの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 製造された紙匹に偶数回の巻き替え処理
    を行い、最後に紙匹を巻き取ったコアの外径が当該紙匹
    の厚さの300〜1200倍であることを特徴とする請
    求項5に記載の紙ロールの製造方法。
JP24097696A 1996-08-26 1996-08-26 紙ロール及び紙ロールの製造方法 Expired - Fee Related JP3694845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24097696A JP3694845B2 (ja) 1996-08-26 1996-08-26 紙ロール及び紙ロールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24097696A JP3694845B2 (ja) 1996-08-26 1996-08-26 紙ロール及び紙ロールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1059598A true JPH1059598A (ja) 1998-03-03
JP3694845B2 JP3694845B2 (ja) 2005-09-14

Family

ID=17067469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24097696A Expired - Fee Related JP3694845B2 (ja) 1996-08-26 1996-08-26 紙ロール及び紙ロールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3694845B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012128303A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Canon Inc 帯電装置及び画像形成装置
US10688994B2 (en) 2015-09-09 2020-06-23 Denso Corporation Vehicle control apparatus

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012128303A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Canon Inc 帯電装置及び画像形成装置
US10688994B2 (en) 2015-09-09 2020-06-23 Denso Corporation Vehicle control apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP3694845B2 (ja) 2005-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3694845B2 (ja) 紙ロール及び紙ロールの製造方法
EP1082260A1 (en) Method and apparatus in unwinding
JP3003373B2 (ja) 電子写真用転写用紙
JP4066791B2 (ja) 多色刷りオフセット輪転印刷機用紙とその製造方法
PL187758B1 (pl) Sposób regulacji gęstości zwojów walca folii
JP3228304B2 (ja) 電子写真用転写紙
JPH05341554A (ja) 電子写真用転写用紙
JP5047857B2 (ja) 新聞巻取紙
JP2008075185A (ja) 新聞巻取紙およびその評価方法
JP3234783B2 (ja) 電子写真用転写紙
JPH04139455A (ja) 電子写真用転写紙及びその製造方法
JP3763228B2 (ja) 電子写真用転写用紙
JP4581904B2 (ja) 電子写真用記録用紙
JP4729459B2 (ja) 電子写真転写用紙
JP2005133262A (ja) 新聞印刷用巻取紙
US5860054A (en) Method for improving feeding of a compilations of recording sheets in printing process
JPH1137704A (ja) 長尺状体の幅方向での湾曲測定方法及びその測定装置、並びに長尺状体の製造方法及び磁気記録媒体の製造方法
JPH07314036A (ja) 金属帯巻取時の合紙帯シワ発生防止方法
JPH11245924A (ja) シガレット包装機のエンボス加工装置
JP3136805B2 (ja) 電子写真用転写用紙
JP2679475B2 (ja) 新聞用紙の巻取りを製造する方法
JP4205542B2 (ja) 昇華転写用受像紙のカール矯正方法及びカール矯正装置
US20080236427A1 (en) Planographic printing plate, and apparatus and method for manufacturing the same
JP2001302051A (ja) 記録装置
JPH06202371A (ja) 電子写真用転写用紙

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041111

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050616

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050107

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080708

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110708

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees